プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2016年3月15日(火)
プロ野球界相次ぐ衝撃 賭博・薬物…闇の深度

ゲスト

江本孟紀
元プロ野球選手 野球解説者
黒鉄ヒロシ
漫画家
玉木正之
スポーツ評論家

野球賭博と選手の意識
秋元キャスター
「今回、巨人軍で発覚しました所属チーム以外の公式試合の勝ち負けに金銭を賭けた野球賭博問題について、簡単に、その構図、振り返っておきたいと思います。今回の問題で、野球賭博の中心にいたのが笠原将生元投手です。笠原元投手は大学院生のA氏と飲食店経営者B氏と野球賭博に手を染めていました。その後、笠原元投手を通じて、福田聡志元投手と松本竜也元投手も野球賭博をやっていたことが明らかになり、昨年の秋、巨人軍はこの3選手を解雇し、日本野球機構は無期失格処分としました。今月、高木京介投手も野球賭博をしていたと、本人自らの会見で明らかとなり、巨人軍は先週の金曜日に、高木投手を日本野球機構に告発しました。江本さん、この一連の野球賭博の発覚についてはどう見ていますか?」
江本氏
「どこからか漏れて、そういう話になったんでしょうね。それまではどれぐらい長い期間やったのか、よくわからないですけれども、そんな罪悪感がなかったのではないでしょうかね。やっている方は」
黒鉄氏
「この前に、日本のギャンブルの定義とか、暗黒街はともかくダメですよ、でも、お互いにやる時に金額がちょっと跳ね上がっても、内々だけならいいと文化が、江戸やら何やら、ずっとあるわけですよ。さておいて、野球選手が野球に賭けるという時に、実は、江本さんはさておいて、スポーツをやるある一定の極めた人の骨頂は、ギャンブルに近くなるんですよ。投球にしても、おそらく直球でいくのか、カーブにいくのか、インコースなのか、アウトコースなのかという時に、細部は運否天賦になるでしょう。科学的には決められない。バッターもそうですよね。ヤマを賭けますよね。ヤマを賭けるというのは、ギャンブル的、偶然に賭けるわけですから。こうなると彼らは子供の時からやっていますから、好きですよ、それが。ですから、それが根っこにあって。だから、一般のというか、普通の、彼ら超人ですから、神の領域、オリンポスの神殿で野球をやっているような人達ですからね。彼らがやるのは、僕らよりも欲求というのかな、欲望だろうな。それが強いのだろうと思うんですよ。だから、罪悪感もなくなる」
江本氏
「これをやっている連中、皆一流半ですよ。一流の選手はいないですよ。一流になるとプロに入ってから、黒鉄さんが言うの、わかるんですけれど、プロに入ってくると、そこにレベルがあるわけですよ。ランクが出てくるわけです。一軍半ですもの皆。いくら成績を上げたのですか。この選手達は。ところが、一流ぐらいになるとプライドですよ。プライド。俺はエースだいうプライドですよ。だから、そんなせせこましいことはしないよというのは、1つの位があるわけですよ。だから、そこがない選手はまずとっかかる」
黒鉄氏
「一軍半と言えど言語領域ではないところへ足を踏み入れたプロフェッショナル達の未来を、見えませんね。非常に不安になる。たとえば、宮本武蔵が五輪の書で、相手の打の頭を打てと言っているんですね。訳わからないでしょう。おそらく動くのだろうと思う。気配を感じて打ちこむということなのでしょうね。この領域にいきたいけれども、おっしゃる通り一流半だから、けれど、気配は感じとっているはずです。弁護していないですよ。それで金を賭けていいとかではないのですが、とっかかりで一流半だからこそ、ちょっと出して、ポテンシャルを上げているという悲しい動き」
秋元キャスター
「日本プロ野球プロフェッショナル野球協約では、選手、監督、コーチなどの有害行為を次のように定めています。第177条では、所属球団が直接関与する試合について賭けをすることを禁じ、該当する者を永久失格処分としています。また、第180条では、野球賭博常習者、暴力団関係者などとの間で一切の利益の収受、供与、要求、申込み、約束を禁じ、所属球団が直接関与しない試合、または出場しない試合について賭けをすることも禁じていて、該当するものを、1年間または無期失格処分としています。昨年の3人のケースというのは、この180条に抵触したとして処分が下されたわけですけれど、江本さん、この野球協約、選手に徹底されているのでしょうか?」
江本氏
「野球のルールも呼んだことがないですから、そんなに。だから、野球協約までは、野球協約の中に統一契約書ってあるでしょう。それも、きっちり全部読んでいる人はいないですよ。だから、年に1回、キャンプの前とか、そういう時に講習とか、研修とか、新人だったらね。そういう時にこういう話が出るでしょうけれど、次の日から野球に没頭していますから、何条に何が書いてあるかなと。これは24章の何条に書いていたとかね、そんなの思う人は誰もいませんよ」
反町キャスター
「ただ、野球協約と言ってしまうと、こうなってしまうのですけれども、言ってみれば、反社会勢力とお付きあいをしないでねとか、賭博はまずいですよとか。当たり前のことかなと思うんですけれども、これはどうなのですか。そういうものを敢えてちゃんとつくらないと、野球選手というのはそれだけ誘惑が多いということですか?」
江本氏
「いや、そうではなくて、それは昔から、私がプロ野球に入る前ですから、昭和45年ぐらいに黒い霧事件というのがあって、そういう関係とのものがあって、かなりそういうものに対しては厳しくなっていたんですね。プロ野球も。だから、意識としては皆、当然それはありますし、そんなにべったり付きあっている人なんかもちろん、いませんよね。だから、ここだけの問題だけではなくて、そういう人と一緒になって賭博をしたとか、そういう話が問題なわけでしょう、現在。だから、野球協約そのものは知らないですけども、毎日、野球協約を提げながら、この人と付きあう時はこれに違反をするかなといってやっている人は誰もいませんよ」
反町キャスター
「玉木さん、この野球協約の文章、どう感じますか?」
玉木氏
「これは、私は一応、仕事ですから、全部読んでいますけれども、わかりにくいですね。でも、組織を運営していくうえでは、こういう憲法のようなものがないとダメだなというのはよくわかるんですよ。ただ、やっている選手に対して、これを徹底する時に、どういう噛み砕き方で徹底できるのかという。社会の中でも法律があるではないですか。憲法をはじめとして。それを皆がルールを守る時に、道路交通法を、条文では教えないでしょう。こういう時に、右折をする時にハンドルはこう切ってはいけないとか、絵柄、図を描いて説明をしたりするわけでしょう。そういうのをきちんと選手に徹底しているかどうかというところではちょっと物足りなさを感じます」
江本氏
「玉木さん、それを誰が教えるのですか。球団の、どういう役職、ポジションの。球団のフロントを考えて見てください。野球界に精通した人がずっといればいいですよ。でも、日本のプロ野球は、親会社があって、そこから、いつの間にか降りてきたりして、野球界のことをあまり知らないでその業務に携わると、選手との関係も、それから、球界全体のことも、たとえば、広報担当になって、では、広報がどんな仕事だとか、球団代表はどんな仕事だとか、ありとあらゆるポジションで、要するに、いろんな人が入ってくるわけです。ただ、その中で選手を管理する。選手に教育をするポジションの人がどういう人かというのが問題ですよ。これが1番欠けるところではないですか」
玉木氏
「野球を愛している人が、野球が好きな人がフロントにちゃんといるのかということですよ。野球が好きだったら、選手も好きですよ。野球をやっている選手が。だって、自分にはまったくできないことをやるわけですよ。ところが、フロントにいる人達はその選手がグラウンドでホームランを打つよりも、俺がビジネスをやっている方が上だと思っている人が多いわけですよ。それでは、野球界がうまく発展をしていかないですよね。たかが選手が、と言う人がトップにいたわけですからね。そんな人がいるようでは、いい選手も育たないですよね」
反町キャスター
「現在、言われたのは、要するに、チームを強くするためにフロントの意識改革の話かと思って、そう聞こえるんですけれども、それが賭博に手を染めないような選手に教育をすることまで…」
玉木氏
「球界全体が利益を得るためには、そんな賭博に手を出されたら、逆に球界全体が傷つくわけです。今回だって、すごく傷ついていますよね。だから、こういうことは、自分達が止めないといけないと自分達で思うはずですよね。これはマイナスだからという、そういう意識がものすごく欠けていると思いますよ」
反町キャスター
「それはどういうことですか?先ほど、江本さんが言われたみたいに、親会社から降りてきている人達というのはチームを強くようとしか、もっとわかりやすく言うと、野球に対する想いが欠けているから、その人達が上にいたって、モラルも強くもならないだろうと。そういう意味で言っているのですか?」
玉木氏
「そういうことですね。何年か経ったら親会社に戻るわけですから。戻りたい人が多いわけです。中には好きな人もおられるし、パリーグのいくつかの球団ですごく良いフロント運営をしている球団も表れてきたことは事実です、昔に比べて。でも、まだまだその意識というのは全体に広がっていないと。球界全体を広げようとか、野球の人気を上げようとか。そういう動きというのは、僕ら感じられないですもの。各球団が自分だけがいい。それでいいという意識ですよね」
反町キャスター
「そもそもの野球論みたいに、今日、賭博の話なので、あまりそこは深入りしたくないんですけれども、そもそもの野球論として、要するに、プロ野球というのは、親会社の宣伝媒体でしかないと、昔、よく言われました。現在でもそうなのですか?」
玉木氏
「そんな低い意識でいるから、日本の野球は発展をしないわけですよ」
反町キャスター
「現在、そうだと感じているのですか?」
玉木氏
「感じますよ、それは。僕はスポーツライターと名乗って40年近くになりますが、その間、日本のプロ野球は12球団のままですよ、ずっと。私が初めて、取材し始めた頃のアメリカの球団数というのは14球団でしたよ。それが現在、30球団になっているわけですよ。この違いがなぜ生じたかということですね。ただ、野球でビジネスをしていてということは、野球を大事にしないと。と言うことは、野球選手を大事にしないと野球界が発展をしないわけではないですか。ところが、親会社を大事にして、野球を利用している組織では全然、発展をしないわけですよ」

野球賭博、薬物事件…巨人軍が抱える課題
秋元キャスター
「今回、問題になっています、野球賭博の問題で、名前が挙がっているのは巨人軍の選手ばかりですけれども、江本さん、巨人軍には賭博が横行するような環境があるのか?それとも選手個人の問題なのか?どう見たらいいのでしょう?」
江本氏
「それは難しいですね。だから、たまたま。とっかかりになる人がいて、誘ってやったのでしょうけれどもね。他の球団でもあるかどうかはわかりませんけれども、あり得るでしょうね。あるか、ないかと言われれば、あるかもしれないですよね。そこはこれからちゃんとしないと。巨人の環境がというよりも。それは個人的にそういう深く関わる人間がいたのでしょうね」
反町キャスター
「その深く関わった人が、巨人に近かったせいもあって、ジャイアンツの選手が引きずり込まれたという。そうすると、たとえば、球団関係者とか、OBの人で、その世界に親しい人が、他のチームの出身者よりも多ければ、そのチームにアプローチをしている可能性。たまたま今回は巨人の話しか出ていないですけれども、今回の件が全てかどうかわからない、こういうことですか?」
江本氏
「だから、ちょっと話が違うかもしれませんけれど、最近は同じような、オールジャパンだとか、オールスターとか、それから、シーズン前に自主トレで一緒にやるとか。現在、選手は皆、仲良しですよ。トレードももちろんあるし、そういう意味で、昔みたいに巨人と阪神と言ったら、親の敵みたいに僕ら喧嘩でしたからね。だから、そうではなく、現在、皆仲良しでやるわけ。そうすると、1つやり始めたら、皆、同じことをやるんですよ」
反町キャスター
「これはジャイアンツだけと思うのは間違いであるという気持ちに僕はなっちゃうんですけれども…」
江本氏
「それは実際、出てこないとわかりませんけれど、そういう関連性というのか、そういうことで言うと、影響を受けている人がいるかもしれないし」
反町キャスター
「ジャイアンツの場合は3人出て、そこで一応、これで全員、球団から除名をして、永久失格処分にして、今度は、高木投手は1人で記者会見をして、その後、球団の関係者、上層部の方々、皆引責されました。これで一応けじめに、見た目は、形式的にというか、見えるんですけれども。たとえば、強制的な捜査権とかをコミッショナー事務局も、球団も持っていないわけではないですか。では、どうしたらいいのか?」
黒鉄氏
「窮余の策というか、入団の時のお金が数千万円ありますよね。こういう不祥事を起こした時に、この時、命取りになりますから、きっちり決めておいて、入団金を返すと。それにプラスペナルティも返すと、払うと。そうしたら皆、手を出さないですよ」
反町キャスター
「そういうルールをつければいいという意味で言っていますか?」
黒鉄氏
「いやいや、だから、嫌だと。そういうことは。つまり、人生賭けてやってきて、野球が好きでやってきて、法外と言う人もいますが、本人の実力で、資格で勝ち得た1億円なら1億円をこういうことやったら全部返して、ペナルティと言ったら、誰もやらないと思うんですよ」
玉木氏
「野球選手というのは、小さい頃からリトルリーグからずっと野球だけで育って、世の中のことを知らないというではないですか。それをもう1度見直す時にあると思うんですよ。典型的なのは高校野球ですよね。1球1球ベンチばかり見ているわけですよ。あの中から、新しい人間が生まれるかどうかというのを指導者は考えるべきでしょう。自分でもう少し作戦を考えるとか、作戦を考える面白さを大人が奪い取っているわけです。大人が高校生を使って、優勝したら名将だとか言って、喜んでいるわけですね。こういう高校野球のやり方というのはもう1度、考え直すべきだと私は思いますよ」
江本氏
「玉木さんの言う通り、要するに、プロ野球でも、新しいことを何かしたがって、ベンチから監督がピッチャーのサインまで出すような人がいるわけです。これはもっての他ですよ、こんなの。アメリカでちょっと流行ったんですよ。だけど、これはピッチャーの主権を侵している話ですね。それを、さも、いかにもデータだのなんだの言っているんですけれども、私には幼稚な、子供な野球でやるようなものですよ。だから、野球界全体がちょっと現在、幼児性というか」
反町キャスター
「野村さんはベンチからサインを出していませんでした?」
江本氏
「出していませんよ」
反町キャスター
「自分がキャッチャーだから、出していませんでしたっけ?」
江本氏
「もちろん、もちろん。あの人、そこまでの才能は。いや、いや、キャッチャーなんてそんなものですよ。キャッチャーの語るところ30分あれば。だから、もうちょっと、要するに、確かに声出しも、高校野球ぐらいまでだったら、何となく見ている方が気持ちいいですけれども、プロぐらいになったら、あれはたまにしかやってはいけないですよ。みっともない」
玉木氏
「メジャーリーグで、ベンチ前で円陣なんて組んでいるの見たことがあります?」
反町キャスター
「ありませんね」
江本氏
「それと、何でもアメリカの真似をするのは、グータッチだとか、ハイタッチだとか、現在いろんなことをやるではないですか。あれだってそもそも何でやっているのか。その発想、やってきたことをそもそもわかっていないで、ただ、真似をしているだけです。だから、真似ばっかりするんですね。あれは、向こうはある種のマイノリティーの挨拶でもあるので、意識を皆で高めようというところを、白人の連中も一緒になってやっていくだろうというのが始まりなのでね。日本にはそういう文化が何もないまま、真似だけするんですよ。だから、幼稚なことにどんどん行って、ある時はホームランを打って、帰ってきた時にこんなことをやっていました、ベンチで。ああいう幼稚なことをやめろと言って、それはやめたんですけれど、そういうことが平気で行われる。それを注意する人がいない」
反町キャスター
「玉木さん、プロ野球選手は、幼稚化が進んでいるのですか?」
玉木氏
「それは高校野球から責任はあると思いますね。もっと言うなら、リトルリーグから野球を教えている人が、野球をどれだけ知っているかというところが問題だと思うんですよ。たとえば、はっきりしますけれども、ピッチャー、左ピッチャーのことをサウスポーと言いますよね。なぜサウスポーというのかを答えられる人はあまりいませんよね。サウスポーは南の手のひらという意味ですよ。何で南の手のひらかというと、あれは野球場の方角が決まっているからですね。南側から手が出てくるからという、そういうものを、野球の指導者が知っているかどうかですよね。なぜスリーストライクでアウトになったのか。初めはストライク、アウトなんて歴史的にはなかったわけですよ。フォアボールも、フォアボールではなくてナインボールあたりから始まっているわけです。そういうものがどんどん変わってきたという中に、アメリカの歴史が凝縮されているわけですね。だから、ベースボールの歴史を調べていくと、アメリカ人というのはこういうふうにしてゲームとして学んできたというようなことがわかるぐらい面白いものがあるわけですよ。そういうことを全部脱ぎ捨て、横に置いて、ノック捕れ、ボール捕れだけをやっていれば、先ほど、江本さんが言われた1.5流というか、一流まではなかなか育つのは難しいですよね」

選手育成のあり方
反町キャスター
「そういう文化的な素地もない日本で野球をやっている限りにおいては、選手は成熟しないし、そこには倫理性を求めてもしょうがないので、賭博に入ってしまう人もいるよという、これは道が1本に見えてしまうのですけれども、止める手立てはないという話になってしまいますか?そういうふうに聞こえますが」
玉木氏
「それより、これから野球をやるっていう人達に、どういう野球の教育をするのか。高野連だと高校野球で、教育、教育と言っていますけれども、どういう教育をやっているのかを聞いたことがないです。野球における教育とは何かというもの、あるいはスポーツにおける教育とは何か。オリンピックはすごく教育を前面に打ち出しているんですね。IOC(国際オリンピック委員会)は。ユースオリンピックを始めたのは、あれは教育の一環としてやっているわけですよ。それをどう捉えるかというのを、それこそプロ野球も、高校野球も、大学野球も一緒になって、日本の野球をどうするかを話し合えればいいですけどね」

反社会勢力との『つながり』
秋元キャスター
「清原和博元プロ野球選手の件、どのように見ていましたか?」
江本氏
「これだけの選手がもったいないですよね。一言で言うと。だから、こういうことになる前は、そんなに悪い人間ではないなと思っていたんですけれどね。非常にもったいないというのが1つですね。どこでこういうふうに狂ってきたのだと。考えたらスーパースターだったが故にいろんな葛藤もあったと思うんです。要するに、普通はだいたい最近プロ野球というのは、昔からそうでしたけれど、スーパースターになるとだいたい椅子が用意されているわけですよ。次監督になるとか。そういう道が自分にはまったくないなと思った時に悩んでくるとか、そういういろんな要素に、たぶんこういう事件を起こしていった背景があるのではないかと思うんです」
黒鉄氏
「極めて選手としても、人としても恵まれたスタンスに立った人ですね。だから、皆、空しいとおっしゃった通り、残念無念と思うのですが、個人として見た時に彼は何を取りにいったのかなと。全部手に入れた珍しい人間ですよ。これは脳の中に何かを取りにいったのかな。本来なら、学問とか、学者がアルコール分析とか、ドラッグ分析とかをやりながら、言語領域の内側に入っていく、だから、手に余ること、だから、入口は快感やら何やらそこから入ったのでしょうけれども、止められなくなったというのは彼の能力ですよね。しばしば止めずに、すごい集中力でこのポジショニングを獲得した名選手ですから、それが同じエネルギーを使いながら麻薬にいっちゃったら止められないということですから、ある意味、皮肉だなと思いました」
玉木氏
「現在、江本さんがもったいないということを言ったけれど、野球界の中でどれくらいの人が悔やんでいるか、もったいないなと思っているか、それを知りたいですね。コミッショナーは思っていますか、事務局長は思っていますか、球団の人は思っていますか。その人達が清原のためにこれから何ができるかを考えていますかということですよ。だって、自分達のプラスにしてくれた時期もあったわけですよね。本人の責任もすごく大きいですよ。でも、清原から恩恵を受けたことも大きかったはずですね。だったら、その分ぐらい返してあげてもいいはずですよ。手を差しのべてあげても。アメリカではコカイン中毒の処分を受けた選手がたくさん戻っていますから、メジャーリーグに。そういう選手を大事にする日本のプロ野球界というものをどこかで何か構築してほしいと思いますよね」
反町キャスター
「反社会勢力の人達から見た時に、プロ野球選手というのは興味の対象になるものなのか、感じる部分はありますか?」
黒鉄氏
「なるでしょう。1番なるでしょう。アウトローの人達というのは、野球が大好きですもん。昔のアウトローは気を遣っていたんですよ。来なかったんです。一礼して行くとかね。一時、暴対法、博打を取り締まった、そこから薬が増え始めて、皮肉なことですが、そこからヤクザがいきなり声かけてくるようになったんですね。だから、世の中が変わってきたということ。ですから、今回のことも関係性、水際が近寄ってきたということですよね。仁義が変わったというか」
玉木氏
「プロ選手との付きあいというのは、僕は知りませんけれども、ただ、僕は関西の人間ですし、小さい頃に、西宮球場に何度も足を運んだ人間ですから、それから、南海ホークスの大阪球場にもね。そうしたら球場の中でどういうことが行われていたかというのを子供心にもよく覚えていますよ。100円札を耳に挟んで、歩いている人がいっぱいいるわけです。パリーグの試合を見るというのはそういう大人の世界を垣間見るという、そういう子供にとっての冒険みたいなところもあったわけですよね。行くのは夏休みですよね。そうしたら、ステテコに下着で腹巻きしたおっさんがやっているわけですよ。そういう中で大人の世界を眺めているという時に、その野球選手達がそういう世界と関係がないとは思えないですよね。そういう中で私は育ったんです。だから、芸能界とか、裏社会といろいろお付きあいあるといろいろ言われましたよね。そういう時代だったということも過去にはありますよね。ですから、僕はこの仕事を始めた時に、たとえば、青田昇さんであるとか、もちろん水原さんでもあるけれども、いろいろ教えてもらいましたよ、話の中に。そうしたら、そういう話も山ほど出てきましたよ。それこそ昔の藤本定義さん、巨人でも阪神でも優勝したあの方の本を読んでいると、ピストルを持った人間が自宅に来て、明日の試合をどうしろと脅している話が出てくるんですよね。そうしたら、そういう時代から時代が変わってきたのだというような流れというものは掴んでいないとわからないところはありますよね」

プロ野球界の現状と今後
秋元キャスター
「徹底的に浄化すべきですか?」
江本氏
「やるべきで、その浄化をするのにもやり方があると思うんですけれども、プロフェッショナルという意識をもっとつけるべきだと思うんです。プロ野球はお金で生きているのですから。お金を稼ぐために野球をやっているわけですよ。それを徹底すべきだと思いますよ。だから、そんな余計なもので金を貰おうとか、稼ごうとか、そういう発想は絶対になくさないとダメだと思います」
黒鉄氏
「僕は今さら教育は遅すぎるので、サラリーの3割を球団が預かって、引退する時にまとめて福利で渡してあげる。その間に何かあった時には没収するという。そうすると嫌ですよ、お金を人質に取って、犯罪抑止という。これ1つのアイデアですが、ただ、僕は玉木さんが徹底的にとおっしゃるけれども、ある程度やれば皆、驚き、皆選手は気がつくのではないですか。明日からちゃんとやれよという意味で、ある程度までやって2度とやるなよというぐらいの温情がないと、これを全部調べあげた時に、声出しなんかおそらく全球団でやっているのではないですか。それが悪いとなると取り返しがつかないですから」

元プロ野球選手 江本孟紀氏の提言:『鎖国』
江本氏
「この際、日本のプロ野球界は、もうイチローから皆、もういっぺん帰らして、日本のプロ野球を再生させると。スーパースターを(海外に)簡単に出して、それで球団が稼いで、何かどんどんアメリカに行くことがさも日本の球界みたいに言っていますけど、日本の球界には現在スーパースターもいないし、大谷だとか、そういう選手達もどんどんこれから出て行く状態でしょう。だから、ここは、すみません、張本勲さんみたいになりますけれど、ここで一気に鎖国政策をとるべきだと思います」

漫画家 黒鉄ヒロシ氏の提言:『足るを知り 分を弁える 』
黒鉄氏
「選手の立場、今回の問題点もそうですし、それから、ファンもそうです。欲望に限りがないでしょう。もっともっとと。清原さんのことも入っているのですが、あそこまで行ったら、『もっと』をやめるべきですね。金を取りに行っているでしょう、皆。昔の日本はそうではなかったでしょう。金よりも大切な形やら何やら、そこからダンディズムが生まれて、皆が生きやすい世の中はこちらの方を目指して、野球もそうで、何か金だけが目的になっているような、何か世知辛い。あとは勝ち負けのファンばっかり。そうではなくて負け試合にもいい負けがあるわけですよ。皆が大人になれということですけどね、自分も含めて」

スポーツ評論家 玉木正之氏の提言:『メディアの球団所有を禁止する』
玉木氏
「これは球団所有だけでなくて、メディアの野球の主催も、要するに、高校野球の主催は朝日新聞、毎日新聞ですよね。球団を持っているのは読売新聞ですよね。メディアはジャーナリズムとして動かないとダメです。第3代大統領のトーマス・ジェファーソンが、新聞があって政府がない社会と、新聞がなくて政府がある社会、どちらがいいかと言ったら、新聞があって政府がない社会の方が良い政府がいずれ生まれる。ところが、新聞がなくて政府だけある社会というのはどんどん政府が悪くなって悪い社会になると言っているわけですよ。ジャーナリズムがなくなっているんですよ、現在、スポーツの。特に、野球の。だから、高校野球でも球数制限をやるやるやると言って全然できないです。それから、話が飛びますけれど、オリンピックのマラソンだって、メディアが主催しなければもう少しもめずに決まりますよ。だから、そのあたりでメディアも分をわきまえて、振る舞ってほしいと思いますね」