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2016年2月5日(金)
韓国世論の正体は何か 論客3人の一致と相違

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛大臣 衆議院議員
洪熒
統一日報論説主幹
金慶珠
東海大学准教授
李泳采
恵泉女学園大学准教授

小野寺元防衛相×韓国人3論客 北朝鮮『核』と『ミサイル』
松村キャスター
「早ければ、週明けにも発射される可能性のある北朝鮮の事実上の弾道ミサイルですが、まず今年に入ってからの北朝鮮の主な動きについて見ていきます。先月6日、北朝鮮が4度目の核実験を行い、水爆実験に成功したと発表しました。13日には韓国と北朝鮮の軍事境界線付近で北朝鮮とみられる無人機が飛行しました。これに対して韓国軍が警告射撃を行いました。今週火曜日、北朝鮮は今月8日から25日の間に地球観測衛星、事実上の長距離弾道ミサイルの打ち上げを通告しました。もし発射されれば、先月6日の核実験に続く軍事的な挑発となります。李さん、この北朝鮮の動きを韓国国民は、これをどのように見ているのでしょうか?」
李准教授
「4次核実験以降、あらためて挑発行為となるので、韓国社会には確かに北朝鮮の軍事挑発には恐怖感があると思います。ただ、非常に私達も北朝鮮の今回の狙いを綿密に見ないといけないと。なぜ日付がこの8日なのかということですね、25日まで。国内的な理由から見ると8日は朝鮮人民軍が1946年2月8日に設立されているわけです。それが70年の記念式になるわけですね。だから、体制的にはたぶんそういうような軍事的な目的もあれば、もう1つは、2月16日は金正日国防委員長の誕生日にもあたるわけです。8日が韓国の旧正月の日でもありますので、韓国社会を揺るがすものになる。もう1つは、第4次核実験に対して韓国で現在、制裁の動きがあります。それに対して、北朝鮮は退くとか、弱みを見せないで、逆に強い姿勢でそういう動きに対応するという、まさに対外的な目的と対内的な目的で非常に鋭い時期を設定しているなというイメージですね」
金准教授
「明らかに、確実に核の技術を上げてきている。国際社会、特に韓国に対する脅威というのは確実に高まっていると。この認識は、韓国の中で、もはや共通認識になっているのではないかと思います」
洪氏
「今度はちょっと皆、深刻に思うのが結局、北の核兵器の実戦的な配備がほぼ完成したのではないかと、専門家達が見るんですね。いわゆる水爆実験ということは実戦配備を意味するんだと。それから、先週も、北側が国連でアメリカを攻撃できるという声明を出したのですが、こうなりますと、韓国はこれまでの慣れではなく、南北70年間の戦いの決着を、向こうが強いてきたという受け止め方ですね。それで核武装論まで出るのですが。朴槿恵大統領がとった最初の措置が、北に対しての心理戦の再開ですし、それで北も反発し、南に対して心理戦の再開をしているのですが、つまり、心理戦の本質は相手の体制を認めないということです。結局、北も自分達が先に水爆実験をやったわけですから、韓国に対北放送再開に対して文句が言えないから応じているのですが、内容は南北の全面的な心理戦。政治戦争の本質は相手を認めないということです。だから、結局このまま北が暴走すれば、韓国は決断をせざるを得ないということに追われて、それは国民が誰も教えなかったのに核武装賛成が多くなる」

韓国『核武装論』噴出
反町キャスター
「先月行われた核実験の翌日ですが、韓国の与党セヌリ党の元裕哲院内代表はこういう発言をしています。『韓国も自衛レベルの平和的な核を持つときが来た』と。何かよくわからないですけれども、さらに、その後の世論調査でも、こういう数字が出ています。韓国も核兵器を保有すべきかという世論調査。韓国の成人1000人のデータですが、賛成が54%。反対が38%。ちょっと驚くのですけれども」
金准教授
「現実的には、これは韓国がいわば、現在のまま、ただ単独で核保有論を主張すれば、第2の北朝鮮になりますと言っているようなものですから。国際社会から様々な制裁を受けることは、これは明らかです。ですから、その実現に賛成ということではなく、要は、北朝鮮の脅威というものが3回目までとは違うレベルになっていると。これはこれから本当に戦略核に向けて一気に進むわけではないかという意識の中、韓国としてもこれまでとは違うレベルでの、自衛の措置を講じなければいけないと。その表現が核武装論という、非常に物騒な話になっていますけれども、いわゆる新しいレベルでの防衛策が必要だという意味では、私は底堅い賛成を得ていると思います」
李准教授
「韓国が必ずしも北朝鮮の脅威論だけを持っているだけではありません。1つは、北朝鮮に対する反共産主義の脅威もあれば、もう1つは、日本に対する脅威論があるわけですね。現在は中国に対する台頭論の、もう1つの脅威論もあるわけです」
反町キャスター
「日本に対する脅威論は、日本が武力侵攻するんですか。韓半島を」
李准教授
「基本的に、日本の集団的自衛権。憲法9条の改正の動きに関しては、当然、日本は、もうひとつ、軍国主義の道を歩むじゃないかというような脅威論が、韓国の中にあるわけですね」

韓国の『本音』と『覚悟』
反町キャスター
「日本が韓半島に、また、上陸するの?李さんの意見とかではなくて、韓国世論の中にそういう意見があるわけですね」
李准教授
「それは、基本的にあるとは思います。ただ、中谷防衛大臣も言っていたではないですか。韓国の何か有事状態には、韓国の許可が必要ですが、たとえば、北朝鮮、38度線以北で何か危機的な状況があった時には、韓国の許可なしと。国連での、韓国の指揮権は38度線より南に及ぶものだということは、集団的自衛権成立後に、すぐ実は、これは防衛体制の中でも言われていた話ですね。そういうような日本社会に対しての、韓国社会のある程度の不信感と言いますか」
反町キャスター
「現在の話、北が、たとえば、ミサイルを撃つ時に、それに対応するかどうかで韓国の許可を得ると言っているのと同じです。そんなことあり得ないでしょう?」
小野寺議員
「現在、国会の中で、実は平和安全法制の話は、ほとんど静かになりました。理由は、北朝鮮が何かするかもしれない。この時には日米が一緒に出ていきます。日本を守るために出ている米軍のイージス艦に、向こうから北朝鮮を攻撃した時、まだ、日本は攻撃されていなければ、日本はこの米軍のイージス艦を守れないわけですよ。日本を守るために出ている、ですから、こういうことに限定的に集団的自衛権をやりましょうということを説明してきたので、現在の状況を見た時に、これは必要だよなと思っていただけるので、これは是非ご理解をいただきたいと思っています。それから、何より総理が繰り返し言っているのは、他国の領土に昔の軍事的な形のような侵攻をすることはないと、はっきりと言っていますので。しかも、たとえば、北朝鮮が日本にミサイルを撃ってくるような事態であっても、日本は防衛でそれを防ぎますが、最終的に北朝鮮の基地。策源地、元を絶つという攻撃は日米同盟の役割の中で、米軍が負うことになります。当然、米軍は米韓同盟の中でしっかり議論していきますので、私どもが韓国の頭ごなしに北朝鮮に何かを撃ちこむとか、そういうことは、基本的にはありませんから。そこは是非、現在の日本の防衛体系のことを理解して、むしろ韓国の皆さんに説明していただければありがたいと思います」
金准教授
「現在、李さんがおっしゃっていたのは結局、韓国の世論の中で日本に対する不信感というのは依然としてあると。それは歴史認識。日本にも軍事的に侵攻された歴史を持つわけですから、当然ながら日本の軍事力、特に朝鮮半島に対する日本の軍事力行使に強い警戒感を持っている。竹島を巡っても領土対立あるではないかという意見もあれば、日本が軍国主義に戻るのではないかという、とんでもないようなことを主張するネット、メディアなどもあります。当然専門家の間ではそういうことはないと。実際有事があれば、その際に日韓間の協力、これがこれまでどうしても不透明なままというか、不明確なままだったので、そこを整備していく必要性はあると思うんですね。ただ、それを、いざ交渉を始めてみると、中谷防衛大臣の38度線以北に関しては、韓国の統治権が及ばないのではないかというような発言は、日本から見れば、ある意味、北朝鮮は別の国だし、韓国とは別の国だから、当たり前でしょうと思うかもしれませんが、これは韓国にとってみれば、まったく違うレベルの問題ですね。もちろん、憲法上、韓国が朝鮮半島唯一の国家であると規定していることもありますが、北朝鮮に対して、アメリカであれ、日本であれ、何らかの武力的な影響が加わった時に、真っ先の反撃、あるいはその被害、影響を受けるのは韓国なわけです。これまでのパターンとしても、何かあれば韓国に対して挑発をしたり、軍事的に…」
反町キャスター
「でも、小野寺さん、これまで言っていたように、別に策源地攻撃、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する時には、日本がやるのではなくて、アメリカがやるんだよと繰り返し言って、ただ、北から飛んでくるミサイルを撃ち落とすのに韓国の許可を得るとか、そういう意味ではないですよね。まさか、まさかですよ」
金准教授
「韓国が主張しているのは、朝鮮半島の安定、秩序、平和を維持するために、日本と韓国の協力が必要ですよねと。そのためには、事前に、お互いに韓国に対して国際法上、要請がないと入れないのは当然ですけれども、それ以上に、韓国の意思を尊重してほしいというそのことです」
小野寺議員
「日本政府としては韓国に、軍事的に入ることは、もちろん、ありませんし、韓国の平和、韓半島の平和的な維持というのが私どもの目的ですから。そのために日本はできることを支援するということ。東アジアの安全保障の中で、特に韓国の安全保障にも在日米軍は大きな機能を果たしていて、日本は、たとえば、沖縄の皆さんがいろんな想いで負担軽減を求めていますが、そういう難しい中でも日本政府として在日米軍の東アジアでの位置ということをよく理解して対応をしています。是非、韓国の皆さんにも、歴史的なことがあるのは私ども重々知っていますが、現実、現在の問題に対応していただければ、もう少し日本に対して、優しい言葉とは言いませんが、理解を、日本の安全保障に対しても理解をしていただきたいと」

日本に潜伏…北朝鮮『工作機関』
松村キャスター
「今週、日韓両国の治安に関連するニュースが入ってきました。北朝鮮の対南工作機関、225局の日本での責任者と見られる、朝鮮大学校元副学部長の朴在勲容疑者が今週火曜日、詐欺の疑いで逮捕されました。この朴容疑者は、韓国の協力者に対し、数百万円の工作資金を与え、特殊な暗号を使ったメールで北朝鮮からの工作指示を支えるなどした他、2008年の大規模デモを水面下で支援。当時の李明博大統領の退陣要求に発展させました。洪さん、まずこの朴容疑者について取材をされていたようですが、この件についてはどのように見ていますか?」
洪氏
「この事件は氷山の一角に過ぎないですね、この問題は。実はこういう例はこの60年近くで膨大なデータがあります。日本当局もほぼ把握していると思うのですが。膨大なデータがあって、今度当局がこれを事件化したのはどういう判断があったのか。ちょっとわからないんですが。まず朝鮮総連というのは、政治工作のための存在です。先ほど、私が北の水爆実験をきっかけに南北が全面心理戦に入った、心理戦の本質は相手の体制を認めないということだったと言ったのですが、実はこれまで、戦後ずっと日本の朝鮮総連がその基地をやっていました。韓国で安全保障の問題に関心を持って研究する人々にとっては、こういうのは常識になっています。皆知っています。膨大なデータがある」

北朝鮮『工作機関』の実態
反町キャスター
「組織図を用意しました。よくわからないです。現在言われたので言うと、朝鮮総連をこういう分け方で僕らは見たことがないので。科協とか、社協とか、医協とか、商工連とか、これはどういうことですか?」
洪氏
「これは、いわゆる朝鮮総連の中にはいろんな傘下団体があるのですが、その中で、いわゆる知識人。エリートを束ねた組織がいくつかあるんです。その中で1番代表的なのが科学技術者と社会科学者の協会なのですが、科協というのはこれも日本の当局はよく知っているのですが、たとえば、北の弾道ミサイル。核ミサイルの開発は、北の、自分の能力ではなく、外からの支援があるんですね。大きく3つあります。旧ソ連、中国、それから、朝鮮総連の科協です。それほどの存在です。それから、社協というのは、現在、主体思想によって韓国を統一するための活動の中核になっています。この朴在勲は東大の先生、教員の当時に、社協の副会長だったのですが、これまで韓国で膨大なデータがあります。報道されたものだけを調べてみても、韓国のスパイ事件の多くが日本で社協の幹部によってリクルートされて、訓練を受けています」
反町キャスター
「洪さん、まず社協の前に科協の話の時、北朝鮮の弾道ミサイルの技術は旧ソ連、中国、科協を通じて日本からと言いましたよね」
洪氏
「そうです。これも、専門家は全部周知の話です」
反町キャスター
「輸出に関しては極めて厳格にと政府は言っているんだけれど、規制というのは全然関係なく、科協を通じて、日本のミサイル技術か、どういう技術かはわかりません。日本の技術が北朝鮮の弾道ミサイルをつくるために向こうに伝わっているのですか?」
洪氏
「それは、専門家は皆、知っています。日本と韓国の関係が割合良い時、実はこういうことを止めるために日本、韓国、アメリカなどが協力をするんですね。協力しました。それで一部はそういう国際的な協力によって止めたし、止める前にも、相当、北に流れてしまったと。技術と物資が、ということ。それは、専門家は皆、知っていることです」
反町キャスター
「社協の話でいうと現在言われた、要するに、社会科学者協会、在日本朝鮮社会科学者協会が、いわば組織とか、資金とかを使って、日本を基地として、韓国に対する政治工作をやったり、スパイを養成したりする、工作員を養成したりするという」
洪氏
「そのためにつくった組織です、社協は。まさにそのためにつくった組織ですから。それから、朝鮮総連というと彼らは民族団体と言っているのですが、それは自分達の本質、朝鮮労働党の暴力革命路線を隠すための措置であって、それに騙された大勢の日本人が、不本意ながら、彼らを支援したということが実態です」
反町キャスター
「いわば日本人も含めて、日本人も社協の人達にリクルートされ、いろんなことをやる人もたくさんいたという意味ですか?」
洪氏
「たとえば、社協の1番の重要な仕事の1つが主体思想という特殊なイデオロギーを伝播することですが、朝鮮総連本部の副議長は朝鮮の中のイデオロギーとして、韓国に亡命した黄長燁さんが、あいつは、結構何かができると言ったことがありますので、我々も非公式の取材でそれを確認したのですが。そういうことを、私はたぶん日本の公安当局も全部知っていると思います。韓国で、日本に対しての不信感の1つはIS(イスラム国)のテロリズムに対しては警戒と言いながら、実際、日本は核ミサイルで狙うような、それに全面協力した、忠誠を誓っている、現在、水爆実験など賛成している、支持しているんです、彼らは。それに対しては、何も措置をとっていない。これが実は韓国側の日本に対しての不信感のもとにもなっています」
小野寺議員
「朝鮮総連という組織。韓国で、国家保安法の中で、これは完全に対象指定団体になっています。指定団体になると、韓国国内ではここのトップの方は、実は最高刑は死刑までありますし、ここに所属をしていることを、あの人が所属しているとわかっていて通報をしなければ、禁固刑まである、通報の義務もあると伺っています。と言うことは、それだけの実は組織だと。これを私達はもっとしっかり認識すべきだと思っていますし、言ってみれば、韓国国内では、これは大変危険な組織だと理解されている朝鮮総連の、たとえば、ビル。あのビルに関しても日本は相当、長銀の問題で貸し込んで、それを逆に言えば、回収しようと思ったら、二転三転して、わからない形にして、またそこに入ってきている。本当にしたたかというか、根が張っているというか。ここをどう対応するかは大変重要だと思っています。おそらく日本の歴代の政治家も、過去には随分、北朝鮮と関係が深いんだということを、むしろ自慢げに言う政党もありましたし、政治家もいましたが、拉致問題発覚以降、日本国民は、朝鮮総連の実態というのがをよくわかりました。私どももできるだけ国内法で、これをしっかり対応したいとは思うのですが、日本国内の法整備の不備というのが実際ありますので、なかなか日本国内法だけで、朝鮮総連を韓国と同じようなレベルで対応するというのは、現在の状況では難しいと思います」

慰安婦問題 韓国の『世論』
松村キャスター
「慰安婦問題について、1か月の日韓の動きをどのように見ていますか?」
李准教授
「これが、成果がなかったとは言いませんが、本当にこれが実行に移って、何らかの慰安婦問題の解決に結びつくには日韓の政治家が慎重に見るべきで、日本側の動きは、韓国社会の気持ちをもっと理解する必要があります。この中身を見る時に韓国社会が何を理解していないのか。真相解明には軍の関与が書かれているのですが、軍が関与したということに対しては政府の責任には触れていないですね。政府は軍が暴走したことに関して管理ができなかったと。また、軍の役割の中でも強制性はなかったと。それに関して、慰安婦当事者の人々は受け入れ難い。補償、賠償に関しても、日本が出したお金に対して、実は当事者としては賠償金というよりは、本日、韓国政府は、慰労金、慰謝料として全額使うと、財団の運営に関しては韓国政府のお金を投入すると」
反町キャスター
「そういう発表があったのですか?」
李准教授
「はい。被害者なのに何で私達のお金を出すのと、当事者は言っていました。対策ということを見ても、たとえば、教科書に記載するとか、今後の対策について触れていないとか、細かく見ると、この合意とは何だったのだろうといこうことについての疑問があると思います」

慰安婦問題『挺対協』の目的
松村キャスター
「挺対協はどのような組織ですか?」
洪氏
「あまり言いたくはないのですが、挺対協は日本から韓国に輸出された問題ですね。挺対協が結成される過程を見ますと。日本が先にこの問題を問題にして、日本に留学に来た先生方からそれが徹底的に共感を得て、その方々が韓国に帰国してつくったのが挺対協です。韓国でそれを言いたくなかったんですね、当事者も。長い間、隠してきたのを、市民団体ということですから、そういうことをやる自由がある社会ではないですか。そういうことがだんだん政治的な絡みで、現在のように発展してきたんです。そのへんのことを言うと、当事者達は特に挺対協はいろいろ反発しますから、敢えて皆言わないです、わかっていても。ある程度の人は全部わかっているんですよ。そういうことを言わないというのが実は背後にあります」
金准教授
「この1か月を見て、非常に残念に思うのは、私は日本政府も、韓国政府も、それぞれの首脳が大きな政治的決断をして合意を結んだと。その理由はいろいろあるけど、大局的に見て、日韓の協力体制を築いていかないといけないと。この地域の平和と安定のために日韓の関係が、ここ数年間ないがしろにされてきたけれども、それではいけないという、お互いの合意があったから、こういった合意が出されたのだと思います。その結果、両国民の心情的な観点とか、あるいは歴史的な分析の結果とか、そういうことまでも全部一致できるかというと、そんなことはない。ただ、この合意によって日韓関係を今後とも発展させていくためのフォローアップをしなければいけないのですが、まったく見失って、日本の政府とは言いませんけれども、政府関係者、自民党、国会議員を含めて、大局的な合意の意味を矮小化するような発言が繰り返される。それに対して韓国の挺対協など市民団体が反発すると。日本の政府と韓国の市民団体が小競り合いをしているみたいになってしまって、韓国政府は板ばさみにあるのではないかと思います」
松村キャスター
「国連女子差別撤廃委員会の政府提出答弁書ですが、『いずれの慰安婦についても軍や官憲によって強制連行された事実は調査を通じて日本政府が確認できた資料のどこにも確認できなかった』とのことです。日本の説明に対して韓国はどのような反応を示すと思いますか?」
洪氏
「韓国では、大人達が、日本の対応がケチくさいと。もう少し、大胆に解決できる説明の方法があるはずだ。何でその問題で1つだけを取り上げて、それにこだわるのか。ちょっとケチくさいというのがある。問題にしたいわけではないですよ、個人的には」
小野寺議員
「今回の女子差別撤廃条約の審査制度ですが、加盟国全部が審査を受けるというのが普通に行われて、だいたい6年に1回ぐらいまわってくるんです。たまたま今回、6年に1回の日本にまわってくる順番で、その中の質問が22、23あるのですが、そのうちの1つとして、今回この問題が入れられたということです。質問してきたのは、実は日本の市民団体等が入れた質問がこの中に入って、それがこう出てきていると。これにどう答えるかということ。日本政府はこれまでと同じ通り、総理はしっかりとした過去の反省についての答弁をされていますし、日韓関係が良くなってきている。そのうえで今回強制性をわざわざ聞いてきた中で、日本政府が従前から答えているように調べてきたけれども、明確な根拠は確認されていないという、そういうことに尽きているものですから、普通のルーティンから今回、答えているということですので、私どもとしては既に日韓で、首脳間で合意していますから、両方の合意のまま続けていくことが必要だと」

慰安婦問題いつ動く?
松村キャスター
「慰安婦問題は膠着状態が続いているのですが、どのタイミングで何かが動くというのはあるのでしょうか?」
李准教授
「合意が国内でどういう形で承認されるか、承認されないかは選挙に表われると思います。野党が3つに分裂して、与党は過半数以上獲得しようとしているんですね。慰安婦問題も選挙の争点になっています。野党の3つは、巨大な与党に対抗するために、今回慰安婦の問題は無効だと、再交渉というような論争にまで達した。与党はそれを説得する立場になっていますので、選挙の結果によると思いますね。選挙でそのまま朴政権の与党が過半数を獲得すると、慰安婦合意も承認されたという動きをつくる可能性もあるかと思います。そうすると、挺対協、市民団体が懸念しているのは、その流れで、強制執行で少女象撤去の動きもあるのではないか。国民の72%以上が少女像撤去反対ということは、その危機感をどこかで感じているからですね。ただ、選挙の結果が野党に有利な方になると、朴槿恵政権としては動きづらくなると。先ほどの国連の話もそうなのですが、小野寺さんのおっしゃるところでは市民団体によってそういう立場に立たされたということですが、公式的に韓国社会ではそういうような動きをとると、最終的な合意に反しているのではないかと。また、日韓の合意は日本政府のそういう根拠を裏づけるよう利用されているのではないかという批判にさらされるわけですね。日本社会も国内でも、国際的にももう一歩進んだ姿勢を見せないとこの合意は何だったのだろう。日本は何を認めたのか、何に合意したのかということですね」
反町キャスター
「4月の韓国総選挙の前に動くのは無理だと?」
李准教授
「無理ですね」

洪熒 統一日報論説主幹の提言:『自由同盟』
洪氏
「日韓の間で解決しなくてはいけない大きなことがあるんですね。たとえば、現在すぐにやらなくてはいけないのは、韓半島でこの25年、30年行われた核のゲームのルールをどう変えるのか。これまで中国と北がルールをやってきたことを、今度は韓国と日本がルールを変えるべきだと思うんです、一緒に。そのための議論がほしいと思います。慰安婦の問題、それよりも。そういうのは我々が管理していけばいいわけですから、そういう側面から見れば、日韓両国は自由を拡散するための自由同盟へと、未来を進めていけたらと、そう言いたいところです」

金慶珠 東海大学准教授の提言:『共有』
金准教授
「この場合は価値観の共有が非常に重要であると。今回の慰安婦の合意というものも大局的な見地から行われたと。いったい何を共有できるのかと言うと、自由、民主主義であり、地域の平和と安定である。そういったところが、小さいところにこだわり過ぎて、先ほど、洪先生がケチくさいとおっしゃったので、それが印象に残っているという話もありましたが、大人ですから、日本は大国ですし、韓国も相当力をつけてきた、民主主義を勝ち取ってきた社会でもあります。こういった価値観を共有する、アジアでは他にないので、共通の価値観を共有していくための努力に(力を)傾けるべきだと思います」

李泳采 恵泉女学園大学准教授の提言:『結者解之(キョルチャヘジ)』
李准教授
「韓国の四字熟語で、紐を結んだ者がそれを解ける、というものです。確かに戦後70年、日韓は同盟でやってきました。1965年、国交正常化以降、当時者達は、この合意の中に慰安婦問題が入ってないまま残してしまいました。結局、それが70年経って、日韓で合意をしたことは大きなことです。これはまだまだもう一歩踏(み込)まないと、という環境にあるわけですね。朴大統領、安倍首相は一歩を踏んだんですよ。ここでもう一歩、踏(み込)んでほしいです。ヴィリー・ブラント、西ドイツの首相は、ポーランドを訪問して、ハンガリーの前で膝を曲げました。それよりも日韓関係は世界でもっと優秀なモデルとして、安倍首相と朴槿恵大統領は手を結んで、慰安婦の当事者の前に行って、お互いに当事者に謝罪をする姿を見せると、世界的に影響すると思います。この問題は必ず一歩進みます。是非2人の指導者にはもう一歩踏(み込)んでほしい。まさに『結者解之』で、2人で解決していただきたいと思います」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言:『未来志向』
小野寺議員
「未来志向の日韓関係、いろいろな課題がありますが、これを乗り越えると、すばらしい、東アジアの大変強い絆の友好国になると思います。安倍総理と朴槿恵大統領の合意を世界中がどう評価したか。世界の国が大変高い評価をしました。実はそれだけ日韓の関係改善には世界が注目して、期待している。是非未来志向で様々な問題を乗り越えていきたいと思います」