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2016年2月10日(水)
無軌道?緻密?北朝鮮 中国の役割と責任とは

ゲスト

中山泰秀
自由民主党衆議院議員 前外務副大臣
伊豆見元
静岡県立大学国際関係学部教授
凌星光
日中科学技術文化センター理事長

『弾道ミサイル』発射 北朝鮮の狙いと思惑
秋元キャスター
「核実験や事実上の弾頭ミサイル発射を強行した北朝鮮の狙いを読み解いていきたいと思います。これまでの主な動きまとめました。先月の6日、北朝鮮は4回目となる核実験を行い、初の水爆実験に成功したと発表しました。この実験に対してすぐ国際社会は非難したわけですけれど、今月の2日、事実上の弾道ミサイルである地球観測衛星の打ち上げを2月8日から25日の間に行うと、国際機関に通告しました。しかし、6日になって打ち上げの予告期間を7日から14日の間に変更しました。7日、事実上の弾道ミサイルを発射という流れでしたけれど、まずは中山さん、このタイミングでのミサイル発射、どう受け止められますか?」
中山議員
「模範的回答という意味で言うと、本年5月の党大会に向けて金正恩第一書記の実績づくり、弾道ミサイルの開発技術の検証と及び技術の進展のアピール。それから、国連安保理による新たな制裁決議を巡る議論への牽制。それと交渉に応じない米国の姿勢変化を促すことというのが国会で外務省に問い合わせたら、そう答えてくれというぐらいの模範解答。だけど、プラス、参考ですけれども、これは外務省の。もう1つ、2つ言えるのは、まず1つは天候という気象条件も非常にあったのではないかというのが1つ。それから、これは外務省の4点目の交渉に応じない米国の姿勢変化を促すという。過去1990年代後半から、ずっと北朝鮮の外交をフォローしていて思うことは、常にアメリカとのバイ会談。これにどうやって引っ張り込むか。北朝鮮がアメリカと話す機会を持つかということですね。一生懸命、北朝鮮は考えていると。それと同時に、中国に対する離間作戦。距離を保ちたい。この2正面を狙ったミサイル発射だったと思います」

中国の対応と中朝関係
秋元キャスター
「事実上の弾道ミサイル発射で、北朝鮮に強い影響力を持つ中国でも止めることができませんでした。その中国の対応。これまでの対応ですけれども、先月6日、4回目の核実験を行った際、中国政府は核実験に断固として反対すると表明、大使を呼んで抗議をしました。27日に王毅外相とアメリカのケリー国務長官が北京で会談し、国連安全保障理事会の追加制裁について協議をしました。しかし、王毅外相は、朝鮮半島の非核化、半島の平和安定。対話と協議による問題の解決を堅持することは中国の立場であるとして、制裁に対する米中の隔たり、主張の隔たりが明らかになりました。今月に入って2日、北朝鮮の核など、ミサイル問題を話し合う6か国協議の議長を務める中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表が平壌を訪問します。ミサイル発射の自制を直接、求めたと見られていて、武代表は帰国後、言うべきことは言ったと語っています。しかし、北朝鮮が国際機関に、ミサイル発射の期間を通告したのは、武代表が平壌入りした日でした。北朝鮮がミサイル発射をすると、国連の安全保障理事会は足並みを揃えて強く非難するとの声明を発表したんですけれど、中国は制裁強化については慎重な姿勢を崩していません。凌さん、中国が武大偉代表を平壌にまで派遣して、言うべきことは言ったとまで言っていたにもかかわらず北朝鮮はミサイル発射を行ったわけですけれども、なぜ中国は北朝鮮を抑えられなかったのでしょうか?」
凌氏
「中国は、最初から、6か国協議を始める時から、北朝鮮が、中国の言う通りになるような国ではなくて、中国が一応、6か国協議のホスト役になっていますけれども、これは時間がかかるし、大変難しい問題だということは初めから言っているんですね。まったくその通りでして。現在、国外で、中国に対する期待、中国が影響力云々と言いますけれど、それは限界がずっとありますよということは言ってきているんです、中国は。今回、武大偉さんが行ったというのは、その前に、アメリカの代表と会っているんですよね。たぶんアメリカからも頼まれたというか、もともとホスト役もアメリカに頼まれて中国がやっていたわけですね。6か国協議。ですから、それでその前に日本とか韓国とも、事前に打ち合わせをして、北朝鮮に言って、国際社会といいますか、現在の朝鮮の情勢についての主要なる国の、もちろん、ロシアとも打ち合わせをしているとは思いますけれど、話したと。もともとこれが、それで北朝鮮がやめるかもわからないけれども、やめないかもわからないという態度で臨んでいたと思いますよね。ですから、武大偉さんの言うべきことは言ったという言葉の中に大変難しい任務だったということも、ここに含まれているんですね」
反町キャスター
「現在の話、伊豆見さん、世界のどこの国よりも北朝鮮に対してカードを持っているのは中国ですよね。その中国に対して、各国がいろいろ期待を込めてお願いしているにもかかわらず中国ができなかったと見るべきなのか、やらなかったと見るべきなのか。これはどちらですか?」
伊豆見教授
「やる気がなかったんですね。彼らは影響力がおっしゃるようにありますよ。だけれど、その影響力を使う気がないわけであって。それは現在もそうだし、10年前も、20年前も、30年前も、40年前も、ずっと同じですね。それは北朝鮮が中国にとって必要だからです。圧力をかけてもいいけれども、彼らが暴発をしたらとんでもないことになるという『おそれ』の部分を持っているわけです。北朝鮮に対する不信感は、私は、世界で中国が1番強いと思います。ところが、これは世代によるものだから、だんだん現在は、それが若い世代になってきて、薄れてきましたけど、不信感があって、北朝鮮というものを暴発させると酷い目に遭う。だから、いろいろ駄々をこねられて、うるさいけれど、言うことを聞くしかないというのが1つです。もう1つは、それと同じ延長線上にありますけれど、バッファというか、緩衝地帯として、置いておかないとアメリカと直接対決するようになる、あるいはアメリカの影響力を受けた韓国と直接対峙をする、接するようになることを嫌うんですね。だから、中国にとって北朝鮮は必要性があるから。その際には、持っている影響力は使わないというんですよ」
中山議員
「北朝鮮からみる見方として、あんな小さな国が米国と中国という大国を手玉に取りながら賢い外交をやっています。それを何年もずっと続けてきているという、実際、北朝鮮の事実がある。今度、朝鮮半島で見た場合、朝鮮半島というのはまさに戦後の終焉期にヤルタで会談をやって、チャーチルとルーズベルトとスターリンで、38度線から以北をソビエトに武装解除、以南を米軍に武装解除したと。まさに、そういうキューバも最近、アメリカと仲良くなりつつある中で、ベルリンの壁も崩壊した21世紀。唯一、まるでシーラカンスのように残っているのが朝鮮半島なわけでしょう。この朝鮮半島、北朝鮮というシーラカンスの国が、そこがまさに先ほどおっしゃった緩衝地帯がなくなると、アメリカとロシア、それから、中国と。6者協議のビッグ3の利益のバランスというのが現在すぐに再配分できないのではないですか」

米・中・韓の関係変化
秋元キャスター
「今回の北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射によって、中国と韓国との関係に変化が起きています。その要因となっているのが高高度ミサイル防衛システム、THAADの配備です。THAADとは大気圏内に出た弾道ミサイルを着弾体制に入ったところで撃ち落とすミサイル防衛システムで、40キロから150キロの高度で迎撃できます。敵のミサイルの動きなどを捉えるためのレーダーの有効探知距離が600キロと言われていて、ソウル南方の平沢に設置した場合、北朝鮮はもちろん、中国までレーダーの探知範囲が及びます。これまで韓国は中国に配慮をして配備に慎重な姿勢をとっていたんですけれども、今回のミサイル発射を受けて、韓国とアメリカはTHAADを韓国に配備する協議を始めるとしました。それを受けて、中国は深い懸念を表明するとともに、韓国の大使を呼び抗議をしました。凌さん、中国としては北朝鮮の一連の挑発行為によって、韓国がアメリカになびいてしまったと見ているのでしょうか?」
凌氏
「中国としては東アジア全体に新しい安全保障体制をつくりたいと。アメリカも含めて。ところが、現在、逆の方向に行っていますよね。中国脅威論もあって、それから、日米同盟の強化と。韓国はどちらかというと、両方、二股のそういうような状態から一応、全体の、中国の目指した方向に有利だと、昨年あたりは思っていたと。ところが、また、逆戻りというか…そう見ていると思います」
反町キャスター
「伊豆見さん、THAADミサイルの配備ですが、韓国は最初、嫌々な感じだったのが、ここにきて少し前向きになってきました。この変化をどう見ていますか?」
伊豆見教授
「当然な変化でしょう。当たり前の流れというだけで、これは最終的に韓国が拒否するという選択肢はないです、それは。そうしたら米韓同盟は終わりになっちゃいますからね。そこまで無茶なことを韓国がやるということはあり得ないですから。ただ、できるだけ引き延ばしたかったというだけの話で、だから、それはこういうふうになるのは全然おかしくないですし、もう1つ、中国も全然驚いていないと思いますよ。それは、米韓同盟がある限りにおいて、THAADを韓国が拒否する選択肢なんて、まともな人間が考えたら、あり得ないわけですよ。だから、当然、韓国が折れるだろうと中国も思っていたというのが、僕が中国側と話をしているとそういう感じですね。今回はいい口実になったということですよ」
反町キャスター
「韓国にとって?」
伊豆見教授
「いや、皆にですね。皆、しょうがないですもの。こうやって北がミサイルはやる。まずは核がありますから。核があって、ミサイルがあって、こういう時にはTHAADが必要だと言われても、しょうがないね、という話になるのではないですか」
秋元キャスター
「北朝鮮にとってどうですか?北朝鮮もそういう事態、THAADが配備される可能性も考えていた?」
伊豆見教授
「THAADが配備されたら、自分達の方により脅威になるかとどうかというのは、北朝鮮はあまり気にしていないと思います。レーダーでもって、丸裸ですからね。北朝鮮自体が。北朝鮮が心配するのは報復でミサイル攻撃を喰らうかでしょう。あるいは核で攻撃されるか。当然、それはアメリカのやつはあるわけですよ。現在、韓国にはないだろうと言っていますけれども、そうでなくたって、少なくともB52だのB2などを持って来れば一発ですよ。これは全然、北朝鮮は防ぎようがないですからね。やられるだけになってしまいますから。それは彼らがよく知っているし。それから、潜水艦からももちろん、ミサイルもできるし。要するに、北朝鮮には防衛手段がほとんどないような状況ですから。THAADが、北朝鮮に攻撃的な意味で使われるかもしれないという話があっても、大きく状況を変えることではないですよ。むしろ、これは中国がレーダーで嫌がるだろうというのは当然、知っていて、北朝鮮自身には大きな影響はないと思います」

金正恩第一書記の手腕と野望
秋元キャスター
「今後の戦略を読み解くうえでカギを握っているのが、金正恩第一書記ですけれども、外交や政治手腕についてよく知られていない金正恩第一書記。着々と体制強化を行っているんですね。2012年、朝鮮労働党第一書記に就任しますと、翌年には事実上のナンバー2で、自分自身の叔父の張成沢国防委員会副院長を処刑しました。2015年にも北朝鮮人民軍ナンバー2の玄永哲人民武力相を粛清しています。銃殺されたという情報もあるわけですけれども、今月、初めて朝鮮労働党の中央委員会と人民軍委員会の連合拡大会議を開催し、人民軍は、唯一の最高司令官が指示する1つの方向に進まなければならない、と最高司令官である自身への絶対服従を指示しました。今日、複数の韓国メディアが、李永吉総参謀長が今月初めに処刑されたと報じています。伊豆見さん、この度重なる粛清で、危険で予測不能、暴力的とも評される金正恩第一書記ですけれども、伊豆見さんは、これまでの北朝鮮の動きから、金正恩第一書記の指導者としての手腕をどう見ていますか?」
伊豆見教授
「よくわからないですよね。それはそうですよ。だって32、33歳で、父親の金正日総書記が生きている時に、そこで一緒に動いて、長くて3年。それから、4年、7年間、いろいろそういう経験を積んだでしょうけれども、ただ、北朝鮮という国の舵取りができるほど、国内の政策、それから、対外政策、安全保障も含め、全て自分で考えて、その政策を決めていって、最後に、さらに、それを決断するというようなことが全てできる人とは、私は信じられないです。それは、まだ無理でしょう、彼には。そこまで彼にやらせると言ったって無理ではないかな」
反町キャスター
「誰がやっているのですか?」
伊豆見教授
「ある種の集団指導体制みたいなものでしょうね。集団指導体制は、中で、いろいろ政策を皆で決める、これでいこうかと。だいたいコンセンサスができる。これでいいのではないのと、金正恩第一書記が言うので、それでまわるような雰囲気かなと、僕は思います。全ての問題について彼がリーダーシップをとっていないということはいくつか細かい点ですぐわかることってありますよ。たとえば、昨年の8月15日は、日本から解放された70周年として、相当、困っていたと思うんですね、どう祝うかと。要するに、ロシアと一緒に祝わなければいけないのだけれども、これはもちろん、解放したのはソ連ですよね。だけど、北朝鮮の歴史では、金日成主席になっているから、矛盾するでしょう。どうするかなと思って見ていたら、うまいことやったんです。平壌時間というのをつくって、平壌時間は、日本時間を、ずっとこれまで使っていたんだけれども、日本帝国主義をここできれいに払拭したということでやったのですが。ああいうことを考える人が別にいるわけです。当たり前だけれども」
反町キャスター
「僕、その現象を知らないんですけれども、平壌時間は、日本と時差を設けたのですか?」
伊豆見教授
「時差を設けたんです」
反町キャスター
「8月15日に、そういう時間軸における独立を祝った、そういう感じになるのですか?」
伊豆見教授
「そんなことを投げる人がいるわけですよ、ちゃんと。あるいは今年の新年。これからの大事なキーワードの1つですが、自強、自らを強くするという意味の言葉ですけれども。これはもともと19世紀というか、1880年の朝鮮策略だったかな。中国側の言葉で出てくるのを、これを引っ張り出してきて使うわけですよ、現在。そういうことを全部、金正恩第一書記が考えて何かをやっているなんていうのはあり得るわけがないですね。誰かいろいろ周りに知恵者もいるし、こうしましょうとやっているんだなみたいなものが、何となく伺われるような、そういう目に見えるものがあるし、あとはもともと対外政策というのは、最初の1、2年というのは、特に金正日総書記が決めたものを、そのまま踏襲しているのだろうなと考えられるものでもありましたので、彼個人のリーダーシップを問うというのはまだ早すぎるだろうと思います。だけど、忘れてはいけないのはともかく父親について3年ぐらいまわっていたし、自分がトップになって4年ぐらいは一生懸命やっているから、現在発展途上であることは事実だと思いますけれど、彼が。でも、現在、たとえば、今回のミサイルをどうする、核をどうする。全部最初から決めてこういう順番でやっていこうかとか、想像できないですね。彼が考えてやっているとは」
反町キャスター
「集団指導体制で、協議をしているのだとすれば、その割には処刑とか、粛清するとか、多すぎませんか」
伊豆見教授
「そういうことはないでしょう」
反町キャスター
「自分を支えてくれた人達を処刑とか、粛清とか、施設に送ったりですね…」
伊豆見教授
「わかるのは2010年9月に北朝鮮は党代表者会、党大会に準ずるようなものをやりまして、党の機能を復活して、人事も相当、綿密にやるんですよ。いろいろな人を抜擢するんですね、登用する。2010年というのは、最初から、いろいろ登用し、古い幹部がそこでいなくなったりもしたんです。これは金正日総書記がその前の年に倒れていますから。自分で新しい自分のための体制づくりをやったんだと思います。やって1年経ったら、金正日総書記が亡くなったんです。金正恩さんというのは父親に忠誠、父親が1年前に一生懸命に皆、登用して、出世させ、自分のまわりを固めたやつが周りに残っちゃったわけです。これは辞めさせていかないといけないと。自分が新たに任命をした人間、そういう人達は、自分に好意を持つか、北朝鮮風に言えば忠誠を誓うといったら、自分がそういう、あれですよ」
反町キャスター
「自分の父親に忠誠を誓った人間は信用できないのですか?」
伊豆見教授
「それはダメですよ」
反町キャスター
「世襲ですよ」
伊豆見教授
「世襲だって、うるさくなるかもしれないですよ。父親に忠誠を尽くして、父親だったらこうなのに、あなた、まだ若くて云々なんて言われたらたまらないでしょう」
秋元キャスター
「金正恩第一書記の手腕をどう評価されますか?」
中山議員
「私は1997年に当時の与党3党訪朝団に随行してるんですね。交渉の中身をずっと見て、2000年まで幾度かに渡って北朝鮮、平壌含めて伺いました。そんな中で僕が感じたのが平壌、北朝鮮の人達というのは歴史の先例に見習って、どういったモデルで自分達の鎖国状態を紐解きたいかと想定した場合、おそらく日本の第二次世界大戦終焉というものをモデルに1番したいと思っていると思いますね。すなわち日本の場合、進駐軍が入ってきました、マッカーサーが入ってきて、GHQに天皇を処刑するプランがあったと言われていますよね、歴史的に。だけど、それはしなかった。要するに、金家というものをまるで王朝のようにキチッと存在させながら解放する。鎖国状態を紐解いて外交関係をしっかり確立、充実していくと。すると、北朝鮮というのは、北朝鮮という国の形を維持しながら、21世紀に入れる素地ができるということだと思うので、北朝鮮側の金ファミリーから見たら、そういう想定というか、そういうシナリオが想定できると。そうするということは、中国とか、アメリカとか、ロシア、そういったところからインベイドされないためというのも1つあるでしょうし、バランスというのが何よりも大事だと思います。私が思いますのが、日本にとって外交をやっていて1番苦手なのは何かと言ったら、国交のない国との交渉だと思うんです。国交のある国ばかりを相手にこれまで外交していますから、国交がない国との外交に正直不得手なのではないかと。従って、ストックホルム合意も含めて、小泉総理の時代に乗り込んで行った時は、曽我ひとみさんを含めて成果は見られましたが、現在、21世紀のこの時期に北朝鮮に乗り込むという戦略も1つ考えておいてもいいのではないかなと思います。それと、1997年当時、私には忘れられない思い出、先ほどの世襲ではないですかと反町さんがおっしゃって、それで親子の関係と言いましたけれど、当時、金正日主席の時代ですね。1997年、当時、北朝鮮の役人が皆、その顔の入ったバッジをしているわけですよ。そうしたら2人の役人がいて、その時、1人はお父さんの金日成のバッジをしているんです。もう1人は、金正日のバッジをしている。私は、思わず聞いたんです。どうしてあなた方、時代は倅の時代になったのに、あなたはお父さんの(バッジ)をしているのですかと。息子さんのに変えなくていいのですかと。ちょっとニタッと笑いながら、それは聞かないでください。要するに、先ほど、おっしゃったように世襲はねじれるんです。お父さんは懐深くてよかったけれど、倅は薄いとか、お父さんはしつこかったけれど、倅はさっぱりしていいとか、そういう政治の世襲というのは、実は支持層というのはねじれる。それはちょっとそういう実体験から当時27歳の私が感じたことですね」
凌氏
「この4年間やってきたことによって、現在の経済の動向を見ますと、それから、今回党大会を開くということも含めて、確かにまわりのものがいろいろ意見を出すけれども、決定するのは彼ですよね。ですから、そういった意味においては彼が領袖としての一定の資格を持っているのではないかと。まさに現在、伊豆見さんが言われたように、成長過程にあるんですけれどね。北朝鮮の専門家、韓国の北朝鮮のエキスパートの役人に聞いた話として、韓国の金正恩氏に対する見方が、あれは若く、坊ちゃんはダメだというのではなく、かなりいける人間だという評価をしているという話だそうです。そうしますと、中国は現在どう見ているか、金正恩氏に対して。あれは若いから、経験がないし、という見方をよく聞いてきたんですけれど、最近の金正恩氏について、我々は偏見を捨てて見た場合に、中国ももう少し客観的に見ているのではないかと思うんですね」

金正恩体制の行方
伊豆見教授
「経済建設と国民生活の水準を上げることというのはずっと続けていってるんです。実はこの4年間、ずっと言っていて、ようやくそれを本気でやるのかもしれないというのがあるので、経済にかなり力を入れそうだなと。入れないと自分達の本当の意味での、政権の基盤が固まるかもしれませんけれど、政権をずっと安定的に存続させるために経済が必要だと思っているんだろうなぐらいまでは感じられます。しかし、問題は経済を立て直そうと思ったら、国際的な協力がない限りはあり得ないわけですよ。それは南北関係をまず改善しなければいけないし、もちろん、中朝関係もそうですけれど、最終的にはアメリカとの関係を何とかして、日本との関係も何とかしないと将来の展望はないですよね。そこを本気でやることができるかどうかがあまりよくわからないです。国際関係をまともに改善し協力をちゃんと外から得ようとしたら、彼らは基本的に核開発をやめないといけないし、ミサイル開発もやめなければいけないし、放棄するところまでには時間がかかるから、あれですが、少なくともやめなければいけないと。そういう決断が果たしてできるのかどうか、それが現在のところまだ見えていないと思いますけれど、それがないのであれば、基本的には経済建設はうまくいかないですよ」

拉致問題は?日朝関係 北朝鮮との向き合い方
秋元キャスター
「日本は拉致問題も抱えていますし、なかなか難しいと思うんですけど、どう対応していくべきなのでしょうか?」
中山議員
「総理も政府も何回もおっしゃっていますが、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決すべく対話と圧力、それから、行動対行動を原則として貫くと、そこに尽きるわけです。では、どうやって具体的に前に進めるのか。たとえば、拉致をどうするのかと言った時に様々なオプションでまだ使われていないものというのも実は、たとえばあるのではないか。私が生まれた1970年、昭和45年によど号犯が3月31日に空港経由で平壌に入りました。よど号のリーダーの小西という人は平壌にいるわけですね。昭和46年にいて、平壌市内に少ない日本人。それから、悪の枢軸という指摘を受けた時、まさにテロ支援国家と言われなき批判を受けるべきではないというのが北朝鮮の考えだったわけです、当時。ですから、日本赤軍を国から出したいと思ったわけです。事実よど号の人達は最初、逮捕帰国はこれを認めないと言っていたのが、2回目、逮捕帰国されても仕方ないと、認めると言って、日本への帰国意思を示しているわけです。中曽根内閣の時に2回、書簡を送っているという話も、よど号犯達が言っていました。ですから、そんなことを考えますと、よど号の中、脳みその中に入っているデータをしっかり逮捕帰国して絞りとるということも、拉致被害者の捜査として私は1つの一歩になるのではないかなと思います」

どうなる?日朝関係 日本独自制裁の効果
反町キャスター
「本日発表となった北朝鮮への独自制裁について、効果はありますか?」
伊豆教授
「大変、結構ですね。でも、何について効果があると言わなければいけないのですか。これは、たとえば、今日、独自制裁の目的というのは、北朝鮮に核を放棄させ、そこに近づけさせ、ミサイルも放棄させる。あるいは拉致問題で、まともな真摯な対応をとらせるための目的だとするならば、残念ながら効果はないです。それは経済制裁というのは、本当に相手を日干しにしてくというか、やらなければいけないのだけれど、要するに、先ほどからお話した、中国との間で60億ドル、韓国との間で30億ドルという大きな穴が開いていて、穴の開いたザルみたいなもので蓋をしても、それは閉じられないから、それは無理ですね」
中山議員
「現段階での、しっかりと政府として対応できる策を練ったということだと思います。私は思うんですけれど、帰国事業をやっていた時、地上の楽園だったと北朝鮮のことを言って、万景峰号に乗せ、黄色いリボンをつけた日本人妻をつくる原因になったのは、活動家の中に中国共産党、北京派の人達が日本共産党民主商工会に入って実際活動をしていたではないですか。そういう中国共産党の日本に対する解放工作があったということも、私は歴史上の事実だと思います」

凌星光 日中科学技術文化センター理事長の提言:『「先入観念を捨て、より客観的 且つ理性的に見よう!』
凌氏
「北朝鮮政策を練る前に、現代の北朝鮮についてちゃんと正しい認識をする必要があると思います。ですから、先入観念、テロ国家とか、あるいは拉致国家というような、先入観念を捨てて、より客観的、理性的に見るようにする必要があるのではないかということで、このような提案をさせていただきました」

伊豆見元 静岡県立大学国際関係学部教授の提言:『対話と圧力』
伊豆見教授
「これは現在も安倍内閣もおっしゃっている対話と圧力ですけれども、要は、これに尽きると。ですが、圧力だけでどうなるものでもありませんから、圧力というのは一種の補助的な役割で、最後はもちろん、対話、交渉ですね。対話も話だけ、先ほど話をすることも重要と申し上げましたけれど、それだけでは結果が出ませんから、最終的には交渉。交渉で結果を出そうとすると、これは取引ですから、ここからが極めて気分の悪い話をしなければいけないのですが、取引ですから、ギブアンドテイクで我々だけが総どりすることはあり得ないので、北朝鮮にとっても得になることをやらない限り結果は出ないと。そこまでのもちろん、覚悟があって、初めて、しかも、その交渉が非常に強固な圧力に支えられて、初めて結果が出ると思うんですけれど、すごく難しいし、気分的にはものすごく嫌ですよね」

中山泰秀 自由民主党衆議院議員の提言:『PP=(C+E+M)×(S+W) 時間と戦略』
中山議員
「私は時間と戦略ということであります。要するに、タイムフレームをきちんと見据えながら、戦略を持った外交というものに持っていくべきだと思います。この方程式は、PPというのは計量認識された国力量、Cは国家の基本要素、Eは経済力、Mは軍事力と。Sは戦略目標、Wは戦略目標を遂行する国家としての意思、国民的としての意思。日本はSとWが実は弱いと思います。かけ算のこちら側が0だったらイコールのこちら側は0になるわけです。C、E、Mがいくらあっても、SとWをキチッと鍛えること。これを時間と戦略を見据えながら、対北朝鮮を含めた外交を米国と連携して、韓国と連携してキチッとやっていくと。あと、できたら中国はルール・オブ・ロー、これを見据えながら共に日中関係も共同しながら、対北朝鮮、6か国協議の枠の中でキチッとやっていくべきだと思います」