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2016年3月9日(水)
アベノミクスの分水嶺 上りか下りか日本経済

ゲスト

稲田朋美
自由民主党政務調査会長 衆議院議員(前半)
藤巻健史
おおさか維新の会政務調査会長代行 参議院議員(後半)
矢嶋康次
ニッセイ基礎研究所チーフエコノミスト

稲田自民党政調会長に問う アベノミクスの成果は?
秋元キャスター
「アベノミクスは成果を出しているのかということから聞いていきたいと思うんですけれども、昨日、2015年10月から12 月期のGDP(国内総生産)改定値が発表されました。物価の変動を除く実質変動率で、前の期に比べ伸び率でマイナス0.3%。このペースが1年間続くと仮定した年率換算でマイナス1.1%となり、先月発表された速報値マイナス1.4%から上方修正されたものの、引き続きマイナス成長となっています。また、個人消費については暖冬により暖房器具などの家電が伸びず、速報値のマイナス0.8%からマイナス0.9%に下方修正されました。まずは稲田さん、日本経済の現状、アベノミクスは成果が出ているのでしょうか?」
稲田議員
「政権を奪還した時、安倍政権に戻ってから、この3年間、様々な企業収益であったり、賃上げであったり、雇用、有効求人倍率は47都道府県全てで上がっているし、あと企業収益と言っても、それは大企業だけでなく、中小企業も上がっている。法人2税も47都道府県全部で上がっているということは、私はアベノミクスの成果が出ていると思うんですね。ただ、道半ば。完全にデフレから脱却したというわけではないという状況だと思います。この間、G20でも金融政策、財政政策、構造改革と、まさしく安倍政権の、アベノミクスの三本の矢が書き込まれたということは、世界的に見てもこのアベノミクス三本の矢自体の方向性は、私は間違っていない。正しいと思います」
矢嶋氏
「どんな政策にも、たぶん光と影があって、色が強く出るところと、そうでないところがあると思うんですけれども、アベノミクス、そういう意味では、最初に三本の矢と言われている、金融と財政、先生がおっしゃった話を一気に動かしたんですよね。その意味で、金融市場が非常に反応して、円安になって、株高になって、そこに財政をつけたということで、仕事がいっぱい生まれ、有効求人倍率がよろしくなったのは事実だと思うんです。問題は強い日本経済を取り戻さないといけないということになると、最初のエンジンはうまく吹かしたんだけれども、そのあとに何をするのかと言った時に、この3年間で、議論が残念ながら、ちょっと萎んできているの。強い経済を取り戻すためには成長力の元の源泉になる潜在成長率を強くしないといけないというところの議論に関して、少しトーンダウンしてきているのは事実だと思うんです。現在足元、日本経済がまわっていることは事実だと思うのですが、もう1つポイントになるのは実際、金融市場はうまく反応させたというか、したので、円安がすごく進んだんです。足元で現在、安倍政権になって初めて円高の方にグッと振れてきているので、ここに対し、これまで円安でずっと皆が見ていたこと、感じていたことが反転し始めていることに対して、企業の設備投資が少し鈍ってきたり、消費のところが少し鈍ってきたりしているので、その意味で、アベノミクスがうまくいっているかどうかの論点も確かにあると思うのですが、もう1つ考えなければいけないのは明らかに正念場です。ここでがんばっていただかないと善いも悪いも全部台なしになってしまうので、そういう意味で、分岐点にあるのだという認識がたぶん正しいのではないかなと」
反町キャスター
「踏ん張るのは何をどう踏ん張ればいいのですか?稲田政調会長的には」
矢嶋氏
「現在、先ほどの第一と第二の矢がうまくいきましたと。そういう意味で、第三の矢のところ、いろいろな改革です。言葉的に規制緩和であったり、構造改革であったり、政府ががんばってくれたことを今度、民間ががんばるためには、民間のお尻を叩くわけではないですけれど、ニンジンではないですけれども、そこの部分は急がないと、この成果を台なしにするか、さらにまわせるか、現在そういう時点だと認識しています」
反町キャスター
「稲田さん、この数字にもう1回立ち戻りたいんですけれども、昨年の10月から12月期というと、年が明けてから6連続だか、7連続、株が落ちたりとか、株が下がったりとか、円が安くなったりという、先ほどの、矢嶋さんが言われたような環境がドカンと起きて、年明けですよ。この10月から12月期においてはまだたぶん株価は2万円にいくか、いかないかで、いい状況で、円も現在の状況ではなく、見た目の指標でいうとまだまだというふうに。だって、円は年明けの経済3団体の皆さん、各企業のリーダーの皆さん、株価の予想をしたら、皆さん、2万2000円とか、平気で皆、書いていましたよ。現在そんなことを言う人は1人もいなくなりました。そうすると、その時から、既に株価が2万円を割って、株価もそんなに高くなっていなかった時にもかかわらず、実態を見てみるとマイナス0.3%で、個人消費がマイナス0.9%。これは、つまり、円安、株高で一部の企業は儲かっているかもしれないけれども、それが全然、日本経済全体にしみていないのではないかという、例のトリクルダウンは嘘だったんだと。こういう議論になっちゃうのだけれども、このへんがアベノミクスの限界ではないかという疑問が世論調査にも出ています。そこはいかがですか?」
稲田議員
「アベノミクスは決してトリクルダウンではなくて、そうではなくて、先ほど、中小企業のことやら、法人2税のことを言いましたけれど、それは地方の経済、中小企業の経済も一緒にまわしていくというのがアベノミクスです。現在おっしゃった数字のことですけれども、このGDPの6割は個人消費ですよね。消費税を3%上げました。そこからガクンと落ち、個人消費は底堅いと言って、これ以上、下がらないと言って、気候の問題があるとか、いろいろあるんですけれども、でも、個人消費がまだ上向いていない。3%を上げた影響というのは想定した以上に大きかったということはあると思うんですね。まず個人消費を上げていく、そのための環境を整える。たとえば、賃上げを促進するとか、可処分所得を上げていく。当然過ぎることですけれども、そういうことをやっていかないといけないと思います」

来年4月の消費増税
秋元キャスター
「そういう状況の中で、来年の4月に消費税を10%に上げるというのは可能なのでしょうか?」
稲田議員
「私は自民党、財政再建派でありますので、しっかり消費税を上げていかないと、社会保障の先行きの不安があれば、個人消費にもまわりませんよね。そういう意味で、リーマンショック並みのことがなければ、10%に上げると総理もおっしゃって、財政再建というのは、世界中が日本のことを見ている。信頼を見ているので、しっかり上げていく環境をまずはつくっていくということだと思うんですね。ただ、現在の世界情勢の変化は、ちゃんと注視をして、日本経済がぶち壊れるというような状況になってまで上げるというのは、それは本末転倒でもありますので、そこはしっかりと見極めながら、しかし、現在の状況では10%に上げるという路線を維持すべきだと思っています」

『保育園落ちた日本死ね!』
秋元キャスター
「『保育園落ちた日本死ね!!!』と書かれたブログに共感した母親らが2万7000人分の署名を集め、塩崎厚生労働大臣に手渡し、待機児童の解決を訴えたことがありました。その匿名のブログ、こちらにあります。国会でも取り上げられました。抜粋して、そのまま読ませていただきます。『何んだよ、日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ、私活躍できねーじゃねーか。子供を産んだのいいけど、希望通りに保育園に預けるのほぼ無理だからって言ってって子供産むやつなんかいねーよ。保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど、少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ』。働きたいけれども、子供の預け先がなくて働けないという母親の意見ですけれど、稲田さん、どう見ていますか?」
稲田議員
「言葉はすごくきついんだけれど、私自身も2人育てていて、保育園に入れるとか、明日の、この子の面倒、誰が見るとか、とにかくパニック状態になっていた時期もあるんですよね。なので、気持ちはわかります。ただ、自民党も、政権を奪還してから、かなり保育所の待機児童を解消するために、それから、子育て支援、今回、補正と28年度予算で0.7兆円、7000億円ですね、かなり手厚くやっているんです。なので、そういった点は理解をしてもらいつつも、こういう声に対しても、何か対策を打っていくということは必要だと思います」
反町キャスター
「高齢者に対して子育て世代に対する手当というか、資源の配分のバランス問題とよく言われるではないですか。どうしても、その意味で言うと、よくこの番組でやるのだけれども、お年寄りには手厚いのだけれども、どうしても子育て世代に対する分配、再分配、薄いのではないか。ここの部分で感じる部分はありますか?」
稲田議員
「私は、社会保障というのは負担できる人には負担をしてもらうということだと思うんですね。必要なところには手厚く。必要なところに手厚くというのは、まさしくこういう子育て世代へ手厚くしていくということだと思います」
秋元キャスター
「女性の活躍を掲げる安倍政権だからこそ何とかしてくれるのではないかという、女性の期待も強かったと思うんですけれども、それはどう見ていますか?」
稲田議員
「本当に、安倍政権が女性活躍ということを、安倍総理が初めて、総理として女性活躍を、政策のど真ん中に据えた。これはすごく期待があります。なので、その期待を裏切らないように、こういった声に対して現在、補正と28年度予算で0.7兆円をつけて、こんなふうにやっています。でも、これが執行されるのに時間がかかりますよね。なので、何か方法はないかということはしっかり党内でも議論をしていきたいと思います」
秋元キャスター
「保育所ということに絞って見てみますと、安倍政権になって、全国の待機児童数、いったん減少はしているのですが、新三本の矢、一億総活躍社会という目標を掲げて、昨年再び増加をしていて、保育所の利用率は年々、上がっています。ですので、なかなか政策が追いついていないという現状なのですが」
稲田議員
「それと、29年度までの政治目標40万人を50万人にして、なるべく追いつくようにしていますが、女性が外で、社会で働かれる数も非常に増えていますよね。それに政策を追いつかせてくという努力はスピード感が必要だと思います」

国の政策と国民の要望
反町キャスター
「選挙だからと言いませんけれど、特に稲田さんが政調会長でいる間に、自民党として待機児童の問題は、1点突破と言いません。1点豪華とも申し上げませんが、何か徹底的に取り組んでもいいのではないかと思ったりもするんです。ただ、いろいろな自治体が、たとえば、横浜市も待機児童ゼロを達成したと、林市長が言った翌日には待機児童が出てきてなんて、追っかけっこになっているのはわかります。ゼロになったという横から、周りから流入して、我慢していた人達が起き上がってきて、どんどん待機児童が増えていく。ただ、この問題は解決しないとどうにもならない問題ではないですか。箱をつくらないと女性が働けない部分があるわけでしょう。稲田さんの個人的な想いでも結構ですけれども、これに対する想い。待機児童に対する、保育所に対する想いは他の政策と格別違うものであるとか、ないのですか?」
稲田議員
「規制改革担当大臣の頃に保育所、たとえば、民間の保育所の問題であったり、あと保育士さんの試験を、回数を増やしたり、規制をもう少し緩くしていくとか、人数の問題とか、いろんなことに取り組んできました。そういう規制を改革して、できるだけ箱だけでなくて、そこで働く人材とか、そういう人を増やしていくということを、ちょっとスピード感を持って、メリハリをつけた形で。また待機児童は大都市に集中しているわけです。地域的にも集中しているので自治体の首長さんや議員の先生方とも連携をしながらやっていく必要があると思います」

『1億総活躍社会』の実現
秋元キャスター
「昨年の9月に安倍政権は、一億総活躍社会を目指すための新三本の矢を打ち出しました。女性の活躍というのがカギを握ると思うんですけれども、参院選に向けて女性に何を訴えていきたいと思いますか?」
稲田議員
「たとえば、新三本の矢の二本目、三本目は、私は女性活躍に直結するものだと思います。そういう意味で、この新三本の矢を、しっかりと結果を出していける状況をつくっていくということが非常に重要だと思っています」
反町キャスター
「矢嶋さん、この新三本の矢。まずは総論からのイメージを聞きたいのですが、どう評価されていますか?」
矢嶋氏
「打ち出し方として、非常にうまいなという印象を持っています。と言うのは、必ずこう見ると、国民の誰かが必ずそこに該当するという意味において、本当にそういう意味で、一億総活躍という、そういう意味では、プラスの面があったということが事実と。もう1つは、先ほど、冒頭に言いました、生産性とか、本当に日本経済を強くするという意味では、1番コアになる生産性みたいな議論が第一の矢の後ろに隠れちゃったので、そこの議論がないがしろになっている感、印象を受けるという、そういう意味では、プラスとマイナス、両方が強く出ちゃっているなという気がしますね」
反町キャスター
「具体的な政策、たとえば、現在、労働法制も国会に、金銭介護とか、同一労働賃金、働き方改革など、いろんなものが出ているんですけれど、具体的に、矢嶋さんが一億総活躍社会という中で、いろんな政策が出てくる中で、集中して見ていきたいというのはありますか?」
矢嶋氏
「労働のところと税制ですね。女性活躍と考えた時に正規、非正規の問題があるということを考えると同一賃金の話がどうしてもカギになってくると思います。もう1つは配偶者控除も関係して、税制の部分だと思いますので、そこの部分はまだまったく手がついていないので、そこの2つが今年中にうまくまわり始めると、女性活躍というところもある程度、土台からサポートする形になってくると思います」
稲田議員
「私もそう思います。女性が働きに出て100万人ぐらい増えましたね。だけど、質を見ないといけないと思うんですね。それは質を見た時に非正規がすごく増えています。非正規をなくす。では、非正規を違法にしたらいいのかと言ったって、そう簡単にはいきませんよね。そこで総理が思い切って、同一労働、同一賃金ということを言われました。まさしく同一労働、同一賃金が実現することなくして、非正規、正規というのの別がないということはないですね。ただ、同一労働、同一賃金を実現するために、どうしたらいいのかと言った時に、私は労働市場改革をしっかりと進めていくと。それはこれまで日本がずっと守ってきた終身雇用であったり、年功序列であったり、その良さはもちろん、あるんですけれども、そういう良さを守りながらも労働の柔軟性を高めていくための労働市場改革、雇用制度改革というのはすごく重要で、ここは正念場だと思います」
反町キャスター
「守りながら改革と、政権与党の皆さんは必ずそう言います。何か改革する時にはあまり極端なことを言うと有権者に嫌われちゃうし、だから、守りながらだよと言うんですけれども、現在の、たとえば、労働法制の話を聞いていると僕も終身雇用がチャラになったら嫌ですよ。嫌だけど、本当に改革のことが先ほど、矢嶋さんが言われた本当の正念場だと言うのなら、終身雇用とか、年功序列というものを守りながら、という言葉をまだ言っていていいのですかという、我が身を切る思いで聞きますが、それはどうなのですか?」
稲田議員
「私は、終身雇用、年功序列を守るということを言っているのではないです。そうではなくて、雇っている、働いている人の立場であったり、その人の生活であったり、そういうのを守るためにやってきたわけですね。そういう政策をやりながらという意味で、実は最後に出すところで書いているんですけれど、雇用改革をして、流動性を高めるためには、ここのAという職場からBという職場に移れるだけのそういう教育、人材の教育がしっかりとなされていないと、その新たな分野にいくことはできない。セーフティネットをしっかりと張っていく。労働の流動性を高めるのであれば、それによって、その改革によって出てくるところである歪みについての、社会保障、セーフティネットです。そういうものと人材教育というものを一緒にやっていく。これはすごく難しいことだけれど、これをやらないで、名目GDP600兆円と言ったって、なかなか達成が私はできないと思います」
反町キャスター
「参議院選挙のマニフェストは当然、担当だと思うんですけれど、その表紙とか、当然まだできていないと思うんですけれども、安心とか、改憲、憲法改正とか、そういう言葉ではなくて、もうちょっと今日出たような、生活実感とか、子育て支援とか、何かそういう言葉が並ぶようなイメージの方でいいですか?」
稲田議員
「そうですね。最初に経済、財政ですね。それから、女性の活躍。一億総活躍もそうですけれども、そういったところをしっかりと現在の国民の皆さんが何となく不安を感じつつあるかなというところの足元をしっかりと固めるということだと思います」
反町キャスター
「改憲とか、マニフェストの中でドカンとは言ったりするのですか?」
稲田議員
「公約ね。毎回、憲法改正については入ってきているので、党是でもありますので、それが抜けるということはないですけれども、現在言ったようなものが中心になると。これから議論ですけれども」

稲田朋美 自由民主党政務調査会長の提言:『産業・雇用・人材 一体改革』
稲田議員
「現在、目いっぱい話したことですね。まさしく産業の変化、世界を見ても、産業構造の変化に合わせて、スピード感を持って雇用改革と同時に人材を育成していく。この産業改革、雇用改革、人材の育成というものを一体的に改革していく。その正念場だと思います」

アベノミクスの分水嶺 日銀の金融緩和策
秋元キャスター
「日銀の金融緩和策の効果をどのように見ていますか?」
藤巻議員
「私はもともと20年前からマイナス金利政策をしようとずっと申し上げてたんです。これは現在ちょっとまだマーケットが荒れていますけれども、マイナス金利政策は極めて効く政策だと思っているんですよ。ただし、問題はタイミングが悪かった。本来であればゼロ金利になってすぐやるべきだったと思うんですね。それをやっていないから他の国も景気が悪くなって金利下げ競争とか、通貨安競争に入ってしまったというのも1点ありますし、要は、量的緩和をやってしまった、これが非常に問題のある政策だと思うんですけど、その間に時間が無駄になったし、かつ量的緩和という副作用がこれから出そうな状況になっているということでマイナス金利政策は大正解な政策、量的緩和政策というのは極めてまずい政策だたったと理解しています」

量的緩和とマイナス金利
反町キャスター
「何でマイナス金利はよくて、金融緩和はダメなのか。そこから教えてください」
藤巻議員
「その前に、なぜ込み入ったことになっちゃったのかということを喋りたいんですけれども、まずマイナス金利政策というのは、当座預金、皆さんが銀行に預金するがごとく、銀行は日銀に預金していますよね。その当座預金を極小にするのがマイナス金利政策ですよ。要するに、置けばペナルティを払え、要するに、マイナス金利だということで極小化するのがマイナス金利政策です。もう一方の異次元の量的緩和政策というのは、当座預金をその目的からして極大化する目的です。要するに、180度違う政策ですよ。それを、量的緩和政策をまずやっちゃったから、まったく相反する政策を一緒にやろうとしているから何かわからないような仕組みになっちゃったということですね」
反町キャスター
「そうすると、マイナス金利を導入してしまった以上、金融緩和を直ちにやめなさいと?」
藤巻議員
「と言うよりも、量的緩和が1番問題ですけれど、量的緩和は1度やっちゃうと解消できない政策です。ルビコン川を渡っちゃっているから、なかなか下げられないんですよね。あとで詳しく申し上げますけれども、これをやっちゃったが故に変な仕組みになっちゃったということで。それで、マイナス金利政策というのは、もともとはこれ伝統的金融政策です。要するに、伝統的金融政策というのは、景気が悪くなれば金利を下げる。景気が良くなれば金利を上げるというのが伝統的金融政策です。まさに、その通りなのがマイナス金利政策。要は金利が悪いから金利を下げた。その先はマイナスになっちゃったというだけの話ですよ」
反町キャスター
「ゼロから下にいっちゃうことについては、それはルビコン川を渡ったことにならない?」
藤巻議員
「全然ならないです。垂直線はまったくゼロで断絶するわけではないですから、プラスからマイナスにまわったと」
反町キャスター
「銀行にお金を預けていて利子がつかなくなるばかりかお金をとられるようになることは、延長線上?印象論ですよ」
藤巻議員
「単に常識的に反対になっちゃうから、常識と反対になっちゃうから結構日銀もできなかったと思うし、私が最初に提案しても皆さんに笑い飛ばされたのはそこにあると思うんです。ですけど、たとえば、現在デフレですよね。デフレというのは、要するに、お金の価値はあるんですけれど、たとえば、反町さんが、ピカソの絵を持っていたとする。それは貴重なもの、貴重なものを預ければ保管料を払いますよね、倉庫業者に。同じですよ、お金も貴重なのだから、預ければ保管料を払うのは当たり前の世界であって、そう考えていただければ、それほど抵抗感はないのかなと思いますけどね」

金融緩和の先にあるもの
秋元キャスター
「今後、金融緩和政策を続けると、どういうふうになると」
藤巻議員
「私は、マイナス金利政策はすごく効くと思うんですよ。これから日本の金利はマイナスになっていくし、アメリカはペースは落ちるかもしれないけれども、上がっていく。日本とアメリカの金利差は開くということで、ドル高になると思うんですね、ドル高円安が。そうすると、日本経済かなり良くなると思います。問題は黒田日銀総裁が2017年度の前半に消費者物価指数が2%にいくとおっしゃっています。私もいくと思うんです、なぜなら円安ドル高が進むから。かなり早い段階、1年未満でかなりいくと思います。アメリカ経済は、かなり私は強いと思っていますから、それは上がると思うんです。だけども、その時に問題は2%にいった時に、そのあと3%、4%、5%にいかないかという問題が出てきちゃうんです。先ほど、マイナス金利であれば、それ、やばいよということになれば、マイナス2にしていたものをマイナス1プラス1にして、ブレーキが効くからインフレ率がどんどん上がってきちゃう心配はないですけれども、その前に、量的緩和というものをやっちゃっているんですよ。量的緩和というものはお金がバラバラにあるわけですけれど、現在、日銀が国債発行の8割を買っているんです。8割を買っているというのは、どういうことかと言うと、ほとんど日銀がお金を政府に貸しているということです。日銀がいなくなっちゃったらどうなるかという問題が起こるわけ。要するに、消費者物価指数2%になると日銀と政府のバトルが始まるわけです。日銀は2%を公約したのだから、もう量的緩和をやめますよと言うわけですよね。一方、政府は何を言っているんだ。日銀が国債を買ってくれなければ、藤巻に給料は払えないよ、地方交付税を払えないと、そういう話になってきて、きっと日銀が負けて、2%に達したあとも量的緩和、お金をバラ撒き続けるわけね。ずっと天からお金が降り続けているわけです。これではお金の価値がなくなっちゃいますよ。そういう意味で言うと、だから、先ほど申しましたように、アメリカはどんどん国債を買うのをやめたけれど、日本は未来永劫に日銀が国債を買い続けないといけない。これが1つあります。その話を言いますと、80%の国債を買っている、モノを買っている人間がいなくなれば値段は暴落しますよ、普通は。だから、値段が暴落するということは長期金利が上がっちゃいますから入札もできない、お金が集まらないということになるのですが、もう1つ言えることは量的緩和をやっちゃうと、金利を上げようと思うと、現在1つの方法しかない。現在マイナス0.1にしたら当座預金を、たとえば、1%にするわけです。そうすると、市中の金利は1%以上になります。なぜかと言うと、たとえば、銀行が融資を0.5%でするわけがない、日銀に預けると1%なのだから。だから、1%以上にマーケットが上がっていく。そういう意味で、金利を上げるという方法があるんですけれども、きっと量的緩和をやっちゃうと、それしか方法がないですよ。アメリカ中央銀行もそれで金利を上げていこうとしているんですよね。アメリカができるのは、アメリカというのは、アメリカの国債、モーゲージを買っていますけれども、買った国債の利回りがすごく高いわけです。たくさん収入が入ってくる。だから、負債の方で当座預金に高い金利を払っても、何とかやっていけるわけですよ。ところが、現在の日本は昨年末ぐらいかな、0.4%ぐらい、日銀が持っている国債の平均利回り。ましてや現在マイナスの金利で買っているわけですから、資産の方はすごく利回りが低いですね。だから、ほとんど収入が入ってこないと。当座預金の方に、民間金融機関に金利を支払い始めたなら損がどんどん垂れ流しになっていっちゃう。そうすると、日銀の積立金とかが枯渇しちゃって、日銀は損の垂れ流し、日銀倒産かという話になってきちゃうわけですよ。倒産はまずいから政府がお金を突っ込もうかというと、そのお金を日銀がまた刷ってと、こういう話になっていっちゃう」

藤巻健史 おおさか維新の会政務調査会長代行の提言:『戦術:円安! 戦略:真の資本主義国家へ』
藤巻議員
「先ほど、財政は暗いと言っていますけれども、財政が破綻しても別に日本が破綻するわけではなくて、日本は必ず復活しますから、そのためには、円安が必要ですね。だから、私は、ずっと穏やかな円安にして、景気を良くしていくのが1番良いと思ったのですが、残念ながら、そう景気がよくなる前にこれだけ財政赤字が大きくなっちゃったので、なかなか難しいけれども、円安にして、何とか日本を立て直すと。その間に、根本的には日本は社会主義国家ですから、それを資本主義国家にして、市場原理の働かない人間をキックアウトするとか、そういう大改革をしていけば、日本の将来はすごく明るいと、私は思います」

矢嶋康次 ニッセイ基礎研究所チーフエコノミストの提言:『強い経済 生産性』
矢嶋氏
「地味にやるしかないと思っていまして、やれることを、規制緩和、構造改革を地味に先送りしないでやっていきましょう」