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2016年1月13日(水)
韓国大統領年頭発言は 北朝鮮『標的』と脅威

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 衆議院議員
伊豆見元
静岡県立大学国際関係学部教授
金慶珠
東海大学教養学部准教授

北朝鮮核実験への対応
秋元キャスター
「ちょうど1週間前、4回目の核実験を強行した北朝鮮への対応について聞いていきます。今日、午前中行われました朴槿恵大統領の年頭記者会見で、北朝鮮への対応について言及をしています。会見の内容のポイントをこちらにまとめました。北朝鮮の今回の核実験は朝鮮半島だけでなく、北東アジア地域の安全保障情勢に変化をもたらす可能性がある。国連安保理レベルだけでなく、2国間と多国間レベルで北朝鮮が痛感できる実行的な制裁措置をとっていく。中国の役割が重要。困難で大変な時に、手を取り合うのが最上のパートナー。韓国、アメリカ両国はアメリカの戦略兵器の追加投入と連合防衛力強化を通じて、北朝鮮の挑発の意思を無力化させると、こういう内容だったんですけれど、小野寺さんはどう思われましたか?」
小野寺議員
「特にこの中で私が注目をしているのは記者への質問への答えですが、ここにあるように、アメリカの戦略兵器の話がありましたが、これは記者の質問の中で、THAADというミサイルについての言及をしました」 反町キャスター
「高高度ミサイルですね」
小野寺議員
「はい。これはどういうものかというと、大陸間弾道弾がきた時に、これを迎撃するためのミサイルで、日本もイージス艦に搭載しているSM3というミサイルを持っています。これを実は陸上配備して、迎撃ミサイルを使いたいというのがアメリカの考え方で、韓国にこれを設置したいと、アメリカは何度かお話しているのですが、韓国はこれまで中国からの様々な圧力があって、このことについてはどちらかというとあまり前向きではなかった。むしろ否定的な発言をしているんですけれど、今回はさすがにアメリカの求めるTHAADについても検討するというような方向が出ていますので、そういう意味で、北朝鮮問題について軸足を少し特に米軍ですが、日米韓、この中に少し軸足を向けたのかなと私はこの会見でそういう印象を持ちました」
伊豆見教授
「会見でちょっと面白いことを言われているのは、これで北朝鮮の核問題の性格が根本的に変わるかもしれないということが言われていて、何を意味しているのかという話ですけれども、相当脅威が増すかもしれないと、韓国として初めて認識をしたのかもしれないということです。これまで僕は韓国も北朝鮮の核についての脅威認識はかなり甘いところがあるのではないかなと思っていましたけれども、性格が変わるという言い方をされたので、脅威がより上がると思われているかもしれないので、そうすると、当然のことながら、アメリカとの同盟というのを基礎にして、また日米間の協力が必要になってくるというのは非常にごく自然な、当然な話なので、ようやく脅威認識がしっかりと出てきたので、自然な形に戻りつつあると。そういう印象ですね」 金慶准教授
「今回の核実験に対して、韓国側の認識が変わったという問題ではなくて、北朝鮮の核実験の在り方自体が変わったと。それに対して韓国のみならず、アメリカも、日本も、危機意識を新たにしたという事実は注目する必要があると思います。ただ、私が注目するのは韓国の世論も、日本のメディアも、これまで中国とあれだけ仲良くしてきたのに、今回、中国は、いざ(という時に)何もやらないではないかと。韓国の外交はこれまで何だったのかというような批判があった。それを受けて、軸足をもう1回、中国から、今度はアメリカ、あるいは日米韓という、こちらに戻したいというふうに見るのは、私は、ちょっと早計という感じはするんですよね。そもそも韓国が安全保障における軸足を中国に移したことはありませんし、あくまでも米韓同盟が安保の基軸であるという、この事実は変わりません。ただ、今回、中国も立場があるので、北朝鮮に対してこれまでとは違う、韓国と仲良くなったからこれまでとは違う外交戦略をとるだろうとは誰も考えない。ただ、その対応を在り方が国防大臣クラス、あるいは習近平さんとの首脳レベルでの、何らかの会話。電話会談では日本とすぐ翌日にやっているわけですけれど、いわば音信不通の状態ですよね。ですから、その部分に対する不満というのは、今日の会見には滲み出ていたと思います」
日韓の協力体制と課題
秋元キャスター
「北朝鮮が核実験を行った翌日に、安倍総理と朴大統領が電話会談を行って、日韓の緊密な連携を確認しているのですが、しかし、問題が山積みとなっています。日本とアメリカ、それから韓国とアメリカは同盟関係にあります。しかし、日本と韓国との間には防衛協力の協定がありません。日韓が防衛機密を、直接、共有するための協定である軍事情報包括保護協定、GSOMIAは2012年の6月の署名直前に、韓国側の要求で棚上げとなったままとなっています。また自衛隊と韓国軍との間で燃料などの物資を融通するための協定である物品役務相互提供協定、ACSAも結ばれていない状態です。小野寺さん、こうした協定の交渉は一気に進むと考えていいのでしょうか?」
小野寺議員
「どうしても、私どもはこの北朝鮮のミサイル対応を含め、東アジアの安定のためには同盟国である日米の関係だけではなくて、日米韓が非常に大事だということで、日本とアメリカには、たとえば、GSOMIAとか、ACSAとか、こういうこれまで条約等があります。たとえば、情報はしっかりと共有しましょうねと。お互いにそれを秘密で守りましょうね。あるいは、いざという時は、燃料とか、いろんな物品はお互いに提供し合いましょうね。こういう2つの協定ですが、これを当然アメリカは日米韓の三角形で、この地域を守ることが大事なので、当然、日韓でも結んでくれということになっていますが、残念ながら、それが途絶えている。この中で問題になっているのは、実は日韓の外交的な様々な問題が、これまで課題となっていました。昨年、日韓の防衛大臣会合でも、このGSOMIAの問題を取り上げたのですが、残念ながら、まだそれは、その機になっていないということで、今回、難しい状況になりました。私どもが期待するのは、今回は慰安婦の問題を含めて、現在、日韓の関係が改善をしています。今回の核実験の翌日には実は日韓の首脳会談が行われました。3年前は行われていないのです。ですから、その意味で、日韓関係が改善しているのと、北朝鮮問題がさらに大きな脅威になってきた。この機を捉えて、私どもは是非、日韓のこの交渉は進めていきたいと思います。ただ、今日現在、確認している中では、まだ前にグンと進むという状況ではないのですが、必要性はおそらく韓国も認識をしていると思います」
反町キャスター
「たとえば、有事の際の情報共有、有事に先立つために、それを避けるための情報の共有とか、物品の提供というのは、これは韓国国内においては議論するのも憚られる状況なのですか?」
金准教授
「そういうことはないですよ。日本との安全保障上の協力というのは、日本と韓国の間に限らず、常に軍事的な側面と外交的な側面。この2つの調和がとれた時、最良の安全保障を協力することが可能なわけですよね。日韓関係というのは、これまでの歴史認識の問題、従軍慰安婦の問題を巡るしこりがあったというところで、一方で、軍事的な協力の必要性は認識をしながらもなかなかそれがうまくいかなかったという側面は、当然あります。そういう意味では、今年、ある程度、一定の前進を期待できるのじゃないかと見ているのですが、防衛大臣の間での会談が行われた時、これもメディアで大きく取り上げられましたが、結局は朝鮮半島に対する、日本の軍事力行使のプロセス、あるいは条件に対するお互いの理解、あるいは合意というものに未だにまだ意見の違いがあるのは事実です」
反町キャスター
「朝鮮半島に対する日本の軍事力の行使?」
金准教授
「笑ってはいけないですよ。結局、そこが敏感な問題なので」
反町キャスター
「敏感とはちょっと違うんだけれども」
金准教授
「結局その時、何が問題になったかというと、韓国としては基本的に朝鮮半島にある唯一の合法政府は韓国であると。だから、北朝鮮に対して、何らかの軍事的行動をする時には、韓国の要求や承認をとってほしいというのが基本的な立場です。ただ、これは何も憲法に書いてあるからそうだということではなくて、実質的に北朝鮮に対しては、何らかの軍事行動が起こった時に、その報復や攻撃の相手として、真っ先に被害を受ける、影響を受けるのは韓国ですから、そこは事前に十分な協議が必要だという、こういう安保認識ですね。これに対して日本は当然国際法に則って言えば、朝鮮半島における国は2つあってという話」
反町キャスター
「前提は韓国に断りもなしに、日本が北朝鮮に攻撃をするという、そういう話ですよね?」
小野寺議員
「正直言って、ここは認識をいろいろ私ども共有しなければいけないと思うんですけれど、現在お話になっている中だと、どうも北朝鮮を日米が攻めて、韓国が影響を受けるというようなロジックだとすれば、それはまったく違っていて、基本的には、北朝鮮、韓国の問題が大きな問題になった時にどうやって韓国を在韓米軍が守るか。日本はその時、どういう支援をするかという、その枠組みで、日本の自衛隊を含め、日本の法制はそれででき上がっていますので、決して韓国に影響がなくて、言ってみれば、北朝鮮と日本が直接何かをするなんていうのはおよそ想定されていないと思いますので、そこは、もし韓国の国内に誤解があるとすれば、その誤解は解いていただきたいと思います」
『慰安婦問題』対応と今後
秋元キャスター
「ここからは慰安婦問題の日韓合意の今後について話を聞いていきたいと思います。朴槿恵大統領が年頭会見で述べたポイントは、これまでどの政権も取り上げることができなかった難題を、現在できる最大の合意がなされるよう努力をしたことは認めてほしい。少女像移転問題に対しては、韓日外相記者会見で発表した内容が全て。また、政府が少女像に対して、指図できる問題ではない。被害者の傷が癒えて過程の中で、被害者に会う機会も増えるだろう。合意した内容がきちんと理解され、受け入れられるよう、日本政府と日本メディアの今後の動向も非常に重要と、こう言った内容だったんですけれども、小野寺さん、どう見ましたか?」
小野寺議員
「今回、日韓のこの合意についてはかなり重い決断を両国の首脳がしたんだなと思います。特にこの問題については、被害者の方がいらっしゃるということで、大変、私どもも重い気持ちをずっとこれまで持っていました。おそらくこれがこれで解決ということではなくて、このような過去の戦争犯罪になることがあってはならないという、その想いは、両国、特に日本も自覚するべきであると思います。その中で今回、一定の合意は成ったとは思うのですが、たとえば、私達が過度な期待をこのことによってすぐに思ってはいけないのだと思います。たとえば、少女像がありますが、これが置いてあるところは、ソウルのチョンドクというところの、1つの区の道に置いてあるわけですから、道路管理権を持っているのは区長になります。そうしますと、区が判断をして、これをどかせるという指示を出さないと、なかなか設置をした団体がこれをどかすということにはならないので、国がどこまでにそれに関与できるかということがありますし、おそらく設置した団体は、これをそのままなくしてしまうのかというと、もしかしたら近くの民有地に許可を取って置けば、それは置くことに関しては、韓国政府が何か働きかけをすることはできません。ですから、言ってみれば、この問題がいきなり、劇的に、前に進むという、そういう淡い期待を持つというよりは、時間をかけて解きほぐしていく形で進めていくしかないので、急に成果を求めて、これで全て明日から何もないという、そういう淡い期待は持たないで、これは一定の時間をかけて、解きほぐしていく課題とあらためて私ども思うことが必要だと思いますね」
伊豆見教授
「まったく現在おっしゃったことに同意をします。私も時間をかける他ないということですね。少女像の話はかなりかかると思います。最終的には政府が全然、関与できない問題だというけれど、日韓関係が大事ならば関与しますよ、これは。当然しますね。それが超法規的でも当然、韓国政府はおやりになるけれど、それができるような環境ができるだけ整わなければいけないとすると、現在おそらくその時ではないし、少し時間をかけて、最終的には韓国政府も日韓関係の将来を考えた場合には、この少女像は移転をしなければいけないという判断を、執行という形でいくと私は思っていますけれど、そういうところまで我々は少し待たなければいけないのだろうと思いますね」
反町キャスター
「内容そのもの、たとえば、日本政府は責任を痛感すると。日韓の合意ですよ。文書にもなっていない口頭による了解という印象が強いですけれども、日本政府は責任を痛感しているとか、10億円とか、それらのものがきちんと行われた結果、不可逆的な解決確認、この合意内容そのものについてはどう感じていますか?」
伊豆見教授
「結構な内容だと思います。結構な内容ですけれど、最後のところは、ですから、最終的に不可逆的な解決にならなければいけないわけですけれど、それがすぐくるとは考えられないと思います」
金准教授
「安倍総理は、国会で、確か最終的に解決されることになったという発言を使われたと思うんですけれども、基本的には今回の合意。これは最終的、不可逆的に解決をしたのではなく、その第一歩を踏み出したんだという認識を持つ必要があると思うんですね。これで何か一気に解決されるという期待を持たないのはもちろんですけれど、私はより大事なのはそのためのお互いの努力を傾けることだと。合意文を読んでみると、日本も、政府として、政府は責任を痛感すると。その名誉を回復するために、韓国政府が設立する財団に資金を投与し、日韓が協力して名誉回復のための事業を行うと。これらの事業が円滑に実施されることを前提に、最終的にという、非常に合理的な話が、なぜかそのあとすぐに何か裏面の合意あったのではないかと。その少女像を動かすことの代償として10億円を払うんだというように言う、一部、政治家などが出てくると、私は、日本側の安倍総理の決断というものを、これを台なしにすると思います。同様に、韓国でも、そういった日本の一部の過激な発言をそのまま受けて、10億円で少女像を決して売らないというような、こういった、また、反対世論が出てくると。つまり、お互いせっかく首脳同士が合意をしても、その本質がすり替えられるような状況に現在なっているところが、私は1番残念なところで、もう1回、その合意の主旨に立ちかえって、これから日韓関係が大事であれば、日本も韓国もそれぞれの対応をしてくるでしょう。そこらへんの、そういうムードにつなげていけるように私は政治的な努力、それから、市民レベル、メディア、特にそうですけれども、そういった努力を傾けていくことが必要だと私は思います」
韓国世論と朴政権の課題
秋元キャスター
「韓国では、その日韓合意がどのように受け止められているのかということですけれども、こちら韓国ギャラップが8日に発表しました慰安婦問題の日韓合意に関する韓国の世論調査によると、今回の合意を評価すると答えた人が26%。評価しないが54%という結果になりました。評価しない理由については元慰安婦の意見を聞いていないとか、謝罪が不十分ですとか、さらにはお金で解決しようとしているというものがあったということです。58%が再交渉をしなければならないと答えているんですけれど、金さん、この韓国の世論に、具体的に日本はどうすればいいと考えますか?」
金准教授
「それは、だから、違いますよ。これも劇的に変わったわけです。日韓合意の発表がされた直後の世論調査ではちょうど半々だったんですね。評価する人が5割。評価しないというのが5割。ところが、その後、岸田外相から少女像は移転されるものと認識していると。これが韓国語では移動されるものと、私は知っているという、誤訳になってしまって…」
反町キャスター
「それは全紙?」
金准教授
「いや、全紙ではなく、ラジオとか、テレビとかがそうでしたね。最初の1日、2日。私がそれは違うと。認識しているというのは韓国語で、そうであるように、そういうふうに私は思う、と私は解釈ができるんだということだったのですが、その後、稲田政調会長が移動しなければ10億円を出す必要はないのではないか、これが大前提ではないかという発言をされました。こういった日本側の、ある意味、国内向けの日本のいろいろ政治勢力がありますから、日本国内向けの政治家の発言が、そのまま韓国でろ過されないまま、むしろ過激に再生産されていくと。韓国側のそういう反応も、また日本で、ほら、見ろ、韓国人は反対をしているというような、非常に無意味な対立をお互いが煽っている状況であり、その結果がこれであると思います」
反町キャスター
「朴大統領にしてみたら、ここまでいろいろな誤訳があったり、政治の発言があったり、それに対する挺対協の反発があったりして、結局こうなっていくというのは、朴大統領にしてみたらちょっと計算違いだったですかね」
伊豆見教授
「そんなことはないと思います」
反町キャスター
「このぐらいの数字になるのは当然、覚悟の上?」
伊豆見教授
「うん。当然だと思います」
反町キャスター
「では、こういう、いわば4月の総選挙を前にして、逆風を、自ら呼び起こすような判断をなぜ大統領はやったのか?そこはどう見たらいいのですか?」
伊豆見教授
「だから、よくここまで決断をされたなと思いますけれど、1つ、アメリカのことが相当あったのだろうと思いますね。アメリカは明らかに、昨年の春ぐらいからは、完璧に、日本の方に対する理解が深くなってきていて、そうすると韓国の人達といろいろ話をしていると、不安感が相当出てくるところがあるみたいで。それは日韓も、ちゃんとしておかないと、現在の韓国がきちんとやろうとしている、アメリカとの同盟関係の下に、中国との良好な関係をやろうとする場合に、日韓関係が悪いと足を引っ張るという考えがあるんですよね。日韓の問題についてアメリカがある程度、納得するような方向に動いておかないと、その中国に対するフリーハンドを韓国が失っていくという感覚があると思うんですね。だから、アメリカの様子を見ながら、これは収めるところかなと大統領は判断されたのかなという気がしますけれどもね」
反町キャスター
「小野寺さん、現在の伊豆見さんの分析はいかがですか?」
小野寺議員
「おそらく政治的なスタンスから、そういうスタンスを考えながら、うまくバランスを取る中で、今回、難しい決断を日韓両国がしたのだと思います。もう1つは、国際社会が与えるインパクトというのでしょうか。今回のこの合意について相当、歴史的な合意だということで、むしろアメリカも含め、ヨーロッパ社会もこの問題については前向きに評価しています」
反町キャスター
「歓迎する声が多いですよね?」
小野寺議員
「と言うことは、政治がお互いにリーダーシップで動いたと、実は日韓の両方の首脳が国際社会ではとても今回、評価をされた。そのことであります。考えて見たら、安倍政権になる前というのは、この問題について、かなり韓国でもいろんな国際的な発言があった。安倍政権になってもそういうことがあって、かなり日本は外交上、その面に関しては苦労をしたのですが、実は今回のことについて世界に一定の評価を得たということは、これまでのこの問題についての1つの払拭ということになります。これは両国政府の努力だと思いますので、私は、朴槿恵大統領に関しても、かなり今後、苦労をすることを、私どもも認識をしながら、この合意について深い意味を持ってこれからも支えていくことが大事だと思います」
反町キャスター
「伊豆見さん、朴大統領の苦労の根源になるのかどうかもしれません。僕らが根源だと思っている挺対協です。今日の朴大統領の会見後、これを受けてか、内容をきちんと把握をしたうえでの発言かどうか、確信はとれていないですけれど、こういう発言をしています。我々は韓国政府を信じられない。韓国政府は戦争犯罪を隠蔽している。私達、挺対協は直接、歴史を正していく。政府はじっとしていなさいと。この挺対協の発言は、朴大統領というか、韓国政治にとってどういう意味を持つのか。それをどう分析していけばいいのですか?我々は」
伊豆見教授
「本来、挺対協の発言というのは、本当に韓国政治を縛っている部分があるというのか、相当程度、外交、外務省も気にしてきたわけですけれども、今回の日韓合意というのをつくったことはあとから考えると、挺対協に対しても一定の政府の強い意志というものを示さなければいけない段階に現在、入っていると思いますから、私は、これに今後、朴槿恵政権が左右されるということはないようになるのだろうなと思いますけどね」
どうなる?『慰安婦像』
秋元キャスター
「ここからは慰安婦問題の日韓合意の中で韓国政府が関連団体との協議を通じ、解決に向けて努力しましたソウルの日本大使館の前に建てられた慰安婦像の扱いについて聞いていきたいと思います。年頭会見で、朴槿恵大統領は、政府は慰安婦像に対して指図できないと発言していたんですけれども、金さん、今後、慰安婦像の撤去、もしくは移設が行われない可能性というのもあるのでしょうか?」
金准教授
「そもそもそれ以前に日韓合意の内容を私は確認をしたいと思います。菅官房長官も確認をしています。そこにある以上でも以下でもないと。合意文書を見ると、大使館前の少女像に対する日本政府の懸念を韓国は認知をしていると。そういった懸念が解決されるように、関連団体と協議するなどして、韓国としても最大の努力を払うということですよ。だから、努力をするでしょうし、現在もある意味していると言えます。その努力をすることと、実際これが移転されるのかということは、これは全然レベルが違う話で、これは何度も言っているように韓国は民主国家ですから、もちろん、区長とか、市長とか、政府が何かがあれば動かせるはずはないではないかとおっしゃるのですが、動かしたあとのその後の反対世論というものを考えると、まったくもって、愚かな行動ですよね。強権、権力を持って動かすというのは。だから、説得をすると。そのための時間をかける。そのための努力を韓国政府がどこまでするのか。日本も韓国政府が努力をしやすい環境醸成に、日韓関係を持っていく。こういったことに尽きると思いますよ」
反町キャスター
「小野寺さん、合意だけを見ると確かに僕も金さんが言われたみたいに、今回の日韓合意というのは、撤去の約束をしてないですよと。努力項目でしかないわけではないですか。あまり期待感ばかりが膨らむのも危険な感じがするんですけれども、撤去についてはどう見ていますか?」
小野寺議員
「まず慰安婦問題の本質が別にこの少女像ではありませんので、逆に韓国にいらっしゃる様々な被害者の方々、また、その方を支援する韓国国民の皆さんがこの問題について一定の理解とは言いませんが、1つの、前向きな考え方に少しずつ移っていくことが大事なことですので、決してこの像が有る無しというのが、実は全てではないんだと思います。ただ、その中で韓国政府としてはこの問題についてよく認識をし、努力をすると言っています。ただ、これは日本も同じですが、先ほどもお話をしたように、これを設置したのは民間団体であって、それが、たとえば、1つのソウルの区に置かれています。ですから、その道路を占有する権利を持っている区長なり、区がこれをどかしてくれと言えば、それはどかすのだと思います。ただ、それをどかしたからと言って、撤去ではなく、民間の誰かの私有地にそれが移れば、それは完全に韓国国内で合法的にそれが置けるわけですから、そうすればこれがいきなりなくなると期待を持つ必要はないと思います。この像のことを言えば、たとえば、アメリカのカリフォルニアには、グレンデールを含め、いくつか置いてありますので、そういう意味では、ある意味、私どもとしては、ここの問題ではなくて、もっとその本質ですね。本質の問題で今回、日韓が歩み寄って、この慰安婦問題が解決に進むので、最終的に韓国国内世論が変わらない中で、もうこういうものはいいでしょうと。そういうところまで少し一定の、度量を持つぐらいではないと、この問題は前に進まないのだと思います」
反町キャスター
「その意味で言うと、現在、小野寺さんの言われた本質というのは政府レベルで、政府間で、しかも、公の場、ないしは首脳会談、ないしは国際会議の場とかで、慰安婦問題を持ち出して、日本政府、日本に対して、歴史問題が解決されていないと批判するということはしないし、それに対して日本側も、その問題をこちら側から取り上げて、どうのこうのということはしない。お互いにこの問題を公の場で取り上げないというのが本質的に求めている合意である、こういう理解でよろしいですか?」
小野寺議員
「1番の本質は、この慰安婦の皆さんの対応についてどうするかという日韓の、1つの誠意の方向を見せるということが基本だと思っていますが、その中で当然、両国政府は合意をした中で、この問題をこれ以上あとに延ばさないという形で、不可逆的、最終的な決着、政府間ではそういう形で、今回収めたのだと思います。ただ、どうしても、それぞれの国は世論がありますから、その世論の中で、特に韓国国内では、まだ、この問題はすぐに解決するというわけではなく、むしろ民間団体の活動の中で、あるいは、たとえば、国際社会の中で民間団体が発言をするという中で、人権理事会等で発言をする機会もありますから、これは民間団体としてこれから、もしかしたら、継続されるかもしれないと。だけれども、韓国政府は一定の理解をもって今後とも自制的に対応していく。日本としてもそれをある面では支えていく。この日韓の両国政府の粘り強いやり方がこの問題の解決の本筋だと思います」
反町キャスター
「伊豆見さん、どう見ていますか?」
伊豆見教授
「法的問題として、これは違法行為ですから、明らかに。こういうものを、しかも、ウイーン条約にも大いに抵触をするから、これを韓国がこのままにするというのは韓国にとってのマイナスが大きいですよね。いずれ撤去ではないですよね。移転ですよ。移設するという、他のところに移すだけですよ。だから、ともかく日本大使館の真ん前にあることから、どこかに移すというのが、これは必ず韓国政府はやると思います」
金准教授
「私は何度も言うんだけれども、交渉の過程の中で、おそらく日本政府は強力に撤去を求めたんだと思います。しかしながら、結局、合意の結果は努力目標で終わったと。ただ、韓国はそういうふうに書き込んだからには、あとは知らないよではなく、そのためにこれを移そうとした意向も十分にあった。ところが、その直後、10億円は移さないと出さないみたいな話が出ている。現在もタイミングはある意味、延ばしちゃって、延びちゃったような、そういう状況ですね。でも、ここで諦めることなく、何らかの移転なり、より良いところにこれを持っていく話であって、これを撤去だの、何だのと言うと、そこでもう反発がありますよね。私は韓国のメディアで、この問題で、いつも取材を受ける時に向こうからいつも投げられる質問に、なぜ日本人はこの少女像にここまでこだわるのだということを、よく聞くんですね。たかが、ある意味、銅像ではないかと。私は同じように、日本にとってその少女像の撤去の持つ意味が何なのかということをもう1回、考える必要があるし、今回の合意の本質はお詫びと反省です。威厳を回復するための、名誉回復するための事業を日韓両国が協力して、誠実に履行をするということなので、そこから外れて、撤去しないから、合意事項を守っていないというのは言語道断で、まったく本質を歪曲することだと思います」
反町キャスター
「いや、僕はそんなことを言っていないですよ」
小野寺議員
「逆に、この問題でそうやって強力に言うというんでしょうか、強く発言をすると、どちらの国の世論も、うーっ、となってきますので、そこは私どもも気をつけて、結局1番、誰が苦労をして、努力をしているかというと日韓両国の政府です。たとえば、これで拍手をもって国民全員から受け入れられるというのは、日韓両方共ないと思います。ただ、将来を考えた時に、誰かがここで決着をしなければいけない。日韓の首脳は一定の判断をもってこの重い決断をしました。その中で現在世論を見ると、もちろん、安倍政権にもいろんな厳しい声がきていますし、自民党にもきていますが、よりもっと大きな声できているのは、もしかしたら朴槿恵さんかもしれない。とすれば、両国が合意をしたからには、韓国の大統領がこれをちゃんと守っていける環境を日本も注意をしながらつくっていく、そのことだと思う。この問題はどちらにしても難しい問題を前に進めるために両方が重い荷を背負ったということですから。そういう想いで、是非私どもは政治の部分でも、しっかり発言をしていきたいと思います」
反町キャスター
「慰安婦の問題。小野寺さん、丁寧にやっていかなければならないと。双方の政府の努力が必要だという話をずっと聞いてきました。その中で、日本、特に与党の中で、撤去なくして10億円の拠出はないだろうという議論がありました。稲田政調会長を筆頭に自民党の中で、そういう意見を公言する方々がいるわけですけれど、この状況を小野寺さんはどう見ていますか?」
小野寺議員
「私は、政調会長代理ですので、政調会長のことをちゃんと説明をすると、既に安倍総理が言っていますが、日韓の今回の政府間合意、これを私どもは忠実に着実に進めていくということに尽きると思いますので、それ以下でも、それ以上でもないということ。淡々とやっていくということになると思います。大切なのは政府間の合意がこれで努力をしてやっている中で、政治の場でも、それを重く受け止め、この問題を前に進めるということだと思いますので、いずれにしても、今回の政府間の合意は私ども与党としてしっかりと受け止めていきたいと思います」
反町キャスター
「その話を離れて外交的な技術論として、先に10億円を出してしまえばいいのではないかという人もいますね。あとは韓国側に預けて、必要な謝罪とか、お詫びの手紙というのは当然、出すとして、そのうえで韓国側はどうするのだろうか、見ようではないかという、こういう話もあるんですけれども、その意見をどう感じますか?」
小野寺議員
「今回の合意内容というのは、明確に韓国側がつくる組織に日本政府が10億円を供与して、そこで慰安婦の方々に支援を行うということ。韓国側としては国際社会での避難をやめるということと、それから、少女像を含めた、こういう形でのことについての努力をするという話ですから。これをそのまま着実に履行をすればいいので、その中には出す、出さないの話は特にありません」
反町キャスター
「ないはずですよね?」
小野寺議員
「そのことを、私どもは正面から進めていこうと思っていますし、稲田政調会長もその考えは変わらないと思います」
反町キャスター
「そこは党内、1回プッと吹いたら、もう大丈夫ですかね?」
小野寺議員
「いろいろなやり取りの中で、言葉を切れば、いろいろな言葉になるのかもしれませんが、基本的にはしっかり与党として政府を支えていきます」
反町キャスター
「伊豆見さん、いかがですか?日本の政治の中における、合意に対するハレーション、収まりがつくのだろうか?日本に対する懸念というのはどうですか?」
伊豆見教授
「いや、私はあと半年、1年、ずっと引っ張るのは想像できないですけれどね。一応合意ができた。あとそれを淡々と履行をするという段階に入って、なかなか満足いくような結果が出てこないなとしても、大きな問題にはならないのではないですか」
反町キャスター
「外交的な問題として、外交的なポジションとして、ちゃんと出すものは出して、やるべきことはやったうえで、それで向こうの結果を、解決に努力という韓国の姿勢を、我々は待っているんだということは、日本外交にとってメリットなのですか?」
伊豆見教授
「それはメリットですね。この日韓の歴史問題というのは、韓国だけを相手にしていたら、おそらくダメですよね。国際社会がどう日本を評価するかが大事であって。実は昨年の春から日本外交も素晴らしかったのは、国際社会に十分に説明し、国際社会の理解と支持、とりわけアメリカの理解と支持を得たということが、それは日本外交が相当、高く評価されることだと思いますし、そうなってくると、韓国が動いてくるわけですから。今後もそれはずっと続けた方がいいともちろん、思いますね」 反町キャスター
「日本の方から崩すようなことは、日本の損になるからやらない方がいいという意味ですね?それは」
伊豆見教授
「それはそうですね。韓国側が納得をするかどうか。極端なことを言えば、二の次でいいですよ、私に言わせれば。それよりもむしろ国際社会の中で、日本が立派なことをやっているということを示す方が本当に大事だと思います」
反町キャスター
「今回の日韓合意というのは日韓で、日本は韓国を相手に話をしているように見えるけれども、実際はそうではない?」
伊豆見教授
「ところもあるのではないですか」
反町キャスター
「それ以外の、国際社会を相手にした時に、日本の姿勢をアピールする…。小野寺さんはうなずいていますけれども、いかがですか?」
伊豆見教授
「そうだとすれば、それは立派な外交だと思います」
小野寺議員
「これは韓国に対してもしっかりとしたメッセージを伝えていますが、この問題でどちらかというと、これまで劣勢に立っていた日本政府が、日本外交が、この合意によって歴史的合意だと。日本はちゃんと努力をしているではないか。これは国際社会にしっかりと伝わりましたので、これは日本外交としては言ってみればこれまでのいろんな問題を払拭した中で評価を得ている問題ですので、外交的には大変重要な一歩だと思います。あとはそれぞれに国内にいろいろな世論がありますから、そこを丁寧に受け止めながら、理解を得ていくことだと思います」
金慶珠 東海大学教養学部准教授の提言 『努力』
金准教授
「今回の合意が出される直前まで日韓両国は、もちろん、国際社会においても無理だろうと言われました。いざ、合意が出たら、これは国際社会から、非常に日韓共に大きな評価を受けた。この評価を今後、日本もきちんと業績として、日韓関係の1つの礎として残せるように誠意を持って努力をする。それ以外にないと思います」
伊豆見元 静岡県立大学国際関係学部教授の提言 『ツートラック』
伊豆見教授
「これは韓国の言い方ですけれど、ツートラック。要するに、日韓関係から歴史問題を切り離すという意味です。現在そういう方向にきているので。歴史問題は簡単に解決しないし、そういう意味で言うと、慰安婦問題が完全に解決するのかどうかなんてわからないです、お互いの気持ちの中では。それでもいいと、歴史問題はそのまま続けていくけれども、それが日韓関係に影響を及ぼさないようにするというのが1番良く。その方向に少し踏み出してきていると思いますので。日韓関係の歴史問題を切り離して、そのままいくというのが1番いいと思います」
反町キャスター
「文化とか、経済的交流をもっともっと人の往来も含めて活発化させることが慰安婦問題を風化させる。ないしは存在を小さくしていく1番の方法だという話になりますか?」
伊豆見教授
「いや、1番は、時間が過ぎることが1番いいことなので」
金准教授
「合意を誠実に履行をすることでしょう」
小野寺五典 自由民党政務調査会長代理の提言 『長期視点』
小野寺議員
「長期視点と書いたのですが、今回、両国が合意しました。ただ、政府間の合意で決着がついたということになりますが、両国の国民の中には、様々な思いがあると思います。特に韓国の中に、まだたくさんの想いがある中で、民間団体にも、おそらく少女像の問題とか、あるいは国際社会での発言とか、いろんなことがもしかしたら、あるかもしれない。だけど、それは少し長いスパンで日本はしっかりと見て、最終的にはそれがないように、全てが解決するように、一定の時間が私どもはかかることを覚悟して、この問題は対峙する必要があると思っています」