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2015年12月7日(月)
大詰め!軽減税率論議 線引き・財源・目的は

ゲスト

片山さつき
自由民主党総務副会長 参議院議員
大串博志
民主党国会対策副委員長 衆議院議員
森信茂樹
中央大学法科大学院教授 東京財団上席研究員

『軽減税率』与党協議 なぜ難航しているのか?
秋元キャスター
「今週10日の木曜に予定をしています税制改正大綱決定までに合意することを目指し、大詰めを迎えています軽減税率の与党協議ですけれども、これまでの経緯をこちらで見ていきたいと思います。まず2月9日。与党税制協議会で軽減税率について議論が開始されました。10月14日、野田毅氏に代わり宮沢洋一氏が自民党税制調査会長に就任をします。11月19日、この軽減税率が、自民党の谷垣幹事長、公明党の井上幹事長の協議に格上げされます。今月の4日。自公幹事長が訪問中の北京で協議をしました。今月の10日、木曜です、税制改正大綱取りまとめが予定されているということですけれども、まず片山さん、およそ10か月にわたって協議が行われてきたのですが、未だに協議が難航していますけれども、公明党と自民党、どこに折り合えない部分があるのでしょうか?」
片山議員
「これは2%消費税を上げると総理が言い切っていると。それまでに景気は回復させる。その2%を乗り切るために痛税感がどこまでない方がいいかというのが、私は究極の選択肢だと思いますね。痛税感ができるだけないためには、軽減税率は広い方がいいと。公明党の考えはそちらの方ですよ。自民党の方は何とか他の景気対策で乗り切るかどうかして、現在の財政、いわゆる健全化の枠組みをいじらなくていいやり方でやろう。そちらですよね」
反町キャスター
「それは現在の2%が景気に対する影響はどうなんだという話ですよね。それで言うと、つまり、2017年4月に2%上げる前提で考えた時に、前回、3ポイント上げた時にも景気が急速に瞬間ではあったかもしれないけれども、減速をした。今度の2%の上げというのもかなり景気に対してマイナスの影響があるのではないかと。それを緩和しなくてはいけないというマインド、考え方もあっての軽減税率の議論だという意味ですか?」
片山議員
「公明党さんのご主張を私が申し上げるのもおかしいかもしれませんが、ただ、今日は与党側から私しかいませんので、痛税感という意味では、軽減税率を増やしますと。その対象物品は、いわゆる消費税を理由にした転嫁で物価が上がらないですね。ですから、私もいろんな中小企業団体にご支援いただいているのですが、商店街の中でも、生鮮食料品だけのお店とかは、あるいは仲卸とか、水産、八百屋は賛成の団体も少ないけれども、あるんですよ。それをこれ以上、また2ポイント上げられたら、また、売れないよというのがあるから。大手スーパーはいいかもしれないけれども、専門店は。その感覚でいけば、公明党さんがおっしゃっていることはわかるのですが、広げれば広げるほど関与する中小企業、零細企業は多くなって。昨日、中小企業庁と話をしたのですが、現在でもPOSレジを入れていなくて、値段と商品ごとに全部こうなっていて、ポンポンと押すとできるようになっている。普通のスーパーに皆あるのですが、POSレジを入れていらっしゃらなくて、かつ消費税の免税対象ではない小売の事業者。おそらく20万店舗以上あると。そこに全部、今回これを入れるのであれば、たとえば、POSレジ買ったら、全部、それは即控除とか、あるいは補助金とか、そこまでやらなければ無理だろうという話をしたところです。そのぐらい影響があるわけですよ。そこの考慮ですよね」
反町キャスター
「痛税感。感という言葉で言うぐらいに、極めて感覚的なものなのかなという。それが、たとえば、2%、一部食料品が8%のままでいることによって、たとえば、2017年4月以降のプライマリーバランスの問題だとか、景気全体が600兆円どうのこうのとか。そういうものに対してメインエンジンとして働くほどのものなのかどうかは?」
片山議員
「それは現在、車体課税の最終段階の調整をしていますが、あそこまで響くと思わなかったですね。特に、軽自動車は全然売れ行きが戻らないし、普通車だって鈍いんですよ。私は現在、1億総活躍は絶対、日本の成長を上げるには必要だと言っていますけど、ここですよね、つまり、日本の人口、労働可能人口は、マイナス0.5%ずつ減るわけですよ。これを何とかカバーするために女性にも働いていただき易くし、あるいは中高年の離職を減らし、あるいは健康でいていただいて、シルバーに働いていただく。これをやらないと日本は成長しないですが、これをやっていく過程においてまだ潜在成長率が低いでしょう。だって、ここが増えてこないのだから。その間に消費税を上げるということは、普通の国で消費税を上げるよりもこの痛税感で本当に消費減になっちゃうということを我々は経験をしてしまったんですよ」
反町キャスター
「それだったら、上げなければいいのではないかという話にはならないのですか?」
片山議員
「ただ、でも、現在上げておかないと、財政再建と二兎を追うと言っている安倍政権の、アベノミクスの根幹が崩れちゃいますから」
反町キャスター
「大串さん、ここまでの話いかがですか。上げなければいけないんだけれども、上げると痛税感が広がって、景気が減速につながるような日本の特殊事情、人口減もあって、では、どうするのかという、1つの妥協の策として、少なくとも痛税感は減らすような形の軽減税率という議論だったんですけれども」
大串議員
「もちろん、景気と財政の両立を追わなければいけない。非常に厳しい課題というのは非常に私達もよくわかります。そのうえでやっていかなければならない課題ですけれども、今回の消費税の痛税感をなくしていく。特に低所得者の皆さんの手元において、それが顕著なわけですから、痛税感は。それをなくしていくという観点からすると、私達はこの複数税率、軽減税率よりも、私達、ずっと述べてきましたけれども、給付付き税額控除の方が正しいのではないかと現在でもそう思っています。それは3つの理由があって、1つは、より低所得者の皆さんをターゲットにされている。つまり、軽減税率は、高所得者の皆さんもそれなりに食料品はお買いになりますから、軽減税率による恩恵は高所得者の皆さんにも相当大きく及ぶことになるんですね。だから、IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)の調査でも、軽減税率みたいなものは高くつくんだと。フォーカスが効いていないのだと言われています。そういった点からすると、より低所得者の方々に厚く支援をするという意味においては給付付き税額控除の方がいいという点が1つ。もう1つは、中小事業主の方々も含めると、手間という観点からすると、軽減税率は相当な手間が、今回議論されている簡易な方法をもってしたとしても、相当あるのではないかというふうに思います」

『軽減税率』対象品目 『綱引き』のあり方
秋元キャスター
「軽減税率の与党協議ですけれども、最大の論点となっていますのが、軽減税率の適用範囲、線引きの問題ですけれども、この点に関して先月末、FNNの行った世論調査によりますと、自民党が主張する生鮮食品のみ14.8%。生鮮食品と麺類等一部の加工食品15.2%。公明党が主張する酒類を除く全ての食料品25.0%と最も多くなっているわけです。この世論調査の結果について、公明党の山口代表はフジテレビのインタビューでこのように話をしています。世論調査で酒を除く食料品が最も多いことについて、『国民の素直な思いは極めて重要だ。これを無視すると経済全体に影響がおよぶ可能性が大きい』ということですけれども」
反町キャスター
「有権者と話をした時に、軽減税率に対する期待度とか、受け止めは、どうですか、片山さん」
片山議員
「いろいろなところで聞いてみると、食品は軽減税率にした方がいいですかというのを、普通の方、中小企業、零細企業業者の団体の方ではない方では、ありがたいと。○です」
反町キャスター
「それは、いわゆる事務的な手間がかかる側からすると、いきなり×がいっぱいになっちゃう」
片山議員
「ですから、ある方がおっしゃっていましたけれども、自民党は消費者の方をより向いているのか。あるいは業界団体を向いているのかととられないように、この話をしなければいけないということはあって。ただ、中小、零細事業者というのはこの国の事業者の中で相当な多数である」
反町キャスター
「それは中小の零細事業者は全部で300万とか、400万とかそれぐらいですよね」
片山議員
「そうです。ただ、免税事業者も多いですから」
反町キャスター
「その人達を対象にするのか、ないしはそれを引いた残りの1億人以上の人達を相手にするのか。どちらを見るのかという選択だという。これは、あまりにも荒っぽい言い方ですけれども」
片山議員
「ただ、それはそのへんを問われてしまいますよ。この件に関して、執拗に、何度もいろんな形の世論調査が行われて、我々もそうやってお話しても、ほぼ同じ比率で賛成が多いですから」
反町キャスター
「ただ、その一般の人達で、食料品がそのまま高くならないことを是とする人達も、結果的に、それによるマイナスの効果みたいなものの議論というのは、そこは浸透しているのか。そこはどうですか?」
片山議員
「それはそこまでしていないです。ですから、税と社会保障の一体改革が全部セットで、たとえば、40万人の保育を50万人にして、できれば、60万人にしたいので、できればあとどのぐらい要ると。基金を500億円ではなくて、1000億円にしたいねという時に、ここが減っちゃうと、あとは赤字に頼るんだよという、そういう選択で設問をしてくださらないわけですよね」
反町キャスター
「それは世論調査?僕らの話?」
片山議員
「それは、反町さんにそこまで要求するのもお気の毒だと思いますし、どこの新聞もそこまで細かく聞けないですから、実質、現在問われているのは、視聴者の皆さん、そこであるんですよ」
反町キャスター
「たとえば、有権者に対して、そこまで説明をして、一般有権者ですよ。そこまで説明をした時に、それでも、片山さんの肌感覚で言うと、一般有権者の大多数は、それでも軽減税率はいいよねという感じですか?どうですかね」
片山議員
「それは結局、我々は税と社会保障の一体改革で何年もの議論を重ねて、やっと3党合意をしたと。つまり、民主党さんにまた話をふって悪いけれど、打ち手の小槌の埋蔵金はあまりなかったと。それで増税をしなくても社会保障が充実できる、借金が返せると、年金の国庫負担が2分の1の財源が安定化するとか、ということの中でギリギリ固く見積もれる恒久財源をとって、5%の14兆円分をとってつくったんですね。だけど、国民の皆さんは、そこに私達が関与をしていないと。この14兆円の外に何かあるのではないのと。何かあるのではないのという感覚は皆、まだお有りですよ。だけれど、その議論を何年もしてきているから、政治の方の側から長く携わっている方であればあるほど、そこから外に出られないということですね」
反町キャスター
「大串さん、いかがですか?有権者の方と話をする機会があると思うんですけれども、その中において軽減税率の人気度」
大串議員
「私は、そもそも社会保障と税一体化改革を説いた時の、国民の皆さんの反応からずっと連続して感じるんですけれど、先ほどのアンケートにあったような問い合わせをすると、先ほど出ましたけれども、より幅の広い軽減税率の範囲の方が良いという意見が圧倒的ですよね」
反町キャスター
「うちの世論調査でも60.6%ですよ。軽減税率賛成というと」
大串議員
「基本は、普通に聞くと、生活に必要なものは低い税率の方がいいよねという、非常に平明な答えが返ってきますよ。間違いなく返ってきます。税は低い方がいいよねということで共通する。それでいいのかという話ですね。だから、現在の財政のこととか、あるいは社会保障のことも考えていくと、社会保障と税の一体改革をやろうという話を3党でしたわけではないですか。そこをきちんと説明していく責任が政治家にはあるだろうと思うんです。その時に、痛税感を和らげる方策の1つとして、軽減税率もあるけれども、その他、私達の言っているのは給付付き税額控除もある。私は、給付付き税額控除というのは軽減税率に比べると、より低所得の方々に焦点の効いたものになるんですよと。軽減税率だとより高所得者の方もそれだけの恩恵を受けるんですよということを説明すると。あっ、そうかと言っていただける機会は多いです。そういうことも含めて、政治家が責任を持って説明していくべきことなのではないのかなと私は思います」
森信教授
「1つ、この問題の背景にあるのは、これは言っていいかどうかわかりませんが、新聞が、軽減税率のスポンサーですよ。だから、これまで新聞紙上で消費税の負担軽減は軽減税率をやるのがいいのか、給付でやるのがいいのか。そういう対論みたいなことをしたことがないですよ。私は、何回も新聞社に、いろいろな記者に言っているんですけれどもね。新聞はずっと軽減税率を担いでいるものですから、軽減税率以外の案は紙面には報じないですね。だから、民主党案だから、自民党も政権交代で葬ってしまった。給付付き税額控除というものは決して難しいものではないのですが、カナダはやっているわけですよ。しかし、中身が国民にはまったく説明されていないです」
片山議員
「いや、それは森信先生、私は、まさに野党時代に予算委員会で、民主党案の問題を突く質問をテレビで何度もやっているのですが、フランスというのはああ見えて全員申告義務がある国ですよ。でも、日本の税務署は、還付、医療とか、住宅の。それも含めて2000万人ぐらいしか税務署に行かないです。500の税務署に。そこに現在の、たぶん給付付き税額控除の対象と考えているところが全部くると、4000万人ぐらい行ってしまうんですよ。私は、その質問を、安住財務大臣と川端総務大臣にテレビ入りで、現在の状況で、あなた方の行政で対応できると自信を持って言えますかと言ったら、財務大臣も総務大臣も現状ではできませんと答えましたから。つまり、1万5000円を配るならできるんですけれども、所得が平均に比べてどのぐらい足りないから、グラデーションで、比例でやるわけですよ。300円の方から3万円の方までいるわけですよ。これを全部、正確に把握しようとすると、できない」
森信教授
「一言いいですか。現在カナダでやっているのはグラデーションではないですよ。定額ですよ。1人あたり」
片山議員
「でも、税額控除は定額ではないでしょう」
大串議員
「だから、給付付き税額控除にはいろいろあると、私は思うんです」
森信教授
「いろいろあるんですよ」

『軽減税率』による税収減 代替財源は
秋元キャスター
「軽減税率の適用範囲によって国の税収がどのぐらい減るかというのをこちらで見ていきたいと思います。まず生鮮食品、精米を含むものですと、およそ3400億円の税収減になります。生鮮食品プラス菓子類、飲料を除く加工食品ですと、およそ8200億円。生鮮食品プラス飲料を除く加工食品ですと、およそ1兆円の税収減と。酒類を除く飲食料品、外食も含むものですと、およそ1兆3000億円の税収減と言うことなのですが、片山さん、自民党が主張する生鮮食品のみにこだわる理由は税収減を抑えたいということだと思うんですけれども、公明党が主張する酒類を除く飲食料品、外食を含むだとおよそ1兆3000億円の税収減になるわけですけれど、なぜそれでも軽減税率を公明党は求めてくるのでしょうか?」
片山議員
「つまり、自民党側の主張している生鮮食品は、ある程度、線が引き易い概念です。それから、その関与をしている業界の方ですね。何とか屋にしてもわかり易い概念で、一定の範囲に影響を抑えられるという意味で。ですから、単に税収だけではなくて、生鮮食品と自民党側は言っているわけですけれども。公明党さんは全部入れて、およそ食べるもの、外食のサービス化が進んでいますから、所得の少ないお家だったらイートインやテイクアウトをやらないのかと言ったら、そういうこともないだろうと。では、お茶やコーヒーとか、お汁粉とか、よくありますよね。それは入れないのかと言ったら、低所得者の方も当然、飲むだろうし、そこで分類に悩むよりは、全部入れるのがわかりやすいと。わやりやすさを非常に重視されておっしゃっていますよね」

自公それぞれの思惑は
反町キャスター
「加工食品を入れる、入れないという部分というのは、入れることが低所得者対策になるのかどうかという議論でよく言われるではないですか。スーパーの閉店間際のタイムセールとか、僕は想像してしまうんですけれども、30%オフとか、50%オフとか、100円引きとか。シールを上からぺたぺた貼られて。貼るのをジーッと待っていたりするような瞬間が人間にはあるわけですよね。そういう状況を考えた時に、加工食品を入れる、入れないというのはまさに先ほど言われた痛税感?どうですか?」
片山議員
「ですから、少しずつ、おばあちゃまが近所の商店街で、ここで今日はお野菜を買って、お魚を買ってという生活パターンを慎ましいと見るのか。あるいは現在、たとえば、二百何十円弁当があるわけですよ、それなりの、つまり、大規模なフードサービス、システムが非常に合理化されていますから。そちらを使われている年金生活者のお年寄りもいらっしゃるんですよ。地方都市でもいらっしゃいますよ。そちらは下がらないのかというと、そこの駆け引きができない生活状態でしょう。日本人の現在の食生活は。そこだと思いますね」
反町キャスター
「そこのところの議論で言ったら、自民と公明の間は埋められないものになるんですかね。片山さんの見立てになっちゃうんですけれど。痛税感と言うと、加工食品と言うと非常に難しい、入れざるを得ないと感じる部分はあるのですか?」
片山議員
「痛税感の方を重視するなら、そうなります。だから、あとは大変な財源問題ですよ」
森信教授
「民主党に言いたいんですけれど、言うのは現在ですよ。もう法律が決まって、国会論戦でやって、これはできレースですよ。言わないと、やるのは現在でしょうというのが私の意見です。民主党がだらしないと思うんですよ、私は」
反町キャスター
「民主党さん、そう言えば、自公が現在揉めている時に、民主党としてはこう思うという発信は、あまり聞いていないかもしれないけれども。現在、どちらかと言うと、維新と統一会派をつくるか、つくらないか、みたいな話ばっかりですよね」
大串議員
「国会を開いてほしかったですよね」
反町キャスター
「国会をやっていればという話なのですか?」
大串議員
「いや、この問題も、財務金融委員会でも取り上げたいということで、閉会中審査を求めましたけれども、開いていただいていないですね」
片山議員
「厚労か何かの閉中審査でやっていましたよね」
大串議員
「厚労委員会でも何とか取り上げました。しかし、本当は財金も含めて、税のことですから、やっていくべき話です。ならば、きちんと私達としては議論していきたいなと。だらしないと言われないようにがんばっていきたいんですけれども」
片山議員
「団体の会だと、自公民と全部呼ばれる団体が多いですよ。全国商工会か何かの大会で、我々は軽減税率を皆様がご不自由で、導入の実務が面倒くさいから反対で給付付き税額控除です、と言ったら拍手を受けていらっしゃいましたよ。だから、我々はそれを踏み切ったことで、痛みを負っていますよ。説明責任もすごく負っています。軽減税率が高所得者にも使われるということを説明していないかというと、説明をしているのですが、説明しても、でも、買い物を選ぶのは私達だからという声が結構多いんです。つまり、買わないこともできると。10のものを買わないこともできると。8のものに寄せることもできると。それは私達だからと」
反町キャスター
「ただ、それでいくと、先ほどのこれになるんですけど、規模によって自民党がベースにしている案と公明党が目指している間。1兆円の税収の差が出てくるわけではないですか?」
片山議員
「それが現在、苦しいところなのでしょうね。ちょっとやそっとの差ではないですからね」
反町キャスター
「大串さん、この3400億円がもともと出てきた根拠というのは、どういうのが言われているのですか?」
大串議員
「私が当時、やっていた時の感覚からすると…」
反町キャスター
「なぜ自民党は生鮮食品3400億円にこだわるのか?」
大串議員
「総合合算制度4000億円、そこの財源がもともと頭にあったんだと思うんですよ。と言うのは、3党合意をした税制抜本改革法のところでも低所得者に配慮する観点から番号制度等々の定着を前提にいろんな整理とあわせて総合合算制度、それから、給付付き税額控除等の施策の導入について検討しましょうと。それから、複数税率の導入についても検討をしましょうと書かれているんですね。当時から、相並び称されて、総合合算制度のことが書かれているんです。当時から財務省は将来、何がしかの低所得者対策が必要になったら、総合合算制度4000億円を止めて、それが財源だと思っていたのではないかと。皆、そう思っているんですね」

『総合合算制度』導入先送り?
秋元キャスター
「5%だった消費税を10%に引き上げることによって増える税収およそ14兆円全てを社会保障の充実、安定化の財源にすることが決まっていて、その内訳は、社会保障向けの借金の圧縮に7.3兆円。基礎年金の財源に3.2兆円。子育て、医療、介護の充実に2.4兆円。事務経費の増加などに0.8兆円。総合合算制度に0.4兆円ということで、この一体改革の枠内でというのが、軽減税率の財源ですね。他にもし財源を考えないとなると、これらの一部は諦めるしかないということになるので、その中でも低所得者世帯の医療などの自己負担総額に上限を設け、超過分を国が負担するという総合合算制度。この4000億円の導入を先延ばしにすれば、先ほどの生鮮食品、精米を含む、3400億円。これを賄うことができるということになるわけですね」
反町キャスター
「大串さん、この0.4兆円。総合合算制度というのは、これは最初から、財務省はと言っていいのですか。政府はという言い方がいいのですか。最初からミシン目が最初から入っていて、何かあった時の切り離しの部分として、これを財源としてとってあった。そういう意味で言っていますよね?」
大串議員
「そう言われても仕方がない雰囲気だったのではないかなと思うんです。現在、政府の資料で見てもこの消費税5%増税分の使途。14兆円の資料を見ると、いわゆる機能強化充実分が2.8兆円と書かれているんですよ。その子育て、医療、介護の充実の2.4兆円プラス総合合算制度の0.4兆円。2.8兆円、丸々書かれているんですね。その中にある程度のミシン目が考えられていたのかなというのが、役所の中の考え方にあるのではないかというふうに公明党の皆さんも思われているのではないかと」
反町キャスター
「そうすると0.4兆円。つまり、4000億円を超える軽減税率というのは、財務省にしてみたら、これは財務省の気持ちを大串さんに聞くのもちょっと変な感じですけれども、財務省にしてみたら、4000億円を超える軽減税率というのは、これはまったくの想定外になってしまうから、これは絶対に飲めないよというふうにがんばっているのが、自民党と公明党の現在の軋みにもつながっていると見えるわけですか?」
大串議員
「固いかもしれませんね、そこは。その0.4兆円を超える部分は、どこから財源を持ってくるのと。その他の充実分を減らすのですかと。その他の充実分はコミットしているでしょうと。法律もできてしまって、これから動き出すのではないですかと。その分は減らせないでしょうと。そうすると、どこから持ってくるのですかというところは意見としてあるのかもしれませんね」

『軽減税率』と経理方式 『インボイス』導入の利点
秋元キャスター
「軽減税率導入後の経理方式、インボイスの必要性についてはどう見ていますか?」
森信教授
「2021年の4月からですか、少し先とは言え、インボイスの導入を与党で合意したことは個人的には評価しています。これによって、単に消費税制度だけではなくて、法人税所得税、そういった世界も、タックスコンプライアンスと言うのでしょうか、納税の意識が上がるし、精度が上がると思います。特にインボイスというのは、それだけではなくて、実は事業者間の転嫁を容易にするというメリットもあるんです」
反町キャスター
「下請けいじめはなくなるのでしょうか?」
片山議員
「結局やりようによっては何でもできるのですが、やりにくくはなるんですよ。さらにクロヨン(9・6・4)、トーゴーサン(10・5・3)的な益税的なものもまったくできないかというと、インボイスがあったって、それこそ偽造とか、握ればいいからできなくないのですが、非常にやりにくくはなりますよね。それは課税の適正化につながりますよ」
森信教授
「1つ言葉を分けて考えた方がいいと思うのですが、益税と先ほど、片山さんがおっしゃっているのは不正ですよね。脱税というか不正。ちょっと違うんですね」
片山議員
「益税は適正にやっていてもできちゃいますからね」
反町キャスター
「免税というのは」
森信教授
「免税事業者というのはどこの国でもある制度です。経理ができないところは免税事業者制度でカバーしているんですね。だけど、日本の最大の問題は免税事業者から仕入れた課税事業者が、免税事業者から仕入れたにも関わらず、その分だけ仕入税額控除ができるんです。これどういうことかというと、ちょっと話が長いかもしれませんが…」
反町キャスター
「簡単に言っちゃうと、8%の税で買ったものを10%で処理できるという意味ですか?」
森信教授
「いやいや、違います。免税事業者ですから…」
片山議員
「8%ないんだけれども、あったかのように控除できちゃうという日本型の対策ですよね」
森信教授
「現在、免税事業者で1番わかりやすいのは個人タクシーです。個人タクシーは免税事業者ですから、たとえば、今度もしインボイス制度が入れば個人タクシーはインボイスを出さないですね。なぜならば納税していませんから、インボイスは出せません。インボイスというのは納税額を書くのですから。そうすると個人タクシーに乗った、たとえば、テレビ局の社員が。テレビ局の経理でテレビ局の売上げから仕入税額控除が、今度はインボイスがない個人タクシーに乗ると仕入税額控除ができないですよ。現在はできるんです。1000円の個人タクシーの領収書があれば、1000×108分の8で、テレビ局は控除できるわけです。それが益税を生んでいるんです」

『益税』をどう解消する?
反町キャスター
「中小零細事業者は、ある意味、自民党の分厚い支持基盤でもあるではないですか。自民党が政権であること、基盤を維持強化するためには、中小零細事業者はインボイス、透明性が増すことが嫌だなと思っていると。その感情に配慮しなくてはならない部分、これは否定できないですよね」
片山議員
「ただ、商工会議所も非常に緻密な、現在8%から10%の時にどういう実務が困るということを出してきていますけれども、では益税の問題があるから、インボイスを未来永劫入れないとか、そういう非合理的なお考えではないですよ。日本経済全体の活性化が大事ですから、だから、いつかは乗り越えなければいけない壁です、これは」

将来の消費税増税 引き上げ時期&税率は
反町キャスター
「10%以降の消費税のビジョンは、日本の財政健全化に向けた消費税というのはどうあるべきで、何パーセントぐらいを視野に議論するべきか。この件について聞いていきたいと思います」
片山議員
「まず社会保障と税の一体改革は社会保障4経費、いわゆる介護とか、子育てとか、年金とか、これでやっていたわけですが、国地方合わせて44.5兆円あって、これを全部フルに与えても足りないわけですよ。改革を折り込まない前は、二十数兆円の差額があって、改革を折り込んで、現在19.3兆円の差額があるわけですよ。この社会保障財源化全てにしても。ですから、これをずっと社会保障財源を消費税でということを仮にやるのであれば、引き上げの議論になるのですが、私は先ほど、また、ここに入るんですけれども、日本の成長が抱えている構造要因を考えると、消費の頭があまりにも重いので、当面これより高い消費税率を想定したくない。ですから、何らかその代替措置で、それこそ20兆円すぐに埋めるというよりは暫定的に、前進的に少しずつ財政赤字のGDP(国内総生産)比率を減らしていくと。そのためには成長ですよ。財政削減を増税だけでやってもうまくはいかないと。成長路線だと。日本とギリシャはGDPが赤字でかえって増えて、中国は逆に使ってGDPを成長させたと。現在それはちょっと落ちているけれど。と言うことで、GDPが減ったと。成長路線だという議論があるわけだから、そちらをとりたいですよね」
大串議員
「10%以上のところを、現在スパッと政治家が言い出すとすると、それは政治家の努力不足だと思うんですよね。10%の社会保障と税一体改革をもってして、2015年にプライマリーバランスを半減させ、2020年度にリバランスさせていくという絵姿を書いたわけですから。それを達成するということをしっかりやっていくのが第1だと思うんです。そのためには社会保障もしっかりとした効率化もしていかなければならんと思うんです。フォーカスを与えることが非常に大切で、本当に必要な方々に必要な手当ができるような税制であり、社会保障制度をキチッと効率化も含めて、やっていくということだと思うんですね。そういうことも含めて考えると軽減税率の話に戻って恐縮ですけれども、フォーカスが効いてない形になるのが、もったいないなと私は感じます」
森信教授
「2017年4月から消費税が10%になると。そうすると、政治的には議論が解禁される、さらなる引き上げ。それで2018年に、プライマリーバランスがうまく黒字化されるかどうかの中間レビューというのがあるんです。これも総理がコミットしているわけです。そこでさらなる引き上げの問題が議論になると思いますが、私は簡単には国民は納得しないと思います。鍵はやっぱりどこまで歳出削減ができているかだと思うんです。それは、たとえば、マイナンバーとか、新しいツールができるわけですから、それを使って、社会保障をもう少し所得基準だけではなくて、資産も入れて考えるとか、そういった新しいことを考える、あるいはマイナンバーを使った行政の効率化を考える。そういったことをやっていって、2020年につなげていって、これだけ努力しても、歳出削減をやってもまだ消費税率が2%分足りませんとか、そういう議論につなげていくべきだと思いますね」

片山さつき 自由民主党総務副会長の提言:『国民の納得感』
片山議員
「まず毎日の痛税感をどう考えるかということ。社会保障の一体改革ですから、そこでお約束した社会保障の充実が削られることがあっていいのかな、あっていいわけがないし、将来の子供達への世代へのつけまわしもない方がいいだろう。そこも含めた国民の納得感ということだと思います」

大串博志 民主党国会対策副委員長の提言:『必要な皆様に必要な支援を』
大串議員
「消費税は痛税感があります。ある中でそれを埋めていくとする。かつ財政が厳しい中だとすると、必要な方々に必要な支援をキチッとしたフォーカスを持って、それが納得感につながるかもしれないし、していくことが大切なのではないかなという気がします。ですから、繰り返しになりますけれども、給付付き税額控除の方がよりフォーカスが効いているのではないかと思います」

森信茂樹 中央大学法科大学院教授の提言:『利権政治の復活にするな!』
森信教授
「軽減税率を前提としているのですが、利権政治の復活にするなと。かつての自民党の調査会のように、先生方が皆それぞれの業界団体から意向を汲んで、自分の業界に有利な税制を、それで特別措置をつくっていくという、そういうふうになりがちですね、軽減税率は。今度、いろんな業界が軽減に入ったり、入らなかったりしますから。そこが私は大きなポイントだと思います」