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2015年12月14日(月)
軽減税率…決着の虚実 食品めぐる論理と政治

ゲスト

片山さつき
自由民主党総務副会長 参議院議員
桜井充
民主党参議院議員 前政策調査会長
小幡績
慶応義塾大学准教授
永濱利廣
第一生命経済研究所主席エコノミスト

軽減税率大筋合意 導入・適用範囲をどうみる
秋元キャスター
「自民公明で大筋合意しました軽減税率の概要から見ていきます。2017年4月の消費増税時に軽減税率を導入する。対象品目は生鮮食品に加工食品を加えた飲食料品全般とし、適用税率は8%とする。酒類および外食は除かれています。税収減は1兆円。財源は2016年度末までに法制上の措置を講じて安定的な恒久財源を確保する。インボイスについては2021年4月に採用する。軽減税率導入から2021年までの経過期間は『みなし課税』などの簡素な経理方式で対応するということですけれども、まずは櫻井さん、そもそも導入したこの軽減税率そのものについて、さらには今回決定をした適用範囲について、どう考えますか?」
桜井議員
「基本的に反対しているので、要するに、その適用範囲がいいかどうかという議論にはまったくならないです。なぜかと言いますと、これはよく言われていることですが、低所得者の方だけではなく、高額所得者の方々も恩恵を受ける。それから、もう1つは税収が減ってしまう。もう1つ、低所得者の方々に対してこれが十分な政策かというと、必ずしもそうでもない。たとえば、生活必需品は、食べ物だけではありませんので、これからの時期になってくると、灯油が必要とか、トイレットペーパーやティッシュペーパーなど。いくらでもあるわけです。あったとすると、そういったものは全部対象外になっています。であるとすれば、我々はずっと言い続けているんですけれども、低所得者の方々にある程度、一定額を給付していった方が、低所得者の方々にとってはありがたい制度と言いますか、本当の意味での低所得対策になるのだと思っているんですね」
反町キャスター
「給付付き税額控除というのは、所得をきちんと捕捉をしたうえで、低所得者の人達に集中的に支援をしていくという方法で、これは民主党が提唱したやつです。それから、今回の軽減税率。なぜ3党で、自公民でやっている時は、両論でいろいろ議論をしていたはずですけれども、最終的に軽減税率になってしまったのか、今回の過程は、なぜだと見ていますか?」
桜井議員
「1つは、これは解決したんですけれども、所得を正しく把握できないという、そういう話があった。ですが、これはマイナンバー制度が導入された。そこのところで…」
反町キャスター
「でも、それはフローだけですよね」
桜井議員
「そうです。ですが、以前よりはできますよねということになってきている。そうであったとすると、あと、もう1つは、政治の世界ですから、公明党が公約しているわけです。公約を守るというのは政党として当たり前で、民主党の私に言われたくないとおっしゃる方はいっぱいいらっしゃるとは思いますが、公約について忠実に実行されるということだと思います」
秋元キャスター
「片山さん、今回決定した軽減税率の適用範囲ですが、その決定をどう見ていますか?」
片山議員
「実は今日、私が遅れて入ってきましたのは、山口宇部空港から今着きました。今朝、総理の地元の下関の市場、生鮮食品ばかりを売っている市場です、魚中心に。そこを歩いたら、片山さん、よくやってくれたと。私がやったわけではないですけれど、軽減税率食品。たとえば、干物から練り物の蒲鉾から惣菜から全部売っている小さな店がたくさん入っていて、それはまた2%上げられたら、最近は物価にしっかりと転嫁しますので、客足が遠のくから、これははっきり消費に影響するので、食料品専門店には良かったと。そこで、確かにお店の中を見ると、加工品なのか、生鮮品なのかを分けようと思ったら、クレイジーになるから、食料品全般というのはある程度、わかり易い分け方だったと思います。それから、エンゲル係数的な考えでいきますと低所得者の方の消費や収入にかける衣食住の中で食費。それから、高齢者の方の同じ食費の比率は高いですから。フランスが1954年に付加価値税を入れたと。当然のように段階税率がたくさんあって、高税率から低税率からゼロまであったと。それはいいわけです。そのあと学者の方が中立性とか、様々な効率性ということをおっしゃったのですが、1991年にマーストリヒト条約でヨーロッパが広がっていく時、冷静な議論をした時、付加価値税はヨーロッパ標準版のフォーマットの中に軽減税率がドンと入っているんです。ですから、必要悪とは言いませんが、この税金というのは、そういう形でないと社会的に成り立たないだろうという前提の下で、1991年の段階で皆、EU議会で決めたと。28か国中、21か国が軽減税率を持っている。フランスの哲学者ではないですが、存在するものには、何らかの社会的意義があるということを考えると、悪いことばかりを言っても仕方がない。上手に活用すべきだと思います」
反町キャスター
「痛税感の緩和というのが、1つのキーワードになっていたんですけれど、今日、市場を歩かれたうえで練り物屋のおじさんが言ったのは、痛税感の話。そうでもないのですか?」
片山議員
「痛税感の話で、この間の3%(アップ)の時、如実に、言われていたよりも、売れ行き(に影響)は出たということは、我が国の、現在のマクロ経済上の天井ですね。その天井が超少子高齢化社会で、これを現在一生懸命に解消するために、1億総活躍をやっていてもすぐに結果が出てこない間に、また、もう1回上げることへの景気への影響を今日、内外調査会の講演で、総理も強調されているし、ずっとそこを1番気にされていますよね」
反町キャスター
「そうすると、情緒的なのもあるかもしれないけれども」
片山議員
「情緒が、実際に消費を落としているということです」

導入による経済効果は?
秋元キャスター
「永濱さん、軽減税率の適用範囲と、その効果、どのように見ていますか?」
永濱氏
「まず一般的に、なぜ軽減税率が逆進性緩和の効果があるかというところをお話させていただきますと、要は、世帯主の年代別の消費に占める、お酒、外食を除く、飲食用品の比率ですが、これが高い方ほど、軽減税率の効果が高いということですけれども」
反町キャスター
「収入に占める消費、飲食料品の支出ですね」
永濱氏
「そうです。全体で見ますと2割ぐらいですけれども、傾向としては、世帯主の年齢が上がることに食料品の割合が高くなるので、軽減税率の効果は高いかなと。これは何で高いかと言いますと、高齢の人ほど、逆に言うと高齢は食品以外にあまり使うところがない一方で、中年の人達というのは教育費とか、そういうのがかかりますから。だから、結果的に食料品の比率が高いということで、消費の金額も少ないということがあると思うので。逆進性の効果という意味でいうと、世帯主の年収、階層別の消費の比率というのがあって、こちらが如実に表していまして、平均だと、先ほど見たように2割ぐらいですが、年収が200万円未満だと3割を超えているんです、食料の比率が。お酒とか、外食を除く。1500万円は15%ぐらいで、半分ぐらいしかないわけですから、一時的に値段が安くなれば、その恩恵は一見、200万円未満の方が受けやすい感じですが、ここに若干からくりがあって、そうは言っても、実際、食料品に使うお金の金額で見ると、所得が高い人の方がたくさん使うんですね。実際に今回の軽減税率、どれぐらい負担軽減効果があるのか。金額で計算してみると、1番極端な例で見ると、200万円未満の人達が、年間0.9万円の負担軽減です。一方で、1500万円以上は1万9000円、負担軽減になるので、そういった意味では、よく軽減税率の逆進性緩和の効果が低いというのが、こういったところに出てくるということです。ただ、逆進性緩和の効果がまったくないわけではないと」
反町キャスター
「その損得というか、損益分岐点というか、だいたい何万円以上ぐらい、何万円以下ぐらいの年収になると、どうのこうのというのは何かあるのですか?この平均が20%ですよね。20%でこの平均だとだいたいどのぐらい?」
永濱氏
「だいたい年収600万円以下ぐらいのところが平均よりも軽減の割合的には多くなるのかなということですけれども」
反町キャスター
「だからと言って、年収600万円以下のところは皆、得する、損するという議論には、これはならないですよね」
永濱氏
「それはなりませんね」
小幡准教授
「1.9万円で倍以上ですからね」
永濱氏
「そうです。ただ、逆に言うと、これによって消費税の、本来、この軽減税率をやらなければ、負担していた金額の割合だけで見ていくと、年収200万円未満の人達は、今回の軽減税率をやることによって、消費税の負担が3分の2に軽減されるんですけれど、年収1500万円以上の人には15%しか軽減しません。そういう差はあるんですね」
小幡准教授
「だけど、そう言われちゃうと、では、軽減税率が200万円以下の人に1人1万円ずつ配ればいいではないかという話に必ずなるんです」
永濱氏
「そちらの方が効果は高いと思います」

国民の生活はどう変わる?
反町キャスター
「給付。所得をきちんと捕捉をしたうえでの、給付ができれば、1番その方がいいのだろうけれど、というのが永濱さん。ただ、これをやる以上はこういう効果があるんだよという話、給付付き税額控除。つまり、所得をきちんと捕捉し、一定の線よりも低い所得の方々には、そこのところに集中的に給付をするという方法が1番良いというお話にはなるんです。自公の調整の中でというか、自公ですね。与党がなぜ給付付き税額控除をとらなかったのか。そこの部分。いろいろ理由はあると思うんですけれども、我々はどう理解をしたらいいのですか?」
片山議員
「マイナンバーも3党で合意いたしましたが。マイナンバーを仮に入れ、それが相当成熟したとしても、本当に困った人なのかを把握できる状況にならないという、不公平感ですね。つまり、これだけ進んだ国で、230万人の生活保護者の中で、調べれば、調べるほど、どうしてエッという例がどれだけ出るのかということですよね。つまり、低所得者の所得の把握がまったくできない。できていないという状態。まったく申告をする義務のない方がたくさんおられるという状態の中で、公平、正確に、いかに低所得かが把握できない。それをきちんと行政上担保もできないというのは、税と社会保障の一体改革の時に、私は、野党の立場で、テレビで質問して、当時の財務大臣、当時の総務大臣、双方が現状、当面、無理ですとはっきり答えておられるんです。正確にグラデーションをつけ、低所得だけど、ちょっとだけ足りない人から、まったくないところは生活保護を受けるので、これは給付対象外でしょうから、そのへんの調整も含めて、やりきる実務を現在担う状況にない」
桜井議員
「そこはおっしゃる通りですが、そこまで正確にやるかどうかの話であって、ある程度のところで。ですから、我々、当時、簡素なという言葉も付けていましたけれど、全部が全部きちんと把握する。そこまでできないかもしれないけれど、現在言ったようなやり方にした方が食料品以外のところでも、かなり消費をしてくれますから、そういったところに手当をしていくためには、私はある程度こういうやり方で配っていった方がいいのではないかと」
反町キャスター
「片山さん、400とか、800とか、いろんな数字があるんですけれども、いわゆる事業者の人達のコスト、負担と、これは公明党が言うのですが、事業者の負担を考えるのか、1億2000万人の人達に対する消費税率の軽減をはかるのかという、この議論になるのかどうかも含めて、現在の桜井さんの話、どう感じますか?」
片山議員
「まずその議論になるんです。税調の中にも、あるいは税調の平場の議論でも、非常に多くの中小零細企業者の団体が実務上の負担で難しいと。まず日常業務で商品管理を仕分けしなければいけないというのと、その区分経理に基づいて、今度は納税する方の納税実務があって、納税実務の方は今回、本日たぶん発表があったと思うのですが、インボイスの導入は当分先で、それまでの間は、みなしであり、そのみなしも相当簡素にした、仕入れの部分でみなすと。仕入れ部分で売上げも10%なのか、8%なのかで、みなすと。それも課税年度が終わったあとで仕入れ業者が仕入れ時に仕分けをしてくれない可能性もあるから、あとでできませんでしたと言っては、現在でいう簡易課税的なもの。簡易みなし課税に、その時、変えても結構ですという方向なので、そこはそこで百歩譲って、ああそうか、ということはあるのですが、日常わかりやすい形でいうと、レジはPOSレジにしないと難しいよね。でも、POSレジが入っていない小売事業者が少なくとも20万。もっとあるかということになると、では、POSレジを入れるための特別減税をするかとか、あるいは納税遵守コストの助成をするかとか、まさにそのことだけを理由にして廃業するようなことが絶対にないような形でやろうねという万全の体制を組みたいということですよ」
桜井議員
「ですから、現在のでも結局、所得のところが十分に把握できません。それもその通りです。だけど、現在の部分も十分に把握できないので、簡単な形でやりましょうと。簡単な形でやりましょうというのは所得把握なのか、それとも現在のような売上げのところなのかと。そこのところだけだと思います」
反町キャスター
「どちらで簡素化するのかという話ですか?」
桜井議員
「そういうことですね。だから、どちらかで簡素化してやって。どちらもこれまでちゃんとやれていないです。ですから、その部分で繰り返しになりますが、所得の分については簡素化して、そこについて給付をしていくというのと、あとはどちらがいいかということだけの話だと思います。どちらも良い点もあれば、問題点もあるので、それで、あとは皆さんがどう思うかということだと思いますけれど」

『軽減税率』による税収減 財源どうする?
秋元キャスター
「軽減税率を導入することによって、財源減収についても考えなければいけないのですが、自民公明両党の間で議論されてきた軽減税率の適用範囲ですけれども、当初、自民党が訴えていたのは、精米を含む生鮮食品で線引きをすると、およそ3400億円の減収となります。また、一時議論をされていました酒類を除く飲食料品と外食を含める案ですと、およそ1兆3000億円の減収になります。今回合意に至ったのが生鮮食品プラス加工食品への適用ということで、およそ1兆円の減収ですけれども、最終的に酒類、外食を除く飲食料品全般に一律適用することで合意したわけですが、片山さん、そうすると、この減収分のおよそ1兆円というのは、財源の捻出は現在のところ議論はどうなっているのでしょうか?」
片山議員
「一時、いろいろ報道も出ていましたが、現在決まっているのは、税源、財源については来年度中に必ず見つけ出すと。きっちりと確保をすると。ですから、財政赤字、プライマリーバランスの解消に向ける道筋は変えないと。それはきちんとやっていくと。責任を持って財源も確保するということが決まったのですが、これは二階総務会長が昨日か一昨日おっしゃっていたのは、この議論をあと1週間前倒しでできていたら、つまり、税調の議論が閉まっていなかったわけです、他の部分で。これはあとに来てしまいましたので、いくら何でも、税は民主主義そのものですから、代表なければ課税なしですから、少なくとも与党の税調で、ばしばし、いろんな各税の議論をしていた間に、この話で合意できていれば、もう少し書き込めて、余地があったのかもしれませんが、ほぼそれ以外について消費税のところだけ白紙で、同意が取れてしまった段階ですよ、まず我が党内でもそうですが、公明党もほぼ同じペースでやっておられますので。ですから、残念ながら、そこまでできなかったのですが、確実に責任を持つということで。そうでないと、国民の皆さまがこうあってほしいという社会保障の充実。1%分あてる充実。これに食い込むことはしないと。赤字先送りもしないということは決まっているので、それは2017年の4月に先立って、準備できる形で財源を確保するということです」

『安定的な恒久財源』とは?
秋元キャスター
「自公の合意によりますと、税収減は1兆円。法制上の措置を講じて、安定的な恒久財源を確保するとあるんですけれども、これはどういうことが考えられますか?」
片山議員
「それは、どういう税目だということは書けませんね。税調で、まずその議論をする前に、来年の税法を書かないといけないですから。ここでそろそろ時間切れなわけですよ。余談をするわけではないけれど、きちんと法律でこれまである既存の税であれば、税率を上げるなり、対象を拡大するとして、きちんとその時々の景気の増減で出てくる、増収、減収ではなくて、制度的な財源が必ず毎年、確実に出てくるものにすると、新税であればつくると。そういうことの表明ですよ」
反町キャスター
「安定的恒久財源は…」
片山議員
「だから、ステイブルな、法制上の条文にその分、確実に財政上の収入が上がる措置を書いてあるということですね」
反町キャスター
「安定的な恒久財源というのは、1番わかり易いのは、消費税が1番安定的恒久財源ですよね」
片山議員
「消費にかかる税だけではなくて…。きちんと」
反町キャスター
「一般的に言われるのは、消費税は非常に景気に左右されにくい、電力バランスにおける原発みたいなもので、バチンと常にだいたい同じぐらいですよね」
片山議員
「消費の加法法則性がありますから。別に、それはイコールそうと書いてあるわけではないですよね」
反町キャスター
「これは議論の方向性として片山さんご自身の考え方で結構ですけれど、消費税の上がり方、全部で14兆円?」
片山議員
「1%で2.8兆円。これは軽減税率なしの時に」
反町キャスター
「この14兆円の時に、この中で一応、議論になっているのは、総合合算制度、0.4兆円が今回おそらく1兆円の原資に組み込まれるだろう。残り6000億円をどこから持ってくるかという時に、ここから持ってくる可能性も、これも消費税の中ですから、あるかどうか。そこはこれからの議論になるわけですか?これも安定的な恒久財源の一部ですよね?」
片山議員
「借金の圧縮化の部分ですか。でも、そこを変えてしまうと現在、予算編成期に出している財政赤字縮減への道筋を計算し直すことになるから、そこを現在言わないと。そういうことはしないという意味だと、私はとっていますが」
反町キャスター
「桜井さん、税の議論をする時に、まさに片山さんが言ったのですが、二階総務会長も昨日、言っていたんですけれども、減税が決まって、その財源が決まっていないというのは、ある意味、異例の事態。自民党のこれまでの税の歴史においても比較的めずらしいパターンだと思う。どう見ていますか?」
桜井議員
「こうやって決められたのであれば、どこかから、あとから持ってこなければならないです。我々の望みとすれば、政権を失ってまで、消費税の引き上げを決めさせていただいたということからすると、社会保障についてきちんと手厚くしてほしいし、借金がこれだけ膨らんできて、中央銀行があれだけ(国債を)買ってしまって、もしも本当に破綻するようなことになってしまったら大変なことになりますから、黒田さんがちゃんとおっしゃった財政再建をやってくださいねということですから。この2つを守ってもらいたいと思います。そうすると、実は世の中にすごく余っているお金があるわけです。それは企業の内部留保ですよ。そこに課税するも、何もないですよ。何かに使ってもらえるのだったらいいですよ。どうして、こうやってどんどん余裕があるところに、私は共産党ではありませんが、だけど、つまり、どこも皆ないです。だけど、民間に多額に余っているところがあるんですよ。300兆円を超えているんです。これは法人税を減税し、それがどんどん社会にまわってくれるのだったら、それは良いわけです。だけれど、今回の法人税の減税は、一方で、設備投資を行ってきた時には、これは100%減価償却をしますと。簡単に言うと、設備投資減税を認めてきたわけです。お金を使ったところに対して減税をする。研究開発をやったら減税しますよと。これは当然、良い政策だと思うのですが、一方で、何をしなくても法人税減税をしますからね、としているわけですよ。これが本当に給料にまわるとか。もっとお願いしたいのは是非、大企業の利益の一部でいいから、中小企業にまわしてもらいたいですよ。その分が内部留保にいかないで、中小企業の利益が上がってくれば、地方で働いている人達の給与が増えますから、地方経済が良くなるんですよ」

財源どうする?
桜井議員
「ちょっとお伺いしたいことがあるんですけれど、企業の内部留保の適正価格はいくらぐらいなのでしょう?つまり、世界どこもですよ、国家の財政というか、皆どこの国も悪いわけですよ。民間企業は金余りですよね。これは世界全てです。もういい加減、そのバランスをとっていかないと何ともならないでしょうと。たとえば、1990年でバブルが崩壊した時の企業の内部留保は127兆円ですね。個人の金融資産が約1000兆円ですよ。現在、企業の内部留保は300兆円を超えて約200兆円増えました。個人の金融資産は1600兆円を超えて、これを合わせると800兆円以上、実は民間側にシフトしているんですよ。経常収支が黒字ですからね。その分を除けば、どれぐらいになるのかをもうちょっと計算しなければいけない。だけど、その分、結果的に国家は赤字になっているんですよ。ですから、結局社会保障のところで現在行き詰まってきていることは、いったい何かと言うと、現在のように民間の方に金がシフトしていって、国からのいろいろな公共サービスとか、公共投資もあれば、現在の医療や介護というのも公共の投資ですから。そういったものについて、支出が多過ぎているから、こういうことになってきているわけですね。あるところで民間と国とのバランスをとり直さないと、国家そのものが破綻するのではないかと心配しているんです。ですから、経済活動を重視していないわけでも何でもありません。内部留保は必要だと思います。企業が設備投資する際にある程度蓄えておかなければいけない。危機的状況になった時のために内部留保を置かなければいけない、100%認めます。だけど、それはいったいどの程度が適正なのかという話ですよ。あまりに貯め込み過ぎているのだとすれば、国がまったく金がなくて、現在どうするのですかという議論をしているのであれば、そちら側から少しぐらい出してくださいよと」
片山議員
「それについては、まず今回法人税を確実に20%台に下げるという時に経団連と議論をした際に、内部留保の中から、企業の方がまさに少子高齢化対応のために、女性が働きやすくするために、保育のために支出をすると、それも1000億円ぐらい。そういうことも含めて、まさにお金が生きるように、1億総活躍に生きるように、内部留保を使っていただくように誘導させていただくと、つまり、賃上げもやっていただき、投資もやっていただくということに合意していただいて、ただ、何もなしでは進まないでしょう、特に中小企業以下は、と言うことで、新規投資については固定資産税を初めて軽減するということ、もちろん、その分必要なお金は国から地方に補填しますが、固定資産税を軽減するということもやる。それから、お給料を上げていただいたら減税するという制度を我々は導入しているわけですよね。それを使いやすくするとか。そういうこともしているのですが、今回外食についてはいろいろな考えで軽減税率にしないことにしました。これは中小零細の外食産業としてはショックで、私は生活衛生同業者の、お寿司とか、麺とか、飲食の顧問をやったり、推薦議員になったりするのですが、僕達は政治力がないよねと言って皆、落ち込んでいるのですが、日本人が個人消費を増やせる状況かというと、これだけのことをやっても、この状況、人口超高齢化の頭打ちがあるからなかなか難しいということになると、会社として個人消費的なものを使っていただくように交際費についてもあまりうるさいことを言わずに一定割合を認める。そういうことにしないと、個人のお財布から出すということだと限界がある感じの消費傾向の国です。そこはこれから次の一手が必要だと思います」

諸外国の軽減税率は
秋元キャスター
「海外でのシステム、どういうメリット、デメリットがあるのでしょうか?」
小幡准教授
「メリットは経済的にはないです。納得感が得られるという、増税に対して。増税する時に食料品だけはまけてくださいとか、逆に下げていく例もありますから、ゼロ税率にしますとか、日本で今後起こり得ると思うんですけれども、そのためだけに下げているということなので、日本はこれまですごく幸運だったと思うのは、2つ幸運なのは消費税率が低くて済んだ、済んでないという議論もあるんですけれども、そうなのだけれども、経済からしてみれば消費税が20%超えているというのはヨーロッパ、日本もいろいろダメだって言いますけれども、アメリカは例外とすれば、先進国の中で最も活気に溢れている経済ですよね。ですから、消費税率が低かったおかげで経済も良かったわけですし、低いおかげで軽減税率の議論もあまり5%とか、8%でやってもということで、出なかったので、それよりも上げることに対しても痛税感が強すぎて、皆、反対していたわけですけれども、だから、幸運だったってことですね。これから上げていく時には、皆さんの納得を得るためには仕方がない。悪い言い方をすれば、選挙前に増税が決まっていますと。選挙の時に、お前、どういうことやってと言った時に、いや、どうしても社会保障のために必要ですと。でも、必要な分は軽減税率でやっていますというのが1番説明しやすいではないですか。何か他のものだと関係がない人もいっぱいいるので、消費税率を上げる時に全員に対して軽減税率する、低所得者以外にも全員への恩恵が及ぶから、納得は得られやすいですよね。1番安直ですけれども、1番の問題は20%になった時というか、これから上げてく時に、たとえば、8%据え置きでも、要は、1兆円減税になるわけですよ。10%から12%に上がった時に8%据え置きだと、1兆円の減税だけれど、そんなの当たり前じゃんということで、痛税感の緩和にならないから。政治的効率としては、今回1回のためにこれを入れて、今後上げる時にまったく効かないという意味で、政治的コストパフォーマンスも1番悪い…」

参院選対策か
反町キャスター
「来年は参議院です。軽減税率の導入、1兆円は参議院選挙には追い風になりますか?」
片山議員
「追い風というよりは、2017年4月に財政上の責任を持つために上げます、と総理が断言されている、ご自身もおっしゃっているように、その分のアゲインストをある程度緩和する意味はあると思います。町の商店や主婦の皆様相手にずっとお話をしていく時にわかりやすさはあります、食品全般だと。その分は確かにあると思います」
反町キャスター
「民主党としては脅威になるのですか?」
桜井議員
「現在のところは何と言っても安全保障のところで、我々は選挙を戦っていくのだろうなと思っていますから。それはいろいろありますし、テーマはいろいろありますから。ここのところはいろんな場面で選挙協力をしていくことになってくると、これが1番わかりやすいテーマになるのだろうと、そう思います」
反町キャスター
「安保法制ですか?来年の参議院選挙は?」
桜井議員
「わからないのが、ウルトラCは、消費税を先送りしますと言われた時にどうなるのかとか」

永濱利廣 第一生命経済研究所主席エコノミストの提言:『アメとムチ』
永濱氏
「どういうことかというと、私は今回の税制改正大綱でちょっと不満だったことがあって、参議院選挙を控えているから仕方がないのかもしれませんけれど、減税のアメが並んだんですね。議論から言うと、私は女性の社会進出を促すうえでも、配偶者控除の見直しとか、このへんまで踏み込んでほしかったんですけれど、できなかったということからすると、もしかしたら次の税制改正大綱で配偶者控除の見直しが進めば、もしかすると、軽減税率の財源になるかもしれないですし。加えて、アメとムチというのは将来インボイスを導入したら、私は消費税の引き上げと軽減税率の引き上げというセットの可能性があるかなと。今回、消費税で1番我々が実感したのは一律で全部税率が上がっちゃって、逃げ道がないと、いかに経済の影響がでかいかというのがわかったわけです。そうなると、インボイスを導入したうえで標準税率の引き上げと軽減税率の引き下げ、両方1%。片方の標準税率1%上げて軽減税率1%下げても2.3兆円の税収が増えるわけですから、そういうやり方も将来的には、そういった意味で、アメとムチというのがあるのではないかなと」

小幡績 慶応義塾大学准教授の提言:『軽減税率は増税への道』
小幡准教授
「ゴールを見ると、要は、8%の軽減でいけば、たとえば、20%が標準税率で軽減税率8%という組み合わせか、一律15%、この2択になるわけですね。どちらがいいかという問題で、いったん軽減税率を入れちゃうとやめられないと思うんです。既得権益みたいなもので。軽減税率をやめますと言うと、反対が生まれますから、そうすると、下げていくしかない、逆に言えば。そうなっていくと1度今回のために、今回の選挙のため、今回の痛税感緩和のためにかわかりませんけれど、入れたことで永遠にそれは残り続けるわけです。そうすると、結果的に帳尻合わせるには消費税の減税は消費税でやらなければいけないので、結局、消費税の最終ゴール地点が上がるだけだと。だから、軽減税率を入れたことによって、20%というか、増税がよりはやまるだけだなと思います」