プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年11月25日(水)
政府のTPP対策決定 どうなる?日本の農業

ゲスト

山田俊男
自由民主党農林部会長代理 参議院議員
篠原孝
民主党衆議院議員
山下一仁
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹

政府がTPP対策大綱を決定 コメへの影響と守りの対策
秋元キャスター
「TPP(環太平洋戦略的経済連携)が、実際に発効されますと、日本の農業はどんな影響を受けるのかということを考えていきたいと思うのですが、まずはTPP交渉の最大の焦点でもありました重要5項目の1つ、米について、大筋合意した内容と、その対策を見ていきたいと思います。まずは1キロ341円という現状の関税は維持されることになりましたが、アメリカとオーストラリアに向け、無関税輸入枠を新たに設けて、その量は発効から徐々に増やして、13年目以降で、およそ7.8万トンになります。日本はこれまで国産米のおよそ1割にあたる年間およそ77万トンを無関税輸入枠で輸入しているので、その輸入枠が1割ほど増えることになります。この合意を受けまして、政府のTPP対策大綱で、国枠別の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れするという対策を掲げています。それに伴い、毎年の政府備蓄米の保管期間を原則5年程度から3年程度に短縮するとしています。まずは山田さん、7.8万トンの無関税輸入枠が増えたものの、米については現状、この関税は維持されるということになりました。それでも対策が必要なほど影響はあるのでしょうか?」
山田議員
「毎年、米の需給が8万トンずつ減っているんです。人口減もあります。それから需要減もあると思います。そのような中で先ほど、説明があったように77万トン分についても備蓄にまわしながら、5年間かけて処理をしていったんです。そこへまた7万トンが加わるわけですから、これは大変重いと思います。備蓄に仕向けまして国産の自給から、いったん離して、それで、ともかく国産米の価格形成と言いますか、需給に合った価格が形成されるように、しっかりがんばろうではないかというのが考え方の基本ですね」
秋元キャスター
「篠原さんは、TPPの日本の米への影響、どのように見ていますか?」
篠原議員
「あまり金額的にというのはすぐにはないと思いますが、ですけれど、また米も何もしないとは言いつつ、いじめられて、米すらちゃんと守ってくれないのかという、心理的な悪影響はあると思います」
反町キャスター
「これは守っていないことになる?」
篠原議員
「守っていないですよね。このぐらいは、ビタ一文はまけないぐらいの、他のところで譲るから。たとえば、自動車とかとセットでもいいです。そういうので自動車は譲るから。今日の話題に入っていませんけれども、トラックは29年目にゼロになる。29年目まで生きている閣僚なんていないと思うんですね。我々の方を、ドンと1年目に10%下げるとか、そういうのでバーターをやって、コメぐらいは然るべきです。そういうのがないわけです。皆ちょっとずつ、ちょっとずつ、皆譲って、結局ほとんど、きちんと守り切ったのはないと。これは大きなものだと思います」
秋元キャスター
「山下さん、TPPで海外の安いお米が入ってきて、日本のコメが危機にさらされるというは起こり得るのでしょうか?」
山下氏
「というのは、昨年までの価格状況だとないと思います。図を見ていただきたいのですが、実は、上が日本国内の米価の推移です。下がカリフォルニアから輸入している米の、関税ゼロの米価の推移ですね。以前はこういうふうに内外価格差が開いていたわけです。ところが、実は昨年度、驚くべきことが起こって、円安ということもあって、輸入のカリフォルニア米の価格が上がったんです。国内の米価は傾向的に下がっていますから、実は60kgあたりにするとカリフォルニア米は1万2500円です。ところが、今年8月までは1万1800円とか、カリフォルニア米よりも安くなったんですね。従って、商社の人に言わせると、アメリカの商社の人に会ったんですけれど、実は日本米の方が安いので、日本米をカリフォルニアに輸出しようではないかと。そういうふうな計画を持っているというんです。従って、実はそういう価格関係にありましたから、昨年77万トンの枠のうち10万トンは、試食用の米ということで、これはカリフォルニアから入ってきたわけですね。ところが、従来は内外価格差があれば、たとえば、国内の米価100円で、輸入の米の値段が80円だったら、これは絶対に入ってくるわけではないですか。だから、10万トンはほとんど100%消化していったんですね。ところが、昨年、何と10万トンの枠が12%しか消化されない。1万2000トンしか入ってこなかったんです。これは、この価格環境を反映しているんですね。最後の入札の時は1万2000トンしか入ってこないものですから、農林省は、8万8000トンの枠をオープンにしたんです。ところが、実際に入ってきたのは、216トンしか入ってこなかったんです。消化率0.2%です」
反町キャスター
「その場合、どうなるのですか?約束の輸入の枠は?」
山下氏
「それはオポチュニティ、機会の提供ですから輸入する必要はないです。だから、実力がなければ、アメリカは入ってこられないわけです。ところが、実は今年、エサ米の生産を振興したもので、国内で。エサ米の生産を振興をするということは食用の米の流通が減るということです。従って、米価が上がったんです。現在は1万3000円ぐらいまで上がっているんです。せっかく内外価格差が解消して、逆転したんですね。これをまた減反政策を強化して、上げてしまっているわけです。従って、どういうことが起きるかというと、7万8400トンというのが入ってきます。入ってくるので、それはGATT、ウルグアイラウンドの時もそうですけれども、77万トンを入れるのですが、これは全部入れなくて、国内で消化をはからずに、これは将来、援助用にまわすとか、それから、エサ米にまわすとか、備蓄にまわすんですけれども、将来、備蓄でずっと持っているわけにいかないですから、これはたぶん将来3年ぐらい経ったら、エサ米とか、援助用とか、そういうふうに処分をするのだと思います。そういうことで財政負担をやれば、まったく影響はないと」
山田議員
「山下さんはいつもそういうふうに進んでしまうんですけれども、平成26年産の国内産の価格は非常に低かったんです。ここ10年来、1番低いですから。だから、そのことによって稲作経営は、大変な苦労があったわけですからね。だから。今回は飼料米をつくったりして、需給をできるだけ絞り込む努力を、本当に汗をかきながら、全国の農家はやったわけで、それでようやくここの水準に達してきているわけですが、そこへ今度のTPPで7万トン入ってきますよということになれば、それはそれで影響は大きいですから。総理も言っていますけれど、農業者の不安に、国民の不安にちゃんと答えていかなければいかんという観点からしても、これだけの米価低落は放置しておけませんね」
反町キャスター
「山田さん、それだったら、たとえば、7万8000トン入ってきて、それが国内市場に入ってくることによって、日本のコメが圧迫されるというのであれば、今回7万8000トン入ってくるのを市場に入れて、国内から、国産米7万8000トンの量を買うという、この玉突きのような買い上げ方がよくわからないんですけれども、だったら7万8000トンをそのまま、カリフォルニア米とオーストラリアの両方買い上げればいいのに、何でこんなやり方になるのですか?」
山田議員
「たぶんTPPの中で、日米間、日豪間で約束があるはずです。民間貿易になっているんです、7万8000トンは。それで、たぶん間違いなく、それは民間が入れて、ないしはアメリカの業者が日本に来て売って、主に場合によったら、アメリカ系のスーパーマーケットで店頭に入れて売る。棚に入れて売るということが条件になっていると聞いています」
反町キャスター
「実績が重要になってくる?」
山下議員
「現在のミニマムアクセス77万トンのうち、10万トンの枠の処理の仕方もそうです。アメリカからすると、10万トンの枠を設定したので、それは直接消費者に届くようにしてくれというので、いったん輸入をするんです。10万トンを入れるんですけれども、その10万トンに相当する分以上の、国産米を買い入れて、それを将来、ずっと備蓄用に、あるいはエサ用に処分する。それから、海外援助用にする。そういうようなことをずっとやってきたわけです。だから、これでこれまで3000億円ぐらいの金を使っているはずです」
反町キャスター
「余計にということですか?」
山下氏
「そうです」
反町キャスター
「それは、つまり、事実上の米農家に対する支援と同じようになるわけですか?」
山下氏
「そうです。誰も得をしないですね。結局アメリカからコメが入ってくる。オーストラリアからコメが入ってくる。得するのはアメリカやオーストラリアの農家であって、日本の農家は確かに枠は設定されているんですけれども、それは国内には入れませんよということなので、得も損もしない。ただし、損をするのは納税者だということです。それから、コメの値段は高いわけですから、高いコメを買うのは消費者だと。だから、現在の内外価格差が逆転したという、この数字ですけど、1万2000円とか、1万3000円という、国内の米価も、これは減反政策でつくった供給量を削減することによって高くなった米価ですから、減反を止めると8000円ぐらいに下がるんですね。そうすると、どんどん輸出ができるようになると」
山田議員
「すごい理論になっちゃうのだけれど、とんでもない話であって、全国に農業者がいて、地域の水田を守って、水も管理して、そこで生活がある地域があり、地方創生と言っていますよ。それで子供達もそこで育てて、地域があるのですからね。地域の中において現在、日本の農業の中では水田の米づくりというのは大変、大きなシェアを占めているわけだから。そこは地域全体の安定のためにも維持しなければいかんという」
反町キャスター
「篠原さん、つくり手を守るのか。消費者のメリットを拡大するのか。こういう二択の話だとすれば、現在ここで聞いている話はどう考えてもつくり手を守っているだけに見えるんですよ。違いますか?」
篠原議員
「それは一義的にはそうでしょうけれども、自分の国の国民が食べる食料を、他の国で皆つくって平気だという国は、独立国ならほとんどないわけです。日本は、そのおかげで、山下さんは現在、米だけを攻めていますけれど、麦、大豆、小麦、皆つくっていた、菜種も全部捨ててきたんです。こんな国もないです。コメは最低限、ちゃんとコメだけはちゃんと守ろうとやってきて、コメに集中して、それの方が財政負担も少なかったんです。だから、たとえば、菜の花畑なんて、皆消えてしまっているわけです。そういう国はないです。世界中、菜の花で、油をつくっていますが、油も自給率がメタメタです。それではいったん何かあった時にどうするのかと。安倍総理は軍事的な安全保障をやたら大事にしていますけれども、食料の安全保障なんて、どこかに吹っ飛んでいるわけです。そういうアンバランスな国というのはないです。だから、最終的に消費者…」
反町キャスター
「トラクターを動かす石油の問題だと、よく言われるではないですか?」
篠原議員
「それも、石油も、エネルギーも、なるべく自前でやった方がいいわけです」
反町キャスター
「できないから、こういう国の成り立ちになっているのではないかと」
篠原議員
「それはすっからかんのかんで、そんな無責任なことは通らないですけれども、自分の国で。だから、原発も維持しよう。再生可能エネルギーをやっていこうと。自前でやっていこうと。防衛も自前でと。その精神は別に間違っていないです。だけど、大きな差があるんですね。全然ここのところに食料安全保障という考え方が全然出てこないではないですか」

日本農業の国際競争力
秋元キャスター
「関税を撤廃し、自由な経済を目指すTPPですけれども、安倍総理は、今日、官邸で開かれた会合で、TPP対策についてこのように話をしています。攻めの農林水産業に切り返すチャンスにすると述べているんですけれど、日本の農業が攻めに転じるために、TPP対策大綱では、2020年の農林水産物食品輸出額1兆円目標の前倒しを目指すという目標を掲げているんです。さらに国際競争力を高めるために国際競争力のある産地イノベーションの促進を掲げていまして、産地パワーアップ事業を創設するとしています。具体的には、高収益作物、栽培体系への転換ですとか、新たな国産ブランド品種や生産性向上など戦略的な革新的技術の開発などを打ち出しているんですけれども、具体的に現在、日本で国際競争力のある作物というのはどういうものがあるんでしょうか」
山田議員
「たとえば、豚肉だったり、鳥の卵だったり、鶏肉だったり、牛肉だったり、これらは相当競争力があると見てもいいですね。ですから、海外に輸出しても、もちろん、価格も高いけれども、品質がいいということもあって、これはどんどん輸出できると思いますね。だから、今回、関税が大きく下がるんですけれど、それに対して安くなった場合に経営所得安定対策を今度、仕組みを変えましたから、その仕組みで支えることによって、私は日本の畜産は強くなると思っています」
反町キャスター
「あたかも聞いている限りだとコメをやめて、畜産とか、養鶏に移った方が日本の農業の将来的な国際競争力が増すのではないかという話にも聞こえちゃう部分もあるんですけれども、それをどう感じますか?」
篠原議員
「食の安全保障とかを考えないで、儲けだけでやるのだったら、野菜や果物や畜産にして、しかも、超高級和牛とか、そうなるかもしれないです。だけど、国策としてとっていいのか。そういうのがあっていいのか。あってもいいですけれども、国が力を入れて、バックアップしていくものでは、私は絶対ないと思います」
反町キャスター
「でも、基本的に自由化というのは、そういう方向に向くものなのではないですか?」
篠原議員
「いや、それは、反町さんと私の考え方の違いです」
反町キャスター
「僕はただ聞いているだけです」
篠原議員
「いいですが、現在突飛な話になるかもしれませんけれども、拡大とか、輸出とかではなく、資源も制約があると。環境も制約があると。市場拡大も望めないと。日本で言えば、人口も減っていますし。中国だって減っていくと。これではやっていけないと。そうすると、なるべく循環型で拡大を望まずに、うまくまわしていくことを考えていくと。そうすると、その時、1つの生き方。環境に優しい生き方というのは、世界中に求められていく。そうすると、周りの資源でもって、それで生きていくという前提で、本当に食べ物を輸入してくる。輸送したら必ずCO2があるんです。だから、なるべく輸送距離を少なくしていこうということに立たなくてはいけない。ですから、それは産業界でもやっていて、日本でつくった自動車を輸出するのではなくて現地生産になっています。それは最終消費地で最終製品にするのが、1番コストが安くなる。だから、日本でできるものをつくらずに、外国から買って日本の品物だけ輸出するというのは、食べ物は最もそれをしてはいけないです。なぜかと言うと、劣化もありますし、安全性がありますから。食べ物こそ最終消費地で最終製品にすると。だから、豚も牛も原材料は全部、エサは外国から輸入しているでしょう。だけど、最終消費地の日本でつくった方が消費者にとってはいいことですから、次善の策としてやっているわけです。本当は日本でもエサをつくってやった方がいいです。アメリカの中西部はそうです。ですから、私は、隙間産業として、日本の超高級な食べ物が輸出されて、たとえば、よく言われるのが、最近も出てきましたけれども、北京で長野県のフジが1個3000円で売られていると。とちおとめは300円だと。じゃあ、誰が食べるのかと。そういうものを国として奨励して儲けると。それはあってもいいけれども、それは自由にやってくださいというので、日本が国の政策としてやるべきことではなくて、1億2700万人の方に安全で安い食べ物を供給することを国の農政はやるべきだろうと思います」
山下氏
「輸出は必要だと思うんです。なぜかと言うと、国内のマーケットはいくら高い関税で守ったとしても高齢化で胃袋が小さくなりますよね。それから、人口減少が起こるので、小さくなった胃袋の数も少なくなるわけですね。どうしても国内のマーケットだけを見ているわけですね。どんどん日本の農業の相手方が売り先が縮小するわけです。そうすると、何が必要かというと輸出するしかないです。海外の人口は増えるし、海外のマーケットも増えるわけです。だから、豚肉がもし、競争力があるということであれば、豚肉の関税はいらないわけです。何で保護する必要があったのかということになりますね。それから、海外から、そこのところで食べるのが1番いい。時系列で100%がいいかもしれないんだけれど、これまで日本はどういうふうに海外から60%も、自給率が39%だけで、61%を輸入しているということですから、それはどういうことになるのと。自由貿易の中で生きてきたわけです。農業も例外なく。その時、海外に輸出する。現在、日本で1番輸出している純国産農産物、1番金額の多いものはリンゴだと思うんですね。でも、リンゴは90億円ぐらいしかないです。いくら、国産のやつを積み上げたとしても、たぶん300億円か400億円ぐらいですよ、実は。あまり上がるわけがないですね。実は日本の輸出額のほとんどは小麦粉とか、即席麺ですとか、海外から輸入した農産物で加工したものが多いですね。だけど、唯一世界に誇れる農産物があります。それはコメです。減反をやめます。現在、800万トン分しかつくっていませんけれど、減反をやめれば、1200万トンをつくれます。400万トン輸出できます。15年ぐらい前までは世界ではインディカタイプとジャポニカタイプ、タイ米のものと日本のものと両方あるんですけれども、現在、炊飯器が普及したので、炊くとおいしいというのがわかって、15年前までは、ジャポニカタイプ、日本米というのはほとんど生産がゼロだったのですが、現在は4割増えて世界的に増えているんです。日本米の需要が増えているわけです。それを利用しない手はない。だから、炊飯器と一緒に日本米を売る。そういうふうな…」
篠原議員
「山下さん、そんなに価値のないものに大量の輸出コストをかけて、安くなるはずなんかないので、超高級で、また北京で日本のコシヒカリと一般のコメと20倍の価格で売れている。これは13億の1%でも1300万人がいるわけですね。そういう人達だけを対象にして、それはごく一部であって、層にはならないし、日本の200万円、300万円の年収しかない人達が外国から輸入した、そういったものを食べるというのは良くないので、日本の消費者に安くて安全なものを届けるのを、政策の1番の真ん中に置かなくてはいけないと思います。輸出、輸出というのはあっていいと思いますが、ほとんど水産物です、1番多いのは。3分の1が水産物。あと加工品です。本当の農産物はほんのわずかです。だから、それは厳しい現実です。それは隙間でもって、うんとお金持ちにというのがありますけれど。これが1兆円になってくるというのは、私はありえないと思っています。これをもしやったとしたら邪道だと思います」

豚肉への影響と守りの対策
秋元キャスター
「日本の豚肉はTPPでどのぐらい影響を受けるのでしょうか?」
山田議員
「これまでとにかく524円という、それは分岐点価格というのですかね、そこの高い価格のところに、安い豚肉と、高い豚肉を合わせて、1番関税の安い、そこに焦点をあてて、輸入するという仕組みが圧倒的に多かったんですよ。ところが、今度、安い豚肉についても非常に関税が安くなりました。だから、場合によったら安い豚肉を安い関税で入れてくるという動きがずっと出てくるのではないかというのを1番心配しているんです。大変心配しています」
反町キャスター
「日本の養豚業は高級豚肉で勝負するしか選択肢がなくなってくる?」
山田議員
「特色のある豚の飼育をやっている、豚肉ですね。こういうのは大変力があると思います。国内でも大変需要が高いと思うんです。世界に我が国がちゃんと入っていくということはあるかもしれません。しかし、そうは言っても、どうしても豚肉の一部から安いものが出てくることがあるわけですから、これらについて競争力がなくなった場合に、必要なのは、現在言った、思い切った経営所得安定対策を講じたわけですね。だって1対1の政府の負担と、生産者の拠出を1対1だったのを1対3にまで上げたわけですね。牛肉と同じレベルに上げたんです。それから、さらに補填割合を8割から9割に上げていったわけであって、それは豚肉に対するTPPの国々のメキシコだったり、アメリカだったり、強い要求があって、それに応えざるを得なかったということの表れだと思うし、この経営所得安定対策の方向へ私が進んでいくことについては大賛成です。この方向へ他の作物も動いていくということが、将来これだけ自由化率が高まった我が国において、アメリカやヨーロッパと同様な形で、安くてもそれは財政で、所得補填しますよと。どうぞしっかりつくってくださいという、この政策を何としてもつくりたいと思っているんですね。短所が出たわけですから、私は、今回のTPPの国内対策はここの部分は非常に良かったと高く評価しています」
篠田議員
「こんなにかさばるものでも高いものだったら飛行機で運んだって採算があうわけです。餌、人間の食べるものでもない動物の食べる餌です。これは、輸送コストそのもの、輸送コストがどれだけかかるかということです」
反町キャスター
「飛行機よりはるかに安いですよね」
篠田議員
「安いですけれども、大量に運んできて、それを最後には小さく分けて、それで農家に運ばなくてはならない。だから、日本の畜産というのは加工畜産ですね。原材料を輸入して、加工して、肉や卵や牛乳に変えている。だから、それは加工貿易立国の鉱物資源を輸入して輸出するのとまったく同じ。ただ、1つ違うのは輸出してないだけなんです。構造改革。先ほど、ちょっと申し上げましたけれども、現在イギリス、フランス、ドイツ、アメリカとの比較があるんですけれど、養豚は1435トン、2011年で。1番大きいです。2番目に大きいのが、アメリカで930トンぐらい。極限まで努力をしてきている産業です。だから、豚小屋とか、鶏小屋もそうですけれど、農家の近所にあったのと全然違うんです。鳥も5万羽とか、4万羽です。豚も同じです。極限までやっているんです。それでも採算が合わないと。それは当然です。アメリカはどうしているかというと、同じ自分で餌をつくっているわけです。餌の方が高かったら、餌を輸出し、餌が安くなってきたら、しょうがないから動物に食わせてという、ある時は肉で、ある時は穀物だと。デンマークの話をしました。デンマークは人口400万人です。スカスカですね。日本にそんなことやる場所はないわけです。やれるのは北海道くらい」
反町キャスター
「日本で豚を飼うのはやめたほうがいいと言っているんですか?」
篠田議員
「いやいや、違います。次善の策として飼料穀物を輸入し、日本でもって少しでもいい豚をつくろうというので…」
反町キャスター
「現在の話だと3倍はしょうがないということですか?」
山田議員
「日本で、アメリカから輸入するトウモロコシをつくれるのかと、この島国で。それはとてもではないが無理です。トウモロコシの方が、すごく高い値段のトウモロコシをつくらなければいかんようになるわけですから、国産の。だから、相当程度輸入に依存せざるを得ないという現実が間違いなくあったと思います。それと2つ目は、最近はいろいろな反省の中で、食べ残しと言いますか、廃棄が相当ありますから、それをエコフィードという形できちんときれいに、それこそ植物だけを、ちゃんと材料にして、供給できる仕組みを、だから、そういう取り組みもやっていますから、その面では日本の豚肉や畜産が国内にあるということは、意味があるわけで、その循環の仕組みはちゃんと維持していくという意味でも、国内で生産することの意味は大きいと思いますね」

体質強化策…人材育成
秋元キャスター
「政府は総合的なTPP関連政策大綱で、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成を掲げています。意欲のある農業者の経営発展を促進する機械・施設の導入、金融支援措置の充実、農地のさらなる大区画化・汎用化などを明記しています。こうした対策はこれまでも行ってきたと思うんですけれど、なぜこれまで次世代の担い手というのが育たなかったのでしょうか?」
山田議員
「農業に対する所得の面とか、魅力がなかったというのは1番です。ちなみに全国の農業高校卒業生のうち、農業に従事しているのは5%しかいない。だから、少なくとも中学生の時に、俺は農業やってみようという気持ちで、農業高校を選択した人がだいぶおいでになると思うんですね。とすると、そういう皆さんが志望に従って、経営に就ける農業の魅力ですね、所得をきちんとさせないと、到底ダメだと思います。その条件が何かと言うと一定の経営規模も必要だし、作物によっても違いますけれどね。それから、金融支援の充実も必要だと。動機づけのための様々な取り組みも必要だろうと。現在5年間150万ずつ応援するという仕組みも持っていますけれども、これも大変好評なので、それらを活用して若い人が農業に就かないとダメですね。本当に将来展望が描けませんね」

山下一仁 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の提言:『打倒アンシャン・レジーム』
山下氏
「今回、農政新時代というのはいい表現だと思うんですね。でも、新時代というのはいい表現だけれども、新時代に対比する旧時代は何かという総括がないと、新時代にいけないと思うんですね。旧時代とは何か、高米価、減反政策で稲作農家の規模拡大を損なってしまった。総収量も上がらなくなってしまった。それから、農協制度もあります。農地制度もあります。そういう日本農政のアンシャン・レジーム3つの柱を全部打倒してくれる、そうではないと、農政新時代は言えない。そういう意味で小泉さんには大変期待するところが多いということです」

篠原孝 民主党衆議院議員の提言:『フード・マイレージ(ウッドグッヅ)を少なく』
篠原議員
「フード・マイレージというのは、食べ物の移送距離をなるべく少なくして、生きていくべきだと。だから、特産物をつくるのもそうですが、学校給食の原材料ぐらい自分のところでつくろう。そういうことをやっていきましょうと。足元を見直し、それで余ったものを輸出する。ついでにウッドグッヅと書いてありますけれど、韻を踏んでいるんです。グッヅマイレージも少なく、これは自由貿易、貿易量を多くするのではなくて、なるべく少なくしていきましょうというものです。農業で考えると、この理屈が1番よくわかると。ちょっとお考えいただけたらと思います」

山田俊男 自由民主党農林部会長代理の提言:『日本の将来像の共有』
山田議員
「TPPは間違いなくアジア太平洋の新しい時代を開くのだと言いましても、開くのは我が国の経済界、起業家だったりする。そこに1番メリットがありますから、一方、農業者は1番の苦労だと思います。第1次産業はなかなか苦しいです。だから、そういう面では経済界の皆さんの利益、一方、農林水産業、一次産業のマイナス面。これをお互いよく理解して、日本という国をどういう国にするのかという将来像を共有するということが1番大事だと思います」