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2015年12月16日(水)
丸川珠代環境相に問う COP21交渉の舞台裏

ゲスト

丸川珠代
環境大臣 自由民主党参議院議員
亀山康子
国立環境研究所持続可能社会システム研究室長
澤昭裕
国際環境経済研究所所長

歴史的合意『パリ協定』 COP21交渉の舞台裏
秋元キャスター
「まずはパリ協定の温暖化対策に対する合意内容を確認していきたいと思います。産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑える。また、1.5℃未満になるように努力する。今世紀後半に排出と吸収をバランスさせることを目指す。5年ごとに世界全体の削減状況を把握する。先進国は総量削減目標を定め、発展途上国も削減目標を持つことを推奨する。さらに、全ての国に対して温室効果ガス削減目標の5年ごとの見直しと対策を義務付ける。ただし、達成の義務化は見送りということになりました。丸川さん、会期を延長するなど、各国はかなりギリギリの交渉を行ったと思いますけれど、今回のパリ協定。どう評価されますか?」
丸川環境相
「2020年の後の枠組みというのがまったくなかったところに、私達は、京都議定書の反省を抱えて、そこに臨んだわけですよね。全ての国が参加するということは、特に主要な排出国がきちんと入っているということが、まずもって枠組みをつくるうえで、1番大切なことで、そのうえで、公平で実効性のある仕組みをつくるということを、ずっと我々は主張をしてきました。ようやく196か国、それぞれに立場が違う、途上国もあれば、先進国もあれば、産油国もあれば、森林を抱えた国もある。これが皆1つの枠組みの中に合意したということは、まず素晴らしいことで、これで1つ2020年以降の世界が救われる望みがつなげたということだと思います」

実効性への期待値
秋元キャスター
「実効性という言葉がありました。実効性という観点から、たとえば、今回、提出された全ての削減計画を達成したとしても、この2℃未満に抑えるという目標が達成できないという指摘もあるのですが、そこはどう見ていますか?」
丸川環境相
「実際にINDCと言って、それぞれの削減目標を足し合わせても現在の2℃(未満に)という目標は到達しないというレポートがありまして、そのためにこそ、どうやって自分達の目標を、次に見直す時に引き上げていく仕かけをするかということが非常に重要です。そのために、5年ごとに世界全体の削減状況を把握し、それをきちんと自分達の削減目標の見直しの時に情報として持つということが、協定にも書き込まれています。計画に自分達の野心を引き上げるためにどういう行動ができるかというのが、2020年以降も私達に課せられている課題だと思います」
秋元キャスター
「5年ごとに目標をアップデートして、いかに近づけるかということですね?」
丸川環境相
「そうですね」
秋元キャスター
「亀山さん、ちなみにこの2℃未満に抑えるというのが、達成できないとどういうことが起きるのでしょうか?」
亀山氏
「2℃という温度ですけれども、これをちょびっとオーバーして、急にすごいことが起きるとか、あるいは1.9℃だったら大丈夫だとか、そういうことではないですね。少しずつ温度が上がるごとにリスクが増えていくわけですけれども、それをどこで線引きするかと言った時に、このあたりではないかというので決まったのが2℃です」
反町キャスター
「そうすると、2℃を超えたらすぐ何が起きるとか、2℃を超えられないと今回の取りまとめはそういうものだという。2℃を超えてしまうような今回の取りまとめだから、どうこうとか、そういう物差しで物事を今回見ているわけではない?」
亀山氏
「5年ごとに世界全体で削減状況を把握するというのは、第1ステップとして非常に重要な条項ですし、あと同じ緩和という、その条項の中に5年後の目標は、今回の目標よりも進捗したものでならないというプレゴレーションという言葉が入っています。ああいうことを細かく入れることによって、少しでも現在よりも、さらに、さらにという工夫を入れ込んだのかなと思います」
反町キャスター
「澤さん、環境に関するもの、危機感があるので、皆さん、こういう形で合意したと言いながら、はっきり言って、景気が悪くなったら我先に逃げて、リーマンがもう1回きたらどうするんだと。皆、ボーンと行って、あっという間に戻るのではないかという、この部分の懸念を僕は消しきれないんですけれども、いかがですか?」
澤氏
「環境が大事だと思っている人は、目標を立てることに非常にこだわるんですよ。2℃だとか、1.5℃だとか。我々みたいな経済人的な発想からすると目標にどうやって到達するかのプロセスで、何が効果的なのか、何をやらないといけないのかということが、現実のオプションの中に入っているのかどうかが重要です。そこに相当、考え方の開きがあるんです。だから、今回も2℃と書かれた、1.5℃と書かれたと、はしゃいでいる人がいっぱいいるわけですけれども、では、どうやってやるんだよというのを考えるのは、我々かよ、みたいなことになるわけです。そこの対話がなさ過ぎたんです、これまで。レビューする時に、各国こういう温暖化対策をやったら非常にCO2が減ったと。こういう対策をやったけれども、うまくいかなかった。こういう事例がデータベース化されていくわけですね。そうすると、5年ごとに、仮に見直すにしても、それまでにどういう対策が良い事例として、なされたかというのを世界に広げていくという形で、皆が懲罰をかけるというより、良いやり方があったらまねていこうではないかという発想で、皆CO2を削減していこうねという発想に変わったわけです。ですから、そういう意味では、目標を立てて、そこにいくまでの間、目標に達しなければ、×だとか、罰金をかけるとか、排出権を買えとか、そういう発想ではなく、むしろここにいくために。あなたのところ、こういう努力をやったら、もっとうまくいくよとか、うちの技術を使ったらこのぐらいできるはずだよみたいな発想に変わっているので、その発想が変わったことの…それに正直に、ちゃんとやっていけるかどうかです。また、これは途中で1.5℃、1.3℃にしろという人が出てくるんですけれど、こういうものはちょっと置いておいて、とりあえず2℃のところまでやれれば良しとして、関税協定と一緒で、最後、関税ゼロの世界が1番良いのは決まっているんですよ。だけど、そこに行くまでに、WTO(世界貿易機関)のラウンドで何度も失敗をするんですけれども、飽きずにやっていくということが大事だというところがあって、貿易交渉の方は、うまくいっているわけですね。貿易交渉がうまくいく理由は皆がwin-winになるからです。でも、温暖化交渉は皆、排出削減措置をとるとマイナス、マイナスになる可能性がある。つまり、コストの押し付け合いになるわけです。だから、そういう発想をやめて、先ほど、言ったように、良好事例をまねると得することがある。あるいは資金が得られる。そういう形で、インセンティブをうまくつけていくことが、この枠組みがうまくいくかどうかの分かれ目になると思います」
反町キャスター
「要するに、ビジネスにならなければ、難しいねという話?」
澤氏
「だから、自分達の自主性、つまり、CO2を出しているのは政府ではないですね。企業だったり、家庭だったりする。この人達がCO2を本当に減らすために自分で努力すると得になるという構図をどうやってつくっていくという方が非常に重要だと思いますので、ビジネスのプロフィットをちゃんと上げるというのも、そういう制度設計はしてやらないといけないと思いますね」
反町キャスター
「性善説に基づいた合意ですか、今回は?違いますか?お互い皆、良い空気、きれいな水が嫌いなわけないのだから、お互いちゃんと努力をしていきましょう。そこが多少、技術移転やら何やら、当然あって然るべきだよという話がある中で、基本的に皆、そういうのを求めるはずなのだからという、性善説に基づいた協定ができたような印象というのは、間違いですか?」
亀山氏
「是非、大臣に伺いたいですけれども、裏の交渉は。外から見ていると、お互いが信頼しあわないと合意できないですよね。途上国は」
反町キャスター
「罰則規定がないことが皆良い人だという前提に立っている。これまでのCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の話、澤さんから聞いていると、そんな交渉ではなかったのでしょう」
澤氏
「いやいや、だから、たとえば、中国は、まだデータをちゃんと出していないわけですよ。2030年にピークアウトすると自分達で言っているけれども、そもそも現在、どのぐらい出しているのかもはっきりしないという国も参加せざるを得ないわけですね。そういう意味では、一歩一歩、彼らが逃げて行かないように、性悪の国があるとしたら、それを性善に変えるための装置までつけていってやらないと、うまくはいかないと思います。単に性善説だけではうまくいかないですから」
反町キャスター
「その雰囲気はいかがですか?」
丸川環境相
「技術の進展によって、地球上のどこで、どのぐらいCO2が出ているというのは現在より、もっと細かいメッシュで見られるようになります。そうすると、その国がレポートを出したとしても、それはおかしいねと皆で言えるわけですね。お互いにお互いがそうやって見えるということは、それなりに自分達が、存在感がある国であろうとするならば、それは国際社会の中で、生きていくうえで、ある程度のことはやらなければいけない。国際社会の中で生きていくうえでは、ある程度のことはやらなければならないと。それと、もう1つ、温暖化による影響というのは思ったよりも、はやく進むのではないかと、私は危機感を持っているわけですが、既に私がいない間に東京で25℃の気温があったそうですけれど、現在、何か変だなと感じ始めている。これが1℃上昇するだけでも、たとえば、激しい雨が降ったり、台風が大型化したり、ドカ雪が降ったりということが、実際に起きるわけで、これを地球上の誰もが逃れられない危機だと、感じ取るセンサーが皆についているんだと思います。それはたぶん性善説を乗り越えて、危機の共有だと思います」

日本の温室効果ガス削減目標 省エネ策の可能性
秋元キャスター
「世界のCO2排出量というのを見ていきたいと思うのですが、国の中では中国、アメリカ、EU(欧州連合)、インド、ロシア、次いで、日本は世界第5位の排出国になっています、3.8%ですけれども。そこで、日本はこのような温室効果ガス排出削減目標を掲げています。国内の排出削減、吸収量の確保により、2030年度に2013年度比、マイナス26.0%とするということですけれど、排出量を減らしていくということを考えるうえで、電力について徹底した省エネというのも必要になります。2013年度比で17%電力需要を削減するとしているんですけれども、そのための省エネ対策というのが燃費改善。ハイブリッド車などの燃費改善、次世代自動車の普及、さらには、交通流対策、エコドライブなどの推奨。住宅、建築物の省エネ化。LEDなどの高効率照明の導入。省エネ型家電・OA機器の普及。さらに、国民運動『COOL CHOICE』の推進などということですけれど。丸川さん、このCOOL CHOICEはどういうことですか?」
丸川環境相
「格好いいのクールです。格好いいクールの選択。格好いい選択、賢い選択をしようと。環境にとっていい選択をしようと。あらゆる場面で、それを皆で考えてみようというのが、このCOOL CHOICEですね。現在、省エネ型の家電というような話がありましたけれども、ご家庭で省エネ家電に買い替えていただく時に、前の型と、ちょっと安いから5つ星ではなくて4つ星にしようかなという選択はよくあると思うんです。ここは是非、踏み切って5つ星を買っていただきたいということとか、LEDにそろそろ変えようかな、どうしようかなと…」
反町キャスター
「LEDは高いでしょう。LED電球は何で高いのですか?補助金をつけるとか、そういう話は」
丸川環境相
「いや、LEDに変えていただくことによって、電気代が本当に浮きますから、是非、LEDに変えていただきたいと。それから、リフォームをする時、早目に断熱材を入れていただくこと。たとえば、空気の中から電気で熱を取るような機械を付けていただくと。まだ、蓄電池は高いので、安くなるように我々は努力をしているところですけれども、そうやって自分達の生活を一歩踏み出す時に、賢い選択をしていただくというのが、環境にとって、最終的にはとても良い影響があります」
秋元キャスター
「澤さん、この取り組み、徹底した省エネ対策で目標の達成は可能だと見ていますか?」
澤氏
「積み上げれば、そういう達成が可能にしてあるわけですけれども、現在出てきたやつ全てがコストアップという壁をどう超えるかですね。僕も、環境政策をやっていた時には環境に良いものを買ってもらおうということを経産省も考えていたのですが、コストがある程度高いと消費者は実際に店頭に行った時に選ばないですね。その壁をどうするかという時に、補助金にしてしまうと、結局、メーカーの方がコストダウン競争を含めて、補助金に頼ってしまうということになってしまうと、ここがすごく難しくて、なかなか乗り越えられなかった。仮に創意工夫が、よくわかりませんけれども、あるとしてもですよ。現在言っているやつを、コストアップ分を解消できるほどの良い施策はなかなか難しいと思うので、この省エネ対策は、最終的にそこに到達しない可能性。これを考えておかないといけないと思うんですよ。ですから、そういう意味では、これができないと言っているわけではないんですけれど、できなかった時に、この分は26%からちょっと減っちゃっているので、その分を何で埋めるのかというのと、追加対策をどこで取るのかという議論も一緒にやっておかないとたぶんダメだと思います」
反町キャスター
「現在の話を聞いていると、環境を進めて経済成長するのという、そこに尽きるんですよ。するのですか?」
澤氏
「個人的には無理だと思っています。なぜかと言うと、2℃なり1.5℃なりと決めたのだったら、経済成長が本当だとすれば、うちが最も削減しますというのは、争って出てくるはずですよね」
反町キャスター
「儲かるならね。絶対そうです」
澤氏
「中国も、インドも、日本も。だけど、皆それなりに自分のところはここまでしかやりませんよと出している理由は、コストが結構かかるのを、皆知っているからですよ。だから、ビジネスというのは、あるセクターは儲かるかもしれないけれども、マクロ経済的に見た時に、そのセクターだけで全部引っ張っていけるのかというと、LED1つで、日本経済全体が潤うなんてあり得ないわけですね。だから、そういう意味で、環境ビジネスというのは、ビジネスのある種、一定のセクターのところ、太陽光なら太陽光は伸びるけど、その分、コストが皆で均霑されているので、全体的に見た時、損か得かと言うと、損だとわかっているので、手を挙げないわけです。そういう意味で、環境ビジネスというのは、ある種の幻想だと思いますけれども、でも、CO2削減するのは、ビジネスだけでは判断ができないので、たぶん環境省が非常に重要にしているのは、先ほどから言っているコストと、少しコストをかけてでも環境に良いものを買うべき時期ですよ。そういう時代ですよということを、繰り返し国民に教育していくプロセス。これを是非がんばってほしいです」
反町キャスター
「現在の話いかがですか。国民に覚悟を求めるべきだという意味ですよね?」
澤氏
「まあ、そうです」
丸川環境相
「続かない地球の上に住むために、どんな生活を送りますかと。続く地球の上に住みますよね。企業も同じで、続いて行かない商売を続けていきますか。続いていくように商売をしていきますよねということだと思いますね。現在、家庭の話をしました。確かに家庭の中でバランスさせるというのは高い意識がないと難しいかもしれませんが、企業においてはまだまだ実際に、コスト削減につながるような、そんなに大規模ではない、数十万から数百万ぐらいの投資で、3年ぐらいで回収できるような、ただ、ファンベルトを交換するとか、インバーター化して、そのポンプを使うとか。そういう技術で、どんどんコストダウンをはかりながら、エネルギーの消費も効率が改善していくようなことというのはできるんですね。現在、我々は、たとえば、ホテルだと数百部屋があるようなところを対象にやっていたのを、中小企業をどんどん対象にして、診断をして、まだ入れられる技術がありますよとご紹介をしているんですよ。そういうものが入っていくとまだ暫くは企業の側においてはコスト削減、エネルギー効率化の改善が同時にできる余地は残っていると思っています」
反町キャスター
「そういう提案型で済むのかなという。澤さんの話を聞いていると環境省が嫌がられるような、あれこれ導入しろとか。導入しないで、温室効果ガスの削減に対して、非協力企業の名前を出すとか、そのぐらいのことをやらないと、どこかがやっているなら、うちはやらなくて、儲けるものねという、まさに、先ほどからの性善説です。そのぐらいの、環境というと、きれいごとと言えば失礼かもしれない。でも、皆が幸せになるのならいいよねと。そんなレベルではなく、やれよと。皆から嫌がられるような存在にならないと、この話、進まないような。これは印象論です。違いますか?」
丸川環境相
「ある時点で、この変化は不可逆な変化が起こり始めていると判断した時に、何らかそういう懲罰的なものを導入しなければならない時がくるかもしれません。でも、現在は、まだ私達がお互いにインセンティブを与えあうことによって、前に進んでいけるのではないかと思います。そうでないとビジネスとして、環境ビジネスは考えられないと、澤さんはおっしゃいましたけれども、実際、ビジネスの現場で、そういう選択が取られていかないのではないかなと思いますね」

COP21交渉の舞台裏 中国の本気度と戦略
秋元キャスター
「中国の本気度をどう見ていますか?」
丸川環境相
「今回は中国が暴れなかったと言うと変な言い方ですが、正直そういうふうに振る舞えるポジションにはなかったと思います。と言うのは、他の途上国から、中国も是非責任ある立場でがんばってもらいたい、というような趣旨の発言が実際に議論の場で出たくらいで、中国は現在途上国と横並びで何かをやる状況にないということを、先進国だけではなく、世界がそういう目で中国を見ているということを中国は感じ取っていたのではないかと思います。もちろん、実際に喋ると必ずまず先進国の歴史的責任を、先進国と途上国で現在直面している現実が違うのではないかということは言うのですが、一方で、たとえば、5年のレビューや、グローバルストックテイクについては最初から比較的前向きな言葉が聞けましたし、それから、途上国支援を我々はやっていると、現在の南南協力もそうだし、会談の中でアフリカにおいては50のプロジェクトで600億ドル出していると。我々も意欲を持ってるんだということを、こういう会議の中でも言うぐらい、我々も貢献していくのだという姿勢を出してきているんですよね」
澤氏
「皆、懸念しているように中国経済がダウンの方に向かっていると。そういう背景で、これまで資源エネルギーについて、特に化石燃料の開発について、アフリカ諸国とか、相当投資したわけですよね、中国が。そのキャッシュフローがだいぶなくなってきているんだと思うんですね。アフリカでは、実は反中国運動とかが起こったりして、相当中国に対する反発も強くなってきている。今後、資源開発をやっていかなければいけないような国の経済構造だとまずいぞという意識が相当あるんだと思うんです。だから、今後は化石燃料をどれだけ減らし、省エネや再エネを導入することによって、エネルギー消費構造そのものを変えていかなければいけないタイミングに中国はさしかかっていると。一方で、このCOP21が良いタイミングできたと。実はCOP15の直後に中国は、相当国際的に批判をされて、特に島嶼国、島国の方から中国は酷いではないかみたいなことを言われ、中国の態度について相当批判したので、COP16の前に謝ってまわったんです。そういうようなここ5年間ぐらいの背景がある中で、現在言われた経済が変わったので、全然違う発想で今回は臨んでいると思います」
反町キャスター
「2030年になれば、人口減とかでCO2をつくれない状況になっていくから、ピークアウトだよと言っている印象を受けるのですが」
亀山氏
「おっしゃる通りで、そのような評価をしている声をよく聞きます。それで中国の内部でも目標設定ではいろんなこと言う人が集まるわけで、むしろ2030年よりも前倒ししてピークを打たせることを主張していた中国の専門家もいらっしゃるようです。なので、また、中国も中国で今後見直していく中で、もしかしたらもう少し早くピークを打てそうだとか、そういう話になってくれば、もしかしたら目標を見直すのかもしれません」

COP21交渉の舞台裏 米国の戦略と本気度
秋元キャスター
「今回、アメリカの姿勢の変化をどう見ていますか?」
亀山氏
「1番よく言われているのは、今回オバマ大統領が(任期)残り1年というところで、歴史的なレガシーをつくりたいということはよく言われているところかと思います。ただ、オバマ大統領は大統領として就任した2009年からずっと一貫して気候変動については重要なイシューとして取り上げ続けてきましたので、大統領自体が大きく何か急に変化したということではありません。おそらく大統領の任期の中でコツコツと行政的な措置でできる範囲内で、省エネを進めるとかをしてきたと思うんですね。そこで最後にこういうところで大きく打って出たということではないかと思います」
秋元キャスター
「日本も野心連合に参加しましたが」
丸川環境相
「ここでこうしないと本当にもうあとがないという中で、最後の瞬間まで始まらなかった2時間の間に現在のshall・should問題もあったんですけれども、ある国が留保したいと言い出したんですね。これも最後までいろんな国が、それを取り囲んで話をして、どうするという話をしたりして、COPは最後の瞬間までわからないと、私は先輩の大臣からも、何人からも聞かされていましたので、どうしても合意しなければいけないという機運を高めなければいけない想いに我々も到り、この中に入れていただきました」

途上国への資金支援
秋元キャスター
「パリ協定の途上国支援ですが、他の国も自主的に提供することを推奨という文言があるのですが、これはどういう経緯からここに入ったのでしょうか?」
丸川環境相
「既に中国のお話が出てきましたけれど、我々は、やっているんだということを会談で言うわけですね。インドの環境大臣とお会いしたのですが、資金の提供のお話で、これは先進国だけでない方がいいのではないかと我々が持ちかけたところ、努力する所存である、という答えが返ってきたんですね。我々は支援されるばかりではないと、我々も支援するのだという姿勢を持っている中で、これまで京都議定書の気候変動条約の枠組みでは完全に先進国とそうでない国がはっきり分かれているんです。でも、この2分論ではここから先の温暖化対策には対応できない、それはお互いに支援すること、お互いに資金を出すことも含めてそうであるということを私達はずっと言ってきたわけで、それがそういう形で協定の中に入っているということですね」

温暖化対策の途上国支援『二国間クレジット』
秋元キャスター
「二国間クレジット制度(JCM)の手応えはいかがでしたか?」
丸川環境相
「今回のCOP中に、JCMのパートナー国と書いてあるパートナー国の閣僚級が一堂に介する会をやったんです。大変な熱気で、しかも、本当にありがとうと、この技術をいただいて、サポートを得たことは我々非常に役立っているという話を伺いました。とっても期待されているという実感を持って帰ってきたところです。是非これを協定に入れたいということで、ずっと会議の期間中に主張してきまして、実は資本主義ではない、市場というものをそもそも認めていない国も世界中にあるわけですし、そういう国がある中で、市場メカニズムという形で入ったというのは非常に大きなことだと、大きなあと押しを得たと思っています」
亀山氏
「日本の排出量は世界の割合から見るとそれほど大きくはないので、むしろ途上国の排出量を減らしていくところで貢献することで日本が減らしているということを海外に知らしめることは非常に重要なメカニズムだと思います」

澤昭裕 国際環境経済研究所所長の提言:『イノベーション』
澤氏
「今日議論に出てこなかったんですけれども、パリ協定の最も大きな歴史的な転換は技術開発が大事だということが条文上に認められたということです。これまで京都議定書にはほとんど技術という観点は入ってこなかったんですけれど、中長期の目標を立てて、そこに到達するためには現在の経済レベルを下げるだけでは全然追いつかないわけです。革新的な技術改正が必要だと。これは先進国しかできない話で、政府の今後の国内対策も、このイノベーションをどうやって引き出していくかに重点を置くべきだというのが、私の考えで、それがパリ協定を逆に良い方向にまわしていくと思います」

亀山康子 国立環境研究所持続可能社会システム研究室長の提言:『未来に残したいものは何?』
亀山氏
「私達は普段消費者としてモノを買う時にどうしても安いものに手がいっちゃうんですけれども、車を買う、家を建てる、発電所を建てる、こういったものは現在から20年後でも、30年後でもまだ残っているわけですよね。ですので、30年後に、本当に残しておきたいものを現在私達が本当は選んで買ってかなければいけないと思います」

丸川珠代 環境大臣の提言:『行動あるのみ』
丸川環境相
「2030年26%削減という目標を我々は国際的に公約しているわけですので、そこに向かってあらゆる行動を重ねていくということだと思います」