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2016年2月4日(木)
北『ミサイル』発射へ 陸海空!元司令官集結

ゲスト

古庄幸一
元海上幕僚長
織田邦男
元空将 元航空支援集団司令官
山下裕貴
元陸将 前中部方面総監

陸・海・空 元司令官に聞く 北朝鮮『弾道ミサイル』対処
秋元キャスター
「北朝鮮の事実上の核弾道ミサイル発射への対応について、まず聞いていきたいと思います。最新情報が公開されていますので、まずはこちらを見てください。こちらは昨日、アメリカの研究機関が公開しました北朝鮮の弾道ミサイルの打ち上げ施設の衛星写真で、2月1日に撮影されたものです。この左側の写真の、この部分がカバーで覆われた発射台ということです。研究機関は施設の車両が増えているとして北朝鮮が発射に向けて準備を始めたと分析をしています。ちょっと小さいのですが、施設内の小さな四角。これが車両ということですけれども、まず北朝鮮が2012年の長距離弾道ミサイルの発射の時と同様、今回も国際社会に衛星の打ち上げと称しているのですが、まず古庄さん。この北朝鮮の主張をどう見ていますか?」
古庄氏
「私は2つあると思うんですけれども、1つは、現在の金第一書記の体制を、国民に示すのが1つあると思うんですね。うまくいっているよというアピールをする。それと同時に、世界に向かってもそれをしていくと。それから、非常に経済的にもいろんな問題を抱えているのを、周辺諸国をはじめとして、世界中にどうアピールをするかという、それが今度の記念日に合わせての、そういう、私は2つの目的だったのではないかなと思っています」
反町キャスター
「織田さん。この写真を見ていかがですか?進捗状況。打ち上げ間近というのは写真の雰囲気から感じられる部分というのはありますか?」
織田氏
「たぶんインテリジェンスの写真はもっと細かくて、それはもっと詳細にわかると思うんですけれども、それを総合したうえで、たぶん打ち上げ間近だろうと。基本的に宇宙の平和利用というのはどの国も権利があるわけですね。しかしながら、過去の経緯はいろいろある。この間、原爆か水爆の実験をやったばかりでしょう。それをもって、要は、技術としては軍事も衛星も一緒ですよ。核武装するということを明言している、トップが。核を持っていてもしょうがない。それはどこかにプロジェクションをしなければいけない。アメリカは敵だと言っていますから、アメリカに届くミサイルをつくらないといけない。そのためにはこれまではミサイルとして、ペイローズ、つまり、搭載能力は低かったわけですよ。どうすればいいかというと、搭載能力を上げて、核弾頭を小型化すればいいわけですよ。だから、それの一環ですよね。小型化するのに、この間、水爆か、原爆かの実験をやったわけでしょう。それに続いてですから、もう明らかに核弾頭ミサイルというふうに見ていいと思いますね」
反町キャスター
「この赤い四角が3つありますけれども、この赤い四角というのが、北朝鮮がIMO、国際海事機関に通告した危険区域、ミサイルが切り離された1段目が、このへんに落ちるであろうと。その切り離されたフェアリングがこのへんに落ちるであろうと。2段目がこのへんに落ちるであろうと、北朝鮮が通告しているんですけれども、これと2012年、前回のミサイル発射時の飛行経路と重ねてみると、ほとんど重なるわけですよ。同じような方向に、同じようなところに部品を落としながら、北朝鮮の言うロケットが飛んでいくのではないかという見立てにはなっているんですけれど、織田さん、この状況を見ると、今回、打ち上げられる予定とされているものも2012年に打ち上げたロケットも、ほぼ似たような性能、同種のものであろうという、こういう想像になりますか?」
織田氏
「2つあると思うんですね。予定された海域が正しいかどうかです。撃ってみたら違うかもしれない。もしその通りに落ちたとしたなら、前回のミサイルは何らかの失敗があったんですよ」
反町キャスター
「成功だったら同じものやる必要ないですよね」
織田氏
「同じものをやる必要がない。だから、それのいわゆる改良。だから、あくまで、ペイロードと核弾頭の小型化ですね。ペイロードを大きくし、核弾頭を小型化するということから見ていけば、それはわかると思いますね」
反町キャスター
「古庄さん、いかがですか?このように比較して見た場合、打ち上げるものは。前回の打ち上げミサイルとの比較。同じようなものだと感じますか?」
古庄氏
「発表だけではなくて、先ほどの発射台の大きさが現在、盛んに流れていますね。これまでのは三十数メートルだったのが、今度50メートル近い、15、16メートル大きくなっている。それは現在、織田さんが言ったように、ペイロードがそれだけ大きくされているのではないのかというのは想像がつくと思いますね」

北朝鮮の脅威に現場は…
反町キャスター
「前回の発射でいうと、打ち上げてから12分後に沖縄を通過しているんです。沖縄周辺を。その意味で言うと、今回、同じようなコースをとろうとすれば、打ち上げたと、アラートが出たあと十何分後には沖縄上空を通過していく可能性があるんですけれども、その10分強。この間、現場、陸海空の3自衛隊。どういう対応ができるのかというのをちょっと聞いていきたいんですけれども、山下さん、陸自は、この10分間にどういう準備とか、対応をされるのですか?」
山下氏
「弾道弾の破壊措置につきましては航空総隊司令官が特務任務部隊指揮官として、直接の対応をとると。陸上隊につきましてはPAC-3の部隊の警護と、それから、破壊した時の破片の飛散によれば、災害派遣活動を行うということですから。現状でも担任部隊については30分、1時間以内に対応できる初動隊部隊が待機していると。それから、現在、海上で輸送していっていますけれども、南西地域に派遣される部隊については、それ相応の対処の、いわゆる警備と、それから、化学関係の部隊もついていっていると。だから、発射されて、たとえば、破壊した時に、その破片が我が国の領土に落ちてくれば、相応の対応ができる準備をしていると。こういうことになります」
反町キャスター
「化学部隊とはどういう意味ですか?」
山下氏
「北朝鮮のミサイルの燃料につきましては有毒な物質が使われているということですので、山中に落ちて、住民がいなければいいですけれども、運が悪く、近くに住民がおられる場合につきましては、それを水で薄め、人に危害が及ばないようにしないといけない。そういう部隊を一緒に同行させ、そういう場合には対応するということになります」
秋元キャスター
「どこに飛んだというのは、どういうふうにわかるのですか?」
山下氏
「航空自衛隊の方で、ここで破壊をしたとなると、どこに落ちてくるかというのが、小さな細かな部品もありますので、それは航空部隊が偵察してみつけると。あるいは地域の住民の人がこのへんに落ちたよと。そういう形になってくるのだろうと思います」
織田氏
「航空自衛隊は、PAC-3の部隊で主に対応していますが、だいたい、まずはその情報をとらないといけないですね。それは赤道直下、赤道の上空3万キロにアメリカのDSPという、いわゆる衛星がずっと探知しているんです。その発射情報がないと、いくら航空自衛隊、FPS-5というガメラと言われるレーダーでも、地球は丸いですから、見られないですね。その始端時間に発射状況を探知して、その状況がアメリカから流れてくる。それを部隊にほとんど同じ時間に流して、そちらの方向を見つけるということですね。そのためにレーダースコープを血眼にして見ているのではないですか」
反町キャスター
「それはアメリカ軍と情報の共有。自分達も見ながら、アメリカ軍からの衛星情報の入ってくるのを待ちながら。PAC-3も空自の担当になるわけですか?」
織田氏
「そうですね」
反町キャスター
「PAC-3で攻撃し、落ちてきそうであれば、撃墜するというところまでが空自の仕事になるわけですね?」
織田氏
「そうです」
反町キャスター
「海自はどういう展開になるのですか?」
古庄氏
「アメリカとの情報を、どういうふうに共有するかというのが、既にできていると思いますけれども、韓国とアメリカの情報共有については、テレビでも盛んに出ているんですよね。こういうふうになっちゃった。日本サイドは国がそれを発表していないだけと思うんですけれど、今度の新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)で、1番大きく、これまでと違うあり方というのは、いかにずっと連続した情報を平素から共有するのかというような内容が入っていますので、以前よりはもっと早く情報交換ができる体制が現在、できていると思うんですね。だから、それに基づいて展開しているイージス艦をどうするかというのは前よりも情報がうまく共有できれば、もっとうまく対応できる。細かなことは現在、防衛省からも発表されていないので、それを今日、ここに出るから、どうなっているのかと聞いてきたんですけれど、万全を尽くしていますと。僕もわからないと言ったんです。だけど、そのための訓練をずっとやっているわけですよね。だから、普通、訓練をやっている通りに、私は待機しているのだろうと思います」
反町キャスター
「現在の話を聞いていると、海上自衛隊は、撃ち上がった、さあ大変だという話ではなくて、それ以前から、ずっと監視体制の中の米軍との連携において、海上なり、その他、諸々のところに監視体制に既に入っているんだよという、そういう理解でよろしいですか?」
古庄氏
「それは、そうですね」

『日本防衛』現場の声
秋元キャスター
「北朝鮮が事実上の弾道ミサイル発射を進めている一方で、中国も尖閣諸島付近の海域に武装した船を初めて派遣し、領海侵犯しただけでなくて、最新鋭の情報収集艦を、房総半島沖などに派遣をしたり、軍用機を初めて日本海に派遣したりするなど、日本への挑発行為を強めています。こちらは航空自衛隊の戦闘機が領空侵犯の恐れがある国籍不明機に対して、緊急発進、つまり、スクランブルをした回数を、対象機の国、地域別にしたものですけれども、織田さん、自身もパイロットとしてスクランブルに対応した経験も持っているということですが、近年、中国のスクランブルの多さをどう見ていますか?」
織田氏
「中国を敵視してもいけないのですが、私は、直視する必要があると思うんです。中国とはどういう国と、こういうことですね。中国というのは、私はアメリカに留学した時、天安門事件で亡命したある准教授にすごくお世話になったんですね。その人は現在、中国に戻って刑務所に入っていますけれどもね。逮捕されてしまって。その人に私は中国とはどういう国だと聞いたことがあるんです。彼が一言言ったのは、2人のカールを愛する国と。カール・フォン・クラウゼヴィッツとカール・マルクス。つまり、力の信奉者ですね。だから、韜光養晦ということを鄧小平が言っていましたね。力がない時は、頭を下に下げて、手もみをしながら外交をしろと。今頃は韜光養晦を卒業して有所作為。出るところに出て獲るべきものは獲れと。つまり、実力が出てきたということですね。そういうのを、しっかり直視したうえで、その数字を見ますと、極めて明らかになりますよね。2008年、何があったか。北京オリンピックがありましたね。リーマンショックからいち早く立ち直ったのが2008年ですね。2010年、GDP(国内総生産)が日本を抜いて2位になりました。その頃、軍備拡張、現在で27年間2ケタの伸びで40倍になっています。GDPも日本の2倍になった。現在2倍になっています。そうすると、先ほどのものの考え方からしますと、力の信奉者ですから、力をプロジェクションしようとしてくるわけですね。そうすると、その過程でだんだん増えてくる。最近は特に傍若無人な異常接近を起こして。それは何かと。私は2013年の9月にオバマ大統領が、もはや世界の警察官ではないと。それが大きいと思うんですよ。その2か月後に防空識別圏(ADIZ)、識別区と言いますけれども、勝手に設定をして、領空のような運用をする。その後、2014年の5月、6月、8月、異常接近。あるいはレーダーの照射とかがありましたね。極めて傍若無人な振る舞いをしていると。それは彼らからしたら、たぶん力をつけてきたのだから、我々の力はこんなものだというのを見せつけようとしているんですね。もう1つ、2014年に尖閣の国有化をやりましたね。それがあると思うんですよ。尖閣については台湾と同様に、核心的利益だと言っているんですね。だから、領有権で、決して、譲ることはないと言っているわけです。しかしながら、彼らが身動きとれないのはアメリカには力で負けるんですよ。だから、アメリカだけとはことを構えたくないと思っているんです。それで、オバマ大統領は2013年。もはや、世界の警察官ではないと言ったけれども、アメリカとはことを構えたくない。そうしたら、オバマ大統領は2014年に尖閣は安保条約5条の対象だと言ったんですね。だから、軍を出せないですよ。しかしながら、できるだけパワーを見せびらかして、尖閣に迫ろうとしている。しかしながら、そこで問題なのは、航空自衛隊が、あれだけ狭い舞台で、出てくる時は必ず尖閣の上空には航空自衛隊がまずいると。そうしますと、戦闘機対戦闘機になると何が起こるかわからない。だから、戦闘機のいるところには近づかないというのが基本的な暗黙のルールとしてあるんですよ。だから、早く行く」
反町キャスター
「それは、日本は必ず戦闘機が行くのですね?」
織田氏
「もちろん」
反町キャスター
「そうすると、中国が戦闘機を出してくることは、まだない?」
織田氏
「いえいえ、中国は戦闘機を出してきているんですよ。だから、これは冷戦とは大きな違いです。私も何百回と上がりました。その時はTu-95であり、Tu-16。爆撃機です。大型機です。輸送機とかね。現在は非常に危ないなと思うのは、戦闘機を出してくると。だから、しかしながら、こちらもミサイルを搭載しています。何があるのかわからない。だから、そこに先に行った方が近づかないというのが暗黙の了解であるんですよ。ルールとしては決まっていませんよ。近づけば、それに対して対領空侵犯行動をとらないといけない。向こうがカウンターしますと、空中戦になっちゃうでしょう」
反町キャスター
「織田さん、そうすると、もし中国の戦闘機が先に尖閣上空に到達したらですよ、仮にそうなったならば、あとから沖縄から飛び立っていくと思うんですけれど、空自のジェット戦闘機が接近をしたら、向こうは迎撃行動をとるのですか?」
織田氏
「それは、だから、実効支配ですよ。だから、実効支配を絶対渡してはいけないですね」

『日本防衛』現場の声を
反町キャスター
「空自、この間、沖縄にも増強されました。現在、空自の沖縄における、隊員の皆さんの緊張感というのはどういうものだと思いますか?」
織田氏
「それは大変ですよ。私も昨年、行きましたけれども、特に民間機が領空を侵犯したことがありましたよね。そのあと、あれはなぜ領空侵犯をされてしまったのかというと、低高度で来ると見えないです、地球は丸いから。だから、必ず飛ぶ可能性のある時は、AWACSとE2Cを混ぜこぜにし、要は、下を見張るようになったんです。これが大変ですけれども、人はあまりいないので、数が。おい、お前、休めるのかと言ったら、にやっと笑って、向こうが来ない時に休みますと。つまり、台風とか、向こうの気象を見ていればわかるでしょう。天気が悪い時とか、それぐらい努力しているんですよ」
反町キャスター
「台風を歓迎するというのは珍しい。要対応している時でも休める?」
秋元キャスター
「沖縄でもそれだけ大変でも、ロシアもありますからね」
織田氏
「ロシアは定期的に、必ず活動していますね。ロシアは冷戦の歴史がありますが、私も何回も上がりましたけど、彼らもルーティンで来ているみたいなところはありましたね。私もミッションコンプリートで帰る時はわざわざパイロットの見えるところに行って敬礼をして、向こうも敬礼をして帰っていきましたよ」
反町キャスター
「緊張感が全然違うんですね」
織田氏
「違いますね」

中国軍事力拡大に自衛隊は…
反町キャスター
「古庄さん、現状において、尖閣の周辺というのは海上保安庁と向こうの海警みたいなものですよね。警察対警察の一応、対立の構図になっているわけではないですか。でも、僕は見たわけでないですが、聞くところだと海保が警戒している、少し離れたところには必ず護衛艦がいて、何かあったらという感じだと噂では聞いているんですけれども」
古庄氏
「それは今回のミサイル対応みたいに大臣のオーダーではなくて、海上自衛隊の指揮官のオーダーで、そこで訓練しているとか、そういう背景になっているんですね。だけど、なぜそうなっているのか言うと、中国も海警をはじめとする公船の外側には海軍の艦艇がいるわけですよ」
反町キャスター
「向こうもいるわけですか?」
古庄氏
「だから、いるわけですよ。これでうちが引いてしまうと、バランスがガラッと崩れてしまう。あそこを国有化したという、3年前ですか。その時から、常時その体制があるというのは、これは海上自衛隊にとってはすごく負担だと思いますよ」
反町キャスター
「常にそこにいなければならないという話になると」
古庄氏
「いなくてはならない。いることがプレゼンスで、何かあったらうちも出ますよと。それから、この間、政府が、私はよく言ったと思うけれども、領海に入ったら、対警行動を発動するぞと言ったわけですよね。これは、抑止力としては大きいと思いますよ」
反町キャスター
「ただ、いるわけではないのだと。使う可能性もあるんだよというふうに言ったということですね?」
古庄氏
「はい」
反町キャスター
「山下さん、陸上自衛隊。中国の覇権的な行動に対してはどういう事態を想定して、どういう構えをとっているのですか?」
山下氏
「最西端の与那国には、この3月に沿岸監視部隊を置くと。それから逐次、現在、調整をしているところですが、宮古島にも警備部隊等を置くと。それから、石垣、奄美、このへんも逐次、置いていくと。それから、いざ、何かあった場合については重戦力ではなくて、機動戦闘車みたいな、機動性の高い…」
反町キャスター
「重戦力はどう書くのですか?」
山下氏
「戦車とか、重たいという重ですね。それは非常に重いので、運んで行く時も、非常に重いですから。当初は固定翼とか、回転翼、ヘリコプターとか、輸送機で運んで行ける部隊を逐次、増援できるような。そういう部隊もつくっていきましょうと。それから、大きな部隊も輸送船で運んでいくと。こういう3段構えで、離島の防衛体制をしっかりと整備していくと。現在、それが準備についたばかりだという考え方であります」

急増する任務…現場の声は?
秋元キャスター
「日本は数のうえでは中国軍に凌駕されていますが、中国軍は質のうえでも近代化が進んでいると、こういう中で日本はどう対応していけばいいのでしょうか?」
山下氏
「中国軍は現在、ご説明があったように非常に強大な兵力、勢力を持っていると。それから、逐次近代化していっていると。日本の陸海空の自衛隊はどうしていくのかというお話だと思うんですけれども、単独、日本だけで中国に備えようというのは非常に無理があると。当然、日米同盟というのがありますが、最近はオーストラリアを入れた日米豪3か国、これで日本の防衛、あるいは同盟国の防衛、中国に対処していこうと。こういう考え方で、進んでいかなければならないと。単独で中国軍と同じように防衛力を維持しようとすれば、すごくお金がかかってしまうと。それは非効率的であると思います」
古庄氏
「現状をどう認識するかということがあると思うんですけれど、今日、市ヶ谷に行って聞いてきたのですが、現在海上自衛隊は国外でたくさん動いているわけですけれど、これはあまり報道もされないし、皆さんご存知ないと思うんですけれど、ずっとソマリア沖の海賊対処をしていますね。ここには現在2隻が出ていますね。そこにP‐3という飛行機も2機、その交代の飛行機が行っているから飛行機は4機です。それから、インドの方に訓練で1隻行っている。それから、潜水艦が1隻、アメリカに訓練で行っていると。それから、南極に行っていますね。それから、明日からは実はまた訓練で東南アジア方面に3隻出るというと、船だけで8隻が国外に出ている。飛行機は現在言った4機ですね。隊員数からいくと約2000人近い隊員が、これがだいたい年間を通じての現状ですね。ミサイルでしょう。それから、尖閣でしょう。通常のこれまで我々が現役でいた頃のように、日本の周辺海域の警戒監視と言ったら5正面やっているわけですよね。この現状をもって中国があれだけ動いているのにどうするんだというのは中国自身も先ほど、織田さんが言った、アメリカとは絶対構えない。では、構えない代わりにどうすると言ったら、サイバーとか、宇宙衛星だとか、電子戦だとか、そういう現在、持っているものとまったく違うところに予算をかけて、何とかしようというのが現在の動きだと私は思います。それは、アメリカはアメリカ1国、中国は中国1国というその1対1ではなくて、だから、我々も価値観の同じ国、アメリカ、オーストラリア、ですね。それから、東南アジアはこの間の、昨年の安保法制が整ったのをすごく歓迎しているわけです。東南アジアほとんどの国が。だから、そういうところといかに手を組んで、それに対抗できる様な体制づくりをするかというのが、私は1番大きな方法だと思います」
織田氏
「台頭する中国にどう対抗するかというのは21世紀の国際社会の課題と言われているんですね。私は、冷戦とも違うし、中国に対して傍若無人に振る舞うのを、戦争するわけにもいかないし、冷戦の時のようには…グローバル経済に依存していますから、冷戦の時のように封じ込めることができないですね。何ができるかと言うと、唯一、懐柔政策しかないんだ、エンゲージメント。どういうことかと言うと、中国に国際法や国際規範を守るように誘導していくと、これしかないと思うんです。戦争しないで、平和を保つには。その条件として2つあるんですね。力の信奉者ですから、力で圧倒されないことですよ。力が圧倒されたら言うことを聞きませんよ。もう1つはヘッジ、つまり、何が起こっても既成事実をつくらせないということ、あるいは紛争を悪化させないということ。だから、力で圧倒されないようにするにはと言ったなら、アメリカを巻き込むしかない。先ほど、古庄先輩が言われたように、価値観を同じくする国、オーストラリアとか、あるいはASEAN(東南アジア諸国連合)諸国がスクラムを組んで、国際法違反をやったらダメだと国際的に非難して囲い込んでいく。これはたぶん20年、30年、もっと50年ぐらいかかるのかもしれん。それしかないですよ。だから、そのためにはどうするかと言った時に日本は日本なりの任務を果たさなければいけない。スクラムを組もうとしているのに、何かあったら、いや、憲法9条あるからできませんではすまないわけですよ。だから、そういう意味では、安保法制というのは一歩前進。だから、長期的スパンで、台頭する中国に対してどうするのかいう議論がまったく安全保障法制でなかったでしょう。日本は奇異な国ですよ」

国産技術と『日本防衛』の未来
反町キャスター
「先進技術実証機、X-2とはどんな能力が期待できるのか、それが日本の防衛にいつ頃、どのような形で活かされていくのか、見通しは?」
織田氏
「誤解されている人がいるんです。これは戦闘機ではないかと。これはあくまでも先進技術を実証する機体ですね。だから、先進技術というのは、基本的には絶対教えてくれない、同盟国アメリカでも。それが商品になってくる時にはブラックボックスです。それは絶対秘中の秘ですから、だから、そういったものについて、独立国としてしっかり持っとかなければいかんよねということで始めたんですね。大きな狙いとしては2つありまして、ステルス…レーダーに映りにくい、それを実証する。あとは飛行機だとエンジン推力、エンジンの方向といったものをインテグレートするというシステム、これをやっている。これは操縦しながら最適の、たとえば、スラストベクター、最適の方向に推力が向けば、飛行機が向きやすいですよね。もちろん、方向舵で舵を切るのですが、その時にスラストベクターがうまくいけばより機動性がある。ステルス機と機動性というのは相反するものですよ。だから、レーダーに映りにくいような形状にしたら機動性が悪くなるんですよ。そこは秘中の秘ですね。その大きく言えば2点について自分で技術を持とうではないかと。それについても国力そのものですね。たとえば、次に開発する時に、バーゲニングパワーになるわけですよ。それは現在のF‐2をつくる時、そうだったです。基本的には、アメリカの圧力で独自開発をやめたんですね。では、F‐16を主に開発しようとなった。決まった途端、フライトのソースコードはリレーしないと言ってきたんですよ。その時に自衛隊は、防衛省はその前にT‐2でもってCCVの飛行機でちゃんと実証していたんです、持っていたんです。いいですよと、では、うちがつくりますと。あっと言う間につくってしまったんです。本当はアメリカの思惑はF‐16をそのまま買わしたかったのでしょうが。国力そのものですよ。コアとなる技術を持ったら、現在戦闘機は3種類ありますね。F‐2は共同開発しました。これはF‐2がなくなる時に、国産で開発するか、共同開発するかというオプション、カードが出てくるわけです」

古庄幸一 元海上幕僚長の提言:『偽装から脱皮』
古庄氏
「先ほどの憲法の話と通ずるところがあると思いますけれども、本質をキチッと国民に示して、いかに偽装国家だったかというのを、解釈論ではないですよ。もっと憲法をさっと読んで、スッとこう高校生が納得いく。学者の解釈論ではダメだ。それが1番の偽装ですけれど。自衛隊そのものに、とっても膨大な偽装がありますから、それを本質論に変えて、脱皮しなければ、私は将来、本当に変わらないだろうなと思っています」

織田邦男 元空将の提言:『当事者意識』
織田氏
「先ほどの北朝鮮の事案でも、あるいは安保法制でも何か人ごとのように、国会議員も含めてですよ、日本人は思っていると。我が国を守る自分が当事者だというところの、当事者意識がない。これは何でと思ってみると、戦後70年あまり、吉田ドクトリンが定着しまして、安全保障はワシントンに任せて金儲けに専念すればいい、それで良かったんですね、冷戦時代は。しかしながら、そうではなくなっていると。現在は9条で戦争を放棄しても、戦争が日本を放棄してくれないです。だから、それはどうしても当事者意識を持って当たらなければいけない、ということで当事者意識を上げました」

山下裕貴 元陸将の提言:『信頼される防衛力』
山下氏
「信頼される防衛力、これは政府にお願いしたいのは、組織をつくって、新たな装備を入れて、法制面の運用のソフト面を入れても、動かすのは陸海空の自衛官であると。その自衛官1人1人に防衛省、自衛隊ではできない、政府一丸となってでないとできないいろんな施策がありますので、たとえば、栄転制度とか、そういうのをしっかりとやっていただきたい。もう1つは、自衛隊自体については国民に信頼される活動をしないといけない。何か1つ事故が起これば、一瞬のうちに信頼がなくなりますから。それから、国民の皆さんにお願いしたいのは、自衛隊というのは国の危機管理の最終機関ですから、信頼していただきたいと。東日本大震災で非常に国民の評価が高かったけれども、引き続き、陸海空の自衛隊は今日の番組の中にありました通り、がんばっていくという姿勢を示していますので、応援してもらいたいと。しっかり信頼してもらいたいと。信頼がない組織は崩壊しますので、お願いしたい」