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2016年1月21日(木)
『「日米韓」機能するか 中朝「脅威」対応能力』

ゲスト

佐藤正久
参議院外交防衛委員長 自由民主党参議院議員
勝股秀通
日本大学総合科学研究所教授
小原凡司
東京財団研究員・政策プロデューサー

日米韓の安全保障協力 韓国はパートナーになりうるか?
秋元キャスター
「安倍総理、北朝鮮の核実験への対応について、日米韓の協力が重要との主旨の発言をされていましたけれども、まずは現在の日米韓の関係を、確認していきたいと思います。日米、米韓というのは、それぞれ同盟関係にあり、安全保障において密接な協力関係にあるわけですが、日本と韓国との間には安全保障分野の協力関係はなく、あくまでアメリカを介した枠組みに過ぎないわけです。まずは、佐藤さん、現在の朝鮮半島、東アジア情勢の中で、日米韓が連携する必要性について、どのように考えていますか?」
佐藤議員
「最初、我々が理解しなければいけないのは、まだ朝鮮戦争は終わっていないということです。終戦ではなくて休戦です。要は、休戦協定に基づいて、北と南が睨み合っているという状況の中であると。米韓同盟というのは対北朝鮮というものを含めた朝鮮半島有事に備えた同盟ですね。片や日米同盟というのは対中国抑止を含めたアジア太平洋地域の安定化をはかるという側面を持った同盟なので。現在、同盟として、簡単に日本とアメリカ、韓国の三角形を出しましたけれども、同盟の、まず質が違うんです。要は、米韓同盟はあくまでも対北朝鮮という側面が非常に強いと。そういう部分があるので、そういう観点で我々は見ないといけないので、対北という面でいうと、おそらく日本と韓国の協力というのは、非常に進みやすいですけれど、対中国を含めたアジア太平洋という側面の安定をはかるという面になると、日本と韓国で温度差が生じると。特に、対中国配慮というものは相当違うのだろうなと思っています」
秋元キャスター
「それは目的に合わせて別に考えることはできるのですか?切り離せるのですか?」
佐藤議員
「本当はダメですけれども、実際、韓国は中国に対して、できるだけ見ないようにしているような感じがとれます。実際、朝鮮戦争の相手ですよ。休戦協定というは、南は国連軍、朝鮮では国連軍が署名しました。相手側は、北朝鮮の軍と、あと義勇軍と言っていますが、実際は中国の軍隊と署名をしている。だから、本当は、韓国は中国も一応、敵扱いをしないといけないんですけれども、そこは見ないようにするし。日本の方でまた、南シナ海の埋め立て問題について、アメリカと日本が共同歩調をとろうと韓国に言っても、韓国はなかなか、同じ一枚岩で、中国に対して、強い言い方を韓国の大統領は言わない。経済の面もありますけれども、ちょっと対中国というのを入れると。米韓同盟というものの意味づけが違ってきているという部分が、日本と韓国の協力においても、すき間風が吹いてしまうという側面もあります」
勝股教授
「韓国から見た時、日本というものは日米同盟があって、少なくとも在日米軍基地というのは韓国の安全に寄与しているという意識が強かった。従って、日本との関係は、アメリカもそうですけれども、むげにできない。ところが、自らの北朝鮮との戦争というものの蓋然性が低くなったという意識を持っているので、在日米軍を抱えている、また、韓国の安全に支援をしている日本という存在を軽視し始めてきている」

安保協力の意義と効果は
秋元キャスター
「今回の北朝鮮の核実験を受けても、韓国の考えというのは変わらないのですか?」
勝股教授
「これは難しいところですね。少し気づいたところはあると思います。朴槿恵大統領になってから、中国に傾斜していった。逆に言えば、自分達が苦しい時に、中国がどう手を差し伸べてくれるのだろうというのは韓国の国民もそうですし、大統領も思っていると思います。ところが、現在のところの動きを見ていると、どうも曖昧だと。逆に言えば、これまでの中国のやり方から見れば、日米韓で北朝鮮のミサイルだとか、そういうものを抑えるという時の連携を一緒にやるということがほとんど考えられないわけですけれども、でも、この間の軍事パレードにも、皆さん行って、中国との関係を見せているわけですから、そこを出してもらわなければいけないので。このまま出さないで、中国がほとんど何もしないということになると、韓国も頼るべきものはアメリカであり、プラス日本だという意識に帰ってきてくれる可能性もありますけれど、逆に何だかんだと言っても最終的に中国は北朝鮮に対する影響力を少しでも出すようなことになれば、現状のままでいいのかなと思うんですね。これから先の中国の動きを、韓国がどう見るのかというのが大きいのかなという気がしますね」

徹底分析!韓国軍事力 その戦略と矛先は
佐藤議員
「気をつけないといけないのは、北朝鮮軍と韓国軍というのは対照的ではないです。非対称的。北朝鮮というのは通常兵器の近代化をやったらすごくお金がかかりますから3つの分野に特化した。1つは核ミサイル、安上がりですから、通常兵器の近代化よりずっと安上がりですから、あとは長射程のロケットとか、特殊部隊。韓国の弱点というのは(北朝鮮との)境界線からソウルは距離が近い。国境沿いに北朝鮮は多くの戦力を展開していますし、ロケットもありますから、韓国の人口の4分の1くらいがソウルにいますから、極めて気にしている。できれば、北朝鮮を刺激してほしくないという国民が多いのもそこに理由があって、韓国は自分達だけでは北朝鮮に対抗できないというのは、正直に言っているんです。非対称的だから、アメリカ軍と一緒でないと国境にいっぱい展開している北朝鮮から韓国を守ることができないと」
反町キャスター
「半島有事、どういうのを覚悟していたらいいのですか?」
小原氏
「現在は軍事力を動かす前に、サイバー攻撃をかけると思います。最初に壊したいのはインフラですね。特に電気等の設備を攻撃すれば、ソウルの中の信号を麻痺させることが可能である。そうすると、社会の方がまず混乱する。そこに乗じてでないと北朝鮮はまず勝ち目がないと思っていると思いますから。いかに相手を混乱させて、対応を遅くさせるかが問題。反対に韓国からすればいかに早く対応するか。ソウルが38度線に極めて近いですから、侵攻されてしまうと、あっと言う間に来てしまうので、その兆候があれば、すぐに反撃できるということでなければならない。そういう意味では、海兵隊というのは非常に意味が大きい、韓国にとって。パッケージで常に動いていますし、即応能力が最も高い部隊ですから、韓国軍と共に真っ先に北朝鮮の動きを潰しにかかるという意味では、海兵隊がそこにいるということは意味が大きい」
反町キャスター
「韓国にいる海兵隊ですか?沖縄に展開している海兵隊ですか?」
小原氏
「最初は韓国の中から動くわけですけれど、そういうことが起こった場合に直ちに日本に展開している海兵隊…」
佐藤議員
「韓国に米軍の海兵隊はいませんから。韓国の海兵隊はいます」
反町キャスター
「いったん半島有事の際には否応なく、アメリカ、国連軍、日本の中にいる様々な組織が組み込まれていくということは避けられないと見てよろしいですか?」
小原氏
「はい。アメリカは、社会インフラに対する大規模なサイバー攻撃が起こったとすれば、日本に展開している海兵隊、これはARG、Amphibious ready groupというのがあって、これは海兵隊のパッケージで常に待機している。これは何かあったらすぐに出動できる体制にありますから、北朝鮮の動きを少しでも早く止めるということが非常に重要なので、そうした場合には日本の基地はそういったことに使われる」

韓国がにらむ『脅威』とは
反町キャスター
「韓国の国防費の伸びをどのように見ていますか?」
勝股教授
「韓国にとってみると、お金を使うというところは正面である北朝鮮とのことにお金を使うべきだというのが一般的ですよね。ところが、海軍のいろいろなところで、お金の使い道というのはフロントラインではなく、後方であると。たとえば、韓国の南にある、日本だとか、そういうものを考えているとしか思えないような、現在で言うと済州島に大きな海軍基地をつくって、予算が増えてきて、人件費も上がるでしょう。高い装備も、イージス艦とかを持っています。ミサイルも長射程のものを持つようになって、装備の値段も高くなっていることもありますけども、2.6倍になったお金の大半が北朝鮮を念頭にした費用として使われているかというと、決してそうではないのではないというところが憂慮するところだと思いますね」
反町キャスター
「長期的な安全保障、整備計画というのは韓国にあるのですか?」
佐藤議員
「やりたいという計画はありますけれども、なかなかそれは進んでいない部分がある」
小原氏
「韓国海軍が進めているのは対潜能力、北朝鮮の潜水艦のオペレーションに対抗する能力は継続して高めようという努力をしています。潜水艦に対して1番有効なのは、潜水艦です。ですから、韓国はドイツから技術を受けた浮上せずに蓄電できる潜水艦ですけれども、そうした技術を入れて、潜水艦能力を高める。もう1つは、P-3 Cという哨戒機を入れて、対潜能力を高める。そういった努力はずっと続けてきています。北朝鮮のことをまったく忘れるということはない」
勝股教授
「経済が大きくなった。自分達で自動車をたくさんつくるようになった。そういう中で、先進国へ近づけるような、外から見られるような軍事編成をとりたいなという希望の中で、韓国軍は陸上戦力プラス、こういう船をたくさんつくってきたと。そうかと言って、中途半端だと。P-3Cが16機ぐらいあると思いますが、対潜戦で使うアスロックというミサイルを韓国は持っていなかったのではないかなと。持っているのはハープーンという対艦ミサイルとか、イージス艦から撃つような威力のある弾。北朝鮮に沈める目標の船がありますかというとないですよね。そうなると、バランスが悪い…」
佐藤議員
「揚陸艦をつくっても、ヘリ空母みたいなイメージです、載せるヘリコプターがないとか、あと追いです」
勝股教授
「ただ、潜在的にある、気をつけなければいけないのは、仮想敵は海上自衛隊だというようなことを言う人もいる。半分冗談だとしても」
反町キャスター
「半分冗談と言ったら、半分は…」
勝股教授
「象徴的なのが済州島。佐世保から200kmしかない。そこに韓国は海軍基地をつくっていると。そこにはイージス艦とか、強襲揚陸艦の提携港にする。P-3Cの滑走路をつくっています。1番怖いのは韓国と中国との関係がいいので、海軍基地が済州島にできた時に中国がそこに寄港したいと。釜山とか、韓国の港に寄港したいという意向を相当強く現在の政権に要請している。済州島は戦略の要衝です。ここに自由に中国海軍が入って、中韓で海軍の演習をやるとか。日本を想定したような演習というものが日本の近海でどんどん行われると…。中国資本が済州島を買い占めていっても文句が言えない。そういう中で、だんだんと中国の影響力も韓半島に伸びてきているというのが現状です」

日韓安保協力 その障壁と解決策
反町キャスター
「GSOMIA(軍事情報包括保護協定)について」
佐藤議員
「2012年の6月に結びましょうということで署名の直前までいったんですね。日本政府は閣議決定までやっていったんです。署名の40分前にドタキャン。韓国側の方で聞くところによると、国会議員への説明の中で、反発をくらって、ちょっと待ってくれと。まさにその2か月後に李明博大統領が竹島に上陸した。あの時でしたから。非常にあの頃から国会議員の中とか、国民の中、マスコミ含めて韓国の中で日本に対する反感が非常に盛り上がった時期」
反町キャスター
「李明博大統領、野田首相の時ですか?」
佐藤議員
「そうです」
反町キャスター
「40分前って、異常ですよね?」
佐藤議員
「相当我々は怒りましたね。そんなのあり得ないではないですか。政府同士で防衛省も外務省もずっと積み上げてきて、シャンシャンでいくのが普通ですよ。閣議決定までですよ。署名の40分前にドタキャンというのは聞いたこともないです」
反町キャスター
「そういう姿勢をとった国と未だに日本政府はGSOMIAが大切だから、交換協定やろうよねという…」
佐藤議員
「たとえば、イージス艦の話が現在出ましたよね。北朝鮮のミサイル警戒で、アメリカのイージス艦も、韓国のイージス艦も、日本のイージス艦も展開したとしますよね。情報はGSOMIAがあれば、3つのイージス艦の情報がピューッとつながっちゃうわけです。ところが、それがないので、アメリカのところでたぶん遮断されているはずです。本当は皆、同じ画面を見て、韓国のイージス艦も、アメリカのイージス艦も、日本のイージス艦も、全部それで見られればいいのでしょうけれど。見られるんです、技術的には。でも、それは秘密の情報だと、それがリンクできないです」
反町キャスター
「日本も韓国も損ですよね?そうではないと思っている?」
佐藤議員
「そこはアメリカさえいればいいと思っているのか知りません。わかりません。軍事レベルとしては本当にあり得ないです。だけど、そこはいろいろ国内的な世論というものをすごく気にしているんです。だから、そこで結局それができない。担当者が日米韓の局長レベルが話すことが、日韓の防衛相で話せないのは変でしょう。アメリカが入れば話せる。アメリカが入らなければ話せないと。これまた変な話です、極めて。我々も、北朝鮮を考えた場合、韓国が持っているヒューミント情報。韓国はすごく北朝鮮の将軍様の、いろんな将軍様いますよ、いっぱい。いろんな細かい動向まで全部把握していますから。ヒューミント情報というものを我々もあればほしい。日本は日本で日本列島長いでしょう。うちもそういういろんな電波電子情報持っていますよ。そういうのを韓国はほしい部分があるんです。お互いに北朝鮮対応1つとっても連携をしないといけないところがいっぱいあるはずです」
反町キャスター
「歴史問題など、日本に対する反感がまだある?」
佐藤議員
「今回、慰安婦の合意がありましたね。あのあと韓国国内でどういう層が反対をしているか。若者です。年配の方は今回の合意を受けて前に進めようという人が多い。若者はすごく反対している」
反町キャスター
「それは反日教育?」
佐藤議員
「そうです。北朝鮮に対して融和政策をとった政権からかなり反日教育を強くやりましたから、その世代がガッと」
勝股教授
「今回の現在の状況もそうですし、1時間前、40分前にドタキャンしたというのもそうですけれど、それは韓国の世論がまず大きいですね。日本とそこまで仲良くする必用があるのかという部分、それと対中配慮というのが、この2つがドタキャンをした大きな理由だと思います。その間に、それからもう3年以上経っているわけですけれども、この間、どういう状況だったかというと、中国と韓国が非常に密接になってきている。現在、日韓で防衛協力というのはやっていかなくてはいけない部分があるのですけが、では、積み残してあったGSOMIAという情報の部分をすぐにやりますかというのは、正直言うと私はそんなに急ぐ必要はないと思っています。中国から見れば、アメリカの情報、日本の情報というのは喉から手が出るほどほしい情報ですから、そういうものが韓国から流れるということも考えられる」
反町キャスター
「日本の情報が中国に漏れるリスクがある?」
勝股教授
「可能性はありますよね」
反町キャスター
「韓国がどっちを向いているのかわからない中で、つきあっていかなくてはいけない?」
勝股教授
「防衛交流をいろいろなレベルで積み重ねていく中で、たとえば、日本はいろいろんなところと物品役務相互提供協定(ACSA)があるのですが、そういうものを韓国と結んでおけば、いざという時に使える。たとえば、訓練のためのACSAとか、PKOのためのACSAとか、そういうレベルで結んでおく。あとは頻繁に防衛交流をする。そういう中で韓国もわかってくれて、かつてのような日韓関係、米韓、日米の中で、防衛交流なり、防衛装備の情報を守れるねと確証を得るなりのものがなければ、シンボリックにいきなりGSOMIA結びましょうというのは、私は時期尚早で、そんなに焦る必要はないし、日米間だってGSOMIAができたのはつい最近です。日本の方から(韓国に)結びましょうということで、すぐに話を進める必要は個人的にはないと思います」
秋元キャスター
「韓国は中国を切ることはないですよね?両方とうまくやっていこうということになるわけですよね?」
小原氏
「ただ、韓国軍が中国に情報を流すというのはあまりにも韓国軍に失礼、そんなことあり得ないです」
反町キャスター
「ないですか?」
小原氏
「それはないです」
反町キャスター
「大統領の権限が強く全ての情報が青瓦台に集まる中で、軍が流さなくても、上がったところが流すのではないかと心配してしまいますよ」
小原氏
「軍から上に上がる情報というのは生の情報ではないですね」
秋元キャスター
「THAAD(弾迎弾迎撃)ミサイルの韓国国内の配備、日本や韓国の防衛にとってはどういう意味があるのですか?」
小原氏
「THAADミサイルはもちろん、迎撃能力も高いんですけれど、その基礎になるのは目標の探知能力です。これは極めて広い範囲が見られます。と言うことは、北朝鮮だけではなくて、中国の中も見られるだろうということですね。もちろん、北朝鮮のミサイルに対してということですけれども、韓国は北朝鮮がミサイルで韓国を攻撃するということに対する危機感というのが日本ほど高くないのではないかと思うんですね」
反町キャスター
「どうしてですか?」
小原氏
「北朝鮮が備えている弾道ミサイル。実際は角度さえ変えれば韓国に撃てるわけですけれど、燃料が搭載されていて、ある程度どこを狙うかがわかっているわけですよね。韓国は(北朝鮮が)現在持っているミサイルが直接韓国を狙うものではないのではないかと。そうしたら韓国の中にTHAADというのを置く必要について議論がある。もちろん、皆が要らないと言っているわけではなくて、要るという人はいるんですけれど、要るという意見と要らないという意見がある。要らないと言う人達はもちろん、中国に対する配慮もあるということですね」
佐藤議員
「韓国がTHAADミサイルに躊躇している理由として、対中配慮と、もう1つは韓国のミサイル防衛システムがアメリカに組み込まれるのが嫌だというグループもいるらしいですよ」

日韓安保協力の今後 前進のカギと日本の姿勢
秋元キャスター
「日韓の安保協力を進めるにあたって、触媒となるような国はあるのかが気になるのですが」
勝股教授
「日本にとって現在、北朝鮮というのは大きな脅威です。もう1つは、中国の攻撃的な海洋進出というのが、この2つの障害を日本は抱えているわけですけれど、触媒になる国ということを考えた時には、そこには、たとえば、北朝鮮の問題を考えた時にも日韓のバイの関係で邦人輸送、邦人救出みたいなことを言うと、すぐに韓国は自衛隊機が入ってくる、どうのこうのと文句を言う。だけれども、朝鮮半島有事の時にソウルにいる人達というのは日本の人達だけではなく、オーストラリアもいますよね、シンガポールもいますよね、東南アジアもいますよねと。では、そういうエマージェンシーの時、緊急事態の時に、いろんな国の人達も日本を中継して本国に帰りたいという人達もいる。そういうのも含めて、大きな広い視点で、邦人輸送というものを考えたらどうだというようなことを持ちかけるということは1つのやり方だと思います。その時はそういう韓国に滞在している人が多い国だとか、あとは南シナ海を考えた時には当然、日本にとって重要なのはシーレーンの安定ですから。シーレーンの安定というのは海洋国家、もしくは海洋国家ではなくても島国。たとえば、フィリピンとか、インドネシアとか、シンガポール、貿易立国ですけれど、それにオーストラリア、ニュージーランド、そういう少なくとも環太平洋のアメリカを含めたそういうシーレーンが絶対大切だというような国々ともっともっと連携をつくり深める。その中に韓国も最終的に引き込んでいく。当然、中国も引き込むという形になりますけれど、そういうような形でやっていく。または朝鮮半島有事を考えた時には先ほど言ったように、邦人輸送、邦人救出というところの共通項で意見をまとめることのできるような国々。決して日韓でやったらまとまらない話が、そういう国が入ることでまとまる可能性も出てくるという道筋というのは考える必要があるのかなと思います」

佐藤正久 参議院外交防衛委員長の提言:『対北→アジア・太平洋』
佐藤議員
「理想論と言われるかもしれませんけれども、日韓協力は対北というだけではなく、中国に対する抑止を含めたアジア太平洋全体で安定をはかるという戦略同盟的な形の方に持っていく。戦略協力という形に発展させるのが大事だと。理想論かもしれませんけれども、ここを我々が追求していく。日米韓で同じ方向を向くというのが私は大事だし、そういうふうに努力していくべきだと思っています」

勝股秀通 日本大学総合科学研究所教授の提言:『北と中国の脅威を前に日本に敵を作る余裕はない』
勝股教授
「いろいろ現在の韓国との関係は難しいという部分はお話をしてきましたけど、そうは言っても日本の隣国というのは、ロシア、北朝鮮、韓国、中国。ロシアとの関係は現在、安倍さんの外交の成果で、比較的穏やかかもしれません。でも、これが長く続くのかどうかというのは非常に不透明なところがあると。北朝鮮、中国とは領有権の問題、まだ軍事的なことで、経済的な結びつきとは別にして、日本は向き合わなくてはいけない。その時に韓国という国を敵にした時には、日本は四面楚歌に置かれる可能性がある。それだけは絶対避けなければいけない。難しい相手で、個人的に、いろんな意味で好き嫌いというのはたくさんありますけれど、いろんな形をとりながらも韓国とはうまい形で自分達の方、またアメリカという蝶番を使ってでも、自分達の方に引き入れるという努力を一歩一歩やっていく必要があるのかなと思います」

小原凡司 東京財団研究員・政策プロデューサーの提言:『日韓関係は国際情勢の一部分』
小原氏
「感情的な問題と現実的な問題はしっかり分けて、日本にとっての国益は何か。しかも、日韓関係は国際情勢の一部として捉えなければならないだろうと思います」