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2016年1月27日(水)
『駐日イラン大使に聞く 制裁解除と日本の商機』

ゲスト

レザ・ナザルアハリ
駐日イラン大使(前半)
小池百合子
自由民主党衆議院議員(後半)
山内昌之
フジテレビ特任顧問 明治大学特任教授(後半)

駐日イラン大使に聞く 制裁解除と中東情勢
秋元キャスター
「まずは経済制裁を解かれることになったイランの核開発問題について聞いていきたいと思います。まず、こちらは昨年の7月、イランが欧米など6か国と最終合意をした核協議のポイントですけど、イランはウラン濃縮施設の遠心分離機およそ1万9000台から、およそ6100台に削減する。濃縮度3.67%超のウランを少なくとも15 年間製造せず、貯蔵量もおよそ300㎏未満に制限する。実験用重水炉は、兵器級プルトニウムを製造できないよう再設計すると。これらの合意が履行されていることを国際原子力機関IAEAが確認したことを受け、欧米など6か国は今月16日に経済制裁解除を発表しました。まずは大使、この最終合意、それから、制裁解除についてどう受け止めていますか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「今日お招きいただきましてありがとうございます。私達は最初から、このフレームワークに入るためには国際的な合意の中の枠組みに入るべきだということで、PTの一員だったわけです。しかし、私達が平和的ではない目的ということはしないと言ってきました。ですから、この合意ができたあとの、イランが現在置かれている状況というのは、多くの国がイランの市場にやってくるだろうと。制裁が解除されたからと考えています。多くの機会が存在します。諸国にとって、この数年間、この10年間ぐらいというのはイランの市場にアクセスできない状態だったんです。だからこそイランはこの解除ということを受けて、合意を受けて、これは両方ともwin-win、お互いによいという合意であると考えています。私達にとってwin、勝利であるということは、私達が成功したからですね。説得することに成功いたしました。5+1諸国、国連常任理事国と、それから、ドイツに、私達に対して懐疑的な見方をしていたところの説得に成功致しました。最初から、私達は平和的な、正しい方向に核を使いたいと言っていると。それをわかっていただいたと思います。他の諸国にとっても、win、勝利であると思うんです。と言うのは、他の諸国はこういう状況をつくったと。つまり、イランの市場に入ってくることが可能となりました。国際的にイランの能力を使っていくことができるのです。イランは常に重要な、この地域におけるプレーヤーで、また、よきエネルギー供給者で、この地域においてあり続けてきたからです。と言うことで、多くの国にとって大変によい時期に入ったと思います。イランに関与していくよい時期ですね」

核開発の今後と中東情勢
反町キャスター
「今回、核兵器開発を本当にやめたか、やめるのかどうかというところを1点、聞きたいのですが、核兵器の開発能力を完全になくす。廃棄や中止ではなくて、あくまでも遅らせる、ないしはすぐにできないようにするというのが、今回の最終合意のポイントだと我々は見ているんですけれども、一応、2015年と年限が区切ってある中で、イランは核兵器を今後、ずっとつくらないという、こういう約束ですか。それとも当面はつくらないよと思った方がいいのか。そこは正直、我々はどう受け止めたらよろしいですか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「実際のところ、イランは他の反対側から考えてみますと、何らかの懸念があるということがわかっています、イランの計画について。イランは、信じています、平和的な目的に使っているというプログラムということですけれど、しかし、受け入れました。何らかの信頼醸成をしていくということを考えたんですね。ですから、何らかの制約を設けること。このプログラムに対して設けることを受け入れました。特定の機関に対して、ということですが。従いまして、その目的としては相手側が納得をしてくださるということですね。つまり、私達が、イランがやっているプログラムというのは、平和的なものであると受け止めていただけること。そのためには、制約が課されていますけれども、私達はそれを受け入れました。先ほど、ご説明くださったような理由からです。IAEAの監視のもとでとか、一定の制約を課しているということは受け入れました。それは、お互いの信頼醸成措置のためですね。ですが、イランは平和的な目的のために使っていくということをやめたわけではありません。核を使うというのは、それはNPTの非拡散防止条約の中で、イランは常にその一員であったわけですけれども、その中では、権利として、平和目的が許されているわけです。ですから、イランは国際的な規制に則って、行動しています。相手側の諸国で、5+1。常任理事国プラスドイツですけれども、それは非常に厳しい交渉を通じまして、イランは互いに話をして、説得することができたわけです、これは平和目的のためであると。こういった制約を私達は受け入れました。この計画の継続をさせるということですね」

サウジアラビアとの関係
秋元キャスター
「今後の中東情勢について聞いていきたいと思います。まずは今年に入って、中東情勢に大きな不安をもたらしたイランとサウジアラビアの関係について、断交に至った経緯をおさらいしていきたいと思います。今月2日にスンニ派の大国でありますサウジアラビアが、シーア派の有力指導者をはじめとする47人を処刑しました。シーア派の大国イランでは、処刑に抗議するデモに集まった市民が、サウジアラビア大使館を襲撃。これを受けてサウジアラビアが国交の断絶を発表し、一気に緊張が高まりました。その後、イランの最高指導者ハメネイ師が、この大使館襲撃を非難する声明を発表し、24日には、イラン司法府が、サウジアラビ大使館襲撃に関与したとして、およそ100人を拘束したと発表しています。イランも事態の収拾をはかっているようですが、今後、サウジアラビアとの関係、どのようになっていくと考えますか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「イランとサウジアラビアの関係ですが、共に隣国です。この地域に何年も、何十年も、何百年も境を接して付き合ってきた国です。世界においても言えることでしょうけれども、こうした隣国であっても、特定の問題、その地域の問題に関しては見方が違っているかもしれません。ある同じ問題に対して異なったアプローチをとる場合もあるでしょう。異なった解決策を考える場合もあるでしょう。ただ、考え方の違いがこうした世界にあったとしても、あるいはイランとサウジの間にあったとしても、政治家側は、また、政府の高官は自分達の立場で、こうしたお互いの意見の差異を埋めようという努力をしてきているはずです。それが緊張につながらないように。たとえば、外交関係とか、あるいは政治的な手法を使って緊張を緩和し、お互いの友好関係を築き、危機から抜け出そうということをどの国もやっているはず。何らかの理由で、国によっては十分、そういうところに注意を払わずにうまく隣国との関係が築けず、何らかの危機を招いてしまう場合もあるわけです。これまでイランがやってきたことというのは、私どもの決心というものの表れだと思うんです。平行した中東における緊張は、現在、言われた通りですが、こうした緊張関係を、自分達の手で解決をしようとしている。それはイランの核関係の取り組みに関しても言えることです。合意に私どもは踏み切りました。お互いが納得できるような形で、建設的な対話を行うということを、イランは行ってきました。そうすることよって、危機から脱出しようということをしてきた。win-winの道を探って来ました。イランとサウジアラビアにそれができないはずはないと思うんです。私どもは、サウジアラビアの方にもこうした建設的な対話に是非加わってほしいと思っています」

原油増産とその狙い
秋元キャスター
「制裁解除によって、エネルギーにも懸念があるんですけれども、原油埋蔵量世界第4位という資源大国のイランが国際社会に復帰することによって原油の輸出においてもサウジアラビアとのシェア争いを繰り広げることも考えられるのですが、大使、この制裁解除後のイラン、原油を増産して輸出を増やす予定でしょうか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「そうですね。私どもが考えていることというのは、制裁が解除されたのであれば、制裁が私どもにどういう影響を及ぼしてきたのか、そういう悪影響が排除されるべきであると思っていますし、前のノーマルな状況に戻って然るべきだと思うんです。以前はおそらく輸出の容量として200万から日量で250万バレルの輸出ができたはずです。私どもは、OPEC(石油輸出国機構)の加盟国の1国でもありました。常にそうした重要な役割を演じてきた。そういう自負もあります。その組織の中での役割もしっかりと果たしてきました。制裁が課されたことによって、私ども、世界に対して、石油、原油を輸出する機会が失われて、その量も半分以下に減ってしまいました。現在は制裁が解除されているわけですから、イランからの輸出の量は当然増えて然るべきだと思います。イランからの石油を求めている国もあるでしょう。しかしながら、もう既に割り当ての枠というのがあります。ですから、本来のこうした輸出に戻してくれと私どもが要求するのは当然の権利だとは思っています。ただ、私どもは何かやみくもに輸出に走ることによって、世界にこうした石油市場の危機をもたらすようなことはするつもりはありません。イランは他の国の都合もしっかりと考え、また、しっかりと交渉も行ったうえで、マーケットに混乱が起きないような形で、輸出を再開していきたいと思っています。OPECの枠組みにももちろん、従っていきますし、それによってマーケットに輸出国として戻っていきたいと思っています。他の国、サウジアラビアも含めて、危害を加えるような、そうした輸出の仕方をやるつもりはありません」
反町キャスター
「正当な価格というのは、バレル何ドルぐらいを意識されていますか?現在30ドル前後ですよね。何ドルぐらいまでに戻すべきだと考えていますか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「私は石油の専門家では実際にはありませんので、石油の価格がどれぐらいということを自分から言うことはできません。石油の専門家から聞いた話というレベルで言わせていただければ、マーケットの現状として受け入れられるものでなければいけないと思うんです。まずは化石燃料利用可能度というのは、世界で上がっています。いろいろな種類の化石燃料、エネルギーが現在、供給可能になっています。また、全般的なトレンド。これは今後近い将来、目に見えるトレンドで、こうしたエネルギーの種類は増えていくでしょう。ということになると、1バレル当たりで150ドルといったような価格はむろん望めないということはわかっています。しかしながら、それと同時に原油価格というのは、こうした商品を輸出している国から見た場合には、非常に重要な要素でもありますし、イランや、その他の産油国にとっては当然非常に重要なものですね。ですから、少なくとも現状の価格の倍は、それぐらいの価格というのは適正なものではないかと、私どもは考えています」

『イスラム国』への対応
反町キャスター
「過激派組織『イスラム国』の問題について1問聞きたいと思います。サウジアラビアからは、アサド政権と戦っている、対立している過激派組織『イスラム国』への支援が出ていると言われています。一方、イランは革命防衛隊を派遣してアサド政権を支援しているとも言われています。その『イスラム国』の問題。イランはこの問題をどのように解決をしたいと思っているのですか。それとも、『イスラム国』は『イスラム国』で現在のままで、別にイランとしては、それは懸念すべき状況ではないと思っていますか?」
ナザルアハリ駐日イラン大使
「過激派組織『イスラム国』、ISに関してですが、イランは他の国に先がけてISを批判してきました、テロ過激派組織を非難してきました。暴力も批判してきました。2年前ですが、ロウハニ大統領が提案を出しました。これは国連に対して、暴力、過激派に対する戦いをしようという提案をしただけです。国連の総会で、こうした提案を行いました。昨年も同じような提言を行っています。イランは常に、世界各国に対して、そうしたメッセージを発してきました。このような問題に関しては各国が協力して、地域の、そうした困難に直面している全ての国が協力して対応をしなければいけないと思います。特にこうした過激派主義に関しては、ヨーロッパの国も現在苦しんでいるところですよね。私どもがこうした態度をとってきたことには当然理由もあります。この地域において、民主主義への勢いが落ちてしまうと、このようなグループが力を高めかねない。そういう危険性があるということに気がついてきたからです。それに対応するには、いろいろなやり方があるかと思いますが、こうしたグループに対しては、それを、たとえば、時には支持したり、時には戦ったり…という形ではダメだと思うんです。こういうタイプのグループというのは何かの宗教的な、イスラムの教義を説いている集団でもありません。決してそうではない。単なるテロリストのグループに過ぎないわけです。ですから、断固たる態度をとるべきだと思っています。特にこうした過激派組織に関しては、それを殲滅させている地域からは、その存在を消すということが必要でしょう、あるいはそれを無力化する、そうした措置が必要になってきます。そこに住む人々が本来の権利を取り戻せるように、こうした活動の拠点もなくしてしまう。そういう措置が必要だと思っています。このようなタイプのグループというのはイスラム教との価値観と何ら関係も持っていない組織に過ぎないわけですから、それでも非常に危険な集まりです。この地域にとっても、また、世界の各地にとっても、危険な存在でしかないわけですから。全ての国はしっかりとしたガイドラインを打ち出して、ISをどうコントロールしていくのかということの努力をしていかなければいけない。それは世界のテーマとしなければいけないと思います」

レザ・ナザルアハリ駐日イラン大使の提言:『2016 P.M. Abe’s visit to IRAN』
ナザルアハリ駐日イラン大使
「私どもの考えですけれども、安倍総理に是非、イランを訪問していただきたいと思っています。2016年、今年のうちに、実現していただければ、いろいろな意味で、大きな意義を持つのではないかと思います。日本の首相がイラン革命のあとに、初めてイランを訪れてくれるということにもなりますし、それは1つの象徴として、イランとイラクとの友好関係を、これまでの何年もの友好関係を裏打ちしてくれるものになると思います。JCBOA(包括的共同作業計画)の合意へ、実行されて以降、日本とイランの関係も以前の、元通りの関係に問題なく戻るということを確認できるでしょう。イランはこれまで日本の高官の方々に訪問していただくという機会をあまり持てなかったわけですから、是非、安倍総理にはお越しいただきたいと思っています。そうすることによって、イランがもともと日本に持っている好印象をもっと強めることにもなるでしょう。首相に来ていただければ、2つの意味で、それはプラスにつながると思うんです。1960年代、1970年代、1980年代。日本の製品というのはイラン人の間で非常に人気がありました。日本の会社のこともイラン人はよく知っています。質の高い製品をつくる会社ばかりだということもイランの市民は知っています。ただ、そのあと、イランにいろいろな国が関与することによって日本のそうした素晴らしい製品という記憶が失われた時期もありました。『おしん』等のテレビ番組も非常に人気があります。日本の、ある一時期の物語かもしれないのですが、日本というものに対する全般的な印象、日本に対する好感度につながっていることは確かです。イラン人は常に日本の人々、日本の方々は勤勉で、誠実で、信頼に足る人達だと考えてきました。大統領と総理大臣はそうしたところを、きちんとした関係を示してくだされば、中国の国家主席にもお越しいただいていますし、それから、韓国の大統領が来てくだされば、当然、それも韓国や中国に対しての好印象にもつながる。ですから、総理に来ていただくことというのは、それだけ日本の印象を高めることになりますので。私からの提言です」

イラン制裁解除の影響 中東情勢の現状と行方
秋元キャスター
「現在の中東情勢をどう見ていますか?」
小池議員
「新しいチャプター、新しい章に入っているなというのをつくづく感じます。特に私はイランと言うよりはアラブ側の方が近いですけれども、ある意味で。特にサウジアラビアの最近の変化というのは中東屋からするととんでもないというか、考えられないぐらいの大きな変化で、かえってイランの方が現在落ち着いて見えるというのが、新しいチャプターに入った1つの証左なのかなと思います」
山内氏
「今回のサウジアラビアの事態、もともとは1月2日にシーア派のニムル師という指導者を処刑したということです。アヤトラーの商号を持っているシーア派では2番目の階級で、神の印という意味ですが、それはサウジアラビア国籍を持つサウジアラビア人であるというだけではなくて、シーア派世界にとっての恒久宗教者で、指導者であることを意味しますから、同時にテヘランとイランで教育を受けている人ですから、イランにとっても近しい人物だと。何回も助命嘆願だとか、処刑延期を申し述べていたのに、聞かなかったということで結局テヘラン(のサウジアラビア)大使館の焼き討ちに発展したということです。しかし、サウジがそのようなことになったのには2つ、私はあると思っていて、1つは今回のウィーン合意に基づく制裁解除。こうしたことでイランが復帰するということに関して何らかの牽制球を投げたかったと。今月末に予定された、29日と言われていますが、ジュネーブでのシリア問題に関する関係国会議。そこにイランが登場し、この流れの中でいろいろ仕切るということに対して牽制球を投げたかった。こういう2つから、イランに仕かけたのだろうと、基本的に。しかし、イランは何段階の捜査で巧みにこれを交わしてサウジアラビアの挑発には乗らず、現在はむしろ平和的に解決しようと。サウジアラビアについてははっきりと少し興奮しているのではないかと、こういう形である種、高見から見るというような立場で、外向的に、ある意味では国際社会にイランは冷静だと、サウジアラビアはやや血が熱いのではないかと、こういう形が実にイラン外交、イランという国のある種の個性ですね。そこに現在、ある意味で、サウジアラビアほどの大国もトラップに逆にかかってしまったという段階ではないでしょうか」

アメリカの本音と戦略
秋元キャスター
「なぜオバマ大統領は、イランの核開発の可能性を残しながら経済制裁解除に踏み切ったと考えますか?」
山内氏
「2期目のオバマ政権が有終の美を飾ろうと、外交の成果を中東で手に入れたいということですね。オバマ大統領は中東で非常に無能だと信じられていますけど、果たして本当にそうかということですね。まずミャンマーとの関係正常化、それから、キューバとの、ケネディ以来途絶えていた、国交を回復したと。イランとの関係についてもウィーン最終合意という形をとっているけれども、おそらくこれはアメリカとイランの関係正常化に基本的にはつながっていくと思うんです。そうすると、歴代政権が成し遂げなかった、こうした国々との関係正常化を遂げた大統領というのは結局、第2期の最後でこれは記憶に残りますから、そういうことに対する野心というのはあったということ。シェールガス、あるいはメキシコ湾の深海油田等々でアメリカは石油の油井の蓋を取って、自国で賄う。その分だけサウジアラビアへの依存率、湾岸諸国への依存率が減ってくることになります。2030年ぐらいになると思われますけれども、そこで石油の輸入比率、ほとんど中東ですが、これが、中国がアメリカの上に出るとされているんですね」
反町キャスター
「輸入量が?」
山内氏
「輸入量が。そうしますと、バレーンに置かれている第5艦隊司令部、第5艦隊、ペルシャ湾とインド洋アラビア海、このシーレーンや、あるいは航行の安全を保障しているこの第5艦隊は誰の石油を守るのかということなの。現にそうなっているけれども。昔、ホルムズ海峡は日章旗ばかりが通っていたと言われていますけれども、現在は五星紅旗が通っている。その時に海上安全保障におけるアメリカと中国との関係というのは大変微妙なものになってきますね。中国はそういう点でいずれにしても東シナ海、南シナ海に問題を抱えている。そういう国として、まず中央アジアの陸上ルート、それから、海上の保安も自国によって、いわゆるダイヤモンドの首飾りと言われるインド洋において、自らの力で安全保障を確立したいという意欲がある。それが出て、今回エジプト、サウジアラビア、イランへの習近平氏の連続訪問ということにつながっている。非常に大きな戦略を中国が描いてきているということが注目されますよね。基本的には、アメリカの中東における力が落ちてきているということは事実ですが、しかし、まったく落ちたかというと、今回のイランとの関係で歴史にとにかく大統領が名前をとどめると。このことが合衆国大統領にとって大変大事なことですから。それはある程度果たしている。ただ、問題は最大の同盟国であるイスラエルとサウジアラビアとの関係を非常に悪くした。サウジアラビアは自分の力で安全保障や石油市場というものに対してグリップを効かせなければいけませんから、ロシアとの接近だとか、あるいは、これからあり得ることですけれど、多角的な外交展開をしていかざるを得ないふうになっています。そこに中東の複雑さが出てきているということだと思います」

日本の中東外交のあり方
秋元キャスター
「イランと日本はどう付き合っていけばいいのか、という点ですが」
小池議員
「イランの方々も日本が大好きですよね。そういう意味では、経済だけでなく、文化の交流など、複層的にやる対応をしていくのが必要なのではないかと思います。それから、ビジネスについて言うならば、まだいろんなわからない点が多々ありますが、それはそれで昔からの付き合いなどは復活していいのではないかなと。非常に教育(水準)も高いですよ。かつてはアメリカに留学する留学生の最大はイラン人でしたね。とても優秀ですよね」
山内氏
「イランという国は非常に不思議な国ですけれど、世界史に最初に出てくる中東の重要国家ですね。アケメネス朝ペルシアという。これはギリシャのポリスであるアテネ、スパルタと戦うという世界史で古い、つまり、強い歴史観、それから、強い文明的自負心、この2つを柱とした戦略というものが外交や商いでも出てくるんですね。日本は幸いにして、そういう歴史や伝統というものに培われている国ですから、どうしてもキチッとした文化観や知識に対する姿勢を持たないとイラン人とは付き合えません。良く考えてみますと、1979年のイラン・イスラム革命。1980年以降のアメリカ大使館人質事件。それ以来、世界では、ある意味、孤立していて40年間ですよ。40年間も孤立していて、その中で制裁に耐えながら歴史に生きてきたわけです。こういうイラン国民の粘り強さ、それから、孤立を恐れずに国益を守っていくイランのエリート政治指導者達。この国民と、エリートの強い意志力の持続性、これを日本は無視してはいけないということですね」

山内昌之 フジテレビ特任顧問の提言:『商機は勝機なり』
山内氏
「これは中東外交ということとイコールではないのですが、基本的に日本は中東におけるビジネスチャンスというものを掴み、それを勝機につなげる。そうすると、経済的なお互いのwin‐winや、日本の商品、製品の優秀性、確実性が日本の信頼を得る。それは外交基盤になると。この道で官民協力、特に民間の努力が待たれるということです」

小池百合子 自由民主党衆議院議員の提言:『ノルウェーに学べ』
小池議員
「1つ提言はパレスチナ問題でオスロ合意というのは、仲介したのはノルウェーという、ある意味、小さな国です。しかし、ここでオスロ合意も実っていませんけれども、国の大小ではなくて、その真摯な態度であるとか、お互いの人脈を結びつけるとか。これから中国は札束できます。それと日本が戦うことは、私はやめた方がいいと思っている、むしろ。と言うことで、ノルウェーはPKO(世界平和維持活動)もやり、血も流しているというノルウェー。すごいと思います」