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2016年2月8日(月)
ミサイル成功の虚実 ▽ 『賃上げの春』近し?

ゲスト

佐藤正久
参院外交防衛委員長 自由民主党参議院議員(前半)
金田秀昭
海上自衛隊元海将(前半)
田村憲久
自由民主党政務調査会長代理 前厚生労働大臣 衆議院議員(後半)
神津里季生
日本労働組合総連合会会長(後半)

北朝鮮『弾道ミサイル』発射 その目的は
秋元キャスター
「7日午前9時31分に、北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射しました。まずは、佐藤さん、今回のミサイルは発射の目的をどう分析されますか?」
佐藤議員
「国内向けと、海外、とりわけアメリカ向けと、2つあると思うんですね。国内向けという場合は、自分の力を国民に見せないといけない。特に、5月に36年ぶりの労働党大会がありますから、それに向けて、着々と自分の力を見せないといけないという部分があったと思います。11月の末に、潜水艦からミサイルを発射する。1月早々に核実験。これは水爆と言っていますけれども。今度はミサイル。前回の潜水艦からのミサイル発射とかあるいは核実験が、海外向けの評価がいまいちの部分がありましたから、余計に5月に向けては強くメッセージを出さないといけない。よって今回、ミサイルを成功させるということが極めて大事だったという側面もあろうかと思います。一方で、海外向け、特にアメリカ向けに、アメリカを交渉相手として引きずり込むにはアメリカまで届くミサイルを持っていると。前回、2012年の12月に続いて、今回のそういう能力、1万km、今度は、1万2000km、1万3000km、東海岸まで届くという、そういうメッセージを与えるということが極めて大事だったと見ています」
金田氏
「なぜ今回、核実験もやって、ほぼ同じ時期に弾道ミサイルの発射試験をやるということについて、これは1998年、ここでテポドンⅠというものを、これを撃った時から、ずっと連綿と続いている彼らの、佐藤先生がおっしゃられたような目的、これを達成することを目標に置いて、ゴールに置いて、連綿として努力をしてきたということだと、私は理解をしています。テポドンⅠがテポドンⅡになり、テポドンⅡ改というように少しずつ進歩していると思われ、今回に至ったということですね。2006年から始まったテポドンⅡの試験に合わせて、核実験というのをやっているわけです。ですから、間違いなく、佐藤先生がおっしゃったように、アメリカを意識して、非常に長距離の弾道ミサイル。そこはできれば、核弾頭、あるいは核に関わる何がしかの大量破壊兵器。そこまでいかなくても、化学兵器、爆薬。生物兵器、こういったものを弾頭に置いて、恐怖を煽るということで、アメリカの譲歩を引き出すということを本当に実現をしたいと思っていると思われますね。ですから、今回もその過程の1つであり、まさに核実験と長距離弾道ミサイルと言われているものの発射実験が行われたという、そのように理解すべきだと思います」

その威力は…
秋元キャスター
「ミサイルの飛行経路ですけれども、昨日午前9時31分頃に人工衛星と称する事実上の長距離弾道ミサイルを北朝鮮北部の東倉里から発射しました。ミサイルは発射10分後に沖縄県上空を通過したのですが、日本領域への落下物は確認されず、自衛隊は破壊措置を実施しませんでした。ミサイルはこれまで5つに分解したことが確認されていて、公海から東シナ海の海上に相次いで落下。アメリカ軍当局から、その後、2つの物体が衛星の軌道上で探知されたと伝えていて、宇宙軌道に進入したと見られています。金田さん、今回の長距離弾道ミサイルの軌道、威力をどう分析されますか?」
金田氏
「前回、成功したと言われています、2012年12月。この時の軌跡と、ほぼ似ているということだと思います。まず言えます。しかし、大きく違うのは第1の目標、それから、落下物1。それから、落下物2、落下物3。これは2つ落ちているわけです。それから、落下物4、ここに至る時間が前回と比べて非常に早い。たとえば、落下物1については3分程度早い。発射して3分でここまでですから、そこまで長い時間ではないわけですが、そんなに早いと。その次も、だいたいそんなものです。最終的には、早いと同時に予定されていた区域を飛び越してしまったということがあります。これは、いろいろな分析を、まだ詳細な分析を待たなければいけませんが、基本的なことは現在、これだけでまず言えそうなことは間違いなくスピードが上がっている。そのことによって、おそらく高度も、少し高めにできたのではないかと。つまり、能力の高い弾道ミサイル、これの発射試験が確実に行われたということが、ここから読み取れるものだと思いますね。
反町キャスター
「2個衛星軌道上で確認されたと言われているんですけれども、今回の北朝鮮のロケットというのは衛星軌道上に2つの衛星を出したのですか?」
金田氏
「これは3段ロケットだと思われます。第1段ロケットが落ちました。あと全体を覆う、空気抵抗を少なくするための風防、キャップ。これをフェアリングというのですが、これが2つに分かれて落下物2、3ですか、ここに落ちたと思われます。最後に落下物4と書いてありますが、これが第2段ロケットの燃え殻ということになります。そうすると、あと1つ、第3段ロケット。それから、その先端についている衛星と称している物体ですね。これだと思います。それは本来くっついているわけですが、最終的に衛星を宇宙空間に、軌道に乗せるために放出するわけですから、そこで分離したと。だから、5つ目の物体という表現があったと思いますが、それが2つに分かれて、別々に飛んでいるということですね、ということだと思います。
秋元キャスター
「衛星を打ち上げれば、2つに分かれるのが普通なのですか?」
金田氏
「そうですね。これは余計な分ですから。そうすると、もしもくっついていたら、余計な燃料、電池、そういったものを消耗してしまいますからこれは離してしまう。もういらないわけですから。軌道に乗ってしまえば、それまでは。そのための第1宇宙速度と言うんですけれども、周回のためにはその速力を得るということ。あと微調整がありますね、軌道に乗せるためには。今回も第1回と同様に、少し西側に変針しているんですね。そういうことをやる必要がありますので、そういうロケットがついているということですね」
反町キャスター
「佐藤さん、これは、たとえば、電波を出しているのか?そういう何か情報は政府に入っているのですか?」
佐藤議員
「まだこれからですね。宇宙の方の部分については、アメリカも含めて。ただ、前回の2012年のものは、電波はなかなか出していないのではという現在分析のようです」
反町キャスター
「今回のやつというのは、暫く時間をかけて見て、まずどういう周回でまわっているのかというのを確認したうえで、それから、何かしらの電波が出ているのか、通信しているのかを見たうえで、それが本当に動いているものなのかどうかは、そこは、これからの検証になってくるわけですね」
佐藤議員
「今回、韓国の方が早目に分析結果を出していますけれど、かなり早いですよね。だから、普通、我々はもう少し慎重にしないと、そこまでの分析がなかなか出ないんですけれども、非常に今回、早いものを出しているんですけれども、もう少し我々は、アメリカと連携をしながら、分析をしてから、今回の評価をした方がいいのではないかと思っています」

アメリカへの脅威となるか
反町キャスター
「先ほどの話の続きで、ミサイルの性能について、金田さんと佐藤さんに聞きたいんですけれども、未確認ですけれども、射程が1万3000km、と言われている中で、1万3000kmというと、ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、サンフランシスコ、ロサンゼルスまで射程に入ってきてしまう。今回のここまでの実験の結果等々を見ている限りにおいて、本当に1万3000kmも飛ぶミサイルができたのかどうか。もしできたとすれば、それは対アメリカという意味において、どういう意味を持ってくるのか。金田さんから、まず聞きたいんですけれども、どう感じますか?」
金田氏
「先ほどもお話がありましたけれども、その速度ですね。それから、ペイロード。もちろん、いろんな管制技術、再突入の。こういったものがもちろん、必要なのですが、基本的に速度ですね。そこで非常に高いところまで飛べる。落っこってくる。弾道ミサイルですから、文字通り、中学校の物理の教科書でもやっているように、45度で飛ばすと最も遠くへ飛ぶ。それですよ。ですから、そういった角度。もちろん、45度ではありませんが、遠くに飛ぶ。しかし、それは相当力が強い人と弱い人ではもちろん、飛び方が違う。だから、力が強いということは速い球を飛ばすというわけですね。だから、遠くへ飛ぶと。それが2012年12月の時の速度であるとか、そういったことを見ると約1万kmという射距離に換算できる。ところが、今回のやつは少し能力も高くなりましたので、結局、1万2000km、1万3000kmというような、そのぐらいの弾道ミサイルになり得る。再突入とか、そういったところが満足すればですね、そういうことですね」
反町キャスター
「弾道ミサイルというのは、打ち上げて、1万3000km飛ぶ能力があるかどうか。これは今回、あるかもしれないという話になった場合、今度は現在、言われた、目的地に落とすこと、再突入の技術、こちらの方がもっと難しいのですか?」
金田氏
「もっと難しいかというか、どちらも難しいのですが、とりあえずそれは距離的には概ね達した可能性はあるというわけです。ただ、ぺイロードがどうかということですね。重いものを担げば、それだけ高く飛ばない、速く飛ばないわけですから。それは今回、2012年12月は、韓国の言い方ですけれども、100kg程度。それから、今回は2倍ぐらいではないかと。このように言われているんですね」
反町キャスター
「200kgと言ったら…。小型の核爆弾は何キロぐらいなのですか?」
金田氏
「いろんな説があります。だいたいのことを言うと800㎏ぐらいであれば、いろんな種類の核弾頭が積めると」
反町キャスター
「と言うことは、今回のロケットの性能を見ている限りにおいてはまだ1万3000km。何らかの200kgのものを飛ばせる能力はあるかもしれないけれども、目的地に正確に落とす能力、さらに小型の核爆弾、800kgのものを運ぶ能力ということからいうと、そこに至っているとは思えないという、理解でよろしいですか?」
金田氏
「まだ、隠された部分があるかもしれません。これはあくまでも壮大な嘘をつく、ショウの1つかもしれないわけですよね。こんなものしかないのかと思わせる。しかし、緊張感を与えるというか、いろいろなことがありますので、わかりませんが、少なくとも現在おっしゃられた中で、核弾頭があるのか、ないのかということについては確認されていませんし、それから、北朝鮮においてロケット打ち上げ、ロケットによる衛星打ち上げではなく、いわゆる弾道ミサイルの再突入の試験、実験のことをやったという、その証拠もありません。と言うことは、まだ至っていないと」
佐藤議員
「金田先生が言われたように、前回2012年の12月の打ち上げ成功。あの時は日本もアメリカも、北朝鮮は既に1万2000kmを飛ばす能力はあるという評価を、日本もアメリカもやったわけです。今回、まだ分析中でありますけれども、これが仮に1万2000km、1万3000km届くという能力を持っているという評価が出たら、これはアメリカにとって、非常にこれまでとは違って一段脅威が高まったと。確かに再突入の技術はまだでしょうが、そもそも弾道ミサイルはもともとそんなに精度が良いものではありませんから。誤差が3kmとか、5kmぐらいのところに、能力が高い核爆弾や、大きな弾頭、威力があるものをつけて落とすというものですから。そういうことを考えた時に、1歩1歩、そこに近づいていると。しかも、核実験を4回やりましたから。普通、3回やれば、普通の国は声高に成功すると言われているのを、4回、5回やることによって、核の小型化もできるし、今度は再突入の部分と、1歩1歩、アメリカに向けて近づいているというメッセージは強烈に与えることができたのではないかなと思います」
秋元キャスター
「北のミサイル発射については、安倍総理は断じて容認できないとしたうえで、2014年に拉致再調査に関する日朝合意に解除した制裁措置を復活させ、段階的に強化する方針を固めました。第1弾として北朝鮮籍保有者の入国や船舶の入港を再び禁止するということですけれども、佐藤さん、この制裁で効果はあるのでしょうか?」
佐藤議員
「日本だけでは難しいと思います。だけど、日本も国連の安保理決議が現在、遅れている段階では、日本としてもできる限り、そこは制裁をかけるということが大事だと思います。ただ、大事なことは国際社会が一体となって、圧力をかけなければ、これは意味がありませんからね。特に中国と言われていますけれども、アメリカももっと本気にならないといけないと思います。たとえば、オバマ大統領の一般教書演説は、この核実験のすぐあとだったんです。北朝鮮のキの字もなかった。アメリカも、しっかり見ているということを出さないと迫力がないし。しかも、今回、ミサイルをつくるには技術者だけでなく、部品も必要です、材料が。確かに技術者は自分達で何回も訓練をすれば、育つかもしれない。でも、ミサイルをつくる部品は北朝鮮だけでは調達できない可能性が高い」
反町キャスター
「どこから調達しているのですか?」
佐藤議員
「いろいろと、ロシアとか、言われていますよ。そういうものがある以上は、その部品がうまく北朝鮮の方に行かないという部分を、国際社会で、それを締め付けるとやれば、つくれませんから。つくる技術者がいても、いろいろな面で、国際社会で一体となって、そういう部品とか、そういう材料を与えないという動きも必要だと思っています」

言いたい事、聞きたい事
秋元キャスター
「視聴者からの質問です。『今回の北朝鮮のミサイル発射もそうですが、北朝鮮の脅威を論じるなら、その発射基地を破壊することを、真剣に検討する時期がきていると思います。核施設についても同様です。いかがですか?』とのことですが」
佐藤議員
「まさに現在、防衛計画の大綱。現大綱においても策源地というか、敵のミサイル基地を叩くための発射手段とか、そういうものについても検討すべきだというのまで入っているんですね。ミサイル防衛というのは、ずっと待ち受けだけだとなかなか厳しい部分もあるというのは一般に言われています。向こうの基地を叩くというものがなければ、なかなか抑止にもなりません。それを日本がやるのか、アメリカがやるのか、これは別にしても、そういう部分は必要です。ただ、日本がやる場合、叩くための手段。これは巡航ミサイルとか、いろいろありますけれども、それは持っていませんから。さらに目標情報。これは衛星で撮らないといけませんから。衛星とそういう投射手段。情報と叩く手段で、これは両方ないと実際に叩くことができません。さらにもう1つ言うと移動式のミサイル。ノドンとか、あるいはスカッド。移動式のものを事前に場所を見つけて、叩くというのは結構、難しい。どんどん、隠しますから。いろんなもので、布で覆うとか、いろんなもので隠して、パッとやって撃ちますから。事前に叩くことは難しいですけれども、一方で、ご指摘の通り、叩く、叩けるというものを持っていると持っていないでは、抑止上、全然違うと思います。そういうものをいずれ議論をしなければいけないと。全体的に、うちの盾の部分をどう整備をするのですかと。イージス艦の新しいブロックⅡ-Aというミサイルを持つ、あるいはPAC-3のMAⅢ弾という新しい弾、まさに盾の部分を強める。場合によってはこれから地上配備型イージスとか、THAAD(弾道弾迎撃ミサイル)という部分も検討する場合もあるかもしれません。同時にどうやって向こうに、矛の部分はどうやって今度、アメリカと連携すれば保つかという部分がないとなかなか国民の命を守るというのは難しい部分もあると思っています」
反町キャスター
「視聴者からの質問です。『テポドンはアメリカを想定した装備で、日本向けにはノドンとか、ムスダンがあると思うのですが、ノドンとか、ムスダンは核爆弾を載せられるのでしょうか』とのことですが」
金田氏
「先ほど言いましたように核弾頭にはいろいろな技術がありますから、どの程度のものがあるかということは別にしまして、約800㎏というようなことが言われていますが、もう少し小さいものだって、技術的にできないことはないことだと思います。しかし、それで一般的に言われていますのは、ノドンにしても、それから、ムスダンはまだ1度も、パレードに出ていただけで、実証されていないわけですが、ノドンというのは実際に実射もありますし、約200発あって、日本に向けられていると、このように言われていますね。そのノドンが、ペイロードとしては800㎏ぐらい。このぐらいは持てると言っています。しかも、1300kmですから、射程が。約1300km、これは射程としても、たとえば、日本の本州、北海道、こういったものは余裕をもって入るということが言えます。従って、それは核弾頭技術がもっと進化したなら、それは間違いなく装備されるという可能性を考えておかないといけないと思いますね」
反町キャスター
「現在の金田さんの話を聞いていると今回、我々はテポドン、ないしはテポドン改の話をずっとしてきたんですけれども、日本の安全保障だけを考えたら、既に800㎏のペイロードの能力を持っているノドンがあり、あとは北朝鮮が、核の小型化が成功したとわかれば、核ミサイルが直撃するリスクが目の前にあるんだよという、この理解でよろしいのですか?」
佐藤議員
「我々としては、テポドンは、誰が考えても、日本用ではありませんから。我々としては射程に入っているノドンと。しかも、移動式ですから。それに対し、どうやってやるんだと。まさに今回の日米の新しいガイドライン。平和安全法制も、そういうことを意識しながら今回組み立てていますから。非常に、我々はノドンというのはしっかり見ていかないといけない北朝鮮の持っている弾道ミサイルだと思います」

2016春闘 どうなる賃上げ 賃上げは実現できるのか
秋元キャスター
「今年の春闘をどう戦いますか?」
神津氏
「一言で言えば、底上げ春闘だと思っています。キーワードは底上げ含めて4つですね。これ言い出せば、ちょっと時間がかかっちゃうんですけれども、持続性。これは一昨年、昨年と確かに、連合としても一定の成果を上げてきたんです。ただ、これが3年目でポシャってしまっては、デフレの脱却なんて夢のまた夢。日銀が異次元の金融緩和ということでやっていますよね。あれは一種の賭けだと思うんです。だけど、本当にそれをフォローできるのは賃上げですね。ですから、経営者の皆さん方はそういうマクロの課題を是非、正面から見据えて考えていただきたいと思います」
秋元キャスター
「具体的な数値目標みたいなものは?」
神津氏
「私どもは、2+2の4、数字で言えば、そういったものを掲げています。これは両方の2にこだわりがあるのですが、順不同で言いますと、世の中は定期昇給、あるいは賃金カーブ維持ということができていない。そういう企業も残念ながら、まだ少なからずあるんです。だから、そこにどうやって広がりを持たせるかですね。先ほどのキーワード4つのうちの1つが広がりです。そこをまず2にこだわりをもっていこうということですね。それから、もう1つの2は、昨年も2という数字を上げているんですけれど、2%以上という旗を掲げたのですが、今年は2%程度基準と言っているんです。これは少し広がりをもっています、そういう意味での幅を持っています。要するに、大手準拠とか、大手追随という文化から脱却しようという想いを込めた2%程度基準です。ですから、中小企業が大手を上まわる要求をしたっていいではないかということを含めての2%程度基準。それを合わせて数字で言えば、4ということですね」
田村議員
「連合さんは控えめではないかなんて言われる方もおられますが、たぶん昨年と同じような要望をしっかり出されていれるのだと思いますが、決して私は控えめだとは思いません。そういう意味からしますと、しっかりと賃金が上げられるかどうか、これは実は安倍政権にとっても大変重要なことでありますので、応援するというか、我々は我々でしっかりと賃上げを各企業、経済団体に求めていくということになってくると思います。ベースアップか、それとも年収ベースなのかという話ですが、それはできればベースアップをしてもらった方がいいのは間違いないわけでありまして、これをやることによって、来年目減りするということは基本的にはないわけですから、ベースを上げていくこと自体が安定的に消費の拡大にもつながっていくというのは、我々も同じ考え方ですので、是非とも企業、経済団体には、それをお願いしたいというのが我々の考え方でもあります」

実感できない賃金上昇
秋元キャスター
「厚生労働省の毎月勤労統計ですが、この賃金の流れをどう見ていますか?」
神津氏
「このグラフは、一般労働者、パートタイム労働者、これは結局、同じ傾向で出てきていますよね。ですから、これは結局、一昨年、昨年はできていたよね、賃上げは。という部分だと思うんです。これですらですよ。だけど、中小企業のところでどうかと言えば、まだまだこういうことになってないわけです。ゼロから上に上がっていますけれど。ましてや実質賃金ということで言えば、これは全体トータルですから、そうすると、そうやって賃上げができていないところも入って、かつ物価上昇がありますから、マイナス0.9%という落ち込みになってしまうんですよ。ですから、ことほどさように、本当に広がりをもたせないと底上げができない。こういう傾向というのはまだ続いてしまいますよ」
反町キャスター
「底上げと言いますが、苦しい産業、構造改革中の産業、アベノミクスの円安で儲けている産業も、同じようにベアをやりましょうというのは、なかなか難しいと思いますよね」
神津氏
「思います。一昨年、昨年とある程度の賃上げができたところ、ここが同じようにやっていけますかというと、これもなかなか難しいところがあるんです。そういうことよりも、公正取引の問題とか、契約単価とか、そういうところを含め、サプライチェーンとか、バリューチェーンという言い方をしているのですが、同じ1つのものをつくり出す、同じサービスをする、そこに親会社、あるいは部品メーカー、下請け、皆ががんばって、やっているんですよ。ですから、そこに付加価値がきちんとまわるように、配分がまわるように、そういうことを、私どもは労働組合として、親会社の労働組合自身が、そのことを求めていこうと、こういう動きをとろうとしています」
田村議員
「一見、この数字はなかなかわかりづらいんですけど、正規も増え出しましたが、非正規が爆発的に増えているんですね。景気が良くなったというよりか、非常に雇用がタイトになってきまして、非正規労働者が増えているものですから、どうしても正規、非正規…、非正規が増えるとその分だけ薄まりますので、ですから、マイナスに出ているというのもあるんです、実質が。ですから、本当に正規だけ、非正規だけで比べるとまた違った結果が出てくると思いますね。だから、着実に我々は成果が出つつあるんだと思います。それをより確実なものにしていくということが大事ですね」
反町キャスター
「経営者がデフレマインドから脱却できない議論をよく政治家の方から聞くんですけれど、経営者も、政治家も、労働組合もデフレマインドというものから脱却できているかどうかというのは、たとえば、現在みたいな議論の中で、でも、どこか1社がグッといくということではダメだよと。でも、インフレの時はそれでよかった、という話がありました。デフレマインドから労働組合も脱却できていないということになるのかどうか、これをどう見ていますか?」
田村議員
「アメリカの自動車組合、UAWみたいなのありますけれども、あそこは基本的にそこで決めた賃金は、他のいろんな企業がありますけれど、適用されてくわけですよね。あそこで言うと、そこが非常に強い力を持っていて、それで労使交渉をやって決めたわけでしょう。決まったら皆で従おうみたいな話であるわけですよね。日本の場合は、産別というものよりも、個別のいろんな労働組合がそれぞれ力を持ってきた歴史があって、現在、連合という中で全体をとりまとめていると。連合の立場からしてみれば、この産業は遙か彼方をいっているし、この産業はここらへんにいるしと、連合の組織論としてはもたないですよ、これははっきり言って。私は、それは連合というお立場からすれば、それを許すとはなかなか言えない。労働者全体を考えれば、皆が上がっていくような形を主張せざるを得ないのだろうと思いますね」
神津氏
「田村さんのおっしゃられたことを含めて、連合というのは、全体のこと考えてやっているんです。ですから、そこに入ってきている労働組合は全体のこと考えて要求を組み立てているんだということです」

神津里季生 日本労働組合総連合会会長の提言:『クラシノソコアゲ』
神津氏
「何で片仮名かというのは、実は私どもの中でも議論があったんですけれども、最近、いろいろなキャッチコピーでも片仮名が結構、街にありますよね。ですから、まず組合に入ってない人も、若い方々も、少し目を向けていただきたいという、そういう想いがあって、クラシノソコアゲということで、私どもクラシノソコアゲ応援団というキャンペーンを現在まさに始めたところです。まだちょっと世の中に広く知れ渡っていないですが、そういう意味で言うと、全体の底上げ、今日なんべんも申し上げた、そこを実際に皆でやっていこうと、こういうことにつなげていきたいと、こういう想いです」