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2015年11月20日(金)
馳浩文科相×尾木直樹 元教諭タッグの教育論

ゲスト

馳浩
文部科学大臣 自由民主党衆議院議員
尾木直樹
教育評論家

馳浩文科相に聞く 『記憶遺産』登録
松村キャスター
「中国が申請した南京事件を巡る文書がユネスコの世界記憶遺産に登録された問題から伺います。中国側が申請をしたのは、旧日本軍が撮影をしたとされる写真や裁判記録など資料11点で、申請書には犠牲者は少なくとも30万人と記載されています。そもそも2014年に中国外務省が申請を発表してからユネスコが今年、登録を発表するまで1年以上ありましたが、登録は阻止されませんでした。馳さんは今月6日、ユネスコ総会で演説しまして、ボコバ事務局長と会談をされたわけですが、馳さん、そこではどのような話をされたのでしょうか?」
馳文部科学相
「まずユネスコ総会の一般演説を日本の文部科学大臣がさせていただくのは10年ぶりだそうです。いつもはこの時期、臨時国会を開いていますので代理が出ていたようですが、まず直接、大臣という立場で、この南京事件というか、記憶遺産事業はそもそもユネスコの精神に照らして、政治的な対立を煽るのではなくて、政治利用に使うのではなくて、相互理解。加盟国の相互理解を求めることが重要であるということをまず一般的に申し上げました。ボコバさんとはバイの、1対1の会談でありますから、率直に今回の南京事件の登録については遺憾であると。そのうえで制度を見ると関係する国、南京事件について言えば、日本は当然関係をしますので、その意見を審査の段階で聴くことがない。もちろん、聴かなくて良いというルールになっているんです。また、中国が登録をしようとしている資料についてアクセスすることもできません。アクセスしなくても良いということになっているわけで、これは透明性を、審査制度として持つべきではないのかということを率直に申し上げ、この問題点、改善の必要があるねということは共通の意識を共有することができました。同時に、改善に着手するという言葉もいただきましたので、現在の段階としては、そのフォローアップのために、現地に佐藤大使がいらっしゃいますので、根まわしをしていただいています。また、我が国からも専門家が行きまして、IACという国際諮問委員会というところが審査をするところなのですが、ここに実情を専門的な見地から説明にも行っていますので、私達の主張が無理難題を言っているのではなく、ルールをより改善をしましょうと。そのことが本来、ユネスコの主旨であります、対立ではなく融和。これを尊重する必要性があるのではないかと。こう申し上げてきています」

ユネスコの透明性
反町キャスター
「記憶遺産の次の登録は2年後ですよね。その2年後に向けて、今回、中国が途中まで動いてやめた、いわゆる従軍慰安婦の話があります。中国は慰安婦の問題というのを2年後の登録に向けて韓国と共同で、連携して出そうかという話が出ています。この問題も日韓の間での問題であったにもかかわらず、そこに中国も加担をして、中韓で歴史問題についての日本に対する圧力だと、いわゆるステレオタイプの箱にはめてみたくなる感じに僕らもなっちゃうんですけれども、これもユネスコの記憶遺産に向けては、先ほどのプロセス、機構改革。それで止められるものなのですか。それとも、日本としては、この問題をどう見ていくことになりますか?」
馳文部科学相
「ここは、私はポイントだと思っています。いわゆる慰安婦の問題にしても、これも歴史的事実に照らしあわせてということが、1つ大事なポイントです。従って、昨年ですか、朝日新聞の誤報事件等もありましたが、我々当事国が、中国と韓国、プラスアルファの国々が登録をしようとしておられる。この記憶遺産の資料について事前にアクセスできて、その真実性とか、また、それについて取り組むことが悪戯に政治対立を生むようなことにならないように私達も意見を言うことができる。資料の事実を確認することができる。お互いに意見の相違がある場合には、ちょっと登録を保留して、待ってもらうという。当たり前のルールにしていただければいいと思っているんです」
反町キャスター
「それは、日本としてはユネスコの選考過程の改革を求めるとともに、中韓に対しても当然、働きかけていくと。こういう理解でよろしいのですね?」
馳文部科学相
「はい。中韓だけではなくて、ユネスコの加盟国、皆さん方に、記憶遺産事業の制度については。透明感をもって、より専門家の意見が反映されるようにしましょうよとね。これは丁寧に言い続ける必要があると思っています」

高速増殖炉もんじゅ
松村キャスター
「続いては、原子力規制庁が文部科学省に勧告した高速増殖炉もんじゅについて聞いていきます。高速増殖炉もんじゅは、使用済みの核燃料であるプルトニウムとウランの混合燃料を使って、発電をしながら使用した以上の燃料を新たに生み出せるという夢の核燃料リサイクル施設といわれていました。もんじゅは、そもそも1983年、設置許可を受けまして、1994年8月に発送電を開始しますが、1995年の12月にナトリウムの漏洩事故があります。稼動が停止します。その後、2010年、14年半ぶりに運転再開しますが、炉内に核燃料交換装置が落下するなど、トラブルが続出します。度重なる事故などもありまして、現在も稼動していない状態です。こうした状況の中、原子力規制委員会は、文部科学省に対しまして高速増殖炉もんじゅの運営主体である、日本原子力研究開発機構の変更。それが困難な場合はもんじゅのあり方を抜本的に見直すことを勧告します。文科省に半年をメドに報告を求めていますが、馳さん、この勧告を現在どのように受け止めていますか?」
馳文部科学相
「監督官庁として重大な局面に至ったと、そのようにまず重く受け止めています。それに1つ目のもんじゅの運営主体。いわゆる原研機構の変更ということが勧告されているわけでありますから。ましてや半年後をメドにという期限まで示しておられるので、まさしくこの1番目の運営主体の変更について、私は、速やかに専門家、または、関係者からなる検討の場を設けて、検討を開始すべきだと、こう考えています。同時に、我が国のエネルギー基本計画。これは昨年の4月に出されていますが、この中においても、核燃料サイクルというこの政策は明確に位置づけられています。そのことを踏まえると、まずは安全管理、保守点検は大丈夫かと。そのことについて、今回、勧告を受けたということを受け止めて、主体的に文部科学省がかかわるべきだと思っていますが、エネルギー基本計画の全体から見て、当然、関係省庁とも必要に応じて、連携をとり、情報の共有をしながら、丁寧に進めていく必要があると思っています」
反町キャスター
「半年以内に、何らかの受け皿をつくることは間違いない。それはやると。これは決まったゴールですか。勧告というのは強制力があるものですか?法的拘束力のある…」
馳文部科学相
「法的拘束力はないと確認をしています。ただし、原子力規制委員会からこういう勧告をいただいたということは重大だと思っています。同時に、運営主体の変更の場合には、実は原子炉についての新たな規制基準といったものが原子力規制委員会から実はまだ示されていないはずですよ。そうすると、新たな運営主体を変更せよという勧告があって、それに従って対応をしていても、その新たな規制基準はどういうふうになっていくのかということは、確認せざるを得ないと思いませんか」
反町キャスター
「どういう基準をクリアできるような運営主体をつくればいいのですかというところが、まず示されていないと」
馳文部科学相
「はい。そこは、私もまだ勧告文書を読んで吟味をしていますが、ここはちょっと私の方も打ち返して、お聞きした方がいいのかなというふうに思っていますので、従って、丁寧に丁寧に今後の進め方をしていきたいと思いますが。従って、その検討の場をつくるにあたっては関係者を網羅的に選考する必要があると思っています。そういった意味で、12月の中頃には、少なくとも第1回を開催することができるように作業を進めてほしいと、事務方にはそういうふうに言っています」
反町キャスター
「それは、文科省内の検討会議の第1回という意味ですか?」
馳文部科学相
「もちろんです」
反町キャスター
「省庁横断的なものではなくて」
馳文部科学相
「まずは文科省が所管しているわけですから」

『いじめ』『不登校』の実態
松村キャスター
「ここからはいじめの問題について聞いていきます。2011年、大津市で、中学2年の生徒がいじめを苦にして自殺した事件をきっかけに2013年、いじめ防止対策推進法が施行されて2年が過ぎました。しかし、いまだにいじめが原因で自殺する事件が相次いでいます。昨年の1月です。山形県で、中学1年の女子生徒がいじめにあっていたとノートに書き残し、登校途中に自殺をしました。昨年9月、仙台市で中学1年の男子生徒が、仲間外れにされるなどのいじめを受け自殺。学校側はクラスメートに対して転校したと説明しました。今年7月、岩手県で、中学2年の男子生徒が、同級生から頭を机に押さえつけられるなどのいじめが原因で自殺。今月も名古屋市で、中学1年の男子生徒がいじめを受けたと遺書を残して自殺をしました。馳さんは、いじめの現状をどう見ていますか?」
馳文部科学相
「まずは自殺をしてしまった生徒の気持ちを想うと心から本当に痛ましいし、お見舞い申し上げなければいけないと思います、保護者に対して。親の想いを、私も人の親として思うと、本当につらいですね。はやく気づいて、はやく対処してあげることができなかったのか。見て見ぬふりをしていた人がいなかったのか。どこかに、いじめの端緒を見つけ出して、早目にかかわることができなかったのか。ここはまさしく、いじめではダメだし、いじめられる被害者の気持ちになってほしいし、傍観者にもなってはいけないし、このことをあらためて、事実を見ただけでも、本当に残念な思いでたまりません」

『いじめ』認知件数と解消率
松村キャスター
「文部科学省は各自治体のいじめの認知件数とその解消率の調査を行い、10月に公表しました。認知件数が棒グラフとなっていますが、都道府県によって大きな開きがあることがわかってきました。尾木さん、非常にバラつきがあるように見えるんですけれども、なぜこのような数字になってしまうのでしょうか?」
尾木氏
「こんなデータはめったに出るものではないです。本当に、都道府県の教育委員会のいじめに対する認識がむちゃくちゃぶれているわけですね。1000人当たりの発生件数で見たりしても、たとえば、京都は85件と出てくるのですが、少ないところは2件と出てくるわけですよ」
反町キャスター
「その違いは何なのですか?」
尾木氏
「つまり、文科省は、実はいい加減なデータを出してくるなということで、岩手県の矢巾(のいじめ自殺)のことがありましたので、やり直しを命ずるわけですね。やり直しを命じて出てきたら、プラス3万件多かったと。3万件増だったわけですね。例の矢巾の、岩手のあそこはゼロで報告をずっとやっていたのが、新しく出してみたら三十数件出てきたわけですね。何でそういうズレが出たかという理由もおっしゃっているんですけれども、もう解消済みだと思っていたとか。要するに、解決済みだと思っていたとか、あるいは小さなトラブル程度ならば報告しなくてもいいと思っていた。ところが、文科省がとっておられるデータというのは、いじめの定義というのはいじめられた本人が身体的、物理的な苦痛を感じたものはいじめとして認知件数としてきいているわけですよ。かつて発生件数を問うていたんですよ」
反町キャスター
「認知件数と発生件数の違いは何ですか?」
尾木氏
「まったく違います。発生件数というのは、学校の先生方も調査をして、確かにいじめが発生したなと。本中学校では、年間5件起きたとか、これが発生件数。認知件数というのは、子供達に聞かないとわからないですよ。いじめられた本人が、いじめだと思ったら、いじめだと思いましょう、ということですよ」
反町キャスター
「認知件数が多いわけですね」
尾木氏
「むちゃくちゃ多いですよ。比較にならないほど。それはたくさん、多く出れば、多く出たほど子供の状況を掴んでいて、優れているという証拠ですよ。これは、前の文科大臣の時もそうおっしゃっていたのですが、評価をすっかり変えて、たくさん発見をして、たくさん解決をすればいいんだよ、とおっしゃっていたんですけれども、その通りですよ。だから、多く出てきても恥ずかしくないです。京都がすごく多いのですが、京都はすごく熱心に取り組んでいます」
反町キャスター
「京都、千葉、宮城が断トツ多いです」
尾木氏
「鹿児島も実はすごく多いんですけれど、これはどういうことかというと、たとえば、京都府で言いますと、各市町村ありますよね。全部の市町村に対策室を設けているんですよ、100%ですね。ところが、残念なことに現在問題になっている岩手県は何と設置がゼロなんですよ、ゼロ。少ないところを見てみますと、発生件数も少なくなっていて、取り組み、つまり、意識が低いんですよ。人権感覚とか、いじめられる子の気持ちになってみるというレベルが非常に低く、データはでたらめで出てきたんですけれども、でたらめの裏にある真実を見ると、リアルに見えます」
反町キャスター
「認知件数についていかがですか?大臣として」
馳文部科学相
「尾木先生がおっしゃった通りです。私が2年前、もう3年ですか、経ちますね。大津の事件を受けて、超党派でいじめ防止対策推進法を議員立法でやった。実は座長を務めさせていただきました。その時も、この番組に出席させていただきましたが、この定義のとり方、非常に悩んだんですよ。超党派で、皆で議論をしました。結果、被害者の立場に立って、いわゆる心理的、身体的苦痛を感じているもの。このとり方ははやく認知をして、はやく対処をしようと。いじめはなかったことにするというのはやめようよと。そこはどこの学校にも、どこのクラスにも、どの子にも起こり得るよね。でも、そう言った芽を摘んでいくような努力をしましょうと。そのためには、対策協議会をつくり、各学校には、対策の委員会もつくっていただいて、その感覚、感性を、教職員も、管理職も、いや、法律の中では子供同士、共に取り組む。いじめとはどういうものか。いじめはダメだよねと。そのためにはどうしたらいいかと。子供同士の取り組みに対しても教職員が、保護者が、サポートしていこうよ。また、法律の中には、子供の教育については保護者に一義的な責任はありますよねと。従って、保護者とも連携を取りながら、取り組みをしましょうと」
反町キャスター
「解消率が8割から9割と。どこの県でも、解消率が高いんですけれども、これはどういうことですか?解消率とは、そもそも何ですか?」
尾木氏
「これは、いじめていた子といじめられていた子が仲良く、そういう状況でなくなったよということですね。いじめ、いじめられるの関係は解消したと」
反町キャスター
「では、この数字は本当なのですか?」
尾木氏
「嘘です。嘘ですという表現も非常に品がないですけれども、これは、先生達の気持ちもわからないではないんですけれども、いじめの加害者と被害者を集めて、親も呼んで、もういじめるということはしないように約束できるかね、と言ったら、すみませんでしたと。ここで握手をしようと。こういうことをやっちゃうんですよ。これで解消したと捉えるわけですよ。でも、それは最もやってはいけないことですけれども」
反町キャスター
「僕はここでやり方を教わろうとは思わなかったんですけど、いじめた方と、いじめられた方を呼んで、2度とやらないと握手をさせて、これからしっかりやれよと。それはダメなの?」
尾木氏
「ダメです。だって、そういう恥をかかせ、お前チクッたなというので、もっとわからない、陰湿な形で、倍返しが襲っているんですよ。岩手県の彼の場合なんて、典型的にそうですよ。1年生の時に既にいじめられていて、両親を会わせて、仲良しになろうねとやって、また、2年生になる時に、同じクラスになってしまって、つまり、被害者に同じクラスにしていいのか、先生が聞いたわけですよ。そうしたら、仲直りをしたから大丈夫だと言ったんだけれども、それはそんな通りには、思春期の子供はいかないですよね。離さなければいけないのをミスってしまったんですけれども。だから、解消はしていないんです、基本的に」
反町キャスター
「どうなったら解消になるのですか?」
尾木氏
「クラスで合唱コンクールをやったりとか、いろんな取り組みで、皆、それぞれの良さがわかってきたりとか、その感性、人格教育というか、人間教育というか、レベルが上がってこないとストップはできないですよ。つまり、加害者が加害行為をやめられるよう、人間性が豊かになってくれないと。いじめ問題のほとんどは加害者側にあるんですよ。だから、そこがやめられるような、たとえば、クラスのシステムができているとか、皆で注意し合えるような環境ができているとか。それから、家庭教育がうまく機能して、いじめのストレスが溜まらないような子供になっているとかね。かなり時間がかかる問題です」
反町キャスター
「そうすると、この解消率というのは、年度で調べているけれど、数年かけてとか、ないしは学級、クラス変更があったりする場合だったら、1年でいいかもしれないけれども、少なくとも数週間という単位ではなく、半年とか、1年かけ、本当に消えたかどうかを検証すべきテーマであって…」
尾木氏
「だから、いじめ対策委員会というのは、各学校に設置義務があるわけですよ。教師の方も研修が義務づけられているんです。この2つは義務ですよ。それで、文科省の調査を見ましても、ほとんどの学校に設置されているんです。外部のメンバーまで入れて設置されているところが、6割、7割と結構、高いですよ。ところが、岩手の事例なんかを見ますと、委員会を1度も開いていなかったとか、研修会を1回もやっていなかったと。ホームページには年2回やると書いてあるんですけれど。そういうふうに形骸化しているので、既に。まだ3年経っていないのに」
反町キャスター
「いかがですか?解消率は嘘だという話から始まったんですけれども、馳さん、まず解消率、これをどう思うかというところから、これを真水で上げていくためにはどうしたらいいのか。これはいかがですか?」
馳文部科学相
「解消率という形で、現場が正常化するように努力をする、1つの目標は、それはそれで必要だと思っています。だけれども、人と人の関係ですよ。第3者が仲良くしろよと、ハイと。その場では言いますよ。しかし、明日も明後日もずっと関係性が続く中で見守りと。それから、腹から、こいつと協力をしてやろうとか、この人が困っている時に協力をする。それを態度として、声をかけてあげ、いたわったり、あるいはわからない問題を教えてあげたり、というふうになっていこうと。そこを見守り、支えていくのが教職員の仕事であり、同時に、子供同士でいじめ問題を考えさせることは、とても重要だと思って、お互いに気づきあわなければ。気づきをもってより良くなろうとするような方向性をサポートすることも必要だと思います。これは法律の中にももちろん、書いたのですが、子供同士がからかいだと思っていても、本人はそう思っていないんだと。人が嫌がることは、自分がされて嫌なことは、それはやめようよという、合意形成を重ねていかなければ意味がないです。従って、解消率という言い方で、1つの取り組みを促す目標は必要ですが、それに拘泥するのではなく、常に教職員は現場を見守っていく必要があると。それも1人ひとりの子供に目を配っていく必要があると思いますよ」
尾木氏
「僕らから言うと、現在の馳大臣みたいな、こういう丁寧なというか、温かみのある分析を発表してほしいような気がするんです。あれだけ出てくるとうちは少なかったとか…」
反町キャスター
「高い方が偉くなっちゃいますよ。解消率が高い方が偉くなっちゃう」
尾木氏
「そうなっちゃうんです。だから、ここから読み取れるのを、丁寧に現在の大臣の言葉みたいに出してくださると現場は勇気づけられて、何だ、そうかと。子供達を主役にしなければいけないのだと。そういえば、書いてあったわとなるわけですよね。そこにいけていないの。まだ僕ら、現場感覚で見ていますと」
反町キャスター
「逆に、これを見ていますと、解消率が低い方が正直に言って、好感度が高いですよ。現在の話を聞いていると」
馳文部科学相
「反町さん、あまりそこのレベルの話にフォーカスしない方がいいです」
反町キャスター
「だったら、出さない方がいいですよ」
馳文部科学相
「いや、目標としては必要ですよ。いろんな種類のいじめの中で対峙しているわけですから。そこは、教育現場として解消していこうという方向性は必要ですよ。だけれども、継続しているんです。毎日、朝から晩まで。いや、家に帰っても、LINEの中でもいじめはあるかもしれないんです。そこは常に配慮をしながら、いじめはダメだよねと。ダメだ、ダメだと言うばかりではなくて、子供達同士にも考えさせて、私達には何が必要なのかと。お互いの思いやりとか、声のかけあいとか、協力をしあうと。それはある部分、熱いものが子供達から湧き上がるようにしていく。そういうリーダーシップは教職員の大事な能力だと思います」

いじめの実態把握
松村キャスター
「ITツールを使ったいじめの実態は?」
尾木氏
「現在いろいろないじめで不幸な事件が起きますよね。大半がSNSを通す、携帯電話を介しているんですよ」
反町キャスター
「見えにくくなっている?そういうものに対しては対応が変わってくるのですか?」
馳文部科学相
「当然だと思っています。LINE文化が定着していると思います。短い文章で適時適切なやり取りをするというと聞こえが良いのですけれど、日本語には言葉の背景にいろいろな解釈が含まれていますから、自分がそう思っていなくても、その短い文章や言葉の中で酷く傷ついてしまうと。不愉快な想いをしてしまうことがたくさん込められていますので、大事なことはネットリテラシー。私達はネット社会で生活しているし、匿名性や速報性があるということを踏まえて、どう取り組むかということ。これを学び、理解するということが1つ。コミュニケーションは訓練が必要ですよ」

教師の『意識』と『質』
反町キャスター
「体罰による懲戒・訓告者数が増えているということは体罰は減っていると見た方がいいのですか?」
尾木氏
「これは難しいですよね、読み取りが。増えているという側面も、確かにあるんですよ」
反町キャスター
「体罰の件数が」
尾木氏
「教育行政の意識が強くなって、これまでは軽く見ていたけれど、きちんと処分までくだすよという、毅然とした姿勢を示すようになった、そういうデータとして見た方がいいかなという気がします。基本的に全国状況を見た時には体罰は減っているはずです」
反町キャスター
「体罰の発生件数、認知件数は増えているのですか?」
馳文部科学相
「2013年度までは増えています。昨年度の件数は聞いていません。体罰は根絶ですから、ゼロでなければいけない」

教職員の定数削減
松村キャスター
「財務省の教職員定数削減案について」
馳文部科学相
「センスないですね。法律に基づいて喋ります。基礎定数というのがあるのです。子供が減る、クラスが減る、担任が減る、それは事実です。このことを否定するものではありません。昭和44年から始まっているのですが、加配定数というのがあります。発達障がい、障がいに応じた支援、あるいは小学校における専科教育の配置と、習熟度別クラスへの配慮。そういうきめ細かい配慮が必要です。実は障がい児の割合は増えているんですよ、児童数の減に比べて。そういった現場の課題。加えて、労務管理の観点から言って、教職員の過重労働の現場が多いですよ。そういう現状を考えるとまだまだ教育現場を担う教職員の数は足りません。そこを加配で補っていく方針といったものは、財務省の皆さんにも丁寧に説明したいと思います」
尾木氏
「これは理論的に言えば、算盤をはじいて言えば、財務省がおっしゃるのは一定程度根拠があるわけですね。現状維持の理屈であって、どうやって教育の質を上げていくのか、いじめのない学校にしてもらうのか。学力を上げていくのかということを考えた時には、せっかく人数が余ってくるのだったら、その分で教育の充実をということ。教師がオーバーワークになっていますから、少しでも軽減して、丁寧に子供達と向きあえるようにするという。だから、ビジョンを持って、文科省もしっかり受け止め、お金はどんどん出すというか、少なくとも教員数を減らさないと。これは教育の原理原則だと思います。財務省はどうして視野が狭いのかなと。わからないですね」
反町キャスター
「教員の質について聞きたいのですが、不向きな人が教師になっているケースが多いのですか?」
馳文部科学相
「戦前に我が国に師範学校があったでしょう。意欲と能力のある人を大学の学部の段階から養成と言いますが。採用、研修、教育免許更新制度があります。これは一体的な哲学に照らしあわせて、それに踏まえた人事が行われるように資質の向上、魅力のある教職員を増やしていく努力をしなければ意味がないということはお伝えしたいと思います」

馳浩 文部科学大臣の提言:『現場の声』
馳文部科学相
「現場の声を集約したうえで、エビデンスに基づいて、教育効果を高める。そのための教員の資質向上を一生懸命にがんばりたいと思います」

教育評論家 尾木直樹氏の提言:『教育は未来への投資』
尾木氏
「教育は未来への投資だという考え。教育が人づくり、国づくりの元ですよね。だから、投資するんだという気持ちで国を挙げて教育を応援してほしい。いくら(子供の)人数が減るのだから(と言って)、削ってくれと、そういうことをおっしゃらないで、未来を見据えてほしいと思います」