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2016年3月11日(金)
福島の5年と『廃炉』 額賀福志郎 馬淵澄夫

ゲスト

額賀福志郎
東日本大震災復興加速化本部本部長 自由民主党衆議院議員
馬淵澄夫
民主党筆頭副幹事長 衆議院議員
岡本孝司
東京大学大学院教授

震災から5年 被災地の復興は
松村キャスター
「東日本大震災から5年という節目の今日、地震が発生した午後2時46分に政府主催の追悼式典をはじめ、岩手、宮城、福島県など各地で黙祷が捧げられました。額賀さん、5年という時間が経ちました、この5年をどう振り返りますか?」
額賀議員
「まず2万人を超える犠牲者の方々に対して、心から追悼の意を表したいし、皆さんと共に。また、避難されている方々、まだ数十万人いますので、心からお見舞いを申し上げたいと思って。それで、この5年間、要するに、地震、津波の被災地域と、福島県のような原発事故による被災地と2つあると思うんです。地震、津波地域おいてはだいたいインフラはほぼ着手されていまして、これは行政のレールに乗っていますので、インフラは粛々と前倒し的に進めていくことが大事だと思います。仮設住宅におられる方々も公営住宅に現在移りつつありますので、正常を取り戻しつつあると。それから、ようやく新しいステージに来たのかなと、こういうふうに思っています。しかし、福島の場合は、当時避難者は帰還困難区域等、15万人と言われたんです。しかし、現在でも10万人は避難生活を強いられているわけであります。しかも、なおかつ原発の事故は、汚染水の問題は、ようやくいろんな緊急手当てをしてきたので、収束に向かいつつあるという感じ。収束というか、安定的な形になりつつあるということは言えるかと思うんですけれど、本格的な使用済み燃料の取り出しとか、そういうものはこれからが本番であります。従って、福島の場合はまだ道半ばであります」
松村キャスター
「馬淵さんは震災直後、総理補佐官に就任、対応に当たられていましたが、その後の復興の状況をどのように現在、見ていますか?」
馬淵議員
「私は震災直後、総理補佐官として原発事故対応をやってきました。その意味で、5年経った現在も原発の問題というのは、私自身、重く背負っていると思っています。その意味で、福島の皆さんに寄り添いながら、この問題に政治家である限り、真摯に私の人生をかけても取り組まなければいけない課題だと思っています。そのうえで、もちろん、被災地の皆さん、また、亡くなられた皆さん方、避難されている皆さん方には心から哀悼と、お見舞いの言葉をお伝えしたいと思います。そのうえで、この5年間、原発という問題に対して危機的状況は確かに脱しました。しかし、廃炉については、実は道筋がまだ見えていません。このような状況の中で、一方、現在の政府におかれては昨年5月に決めて、7月に決定されたエネルギーミックスでは、原発の比率は20%から22%。これは発災前の28.6%から数パーセント、6%ほど少ない数字である。これが昨年のエネルギー基本計画。これは安倍政権、一昨年前に決定され、2014年ですね。決定されたエネルギー基本計画では原発を可能な限り低減するとしているにもかかわらず、まったく逆方向を向いていないか。私はこの原発問題というのは決して感情的にならずに、しっかりと議論をしていただきたいと思っているんです。その立場です。しかし、それでも現実的な対応というのを考えた時に、政府は本当にそのことに目を向けているのか。多くの皆さんが不安に思うようなことはないのかというが、私が1番懸念している点です。安全の確保、あるいは最終処分も含めた使用済み核燃料の問題。こうした問題が解決しない中、エネルギーの安定供給は必要です。否定はしません。しかし、安易な再稼働に舵を切ってはいないか。あるいは今後の原発について、新設、増設を含めて、どのような道筋が描かれていくのか。私は、これを国民にきちんと説明をしなければいけないと思う。それなくして何となく皆さんが忘れ去っていく過程の中で、いつの間にかガチガチに固まって、それこそ可能な限り低減するどころか、いきなり増えていくような道筋が出てきはしないか。国民がしっかり合意したうえで物事を進められるように、この5年間を振り返って、今後の原発政策、福島の復興ということを考えていかなければならない。このように思っています」

汚染水対策の『今』
松村キャスター
「政府と東電は福島第1原発を30年から40年かけて廃炉にする計画を立てています。こちらが昨年6月に発表された工程表です。まず汚染水については放射性物質をALPS(多核種除去設備)で除いた処理水の処分方法を決めたり、建屋内に流れ込む水量を抑え込んだり、タンクを全て溶接型にするなどして、2020年内に建屋内滞留水処理を完了する予定です。また、燃料プールに保管されている使用済み核燃料は、4号機は既に取り出されています。3号機は2017年度から。1号機、2号機は2020年度から取り出しを開始するとしています。さらに、燃料デブリです。廃炉するうえで最大の難関と言われています。この燃料デブリというのは、核燃料が原子炉格納容器に溶け落ちたもの。2017年度以降、取り出しの方針や方法を決定しまして、2021年度から取り出しを開始するとしています。このような工程表があります。この内、これまでの汚染水対策を見ていきたいと思います。山側から海側に流れ出ている地下水が原子炉内に流れ込み、汚染水が生まれていました。この対策としては、まずは建屋周辺の井戸、サブドレンから地下水を汲み上げ、専用浄化設備、これを通したうえで海に放出。建屋内に流出している地下水を大幅に低減をしました。また、海側に流れ込む地下水についても、この海側遮水壁、これを設置して堰き止め、護岸に設置した井戸、地下ドレン、これを汲み上げています。これも専用浄化設備を通って海へ放出をされるということです。さらには、原子炉建屋内に流出している汚染水は、多核種除去設備で放射性物質を除去して、およそ1000基あるというタンクに溜まっているという状況です。岡本さん、この汚染水対策。効果をあげているのでしょうか?」
岡本教授
「これは、事故当初は非常に高濃度な汚染水が海にじゃあじゃあ漏れているという絵を覚えていらっしゃる方もいると思うんですけれど、事故直後には止められまして、現在、5年経って、少しずつ汚染水をやっているんですけれど、1番大きいのは、海側遮水壁と呼ばれる、1番海側ですね。ここの部分を閉じ込めることができたんですね。このことによって、発電所といいますか、原子炉まわりの水は一切、海に流れなくなったと言っていいと。ほとんど流れなくなったと言っていいということになります。ですので、現在、ここの中の水は全て制御されている、コントロールされているということになりますね。全て水は専用浄化装置。もしくはALPSの設備によって処理をして、安定になられていると。と言うことで、汚染水問題はほぼ片づいたと言っても過言でないという状況になっています」
松村キャスター
「さらに、国と東電が汚染水処理の切り札と位置づけている凍土遮水壁。これを見ていくのですが、これは原子炉建屋周囲の土地を凍らせ、地下水が建屋内に流れ込むのを防ぐことによって毎日150トン流れ続けていた汚染水を50トンに減らすとされていて、早ければ今月中に凍結を開始する見込みですが、岡本さん、この凍土遮水壁の効果についてはどう見ていますか?」
岡本教授
「この凍土遮水壁も、実は凍土遮水壁と海側遮水壁とが相まって作用することによって、この原子炉のまわりに水を近寄せない、寄せつけない。来たものは、外には出さないということが完成します。特に海側の部分を止めちゃったので山側から止めた部分にいっぱい流れてきている。これを凍土遮水壁で止めることができれば、大きな汚染水の入ってくるのを大きく減らせるということになりますので、これは非常に大きな前進だと思っています」

汚染水『凍土遮水壁』
反町キャスター
「馬淵さん、首相補佐官の時に、凍土壁とか、様々な遮蔽癖、要するに、建屋の流れ込む地下水をコントロールしようとか、いろいろと策を考えられたと僕らは聞いているんですけれど、最終的に今回、政権が決めて採った凍土遮蔽壁の効果、どのように見ていますか?」
馬淵議員
「凍土工法というのは、トンネルの掘削の地山留めに使われたものですから、遮水、あるいは止水工事の工法ではありません。従って、これは2013年に汚染水対策処理委員会が発表したレポートにも抜本的な方法とは言い切れないと言われています。従って、これはあくまでも暫定的な方法です。当時は施工面積を小さくして水位管理が容易であるということから選択されたということでした。もちろん、施工性が高いことは重要ですが、果たして、その効果は、本当は未知数ですね。現状においても3月末までに実行というのは、これは遅れてきました。これが果たして7月に動きだし、本当に凍土壁によって流入が止められるのか。現に試験凍結では予想外の地下水の上昇が起きたりしているわけです。私は、ここはあまり楽観視すべきではないと思っています。私も同じように遮水をするということに取り組んできた立場ですから、ここは当時の対策委員会がレポートにも書いていますけれども、暫定的な、ある意味、恒久的な方法でない凍土壁に代えて粘土壁。これに置き換えるべきことも検討すべき。当時のレポートにも書いていますので」
反町キャスター
「現在の話ですと、要するに、凍土遮蔽壁というのは工事的には簡単だけれども、効果がわからない。クエスチョンマークだと、こういうことですよね。凍土壁というのは地中に鉄柱を打ち込んで、それを冷やすことによって土を固めて、それで氷によるバリアをつくるという話ではないですか?粘土壁というのは地中に粘土を打ち込むのですか?」
馬淵議員
「スラリと呼ばれる粘土状のものを打ち込んで、水、いわゆる地下水が入ってこないようにするという方法で、これは土木工法としても確立されたものです。ただし、これをやろうとすると埋設物などの様々な障害物が発生するということでした。ただし、凍土壁だったら、それがなくできるかというと、いわゆる貫通施工などと言って、埋設物に対しても貫通して凍らせなければいけないという状況が起きてきたわけですね。これは当初の政府の説明とは違いました。もちろん、これに関しては規制委員会も含めて、安全性の確認をしたと言われていますけれども、実際に凍結しても止水の効果があるかどうか、まだこれは未知数ですよ。ですから、私が申し上げたいのはこれで大丈夫だというような、安心できるような発言をすべきではないのではないか。むしろ凍土壁がダメな場合は当時、安倍政権における、その汚染水処理対策委員会のレポートの中にも恒久的な構造ではないので、これは平成32年頃です。様々な処理が進む中で置き換えることを検討すべきだということも書かれているわけですから。私はかつての委員会でも、多重防御をすべきだと申し上げてきたんです。凍土壁は否定しません。いろいろなできること。ありとあらゆることをやるべきです。ただ、多重防御という意味では粘土壁も合わせて平行で、これは施工すべきではないかということを提言してきました。だから、安全というよりも、安全を高めるために政治が何を判断するかということをより強く発信、ということやっていくべきだと思っています」

汚染水 トリチウムの処分
松村キャスター
「続いては、敷地内を埋め尽くす、およそ1000基のタンクにはALPSの処理水がおよそ62万トン貯められています。これについて先月、原子力規制委員会の田中委員長はこのように発言をしています。『ALPS、多核種除去設備で処理した水はやっぱり、海に捨てるという持続性のあるスタイルをつくっていかない限りは、廃止措置、廃炉は進まない』と。トリチウムはALPSで処理しても取り切れない放射性物質です。つまり、1000基に及ぶタンクの中の水にはトリチウムが溶け込んでいるんです。その半減期は12.3年。天然でも生成される水素の放射性同位体。体内に入りますと10日から40日で半分が排出され、放出される放射線は紙1枚で遮蔽可能ということです。トリチウム、世界的にはどのように処分がされているのでしょうか?」
岡本教授
「トリチウム自体は宇宙船が大気圏に飛び込んでくると、そこででき上がっていて、現在、実は海の中に大量にトリチウム自体はあるんです。ただ、非常に薄い濃度で、大量のトリチウムがあります。そういう意味では、現在汚染水として確かに、若干多めに、濃度が高いところにあるんですけれど、トリチウム自体はまったく水と一緒なので、溶け込んでいるというより水そのものですね。そういうものは基本的には世界中の、たとえば、いろんな原子力発電所を運転しているとほんの僅かですけれど、でき上がってきますので、そういったものを運転している原子力発電所では、通常海洋放出という形で、されていることが多いということです。実は福島第1でも運転をしている頃は非常に微量ですけれども、海洋放出をするということは認められて放出されていましたので」
反町キャスター
「どこの原発でもトリチウムはだいたい、どこの国でも海洋放出をしている?」
岡本教授
「というか、全て海洋放出というか、海沿いのところは放出されていると思います」
反町キャスター
「危ないのですか?危なくないのですか?」
岡本教授
「危なくないです。大量にあると危ないです。これは放射線量の話で考えなくてはいけないですけれど、薄ければ全然問題ないということになります。現在どのぐらいトリチウムがあるかというと、非常に大きなタンクの中にトリチウムは本当に耳かき一匙と同じぐらいしか入っていないですね。ただ、放射性物質というのは微量でも1個、1個ですごく放射線を出しますので、ほんの僅かでも放射線を出すということから厄介ですけども、今回、あそこにあるトリチウムは飲むとか、そういうことは考えない方がいいと思いますけれども、薄めて放出する分には、それは健康への影響であろうが、世界的に見てもまったく問題がないと」
反町キャスター
「飲むのはまずいだろうけれども、海に流す分には大丈夫なのですか?」
岡本教授
「飲んでも大丈夫ですけれども、それは法令値以上に濃度がありますから、飲んではいけないですけれども、実質上は普通の水ですから、水を飲んでいれば、どんどん排出されるという形になります」
反町キャスター
「トリチウムの問題をどう感じますか?」
額賀議員
「現在、岡本先生がおっしゃったように、これは世界中で皆、薄め、希釈して海に放出しているというのが常識ですね。韓国でも、中国でも皆そうだと思います。ただ、政府は現在、先ほどもお話がありましたけれど、政府の対策委員会の中でタスクフォースをつくって、2016年の上半期に一定の考え方を出すと。たとえば、分離とか、放出とか、そういういろいろな考え方を整理して出すと。それを受けて、政府は決断するということですから、我々もその専門家の意見を聞いたうえで、政治判断をして、党として、政府に進言をしていきたいと、こう思っています。その場合、重要なことは地域の人達、福島の場合はセンシティブなところがありますので、我々はそれをちゃんと丁寧に、相談をして、理解をしてもらう中で方向性をつくっていくことが大事なことだと、急がば回れと思っています」

使用済み核燃料回収の道
松村キャスター
「廃炉に向けた最大の課題が燃料デブリの取り出しです。点検中で稼働していなかった4号機以外、事故で溶け落ちた核燃料など、この燃料デブリが格納容器の中にあるのですが」
反町キャスター
「額賀さん、いかがですか?取り出しに向けての現状、どう見ていますか?」
額賀議員
「ロボット等を使って全容解明をするということと同時に、現場へ、廃炉支援機構を強化して今度、専門家、研究者を増員して、そういったデブリとか、こういう専門的な勉強をさせます。そのうえで、ただ、2日前に私は福島へ行ってまいりましたけれども、楢葉町にモックアップと言って、いろいろな建屋とか、原子炉の格納容器の実物大の模型をつくって、いろんな想定をしながら、修理し、ああだこうだと、そういうことをやっていると。そういう積み上げの中に、どうしたらいいかという知恵が出てくるし、道筋が見えてくるのではないか。日本人だからきちんと私はやってのけると思いますよ。それを、また、しっかりと東京電力のやる気を維持させ、国もこれはサポートしていくという形で全面的に支援をしていくことが大事なことだと私は思います」
反町キャスター
「現在の話を聞いていると、スケジュール通りにいっても早くても2060年とか、そのへんですね。2060年、そういう30年、40年先の話を受けて、これから企業ががんばる。これから若い人が育ってくる。これからロボットが良いのができるだろうという、何か全部、将来に期待を寄せながら、進んでいくんだよと言われても、どうなのと。ここはどうなのですか?」
額賀議員
「そうではなくて、2018年にどう取り出しをしていくのか。具体的に2021年には一定のやり方をきちんとやっていこうというロードマップをつくっているわけです。ただ、ロードマップを完成させるというか、目標に迫っていくために、おそらく全力投球をしていくと思いますよ。ただ、我々、政治家としては、ロードマップをつくったから、ちゃんとやりなさいということは、メッセージは送るけれど、技術者がちょっとオーバー、無理をして、目標達成をして、リスクを拡大するようなことはあってはいけないと思うんですね。目標は達成するようにサポートをするけれども、それは技術者として、ちゃんと良心に従い、合理的にきちんとやってもらいたいと思います」
反町キャスター
「馬淵さん、2060年をどう見たらいいのですか?いつかやるよとしか、聞こえないですけれども」
馬淵議員
「これは実際に中を確認していかないことには見えないですね。そのうえで、私が懸念しているのは、こうした問題に関して民間事業者である東京電力。これがまさに競争という責任を負っている名のもとに、新総特(新総合特別事業計画)という計画を立てて進めているんですよ。その工程と一致するのかということです。私が心配しているのは、新総特という再建計画。ここである程度自己の資金調達を進めなければいけない。そのためには柏崎刈羽を再稼働しないといけないという現実的な条件が到来してくるわけです。それが到来するなかで、一方で、この取り出しというのは本当にまだまったく先が見えない状況。これをどうバランスさせていくかということで、私はしっかり政府なり、国会が監視機能を高めて、その競争と責任がバランシングしなかったのが、あの発災直後のことだったわけですが、私はそこが国会の責任であり、政府の責任だと思います」

『核燃料サイクル』への道
松村キャスター
「核燃料サイクルについて日本の現状をどう見ていますか?」
岡本教授
「日本の現状は、もんじゅの話もありますし、六ヶ所の最終施設も若干遅れています。間もなく運転を開始すると思います。1つの大きな柱は燃料が再利用できるということだけではなくて、非常に高レベル廃棄物を減らせるんですね。大量にある使用済み核燃料が再処理をすることで小さくできるんですね」
反町キャスター
「どのくらいできるのですか、減溶化は?」
岡本教授
「100分の1ぐらいになります。2順も3順もします。ずっとやると、高速増殖炉がうまく動けば、100倍くらい使えるのではないかという話もあります。高レベル放射性廃棄物は小さくはなるんですけれど、非常に危険ですので、これを地層に埋めると。地球に任せるということですね。地球というのは、我々が住んでいるどこでもだいたい1000万年とか、100万年単位で安全なところ、安全な場所が多いです。そういうところで、地球に任せちゃおうというのが地層処分の思想なわけですね」
額賀議員
「私どもは、この前のエネルギー基本原理というか、基本法をつくった際にも、原子力について全体の電力構成の20%から22%ぐらいは行うという構成を示したわけですね。だから、原子力発電についてはできるだけ減らしていくという方向だけれども、全体の電力構成比を考えた場合に自給力だとか、安定性だとか、コストだとか、あるいは環境の問題だとか、そういうことを考えると、原発という電力発電は必要だろうという想いでいますので、そこは再利用をして、できるだけ活用していくことは自給力向上にもなるし、国際社会が不安定な時でも、国民の皆さんに安定した電力を供給できるということ。それから、原発がゼロになってから、既に消費電力、一般家庭はだいたい2割から3割ぐらい上がっているし、産業界は4割上がっているんですよ。だから、そういうことを、安全が最も大事だけれども、原子力規制委員会が世界一厳しい規制基準のもとでゴーサインを出したら、企業も、国もきちっりとした緊迫感を持って、安全を確保し、地域の人達に理解をもらった中で、この核燃料サイクルを踏まえて、原発の再稼動をお願いしていきたいねという考え方であります」
馬淵議員
「我々、政権時、原子力委員会の決定というのは、3つの選択肢で、全量再処理と全量直接処分、これら2つの並存と。この3つの選択肢を示したうえで、原子力委員会の決定では将来の政策変更に対応できるように、その備えを進めることが重要としました。政権が現在の与党に代わりました。2014年4月のエネルギー基本計画の中でもこの核燃料サイクルについては、核燃料の需要量、使用済み燃料の処分を含めて、発生と密接に関係する中で、核燃サイクルについては、状況の進展に応じて、戦略的柔軟性を持たせながら対応を進めるとしてきた。これはいずれの考え方もあるので、そこは推進、止めるということで、現在すぐに決められないねと。密接な関係があると。電力の需要とか、あるいは使用済み核燃料の発生に密接な関係があるので、戦略的柔軟性を持たせよう。これも現在の安倍政権での決定事項ですけれど。だから、私から言えば、この核燃サイクルについては一直線で、電車道のように走って、これで進めるのだという決定ではないわけですね。そのうえで、今後、核燃サイクルについては様々な議論、検討を重ねなければならないと私は思っていまして、これは丁寧な議論が必要だと思います。減溶化という理想を掲げてやってきた。それも今日まで動かないという状況があります。高速増殖炉も同様です」

『最終処分』への道筋
松村キャスター
「大量に発生する高濃度放射性廃棄物の最終処分は、どのように進めていくべきですか?」
岡本教授
「NUMO(原子力発電環境整備機構)というところが最終処分場を考えていくということになって、動いています。地層処分というのは長期間、安定ですね。世界的にも確立された技術ですので、まったく箸にも棒にもかからないということはなくて、たとえば、フィンランド、スウェーデン、イギリスなども含めて着実に進められている。それを同じように日本も着実に進めるのが重要だろうと思います」
反町キャスター
「何百メートルも掘って、埋めた時に、数百年、数千年のスパンですよね?」
岡本教授
「地面の中というのは数万年、数十万年のスパンで問題ないです。大丈夫です」
反町キャスター
「日本でもそういう土地がある?」
岡本教授
「はい。我々、地震の時に上にいるとそうですが、300m下で地震に遭った人に会ったことがあるのですけど、まったくわからなかったと。地面の下は岩盤が堅いところは非常に安定です」
馬淵議員
「手上げ方式から国が関与ということで結局、自治体の同意なしでは無理ですよね。それが可能かということです。風評被害だけでも、漁業関係やいろいろな方が心配になる中で、最終処分地に自分が住んでいる町がなるということに対し、受け入れられる素地を果たしてつくられるかということ。私は最終処分地ということをずっと言い続けても、16年間何もできなかったわけですよ。これから先もできる保証はないですね。むしろ使用済み燃料についてはドライキャスクにおける暫定保管のような形で、日本学術会議がこれしか方法がないだろうということで発表しましたが、我々が政権時代に、私は与党の中で議連をつくって行った勉強会の中で、責任保管という表現で示した提言と一致するのですが、最終処分地を定めようという、これも青い鳥を追い求め続けることによって、何一つ決まらないことが延々続くことがあると。私はそれよりも現実的なドライキャスクによる暫定保管、これを選択すべきではないかというのが、私の個人的な考え方です。それは最終処分にならないではないかと、そうです。最終処分にならないという状況が現在の技術レベルでは現実だということを私達は重く受け止めざるを得ないと思います」
額賀議員
「そこは政治の責任として、安倍総理もこの前、最終処理法を変えて、政府が、国が先頭に立って、科学的有望地という候補地を選択して、問題提起して、国民の皆さん方といろいろ議論をして、理解を深めていきたいというわけですから、現在の専門家の皆さんがいろいろやっていますから、そういうことを我々も勉強させてもらって、政治家としてこの問題は次世代に送らないで結論を出していくことがいいことかと思っています」

額賀福志郎 東日本大震災復興加速化本部本部長の提言:『信頼回復と総力結集』
額賀議員
「東京電力と政府は原発事故を起こしたこと等について、初心に帰って反省をして、2度とこういうことは起こさないということ。復旧復興、創生のために、原子力事故を糧にして、新しい原子力の技術を世界に発信していくために、総力を結集していけば、必ず世界から、あるいは国民から認知されるような復旧復興を成し遂げることができるし、新しい原発の技術も発信できるのではないかということです」

馬淵澄夫 民主党筆頭副幹事長の提言:『現実的な脱・原発依存』
馬淵議員
「我々は2030年代に原発ゼロを目指して、あらゆる政策資源を投入するという公約を掲げてきました。もちろん、目の前で、すぐにゼロにできない状況もよくわかっています。だからこそ、現実的な脱・原発依存。その先にあるのは再生可能エネルギーあるいは省エネを含めた新しいエネルギー社会をつくっていくことだと思います。現在の原発の状況というのを、あまり感情的にモノを言うのではなく、現実的な責任ある対応をして、発信をしていく、これが責任ある政党の立場としてのエネルギー政策だと思っていますので、これを引き続き、訴えていきたいと思います」

岡本孝司 東京大学大学院教授の提言:『日本の底力』
岡本教授
「福島の事故をしっかり反省することが非常に重要なことですが、その時にはしっかり津波に対する対策をやったうえで、私としては原子力発電所を二酸化炭素、パリ合意の1つのツールとしても使っていくべきである。現実問題として、中国、韓国では、いっぱい動いているわけです。何十基も動いているわけです。そういう中で、日本の国力として、底力として、日本が世界と戦っていくということが1つ重要なのではないかなと思っています。そのうえで、福島の廃炉に向けても日本が英知を結集して、しっかりと向かっていくということ。これが非常に重要なことであろうと思っています」