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2015年10月29日(木)
白熱の南シナ海攻防戦 中国譲れぬ背景と本音

ゲスト

佐藤正久
前自由民主党国防部会長 参議院議員
遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長
小原凡司
東京財団研究員・政策プロデューサー

米中『南シナ海攻防』 イージス艦派遣の狙いと背景
秋元キャスター
「アメリカは一昨日、南シナ海に海軍のイージス艦1隻を派遣しました。あらためて場所などを確認しておきたいと思うのですが、場所は南シナ海のスプラトリー諸島、中国名で南沙諸島ですけれども、この海域の岩礁に中国は人工島を建設しています。アメリカ国防総省の発表によりますと、その岩礁のうち、スビ礁周辺の中国が領海を主張する12カイリ、およそ22km内の海域に海軍のイージス艦が派遣されたということです。アメリカは、この海域は公の海、公海として海軍のイージス艦ラッセンを航行させました。まずは小原さん、このアメリカが航行させたラッセンという、この船。どういった船なのか、どういった能力があるのか教えていただけますか?」
小原氏
「この船は割合大きな船で、満載排水量が9000トン以上あります。一般に船が大きいということは上に積めるものが大きいということですから、たくさんの武器を積んでいるということが言えます。イージス艦の特徴というのは、空からくる攻撃に1度に多数の目標に対処できるという能力が1番優れているわけですね。ですから、実は中国にも似たような船があるのですが、同じように板のレーダーを4面に張りつけているのですが、このレーダー自体は、技術はさほど新しいものではありません。目標をたくさん処理するというのは、その内側にある目標処理するコンピューター。この能力によって、イージス艦の性能は変わります。あと敵の船に対抗する対艦ミサイルですとか、127ミリという艦砲射撃ですね。陸上も攻撃できるような大きめの大砲、あるいは対空目標を対象とする対空ミサイル。これはスタンダードミサイルという弾道ミサイルを迎撃することもできる能力を持っています。さらには潜水艦にも対処できる。あらゆる戦闘に対応できる船だということが言えます」
反町キャスター
「佐藤さん、情報によりますと、要するに、つかず離れずで、後ろから中国の軍艦が2隻追尾しているという話もあるではないですか。ただ、単に親善航海ではないですよね。事実上の、すごくフルアラートの状態の中で、この3隻がこういうふうに動いていたと。こんな理解でよろしいのですか?」
佐藤議員
「緊張状態にあるのは間違いありませんけれども、ただ、明らかに、おそらく抑制的に、お互いに通信、会話もしているようですから、動いているようですから、そこまでめちゃくちゃ緊張という感じでは、実際はないと思います。実際に今回、アメリカが派遣をしたのは艦隊ではなくて、1隻ですよね。これは1つのメッセージ性があると思うんですね」
反町キャスター
「どういうメッセージですか?」
佐藤議員
「艦隊だと、さらに中国に対して攻撃的な意思表示になりますから。1隻というのはまだそれほど、軍事的な緊張という意味で1番低いレベルで対応しているということが言えると思います」
秋元キャスター
「いくつも人工島があるんですけれども、今回スビ礁周辺を選んだというこの点はどういう理由からだと思いますか。小原さん、いかがですか?」
小原氏
「スビ礁は1988年にベトナムから中国が海上で戦闘をして奪ったサンゴ礁です。今回はスビ礁だけではなくて、フィリピンやベトナムが埋立てている地域にも寄っているということらしいのですが、スビ礁に入るということは、ベトナムに対してはメッセージ性があると思いますね。アメリカも自分の行動を東南アジアの国々に支持をしてほしいと思いますから、そういう意味では、スビ礁。しかも、スビ礁、ミスチーフ礁は現在、飛行場、滑走路の建設が確認されている場所ですので、そういったところで中国のそういった行動が無意味であることを示すと」

譲らぬ中国どう動く?
秋元キャスター
「領土、領海の元となる島の定義について、国連海洋法条約によると、自然に形成をされた陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上あるものと定義をされていて、つまり、中国が領海を主張するスビ礁は高潮時、つまり、満潮時の時には、海中に沈むために国際法上、島と言えないということなので、暗礁ということなので、島ではないから認められないんだよという理屈が通るから、スビ礁を選んだという話ということですね。遠藤さん、なぜ中国は領海をこのように設定すること自体も不思議なんですけれども、中国の主張はどういうことなのでしょうか?」
遠藤氏
「中国が、全世界がおかしいではないかというぐらいの主張をするのは、根拠がどこにあるかというと1992年に制定された領海法にあるんですね。1991年の12月25日にソ連が崩壊しましたね。それまでずっと中ソ対立があったので、ソ連が崩壊するまではじっと静かに動かなかったわけですよね。また、特に1992年の時というのは、アメリカ軍がフィリピンから引き揚げましたよね。撤退しましたよね。そのために、しめたと。このタイミングしかないというので、1992年2月に領海法というのを制定して、我が国の尖閣諸島を含めた、南シナ海の、いわゆる中国の赤い舌と呼ばれる部分です。それを全部中国のものだと決めてしまったことがあったんです。そうしたら国際法上いったいどうなるのですか、これは。非常におかしいでしょう。日本が既に日本国のものであると言っているのに、中国がまたそれを法制定した。そうすると、その途端に日本がガーッと、おかしい、という勢いで言わなければならない。言わなければならないのに日本は言わなかったと。今回、まさに人工島というものに対してアメリカがターゲットに挙げたのは非常に賢くて、なぜかと言うと、人工島は、いわゆる海洋、領海法で定められた中には入っていないわけですよ。暗礁というか、水面下に潜ってしまうようなものですよね。従って、それは領土の対象にならないわけですね」
反町キャスター
「国際法ではね」
遠藤氏
「国際法ではね。国連海洋法ではならない。だから、そこにターゲットを絞って、それをやった。だけど、中国はこの領海法があるために、そのためにでかい態度をずっと取り続けているから、ここのところに焦点を当てて、しっかりこれをどうやればいいのかという対策を是非とも政府に考えていただきたい」

中国の内情と本音は
反町キャスター
「この領海法というものが、現在の問題の根本になっているという認識は政府としては当然、持っているんですよね?」
佐藤議員
「中国はもう、まさに、国内法をどんどんつくって、自分で、特に、核心的な利益というよりは領土の主権を守ろうしているのは当然、政府も認識をしています。この動きと言われるのは、よく言われる3戦のうちの世論戦、心理戦、法律戦の法律戦の世界で、自分の行動を正当化しているということは当然、政府も認識し、それについても我々としては、それは国際法の方を優先させれば力による現状変更は認められないという立場です。ただ、中国としては、これは自分の主権の範囲内だと。太古から自分のものだと言っているぐらいですから。そこを裏づけるためのものだと理解をしています」
反町キャスター
「先般、行われた米中首脳会談。オバマ大統領の発言に対して、習近平主席、平場においても一歩も譲らない姿勢を示したではないですか。あの背景にあるのは、まさか、この領海法で一歩も譲らないというわけではないですよね」
佐藤議員
「中国が見ているのはアメリカです。太平洋は2つの大国を包むだけの広がりがあると、覇権的な膨張主義がある以上は、それを裏づけるだけの、そういう法律がないと正当化できません。よく言われるのは、国境は国力に応じて変わる。戦略変境という考え方が中国にはあって、国境は力によって変わるんだと。ダマースキー島という島がソ連と中国の間にあって、ずっとそこをとりあっていたんですね。でも、ソ連が崩壊した時に、鄧小平は一気にとってしまった。あるいはチベットやウイグル、内蒙古もそうですけれど、力によって変わると。この西沙諸島もそう。そういう動きがありますから。覇権的な膨張主義がある以上は、それを裏づけるための国内法をつくっておかないと正当化できないということはあるので、これだけではなく、海島保護法とか、どんどんつくっているんですね。そういう流れは止められないと思います」

どう読む?双方の意図
秋元キャスター
「中国は法に基づいて、アメリカ艦船に対し、監視、追跡と警告を実施したと。アメリカの行為は、中国の主権と安全利益を脅かす行使だと、アメリカが南シナ海で艦船を航行させたことに対し、中国の外務省はこのようなコメントをしているんですけれども、どうなのでしょう。このタイミングでアメリカが艦船を航行させるということは、中国にとっては想定されていたのでしょうか?」
遠藤氏
「想定したと思いますよ。だって、5月から知っているし。それから、水面下では、どうなのですか?私の聞くところによれば、米中の軍隊はちゃんと水面下ではそれなりの交渉をしていて、いわゆる海上の連絡メカニズムのような衝突を起こさないというようなことを前提として動くということを、中国はわかっていたと思いますね」
小原氏
「中国は見くびっているところはあると思いますね」
反町キャスター
「これ以上は出てこないだろうからみたいな?」
小原氏
「中国で話を聞くと、驚かされるのは、本当にアメリカが手を出さないと思っているのかというぐらい相当楽観的」
反町キャスター
「その楽観論の根拠は何ですか?」
小原氏
「彼らのロジック、表向きのロジックかもしれませんが、これだけ経済的な相互依存が深化していれば、アメリカが手を出すはずがないと。そんなことはないです。アメリカは、安全保障に関わる問題であれば、経済相互依存はまた別の話。もちろん、切り分けようとするとは思いますが、安全保障に関してはアメリカは引くことはないです」
佐藤議員
「新しい米中の冷戦構造が始まった的な見方もあるんです。それはまた軍事的な面だけではなく、経済的な面も含めて、まさにアメリカのアジア太平洋のリバランスというものを裏づけるものの1つとしての、今回、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は有効ですから、いろんな面で。こういうアメリカと中国のぶつかりあい。ドンパチでなく、冷戦構造的なものがこれからどんどんいろんな形で深まっていく端緒に現在なっているかと。そういう流れがどんどん出てきているなという感じは個人的には持っています」

日本のとるべき姿勢は?
秋元キャスター
「南シナ海の海域は、アメリカが艦船を航行させたことを受けて、米中間で緊張が高まっていますけれど、佐藤さん、日本としてはこの事態に対してどのような姿勢で臨むべきなのでしょうか?」
佐藤議員
「日本はこれまでも、これからも国際法に照らして、正しい行動をする国に対してはそれなりの支持をすると。今回の場合は、アメリカはまさに航行の自由というものを国際法に基づいて提示していると。行動をしたということについては支持をするという立場はこれからも変わりませんし。ただ、今後、事態が進んだあとに、協力を求められるとか、いろんな事態が出てきた時にどうするかという部分についてはこれからいろいろと検討しないといけないと思いますね」
反町キャスター
「それはどういう場合にどういう協力をアメリカが日本に求めてくるのですか?」
佐藤議員
「当然、国際法上に照らして正しい行動をしているという立場。これは、日本だけではなく、韓国とか、あるいはASEAN(東南アジア諸国連合)の国も同じだと思うんですね。そういう中において、中国がその行動を伴わない場合、これからどういう形で、そういう我々の意思をどう示すかという時によく言われるのが一緒に訓練をやって、共同訓練で自分達の立場を主張するとか、場合によっては、さらに進めば一緒に警戒するとか、いろんなパターンがあると思いますけれど、現在はアメリカが単独でやっている。だから、将来的にはオーストラリアとか、いろいろな国がそこに入ってくるという段階がないとは言い切れませんので。そういう時に、日本としてどういうことができるのかと。アメリカから求められた場合にどうするんだ。現時点ではそういう計画はありません。でも、将来的にこれはどうするんだという部分については研究、あるいは検討をしないといけないと思います」
反町キャスター
「小原さん。今言ったようなことが実際起きた場合、たとえば、日米の共同訓練、ないしは日米の共同監視行動。それは南シナ海の公海上でやるんだよと言っても、この場合には、それは公海、ないしは領海に極めて隣接したところ、日本で尖閣だと接続水域に見えるイメージですよ。そこに来た時に、中国はどう反応を示すのですか?」
小原氏
「中国は、日本が南シナ海での活動に参加することには極めて敏感だと思います。私も、新しい安全保障法制等ができたあとに、中国等での会議に出席した時に、必ず聞かれるのが、日本は南シナ海に行くのかということですね。それほど、中国はこの問題は米中新型大国関係、米中間で決めたいですよね。これが中国が国際社会に挑戦しているよといった構図になるのはとにかく避けたいと思います。特にアメリカとその同盟国は協力をしてくる。中国にそういうことをできる相手はいませんから。そうすると、中国としては立場が非常に不利になるということだと思うんですね。ですから、日本に対して牽制はかけてくると思いますが、現実問題として、すぐに日本の自衛隊、護衛艦に攻撃をするかというと、それはないと思います」
遠藤氏
「東シナ海に関して中国がまたここでも非常に横柄な態度をとっているわけですね。その横柄な態度をとっている理由は、南シナ海では領海法でしたが、今度、東シナ海では尖閣。では、何かと言いますと、これは実はアメリカですね。アメリカが沖縄を返還する時、1972年に、ニクソン政権の時ですけれど、キッシンジャーが盛んに動いた時ですけれども、アメリカは施政権を預かって、サンフランシスコ条約で、施政権を還すだけだと。領有権に関しては、自分達は何の関係もないと。従って、領有権に関しては中立だということを宣言したわけですよね。現在も、オバマ政権もなおニクソン政権の時の宣言を、現在のアメリカ政府も引き継いでいますということを高らかに言っているわけですよね。と言うことは、中国から見れば、その言葉はすなわち領有権が日本にあると言っていないと、中国はその言葉を解釈して、だから、自分達には権利があるんだと。もちろん、それは太古以来という、太古より中国のものだと、これは常套句として使いますけれど、それ以外にアメリカがそういう姿勢であるということが中国を増長させている原因の1つだと」
佐藤議員
「これは南シナ海も一緒ですよ。南シナ海における、ベトナム、フィリピン、マレーシアが持っているような岩礁についても、アメリカは、それについてもコメントはしませんから。アメリカも中立であって、第3国からの、そういう領有権争いには関与をしないという原則ですから。これは別に尖閣だけではなくて、南シナ海の、今回、岩礁の領有権争いについても同じです」
反町キャスター
「小原さん、現在、遠藤さんが言われているように、たとえば、南シナ海においてと、東シナ海、尖閣において、その法的な根拠は違うにせよ、たとえば、尖閣においては安保条約第5条を発動するとオバマ大統領は言いました。そういう法的なものによって、中国に対する抑止になっているという前提とか、ないしは南シナ海においても、国連海洋法上、アメリカもこれを盾にとってやっているわけではないですか。国際法を盾にとって中国に対して圧力をかけようとしていると。こういったところで、中国を止め切れるのか。ないしは現在ここで議論になっているみたいに、徐々に日本もそこにコミットしていかざるを得なくなって、何らかの物理的な衝突のリスクというのは今後、高まっていくのかどうか。そこはどうなのですか?」
小原氏
「短期的には緊張は高まることは間違いはないと思います。現在、南シナ海は、アメリカと中国、それぞれ安全保障の根幹にかかわる部分が対立しているということなので、アメリカは、ただ、ここの南シナ海での活動の自由が確保されれば、今度、領土紛争には関与をしないと思います。日本に関しては、安保条約第5条(発動)と言っていますけれども、フィリピンに、なぜ言えないかというと、アメリカにはバンデンバーグ決議というのがあります。これは同盟を結んでいても、相手国は自国の安全保障について努力をすることと、アメリカとの協力関係、支援を積極的に行うことがないと相手を共同で防衛しないという決議があって、フィリピンが現在どうなのかというと、アメリカはなかなかそこまでは言えないのだろうと思いますね。ですから、現在のところ、最低限です。以前は日本でさえ、そう言われていたのですから、これに引っかかると。日本はもっと努力をしろと言われていたのが、日本に対する防衛努力を要求する、元々の根拠だったわけですね」
反町キャスター
「防衛努力、今回の安全保障法、ないしは新しいガイドラインによって、日本とフィリピンのコミットの深さを比較するのも変かなと思うんですけれど、はるかにアメリカは日本に対しての方が軍事的な介入をやりやすい環境になってきていると。こういう理解でよろしいのですか?」
小原氏
「やりやすいと思いますし、実は南シナ海の方が東シナ海よりテンションが高い、緊張が高いんですね。これは中国にとっても、南シナ海の方が重要性は高いと思いますし。それは歴史的な問題ではもちろん、東シナ海も引けませんけれども、現実的な安全保障の問題で言えば、南シナ海の方がよほど大切。日本も東シナ海ではもちろん、牽制が強まるかもしれませんけれども、この南シナ海の問題が直接に、日本にすぐに影響が及ばないといったことだけで考えると、日本の関与は誤ると思うんですね。アメリカが航行の自由と言った時には民間船の海上輸送だけではないです。たぶんに軍事的な意味を含んでいますから。アメリカはどこの国であれ、傍まで行って攻撃できなければならないですね。これは、アメリカが常に担保をしておかなければならないことです。この南シナ海ではそんなことは起こらないですけれども、中国が現在、言っている通りに南沙諸島及びその付近の海域。これ領海とも言わないですから。付近の海域とはどこだと、内容はわからないわけです。でも、言っていることを聞いたら、九段線の内側全部でしょうということなのですが、もし主権が及ぶと言って、領海法に則って、外国の軍艦を入れませんというような話になった時に、アメリカが自由に中東などにアクセスできなくなる可能性がある。それは日本や国際社会にとってどんな影響を及ぼすのですかということですね」

迫る日中韓首脳会談 中国の本音と戦略は
秋元キャスター
「中国が国際社会に対してどういうメッセージを発信してきたか。中国の国際世論を構築しようとするこのやり方どう見ていますか?」
遠藤氏
「まずTPPという非常に大きな枠組みがありますよね。それによって普遍的価値観、安倍さんの価値観外交があります。オバマさんも価値観という言葉を使いましたし、特に安倍さんは普遍的価値観という言葉を使いましたね。普遍的価値観というのは何かというと、民主主義の人権や自由や民主、司法、法の支配、そういったものを重視する価値観を共有している国々を言うわけですよね。中国は何なのかというと、法の上に共産党がいて、共産党が全てを支配していると。軍も司法も全て共産党が支配しているという一党支配体制。これを特色ある社会主義的価値観と言うんですけれど、核心的価値観と言っているのですが、特色があるとは何のことかというと、社会主義国家というのは本来金儲けとか、そういうことをやらないものでした、中国建国以来。改革開放から中国は金儲けもしていいということで現在、経済大国になっているんですけれども、この特色あるというのは金儲けをしていい社会主義国家という意味ですね。その後の革新的社会主義の革新的価値観という革新的な部分というのは一党支配体制を絶対に崩さない。こういうことですよ。一党支配体制を絶対崩さないようにするために外からやってくる、中国から見れば対中包囲網。心理戦において対中包囲網だと思っていますので、普遍的価値観でつながっている人達、TPPのメンバーですけれども、そこを切り崩してやれと。それを切り崩すにはアメリカを弱体化させなければならない。アメリカを弱体化させるのだったら、日米同盟が非常に強い日本を徹底的にやっつければいい。日本の歴史認識ということをこれでもかというふうにして歴史を直視しなければならないと言ってくるのですが、私に言わせれば、歴史を直視していないのは中国共産党、あなたでしょうと。なぜかと言うと、日中戦争の時、中国共産党は何をしていたかというと、日本軍が国民党軍をやっつけてくれる、中華人民共和国はまだこの世に誕生していないわけですから、連合国側でも何でもないのに反ファシスト側に立っているようなことを言うこと自体非常におかしな話ですけれど、特に日本軍が国民党軍をやっつけてくれればやっつけてくれるほど嬉しい、ありがたいということで、どちらかというと日本軍と共謀したという事実もあるんです」
反町キャスター
「それが国際的に影響が出ている印象はないのか?」
遠藤氏
「ありますよ。ですけれど、そこはまさに日本が洗脳されているんですよ、ある意味。中国共産党の宣伝部、中宣部が1つのストーリーをつくり上げているんです。共産党が日本軍をやっつけて中華人民共和国が誕生したなどというあり得ない話を言っているわけです。すなわち1945年から1949年の4年間をデリートしているんですね。デリートして、歴史を書き換えて、我々はこんなに勇敢に日本軍と戦った。日本軍はこれだけ酷いことを我々にやったというようなことで、現在盛んにやっているわけですけれども、そのことに対して日本人というのは一定程度、あの戦争はまずかったという気持ちがありますから、贖罪意識があるために中宣部のそのストーリーの中にすっかりハマり込んで、その土俵の上で、いや、これは人数四の五のというようなことで、小さなところで、その土俵の上で喧嘩しているわけですけれども、この土俵自体が間違っているんですよ。日本人も理論武装をやらなければならない」

3年半ぶり日中韓首脳会談 焦点と各国の思惑&戦略
秋元キャスター
「日中韓首脳会談、3年半ぶりになりますけれど、安倍政権になってからは初めての開催ですが、今回の会談の意義、どのように見ていますか?」
佐藤議員
「3年半ぶりということなので、これは開催することにも意義があると見ないといけませんし、そう考えると、あまり突っ込んだ中身よりも未来志向という部分が日中韓の3か国の首脳会談では多いのかなと。ただ、これが2国間のバイの会談になると、そうはいかない。お互いの東シナ海の問題とか、あるいは東の尖閣、あるいは南シナ海の問題も日中の場で安倍総理は言わざるを得ないし、3か国の場合は3年半ぶりということなので、しかも、今回、李克強首相と安倍総理というのは初めてですね」
反町キャスター
「(中国と韓国は)足並み揃えて日本にやってくるという感じ?」
佐藤議員
「そんな感じですよね」
遠藤氏
「中国と韓国というのは歴史認識でまったく一致していますから、日本は先ほど言われたような共同声明的な、歴史を直視するという言葉に対して日本が何をやったかという歴史を直視するのではなく、今回は言えないかも知れませんけれども、しかし、日本の国策としては、中国が何をしたのか、何をしていなかったのかということを直視しろと。あなた方はこういうことをやる資格があるのですかということをしっかりと言っていけるよう論理武装していかないといけないと思うんですね」

今、日本が示すべき姿勢は?
小原氏
「中国で日本の安全保障法制の話をする時も、必ず中国は歴史問題と絡めてくるんですね。それはまったく別の話だと説明はするのですが、歴史問題が根っこにあるのは間違いがないと思います。ただ、それに引きずられるのは勿体ないと思います。中韓首脳会談は日本から見れば気持ち悪いが、日中首脳会談は韓国から見れば気持ちが悪いんです。何を話しているんだろうと思う。こういったことをちゃんと利用しなければいけないと。日本は現在、中国、韓国をどのように利用できるのかを考えなければいけない」

佐藤正久 前自由民主党国防部会長の提言:『中<韓→日』
佐藤議員
「今回2国間会談含めて、韓国を我々の価値観側にいかに引っ張り込めるか。日中会談をうまく使いながらも韓国を我々が引っ張るということが今回の会談のポイントかなと思います」

遠藤誉 東京福祉大学国際交流センター長の提言:『毛沢東は、日本軍と共謀していた!日本は理論武装を!』
遠藤氏
「毛沢東は、日本軍と共謀していたと。日本は理論武装をしなくてはいけなくて。今回の日中韓首脳会談でいきなりという話ではない」

小原凡司 東京財団研究員・政策プロデューサーの提言:『広い視野と長期思考で安全保障の議論を』
小原氏
「現実問題としては、日本は米中の対立しているイメージの中にいるわけですが、ただ、日本が対処しなければいけないことは他にもたくさんあるんです。米中だけの論理ではなくて、日本は現在使えるものは使わなければならない。そのオプションを増やして、もう少し長い思考で、短期的に緊張が高まっても、それより先の安定というものを求めていかなければならないのではないかと思います」