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2016年1月15日(金)
台湾総統選と中国の腹 論戦!金美齢×朱建栄

ゲスト

古屋圭司
元国家公安委員長 自由民主党衆議院議員
金美齢
評論家
朱建栄
東洋学園大学教授

あす台湾総統選…政権交代へ 各候補者の表情は
松村キャスター
「それでは候補者の顔ぶれを見ていきます。まず初の女性総統を目指す最大野党民進党の蔡英文主席。現職、馬英九氏が所属する国民党の朱立倫主席。第3極、親民党の宋楚瑜主席の3人が出馬しています。最新の世論調査では、蔡氏の支持率が43%。朱氏が25%。宋氏が15%となっていまして、蔡氏による政権交代が確実とみられています。金さんは年末年始、台湾で過ごされたそうなのですが?」
金氏
「3週間」
松村キャスター
「3週間、総統選挙をどのように見ていますか?」
金氏
「総統は勝ったということですから、これまでの総統選とは違って、もうちょっと静かですよ。五分五分だととっても大きなお祭り騒ぎになるんですけれども。今回はもう勝ちは決まっているので、それで比較的静かと言えば、静かだけれど、ただ、あとは国会にあたる立法院。これが過半数を獲るということが至上命令なので。それを1席でも多くという、そこが関心のもとです」
反町キャスター
「一般の台湾人の関心というのは、誰が総統になるのかというよりも、それと同時に行われる議会選挙、その結果の方に話が移っているという感じですか?」
金氏
「誰がというよりも蔡英文氏が総統になることを望んでいるし、でも、これはほとんど決まりだと。そうなると、あとは国会で過半数を獲らないと政治はうまくいかない。陳水扁政権の時に、総統は民進党だったんだけれども、国会が少数派だったんですよ。何ごともうまくいかなかった。それが本当に身に染みて皆わかっていますから、今回は国会に当たる立法院。これも過半数というのを最大目標としていますね」
反町キャスター
「蔡英文という人、たとえば、政治的な面、ないしは経済的な政策は、どういうところが売り物というか、目玉、特色だと僕ら考えたらいいのですか?」
金氏
「私が、蔡英文さんを最初に、もし言うとしたら、新しいタイプの政治家。つまり、これまでの政治家のイメージとまったく違った政治家。とても理知的、冷静で、学者出身で、それでありながら内に秘めた熱情みたいなものがどんどん。最初、学者だったんですけれども、でも、政治家としてどんどん成長をしていったという。そういうふうに、私は、彼女を見ていて、女性初ですけれども、素晴らしい総統になると思っています」
反町キャスター
「対日政策は変わるのですか?馬英九政権から蔡さんに変わって」
金氏
「良くなります。断言します」
反町キャスター
「経済的な話なのか。たとえば、尖閣の話なのか。具体的な話は、また、あとで聞きますけれども、では、対日政策は良くなる?」
金氏
「良くなります。断言します」

蔡英文候補の政策とは
松村キャスター
「現在、金さんからは、蔡英文氏は新しいタイプの政治家だという話がありましたが、古屋さんは昨年10月に、蔡英文さんに会ったそうですが、印象はいかがでしたか?」
古屋議員
「第1印象は1時間ほど会談をしたのですが、良識人です。それから、インターナショナルだし、経歴が物語っている、そういう方ですね。まず開口一番に言われたのは、私は現在、羽田に着いたところですと。イの一番で、日華議員懇談会の幹部に会いに来ましたと。ご承知のように台湾と日本は正式な国交はありません。ですから、議員懇談会というのが重要なパイプを果たしているのですが、私も幹事長を務めているのですが、300人ぐらいメンバーがいて。まずそれを言ったということと、それから、台湾国民と民進党は日本との関係を極めて重視していますということを、その次に言われましたね」
松村キャスター
「朱さん、中国は今回の台湾の総統選をどのように見ているのでしょうか?」
朱教授
「当然、中国政府と、当局と、また、民衆でそれぞれ違うと思うんですけれども、政府は当然、これからの両岸関係が、両方どうなるかというところを見ていると思うんですけれど、2000年の時に陳水扁さんが総統に当選したんですね。その時の危機感に比べれば、現在すぐ台湾と大陸との関係に大きな変化はないというのが一般的な見方。割に、冷静に今回の選挙の結果というより、これから4年、8年、どうなるかというところを見越して、対応しようとしていると思うんですね。一方、民衆ははっきり言って、中国、大陸でも、中間層の拡大で権利意識も出てきて、台湾で行われている選挙そのものに関心、興味が出ているんですね」
反町キャスター
「中国の、いわゆる中華人民共和国の人達が台湾の総統選。そういう国のリーダーを直接、投票することに対して興味を持つのですか?」
朱教授
「現在、中国も日本のLINEに似たような『微信(WeChat)』とか、そういうようなところで、いろんな、そういう話もありますので。15年、16年前は、言ってみれば、民進党が当選をしたら戦争になるかと。そこのところで皆、むしろ関心、心配があったんですけれど、現在は、それはないということで。それで中国自身もいろいろ変わってきているので、民衆の間でこの権利が、台湾の民衆がそういう権利を行使しているというようなところについては皆、少なくともある程度、好感を持って見ているということは言えると思います」
反町キャスター
「好感を持って、直接、国のリーダーを決める選挙を見ているとすれば、その結果が今度、共産党政権の統治にどういう影響をもたらすのですか?」
朱教授
「すぐはないと思うんですけれども、ただ、台湾の中国人ができるなら、大陸の中国人もいつかはできると。そのような期待を持つ人は結構いると思いますよ」

立法院選挙の行方
松村キャスター
「さて、台湾では明日、総統選と同時に、日本の議会に当たる立法院の立法院選挙も行われます。現在は全112議席。そのうちの与党、国民党が過半数の64議席。過半数57議席を超える64議席を占めています。しかし、最新の世論調査では最大野党の民進党が32.4%。国民党は20.1%となっていまして、こちらも民進党が過半数をうかがう情勢となっています。そうなりますと、金さん、初めて民進党が、総統と議会の両方を押さえることになるのですが、これはどんな意味を?」
金氏
「面白いのは、実は現在、言われているのはちょうど逆転するんです。民進党が60議席になって、国民党が40議席になって、あと細かい党が、ちょっと新しく出てきた若い人達がつくっている時代力量という党にいくとか、そういうふうに、ちょうど入れ替わるから面白いの」
反町キャスター
「その場合、前回の、陳水扁さんの時と比べて、議会も総統府も持っているということにおいて、今度の政権は、前回の民進党政権とは違ったものになるだろうという期待感。ここはどういうものがありますか?」
金氏
「ありますよね。つまり、2000年のあの選挙の時というのは、実は、陳水扁というのは漁夫の利を得たんですよ。つまり、相手が割れたの。相手が、要するに、親民党の宋楚瑜というのが出てきたんですよ。その人も実は、もともと国民党の人だったの。それが出てきて割れたんです、国民党が。それで、陳水扁氏」
朱教授
「今回も同じですね。両者足すと」
金氏
「割れたというのはもともと宋楚瑜というのは出て行ったというか、追い出されてしまいましたから。勝つんだけれども。だって、今回はこちらを足したって、両方足したって40(議席)でしょう。勝つんですよ。でも、2000年の時というのは、危うい勝ちです。その条件がまったく違う。しかも、国会も少数だったし、ということで、とても安定した政権を維持できなかった」
反町キャスター
「4年、4年の、8年という見方で、皆さん、いるわけですか。この安定した政権が8年続くだろうという、そういう見方ですか?」
金氏
「それは間違っていないと思いますよ。そうすると、4年、4年で、8年でしょう。そうすると、もう完全に中国とは違った、完全にもう中国は手出しができないような台湾になると」

『空白の4か月』に何が?
松村キャスター
「台湾総統選挙後の動きですけれども、2月1日に新しいメンバーで立法院が開幕します。新総統の就任は選挙から4か月後の5月20日なので、明日の選挙戦後、就任までには空白の4か月があるということです。これに関して元総統の李登輝氏は総統選から就任までの4か月間に、馬英九総統が国家の利益を損なうような行動に出かねないと発言をしています。金さんは、この李登輝氏の発言をどのように受け止めますか?」
金氏
「それは、そういう危機感というものは確かにありますし、それは常に、危機管理というものを現在から考えておかなくてはいけないですけれども、ただ、幸いに、台湾、現在、本当に民主主義が行き渡っているんです。だから、馬英九氏が上からの命令で、何かしようと思っても、中国とは違いますから、一国独裁とは違いますね。一党独裁とは、まったく違いますので、そうは簡単に馬英九氏が何かしようと思っても、しかも、馬英九氏はもうレームダックもレームダックの、誰が何を言っても聞かないという状態にある。現在、総統とは名ばかりですので。もちろん、危機意識は持たなければいけないし、何かが起こり得るというのを考えておく必要がありますけれども、幸いに現在、台湾は、本当に民主主義社会ですよ」
反町キャスター
「李登輝さんが心配している4か月間の間。中国にしてみたらせっかく、名前なしですけれども、さんづけで呼び合った不思議なシンガポールにおける首脳会談ではあったんだけれども、会って、それなりのパイプ、歴史的なイベントもつくり、経済的な結びつきはこれ以上ないところまで深まった。でも、この時に、中国に対して距離を置こうとしている新総統ができる前の4か月間。現在だったら、話せる総統がいる時に、僕が中国だったら何かやろうかなと思いますよ。やらない方がいいのですか。どう思いますか?」
朱教授
「11月に、馬英九さんと習近平さんが、互いにさんづけで呼んだという、これで会ったというのは、まさに中華民族の知恵ですよ。それが現在、国際法的にどうのこうのというので、会えないわけですから。そういうところを乗り越えて、それができたということと、この8年間、あるいはもっと長く十数年の間でも、両岸関係というのは、どうのこうのと主張しながらも、かつて絶対ダメだといっていた三通、いわゆる通信とか、通行とか、当たり前のように、中国大陸内部のつき合いと同じぐらいに、簡単に飛び交うことができるようになったわけです。私はたぶん、もう1回会談があると。11月の会談の時に、双方の合意の1つがこれからしょっちゅう会おうというようなことで、もう1回やるということで、私は第一に、それは両方の、特に台湾の当局の指導者として、総統として会ったということが、政権として、1つの枠組みができる。先ほどの話、金さんは、いや、それはもう何も関係ないと。これこそが法律ということを全部無視した話ではないですか。総統であるという地位は変わっていませんから。そういう意味で、会談がさらにあると。私は間違いなく次の蔡文英政権の、1つの牽制があること。もう1点だけ言いますと、おそらく非常に微妙なことですけれども、民進党が現在、党の綱領に独立とあると。北京は、この綱領を持っている限りは民進党のトップとは会えないと言っていたわけですね。でも、事実上、現在、民進党の政権は明日できる可能性があるわけです。そうすると、それを党同士ではできないとしても、それは蔡英文さんが、これから総統になれば、言ってみれば、馬英九さんがやったような行政の形で北京と会うということができるわけですね。言ってみれば、これからの数か月、1か月、1年をかけて、蔡英文さんにも時間を与えて、双方がこれから両方が絶対会わない。対立ということだけでいいのかと。双方とももうちょっと歩み寄るというところを探そうとしているわけですね。これから4か月間は、今後のこれからの両岸関係に、蔡英文さんの影響を含めて、私はかなり大きいと」

歴史に見る中台関係
松村キャスター
「これまで台湾は総統が変わる度に中国への態度を変化させてきました。まず初代総統の蒋介石氏は、中国を代表するのは中華民国であると、中国共産党と対立をしました。李登輝氏ですが当初、台湾は中国と不可分の領土であることを示す1つの中国の原則、いわゆる92年コンセンサスの合意があったとされています。しかし、政権末期には、李総統が、中国と台湾は特殊な国と国との関係と発言しました。次に民進党の陳水扁氏。この総統の時は引き続き中国と台湾は別の国であるという一辺一国論を提起しました。そして、現職の馬英九総統ですが、中国との融和政策を進めて、昨年11月、中台首脳会談では、92年コンセンサス。すなわち1つの中国の原則を確認しました。金さん、台湾は、政権が変わる度に、中国に対する態度をこのように変化をさせてきましたが、台湾はこのことをどのように思っているのでしょうか?」
金氏
「蒋介石はもともと中国から逃げてきた政権ですから。要するに、共産党に負けて、逃げて、台湾に来て、台湾という小さな島に中華民国という国をおっ被せて、要するに、虚構ですよね。それを持ち込んだのは蒋介石ですから。それから、蒋介石はずっと生きている間、大陸に攻め込むことを考えていたわけ。反抗大陸と言って。ですから、まったくそれは基本的姿勢が違うわけです。息子の蒋経国はつなぎみたいなのをやって亡くなった時に、李登輝氏が総統になるわけですけれど。李登輝さんの、この92年のコンセンサスということは話題になっていますけれどもね、これは92年にそういう話し合いはあったけど、一致はしなかったのだと。それぞれの、要するに、主張があったということだけで、会談はあったけれども、このコンセンサスというのはなかったのだというのが、出席した人の話。リチャード・クーさんがいますでしょ。リチャード・クーさんの大叔父さん。この人が、あの場にいたんですよ。それできちんと言ったのが、92年に、確かに会談はしたけれども、お互いに中国は1つであるけれども、それぞれは自分達が中国を代表するんだということであって、別にコンセンサスに固着はしていないですよ。それを、要するに、中国と一緒になりたい人が92年のコンセンサス、コンセンサスと言うし、中国もそう言っているけども、それは実は非常にその当時、会談はあったけれど、実は、意見はまったく違ったものであったと」
古屋議員
「私らも同じ認識ですよ。コンセンサスというのは、その意見の一致を見て、中身が一緒かというと違うんです。中国は1つの中国。台湾の方は1つの中国という原則は了解しない。しかし、お互いに両方の関係者、両国の意見が異なっているというところを認識したというような、そういう中身ですよ」
反町キャスター
「1つの中国、ONE CHIAというのは、台湾もONE CHINAだし、1つの中国と現在も言っているんですよね」
金氏
「かつてはね。要するに、中国は1つだというようなことは、蒋介石の時代から言っているわけ」
反町キャスター
「その蒋介石時代というのは、つまり、大陸にもう1回逆上陸し、全部、自分のモノにするぞと。そのONE CHINA。現在の台湾は1つの中国と言っているのですか?」
金氏
「いや、だから、李登輝さんが言っているのは」
反町キャスター
「李登輝さんではなくて、現在…」
金氏
「現在は確固とした、要するに、中国と台湾の関係がどういうことであるかということの確固とした、要するに、明文化みたいなものはないですよ。ただ、ずっと言われているのは、それぞれが国であるという言い方をしているわけ」
反町キャスター
「国民党政権も馬英九さんも、1つの中国を目指していると言っていないのですか?」
金氏
「言っていない」
反町キャスター
「でも、これは、僕らがこの資料、自分達でつくったので何ですけれど、中台首脳会談で1つの中国の原則を確認というのは、これは違う?」
金氏
「だから、トップ同士の勝手な、要するに、会談であるわけでしょう。だけども、台湾では、現在では、トップが何を決めても、要するに、議会を通じて同意を得ないことには全てが実現できないわけです」
反町キャスター
「朱さん、現在の話を聞いていると、台湾の方から、1つの中国という、台湾全体の、馬英九総統が言ったのだったら、それまでだけれども、台湾全体がONE VOICEとして我々はONE CHINAだよと言っている印象はあまりないですよね。その意味で言うと、中国にしたら、首脳同士が会って、こういう形で、中台首脳会談。1つの中国の原則を確認したと首脳同士、馬さんと習さんはそういうふうに思ったと言っても、これは中国にとって、何かメリットがあったのですか?かえって台湾のこれからの政権、ないしは民進党を勝たせるであろう台湾の国民から、北京の共産党に対して、無理やり言わされたのではないかという不信感をもたらすような、そんな印象、マイナスだったのではないか。そんな印象はありませんか?」
朱教授
「現在、北京も当然すぐ台湾と統一できるかと…。台湾の民意は、半数は統一に賛成していないということですね。そうかと言って、独立できるか。これも大半の人は選んでいない。というような状況の中で、北京にとっては1つの中国、2つの体制。あるいは2つの政権と言ってもいいんですけれども、そのようなことをある程度、その枠組みを維持しながら、その間に中国自身、さらに発展していくこと。両岸の関係、さらに密接にすることで次の可能性を見出そうと。言ってみれば、平和的発展。着実に両方の関係、発展をしていく。おそらくこれまでは台湾南部の、実は民進党の支持基盤すらも、これは北京が民進党の支持基盤だと。この8年間に、台湾南部は主に漁民や果物、農家。彼らのものをノー関税で購入すると。すると、正直言って、どこからか崩そうとしたわけですね。問題は、しかし、そうは言っても、台湾人の気持ちのうえで、現在の北京と、一緒の国になるか。そうはなっていない。これが事実ですね」
反町キャスター
「でも、中国にしてみれば、台湾は中国の一部であるという、もし理屈に立てば、それは関税をかけないのは、いわば当たり前ですよね。域内の当然…、神奈川県から東京都にバナナを移して何で関税をかけるのかと、こういう話になるわけではないですか。そういう意味で言うと、中国の北京は北京で、その建前に基づいて、着々と経済的な取り込みをしていくんだと。こういう気持ちであるというのでいいのですか?」
金氏
「これはその通りよ。つまり、北京としては一兵も動かさずに台湾を獲れればいいわけでしょう。そうすると、経済攻勢しかないではないですか。だから、どんどん台湾の中国への経済依存度を高めるために、どうすればいいかということですよね」

論戦 金美齢×朱建栄
松村キャスター
「馬英九総統は、中国との経済交流を積極的に進めてきたものの、支持率は大きく下がっています」
金氏
「中国に対するある種の幻想が日本にもあったし、台湾の人にもあったし、特に、中国から逃げてきた人達、また、その2代目、3代目にも当然あるわけですよ。何がしかの憧れというか、だけど、近寄ってくればくるほど、深層が見えてくるわけ。深層が見えてくると、どんどん私達は中国人ではないのだと、私達は台湾人だと。明らかに、もう違うアイデンティティを持つようになったんですよ。先ほど、6割ぐらいだったけれども、59%だけど、実は実感で言うと8割ぐらいはそう思っています。何が非常にはっきりしているかというと、日本に留学に来ている台湾の学生というのは、自分が中国人かと言われたら必ずノーという。私達は台湾人ですと必ず言うわけ」
朱教授
「この結果の中に、単純に完全に台湾人ではないということを否定したうえでの大陸人、中国人というのは3.3%。その通りですけれども、もう何世代も70年も過ぎているわけですから、現在の多くは、自分は中国人であり、台湾人であるという意識ですね」
古屋議員
「実はパスポートに台湾人は、かつては中国と書いてあった、本籍は。それで日華議員懇談会の方が中心になって、働きかけて、台湾と書くようにしたんです。これは猛烈に感謝されたんです。ただ、これは1つの象徴だと思いますよね。これは、両岸関係は、2国間関係ですから、我々があまり言うのは、よその国の話に、我々が言うわけにいかないから、何しろ両岸でしっかり、両国で、平和的な解決をしてほしいというのが政府の基本的なスタンスですけれども、一方ではそうやって台湾の人達のパスポートを台湾と書いてくれと言われたら、それを実現したら大変感謝されたという事実はありますよ」
反町キャスター
「香港よりもっと自由な、1つの国になろうよ、2制度になろうよというプロポーズ、台湾はずっと拒否し続けるということ?」
金氏
「現在のところは、要するに、それは絶対のまやかしですよ。中国が民主化できるかどうかの問題、それは至難の業です。ウイグル、モンゴル、チベットを見てください。あれだけ民族も違うし、いろんな制度も違うし、文化も違う、宗教も違う。その中で中国が地続きである故にどんどん人が乗り込んでいって、人間を入れ替えていって、どんどん自分の価値観を押しつけて、支配しているではないですか。台湾は幸いに海があって、海を隔てているので、そうは簡単に入ってこられないという。香港は一国両制度と言われて、50年の間と言われてるんですよ。もう問題が多々起こっているわけですよ。2004年の選挙の時に、香港から来た人、誰かは知らないが、自分は香港から来ましたと。台湾ががんばってくれなければ、香港はひとたまりもありませんと言われましたよ。陳水扁の選挙事務所で、はっきり名乗ったの。私は香港から来ましたと。私がどういう人かは知っているわけ。私は相手を知らないの。でも、彼ははっきり私に、私は香港から来ましたと、この選挙は本当に大切な選挙ですと。香港にとっても、台湾が台湾としてがんばってくれないことには香港はひとたまりもありません。台湾はまだ独自の政権があって、独自の行政をやっている場合には中国もあまり香港に手荒なことはできないけれども、台湾がもしダメになったら、香港はひとたまりもありませんと、はっきり言いました。だから、香港の民主主義を推進している人はそれを非常によくわかっていた」

アメリカの思惑と今後
松村キャスター
「アメリカは台湾の存在を現在どのように考えていると見ていますか?」
金氏
「アメリカは、要するに、現状維持。どちらからも現状を変えることは認めないと言っています」
朱教授
「私は、アメリカというのは一方的に現状を変えるということに、それは反対と。両方がいろいろ交流があって、その後で合意のうえで変化があることには何も反対しないというようなことで、まさに中国大陸が現在言っているのは台湾との関係の平和的発展。ということで、さらに発展していく合意というコンセンサスをつくっていくというようなことで、アメリカがこのような両方の発展によって合意されていることにすら反対、これは違います」
金氏
「もちろん、そうですよ。ただ、一方的にという意味で、台湾を併呑することも許さないし、独立することも許さない」
古屋議員
「現在、あまり議論をしていなかったんだけれども、実は中国とアメリカは、いわゆる3つのあれがありますよね。1972年、1979年、それから、1982年、この3つのコミュニティがありますよね。1972年は国交回復しましょうね、1979年は1つの中国をアメリカはacknowledgeだったかな、という言葉で、中国は…acknowledgeは、中国の方は、だから、『承認』だと、アメリカの方は『認識』と、そのへんズレがあった。それから、1982年が、要するに、武器を供与しますよということを台湾に決めているんです。それはあくまでもアメリカを維持するためのものだと、要するに、合衆国の能力を維持するために提供しますと。安全保障上の問題とはちょっと違う。と言うことで、だから、一貫して、そうしているわけで、別にこれだからまったく新しいことになったのではないということをこれは是非テレビをご覧の皆さんに…」

評論家 金美齢氏の提言:『黄金時代』
金氏
「蔡英文さんが台湾の総統になったら、日台は黄金時代に入ります。日本は、安倍首相が台湾は日本にとって大切だということをよく認識されているし、共同運命体というように思っていらっしゃると思いますので、蔡英文さんも日本がいかに台湾にとって大切かということもよく認識していますので、この2人がトップであるということは、私にとっては今後の日台関係は黄金時代に入るというふうに思います」

朱建栄 東洋学園大学教授の提言:『東シナ海の平和 最大公約数』
朱教授
「私は日本、中国に、本当に地域の平和、安定を維持する責任があるという提言をしたいと思います。日本と中国の関係はなかなか、かつていろいろこじれていた理由の最大の1つは、1つの中国を認めるかどうか。最後に1972年、この1つの中国を認めたうえで日中のその後の発展があったわけですね。それが台湾が、中国の一部というようなところで、それがこじれて、そうなると、日中関係は深刻な局面になる。もちろん、台湾と日本が文化的、経済交流、それが当然ですし、これからもさらに大陸も含めて、一緒に交流していくと。ただ、政府、国との外交というところは日本も慎重にしないと、大陸、中国との関係も深刻な影響を受けると。これは歴史で証明されていますので、これは互いに一緒に大事にしないといけないと思います」

古屋圭司 元国家公安委員長の提言:『信頼と友好は不変であるべき』
古屋議員
「この関係は進化すべきと。ちょっとスペースが少ないので後段は書けませんでしたけれど、歴史的に見て、台湾と日本というのは友好関係、信頼関係を保っています。このことがwin-winの関係をつくり上げていくことは間違いありません。おそらく蔡英文氏に明日決まるのでしょう。決まれば、こういった考え方、不変のままさらに進化させていくことによって、日本と台湾との経済関係の交流の進化、win-winの関係をさらに構築していくことができると思います」