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2015年11月27日(金)
1人1円で自然を守れ 環境省・森里川海計画

ゲスト

平井伸治
鳥取県知事
中井徳太郎
環境省大臣官房審議官
藻谷浩介
日本総合研究所主席研究員

1人1円で自然を守れ 『森里川海プロジェクト』
村松キャスター
「環境省が新たに立ち上げたプロジェクト、つなげよう、ささえよう、森里川海。中井さん、これはどのようなものなのか。その概要を説明していただけますか?」
中井氏
「森里川海と言いますけれども、いわば自然環境というものの中身だなと思っています。この森里川海に我々は命を頂いている、根源である自然の基盤。ここに着目するということは現在、これから少子高齢化で人口が減っていって、社会全体どうなるのかと。また、安倍政権は(名目GDP)600兆円を目指して成長と言っていますけれども、経済というのがちゃんとまわっていくのか。社会、経済、自然の環境問題。温暖化の問題というと本当に異常気象で、爆弾低気圧とかとんでもない台風だと。こういう中で、災害が多発し、どうなってしまうのか、我々は身に染みています。これは国際枠組みで今年COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)はまさしく始まるところですけれども、そういう環境というものがちょっと遠い、経済と対立するような、どちらかと言うと、いわば経済や社会を守るコストだというようなことではなくて、まさしく環境保護がちゃんとまわっていること。それで皆が食べていけるような経済がまわり、少子高齢化の中でも、人が健康で豊かに感じられるような暮らし。このようなことを考えられるような、大きな分岐点だと思っていまして、現在が。1回社会と経済と環境の問題を根こそぎ、人類文明が大きく変わるような局面にあると思っているんですけれど、そういう時に1回、森里川海という循環系に、少なくとも日本人は非常に自然感がフィットする。もともと江戸時代の循環の仕組みとかを残しています。縄文とか、弥生時代から。そのことを1回、確認したうえで、社会や経済のあり方を含めて、取り組む1つの摺合わせをしようではないか。それがこのプロジェクトの1番根底の主旨です」
反町キャスター
「何が何でも経済成長。はっきり言ってしまえば、GDP至上主義から、ちょっと舵を切ろうではないかという文明的な問いかけをしているような気が、環境省の方にそうですかと言うと、はい、いいえとなってしまうから答えづらいだろうと思うから、敢えて藻谷さんに聞くと、そういう問いかけのようにも聞こえるのですが、そんなふうに受け止めていいのですか?」
藻谷氏
「これは人によって解釈が違っていいと思うんです。森里川海を真剣に研究している方は本当に専門家だから、このままではもたないと。仮に日本がもっていても、世界はたぶん絶対もたないだろう。日本よりもアメリカやオーストラリア、中国の方がはるかに深刻。だからと言って、日本は放っておいていいというわけではなくて、日本は本当にまずいと思っているというところです。そんなことをやっている場合ではない、この年末の資金繰りをどうするんだという経済人もいますよね。そういう人達は関係ないかというと、実際、この間の鬼怒川の洪水だって、もう少し雨が続いていたら、あれは他人事ではない。大きなところに被害が広がって、年末どころではなくなっていた人がもっと増えていました。つまり、お互いに他人事と思っていられないところまで、本人のレベルが今年どうするという人も、人類未来に続けなければという人まで、全員がある程度、一緒に話し合えるところはあるだろうと、そういういうことですよね」
中井氏
「はい」
反町キャスター
「危機感の共有ということを現在、日本の社会を見た時にできているか、いないか。どう感じていますか?これからという意味で言っているんですよね?おそらくは」
中井氏
「何か具体的なきっかけというのは、広島で災害が起きるとか、この間、茨城で起きたということになりますけれども、我々はその期間というのは1億2000万人、大人もいれば子供もいる。おじいいちゃんもおばあちゃんもいるんですけれど、何かおかしいぞという、いよいよちょっとまずいのではないかという、そのまずいという感覚を共有しようという、まさしく現在そういう節目という、そういう感じにはあると思うんですね。現在だったら、全部壊れ切っていないので、その壊れ切っていく、我々を取り巻く環境に目を向けて、そこで何かできるのではないかという現在ギリギリのところではないかと、私は思います」

森林荒廃と土砂災害
松村キャスター
「さて、日本の現状と課題について見ていきます。森里川海とありますが、国土のおよそ3分の2が森林で占められているということですね、日本は。まず森と里について聞いていきます。中井さん、日本の森林資源、または森林経営の問題や課題。現在どんなことがあげられるのでしょうか?」
中井氏
「森について言いますと、一言で言いますと、メタボ状態だと言われています。戦後に至るまで日本の木材を使って、切り出して、経済発展をしてきた時期もありました。それで禿げた山を杉や檜の森林業を中心に戦後、拡大造林という形で、植えまくったわけですね。それが現在、50年過ぎるような感じになっています。木は年を経るごとに成長をしていくと。その過程で、非常に密集する形で植えたものを、間引いて、間伐と言いますが、それをすることで健全な森をつくっていくと。ところが、それが現状できていないと。木材の価格が非常に輸入の関係もあり低迷して、国内の木材を使う循環を断ち切られたまま、戦後の高度成長期が終わり、失われた20年を経て、現在に至っているということで、林業を担う人も本当に減っています。そうした中で森が、いわば不健全な形で間引きされないまま、50年、60年、70年、そういうのが過半を過ぎるような状況になっています。これは実は、CO2(二酸化炭素)を吸収してくれるという、森が成長するに従って炭素を合成してくれるという機能も今後は新しい木に切り替えていかないとその機能は非常に減っていくわけです。また、その森に温暖化で集中豪雨が降るということになると、弱い形で、ドサッと山が崩れると。こういうような状況があって現在、原発事故後、再生エネルギーという動きがあって、バイオマスで森林の活用というのも出ていますけれども、日本全体で現在、非常に蓄積土が多い、この森をどうやって循環していくのかというのが課題で、そこが生業としてなかなか成り立たないというか、木材の利用の道筋がない中で、担い手も減っているという非常に深刻な状況です」
反町キャスター
「これまでの、要するに、林業に対する、ないしは基本的な姿勢というものが、安い木材を輸入したから、こちらは終わりだよというところで止まっていたと。ないしは現在言われたような保水とか、環境とか、そういった視点におけるパッケージとしての政策決定がなされてこなかった。こういう反省に立っていると見ていいのですか?」
中井氏
「2001年だったかな。現在から15年前から林野庁はそれを訴えているわけですね。森林行政を所管する林野庁、農水省としてはこのことを強く訴えてきているなかで、社会保障費が増えて国家の予算が圧迫されてきたと。年金、医療、介護で。投資的な経費が他にまわらないよという中で、実態として、そういう多面的な機能がある森に十分なお金がまわっているのかということからいうと、現状なってないということだと思います、従って、政策として無視しているとか、そんなことではなく、一生懸命やろうとしていると。しかし、なかなか現状、もっと年金や医療、お金を食うという中で、まわってこないという部分もあったということだと思います」
反町キャスター
「別の問いかけをすると、要するに、治山、治水事業として、たとえば、これまでだったら、水が氾濫した時のように堤防をつくりましょう、大きな堤防をつくりましょうと。堤防の工事が間に合わなかったから鬼怒川は決壊をしたんですよという説明も成り立っているという、こういう状況の中で、そうではなくて、堤防をつくるところにお金をかけるのではなくて、山にお金をかけましょう。手をかけましょう。そちらの方が、時間もかかるし、効能も緩いかもしれないけれども、こちらの方が長期的な視点に立った時には、人類にとってはメリットがありますよと。こういう問いかけをしているという言い方になりますか?」
中井氏
「その部分は一部あります。全部ではないですけれども。なぜかと言うと、人口減少の局面になって、いろいろコンパクトシティであるとか、これから本当にいろいろとインフラというものにお金がかかる中で、どうやって関わっていくのかという問題はありますよ。また、逆手にとって現在、住んでいる人がいるところで、雨が降って、防潮堤が要るという話があるわけですけれども、おっしゃったように、20年、30年…、2050年という文脈で見た時には、人の住み方のシフトみたいなみたいなものを織り込みながら、森というものを健全化するということが、災害防止に役立つとか、そういうことが語れる局面になってきていると考えています」

『森』『里』の現実 鳥取県の取り組み
松村キャスター
「鳥取県は既に森林環境保全税という制度を設けているんですね。県民から1人あたり年間500円。県内の企業から年間1000円から4万円の環境保全税を徴収して、それを財源に森林の保全や整備。また、放置すると増える竹林の整備。そういった様々な取り組みをしているわけですが、平井さん、鳥取県は森が抱える課題をどのように実感していますか?」
平井鳥取県知事
「これは1年間でいいわけです。1年間でこのぐらい協力をしてくださいということで、県民と大議論があったのですが、最終的には受け入れていただいて、これをやっているわけですね。森についてどうしたらいいのか。先ほど、中井さんからもお話がありましたが、現場はもっと工夫するという方法に向かっています。ですから、いろいろと手を入れていって現在、実はようやっと、山が動き始めた段階だと思うんですね。たとえば、現在、九州の方では材木を海外に輸出するのがどんどん出てきています。現在、円安になってきている。そこにもってきて低コスト林業を進めようということでどこも路網(林道)をつくったりして、コストを下げようという努力をしていった。そのようなことが実ってきているんですね。鳥取県でも、いろんな意味で鳥取式作業道というのをつくったりして、コストを下げよう。さらに路網を入れようと。この度オーストリアに行きまして、かなり大規模に森林をやりまして、ケーブルカー、ロープウェイのような架線系と言いますけども、架線系の機械を使って、引っ張り出していく」
反町キャスター
「それは1億7000万円の年の予算でそういうものを研究しているということになるのですか?」
平井鳥取県知事
「いや、どちらかと言うとシンボル的なものであります。こういうようなことに実際は使ってきたわけですけれども、森林の保全や整備。それから、竹林が現在、日本中どこでも繁茂しているわけですね。これも手を入れないとどんどん広がってしまう。繁殖力が高いですから。竹は根が浅いです。ですから、ズルむけして、ばっさり…」
反町キャスター
「保水力がない?」
平井鳥取県知事
「保水力というか、洪水には弱いです。ですから、こういうものもまた整備していきましょう。あるいは環境の、森の整備をしましょう。こういうことをやって、それで何をしているか。こういうことですね、暗い森がありますよね。こういうところがCO2の吸収が悪いし、非常に具合の悪い森。これを間伐を進めることによって、こういう明るい森になり、また、こういうものをやるような住民運動。子供達を受け入れるとか、地域の人達の受け入れをやる。竹林もこうやって整備して、タケノコ堀りもやって、それで、竹スルメと言いまして、竹をスルメのようなお菓子というか、スナックにしてやるというところが出てきている。食べられます。そういうようなものがいろいろありまして、こういうことでだんだんと山のシチュエーションは変わってきているんですね。コストは確かに下がってきている。担い手は、実は増えてきているんです。東日本大震災以降、自然と共に生きるという生き方に目覚めた若者達は多いです。ですから、喜んで、こういう森の世界に入っている人はいるんですね。最近でも、たとえば、伊藤さんという女性が兵庫県の方からやってきた。あるいはその他にも、サーフィンをやりながら森をやる。そういう森林組合の仕事を見つける。そういう方々がどんどん増えてきて、森女も現在多いですよ。森林組合でブルドーザーとかをまわしてやっている。そういう女性達も実は増えているんです。だから、トレンドは確かに変わってきている。現在がチャンスだと思うんですね。低コスト化を進めていって、担い手を順繰りでつくっていく。鳥取県では、初任給程度は保障するように月18万円ぐらいの給与負担をしようということもやったんです。そうしたらどんどん現在入ってくるようになってきて、都会の方から移住する1つの要因になっています。ですから、フェーズを変えること。ちょうど環境省がこういう動きを始めましたので、現在がいいチャンスではないかなと思います」

日本の川・海が抱える課題
松村キャスター
「今度は川と海ですね。中井さん、現在どのようなことが問題になっているのでしょうか?」
中井氏
「川、海で象徴的な話は、日本ウナギが絶滅危惧種だという状況です。絶滅危惧種という、国際的なレッドリスト、深刻なものに日本ウナギがなっています。同レベルではいったん日本で絶滅したトキ。佐渡で現在、野生化して取り戻す取り組みを一生懸命にやっていますけれども、そのトキと同様レベルの状況だということです、日本ウナギが。シラスウナギの取引価格は、暫く前までキロあたり16万円というのが、ちょっと高かった(平成)25年の数字が248万円だった、1キロ。日本人の食文化に根差したウナギというのが実はそういう深刻な状況になっています」
反町キャスター
「ウナギの個体数を増やすために…今回の森里川海プロジェクトの一環としてウナギを増やそうと。そんな柱もあるのですか?」
中井氏
「今回のプロジェクトは皆で先ほどの循環していく森里川海プロジェクトを認識した時に、何をやるのかをわかりやすくターゲットをつくって、クラウドファウンディングもあり、いろいろなことがあると思っていますけれど、皆でわかりやすいプロジェクトに関わろうと。お金や労力の形でということが前提になっています。非常にわかりやすい話として現在ここまで減ってしまった天然ウナギのうな重を食べたいねと。これはやろうと思えば、できるはずだと思うんです。これまでいたのですから」
反町キャスター
「でも、それは前提として、食べようよ。だから、暫く我慢しようよと。こういう話になるのではないですか?」
中井氏
「それはやってみないとわからないですね。要は、私どもの仲間ですと柳川という九州の、あそこのお堀ですね。非常にウナギの寝床みたいな岩の中で、ウナギがたくさんいる文化があるわけですね。それが一時期いなくなっているものを、学生達と一緒に復活するようなもので、ウナギのシラスをお堀に戻すようなこともまだこれからの部分もあると思うんですけれども、動きがある。ウナギは、私も個人的に好きですので、非常に深いウナギの世界。マリアナ海溝まで行って、産卵して、そこで生まれますと、日本にやってきます。本当に一生を経て、川の奥まで入っていくと。そういうウナギの獲り過ぎという問題と、かつつながりの分断の問題です。ウナギの住みやすいような石組みのようなものがなく、3面張りになるとか。3面張りというか、コンクリートでウナギが入る隙間がないような川に変えれば、そこはウナギが住めないと問題になりますし、また、その上に登るにあたって、飛び越えられないぐらいの堰になっていれば、飛び越えられないとか、そういういろんな問題がかかわっているだろうと。専門家がそこをいろんな知見を出す研究をしていますけれど、そういうのと一緒になって。ウナギを戻すというのは1つのシンボルとして、いろんなプロジェクトの中でも是非、自分もかかわりたいなと思っています」

『森里川海プロジェクト』
松村キャスター
「森里川海プロジェクトはどのような仕組みで行われるのでしょうか?」
中井氏
「冒頭、森里川海の循環を皆で共有しようというところから始まっているんですけれども、本気でこのプロジェクトの認識という意味では、お金を出すという、いわば懐を痛めるという話に敢えて切り込むというところにこのプロジェクトの1つの突っ込んだ部分があると思っていまして、きれいごとで済まないと、そこがポイントです。その場合、本当に深刻な、先ほどから出ている森の状況とか、いろんなものを戻していくためにもちろん、国、行政としての地方自治体がいると。予算もとってやっているというものがありますけれども、今回是非、国民運動論として、これにかかわるような形で森が戻るという実感を持ち、ウナギが戻るだとか、そういう、いわば国民参加型の意識でお金を負担する。とかくお金の話をしますと、税金ということになりますと、国家が大和朝的に民から搾りとると、そういう感覚が日本人には染みついていまして、また、特に明治維新以降、坂本龍馬や久坂玄瑞が考えたかはわかりませんけど、新しく平等な社会をつくろうという国づくりを思ったかもしれませんけれども。実態は、黒船が来て、堅い国づくりをやって、国家船頭的な、税というものは吸い上げるような感覚が民に根づいたまま、日本はきたと思いますけれど、皆1人1人が恵みを貰っている森里川海という、文明から言ったら、お金を出すのでも、国家や何かに吸い上げられるのではなく、良い形で行政がうまくかかわるのはいいですが、良い形で出しあったものを皆で透明性を持って、わかりやすい話で、最近ではPDCAという、チェックしながら、フォローして成果を確認していくと。そういう循環に皆でお金を出すということをやろうではないかということが始まりです」
反町キャスター
「税なら税で構わないから、たとえば、どこかの政党がバーンと公約に打ち上げて、勝ったらそのままドンという、そんなシンプルな話でやってはいけないものですか?そういうことは」
中井氏
「私は税でいいと思うんですよ。税の意識を変える、社会として、皆が本当に透明性を持って使うというシステムまで含んだ税がつくれれば、実は社会のあり方を変える、森里川海という我々の自然の恵みに着目したがために、社会のあり方を変えるところまでいける話だなと思っていまして、10年、20年と税の話を待つ話ではなく、現在まさしくそういう意識が共有できれば、国民合意ができれば、そういう形で森のための税金があっていいと思っています」

地方創生にどう活かす?
松村キャスター
「全国では環境保全が地方創生に結びついているという事例はあるのでしょうか?」
藻谷氏
「観光の事例を誰もが思い浮かべますね、自然遺産とか。それはいっぱいあるのですが、それに加えて林業の再生が地方創生、すなわち地域の雇用の増加、地域内のお金の循環の拡大に役立っている例が増え始めています。ごく最近できました、岩手県住田町の町役場、きれいに撮れていますね、皆さん見てわかりますが、これ日本初のオール木造役場です。高さとしては3階建てで、実際中2階建てになっています。3分の1はホールになっていて、吹き抜けになっています。これは使っている木材の7割が住田町の町内産の杉でして、陸前高田の隣町で、震災で元の役場がやられてしまいまして建て替えなければいけなかった。なるべく安いコストで使ったお金が地元に循環するようにつくりたいと。地元の林業家の木を使って、震災に非常に強い工法でつくりました。非常に断熱性が高い、木でつくると、熱が逃げていかないですよ。エネルギー効率が高くて、さらにこの住田の場合、地元の木を使ってつくったので、よそから鉄骨とか、コンクリートを運んでくるお金はかからないですよね。地元の大工がつくりました。大工技術でつくれるので、その結果、実は事業費もコンクリートでつくったものより随分安くできているんです。それで浮いたお金で、いろんな事業を、小さい町ですから、ただでさえ緊縮なので、他のことにお金、子育て支援にまわすとか、それから、視察が増えて観光が増えて、木でつくるのは全国で現在始まっていまして、今度、山形県の南陽市というところでは文化会館をオール木造でつくるというのがようやく完成、日本初のオール木造ホールですね。オリンピックの選手村まで日本の木でつくってほしいと」
反町キャスター
「耐久年数はどれぐらい見ているのですか?」
藻谷氏
「木でつくったものは、部分部分を変えていくと、原理上は100年以上持つんです。実際に露がつきにくいので、カビにくいとか、いろんないいものがあります。是非、皆さんも興味のある方はご覧になっていただきたいですね」
松村キャスター
「鳥取県の取り組みでは?」
平井鳥取県知事
「『森のようちえん』。これは園舎がないですね。ですから、森の中を歩きまわるわけですね。だから、文部科学省も厚労省も認めないので、鳥取県で独自の認証制度をつくり、これを現在支援しているという格好で、県内でも増えています。面白いのは移住を呼びこむんですね。まさに地方創生の申し子みたいなことが起きたんです。たとえば、いろんな移住者がいますけれど、すてきなご夫婦がいますが、渡邉格さんと麻里子さんのご夫婦で、そこから名前をとってタルマーリーというパン屋さんをつくったんです。このパン屋は自然の中の菌、この家の中で生きている菌でパンをつくるんです。さらにはビール工場もつくろうということを始めました。このご夫婦は海を越えて、海外でも話題ですね。なぜかと言うと、『腐る経済』という新しい言葉をつくられた。これまでの経済はお金の経済、腐らない経済だった。彼らはパンをつくって、それが地域通貨のように循環をし、それが豊かな恵みを地域にもたらすというのを理想にして究極のパンをつくっているんです。こういうことが地方創生の申し子のようにして起こってきています」
反町キャスター
「他の役所との連携は?」
中井氏
「環境省は何のしがらみもなくて、それこそ草の根、民、自然の声を聞くということに徹しないと、責任を果たせないと思っていまして、社会、経済の大きな流れの中で、しがらみなく発信する。いろんな構造ができてしまって、なかなか社会変換と言った時に、あるモノが邪魔をしてしまうのを抱える部分と、離れたところで変化しようよという旗を出すと。しがらみのある役所と、環境省を悪者にしてでも一緒に変化の方向にやるという発信をやるのが仕事かなと思っています」

平井伸治 鳥取県知事の提言:『small is beautiful』
平井鳥取県知事
「これはシューマッハの言葉でありますけれども、40年前の言葉でありますが、考え方を変えよう、生き方を変えようと。現在そういうふうに日本人も変わってきていますし、世界中も実は日本の素晴らしい自然がいいねと言ってくれています。これに気づくことで世の中は変わるのではないかと思います」

中井徳太郎 環境省大臣官房審議官の提言:『日本の自然観を取り戻して、具体的アクションを!!』
中井氏
「日本人本来のところに戻るような感じを持っていますが、それを形にしたいということで、この森里川海プロジェクトを強くやっていきたいと思っています」

藻谷浩介 日本総合研究所主席研究員の提言:『気を使うよりも木を使おう!』
藻谷氏
「いろいろな哲学の違いもあるし、立場の違いもあると思うんです。年末の資金繰りもあれば、大所高所の意見もあると思うけれども、関係なく全員ができることとして、たくさん生えている木をうまく選んで使うことは、採算に乗るベースになってきました。先ほどの住田町の役場も鉄筋より安いのですから。いろんな人達がちょっとできる範囲で木を使う。燃やしたり、建材をつくったり。木の国日本をちょっと取り戻すだけで1%か2%だけれど、世の中全体が明るい方向にいくと思う。これは具体的なアクションの1つですよね」