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2016年2月12日(金)
世論から見る沖縄問題 県メディア関係者が語る

ゲスト

野里洋
元琉球新報論説委員長
仲新城誠
八重山日報編集長
西銘恒三郎
自由民主党衆議院議員 前総務副大臣
大塚耕平
民主党政策調査会長代理 参議院議員

地元記者が語る『沖縄メディア』 シェア98%…二大紙とは
松村キャスター
「沖縄における新聞発行部数ですが、2大紙が圧倒しています。合わせて98%のシェアを誇っています。国内全体ではシェアが高い全国紙ですら購読している世帯がほんの一部ということになるんです。国内でも地方によっては比較的、地元紙のシェアが高い地域があると思うのですが、野里さん、ここまで圧倒したシェアを持つ地域はなかなかないと思うんですね。なぜ沖縄では全国紙というものがあまり読まれないと思いますか?」
野里氏
「理由ははっきりしています。全国紙、東京で発行されている新聞、九州で発行されている新聞もそうですけれど、沖縄にくるのに時間がかかる。たとえば、今日の朝刊は、沖縄に届くのが、たとえば、私の家でとっている場合は午後の2時か3時です。朝刊の役割を果たさないですね。しかも、高いということで、そういう理由があって、沖縄ではなかなか普及しない。ただ、日本経済新聞は沖縄の現地で印刷しているので、ちょっと事情が違いますけれども、沖縄にはそういう事情があって、地元紙が多いということです」
反町キャスター
「日経以外の全国紙というのは飛行機で持ってきて午後になるのですか?」
野里氏
「そうです」
反町キャスター
「沖縄タイムスや琉球新報というのは16万部ちょっとですよね。仲新城さんのところの発行部数は?」
仲新城氏
「6000部ぐらいしかないです」
反町キャスター
「その6000部からすると、沖縄県の中における琉球新報や沖縄タイムスというのは巨人になるわけですね?当然のことながら」
仲新城氏
「そうです。圧倒的な存在になります」
反町キャスター
「記事の中身についてはこの2紙が沖縄では圧倒的なシェアを持つ理由というのは、記事の中身、論調については、こういう論調が2紙にあるからシェアが圧倒的だという部分は、何かありますか?」
仲新城氏
「かつては…、私の個人的な考えではあるんですけれども、沖縄は基地負担、かなり重い負担にずっと耐え続けてきたという部分があって、その点で反基地というスタンスを一貫させて、県民の感情に寄り添ってきたという部分が、その2大紙にはあって、それがずっと現代にまで至ってきているんですけれども、だんだんちょっと最近、県民の感情との乖離というのも多少なりともではありますけれども、だんだんと見えてきたと。私、個人にはそう見えます」
反町キャスター
「乖離とは何ですか?」
仲新城氏
「それは、たとえば、私達が住んでいる八重山という地域は国境の島で、尖閣諸島を抱えています。石垣市の行政区域です。そこには中国の公船、中国政府が派遣した船がほぼ毎日のようにパトロールと称してやってきていると。地元の漁師は地元で漁をすることが怖くてできないというような状況があるんですけれども、沖縄タイムスや琉球新報はどちらかというと、そういう中国に対する脅威みたいなものに関しては非常に鈍感な、鈍感と言ったら悪いかもしれないですけれど、非常に当たり障りのないような論調できていると。その点に関しては八重山に住んでいる私達多くの市民から見るとちょっと物足りなさはありますね」
野里氏
「沖縄の新聞は、全国の新聞と基本的に同じです、内容は、姿勢は。ただ、根本的に違うのは、沖縄の新聞は沖縄戦を体験している。沖縄、非常に悲惨な戦争を体験している。戦後は米軍の占領がありました。日本から分断されました。1952年に施政権が分離されて、沖縄は日本ではなくなったんですね。厳しい米軍統治時代が続いて、復帰したのは1972年です。そういうものがベースにあって、現在も沖縄では巨大な米軍基地があるというところが全国の新聞と違うところです。そういうものをベースにして新聞をつくっているというところですね。仲新城さんが、私達の新聞が尖閣…」
反町キャスター
「中国に対して鈍感だという表現です」
野里氏
「私は、決してそうは思っていないですね。中国の公船が尖閣に来ていることについても報道すべきは報道していますし、それは距離的な問題はありますよね。石垣に住んでいる方から見ると少し弱いのではないかということはあるかもわかりませんが」
反町キャスター
「現在の話、仲新城さん、いかがですか?」
仲新城氏
「実際に、尖閣に出漁をして、中国の公船と遭遇した人も何人かいるわけですよ。私自身も2年か3年ぐらい前ですけれども、石垣市議の仲間均さんという方の、この方、漁業者でもあるんですけれども、その方の漁船に同乗させていただいて、尖閣諸島の周辺に行って、そうすると中国公船が領海侵入をして迫ってきました。体当たりを仕かけてきたんです。その時は、海保の巡視船とかが、警護に当たっていたので、事なきを得たんですけれど、その時に国境の島では尋常でないことが起きていると。中国の船そのものが丸腰の民間漁業者の船に対して、そうやって体当たりみたな威嚇をしてくるということは、これはこの国自体が尋常ではないと、その時に思って、帰ってきて、その漁業者の方もいろいろマスコミに広報したりしたんですけれども、沖縄県紙の2つの新聞というのは、これもほとんど扱ってもらえなかったですね」
反町キャスター
「その話というのは、たとえば、タイムスや新報が扱わなかった一方で、たとえば、全国紙で、朝日とか、読売とか、毎日とか、産経とかが扱ったとか、そういう、たとえば、尖閣の問題を2紙は扱わなかったけれども、全国紙は報道したというケースはあるのですか?」
仲新城氏
「現在の話は、産経新聞さんは大きく報道されていました」

二大紙の論調とは
松村キャスター
「沖縄2大紙の論調を見ていくうえで、沖縄で先月行われた宜野湾市長選の結果を報じた琉球新報と沖縄タイムスの紙面を用意しました。こちら1面です。琉球新報は、佐喜真氏が再選。志村氏に5857票差。普天間問題に影響とあります。それから、沖縄タイムスは、佐喜真氏が圧勝。実績、経済政策で再選と報じています。このように1面はなっています」
反町キャスター
「もう1つ、これは同じ日の社会面の新報とタイムスの書きぶりですが、この文言を見ていただきたいんですけれども、新報においては、辺野古の闘い堅持。市民らめげない。タイムスの方は、オール沖縄届かず。負けて申し訳ない。知事険しい表情崩さず。民意示せた。こういうような負けた側の陣営について、負けてはいるんだけれども、戦いはまだまだだ。負けてもいないぞみたいな、こんな印象、論調にも受け止められる文言、見出しが社会面にあるんですけれども、仲新城さん。たぶん1面の方は、これはたぶん全国紙とは変わらないと思うんですけれども、僕が見ると、社会面の論調、なかなかユニークだなと。しかも、2紙が同じようなスタンスと思える部分もあるのですが、これをどう見ていますか?」
仲新城氏
「負けた方に対するシンパシーが非常に強くて、選挙の記事そのものに関してはどちらの新聞もそんなに偏っているという感じはしないんですけれども、その前ふりとして、たとえば、辺野古移設であれば、辺野古移設に反対する論調というのも、徹底的にアピールしていくわけですから、結局、辺野古移設に反対する新人の方に寄り添っているような紙面になるのは致し方ないと思うんです。実際に、選挙が始まる直前にも、オール沖縄会議と言って、新人を支援している組織があって、その組織が発足したという記事を両紙とも1面トップで大々的に扱うとか、あるいは読者の投稿欄というのがありますけど、その中で、辺野古移設、現職は辺野古については、特に言っていなかったですが、現職が打ち出してきたディズニーリゾートの誘致に関して、結構、批判的な、嫌味に近いような、そういう読者の投稿を次から次へと打ち出してきたとか。だから、紙面全体の印象としては、私は辺野古反対の新人をプッシュする感じというのはかなり感じました。実際、同じ仕事をしている同業者としてはですね」
野里氏
「それは違うと思いますね。西銘さんはおわかりになると思うのですが、選挙に入ると、選挙の動きが出てきた段階から新聞社は非常に神経を使います。両候補の記事の行数まで合わせるとか、写真の大きさも合わせる、一方に肩入れするようなことはやってはいけないということは徹底しています。ですから、投稿も含めて、選挙では非常に神経を使っています。これは、私が現役の時もそうだったし、現在でも、それは間違いないと思います。選挙でそういうことをやるということは新聞ではなくなってくるわけですから。それはないですね」
反町キャスター
「中立性をちゃんと持っていると言っていると思うんですけれど、それは、たとえば、新聞というのは、テレビとは違って、放送法の規制が、新聞の方が緩いというか、特色を出しやすいわけで、ここの部分を敢えて否定するということなのですか?それとも我々は異論というものを隠すものではないんだというものではないのですか?」
野里氏
「現在、日本の新聞はどこでもそうだと思うのですが、選挙に差しかかると公正さというか、それは徹底されていると思います」
反町キャスター
「この見出し。タイムスは違うと言われてしまえば、それまでですけど、オール沖縄届かず、あとでオール沖縄とは何という話にもなるんですけれども」
野里氏
「それはあとでお話しますけれど、これは選挙が終わったあとですね。終わったあとだとかなり新聞社の特色は出てきます」
反町キャスター
「これが選挙の翌日の社会面としたら、ここに各紙の思いが吐露されている場面かもしれない?」
野里氏
「吐露というか、そこに各紙の編集というのか、それが出てくるでしょう。それ以前までは非常に慎重」
反町キャスター
「選挙期間の投票日まではバランスをとっている。終わったところで吹き出したとは言いませんが、そんな感じ?」
野里氏
「これは現在、沖縄で何が起こっているかということと関係する、オール沖縄というのは通常運動が起こっているわけではないということは、あとでお話しますけれども、そういうことも含め、こういう紙面が沖縄タイムスにしても、琉球新報にしても出てきているという。異論がありましたら、西銘さん」
西銘議員
「実際に選挙をやっている我々の側の内部からすると、タイムスも、新報も、こちらの味方ではないなと。批判的な記事の出し方だなという感情は強いですね」
反町キャスター
「では、何でそう感じるのか?たとえば、反対側と言っては何ですけど、衆議院の1、2、3、4のところで、それぞれ反対が、自民党以外の候補者が、前回の総選挙で勝ちましたよね。あちら側の陣営は、新報とか、タイムスというのは、フレンドリーなメディアだと思っているのですか?」
西銘議員
「たとえば、公務員OBの方がある新聞、タイムスか新報のどちらかの新聞に、毎回、同じ大学の先生か学者で、辺野古反対の論調を出す、同じ顔で。それはいいとして、その人の言い分は、新聞社に電話をかけて、反対派を出すのであれば同じ大学教授で賛成派の人も出して、読む側に判断をさせたらいいのではないかとの抗議の電話を、名前を名乗ってやったら、これは社の方針ですからと言って切られたと。実際にあった話です」
反町キャスター
「それはこの2社のどちらかですね?」
西銘議員
「はい。これは社の方針で、社説で堂々と書いていいと思うんですね。ただ、この一市民が電話をしたというのは反対派の論調。同じ学者で同じ意見ばかりではなくて、もう一方、あるいはニュートラルかは別にして、読む側に判断材料を与えるべきではないかというのは、そういう電話はいい電話だなと思って聞いたんですけれどもね」
大塚議員
「重要な論点だと思うんです。先ほど、反町さん、さらっと中立という言葉を使われたのですが、新聞綱領にも、放送法4条にも、中立という言葉が出てこないんですよ。公正である。だから、現在、西銘さんがおっしゃったのは、公正さを求める時には、私も両論、ちゃんと報道するべきだと思います。ただし、新聞やメディアが意見を持つというのは、これはある意味で、当たり前で、アメリカはそもそも全国紙はありませんし、それぞれのローカル新聞によって論調が全然違うし、大統領選挙の時なんか、うちの新聞は、共和党だとか、はっきり言いますから。だから、おそらく沖縄の2紙の問題を語る時、公正と中立という単語の定義をきちんとすることが大事なポイントだと思います」
野里氏
「現在の西銘さんの意見は、にわかには信じ難い。一方は出すけれども、一方は社論に反するから載せないということは、私の現役時代はあり得なかったし、現在もそういうことはやっていないと思います」
西銘議員
「それは実際に電話した人から、私に直接ありましたから」
野里氏
「ですから、私は信じ難い」
西銘議員
「信じ難いのはいいでしょう。でも、実際にあった話」
反町キャスター
「仲新城さん、現在の話を聞いていると、新聞だって、はっきり言えば、商売ですよ。売れなければダメだと。いくらバランスをとっていい紙面をつくっても、売れなければダメだという時に、こういう紙面をつくることが、沖縄、本島ですよ。本島ではこういう紙面をつくることが売れるというロジック、見立てというのは、これは当たりなのですかね。要するに、もっとわかりやすく言ってしまうと、西銘さんが言ったみたいな、公正とか、両論併記とかをやる新聞が片方にあったとします。片方は、辺野古の闘いはまだ続く。負けて申し訳ない。知事険しい表情。こういう紙面、一色で、一律でやった方が、こちらの方が、県民が買ってくれる新聞になるのか。このへんの見立てはどうですか?」
仲新城氏
「県民が買ってくれるかというよりも、こういう論調で、これまで沖縄の2紙というのはずっとやってきて、その中で現在の決定的な地位というのか、大きな地位を築いてきたわけですよ。だから、ある意味、こういう論調は、既成の権威になってしまっている。その論調自身が既得権益になってしまっている。そういう部分があるのではないかと私は思います」
反町キャスター
「それにチャレンジする人は出てこない?要するに、我々はこういう2紙とは違いますよ。両論併記でいきますよ。ないしは、この2紙とは逆張りでいきますよというものがなぜ沖縄のメディア界に出てこないのかということを考えた時に、それが売れないからだという、営業ベースの話ですよ。そこの可能性についてはどう思いますか?」
仲新城氏
「売れないということはないと思います。逆に、私自身もいろんな人から話を聞くと、第3の新聞社というのがほしいという声をいろんなところで、本当に聞くんですけれども、ただ、そこがなかなか実際問題としてお金の問題であるとか、人の問題であるとかを考えると、それは厳しいというような状況になっているのであって、県民の中には、3番目の新聞、違う論調の新聞の待望論というのはかなり存在をしていると思います」
野里氏
「反町さんが、売れる、売れないという話をしましたけれど、編集の現場、責任者も、記者もそうですが、売れる、売れないという意識はないと思います」
反町キャスター
「それはそう思いますよ。僕らだって、そんな意識で、原稿を書いて、喋っていません。結論として、西銘さんの言われたみたいな両論併記の新聞が沖縄にないとすれば、少なくとも、これを見ている限りにおいては、この社会面においては両論併記を感じない。その意味において、両論併記の新聞が出てこない背景には、両論併記よりも、こういう想いを吹き出した方が、沖縄においては売れるんだという事実はありますかというのが僕の質問です」
野里氏
「それはないと思います」
反町キャスター
「そうですか?たとえば、こういう新聞でも部数競争はありますよね?」
野里氏
「あります」
反町キャスター
「部数競争がある中で、たとえば、この2紙の部分だけ見ると寄り添い競争に見えます」
野里氏
「先ほど、最初から知事に寄り添っていると、知事に歩調を合わせているという新聞が、私からすると、それはまったくの誤解ですね。そういうことは地元のメディアが、知事に寄り添うということは、結果的に、そう見られるところはありますけれども、我々の新聞の方から寄り添っていくということはあり得ないですよね。これまでもやってこなかったし、今後もやらないと思います。結果として、外から見ると、そういう、こうではないかということが言えるかもわからないですけれども、それはないですね」
反町キャスター
「そうすると、こうした論調というのはタイムスにしても、新報にしても、1番の県民の想いを代弁している記事はこれだという判断だと。こんな理解でいいですか?これが全ての事実だという想いなのか。県民の想いはこういうものなのか。ないしは今後の県政が向くべき方向はここだと。いろんな想いがここに表われているとした時に、何が物差しになっているのですか?」
野里氏
「県民の想いというか、多くの県民の想いは、こういうことだろうということでつくっているとは思います」
反町キャスター
「多くの県民の想いは、オール沖縄、今回、届かなかったね、だけど、辺野古の闘いは続くよね。これが県民の想いだというのが新報、タイムスの想いですね?」
野里氏
「そうですね」

二大紙と『安全保障』
松村キャスター
「沖縄と言いますと、尖閣諸島を有して、中国の脅威と向き合う最前線というイメージもあるのですが、そのような中、沖縄タイムス、琉球新報の2大新聞は、日本の安全保障についてどう報じられているのか。仲新城さん、これについてはどう思いますか?」
仲新城氏
「これ(新報)は社説ですけれども、この中で尖閣諸島について奪うメリットがあると思えないと書いてありますよね。これが典型的だと思うんですけれども、脅威に対して非常に危機感を持っていないというのを感じますね」
反町キャスター
「その社説というのは、仲新城さんの実感からすると、あまりにも現実から乖離をしている。そういう意味で言っていますね」
仲新城氏
「それは1年365日のうちに200日以上も、中国の公船、中国政府が派遣している船が尖閣の周辺で、パトロールと称して航行していると。先ほども言いましたけれど、地元の漁業者もそれが怖くて、ほとんど漁ができないという状況にあると。さらに考えていくと、もしこの先、尖閣諸島が中国に実効支配されてしまった場合、どうなるかということを考えると、南シナ海のことを思い出さずにはいられないですね。中国は尖閣を基地にするのではないか。軍事基地にするのではないかと。そうなると、石垣島からわずか百数十キロのところに、日本に1番近い中国の軍事基地ができてしまうと。そうなったら、石垣島、八重山諸島というのは風前の灯ではないですか。もし石垣島、八重山諸島が奪われるということになったら、今度は沖縄本島ですよ。その次は本土。ドミノ倒しみたいになりかねないですから。もっと尖閣の危機というのは、日本の国民1人1人の安全保障に関わる問題だという意識をもっと強く持ってほしいと思っています」

二大紙と『中国の脅威』
野里氏
「中国公船が領海にまで入って来るということについては新報、タイムスも脅威に思っていることは間違いありません。もう、いいよ、ということではなくて、こういうことでは、中国の意図がどこにあるのかということは非常に不安、脅威に思っています。と同時に、一部のメディアの中には現在、仲新城さんも言われたように上陸をしてくるのではないかと。そうなると、日本と中国は戦争状態になるという。それは、絶対に日本と中国は避けるべき事態です。沖縄本島の琉球新報にしても、沖縄タイムスにしても、そういうことは考えられないと。それ以前にもちろん、海上保安庁のそういう体制をとる必要はあります。それ以前に平和的に中国と話し合うべきであるというのは基本的な立場だと思います。それから、人の中には、沖縄の海兵隊が抑止力になるという意見もありますね。この海兵隊が現在、辺野古移設でいろいろ揉めているわけですが、沖縄に海兵隊が現在、存在している中でこういう問題が起こっているわけですね。専門家の中にも、沖縄の海兵隊は尖閣の問題では役に立たない、出てこないという見方もあって、沖縄本島のメディアとしては現在、仲新城さんが、八重山の人が危機感を持っているというのはわかりますよ。わかりますけれども、これを放置するわけではありません。それはわかりながら、もっと別の冷静な外交努力が必要ではないかという見方の方が強いと思います」
反町キャスター
「新報、タイムスというのは、日中関係というのは、領土問題。外交的な軋轢、摩擦というのは話し合いで解決すべきであると。話し合いで解決できる?」
野里氏
「これは現在の中国では難しいと思うのですが…」
反町キャスター
「それは先ほどの話と矛盾しちゃう。話し合いで解決すべきだという話と、軍事的な緊張感に対して、ある程度、軍事的なもので抑止しなくてはいけないという部分はどういうバランスをとられているのですか?」
野里氏
「まだ向こうは軍事的に、そこまで来ていないですね。もし仮に、軍事的に出てきた場合に、日本も軍事的にということになると両方がエスカレートしていくだけだから、そういう事態は避けるべきだということです」
反町キャスター
「そうすると、たとえば、最近、陸上自衛隊を含めて、南西諸島の方に、宮古、石垣、与那国に展開する話からだんだん増えてきています。それぞれ700人、800人、500人、600人、150人ということで、はっきり言ってしまえば、基本的には中国が、もし何かあったら、来た時にどう対応するのかということを念頭に置きながらの展開で、追加の展開だと思っているんですけれども、この件に関しては新報、タイムスはどういう報道をされたのか。要するに、これは悪戯に中国を刺激する。避けるべき展開であると。こんな論調ですか?」
野里氏
「中国を刺激するということも大きいですね。それと、住民の中にはこれを支持している人がいると同時に、非常に不安に思っている人達も多い。なぜかと言うと、沖縄県民の心の中には、戦争で非常に悲惨な経験をしているから、できるだけ、戦場になるということは避けるべきだというのがある。自衛隊の配備についても。それは右から左まで、多くの人は想いを持っていると思うんですね。そのへんも、政府の方も理解をしながら、これを進めないと、政府は沖縄県民に寄り添い、丁寧に説明します、と言っていますが、最近の傾向としてはだんだんこういう形で出てくるということについて、県民の中に不安に感じている人は結構多いということ。沖縄の新聞もそういう書き方をしますね」

『オール沖縄』の民意は
松村キャスター
「視聴者からです。『オール沖縄という言葉に違和感があります。宜野湾市長の勝利を見ても、世論調査を見てもまったくオールではありません。これこそが2大新聞が生み出した戦略だったと思います』とのことです。オール沖縄をどう捉えればいいのでしょうか?」
西銘議員
「宜野湾市長選挙の結果を見てもわかるように、この言葉は、私も崩れていると思います。県内11名の市長さんがいますけれど、9名の市長さんは知事と反対に宜野湾の佐喜真市長を応援したグループで、沖縄の政治を見てきた者からすると、直感として昔の革新統一のイメージがします」
大塚議員
「候補者がキャンペーン・ワードとしてそれを使うのは自由ですが、ただし、オール沖縄という概念をメディアがそれを肯定してしまうと公平に反するかもしれません。これは沖縄だけの問題ではなくて、安倍首相や我々も反省しなくてはいけないという点があると思います。国民がとか、ほとんどの方がとか、そんな1つの言葉でくくれるわけがないですよ。だから、そういう意味では、オール沖縄でくくってしまうことには、公正さの面で工夫の余地があると思います。ただし、米軍基地を少なくしたいという1点でいうと、オール沖縄と表現してもそれほど事実と違わない沖縄の皆さんの潜在意識があるかもしれない」

仲新城誠 八重山日報編集長の提言:『多様な価値観』
仲新城氏
「私は民主主義社会で1番大事なのは多様な価値観が共存して、お互いが切磋琢磨して、お互いが寛容な社会であるべきだと。その中で発展するんだという考えなので、そこで沖縄の現状を見ると、沖縄の2紙がつくりあげた『反』という1つの柱があって、その潮流に沿わない考えは、排除されたり、無視されたり、あるいは異端者扱いされたりする状況にあるので、県民自身マスコミを監視するという気持ちをきちんと持って、その積み重ねの先に風通しのいい沖縄ができればいいと思います」

野里洋 元琉球新報論説委員長の提言:『県民とともに沖縄の現状と将来に責任を持てる報道を』
野里氏
「これまでも沖縄の新聞はそうでしたが、県民とともに沖縄の現状と将来に責任を持てる報道を続けてほしいということです。それは国全体についても言えることだと思います」