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2016年2月24日(水)
世界を揺らす移民の足音 国際機関トップに聞く

ゲスト

ウィリアム・レイシー・スウィング
国際移住機関事務局長
長谷川祐弘
元国際連合事務総長特別代表

スウィング氏 来日の目的
秋元キャスター
「今回の来日の目的は何でしょうか?」
スウィング氏
「まずは今回、この番組に呼んでいただき、ありがとうございます。私は毎年1回、来日していますし、2009年以降、日本の外務省からの招待で来日をしています。今回は私どもの組織との協力でワークショップを行っています。今回のトピックなのですが、多様性、また、こう言った職場をどう管理をしていくかという話をしています。また、日本の政府の方々、日本の市民の方々が非常に、寛容に、こうした世界の移民の問題に関して対応していただいていることに関して感謝を申し上げたいと思っています。アフリカや中東でも現在、ある意味、難民は大問題になっています。ネパール、また、ハイチでも、いろいろな自然災害などから難民が発生しているという問題もあります。それに対して、私どもに何ができるのかを常に考えています。日本の方々にもそのことを是非考えていただきたいと思います」

欧州の移民・難民問題 中東からの大量流入
秋元キャスター
「現在問題となっているのが、昨年だけで100万人を超えたヨーロッパへの大量流入をする移民、難民ですね。スウィングさんが事務局長を務められている国際移住機関(IOM)が発表したデータによりますと昨年、地中海を渡ってヨーロッパに到着した移民、難民の数が101万1712人でした。中でもトルコを経由して海を渡ってギリシャに到着する数が85万人を超えています。今年に入って流入する勢いは止まらず、ギリシャに渡った移民、難民だけでも8万3000人を超えています。まずスウィングさん。こうした現在の状況をどう受け止めていられますか?」
スウィング氏
「私どもはこれらについて”解決すべき問題”ではなく、”人間の現実”として対処していかなければならないことだと考えています。たとえば、アフリカの東側の境界線。また、東南アジアからより安全なところへ移動しよう、動こうとしている人もたくさんいるんです。現在はシリア。シリアは過去5年間において学校にも行けない。また、仕事にも行けない。そうした人々の不満が北に移動をしようと移ったことが、流れだと思っています。残念なことにヨーロッパの諸国は現在、EU(欧州連合)として機能していません。現在はドイツ、オーストリア、スウェーデンがいくらか門戸を開こうとようやく決定しただけです。でも、ヨーロッパの人口の5億人に対して、受け入れられる量がもっと、もっとあるはずなのに、それでは現在の状況では足りないぐらいです。ですから、何らかの形での問題への対処が必要でしょう」
反町キャスター
「現在の話、現状として管理するべきではない。移動の自由は確保するべきである。そういう意味ですか?」
スウィング氏
「私どもはいわゆるこうした国境を開放するべきだということを主張しているわけではないです。ただ、こうした難民に関しては、現実の問題としてそれに対応をしていかなければいけないということを言っているんです。私どもの国際移住機関は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と同じ1951年に設立されています。もともとは、ヨーロッパからラテンアメリカに移住する人を支援するのが目的でした。少なくともそういう人々に対しては一時的に保護を与えるというのが私どもの組織が考えていることです。それが必要だということです」
反町キャスター
「ただ、今回のケースで言うと、最大の要因は、シリアの内戦だと思うんですけれども、現在言われたような、ヨーロッパからアメリカに対する移民の意味とは違って、このような戦争によって出てきた移民というより難民に近いと思うんですけれど、そういうケースにおいては、これまでの姿勢とは異なる対応が必要になるのか?そこはどう考えていますか?」
スウィング氏
「確かにいろいろな対応は必要だと思います。また、問題を動かしている、その背後にある力、社会的、経済的なもの。たとえば、南から北へ移動というのは、貧困から逃れるため、また、政治的な危機から逃れるという人々もいます。スカンジナビアに居住している家族と合流するという目的で、ヨーロッパに入って来る人もいます。場合によって、もし戻るということであれば、自主的に戻っても良いと思うんです。もしシリアが母国として平和を取り戻したら、戻りたいという人もいるでしょう。そうしたら戻ってもいいです。でも、現在は戻れない状況ですから」
反町キャスター
「そうすると、そういう100万を超える、何百万人という難民に対して、IOM(国際移住機関)は現在どういう支援、サポートをしているのですか?」
スウィング氏
「私どもが提供している支援は国連のシステム、また世界中のNGO(非政府組織)、また日本のNGOともいろいろな協力で作業を進めています。今日は「ジャパン・プラットフォーム(緊急支援活動を行うNGOの連合体)」とも話をしました。避難所、収容所を提供したり、食料を提供したり、また、そうしたどこに誰がいるかという登録を支援したり、誰がいるのかというのを把握したり、これまでに6万3000人が現在、移民として入ってきた国から別の国に移住する支援も昨年から今年にかけて行っています。EUの枠組みの中でこうした、きちんとした保護が与えられるようにするのが私どもの仕事です」

受入国の対応策
秋元キャスター
「止まらないヨーロッパへの移民、難民の流入問題を受けまして、各国が次々と対応策を打ち出しています。スウェーデンは入国前の身分証明書検査を導入するなど国境管理を強化しました。また、デンマークは難民保護申請者が所持している現金や貴重品を当局が一部徴収できるようにする議案を可決しました。ハンガリーですけれども、ハンガリーでは難民の流入を阻止するため、クロアチアやセルビアとの国境を一部封鎖。また、クロアチアとつながる鉄道を一時運行停止にしました。その他オーストリアは1日あたりの難民申請の人数を最大80人に制限することを発表しました。また、国境の一部にフェンスを建設する計画もあります。また、ドイツでも毎日入って来る難民のうち1割の人数を入国拒否するなどしています。各国かなり厳しい対応を始めているわけですけれど、スウィングさん、こうした各国の対応をどう受け止めていますか?」
スウィング氏
「明らかに、各国が意思決定をしなければいけない問題ではありますが、それに関して申し上げますと、多くのこれらの動きは、根拠のない恐れに根づいていると思います。そして国民が失業をしてしまうという9.11のセキュリティ症候群、安全保障の症候群と言えるのかもしれません。そうして犯罪者、あるいはテロリストが入ってくるのではないかという、根拠のない恐れであります。国民としてのアイデンティティの損失という問題もありますが、しかし、そういった中、アイデンティティについて自国民とは同じような外見ではない、アクセントを持っている、着ている洋服も違う、しかし、そういった人達をいかに受け入れていくか。共通の価値観を持って受け入れてはどうかという議論が必要です。まだそこまで達していません。反移民感情が高まっているという状況があります。特にOECD(経済協力開発機構)諸国においてでありますが、これらの恐れは大部分のものが根拠のないものであります」
反町キャスター
「ドイツは当初、メルケル首相が先頭を切って、すごく大歓迎をするという宣言をされて、ミュンヘンに到着した移民の人達が降りてくる時に、ドイツの移民がブリッジをつくって通すみたいな、すごく美しい光景を僕らも放送して、こういうものかと。ドイツの人の国益もある。国益にかなった移民の受け入れだというのは、前向きな話ばかりが出たんですけれど、もたなかったですね。期間、数か月において、あっと言う間に移民排斥に対する世論がフワッと吹き上がってきた。このドイツの世論の変化。ドイツに限ってまず聞きたいのですが、それはやむを得ないと見ていますか。それとも、そこには何か特別なドイツの、たとえば、受け入れ準備が足らなかったとか、そこに問題があるとか、どう見ていますか?」
スウィング氏
「私の考えでは、まずそもそもメルケル首相の決定は、非常に勇気のある、ビジョンを持った素晴らしい決断だったと思います。その中での想定としては、他の27か国、すなわちEUの、他の27の加盟国もそれに追従すると考えていたわけですが、実際に賛成をしたのはスウェーデンでありまして、彼らも諦めました。と言うのは、なぜかと言うと、それは他の25か国は賛成をしなかったからですね。従って、ドイツが、特にメルケル首相が非難を受けてしまった。これは非常に残念なことだと思います。欧州委員会も、また、いろんな取り組みをして、EUの亡命希望者に対する政策、難民に対する政策を推進していったということで取り組んだわけですが、しかし、この欧州危機、これらの移民の危機ということに関係してくるわけですね」
反町キャスター
「EU全体として統一行動、同じような受け入れの行動を取れなかったということ。これは政治論として、EUの意思決定の問題と見るのか、ドイツが、他の国に対して、きちんとした配慮、ないしは根回し。基本的な合意もつくらずに、ドイツ1国が走ってしまったという問題があるのか。EU全体で統一行動がとれなかったこと。これをどう見ていますか?」
スウィング氏
「協議のプロセス、ないしは根回しのプロセスはどうなのかわかりませんが、現在では様々な協議が行われています。28加盟国全体がIOMの加盟している国々でもありますので、従って、多くの国々と話をする機会がありますが、そういう協議は必ずしも終わっておらず、しかも、それを統一した形で、EUとして取り組むというのが本来、望ましいわけです。個人的な考えですが、少し質問を伸ばして考えますと、足並みを揃えるためには、1つはEU及びトルコの、より強固な関係づくりがお互いに必要だということが言えます。対応するためです。EUとしては共通の包括的な、長期の移民、難民問題への対応政策をつくることが重要だと思います。また、EUの加盟国、全加盟国が正式に、第3国の定住プログラムとして、再定住のプログラムを実施していくことが必要だと思います」

揺らぐEUのかたち
秋元キャスター
「ヨーロッパでは現在、移民によるテロなどの治安問題をはじめ、雇用や財政の圧迫などに、移民問題が大きな影を落としています。たとえば、同じEUの東欧諸国からの移民の大量流入について、イギリスの場合、国民の間には、移民の増加によって雇用が脅かされるとか、社会保障財源が圧迫されかねないという懸念が高まっています。そのためイギリスはEU離脱を求める世論を抑えるためにEUに改革を求めていました。先週行われたEU首脳会議で一定以上の移民流入が認められた場合に、加盟国は7年間の期間を設け、その間に入国した移民への社会保障給付を4年間制限できる内容が盛り込まれた改革案が合意されました。こうしたEUの改革案合意を受け、イギリスのキャメロン首相は今年6月23日にEU離脱か残留かを問う国民投票に踏み切ることになりました。長谷川さん、この移民問題がEUの分断の危機を招いているとも言えるわけですけれども、イギリスを含めて、各国、移民というのが非常に負担になっているわけでしょうか?」
長谷川氏
「移民が各国の負担になっているということは、各々の国によって違うと思います。と言うのは、現在になってこれだけの多くの人がEUに入ってきたわけではないですね。と言うのは、過去に何百万人という方々が東欧から既に入ってきていると。たとえば、ドイツの場合にはご存知のように、現在だいたい8300万人ぐらいの人口ですけれど、5年前ぐらいには8000万人ぐらいまで落ちてきたんですね。しかし、現在、外からの移住者を受け入れ、労働者として雇用をすることによって、なおかつその人達が定住することによって経済というものも成長をしているということが言えると思います。すなわち20%ぐらいのドイツの人口は現在、広義に言って、外から入ってきた移民達で成り立っているわけです。ですから、日本にだけにおられる方は、ドイツがどの程度変わってきているかということも、ちょっとわからないのではないかということも言えるのではないですか」

財政圧迫…受け入れ国の負担
反町キャスター
「たとえば、ドイツの2割が、最終的に外国からの移民をルーツとした、その人口によって、そういう人がドイツの労働力を支えているという部分があったとしても、実際に現在、たとえば、イギリスに起きていることは、先ほども説明したように、雇用とか、社会保障財源が食い潰されるという社会的な負担。経済の話。彼らが来ることによって、自分達の生活が圧迫される、自分達の食い分、取り分が減らされるというここの部分、これはどう見たらいいのですか?」
長谷川氏
「それはまったく正しいことで、社会保障財源の圧縮ということをしなければいけないと。ご存知のように、イギリスでは、そこにいる方が誰でも無料で医療を受けることができると。非常に多くの方達が入ってきて、病気になったり、ケガをしたりして、その人達を支えていくことができるかというと、それは無理です。ですから、それなりに制限をしていかなければいけないということは言えると思いますね」
反町キャスター
「それは、たとえば、ドイツとか、イギリスとかで費用がどれぐらいになっているのかというのは知っていますか?」
長谷川氏
「ドイツの場合は、これが非常に桁違いですね。要するに、現在EUのところに難民が来られて、認めた場合によって、1人につき、だいたい1か月1000ユーロかかるんですよ。13万円ぐらいですね」
反町キャスター
「それは国が保障するの?」
長谷川氏
「保障というか、それだけ使わなければやっていけないですね。日本でも、日本で難民という認定を受けた方は10万円近くかかりますね。住居とか、それから、最低限度の食料を持って行くと。そうすると、現在ドイツにおいては、たとえば、昨年ですけれど、これはまったく推定ですけれども、だいたい1兆円以上はかかっています」
反町キャスター
「難民対策?財政支援、経済支援で?」
長谷川氏
「かかっています。ただ、非常に驚くべきことはこれまでドイツの経済が非常に良く機能していて、それを何とか賄っていけるような財源があるんですね。ご存知のように、ドイツはこのような問題が起こっていながらも、財政は何とか赤字にならないようにしてやっています」

移民・難民で揺れる世界 揺らぐEUのかたち
秋元キャスター
「自由な人の行き来を認めるシェンゲン協定が移民の壁に突き当たっていると言われていますが、どう考えますか?」
スウィング氏
「ダブリン、シェンゲン、両方の協定は、現在いろいろ多くの深刻な課題にさらされていることは確かだと思います。ダブリン協定の方が現在シェンゲン協定よりも危機にさらされている状況だと言えると思います。シェンゲン協定というものを今後、維持していくためには、そのためにはまず政治的な意志が必要でしょう。EUにおけるそうした政治的な意志です。たとえば、ユーロ危機の時にEUは一丸となって、ヨーロッパのプロジェクトとしてそれに対応しようと考えました。第二次世界大戦のあとにおいてもある意味、そうした域内の人々の支持を得て、何とかその危機を乗り切った。そういうリーダーシップが発揮されました。一方、シェンゲン協定ということで考えますと、たとえば、ASEAN(東南アジア諸国連合)でもこうした自由な経済協定に向けての動きがあると聞いています。たとえば、ASEANに来る度にいろいろな国をまわるのに、それぞれの国のビザをとるというのが、そうした自由な経済にとってどうなのか。そういうことを考えれば、これは維持していく、そういう必要がある協定だと思います」
反町キャスター
「ダブリン協定とか、シェンゲン協定はIOMにとっては大切なもの、EUはずっと守ってほしいと感じていますか?」
長谷川氏
「私は、国際機関としては皆さん、そういう考え方であると思います。そこで、1つ区別をしなくてはいけないのは、シェンゲンにしろ、ダブリンにしろ、それはこれまでいたEU加盟国の中の人達が自由に動くということで、それに対して今回のように26か国の外から入ってきた人達が、入って来て、そこを自由に動けるかという、これは他の別の問題なわけですね。要するに、国内の人達が自由に動くということには皆さん、同意しているわけです。ただ、たとえば、ハンガリーやオーストリアが、ドイツに行った人達が戻ってきて入るということに対して彼らは、それは許されないとなるわけですね。ですから、これはどういうことかというと、基本的に大事なことはEUの中でいろいろな国の人達がどのようにこの問題を受け止めているのかと。ある意味で言って、これは非常にドイツがここで非常に指導力を発揮した、メルケル首相が、と言うことは、ドイツは第二次世界大戦を自分達が起こしたよということを徹底的に教育しているわけです。ユダヤ人に対しての迫害をしたと。こういうことが2度と起こらないように、私達ドイツ人というのは人道的なことを非常に重要視するという、そういう基盤ができている。と言うことが言えると思います。ですから、そのような問題意識を他の国の人達は共有していないと、そこに問題が起こります」

移民受け入れと日本経済
秋元キャスター
「日本の生産年齢人口(15~64歳)が減ってきています。日本でも移民の受け入れを1つの選択肢として考えざるを得なくなるのでしょうか?」
長谷川氏
「これはよく言われていることで、経済的あるいはGDP(国民総生産)を現在のままで保つ、あるいはそれよりも増やしていくためには、人口が減少していくことではダメだというようなことがよく言われます。確かにそれは当たっていて、ドイツの場合はそれを何とか克服するため移民を入れて克服してきたということが言えます。1年前ぐらいに、東京でも、多くの専門家を呼んで、この問題について話をされています。経済的な、あるいは雇用的な面からだけ、この問題を考えた場合においては、それはその方達を入れて、日本の経済の規模を保っていくということは必要になると思います。しかし、外国の方達を受け入れるということによって、社会的、政治的な問題というものがあり、それも総合的に考慮していかなければいけないと思います」
スウィング氏
「移民が完全な解決策にならないかもしれませんが、しかし、問題解決の一部にはなると思います。また、日本政府も前政権からそういった政策の継続をしていると思います。2009年に日本政府からの依頼で、ミャンマー難民をタイ北部のキャンプから日本に第三国定住させるプログラムを開始しました。日本語の研修を受けて、それが終わると職場で働くことができるようにしたというよい例があります。現在はマレーシアに暮らす16万人のミャンマー難民について、同様の第三国定住プログラムを継続していますが、都市難民なのでさらにうまくいっています。第三国定住に取り組むということが非常に有効な手段であるということです。人々が単に来るだけではなく、より自由に来るということだけではなくて、この第三国定住プログラムというのは非常に良いプログラムだと思いますね。2008年に(日本の)自動車産業などが不況に陥った時に、IOMはそうした産業で働く日系ブラジル人などの子弟が十分な日本語を習得して、日本の公立学校に円滑に転入できるように支援を行いました。同様の支援が政府により継続されています。それによって日系ブラジル人以外もカバーするようになっています。東京都知事が、外国人40万人が在住する東京都で、外国人への日本語教育支援を行う、という話をしていらっしゃるのを新聞で読みました。また、バンコクの洪水問題があった時に、そういったタイで仕事ができなくなった人達が継続して給料を受け取ることができるように、日本に来て仕事をしてもらうという措置もありました。従って、そういった考え方、政策の中でより大きく、もちろん、それは日本国政府の決定ではありますが、そういった中でインドシナ半島の飢饉の時に1万1000人の難民を確か日本は受け入れたと思います。そういった中でいろんなワークショップとして、私が金曜日にワークショップで日本の外務省の主催で講演するのですが、2005年以来、そういった活動がいろいろとあるわけですね。従って、この問題を認識していて、解決策、解決に取り組もうとしている。どういう形でも私どもは支援していきたいと考えています」

受け入れに消極的な日本
秋元キャスター
「FNNが行った世論調査があります。『あなたは日本が移民や難民を大規模に受け入れることに賛成ですか、反対ですか』という問いに対して、反対が68.9%、賛成が20.2%、わからない、どちらとも言えないが10.9%という結果になりました。この日本の世論の結果をどう受け止めますか?」
スウィング氏
「この世論調査の結果ですが、これだけでコメントするつもりはないですが、大規模というのは実際どれぐらいなのでしょうか。事実はこうだと思いますね。いわゆる歴史の中で、現在ほど移民がこれほど多い時期というのはないですね。20世紀に世界の人口は4倍に増えました。そういうようなことは、今後は考えられないでしょう。ですから、それだけ移民の数が増えるということは当然だと思うんです。1960年頃から、そうしたところでの伸びというのは事実として捉えなければいけないと思います。ですから、ここでその調査結果として何をするか、ということを考えますと、なぜそういう人々が反対をしているのか、ということがわかっていないということが理由であると考えるべきかもしれません。ですから、これに関しては、もう少し現実的にいろいろな側面で考えなければいけないと思うんです。人々によってはいろんな意見があるでしょう。もっとポジティブな意見を持っている人もいるはずです」

長谷川祐弘 元国際連合事務総長特別代表の提言:『名誉アル一員 真善美』
長谷川氏
「私は、日本が名誉ある国際社会の一員として、真善美を追求していくことを提言したいと思います。すなわち日本が60年前に国連に入った時、その時、重光外務大臣が日本は国際社会において名誉ある一員としてやっていきたいということを申されました。これは非常に良いことで、日本が今後、是非とも、真実というものは、アインシュタイン曰く、経験と試練に耐え得るものである、ということをしていくべきであると思います」

ウィリアム・レイシー・スウィング 国際移住機関事務局長の提言:『HUMANITY』
スウィング氏
「私は人道性という言葉を選びました。私どもの組織は、資本、材、サービスの自由な流れを推奨している団体でもありますが、人道性ということに関してはまだ遅れがあると思います。考え方として、社会としてインクルージョンということを考えていく中で、その政策の中でもまず人を第一におき、人命を救い、その他の選択肢を考える前にまず人命、人道性ということが最も大事だと思います」