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2015年11月19日(木)
『2000万人来日社会』 爆買い民泊…次の焦点

ゲスト

澤田秀雄
エイチ・アイ・エス代表取締役会長
平将明
前内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員
篠原靖
跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授

訪日外国人客2000万人! さらなる増加への戦略と課題
秋元キャスター
「訪日外国人の数、今年2000万人近くにのぼると見込まれているのですが、訪日外国人、インバウンドが注目されている理由の1つは、爆買いという言葉に象徴される、旅行客が国内に落としていくお金の大きさというのがあります。昨年1年間に、訪日外国人客が日本国内で消費した金額を、国、地域別にまとめたものですが、昨年の訪日外国人客による消費額は2兆円。最も多いのが爆買いで注目される中国で5583億円と全体の4分の1以上を占めています。続いて台湾、韓国。さらに香港、東南アジアと、アジアの消費が全体のおよそ75%を占めているということですけれども、まずは澤田さん、訪日外国人の数が今年は2000万人に迫る勢いで増えていますけど、現場として実感はありますか?」
澤田氏
「まさに実感があります。本当に来られる方がすごく多いので、バスの手配が滞ったり、足らなくなったり、ホテルも若干、取りにくくなったりと非常に感じます、現場では」
秋元キャスター
「爆買いが話題になっている中国人観光客ですけれど、どのような旅行で来る方が多いのでしょうか。たとえば、ツアーで来る人が多いのか、個人のお客さんが多いのか。どうなのでしょうか?」
篠原准教授
「現在、爆買いと言われている中国人の皆さんは、ツアーに入って来られているという部分が多いと思います。全体のニーズとしては、個人型の旅行で、6割ぐらいは自由に来るようになっているのですが、まだ爆買いのお客様というのは団体が多いと思うのですが」

爆買い・大量消費 訪日外国人客の現状と展望
反町キャスター
「爆買いのお客さんは団体が多いのですか?」
篠原准教授
「ええ」
反町キャスター
「個人で来た人が爆買いをするのではない?そこは爆買いするような、お金を持っている人達は個人で来る人達かと思っていたのですが。そうではないですか?」
篠原准教授
「ええ。だいぶビザの緩和で、所得の部分の幅がありますけれども、本当の富裕層というのはもちろん、個人的に来ていますよね。裾野が広がっていますので、その意味で、全体の数として見ると、そういうことです」

観光は『成長エンジン』になるか
反町キャスター
「潜在的な成長への寄与度を聞いていきたいのですが、まず国内消費の規模から説明していただきたいのですが」
篠原准教授
「なかなかこれまで観光に携わっていない皆さんはどのくらい旅行の消費というものがあるか。もう1回、ここで確認をしたいと思っていますが、食べることの外食。これはもちろん、1番多いわけでありまして、24兆円です。今度、見ていただきたいのは、自動車ですが、この数を見比べていただきますと、日本を代表する産業の自動車産業よりも旅行の方が22.5兆円。これだけ多いということですよ」
反町キャスター
「国内、日本人の旅行も、外国から来るインバウンドも全部含め、観光産業というものが国内消費をしている?こういう理解でよろしいのですね?」
篠原准教授
「そうです。旅行と申しますと、何か本当に一部の旅行産業だけが儲かっているというような話もあるのですが、実際のところ本当に生産波及効果が広がるわけですけれど、実際に見ていただくと観光の消費の波及効果でありまして、この部分で申しますと、だいたい一般的に捉えられている観光産業というと、交通とか、宿泊とか、飲食ですよね。しかしながら、人が動き、旅をしていただくことによって地元の農業とか、漁業とか、そうしたいろいろな分野にお金がまわっていくという。生産波及効果というのがこういう形で出ていますから。ですから、本当にこれまで誤解されていたのは、この旅行産業とか、観光産業だけでなく、観光というのはこれだけ威力があるということですよね。このへんをまず理解をしていかないといけないのかなと思います」
秋元キャスター
「澤田さん、エイチ・アイ・エスと言うと、日本人が海外旅行に行くというイメージが、つまり、アウトバウンドというイメージが強いのですが、インバウンドの可能性というのはどのように見ていますか?」
澤田氏
「もう既にアウトバウンドの数を、今年インバウンドが抜きましたね。これからどんどん抜いていくと思いますね。我々は現在、海外支店の発展の方が…たとえば、タイ。タイ支店は700人か800人。タイ人をどんどん日本に送っていますし、あとベトナム、インドネシア。どんどん成長をしているということで、まだまだこれからインバウンドは伸びるのではないかと思いますね」

インバウンド増大への課題
秋元キャスター
「さて、政府は今月9日、今後のインバウンド戦略を検討する、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議の初会合を開きました。安倍総理はこのような課題に触れています。ホテルが取りづらいとか、Wi-Fi環境が不十分。鉄道やバスが使いづらい。キャッシングができる場所が少ない。伝統文化の説明がわかりづらいなど、具体的な課題を挙げたうえで、こうした課題を改善していくことで、リピーターを増やしていくとしているんですけれども、平さん、総理自らかなり具体的な課題を挙げていますけれど、インバウンドを受け入れるための日本のインフラ環境というのはまだまだ不十分だと感じますか?」
平議員
「まず想定よりも急速に増えていますので、いろんなところで、ボトルネックというのか、目詰まりみたいなものが出てきていると思います。たとえば、観光バスが足りないですよね。それと今後は、いわゆるCIQ、いわゆる入管とか、税関とか、ここを強化していかなければいけません。さらに、外国人観光客は、ネットとか、スマホとか、iPadなどを使って、いろんな情報を手に入れるので、Wi-Fiがつながらないところに行きません、基本的に。なので、地方創生の観点からも、地方で観光だ、外国の人にも来てもらうんだという以上は、そこにWi-Fi環境がなければいけないので、これはちゃんとロードマップをつくりながら、つくっていく必要があると」
篠原准教授
「もちろん、整備することはたくさんあると思いますし、宿泊の問題もそうですけれども、地方にお客様が行った時に、足の便がなかなか厳しいわけですね。これもまた政府の方では新しい動きとして、自家用車をシェアし、つなげて、それを足に使っていくような話の部分も具体的にスタートし始めようということで、安倍総理もお話されているようですけれども、現在、先生がおっしゃったみたいに、本当にこの3年ぐらいで、こんなにまさか来るとは思わなかった。テンミリオン計画と言って、平成13年ぐらいまではずっとがんばって、がんばって、つないできたわけですけれども」
反町キャスター
「テンミリオンというのは1000万人ですか?」
篠原准教授
「1000万人ですね。この壁がなかなか高かったんですよね。これが一気に、円安だとか、ビザ緩和の部分とか、あと経済がグッと想像以上に、アジアが良くなったという内部的な施策と、外部的な施策もあって、ここまで一気にきたのだろうというふうに思いますよね」
反町キャスター
「澤田さん、いかがですか?こういう、総理が言われたように、外国からのお客様を迎える環境が整っていないという指摘をどう感じますか?」
澤田氏
「そうですね。急激にお客さんが増えたからホテルが取りづらくなったと。本当に3年で倍になったわけですからね。では、ホテルがすぐに倍になるかというと、そうはいかないですよね。だから、この通りですけれども、現在みたいにこんな急激な伸ばし方は問題だと思いますね。なぜかと言うと、ホテルの値段が上がってくる、サービスも雑になってくる。結果的には良いと思って来たのが民泊だと言って、海外旅行に行ったら民泊にしか泊まれないと。そういうのが好きな方もいるからいいんですけれど、そうではない方の方が多いですから、コンスタントにきちんと伸ばしていくという方がいいかなと現在は感じていますね」

ホテル不足と『民泊』 いま、日本に必要な対応は
反町キャスター
「民泊の話にこれから入っていきますけど、民泊というのが、ホテルもあります、民泊もどうぞという選択肢なのか。ホテルがないから民泊だということなのかで全然意味が違ってくるではないですか?」
澤田氏
「ホテルがないから民泊だと思いますね。では、皆さん、海外旅行で民泊にどれだけ行かれるかというと、ほとんどないではないですか。もちろん、それを好まれる方もいますから一概には言えませんけれども。だから、現在(ホテルが)ないので民泊というのは、これは1つの手段というか、方法ですから悪いと思いません。ただ、皆泊まれない方が民泊に行って、それで日本に来て満足していただけるかというと、少し疑問だと思いますね」
秋元キャスター
「安倍総理も会議で、ホテル不足を指摘していますけれども、平さんの地元である東京の大田区は、国家戦略特区として、旅館としての許可を得ていない、民家にも観光客を宿泊させる民泊の実施を検討されていますけれど、2014年に制定されました国家戦略特別区域法の民泊に関する部分ですけれども、フロント、帳場の設置など、旅館業法の規定を一部適用除外したうえで、滞在期間が7日から10日以上ですとか。居室の床面積が原則25㎡以上、さらには、施設の使用方法や、緊急時における外国語での対応などの要件を満たせば、観光客を宿泊させることができるということですけれども、平さん、今後インバウンド増大をさせていくうえで、このような規制緩和は必要だと思いますか?」
平議員
「まずは国家戦略特区でできるようにしました。現在は何のルールもないので、グレーゾーンのまま突っ走っていると。隣に誰かワイワイ声がするけど、何人いるかどうかもわからない。ゴミの出し方もめちゃくちゃだ。テロ対策はできているのかということになっているんです。ですから、こういうような状況の中でやり方はいくつかあるんですね。新たな立法をするというやり方もあるし、規制緩和をしてしまうというやり方もあるし、地方分権のように、うちは高野山みたいに宿坊がたくさんあるから、ここだけ民泊をやりましょうとか、農家とか、漁村でやりましょうみたいな分権をする。最後にもう1つ残るのは国家戦略特区というやり方で、これは地域を限定し、ルールをつくって、国は規制緩和をしますが、一方で、規制というのは意味があるんですよ。それはリスクが、こういうリスクがありますというので規制をしているんです。国が規制緩和をする一方で、自治体、たとえば、大田区とか、大阪府とか、そういうところが新たな条例をつくったり、事業者に新たな、いわゆる責務を課したりして、そのリスクが顕在化しないような枠組みをちゃんとつくったうえで、国家戦略特区でやってみましょうということです。ですから、たとえば、大田区では7日以上です。7日以上、泊まる人。だから、2日とか、3日はその時点でダメ。しかも、大田区が認定していますので、そこで保健所との連携もできるし、警察との連携もできるし、住民に対し、ちゃんと説明をしてくださいということもできて、それができないというのであれば認定も取り消します、消防署とのどういう枠組みにするか交渉しているので、まったくルールのない中で広がっていたものを、ある一定の枠組みをつくったと。そのうえで、このルールでリスクが顕在化しなければ、1つの選択肢として認めてもいいのではないかと」
反町キャスター
「平さんの話を聞いていると、大田区で規制緩和と言っているが、実はそこは規制強化で、他のところに行けばもっと緩くなる。簡単に安く短く泊まれるところをわざわざ大田区に行って、高い金を払って長い期間、泊まらなくてはいけない。お客さんが来ると思いますか?」
平議員
「それはまったく逆ですね、考え方が。ルールを明確にするから、まともな企業が入ってくるんです」
反町キャスター
「もちろん、そうです。お客さんが来るか?」
平議員
「お客さんは来ます。今後、何が起きてくるかと言うと、ホテル、旅館業法というルール、それから、国家戦略特区というルール。そうすると、この真ん中にあるのは摘発対象ですよね、基本的に。この間、京都でも摘発されていましたよね。と言うことになりますから、そのルールで、たとえば、ホテルも稼働率が高い。そうすると、需要と供給できますから単価が高くなる。一方で、民泊となると供給が増えますからね、供給が。そこで単価を下げる効果もあるし、ホテルのようなホスピタリティは要りません、豪華なフロントも要りませんと。俺は日本に行ってB級グルメを食べたいんだ。泊まる所はどこでもいいという人もいるわけなので、様々なニーズがあると思います。ですから、そのオプションをつくるということなので、こっちかあっちかという話ではありませんし、民間企業が創意工夫をして、いろんなアイデアを出してくるのではないかなと」
反町キャスター
「それならば、大田区において、規制緩和という、僕から見たら、規制強化をするぐらいならば、全国的に民泊に対する規制を一気に強化しないとそのバランスがとれないですよね。悪貨が良貨を駆逐するというのが全国的に起きるだけではないですか?」
篠原准教授
「たぶん平先生は非常に大田区につきましては、ご苦労されているのだろうと思うんですよ、地元ですし。なかなか組合がありますね、業界の。たとえば、旅館組合。これははっきり言って猛反対なわけですよ。当然、規制の中で、縛りを受けて、コストをかけてやっているではないですか。それに規制緩和が入ると分が悪いと。その中で大田区の場合は、いろいろ調整をされて、そのへんのバランスで、現在のようなお話になったのだと思いますが、国としては、宿泊の日数も本当はもっと小さくしながら、できるようにしたいというような動きも、先生、あるんですかね、全体で見ると」
平議員
「現在言ったカテゴリーと別に、たとえば、エアビーアンドビーみたいな会社があって、何したいのですかと言ったら、そこにちゃんと住んでいる人がいて、空いている部屋を貸したいのだとか、そうフォーカスを絞ってくれれば新たな立法ができるんですよ。結局、アメリカは法律に書いていないものはやっていいんですよ、アメリカは。だから、インターネットが入ってくると、いわゆるウーバーとか、エアビーアンドビーみたいなのが一気に広がってくるんだけれども、日本は書いていないことはやっちゃいけないという、法体系が違うわけですよね。そこをどう整合性を合わせていくかということで、一方で、エアビーアンドビーみたいなサービスが世界的に広がっていて、利便性が高くて、さらに、ネットの特性を利用して、また、そのリスクが顕在化しないような担保とか、顧客満足度を高めるような仕組みもあるわけですよね。だから、それを現在の法律でどうするのかという議論と、まず特区ということで折り合いをつけてやってみようというのがあります。ですから、今後はホテル・旅館業法の中に、いわゆる、民泊のような新たなカテゴリーをつくるというのも、これから合わせてやっていくことになると思いますね」
秋元キャスター
「訪日外国人客の旅行先について、安倍総理は明日の日本を支える観光ビジョン構想会議で発言されています。キーワードは地方と消費。ゴールデンルートだけでない、日本各地の魅力を世界のニーズに結び付けていくということですけれど、ゴールデンルートというのは東京から箱根、富士山、名古屋、京都、大阪をつなぐ、訪日外国人客の代表的な旅行ルートですけれど、東名阪など都市部中心となっている旅行先をもっと地方に広げたいという意向を示しています。都市部への偏りを裏づけるデータですけれど、外国人がどこに宿泊したかというのを都道府県別にまとめたものですが、東京、大阪などの都市部が多くて、それに比べると地方というのは圧倒的に少ないというのが実態ですが、平さん、このインバウンドの果実が地方にまで及んでいないという現状はいかがですか?」
平議員
「まず初めてその国に訪れた人は、それは首都に行きますよという話です。ですから、リピーターをどう増やしていくかということが大事です。リピーターとか、ヘビーに日本に来る人は、私にしか知らない日本とか、ガイドブックに載っていないところに行きたがるわけですね。ですから、そういう需要と、まさに、政府がやっている地方創生。地方創生というのは新たな人の流れをどうやってつくるのかと。その地域の本当の価値は何なのかというものを皆で磨いて出しましょうということになっているので、ゴールデンルートという大動脈と地域別を周遊するルート。さらにはいろんなアイデアで、そこから毛細血管のように各地域に呼び込むような取り組みをしていく。昔、小さな自治体が海外の人を呼ぼう、これは大変な話で、お金もかかるし、どうしたらいいという話もありましたけれども、現在ネットの時代で、面白いものがあると勝手に動画をアップしてくれたり、Twitterをやったりして、意外とそういうお金をかけずに相手次第で来るというのと、あと大資本があって、大きな施設があって、歴史的な何か特別なものがあってというところでなくても体験型のようなものですごく海外から人を集めるという成功事例もありますから。そう言う意味では、そういうことを活用しながら、いかに毛細血管を広げるかという取り組みを各自治体含めて、国もやっていくということだと思います」

インバウンドを地方へ! 日本の戦略と課題は
反町キャスター
「平さんが言われたように地方にまで引っ張っていくと。まずどの国に行くにしても首都だと言いましたが、アメリカに行く時にはワシントンには行かないですよね。ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコですよ。変わった人がアラスカに行きますよね。その違い。日本はそういう可能性があるのですか?」
篠原准教授
「日本の観光というのは、国内消費をまわしていたわけですから、日本人の趣味趣向の中でまわしていたので、新たなチャレンジをしなくて良かったんですけれども、これから日本が観光立国として打って出るにはいろんなカテゴリーをつくっていくことだと思うんですよ。人によって選択肢が広がっていく。これを用意しておくことが大切だと思うんですよね」
反町キャスター
「日本はそれができているのですか?」
篠原准教授
「まだまだですよね。これが議論にあがってくるだけ進歩したと思うんです」
反町キャスター
「これまでそういう議論すらなかったのですか?」
篠原准教授
「なかったですね。海外に行くと民泊とか、ゲストハウスとか、ドミトリーとかが旅人同士の出会いの場になって、そこでいろんな情報を仕入れて旅を楽しくまわすという。こうした文化が日本の東京でもドミトリーができ、外国人同士もそこで出会って、情報交換もするし、外国人に会いたくて日本人も来るんですよ。1階がバーになるのですが、そこで万国共通のいろんな話、日本文化のことを日本人に教わったり、逆だったり、こういう宿、ホテルというのが泊まるだけではなくてコミュニティの核みたいな話にこれからなってくるのではないか」
澤田氏
「ゲストハウスは人気があります、若い人に」
反町キャスター
「それはビジネスとして成立しているのですか?」
篠原准教授
「ええ。稼働率が都心のホテル並みに8割、9割まわっているんですよ」

インバウンドを地方へ! どう発掘?地域の魅力
秋元キャスター
「地方創生の7つの観光周遊ルートとして、新しく北海道、東北、中部、近畿、瀬戸内、四国、九州と設けられている。どういう狙いでつくられたのでしょうか?」
篠原准教授
「ベースになるのが、ゴールデンルートと言って、東京を起点としまして、富士山を見ながら名古屋、大阪ですね。こうした話だったのですが、ここはほとんど満杯の状態にもなってきているし、政府の課題はまさに地方に誘導していくということですが、お客様を土地に迎えるためには重点的に整備を進めまして、外国人でもうまく滞在できる、周遊できる体制をつくるために、広域観光ルートというのがあります。もともと日本人を対象に1つのエリアを核に地域の見所をつなげながら、このエリアを全体で楽しむという方法があったのですが、これの外国人向けにこうしたものをつくりだしたということだと思います」
秋元キャスター
「ルートによってどういうテーマがあるのでしょうか?」
篠原准教授
「たとえば、北海道がありますけれど、タイトルはアジアの宝、悠久の自然美の道。ちょっと難しいんですけれども、いろいろ大自然あるわけですが、現状、北海道の観光を見ていますと札幌にどうしても集中していますし、あとはニセコあたりのスキーとか、非常に人気ではあるわけですが、これを北海道全体につなげていこうというような話で組まれています。続いて、東北ルートであります。日本の奥の院、東北探訪ルートと、こういう話ですけれど、これは台湾とか、香港の個人旅行をターゲットにして進めているということなのですが、地方空港として仙台空港、福島空港がありますけれど、なかなか原発の風評被害があって外国人が来てくれていませんので、観光と復興をつなげるようなテーマも含まれております。次が、昇龍道というのがあります。これは中部ルートであります。ちょうどこの龍の頭のような形でルーティングしているわけですが、これもセントレア、名古屋の空港も人気であるわけですが、どうしても現在のルートで言うと、ゴールデンルートに流れていたわけですね。これを今度、北陸新幹線で沸いている金沢、富山とか、そうした方につなげていくという。まさにこの広域のルートであります。これはアメリカのお客様をベースにしていこうと言われています」
秋元キャスター
「具体的に成果は上がっているのでしょうか?」
篠原准教授
「現在はこうした形を設定して、そこを国で育てていくという状況ですよね。Wi-Fiの部分がまだまだですし、そうした、たとえば、案内表示の部分とか、もっと地域の人材育成とか、こうしたことも、このルートを定めて重点的に行なっていくという、現在から始まったキックオフという感じでしょうか」
秋元キャスター
「このルートから外れた地域は廃れてしまうのではないか?」
平議員
「地域次第だと思いますけれど、これは血管ですから、ゴールデンルートが1番大きな血管で、周遊ルートも大きい血管、そこに人の流れができれば、そこからどう自分の地域に毛細血管のように引っ張りこんでこられるかということなので、近くにまできているというのは確実にプラスだと思います」
秋元キャスター
「日本人が思うその土地の魅力というのは、外国人が思う魅力とはまた違うような気がするのですが、そこはどう考えていけばいいのでしょうか?」
平議員
「インバウンドを組み立てる時は、外国人の目線でマーケティングをしなければいけないので、うちはこれがウリだよと言っても、それは売れなければしょうがないので、それは若い人とか、よその人を入れたり、外国の人を入れたりして、デザインし直したり、編集し直したり、あとは地元の人が何とも思っていなかったことが、外国の人から見たらすごく価値があるということもあるので、それを地方創生の中で試行錯誤してやっているということだと思います」
反町キャスター
「どう魅力的に伝えるのか、どういった手順があるのですか?」
澤田氏
「中国人が好むものと、欧米人が好むものとは全然違うんですね。買い物も中国人が買われるものと韓国の方が買われる、台湾の方が買われる、欧米の方が買われるものは全然違うんです。興味を示す場所も全然違うんです。まずマーケティングをキチッとしないと、ただいっぱい売っていても仕方がないと。どのマーケットに対して何をこの地域は売り出すのかをしないといけない。地域の魅力は、ここにしかないとか、ここでしか見られない、楽しめないということをキチッと地域が差別化していかないと。隣の県と同じことをやっていても来ていただけないわけです。大都市に負けるわけですから。それさえキチッとやれば、自ずと旅行社はツアーを組みますし、もしくはマスコミがとり上げてくれますから、地方だけの宣伝費は知れているわけですね。それをちょろちょろと宣伝してもダメですから、いかに地方が差別化の魅力、おらが県はこんなに面白いんだよとか、そういうことをキチッと地方は考えて、宣伝したらどこへ行くのかと言ったら、どのマーケットに、欧米人に来ていただきたいのか、中国人に来ていただきたいのか、台湾人に来ていただきたいのか、それともベトナム人が来ていただきたいのか、タイ人だとか、そういうことをきちんとマーケティングしてやらないと、全然嗜好が違いますから」

日本は『観光途上国』? インバウンド増大への課題
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【日本に来て困ったこと(観光庁資料より作成)】
Wi-Fi環境 36.7%
コミュニケーション 24.0%
公共交通の経路情報 20.0%
公共交通の利用方法・料金 17.1%
両替・クレジットカードの利用 16.1%
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秋元キャスター
「あらためなければいけない認識がありますか?」
平議員
「2020年東京オリンピック・パラリンピックがありますから、これはいい機会だと思います。昭和39年も外国からいろんな人が来て、メンタリティが変わったのではないでしょうか。そういった中でもう1度、日本の価値がすごく世界で評価されているという自信を持ち、それを見に来てくれているのですから、ありがたいと。何か最近外国の人がいっぱいいて、嫌だなとは言わないで、高い物をいっぱい買ってくれているんですから。ビジネスで1番いいのは、最近お金持ちになった人に売るのが1番やりやすいんです。金払いがいいですから、そういう人もありがたいと思って、感覚を変えていく必要があるのではないかと思います」
澤田氏
「日本人も、来ていただく方もマナーが向上していくようなインフォメーションを。そうすると皆、意識が高まりますし、来られた方もマナーの悪い方が結構多いですね。そういうのを徐々に、広報活動とか、日本人もそうですし、中国人もそうですけれども、そういうのを上げていくのがいいかなと思いますね」
反町キャスター
「30年前、40年前、日本人が初めて海外に行き始めた頃は、同じことをやっていたのではないかと言う人もいる」
澤田氏
「40年前に僕はドイツでガイドをやっていた。最初の頃は日本人も少しマナーが悪かった。中国人までいかなくても、ホテルでステテコを履いて歩いたりする人もいた。現在はなくなりました。最初は少しは仕方がないと思います。ただそういうことを知っていただいて、国がインフォメーションして、日本はこういうルールで、こういうマナーでやっていますから、よろしくお願いしますとなれば、良くなっていくと思いますよ」

澤田秀雄 エイチ・アイ・エス代表取締役会長の提言:『明るく元気に』
澤田氏
「おもてなしというのは、明るく元気にやるのが1番いいと思います。敢えて言えば、安全に。安全が1番ですから、明るく元気に日本全員が出迎えれば、どんどんお客さんは増えると思いますね」

篠原靖 跡見学園女子大学観光コミュニティ学部准教授の提言:『日本文化の奥行き』
篠原准教授
「観光立国を成功させていくには、地方にお客様を流していくにはそれぞれの地域の文化をわかりやすく伝えられることが必要だと思うんですよね。ですから、日本文化の奥行きをもっともっと深めていくことが観光立国への道ではないかと思います」

平将明 自由民主党衆議院議員の提言:『Big Data』
平議員
「リピーターになってもらうのがすごく大事だけれど、何に対して外国のお客様が感動しているのか、何に対してすごく不満に持っているのかは、しっかりモニタリングする必要があると思っていて、SNSのようなものをしっかりとモニタリングして、対策を立てる。もしくは地域経済分析システム、RESASで人の流れを分析して、どうやってその流れを自分の地域に持ってこられるのか。自分達の地域に人の流れを呼び寄せるために、我々は何を価値として発信していくのかということをそれぞれの自治体が競いあうように、良いものをつくっていけば、隅々まで観光の効果があらわれてくるのではないかと思います」