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2016年2月18日(木)
『爆買い景気』変調? 来日中国人新たな関心

ゲスト

平将明
前内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
柯隆
富士通総研経済研究所主席研究員 静岡県立大学特任教授
劉瀟瀟
三菱総合研究所研究員

『爆買い景気』は続くのか? 訪日中国人消費の行方
秋元キャスター
「昨年、日本を訪れる外国人のうち、中国人が人数、消費額共にトップでした。年が明けてもその勢いはと留まるところを知らず、一昨日、発表されました観光庁の資料によりますと、今年1月の中国人観光客の数は、昨年の22万6000人から47万5000人と2倍以上に増えているんですね。こちらが大手百貨店に聞き取り調査をしました、今月7日から13日の春節期間中の、外国人観光客による免税売上げですけれども、高島屋、三越伊勢丹共に増え、このうちの7割を中国からの観光客が占めているということです。売れた物の内訳ですけれども、貴金属や高級ブランド品の売上げが減る一方で、化粧品や食料品や消耗品の売上げが増加しています。結果として、全体の客数は増えているものの、1人当たりの消費額は減っているということですね。柯さん、この傾向をどう見ていますか?」
柯氏
「中国経済は確かに昨年から減速していますけれども、ただし、中国の、いわゆるバブル崩壊で見た場合に、資産価格は、特に不動産の場合は、そんなに下がっていない。下がっているけれども、大きく下がっていない。すなわちクラッシュはしていないというのが1点、大きなポイントでありまして、それから、14億人の中で、トップリッチと…」
反町キャスター
「中国は現在、14億人と言った方がいいの?」
柯氏
「正確には13億7000万人ぐらいですけれども、それで、トップリッチの人、いわゆる富裕層、ミドルクラスです。だいたい1億5000万人ぐらいいると言われているのですが、そうすると昨年500万人来たわけですけれど、この中の、まず一握りですね。候補者はいっぱいいるわけですから、景気の減速の影響がまだ出ていない。今後、たとえば、3年、5年のタームで見た時、それほど心配はいらなくて、10年後のことを我々は見通せませんけれども、だから、この1月、2月の動きを見ていると、想定内のトレンドだろうなと思います」
劉氏
「中国の国家観光局の統計ですと、今年の春節の人気スポット、人気順位としては、日本が第1位です。日本、タイ、台湾、韓国、オーストラリアになっていますので、日本というのは依然として人気は高いと思います。ちょっとマイナスの原因を考えてみると、非常にブームになってはいるんですけれども、ビザを取るのが難しいですね」
反町キャスター
「だいぶ緩和したのではなかったのですか?」
劉氏
「緩和しているんだけれども、団体旅行だと条件が緩和されているんですけれども、現在、増えているのは、逆に個人観光客ですね。個人観光客のビザを取るためにいろいろ書類を用意しないといけないです。たとえば、在職証明書とか、貯金証明書とか、自動車や不動産の所有証明書を用意しなければならないので、面倒くさいと思う人が多いですね。そういう人は海外旅行に行く時に割と簡単にビザを取得できるタイとか、韓国とかに行くようになっていますので、もし、これからビザが引き続き、緩和できれば、これからも、もっともっと増えていくのではないかなと」
反町キャスター
「柯さん、現在言われたビザ。個人旅行で日本に来ようとする人達は、先ほど、柯さんが言われた1.5億人のトップリッチの人達?当然そうなりますよね」
柯氏
「うん」
反町キャスター
「その意味で言うと、ビザの問題というのは、これはもうちょっと工夫をすれば、トップリッチの中の一部、本当のトップリッチの人達が個人でドーンと来て、日本でお金を使うという、その間口を広げるビザの緩和が非常に重要なポイントだと現在聞こえたのですが、いかがですか?」
柯氏
「緩和すべきところはわかるんですけれども、この人は緩和して、こういう人には緩和をしないというのはあり得ませんから、この議論をする時に必ず出てくる問題というのは、簡略化し過ぎると一部の人が来て帰らないのではないかという心配が、先進国には必ずあるわけですよ。中国の場合は現在、おっしゃられた残高証明書、在職証明書。それから、持っている不動産などを、要は、担保として出してもらって、帰らなければ、この資産は押さえちゃう、こういうのがあるわけですけれども、そうすると、書類を偽造する人が出てくるわけですよ。だけど、日本の法務省も、これを見抜かないといけないので、その職員の育成が間に合わないわけですよ。昨年の500万人というのは500万人分の書類を審査するのに精一杯なわけで、これを採用した若い人にいきなりやれと言われても無理ですよ。ある程度の経験を積んでいかなければいけないので、だから、私は、要するに、徐々に、少しずつ、たぶん拡大していかなければいけないし、徐々に、徐々に拡大をするというのが、要するに、日本国内の受け入れ体制を、ホテルの客室を増やしたり、バスの台数を増やしたり、このトレンドを、要するに、平行をして、少しずつ拡大していくしか…。急拡大するのは無理だと思うので」

『爆買い』に次ぐ新潮流とは
秋元キャスター
「さて、昨年、日本を訪れた中国人観光客が何にお金を使ったか。他の観光客と比較してみたいと思うのですが、中国の他に、アメリカ、台湾、韓国からの観光客が日本への旅行でどのぐらいお金を使っているのか。それを項目別に分けたデータですけれども、まず中国人観光客は消費額そのものが他と比べて多く、1回の旅行で、1人平均、およそ28万円を消費しているんですね。その内訳を見てみますと中国人は買い物の比率が他と比べて圧倒的に大きいのがわかります。中国人の観光客の方、旅のプライオリティというのはどこにあるのでしょうか?良い物を買いたいなのか、快適なところに泊まりたいなのか。どうなのでしょう?」
劉氏
「そうですね。ほとんど8割以上は買い物です」
反町キャスター
「日本でしか買えない物があるの?」
劉氏
「あります。中国人から見ると、日本人は1番良いものを、日本でしか売っていないと信じ込んでいて、日本で高級品を必ず買うという気持ちがあるんですね」
平議員
「偽物は少ないよね」
劉氏
「そうですよね。根本的なことはどうしてこんなに海外で爆買いをするのかというと、根本的な問題は中国の国内市場の不備があると思います。まず、皆さんご存知の食品安全問題だとか、日用品安全問題だとか、いろんな問題があって、特に子供用品でも最近、粉ミルク(の問題)とかあって、親としては、非常に心配になっているわけです。なので、どこが1番安全かと言うと、昔は香港だったんですね。香港は近いし、デューティフリーエリアなので、安く仕入れることができたんですけれども、最近、香港との中が緊張するようになっていて、円安の関係もあって、日本に来るようになったんですね。日本の物は、まず品質が良い。それは、1980年代からのそういうイメージが結構、強くて、偽物がない。日本人のメーカーさん達は、職人精神が非常に強いので、丁寧にモノをつくるという感覚を持っていますので、特に時計とか、家電製品とか、日本のモノを買いたいという気持ちが強いです」
反町キャスター
「日本でこれを買おうかなと思ったら、裏を見たらメイドインチャイナと書いてあることも多いでしょう?」
劉氏
「そうですね。メイドインチャイナだとしても日本に輸出したメイドインチャイナの方が、品質がいいと思っています」
柯氏
「情けない話をしてもしょうがないので、現在の質問は、若干違和感があるのは、中国人はという話だったんだけれども、基本は富裕層が体験型にシフトされつつあって、低所得層が買い物をしたいので、買う物の単価もなるべく安くて、ポットだとか、魔法瓶だとか、ヘアドライアーだとか、あんなものは食えるものではないので、1回買えば、次に、また来るわけじゃない、だいたいリピーターというのは、金を持っている人が多いので。日本が中国に比べれば国(土)は狭いんだけれども、実は各々の地方に行くと、それなりの独特の文化があって、北に行けば北海道というアラスカに近いような雪は楽しめる。南、沖縄に行くと、いわゆるハワイに近いような天真爛漫なところがあるわけだし、あとそれぞれ九州とか、本州とか、京都、奈良とか、いろいろあるわけですから。だから、非常に多様性に富んだ国なわけですから、そういう意味では、中国は所得格差が大きい国。それぞれの所得層が日本に来た場合、自分が好きなサプライズが見つかるわけですから、それで皆、満足するわけ。最初に来た時は買い物。それから、体験型。ただし、1つだけ申し上げると、1人当たり現在30万円弱だけれど。すごくないんだけれど、今年の同じ時期の、要するに、タイミングで計ったオーストラリア、1人当たり60万円以上使っている。どうしてかというと、オーストラリアはすごくがんばって、高級なワインを売ったわけ。それから、海辺でロブスターを釣らせ、我々はロブスターが大好きだから、嫌いな人はいないと思うんだけれど、そこで調理をしてあげて消費する。これですごくお金をとる。だから、今週、岩手に行ったんだけれども、講演で皆に言ったんだけれども、是非アワビをエサにして、アワビを売り物にして、アワビというのは中国人が大好きな食材だから、ああいうのがいっぱいあるわけです。それもまだまだ努力不足。ただ、これは政府が音頭をとってやるものではなくて、これは、私は市場の力だと思うんですね。民間企業だと思います」
反町キャスター
「アワビ、カキ、ナマコね。現在の話どうですか?」
平議員
「おっしゃる通りだと思います。観光は、国の総合力ですよね。だから、治安がいいとか、衛生がいいとか、食が魅力的だとか、伝統文化があるとか、コンテンツがあるとか。結構、観光は、1つのパターンの観光地をつくるのは簡単だけれども、国全体としてチャーミングな国は、これはなかなか一朝一夕にはできないので、だから、これはまさに我々が誇っていいと思うんですね。それと、単なる食べるとか、買うではなくて、全体の雰囲気ですよね。だから、京都で食べる和食とか、全然違うと思うんですよね。ですから、そこの組み合わせの演出、あと日本人は良心的な価格設定なので、もうちょっとちゃんと値段を取るというところをやっていけば、まだまだいろんな、特に地域はいろんな資産がありますから。自然の資産もあるし、その土地、土地のおいしいものもある。お酒もあるし、すごくポテンシャルが高いと思いますよね」
反町キャスター
「それはあるところに行ったらツーリスト価格と、現地の、ローカルの人のための価格が同じ料金でも違っていたりするところがあるではないですか?」
平議員
「観光地はありますよね」
反町キャスター
「そういうのでやれと聞こえます」
平議員
「でも、多少アレンジが必要だと思うんですね。その人達の趣味趣向に合うように手間もかけなければいけないし、その分、ちゃんと高い値段を取るというのは、これはマーケティングなので、別に悪いことではないのでそこはちゃんとやっていった方がいいと思いますね」

『情報』と『消費』の接点は
秋元キャスター
「劉さん、中国の方が日本に来る時はどういう情報で、ここに行こう、あそこに行こう、と決めるのですか?訪問するきっかけは」
劉氏
「今日は、1つの単語で説明をしたいと思います。それは中国人の観光客の情報発信だけではなくて、中国の社会を理解するために非常に重要な単語だと思いますが、圏子(チェンズ)という言葉ですね。チェンというのは首都圏とか、文化圏とか、広がり、範囲を示しているものですね。中国語のチェンズも簡単に言えば、人間関係のつながりということを意味しているわけです。こちらのチャンズのイメージ図が示すようにチャンズとは同じ程度の経済力が、趣味趣向が、ライフスタイルの考え方が同じになっていると。場合によってお互いに助け合う人。関係性が深い人間同士の集まりの範囲を意味しているものです。人それぞれですけれども、1人の大人が10人規模のチェンズを15から20を持っていることが一般的だと考えられます。つまり、知り合いは100人か、200人ぐらいという感じですね。中国の人にとって1番親しい人は家族ですね。その次に関係が深いのは、同じチェンズ内の、たとえば、大親友とか、同じバスケットボールをやる同好会の人とか。親しいチェンズの人の言った話は信憑性が高いと思っています」
反町キャスター
「テレビの旅行番組とか、あるのでしょう?」
劉氏
「テレビとか、どうしても政府の影響がありますので、逆にあんまり知らない人は信用しないという深層心理があるんですね」
反町キャスター
「日本側から中国社会に対して来てくださいと働きかけるにはどういうアプローチがいいですか?」
劉氏
「弊社もどうやってチェンズの人にアプローチをすればいいかということについて研究したんですけれど、徹底的に研究をして、訪日中国人、いわゆるチェンズの人を4つのセグメンテーションを行いました。情報発信に積極的、SNS(ソーシャルメディア)で、自分が、これはいいですとか、ここに行きました、これはおいしかったと、そういう積極的に情報発信をするという軸と、流行感度が高い。つまり、新しいものに対する抵抗感がない。日本に来て、誰の意見も聞かずに、自分の判断で買い物できる人という2つの軸で分けました。まず1番右上のところが、自分の新商品に対する抵抗感がない、かつ積極的に情報発信する人をアクティブイノベーターと呼んでいます。そういう人がだいたい24%を占めています。そういう人から、たとえば、先ほどおっしゃっているテレビの広告とか、新聞、雑誌の広告とか、紹介で自分が店頭に行って試してみて、良いと思うものを買ったりして、店員さんの勧めとか、そういういろんなルートで情報収集をすることに抵抗感がないし、データを収集する能力もある人ですね。そういう人達はたくさん買い物をして、これは買って良かったです。これはたぶん私は乾燥肌なので合わないかもしれない。そういう誠実に自分の感覚を、チェンズの他の人に伝えていくのです。その次のセグメントは、同じく情報収集をして、徹底的に調べて見て、買い物をするんですけれども、広く情報を発信せずに、本当に自分の大親友とか、親戚に情報発信をしないのは、サインレントイノベーターと呼んでいますけれども、そういう人は少なめの5%ですけれど、基本的に信憑性が非常に高いです。そういう人は、弊社の調査ですとカメラとか、高級な電気製品を1番買っている人達です。なぜならばリテラシーがあって、かつ控えているんですね。自分にとって1番良いものを見極める能力を持っていますので、そういう人が勧めたものを、親戚達は100%コピーして買うケースも調査ではわかりました。もう1つは、1番多くを占めているのは、左上のアドボケイターと呼んでいる人達で、そういう人達は自分があまり新しい物を買う勇気がない、むしろ見極める力がないですけれど、イノベーター達が勧めたものをどんどん買っていて、買ってからどんどん情報発信をしていくんです。本当に誰ちゃんの勧めで買って良かったですと。そういう人達が1番多くて45%を占めています。1番下のところにあるのはフォロアーと呼んでいまして、彼らにとっては自分から新しい物を買う自信もないし、自分からモノを勧める自信もないんですけれども、友達がそういうふうに勧めているので、では、自分も買ってみようという気持ちなので、買い物リストをご存知ですか、全部写真のように見せて、くださいという、買い物リストをたくさんつくって爆買いするタイプですね。爆買いというと、左の2つのセグメントですね。先ほど、チェンズを紹介したんですけれども、チェンズ以外にちょっと信憑性があるのが、自分が好きな有名人、自分が憧れとしているブロガー達ですね。彼らがお勧めしたものは何となく信用できるのですがちょっと不十分です。チェンズ内のアクティブイノベーターやサイレントイノベーターの情報発信を見て、チェンズ外の有名人の情報発信と相乗効果によって自分もほしくなるという仕組みになっています」
反町キャスター
「そうすると、爆買いをするのはフォロワーの人達なのでしょう?」
劉氏
「そうです」
反町キャスター
「だけれども、フォロワー、この人達が爆買いするからと言って、この人達を相手にマーケティングをしても動かない?」
劉氏
「そうですね」
反町キャスター
「マーケティングの対象とすべき人達は、フォロワーよりもアクティブイノベーターやサイレントイノベーターではないですか?」
劉氏
「おっしゃる通りです」
反町キャスター
「たぶんこの2つ、もしかしたら高級品を狙うのであれば、サイレントイノベーター。一般消費財を売り込むのであれば、アクティブイノベーターに対してマーケティングをかけると、全体に万遍なく売り込める?」
劉氏
「おっしゃる通りですね」
反町キャスター
「この戦略というのは現在、日本の流通産業、ないしは小売業というのは、アクティブイノベーターやサイレントイノベーターに対する働きかけはできているの?」
劉氏
「できているところもありますが、不十分ではないかと」

どう掴む?訪日中国人消費 日本の誘致戦略と課題
秋元キャスター
「日本のマーケティングは不十分ではないかということについては?」
平議員
「アクティブイノベーター、サイレントイノベーターに影響力があるということですけれども、では、それをどうやって抽出するのかと、抽出ができなければ、アクセスもできないので、具体的にアクション起こす時に、これは抽出できるものなのでしょうか?できないものなのでしょうか?」
劉氏
「先ほど、申し上げた通りにアクティブイノベーターとサイレントイノベーターに接触できるタッチポイントがあるんですね。それはまず企業達は自分がどういう人に自分の商品を売り込むかということをまず考えないといけないと思います。そういうだいたいこういう顧客層があって、こういう中国人に売りたいということがわかったら、こういう中国人はどういうライフスタイルを持っているのか、普段どういう生活をしているのか、どう情報収集をしているのか、きちんとタッチポイントがわかるようになるとアプローチできるのではないかなと思います。たとえば、先ほど申し上げたように、ここは新聞雑誌ですね。40代の男性向けのですと、成功思考の雑誌があるではないですか。そちらはだいたい顧客層が読む雑誌ではないですか。または日本に来ると必ず飛行機に乗るんですね。フェリーでもいいですけれど、機内誌もあるではないですか。そういう時にどう留意してもらうか、そういう工夫の必要はあるかと思います。または店頭にいて、どういう看板をつくれば、彼らのニーズに合うかということを、きちんと把握していて、そこといくつかのタッチポイントを通して、イノベーター達と接触、ある意味で接触できるようになって、その商品の知名度と認知度を高めていくのではないかなと思います」

訪日中国人の新潮流 その客層とニーズは?
反町キャスター
「日本に来る中国人が不動産を買っているという話を聞くのですが実態は?」
柯氏
「最近、日本でいろんな講演をさせていただくと、意外に、中国人が聞きにくる人がいて、聞いてみたら経営者達で、日本で土地を買ったとか、たとえば、九州で広大な土地を買ったと。何するのと聞いたら不動産開発、マンションを開発して日本で売るとか。と言うのは1つは、中国人が日本に来て不動産開発する時にまず1つすごく感動を覚えることがありまして、所有権を手に入れたと。中国ではどんなにたくさん開発しても、オーナーシップがないので、所有権がないので、使用権、定期借地権だから、すごく感動するわけですよ」
反町キャスター
「日本でなくてもどこに行ってもそうなのではないですか?」
柯氏
「ただし、これは次のポイントで、要するに、安いわけですよ、比較的不動産が。土地も比較的安いわけですから、中国の不動産バブルが若干、崩壊気味になっているわけですから、これ以上上がらないということで、日本に来て買って、それから、自分の国の人も旅行に来たりしていて、場合によってはこの人達に貸してもいいし、いろんな運用が出てくるわけで、日本人が考えられない運用を彼ら開発していくわけなので、こういうのがこれからたぶん結構増えてくるだろうと思います。これが法人の企業もあれば、一部の富裕層の個人、たとえば、株で、中国国内で儲かった人が一部のお金を日本に持ってきて投資する。それを裏づけしているのが、中国の外貨準備の現象。すごく減って、過去1年間、だいたい7000億ドルから8000億ドル減っているわけで、これはキャピタルフライト(資本逃避)が起きている。起きているのは、これまでの我々の研究でだいたいケイマン諸島とか、ヴァージン諸島とかに飛ばされていると言われているんですけれど、その一部が実は日本にも来ていて、不動産投資中心にいろんな投資をする」
反町キャスター
「為替の問題でキャピタルフライトが起きているんですけれども、日本の場合には、投資として来ている?」
柯氏
「中国の場合、要するに、不動産投資は、バブル崩壊気味になっているものだから、金融資産とか、自分の現金とか、置いておくと目減りするだろうと。為替もこれ以上人民元が上がることはあまりないから、そうすると海外に持って行くと。それで日本が候補地として当然、ニューヨークとか、オーストラリアにもあるんだけれども、これまで日本ではあまりちゃんと見られなかったけれども、ここ2年、3年、急激に増えつつあるんですね」

訪日中国人消費が変化?
秋元キャスター
「日本人は、中国人の気質、特性を理解していると思いますか?」
柯氏
「理解している部分もあります。最近、というか、この1年ぐらいですか、日本に来ている観光客を見ていてある変化が。皆さん、あまりお気づきではないかもしれませんが、実は一時、中国人がワーッと来ると、電車の中で、大声で叫んだり、ゴミを捨てたり、痰を吐いたり、唾を吐いたり、とにかく訳のわからぬことをやるわけです。行列に割り込んだりして、最近だいぶ礼儀正しくなりましたね」
平議員
「中国側もちょっとこれは皆で直そうよというのが、ネットの中で言われていた。当局もそれはそのうちにこなれてきますからと、日本だって昔、海外旅行に行った時結構恥ずかしかったんですけれど、という感じです」
反町キャスター
「中国人ツーリストへの対応については?」
劉氏
「正直言うと、まだ足りていないのではないかなと思います。おもてなしではなく、中国人から見ると、日本のインバウンドの戦略はまだ団体を対象にしているのではないかなと思います。リピータが増加していて、個人旅行に対策がしきれていない感じがします。たとえば、ビザの問題です。団体旅行ですと、所得証明書や貯金証明書が少なめの方でも申請できるのですが、個人観光客だと依然として高い規準でないとビザの発行ができない。もう1つ、団体旅行の人達はバスで移動するとか、ガイドさんがついていますので、移動にも言語にも問題がないわけですね。一方、個人観光客は自分で乗り換えないといけないし、自分でバス停を探さなければいけないので、乗り換えがわからない、中国語の表記がわからないとか、非常に不便ですね。移動については現在、中国の運転免許で日本のレンタカーを運転することができないです。アメリカではできるんです。移動とか、運転免許について足りていないのではないか」

柯隆 富士通総研経済研究所主席研究員の提言:『量に質、多様性』
柯氏
「提言ですから、まず1つが、これまでアベノミクスではできるだけたくさん受け入れる、量の話をしていると。2000万(人)に達した、今度は3000万(人)にすると。もう1つは、私は質の向上が重要だと思うので、すなわち1回の入国につき、どれぐらいたくさん使ってもらうか、消費してもらうかという努力が必要。2番目が供給側としては、多様化したニーズに対して多様化したサプライというか、サービスのいろんな商品を提供しなければという、この2つですね。量に質、それから多様性の話です」

劉瀟瀟 三菱総合研究所研究員の提言:『情報拡散力を信じる』
劉氏
「中国人にとって認知度と買う比率は正比例となっているというデータがありますので、日本は既に素晴らしい風景や素晴らしいものを持っていますので、いかに認知度を高めるのかは非常に重要な課題です。従って、先ほど、説明したアクティブイノベーターをきちんと捕まえて、彼らに情報配信してもらうのは非常に重要な課題ではないかなと思います」

平将明 前内閣府副大臣の提言:『高付加価値化』
平議員
「現在の話と被るのですが、人数で追っかけるというのはそろそろ限界で、消費額とか、そちらの方に目指すべき指標を転換していくべきだと思います。さらに、需要を増やすために現在がんばっていますが、人手が足りないので、高付加価値化していかざるを得ない。そうすると、団体旅行から個人旅行。もう1つだけ言うと、中国を増やすのも大事ですけれども、中国だけ増えてしまうと、リスク管理上問題があるので、リスク分散をする。中国を増やしたら同じぐらい他の国も増えるようなポートフォリオをつくらないと、ちょっと危ないので、そこはしっかりやる必要があると思います」