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2016年3月10日(木)
日本海『水面下』攻防 国籍不明艦の狙うもの

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛大臣 衆議院議員
杉本正彦
元海上幕僚長
小原凡司
東京財団研究員・政策プロデューサー

元防衛相&元海自トップ 日本海『水面下』の攻防
秋元キャスター
「現在行われている米韓の合同軍事演習について小野寺さんに聞きたいのですが、その演習海域、韓国の日本海側にある浦項沖ということですけれども、ここで月曜から洋上演習が行われているのですが、その一方で今朝、北朝鮮は2発の短距離弾道ミサイルを日本海側に向けて発射するなど、より一層、緊張感が高まっています。小野寺さん、こういった動きを見せる北朝鮮に対応するうえでも、日米にとって日本海というのは非常にますます重要になってくると見たらいいのでしょうか?」
小野寺議員
「今回、北朝鮮が短い弾道ミサイルを撃ちましたが、私は非常に気を使って撃ったんだなと思って見ています。撃った場所、海域、それについてはそれなりに注意を払って撃ったと思います。ただ、1つ、気をつけるのは、既に可動式の装備で、あれほど速やかに撃てるというのは、これは日本にとっては当然大きな脅威になってくると思いますし、それだけではなくて、これから私ども北朝鮮の弾道ミサイル対応というのは、たとえば、自衛隊のイージス艦等を、日本海をはじめ、展開をして対応するということになります。そうしますと、日本海における自衛隊が一定の安定して活動できる環境をつくっておくことが、これが弾道ミサイル対応の日本にとっては不可欠でありますので、日本海が重要だということは軍事上、間違いのないことだと思います」
反町キャスター
「杉本さん、今回の安全保障上の重要性。どのように感じていますか?」
杉本氏
「日本海というのは、もともと日本は周囲を海に囲まれていますので、何かある時は海からやっていくると。それが1つありますよね。それから、現在はミサイルが発達しているということでそれを阻止する、先ほど、小野寺先生が言われましたように、そういった阻止するためのビークル。イージス艦と自由に行動ができる、そういう環境を常につくっておくということが大事であろうと。日本の安全保障にとって重要だろうと思っています」

中国艦『日本周回』の狙いは?
秋元キャスター
「小原さんに聞きたいのですが、この4隻の行動のタイミング。背景というのをどのように分析をされますか?」
小原氏
「まずこの船の中には情報収集艦ドンジャオという船が含まれているのですが、これは電波に関する情報をとっていたのだと思います」
反町キャスター
「駆逐艦、フリゲート、情報収集艦、補給艦、この4隻の組み合わせというのはどう見たらいいのですか。ないしはこの4隻以外にも何かいるのではないかとか、どう見たらいいのですか?」
小原氏
「まずこの4隻の中の1番重要だったのは情報収集艦だと思います。これはミサイルや衛星も追尾できる能力を持っている、非常に大きな情報収集艦ですけれど、駆逐艦、フリゲートはそれを防衛するというような名目でついているのであろうと。あと補給艦は長期に渡って行動するので、実は、中国海軍はあまり長い間、無補給で行動できないですね」
反町キャスター
「それはどの船もそうですか?」
小原氏
「中国海軍はまだ頻繁に補給を行わなければならないと言われていまして、長い行動をする時は、予備のためかもしれませんが、補給艦がついて動くことが多いとは思います」
反町キャスター
「その意味で言うと、この4隻の一隊というのは、日本一周、グルッとまわりながら、いろいろ情報収集をする目的がはっきりわかる編成であると」
小原氏
「そう思います」

日本海『水面下』の攻防
秋元キャスター
「さて、中国の艦艇4隻が、日本をグルッと一周してもなぜ合法なのか。あらためて日本海周辺の海域の区分と基本ルールを見ていきたいと思うんですけれども、こちらの区分地図は、海上保安庁の説明用マップで、日本以外の国々の領海は省略されています。赤い部分が日本の領海です。それを縁どるように濃い青で示されているのが接続水域。その外側のやや濃い水色のゾーンが排他的経済水域。略称EEZですけれども、漁業や海洋資源などの採取など日本が経済活動を優先的に行える海域とされています。軍事的な活動については、武力行使に至らない、情報収集のレベルであれば、領海以外の海域はどこでも可能と。電波や通信、海洋の状況など調べることもでき、通り抜けることも基本的にはOKということですね」
反町キャスター
「今回、中国海軍が動いたところをちょっと細かく見せると、こういうことになるのですが、中国の艦艇が通過して行った津軽海峡ですとか、この4つの海峡。特殊な区分ができていますので、ちょっと説明します。まず対馬海峡については対馬海峡の東側と西側、北海道の北部、宗谷海峡のところですね。宗谷海峡の北海道北部の抜けている上の部分。中国の船が通った津軽海峡の真ん中の部分。さらには九州の南、ここも通りました。大隅海峡の南の部分です。こういったところ、全て日本は一部で領海を、たとえば、津軽海峡もそうですけれど、日本は領海の主張をせず、結果として、水色の部分が公海、つまり、公の海、自由に通行できる部分ができている。こういう部分は国際海峡と呼ばれていて、外国船が自由に航行することができるということになっているので、中国の軍艦がここを通っても、本来の領海を主張していれば、ここは日本の領海、接続水域で、少なくとも部分的には塗りつぶされるんですけれども、中国の艦艇はこの真ん中の水色の部分を通っていくと日本の領海、接続海域を侵さずに通行できることになると。こういうことになるわけですけれども、小野寺さん、結果的には、中国は日本一周をしたとは言いながらも、現在のこのパネルの津軽海峡の説明などをすると、ルール破りはしていないということでよろしいですか?」
小野寺議員
「たとえば、領海を通過する場合でも、無害通航権が認められていますから、自由に通行できるのですが、なぜ真ん中にこういう公海ができたかというと、1つの流れがありまして、もともと領海は3カイリだったんです。ところが、国連海洋法がしっかり施行する時に、12カイリに延ばしましょうと。そうすると、3カイリの時はこれまで公海だったんですけれども、12カイリに延ばしてしまうと、たとえば、津軽海峡は全部、日本の領海に入ってしまう。こういう時、国際的にずっと航行している場合には、自由な航行を残すために、特定海峡という形で、3カイリまで残しておきましょう。そういうところが何か所かありまして、日本はそこを選んで、そういう登録をした。そうしたら通常はこういう航行というのは、たとえば、物流がうまくいくとか、そういう民間船のことであって、軍艦がそこを自由に闊歩するとか、あるいは無害通航かどうかわからないような航行を、そこが公海だからするとか、そういう想定を当然していないわけです。そういう意味で、現在もしそういう中国の艦船が無害通航で、普通に通るのであればそうなのですが、仮に、たとえば、潜水艦が潜ったまま行くとか、あるいは公海上だからということで演習のような変な行動をとった場合、これは無害通航ではないということで、かなり国際的な世論にしっかり訴えないといけないことだと思います。ただ、できた時の経緯は、実はそういうことがあったと聞いています」
反町キャスター
「無害通航権という言葉が出てきたのですが、無害通航権というのは、たとえば、領海とか、接続水域とかであっても、通る軍艦が、そこにおいて様々な条件をクリアしていれば通っていいですよと、そういうルールですか?」
小野寺五典自民党政調会長代理
「ただ、スーッと通っていく。ただ、普通の速力で走って行く。脇目も振らず、普通に走っていく。そこで、変な行動を取らない。それが前提で、通ることは良いでしょうと。そういうふうにあるのが無害通航です」
反町キャスター
「そうすると、一応こういうフリップを用意したんですけれども、無害通航とみなされない行動。ただ、スーッと行くのではなくて、武力行使とか、武力による威嚇とか、兵器の演習、航空機の発着、情報収集、測量、通信妨害など、国際海洋法条約にこういうのが出ているんですけれども、今回の中国の軍艦4隻。問題は情報収集をしていたかどうか。このあたりが引っかかってくると、もしかして中国の軍艦が無害通航する権利、資格があったのかどうか。ここの部分はどう感じますか?」
小野寺議員
「まず国連海洋法上、悩ましいのは公海上、公の海のところであれば、それはこういうような活動をしたとしても、それは無害通航や無害通航ではないか、そういう議論にはならないです。自由にできるわけです。悩ましいのは、たとえば、津軽海峡のような、どこから見ても日本の領海でしょうと。ただ、その真ん中に公海が一応、設定されているので、ここでは、たとえ、このような活動をされていても、国連海洋法上に照らし合わせると、これは自由にできる行動とされてしまいます。ですから、実は設定当初、なかなか想定していないことだと思います」
反町キャスター
「津軽海峡の真ん中の部分というのは、公の海、公海と設定されている以上、ここを通る限りにおいて、この公海上において情報収集しようと、何をしようと何ら日本は中国の軍艦に対して抗議することもできなければ、ペナルティも何も彼らには課せられない、これはしょうがない?」
小野寺議員
「無害通航ということで考えれば、中国は自由にできます、公海ですから。ただ、もう1つ、国連海洋保護、もともとできた時には当然、主権国に関して一定の配慮を払うとか、妥当な配慮を払うとかというのが国連海洋保護法の前文にあるんです。ですから、それをもって、やっていることは国連海洋法の主旨に違反するのではないかということで、国際社会に訴えることはできるのですが、あくまでも情報を見る限りは、そこは無害通航の範疇には入らない。公海上は、自由にできる。そういうところになりますので、非常に判断は難しいことになります」

日本海の軍事ルールと現実
秋元キャスター
「たとえば、こちらの写真、2015年、ロシアの原子力潜水艦が宗谷岬の北東を通過したと防衛省が発表した時の写真ですけれども、ロシアの原子力潜水艦は浮上して航行しているんですね。杉本さん、この潜水艦が領海付近を通過する時というのは、国際的にはどういう約束事があるのですか?」
杉本氏
「日本の、いわゆる沿岸国の領海内に入る時は、潜水艦は浮上して、所属する国の、いわゆる旗を上げて、掲揚をして通過するというのが、潜水艦にとって、沿岸国に対する、いわゆる無害通航ということになります」
反町キャスター
「それは領海を通る場合ですよね?」
杉本氏
「領海を通る場合です」
反町キャスター
「公の海、公海を通る場合には、潜っていようと、どうしようと勝手なわけですよね?」
杉本氏
「公の海を通る場合は、潜水艦は別に浮上する必要もありませんし、潜水艦そのものの価値というのはどこにいるか、わからないということが潜水艦の戦略的な意義ですよね」
反町キャスター
「隠密性とか、見えないところをウリにする潜水艦があえて、浮上して、旗を立てるというのは、しかも、日本に、言葉は悪いけれども、写真を撮らせているわけですね。これはどういうメッセージがある?単に暇だから浮上をして旗を立たせているわけではないではないですよね?」
杉本氏
「そこはいろんなことが、ケースが考えられると思うんです。たとえば、この船の艦長、指揮官が宗谷海峡を初めて通る場合、不安なので、浮上して通るとか、あるいは別にオペレーションではないので。たとえば、この船がウラジオストックの造船所に修理に行くということであれば、別にオペレーションをやりますよということはないですから。ここを通っても別に問題ないと。いろんなことが考えられると思います」
反町キャスター
「小原さん、ここを浮上して通って行く潜水艦、どう受け止めればいいのですか?」
小原氏
「実際のオペレーションでない時は、位置を隠す必要はないですね。そういった時には、浮上をして、旗を立てて堂々と通るといったことは十分に考えられると思います」

対ロシア・現場海域の真実
反町キャスター
「小野寺さん、防衛大臣でいた時も含めて、このロシアの潜水艦が浮上して通るということは事前にちゃんとわかっていて、通りましたと、ああそう、ぐらいの感じですか?それとも敢えて報告してくる、無害通航と言いながら、浮上して通るものに対しては、別の意味があるのではないかと考えるものなのですか?」
小野寺議員
「実際、宗谷に行って、監視状況を大臣の時には視察をしました。いろんな意味があると思うのですが、ただ、私がなぜこの宗谷を見に行ったかというと、実は当時、ウクライナを巡っての日露の関係が緊張すると、かなりロシア艦隊の活発化がありまして、これは冷戦時代よりも多かったんです。ですから、そこをしっかり確認している自衛隊員の活動を見てきましたし、1つ1つ、しっかり日本の安全保障のために、隊員はかなり明確に確認をして、私どもと情報共有をしているということで、このことに関しては、安心をしていただいていいと思います」
反町キャスター
「2月15日、官房長官がこういう発表をしました。国籍不明の潜水艦が対馬南東の接続水域を潜没航行した。一応、官房長官の会見においては国際法上、外国の潜水艦が接続水域内の水中を航行すること、接続水域のちょっと外側ですよね。接続水域内の水中を航行すること自体は禁止されていませんが、注視すべき状況と認識し、防衛省が公表しましたと。隠密というか、秘密性を旨とする潜水艦の動きで、これは官房長官というか、日本政府が自ら発表しました。これはいったいどういう狙いがあったのですか?」
小野寺議員
「実は私が大臣の時の2年数か月ぐらい前だと思いますが、同じ様に、こういう国籍不明の潜水艦が領海にかなり近づいてきたということで公表したことがあります。これは当然、最後は政治が判断することですが、部隊と相談をして、そうして様々な情報を集めているので、こちらの手のうちを明らかにすることは、これは意味のないことなので、そこは押さえていきますが、ただ、この事案に関しては、私達はしっかり見ているぞと。こちらに来るなよと。こちらを通るなよということをある面では、警告を含め、明確に言うということは抑止力としては大事なことだと。それを政治として判断した場合には、このことについては対外的に公表をして、ただ、私どもとしてはどこの国とは言いませんが、あくまでも国籍不明ということでお話をしますが、それは伝われば伝わるほど、うちの国の船、潜水艦、あそこで見つかったと。あそこを通るとしっかり見張られているから、あまり近づけないなと。そういう抑止を働かす意味で今回、公表したと。あくまでも政治の判断でしたことだと思います」
反町キャスター
「小原さん、この発表をどう感じますか?」
小原氏
「実は潜水艦の指揮官でいらした杉本海幕長を前に、大変恐縮ですが、潜水艦ができることは多いですね。潜没したまま近づいてくる。隠密裏に機雷を撒いたり、あるいは特殊部隊を送り込んだりするということもできる。いろんなことができるんですね。ですから、潜水艦が潜没したまま国に近づくというのは大変緊張するんです。それが領海の傍にまで来ているとなると、まずは領海に入るなというのをしなければなりませんし、その意図を掴もうとします。ですから、これは普通の船が動くとの違って、潜水艦は潜没をしているだけで非常な脅威になり得るという、ビークルです」
反町キャスター
「杉本さんはこの発表をどう感じましたか?」
杉本氏
「これも小野寺先生が言われたように、政府として、いわゆる警告を発信して、今後こういうことをとらないようにという、そういう抑止の面もあると思いますし、また、あるいはもう十分にデータを取ったから、そういう意味もあるかもしれないですね。発表しても問題ないだろうと」
反町キャスター
「要するに、取るものはとったし、うろうろしているし、ちょっと追い出しちゃおうと、そういう可能性もあるのですか?」
杉本氏
「あると思います。そこはいろんな判断があったと思いますね」
反町キャスター
「結果的にこういうことをやられると、たとえば、あったのかどうかは知りませんけれども、海上自衛隊の潜水艦が、どこかに、要するに、潜ってずっと行っていた時に、もしもこういう話の形で発表されたりすると、軍としては非常に面子の問題になるのか、技量としての評価なのか。どういうダメージを、彼の国の潜水艦部隊が受けたと感じますか?」
杉本氏
「それは探知をされた。見つかったということになってくると、その指揮官の、これまでの指揮官になるための、いわゆる教育システムというか、それが不十分だったのではないか、あるいは潜水艦の、いわゆる装備、いろいろなナビゲーションの装置として間違っていったと。潜水艦の艦長が弁明するかもしれません。そういった時に潜水艦そのものの装備体系も見直すということもたぶん考えられると思いますね」

中国海軍の動向と狙いは?
秋元キャスター
「中国の潜水艦による日本海での行動が今後、活発化すると思いますか?」
小野寺議員
「これは日本海だけではなく、中国軍全体がなるべく自分達の国を守るうえで広い範囲を自分達のテリトリーにしようという活動を今後してくると思いますし、そう考えると、太平洋の方にもどんどん出てくると思います。実は日本海というのは、もし東シナ海で問題が起きた時、日本海側から、たとえば、日本の自衛隊が出てくるとか、あるいは日本海側にアメリカの艦船が展開するとか、極東ロシアもそこに展開するとか、いろいろなこともあります。中国としては東シナ海が自分の海と通常は思うのですが、それは太平洋だけではなくて、日本海にも同じ考えを持つ。当然、日本海の中で中国の潜水艦が待機をしていると、いざと言う時、当然ここでの軍事行動というのは、それぞれの国が一定の制限を受けることになりますから、同じ日本海を視野に入れてくることは、軍事的常識ではないかと思います」
反町キャスター
「中国の艦船が日本海で情報収集をする場合、どういう情報を収集するのが1番の目的になるのですか?」
小野寺議員
「通常から考えられるのは、ここで潜水艦が運航する場合には、潮の流れがどうなのかとか、海底の地形はどうなのかとか、実際に潜って運航をするわけですから、相当いろんな情報を持って航行しないと、安全な運航はできないと思います。海洋観測を含めて、綿密な情報がないと潜水艦は簡単には運航できない。そういう意味で、これからも情報収集はしてくるかと思います」
杉本氏
「たとえば、米韓共同軍事演習の時に、中国の潜水艦が潜って、昼間はアンテナを上げたりすると、わかると思いますよね。夜間、上から見えない時に、どういうデータのやり取りをしているのか。いろんなことで情報収集できると思います」
反町キャスター
「日本海における国別の情報収集のレベルは?」
杉本氏
「ロシアは、ソ連の時から、ずっと潜水艦オペレーションしていますので、ですから、当然、潜水艦に必要なデータは把握していると思いますね。韓国については、日本海そのものというよりも、いわゆる朝鮮半島周辺の、そういったデータは十分に把握しているのではないかと思います」
反町キャスター
「北朝鮮の場合は日本海の沿岸に来て、海流調査やグルグル日本周辺をまわる能力はない?」
杉本氏
「北朝鮮についてはないと思います」
反町キャスター
「中国が日本海にこだわる意味はあるのですか?」
杉本氏
「中国にしてみれば、いわゆる経済的なことも考えれば、北極圏航路もありますので、これからは日本海を通る、そういう機会も多くなってくると思います」
小原氏
「現在でも総合的能力が1番高いと言われるロシアから買ったキロ級という通常動力型のディーゼルエレクトリックの潜水艦ですけど、12隻買って、8隻が東部戦区ですか、東海艦隊に配備されています。全艦がそこにあるわけではなく、北海艦隊にもあって、これは日本海も見ている。潜水艦が動いたらすぐに戦闘するということはないわけですが、日本海は米海軍も海上自衛隊の艦艇も動くところですから、そこで何かオペレーションをしようと思うと、準備のためにいろいろな情報をとっておかなければなりませんし、自分がどう動くべきなのかという計画が立てられないわけですね、それがないと。もう1つは、北極圏航路もあると思います」

日本海の備えは万全か?
反町キャスター
「日本海のアメリカの潜水艦の活動というのはきっちり動いているものなのですか?」
杉本氏
「それは当然、米海軍も日本に任すということだけではなくて、自分達で動いている場合もあると思います」
小原氏
「日本海でのオペレーションというのは、日本海だけで完結しているわけでないということです。たとえば、日本は北朝鮮のミサイル等を監視するためのレーダーサイトというのをいくつか置いていますが、これが邪魔だとなると、これを攻撃してくる可能性はあるんですね。これは必ずしも日本海の中からだけではないだろうと。と言うことは、日本海の状況というのはそこだけではなくて、もう少し広い目でも見なければいけないのではないかと思います」
反町キャスター
「中国との紳士協定というか、軍事協定、基本的ルールを決めなければいけないというのはあるのですか?もともとミリタリーにおいては、そういうものはないものですか?」
小原氏
「ミリタリーのルールは会議で決めても、現場までなかなかうまくいかないと思います。経験だと思うんですよ。ソ連の場合は、表向きのマナーはいいですけれども、腹の底では何を考えているかわからないと、こちらも思っていますから。これが軍事の世界では普通なのではないかと。ですから、現在、中国はそういったマナーは知らないのか、思ったことをそのままやろうとするから、余計わかりやすいのかもしれませんけれども、ルールというのは表向きだけということもある。軍事、軍隊というのは最悪の事態を想定するものですので、そういった準備を怠るわけにはいかないと思います」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言:『日米韓協力』
小野寺議員
「やはり日本海で問題を起こさないということで、1番大切なのは抑止力だと思います。抑止力の中で同じ価値観を持ち、しかも、共通の利益を持つ日米韓の3か国の協調、協力が大事だと思いますし、この部分に関しては、軍同士はしっかり関係ができていますが、むしろ政治、外交で障害を取り除いて、日米韓がしっかり連携をとれるようにすることが大事だと思います」

杉本正彦 元海上幕僚長の提言:『日米同盟の深化及び周辺国海軍との信頼醸成の強化による安定の維持』
杉本氏
「いわゆる危険な状態にできるだけ陥らせないような方策を立てていくのが1番いいのではないか。従って、日米同盟の深化ということと、周辺国の海軍との信頼醸成を強化していく。これによって日本海そのものの安定を維持していくというのが、現実的な選択肢かなと思います」

小原凡司 東京財団研究員の提言:『騒がず 海上航空優勢確保の準備を』
小原氏
「皆さんがおっしゃったように、不安定化させないことが1番重要なのですが、ただ、何か起こった時のためというのを常に考えておかなければいけないだろうと。現在行われている情報収集の段階というのは、次のステップがあるということですから、現在の段階で騒いでも意味がないと思いますけれども、冷静に、万が一何か起こった時に海上航空優勢を確保できる、これは自分の準備もそうですし、アメリカや韓国との協力を含め、そういった準備はしっかりしておくべきだと思います」