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2016年1月8日(金)
共産・志位氏の胸算用 ▽ 慰安婦問題と日韓関係

ゲスト

志位和夫
日本共産党委員長 衆議院議員(前半)
古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員(後半)
李泳采
恵泉女学園大准教授(後半)


前編

共産・志位委員長に問う 北朝鮮の核実験
反町キャスター
「まず北朝鮮の核実験について聞きたいんですけれども、この北朝鮮の核実験をどう見ているのですか?」
志位委員長
「この核実験というのは世界と地域の平和と安定に対する重大な逆行であり、北朝鮮に核兵器保有の放棄を求めた類似の国連安保理決議、そして6か国協議の共同宣言、日朝平壌宣言に、ことごとく違反している暴挙であって、私達は、強く糾弾する声明を出しました。国際社会が一致結束して、政治的、外交的努力によって北朝鮮に核兵器を放棄させると。この実効ある措置が必要だというようなことが私達の立場です」
反町キャスター
「昨年の11月、他局の番組で、委員長はこういう発言をされています。安保法制の1番の具体的危険は何ですかという質問に対してですけれども、『実際の危険は、北朝鮮、中国の問題に、リアルな戦争の危険があるのではなくて、中東、アフリカの方にまで自衛隊が出て行って、一緒に戦争をやることである』と、こういう話をされています。今回の核実験によって、この発言は多少、何か修正した方がいいという気持ちにならないですか?」
志位委員長
「これはまったく別筋の話です。つまり、安保法制、私達は戦争法と呼んでいますが、その1番の具体的な危険、1番の現実的な危険はどこにあるだろうかという文脈で話をしたんですね。つまり、戦争を発動して、日本の自衛隊が海外に出て行って、殺し、殺される戦争を行う。現実的な危険はどこにあるかということを考えた場合、それは中東、アフリカ。アフリカというのは南スーダン、あるいは中東でしたら、対IS(イスラム国)軍事作戦。あるいはアフガニスタンへの治安活動。こういうところに実際のリアルな戦争の危険があると。その点では、北朝鮮、あるいは中国との関係で、日本の自衛隊が北朝鮮と戦争を構える、あるいは中国と戦争を構える。そこに現在のリアルな戦争の危険があるわけではないかと言ったので、北朝鮮の核開発が脅威でないというようなことをまったく言っているわけではありません」
反町キャスター
「よく北朝鮮に対する言葉で、どこでもそうですけれども、抑止力とか、対話の圧力という言葉を使うではないですか。安保法制なるものが、それは、要するに、対話に北朝鮮を引きずり込む、引っ張り出すためのツールであるという見方。要するに、こちら側がある程度、軍事的な緊張感を高める本気度を示すことによって、相手が初めて、対話に応じるのではないかという、この見方についてはいかがですか?」
志位委員長
「安保法制、戦争法と、今度の問題の解決というのはまったく別個の話だと思っているんです。解決の方法というのは対話しかありません。戦争という選択肢はありません。これは外交でやるしかないですね。安保法制、戦争法というのは、いわば、軍事で対応をすると。北が軍事でやってきた。それに対して日本が軍事対応する。こういう形になりますと、まさに、安全保障のジレンマとよく言いますけれど、軍事対軍事の悪循環に陥ると。これは1番、私は解決にとって有害だと思いますね。実際、日本が安保法制、戦争法を強行したことが、これはけしからんことだけれども、北朝鮮は、北朝鮮で、それを口実にして自分達の軍事力強化への口実にするわけですね。ですから、そういう悪循環に陥るというのは1番危険なやり方だと、私は思っています」

安保関連法廃止に向けて
反町キャスター
「弊社の世論調査によりますと、昨年の10月の世論調査と昨年の12月の世論調査と比較すると、安保関連法案を評価するという人が徐々に月日が経つにつれて、年月が経つにつれて、評価が高くなっています。少なくともフジテレビの世論調査を見る限りにおいては支持する人が増えてきているのではないかと。ここはどう感じますか?」
志位委員長
「これは、直後というのはそれこそ国民の声を踏みにじって無理に通したと。怒りが沸騰していますよね。そのあといろんな状況の中でニュースから取り上げられなくなると。取り上げない方が問題ですよ。取り上げなくすると。そういう流れの中で…」
反町キャスター
「でも、逆に北朝鮮の核実験があったりすると、もしかすると評価する人の方が50%を超えるとか、そういう心配はないですか?」
志位委員長
「それは別の問題ですよ。そういう中で、そういう動きがあるかもしれないけれど、しかし、それでも半分は反対です。ですから、これは、私は正月の餅を食ったら、国民は安心をすると、ある自民党議員が言ったというんですけれども、私は、今度はそうはならないと」
反町キャスター
「SEALDsにしても、ママの会にしても、それは一部ではないかという批判の声、揶揄する声もあるんですけれども、そうではなくて、一般的に全国民に広がるものであるという手応えは、これは間違いないのですか?」
志位委員長
「SEALDsにしても、ママの会にしても、いろいろとお話を聞いていますと、本当、一般の方が参加されている。学生さんにしても。現在、高校生の中に、ティーンズソウルという、SEALDsの弟分みたい形で、これも広がっていますよ。本当一般の方ですよね。ですから、お母さんが子供さんを連れてママの会にやって来る。ちょっと、今日はいろいろ夕ご飯を作るのをちょっと早目に済ませて、ちょっと来ようかと。そういう人もいまして、本当に一般の方が皆、足を運んでいる。ですから、これは本当に自由で自発的な運動ですね。しかも、個人が単位になっている。だから、これはいったんこういう運動が始まると、私はずっと続くし、発展性がうんとあると思っています」

『1億総活躍社会』
松村キャスター
「今国会では、安倍総理が去年打ち出した、1億総活躍社会、これも争点になっていると見られていますが、この1億総活躍社会は、どう評価されていますか。
志位委員長
「まず、発想全体が1億総…とくると、カチンとくるんですよ」
反町キャスター
「それは、昔の、戦前のみたいなイメージで言っています?」
志位委員長
「国民を動員していく発想が全体にありますね。これが1つと。それから、経済政策としては、アベノミクスの3年間の検証をきちんとやらなければいけない。アベノミクスで結局採った経済政策はトリクルダウンですよね。つまり、大企業にまず儲けてもらうと。そうすれば、いずれは、その儲けが家計にまわりますよと。これでやってきたんですよ。3年間やった。大企業は確かに空前の経常利益を上げている。内部留保は300兆円を超えちゃった。すごく金を持っているわけですよ。お金はまわってきたかと。安倍さんがこの前、年頭の会見で、賃金が増えた、増えたとやっていますけれど、実質ベースで見た場合、労働者の1人あたりの賃金というのはこの3年間でマイナス5%ですよ。ですから、物価上昇に到底、追いついていないと。マイナス5%というのは、400万円のお給料の場合には20万円、実質目減りということですからね。ですから、大企業は儲かったけども、賃金にまわらない。それから、消費も冷え込んでいる。こういう状態がずっと続いたわけですよ。ですから、このトリクルダウンは失敗をしたという総括にまず立たないと、次が出てこない。トリクルダウンが失敗したというこの総括のうえに立たないと次が出てこない。トリクルダウンが失敗した以上、それを転換する。家計を直接応援する。あるいは中小企業の経営を直接、応援する。だから、消費税10%を中止する。社会保障をもっと手厚くする。それから、人間らしく働く。雇用のルールをちゃんとつくる。こういう方向で、暮らしを直に応援するというところから日本経済をあたためていくということにチェンジをしていかないと、これはダメだということを言いたいですね」
反町キャスター
「年頭の会見で、総理はこれから、成長と分配の新たな経済システムに挑戦をしいていくんだと話しました。現在、志位さんが言われるような成長一辺倒ではちょっとダメだなというのを認めた発言だなと、僕らは見ているんですけれど、成長だけではなく、成長と分配だよと。この安倍さんの、安倍政権の政策。修正だとは感じませんか?」
志位委員長
「やっていることは修正の内容ではないですね。分配と言った場合、富みの再分配をやるかどうかが、政治の責任状態、つまり、資本主義社会というのは放っておいたら、どうしたって貧富の差が出てくる。その富を再分配して、できるだけ貧困、貧富の差をなくしていく。格差をなくしていく。この政治をやっていくかどうかが問題なわけです。ところが、やっている政策というのは、まさに貧困と格差に追い打ちをかけることばかりですよ。たとえば、労働者派遣法の大改悪をやりました。これまで派遣というのが原則1年。3年経ったら正社員にしてあげなければならない、このルールを外してしまって、制限なしに、いくらでも派遣を続けられるようになったということになりましたので。これで正社員はどんどん派遣社員に置き換わるということになると。ですから、そういうやっていることは、国民の暮らしを痛みつけて、貧困と格差を拡大するようなことをやっているのではないかと。そこはあらためる必要があるんですね」

『野党連携』の行方
松村キャスター
「志位さんは民主党を含めた国民連合政府、これを打ち出していますが、岡田さんははっきり一緒に政府はやらないと言っていますが、この発言をどう受け止めていますか?」
志位委員長
「私が、なぜ国民連合政府を打ち出したかというと、理由は簡単でして安保法制、戦争法は、これは廃止をしなければならないと。これは内容上も、自衛隊の海外での武力行使の道筋をたくさんつけている。違憲立法だと。それから、やり方の面でも立憲主義を破壊するという乱暴なやり方をとった。ですから、二重に憲法違反ですから廃止にするしかない。一昨年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定。これも撤回を必要があると。両方やる必要がある。この両方の仕事を本気でやろうと思ったら、安倍政権の下ではできないでしょう。安倍政権を退陣させて、これを実行する政府をつくらなかったらば、できません。ですから、その政府をつくろうではないかと。そのために、野党は選挙協力をやろうではないかと。こういう提案ですよ」
反町キャスター
「反応はどうなのですか?各党というか。民主党もあるでしょう、小沢さんのところもあるんでしょうけれども」
志位委員長
「私達は、民主党、社民党、生活の党と、党首会談などをやってきました。このうち、社民党、生活の党とは概ね賛同をいただいたと。政権の問題も含めて、賛同をいただいたと。心強く思っています。民主党とは党首会談や、これまでいろんな話し合いをやっていますけれども、率直に言いまして、現在のところで言うと、まず安保法制廃止。立憲主義の改革という、政治的合意がつくられていません。それから、そのための政権の合意もまだできていない。それから、選挙協力の協議に入るという合意も、実は、まだ、そこまで行っていないです。ですから、これはそういう段階だということですけれども、私達としては、これは安倍政権を倒そうと思ったら、野党がバラバラだったら、絶対に倒せないですから。これはいろんな政策の違いがあっても、安保法制を廃止する。立憲主義、民主主義を取り戻す。この太いところで、この国民的な会議で、結束をして、選挙を戦うし、政権をつくるという、これしかないでしょうということで現在訴えているところです」
反町キャスター
「安保法制廃止で皆さん、野党が協力、一丸となるというのは、戦術としてはもちろん、ありでしょうけど、皆からと同じ質問になると思いますが、他のところの政策はどうするのですか?社会保障とか、もっとわかりやすくはっきり言えば、消費税ですよ。消費税に関して民主党さんと共産党さんは一緒なのですか?」
志位委員長
「これは、私達は先ほど言った、1点での協力をもとに政権をつくるわけですから、ですから、暫定的な政権ということもはっきりと言っています」
反町キャスター
「廃止するだけのための政府?」
志位委員長
「ですから、廃止を主な中心課題にするわけですから、1点での安保法制廃止と、戦争法制の廃止と、立憲主義の改革という1点での一致をした政権ですから、暫定的政権だと。この仕事をやったらズルズル続けないで、解散総選挙をやって、その先の日本の針路については、国民の審判を受けて決めますよということをはっきり言っています。ただ、同時にそうであっても、一定期間、政権をお預かりするんですね。その間の内政、外交にどう対応をするかという問題があります。この問題は、私達は相違点を横においておくと。しかし、一致点の協力をするための政策調整をやる。具体的に言いますと、野党5党というのは、安倍政権の退陣では共通の土俵に立っているんですよ。内閣不信任案を出したのですから、一緒にね。その立場に立てば、安倍政権が国民の民意を無視して、いろんな分野でやっている暴走を、これを止めて転換をはかると。これは可能だと思うんですね、一致が。たとえば、沖縄の問題。沖縄の問題と言っても、この前、ある雑誌で、私と岡田さんと松野さんとの対談があったんですね。その場で、私は沖縄について、米軍基地の問題についての認識を一致させようと思ったら、これは無理だと。しかし、現在、安倍政権がやっているような、あれだけ県民が反対しているのに、無理やり基地をつくるのは、これはやめるという点では一致するでしょうと言ったら、岡田さんはそこまでは一致すると言っているんですよ。そういうことになってくるわけ。消費税の問題もその場で提起をしました。消費税の問題も税制についての考え方を一致させるのは無理だと。これを一致させようと思わない。しかし、こんな経済情勢の下で、先ほど言ったように。国民の賃金も実質目減りする、消費も落ち込む、景気も悪いと。こういう経済情勢の下で10%をやるのは、これは止めるという点では、相談ができるのではないかというふうに言いました。それは、答えはなかったんだけれども、どうしても10%に上げるという話はなかったですよ。ですから、そこは、議論をする余地はあると思うんですよ。ですから、そのように、前向きな一致ができる分野、たとえば、アベノミクスの問題もありました。アベノミクスも先ほど言ったようなトリクルダウンはうまく行かなった。それには転換が必要でしょうと言いましたら、それはそうだねということになる。たとえば、個々の問題で最低賃金の大幅引き上げとか、労働法制をもっと良くするとか、ルールを強める方向にきちんとするとか、そういう問題があるでしょうという話をしましたら、個別の問題では一致をするということを、岡田さんもおっしゃる。だから、その間の期間もそういう政策調整をやれば、いろんな分野で、まとめていくことができると思いますよ」

参院選への戦略は?
反町キャスター
「安保法制の国民連合政府構想というのは、まとまったら、もちろん、共産党にとってはOKです。これはいろんな形で将来ビジョンが見えてくるかもしれない。もし民主党が乗ってこないにしても、民主党は共産党から声をかけられておきながら民主党が乗ってこられなかったという、そういう意味において、たとえば、共産党の独自色というのが、さらに本当に自民党と対峙するような共産党だねと。どちらに転んでも、共産党にとって王手、飛車取りみたいな政策ではないか?作戦ではないのか?その見方は間違っていますか?」
志位委員長
「そういう角度から考えていないんですよ。だから、先ほど、言ったように」
反町キャスター
「いや、考えていないわけはないでしょう。だって、選挙戦なのに?」
志位委員長
「そういう角度から考えて出したものではないです。要するに、私達は安保法制、戦争法を廃止する。立憲、民主主義を回復する。それにはこれしかないということで、本当に日本の政治の危機的事態を打開する唯一の道がこれだということで提案をしています。難しい、ということを先方が言っている。それは私も知っています。ですから、もし、それが難しいというのであれば、提案、あるいはご意見をいただきたいと、それを大いに議論をしようと」
反町キャスター
「どこが難しいのか?なぜ共産党とできないのか。平場で言われたい?」
志位委員長
「うん。だから、平場でも、どこでも、よく話し合ってみたいということは、先方にも伝えています」
反町キャスター
「民主党は、話し合いすらもしてこないのですか?」
志位委員長
「いろんなレベルで、いろんな話し合いをやっていますよ、これは」
松村キャスター
「共産党単独でも議席数を獲れるのではないのかという声もあるんですけれども、民主党と組むよりも共産党単独。その点についてはいかがでしょうか?」
志位委員長
「これは、そういうご意見もあるかもわからないですけれど、共産党が仮にがんばって躍進して勝ちと獲れたとしても、自民公明が多数を占めてしまったら、安保法制、戦争法は続くと。立憲主義も壊されたままだということでは、これは現在の日本の政治、それでいいのかということですよね」
反町キャスター
「共産党は、民主党と一緒に手を携えて、自民党を倒したいのですか?違うでしょう?」
志位委員長
「いや、そう言っているではないですか。だから、野党5党が手を携えようと。民主党だけではないですよ」
反町キャスター
「それは手段でしょう。手段ですよね?最終的に政権を担うにあたって、民主党と一緒に政権を担いたいと思っているのですか?違うでしょう?」
志位委員長
「それは、まずこの一歩を踏み出せるかどうかで…」
反町キャスター
「最初の一歩ですね」
志位委員長
「最初の一歩を踏み出して、もし、それで踏み出して、実際に国民連合政府を実際に体験をしたとしたら、私は次にもっと発展をした形での両党の関係ができてくると思いますよ」
反町キャスター
「手段として、自民党を倒すためだけの反安保の野党連合と、そういうふうに聞こえます。たとえば、あの時、細川連立政権のあの危うさは、志位さんから見たら、どう見えるのですか?自民党を倒すためにできたと…」
志位委員長
「自民党を倒すという、あの時の政権というのは自民党を倒すことは倒したけれども、すぐやってきたのは自民党の内外の基本政策を継承するといれちゃったんいっちゃったんです。だから、結局、瓦解していった。今度の国民連合政府で継承をしているのは自民党の1番の、ある意味での主要政策であった集団的自衛権の行使容認の、安保法制、戦争法を廃止して、立憲主義、民主主義を回復するというのは、あれこれの政策の課題ではないですよ。日本の国の、根幹、土台を直すという大仕事ですからね。自民党政治の大きく巻き込む。ですから、これをやり遂げたら、日本の政治が主権者たる国民が自らの、自分の力で変えたということで歴史上、初めての動きになりますよ。ですから、その先はすごく大きく展望が開けますよ」
反町キャスター
「今回の選挙は参議院の改選が半分しかなくて、そこである程度の野党連合が勝利を収めたとしても、本当の政権選択選挙というのは、その次にくるであろう総選挙ですよ、衆議院の」
志位委員長
「そうすると、参議院選挙で、まず私達は何としても、野党共闘をつくって、特に、32の1人区で、全てで、野党協力を実現して、自民党に勝って、少数派にすると。それでねじれを起こすでしょう。そこのことによって、総選挙でも勝っていくという道筋をつけていきたいと。これは私達の考えです」

ダブル選挙への戦略は?
反町キャスター
「ダブル選挙というものに対してどう感じていますか?ダブルになったら、野党共闘が瓦解するという見方も、与党の一部にはあります」
志位委員長
「これは、ダブル選挙というのは邪道ですよね」
反町キャスター
「邪道でもやられたら困るでしょう、ということです」
志位委員長
「ダブル選挙ということを考えても、現在、呼び掛けているような野党間の、本当の野党協力の体制を早くにつくって、私達は衆議院でも、参議院でも国政選挙を共闘でやろうではないかと提唱しているわけですから、そういう体制をつくりたいと思います」

志位和夫 日本共産党委員長の提言:『立憲主義と個人の尊厳』
志位委員長
「現在の日本政治の中で、特に安保法制、戦争法で壊されたのは立憲主義だ。つまり、憲法によって権力を制約するというのが壊されてしまって、いわば、政治権力が憲法を無視して暴走を始めたと。これは独裁政治への危険な道ですから。立憲主義を取り戻そうと。では、立憲主義を取り戻すというのを、国民1人1人がどういうふうに思っているのかということを考えますと、個人の尊厳を守り、大切にする社会をつくろうということになってくると。立憲主義というのは、何のためにあるのかと言ったら、究極的には、全ての国民の、個人の尊厳を守る社会ですよね。憲法13条に書いてある。あのために立憲主義があるはずですから。それが現在、侵害をされている。平和という面でも、暮らしという面でも、侵害をされている。ですから、立憲主義を回復し、個人の尊厳を守り、大切にする社会をつくりたい」


後編

北朝鮮の核実験 その思惑と脅威
松村キャスター
「年末の慰安婦問題の解決合意を受けて熱が冷めやらない中、今週水曜日、北朝鮮の核実験が行われました。まず古森さん、今回の北朝鮮の動きはどのように見ていますか?」
古森氏
「何となく予想はされていたけれども、この時期に、こういう形でドンとくるというのは、ほとんどの関係者が驚かされたということで、日本において非常に重大なことだし、国際的に見ても、核拡散防止という大原則の下では非常に異端なこと、危険なことですよね。だから、このことで1つ言えるのは、今回の本題である慰安婦問題というのは、当事者の方にはお気の毒だけれども、もう不毛の問題だと。日本と韓国にとって、北朝鮮の核武装という重大な、現在、目の前にある大きな危機があるのに、80年前にあったことをどう解釈するかということで、いがみ合っていることがいかに非生産的であるかということが証明されたと思うんですよね」
李教授
「昨年、核実験が起こるのか、どうかというのがあったが、中国の反対で今年になったのですが、昨年は朝鮮労働党70年、創立で。金正恩体制がスタートしたということですね。今年は、第7回、36年ぶりの党大会も準備していまして、国内的には非常に体制強化を狙っていたと。国際的にはアメリカの大統領選挙は目の前にありますので、いつも北朝鮮としては大統領選挙の前後にいろいろと交渉カードとして核問題を利用してきますので、北朝鮮問題が国際的に孤立してされて、また、あまりにも相手にされていないことに関しての大きな反発で、問題提起であるということです。私達が注目すべきはオバマ大統領も、戦略的な忍耐ということで、あれは朴槿恵政権も信頼プロセスということで、北朝鮮の問題を放置してしまったわけです。その間に北朝鮮の核問題は能力がもっと強化されていたことは事実であります。ですので、そのまま制裁だけでは、中国も動かない状況の中で、なかなか効果がない。どういうか形で、新しいフレームで、北と接するのか。飴と鞭を両方考える事態になってきたと思います」
反町キャスター
「古森さんの、新しいフレームという形で言うと、北朝鮮は米朝協議を求めている?アメリカは話し合う、米朝協議に応じる雰囲気はあるのですか?」
古森氏
「全然ないですね。それはやっちゃったら、現在それを言っている指導者というのは、核のブラックメールに屈したということになって、中期的、長期的に一切、北朝鮮と話さないというわけではないけれど、やらないでください、やってはいけませんという国際ルールが完全に確立されているなかで、それを敢えて無視してやったという行為に対して、それを褒め称えちゃうような、向こうの要求に応じるということは、認めちゃうということだから。現在の自由な意見が飛び交うアメリカので、特に大統領選挙という国民の動向なるものが重要な役割を果たす時点において、政治のリーダーシップというのは、そういうことはできないですよね。だから、そういうことを狙って、カードとしてやったという見方もありますけれども、核武装をするということは北朝鮮の国是であり、自分達の生存であり、存続のほぼ唯一に近い方法、手段であるわけだから、これは憲法にも書き込んであるような、核武装とか、核兵器開発とあるわけだから、これは流れとしてずっときているわけですよ。だから、それをもしかしたらやめるかもしれないよと。経済援助をたくさんあげたらやめるかもしれないよ。国交樹立の交渉に応じたら止めるかもしれないよということで騙してきたわけですよ、散々に。アメリカが1番騙されて、国際社会が騙されて、ああ、これはいけるなと思うとグルッと反転をして、ボーンとやるとね。これは非常に巧みですよ。だから、アメリカが非常に反省が強くなっていて、当面はオバマ政権、それから、ヒラリー・クリントンが国務長官だった時の責任。李先生がおっしゃった戦略的、日本で、戦略的曖昧性というので、じっと我慢をして、曖昧性じゃない、戦略的忍耐。だから、じっと我慢して黙っていれば、良い方へいくのではないかという戦略、そういう戦略でいきましょうと。ヒラリー・クリントンさんが先頭に立って言ってきたけれど、これが見事に破綻したではないかということで、共和党のトランプ氏とか、マルコ・ルビオ氏という人がオバマ政権、ヒラリー前国務長官の非難の大キャンペーンを始めていますからね。だから、アメリカにとって、もし北朝鮮がこれをやったら、アメリカが軟弱になって、すり寄ってくるだろうと、もし思っているとすれば、これは大きな間違いでしょうね」

慰安婦問題『日韓合意』 完全解決は可能か?
松村キャスター
「先月28日に行われた日韓外相会談は、慰安婦問題に関して、最終的な解決を確認し、合意したわけですが、合意内容を確認しておきましょう。まず日本ですが、軍の関与の下、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題として、日本政府は責任を痛感。安倍総理が心からお詫びと反省の気持ちを表明しました。元慰安婦を支援するため、韓国政府が財団を設立し、日本政府が10億円程度の資金を一括拠出。これを実施する前提で、慰安婦問題の最終的、かつ不可逆的な解決を確認しました。韓国側は慰安婦少女像の扱いは、韓国政府が関連団体との協議を通じ、解決に努力。このようになっています。李さんはどのような評価でしょうか」
李准教授
「現在は冷戦の時代ではないので、どの国でも、国際政治、国内政治は世論というものに左右されますよね。日本だって、日朝関係が世論の問題で進まないこともあるではないですか。だから、今回、この合意はもちろん、日韓国交正常化50周年で少しでも成果があったことは確かです。しかし、この中身を具体的に見ると様々な問題が実はあるわけですね。もちろん、当事者達が完全合意の中に入っている問題もあります。局長会議を10回もやったのですが、実際、当事者は3回ぐらいしか会っていないですし、あと事前、事後の説明もほとんどない。合意したあとに説明した時間があった方が良かったと思うんですね。しかし、合意文を具体的に見ますと、ちょっと書いてあったのですが、実際に、慰安婦問題解決といった時に、大きくな4つぐらいが考えられます。1番目が真相究明の問題ですね。2番目が法的責任ですね。3番目が賠償補償の問題。4番目が再発防止の問題ですね。それをちょっと説明をしますと、たとえば、真相究明を見た時には軍の関与があったというのを認めました。しかし、これは、たとえば、植民地支配による強制動員だったのか。職場、現場の状況だとか、そういう問題には一切触れていないわけですね。責任の問題に関しても、法的責任は、前は村山談話、河野談話の中には道義的な責任という言葉まであったのですが、今回は、道義的な、をとったので解釈が曖昧になって。ただ、道義的な責任はあるのですが、法的責任まで至っていない。非常に曖昧な解釈の形をとりましたね。責任の捉え方も、前は首相の手紙とか、あるいは韓国にいる駐日大使の謝罪とか。しかし、今回は会議場の記者会見で、首相の文書を読む形で、大統領の電話で終わってしまうので、それも実はちょっと残念なところだと思います。賠償補償に関しては、先ほども、財団でということで、民間基金でしたね。今回は、日本政府のお金が入ることは確か。しかし、これはこの共同声明も読んでみるとわかるのですが、賠償金、補償金とかが、実は書いていないです。また、心の傷を癒すということに使う。別の意味で言えば、民間基金は慰労金だったと。しかし、今回はまさに精神的なトラウマを治療するような、こういうような形になってしまったわけですね。もちろん、個人補償の感覚がないわけではないですが、国家賠償という意味で、実は責任としては入っていないです。先ほど、私が最後に申し上げたのは、再発防止ということは、まさに河野談話の中でも教科書にこれを入れて、これを教育していきますというのがあったのですが、今回はこの教育の問題だとか、あるいはそれに関してもっと記憶していくとか、そういうことがまったくないまま、逆に、象徴である少女像を撤去しないと、という話にまでなってしまいますので、これは当時者とかに非常に厳しい案でありまして、また、韓国社会でこの一部の中身を見ると、まさに実質的にあまり成果がないというような反発があるのは当然だと思います」

完全解決は可能か?
反町キャスター
「曖昧な決着をした日韓の判断を是としますか?非としますか?」
古森氏
「是ですよ」
李氏
「1994年以降に、アジア女性基金をつくったのも、1965年の時に解決できなかった問題が生じたので、それを1回合意したんですね。しかし、当事者は受け入れなかった。次の何かを足さなければいけない時代になったので、今回、日韓政府は合意したわけですね。このレベルで最終的、不可逆的な解決の形が本当に正当なのかという問題があるわけですね」
反町キャスター
「地域の安全保障環境が激変する中で、いつまでこの問題にこだわっているのですかと。いろんな問題を見た時に、この問題を棚上げして他の問題に取り組んでいきましょうよという決着の仕方と考えてもダメだと思いますか?」
李氏
「安全保障をいう時に、軍事的な安全保障もあれば、人間的な安全保障もありますね。現在の時代は人間的な安全保障も国益のために大事な時代にきているわけです。たとえば、北朝鮮が核実験やろうが、中国の脅威があろうが、ツートラックでやってきました。人権問題は別の形で時間をかけてやってきたし、軍事的な強化は日米韓の同盟の中でも様々な形でやってきたわけですね」
古森氏
「ツートラックでやっていないよ。事実を曲げてはいけない」
李氏
「国益のために全ての人権を切り捨てるのであったら、日本だって日朝関係の人権問題を10年以上もこだわる必要はないではないですか。なぜ日本社会が北朝鮮を認めないかというと、北朝鮮がそれを軽く見て、片づけようとしたところに、日本社会では1人でも人権を大事にするので、それを認めない。慰安婦問題に関しては曖昧にして、解決してほしいという、韓国社会の中で二重的な側面を日本に見てしまうことは、日韓関係の和解のために実はあまりよくないです。もちろん、国がどこまで民間人の意見を反映していくのか。今回の合意文を、私はこれが完全最終解決ではなくて、これは過渡期的なものだと思います」
反町キャスター
「ゴールポストが動いちゃう」
李氏
「現在、韓国で反対しているのは、当事者と、30代、20代、若ければ若い人ほど、この問題に反対です。現在この時間帯でも少女象像の前に徹夜で座り込みをしながら、反対しています。これはゴールポストが動くのではなくて、その国の外交に、現在は少しでも民主的なプロセスを入れないといけない時代」