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2015年10月19日(月)
公明・山口代表に聞く 訪中と税制 ▽ 米韓会談

ゲスト

山口那津男
公明党代表 参議院議員(前半)
小野寺五典
元防衛大臣 自由民主党政務調査会長代理 衆議院議員(後半)
渡部恒雄
東京財団上席研究員(後半)
浅羽祐樹
新潟県立大学大学院教授(後半)


前編

山口公明党代表に問う:『習主席に訪日要請』
秋元キャスター
「先週13日から中国を訪問されて、16日に帰国されたということですが、その中で15日に習近平国家主席に会っているのですが、どんな会話をされたのですか?」
山口代表
「安倍総理大臣から習近平主席宛の親書をお預かりしましたので、まずそれをお届けして、安倍総理としては、特に11月、国際会議の機会に日中首脳会談を開きたいという意欲をお持ちですということをお伝えしました。もう1つは、そういうことを重ねていって日中の首脳が相互に訪問をしあうような時代をつくるべきだと考えています。そうした視点から、東京の桜をご覧いただきたいと願っていますということをお伝えしました。習近平主席は中央に来られてから日本の桜の時期を訪問されたことがないですね。2009年、日本にいらっしゃいました。その時は12月でしたので、その点では桜の咲く時期というのは非常に喜んでいただける時期ではないかと思います」
反町キャスター
「桜というと、来年の4月ぐらいですよね」
山口代表
「3月末から4月ぐらいですかね」
反町キャスター
「あまりはやいと南の方で会談をしなければいけなくなるので、東京で会うのであれば、4月かなと思ったのですが」
山口代表
「来年は日本が、外交の、いわばホスト役になりますね」
反町キャスター
「サミットですね」
山口代表
「はい。そういうこともありますので、G20リーダー格の1つであり、また、重要なアジアの隣国でもありますから。これから首脳会談が順調に重なっていって、国民の皆さんがそれを歓迎するような空気、環境が整えば、それは日中だけで首脳会談を行うと。こういうことを模索するべきだと思っています」
反町キャスター
「習近平さんと会うのは昨年の…」
山口代表
「私ですか2013年の1月に訪中して会談をしました」
反町キャスター
「あの時も行かれた直後に、また番組にお迎えした気がするのですけれども、あの時から2年、1年半ぐらい経つんですか。どうですか?雰囲気は変わりましたか?」
山口代表
「もう2年前は厳しかったです。前政権で関係が崩れましたですからね。直後、連立政権に替わったばかりというタイミングですから。険しい表情でいらっしゃいました。ただ、じっくりと会談していただきました。今回は安倍総理が昨年から2回会っています。APEC(アジア太平洋経済協力)の時期に北京で。バンドン会議でもお会いしました。ですから、今回は終始にこやかなで穏やかな表情でやりとりができましたね」

中国要人との会談は
秋元キャスター
「今回の訪中では習近平国家主席以外にも李源潮国家副主席、序列5位の劉雲山政治局常務委員、唐家?元国務委員とも会談をされていますけれども、こちらは、どんな会談をされたのですか?」
山口代表
「李源潮さんは、私が出席したアジア政党会議。この主催者の1人でしたから、レセプションでして、ご挨拶をした程度であります。唐家?さんは長年のお知り合いですのでじっくり会談をしました。中国側の日本通ということで、懸念する問題を縷々ご指摘されていました。我々からは簡略にご意見を申し上げましたけれども、一応、中国側のご主張を全部並べ立てたという印象でありました。今回、初めてお会いしましたのは劉雲山さんという方。序列5位と言われていますが、政党間交流という視点で見ると、中国共産党のNo.2ですね。習近平主席がトップです。次に位置する方ですので、この方とお話したのは意義があったと思います」

訪韓…朴大統領との会談は
反町キャスター
「朴大統領との会談ですけれども。ちょうど朴さんがオバマ大統領との会談のため、アメリカに行く直前にお会いになっているはずでしたよね」
山口代表
「8日にお会いしました。中旬にいらっしゃると聞いていましたので、その直前のタイミング。この時も、安倍総理の親書をお持ちしました。そこでは安倍総理、総理になってからまだ韓国に訪問されていないですね。是非行って、首脳会談をしたいと。こういう意欲が表れている親書だったと伺っています。我々は政府の立場ではありませんが、与党として、朴槿恵さんが習近平さんと会談して、日中韓のサミットをやるという日程をつくってきましたので、是非これに際して、この3か国の会談も大事だし、また、日韓、日中、そういうバイの会談も実現していただきたいということを申し上げたわけですね。大統領の方からは、日中韓はサミットに際し、日中韓、または日韓。こうしたことを前進させる契機に成り得ますねという話をされていました。具体的にやるとか、いつやるとか、そこまではおっしゃいませんでしたけれども。親書をお渡ししたことについて、ソウルで、安倍首相とお会いできることを楽しみにしていますと。実ににこやか、しかし、真の強さを感じさせる、そういう口調でおっしゃられていたのが印象的でした」
反町キャスター
「日韓の間というのはなかなか安全保障上の協力関係もできにくい状況で、ぎすぎすしたものがずっと続いて。ただ、安保法制が成立したことについても韓国側からすぐ懸念の表明があったりして、うまくいっていない部分や肌触りが悪いという印象が未だに続いていると思うんですけれども」
山口代表
「慰安婦については、何とか解決をしたいと、そういう意欲が表れていました、強く。ただ、安全保障、平和安全法制についてはこれまでも時に応じて説明をいただいてきました。だけど、国内には疑問を持ち、批判をする声もあるので、これからもちゃんと丁寧に説明をしていただきたいと。そういうお話でしたね。だから、世界の安定には日中韓が雰囲気を良くして、協議していくことが大事だと。そういう言い方をされていました」

軽減税率導入
反町キャスター
「政策的なことでいうと、本当の純粋に経済的な効果という話でいうと、軽減税率と給付つき税額控除。よくある2つの方法。未だに民主党は給付つき税額控除がいいと言っているし、細かく所得を捕捉して、一定の線よりも低い所得の方々に対して、集中的に給付をする。還付をするという、この政策の方がいいという人。政策的なものには、そちらの方がいいという議論が根強くは残っているんですけれど、そこで敢えて軽減税率というものを主張するその根拠。そこをもう一度」
山口代表
「理論的にはいろんな考え方があり得ると思います。いずれにしても一時的に給付をする。こういう簡素な給付措置だけをやる。これはダメですね。恒久措置として、給付つき税額控除か軽減税率。これは法律で決めていますから、どちらかしかありません。その中で給付つき税額控除をやる制度的基盤は全然できていません。ですから、入れようにも入れられない。やるとすれば、軽減税率しかないと。なぜこれが大事かというと、昨年、(消費税を)8%に上げました。その時に簡素な給付措置等をやれば、消費がいずれ戻ってくるだろうと期待していましたけれども、なかなかここが戻らない。これは国民の皆さんに対する痛税感。広く、重たくのしかかっているという現象であります。だから、今後、10%に上げる時には、この国民の皆さんの痛税感。これを和らげて、経済全体、消費全体を重くしないと。こういう政策的な判断が極めて重要だと思います。そのためには一定の線を引いて、低所得者のところだけに特化して負担軽減措置をやるというのでは、痛税感を突破して経済力を落とさないという効果はあまり期待できないかもしれないということになってしまうかもしれない。だからこそこの痛税感緩和のために、広く軽減税率を実行するということが最も大事なことだろうと思いますね」

軽減税率の対象品目は
反町キャスター
「その対象が問題になるのですけれど、どこから軽減税率を導入するのか。山口さんはかつて軽減税率の対象品目について酒類を除く飲食料品という話をされたことがあると思うんですけれども、それと、1.3兆円。消費税1ポイントで2.5兆円弱。それの半分、ここで持っていっちゃうのかと。財務省は当然、でかいなと言うわけですよ。生鮮食料品だけだと3400億円。コメだけだったら400億円。線引きは、どんな印象で、どんな感じで見ていますか?」
山口代表
「まず痛税感を和らげるために国民の皆さんから、ああ、助かったなと。そう思っていただける対象の選び方かどうかというのが1つあります。それから、分ける。その分け方が国民にわかりやすいかどうか。事業者にとっても、消費者にとってもわかりやすいかどうか。混乱や、面白おかしく話題になってしまう。そういう点がないかどうか。この2の点で見ますと、わかりやすさと痛税感を和らげる。そういう意味で、酒類を除く、飲食料品の方が妥当だと思いますね。国民の不人気だった、あの財務省の案も」
反町キャスター
「マイナンバーを使うやつ?」
山口代表
「そうですね。これも酒類を除く、飲食料品というのを選択肢に挙げているんですね。なぜかと言うと現在、食品表示法等で法的に分類する基準がきっちりいろいろな具体的な品物に応じて定められています。実行されています。ですから、事業者の方々も、その分け方には慣れているわけですね。その意味で、わかりやすいという点があるんです。他の選択肢ですと、生鮮食料品というと、ここはどこで分かれるかというのはいろいろ…」
反町キャスター
「線引き、微妙ですね?」
山口代表
「微妙な点が残ると。精米ではいかにも、狭すぎて、とても痛税感緩和に役立たないと。こういうことがありますね。だから、そういう点だけ見ると、私はこの酒類を除く飲食料品というのは妥当な線だと思いますね」
反町キャスター
「でも、3.4兆円はでかくないですか?」
山口代表
「ここにそういう数字が出ていますが、これは財源論との関係で言われる数字で、この財源論を先に立って今回、議論をしてしまうと、国民に、非常に痛税感の緩和という点でマイナスの印象を与えてしまう。その財務省の案が、総スカンを食らった理由は、限度額を先に決めて、どんなに使っても限度はここまでだと。そういうことを先に言ってしまう。だから、全然、消費者にとって希望が湧かないわけですね。自分の消費に応じて、自分の生活スタイルに応じて、軽減税率の恩恵を被ることができる。そういうところが、軽減税率のいいところですけれども、その点では間口を広くしておくというのが、わかりやすさと、痛税感緩和には役立つと。そういう意味で私は申し上げているわけです」
反町キャスター
「ちょっと景気が良すぎる話というか、そんなことはないですか?ばら撒き批判とは言いませんけれども」
山口代表
「そこで、もう1つ言いますと、痛税感が残ると消費意欲を削いで、経済全体に影響が及ぶということですね。ところが、軽減税率でやれば、国民に所得が一定範囲残るということ。この1.3兆円は国民の側に残るもの」
反町キャスター
「事実上の減税ですからね」
山口代表
「そうですね。それが消費活動に及んでいくということで見れば、一種の経済対策という面も持っているということですね。だから、これを国民の皆さまからお預かりして社会保障を充実させていく。これも1つの考え方です。しかし、当面の経済が弱ってしまっては元も子もなくなってします。つまり、他の税収にも影響を及ぼすということになりますから。税収の源である経済の勢い。これを保っていくというもっと大局的な判断が財源論には必要だと私は思いますね」
反町キャスター
「景気対策的な意味も含めて、1.3兆円やっていいのではないかと?」
山口代表
「そういう考えもあり得ると思いますね」

財務省、与党、官邸の温度差は
反町キャスター
「先週の水曜日ですけれども、麻生財務大臣兼副総理はこういうことを発言しています。『財務省は反対ですよ、本当は。軽減税率に対してです。やれやれという人が多いんだと。だから、問題なんだ。面倒くさいって、皆言っているよ』と。麻生さん流のざっくりとした話ぶりですけれども、財務省は終始、軽減税率に対しては反対の立場をとってきました。その中で、今回、山口さんと総理の間の協議も含めて、軽減税率導入。先週のプライムニュースで菅官房長官に出演いただいた時も、2017年4月1日の引き上げと同時に軽減税率を導入するんだと、ここまではっきりとおっしゃったわけですよ。そのタイミングで、12日に出て菅さんが言った、その2日後に札幌で麻生さんはこういうことを言っている。官邸の中で、というか、政府の中で軽減税率に関する、その煮詰まり具合がまだまだだなという印象を当然受けるんですけれども、どう見ていますか?」
山口代表
「官房長官や総理はもっと政治全体、政権全体、国民との公約という、大きな立場で判断をされていると思います。麻生さんは財務大臣の責任の立場でおっしゃられているように思いますね。だから、麻生さんの肩を持って、敢えて言えば、消費税は事業者の方に実際には納めていただくものですから。事業者の方々にとって面倒くさいと思われないように配慮しなければなりませんねということをおっしゃっているんだろうと。良く解釈をすると。しかし、財務省案が出て、国民の反応はどうだったかというと、国民の側の方がよっぽど面倒くさいのだと。国民の側に面倒くささを押しつけるなんていうのは、何ごとだと。こういう反発ですね。だから、そこを財務省の方々は、大臣をはじめとして、もっと謙虚に受けとめていただきたいと思いますね。むしろ国民の負担をかけるよりは、事業者の方をもっと支援してあげる。その事務手続き等に配慮をしてあげる。そこに力を入れるべきだと私は思いますね」

山口那津男公明党代表に言いたい事、聞きたい事
秋元キャスター
「視聴者からの質問です。『公明党はなぜ軽減税率にこだわるのでしょうか。低所得者対策としては給付つき税額控除の方が優れている気がするのですが』とのことですが」
山口代表
「どうやって2017年4月に実行するのですか。そこを問いたいんです。具体的提示がされていなくて、理屈だけで言っているというふうに聞こえてしまいます」
反町キャスター
「制度が整うまでは、現在の簡素な給付措置を継続するという話。最後はその話になっちゃうんですよ。それは絶対に公明党としては飲めない?」
山口代表
「国民の8割の方がずっと昨年の選挙の前に望んでいらっしゃる。財務省の案が出た。新しい改造や役員の人事が整ったと。現在この段階でも8割の方が軽減税率を望んで、民主党の支持層の方も望んでいる。共産党の支持層の方も望んでいる。8割ですから。公明党支持者の方以外の大きなところで、国民が望んでいるということですね。だから、政治はそれに謙虚に応えていくという道が妥当だと思います」
反町キャスター
「視聴者の方からの質問ですが、『公明党が結党以来、掲げてきた集団的自衛権反対をなぜ今回、破ったのか教えてもらえませんか』ということですけれども」
山口代表
「これは誤解に満ちていますね。結党当初は、自衛隊や日米安保については、憲法との関係で問題があると、こういう考えでした。しかし、PKO(国連平和維持活動)協力法をつくる前後からしっかり議論して、この憲法は自衛権を否定していない。それにふさわしい実力を持つことができる自衛隊は合憲だ。そういう議論を10年ぐらいかけて、きっちり整理して、PKO協力法をつくったんですね。その時点で、政府と我々は基本的に同様の考えを持つに至りました。政府は結局、集団的自衛権については、形式的には否定しているような考えをずっと示してきましたね。しかし、今回の議論の中で、なぜ集団的自衛権を認めてこなかったのかの実質的な議論をしたわけです。それは昭和47年の政府の見解に従って、日本の国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるようなことと関係のない武力行使はダメですよと。そういう意味の含まれる、いわゆる集団的自衛権全体はダメですよと、こう言ってきたわけです。しかし、他国が攻撃された場合、武力で反撃する。これも国際法的には集団的自衛権だとしても、日本の憲法からすれば、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆されるような明白な危険があれば、それは反撃していい日本の憲法の考え方、これは一貫したものです。それをはっきりさせたというのが今回の意義ですから、これは公明党としてはPKO協力法以来一貫した考え方と位置づけていいと思います」


後編

米韓首脳会談開催 その成果は
秋元キャスター
「米韓首脳会談についてですが」
浅羽教授
「韓国からすると中国に傾斜していると、とりわけ9月3日の軍事パレードに習主席とプーチン大統領と並んだ1枚、非常にわかりやすい1枚が出たので、これはもう日米韓からあちらの陣営に行ってしまったという疑いがアメリカ、日本、太平洋の両側で、政府と一般国民の間にもかなり広がっていたと思うんです。これを払拭しようというのが実は最大のアジェンダで、成功したと韓国政府は自画自賛しているんですけれど、オバマ大統領ははっきり釘を刺している。米韓同盟は半島に限定されたものではなくグローバルな同盟だ、サイバーだとか、宇宙だとか、気候変動だとか、アイテムはいろいろ共同声明に並んだのですけれども、1番肝心な南シナ海の問題、アメリカのアジアへのリバランスにおいて最も重要な問題でオバマ大統領が釘を刺したと。国際規範と国際法を順守する側につくのか、挑戦する勢力があれば一緒になって声をあげるのかという部分に対しては実は共同声明から抜け落ちているんですね。ですので、中国傾斜論を払拭したとは言えないのだろうと思います」
反町キャスター
「アメリカから見た時に韓国の朴政権というのは中国側に行っちゃっているという見方も出てくるものですか?」
渡部氏
「それは1番懸念しているところですよね。いざという時に協力してくれるのかどうかというのはすごく安全保障では重要ですから、たぶん対北朝鮮では確実に協力するでしょう。これは間違いないでしょう。対中国、たとえば、センシティブな話だったなら、台湾海峡とか、そういうところでどのくらいアテにできるのかというのは、たぶん日本に比べると相当アテにできないところが多いのだろうと。ましてや日本が今度2プラス2で合意して安保法制も出していますから、そこで差がついちゃいましたよね」
小野寺議員
「安倍総理が訪米し、習近平主席が訪米し、最後にとにかく行っておかないとまずいなということで行って、そこでとにかく言い訳してきたということだと思います。抗日記念のパレードもそうでありますが、その後も、たとえば、在韓米軍で様々な装備を新しくしたいと要求している中で中国に配慮してなかなかそれを前に進めないと、かなりアメリカから見たら大丈夫かという意見が大変強いと思います。そういう意味では、とにかくちゃんとやるよということを言いにアメリカに行ったんでしょうけれども、その本音は全部見透かされていますので、中国とは経済的にも北朝鮮対応でもたぶん離れられない政権なのだろうなと。そうすると、朴槿恵政権はいずれ終りますので、そのあとにどう人とどう付きあおうかと、実はそういうスタンスで考えていく米国側の識者も多いと思います」
反町キャスター
「えっ?朴政権はまだ2年ありますよね?」
小野寺議員
「これまでの経緯を見て、本当に朴大統領がちゃんとやっていけるか。特にアメリカ側から見て、ここまで中国側にどっぷりつかってしまっているスタンスを見た時、日米韓の防衛当局にしっかり情報を共有してやっているのか。ワシントンに行って、いろいろな状況を見ますと、行く度に、数か月ごとにワシントンの雰囲気が変わっています。それは中国に対しての脅威ということが広がっています。そういう時に日米は大事だよね。韓国はどうなのというのがワシントンの中で広がっているので、今回、遅ればせながら、ワシントンに行って形のうえで米艦の首脳会談を行いましたが、結果として釘を刺されて帰ってきたというのが本音ではないでしょうか」

米韓首脳会談の成果 韓国・米国の意思疎通は
反町キャスター
「アメリカは、韓国のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟を歓迎しているのですか、それともどういう姿勢で見ているのですか?」
渡部氏
「もちろん、歓迎はしています。でも、具体的にちょっと動き出してほしいなと思っていると思いますね。たとえば、米韓はFTA(自由貿易協定)をやっていますから、米韓で話すことはそんなにないと思うんです。むしろ日韓で話すことの方が多くなるはずですよね。TPPにもし入りたいのだったら。だったら、日韓で話してほしいと思っていると思います。だから、逆に言えば、日韓の首脳会談でそういう話が出るかどうかで、この本気度がわかるのではないですか」
反町キャスター
「日韓首脳会談で、TPPで日本に頭を下げるのは、韓国は耐えられない、と言った人がいるんですよ。そういう感覚になりますか?」
浅羽教授
「12か国のうち10か国とはFTAを結んでいますので、実質TPPに韓国は入るというのは日本とFTAをやると。日本との交渉ですよね。でも、そういう説明を国民にはしていないわけですね。アメリカに対して表明したとか、アメリカが歓迎したという説明で、本当の意思の部分は伝わってない。隠しているという部分だと思いますね」

日米韓の安全保障 米韓同盟と中国
秋元キャスター
「アメリカに牽制されたことで今後、韓国はどのような対応を迫られるのでしょうか?」
浅羽教授
「韓国の外交安保戦略は、安保はアメリカ、経済は中国で、安米経中と言うのですが、安保の部分も中国に行っちゃっているのではないかと。安中ではないということを言葉でいくら言ってもダメで、肝心の核心の部分で1つの声を上げるかどうかを行動で示せと」
反町キャスター
「埋め立て工事の大半が終わっている南シナ海の問題に対して、オバマ大統領にここまで言われ、朴槿恵さんは韓国に戻り、何らかの意向の表明はしていませんよね?」
浅羽教授
「曖昧にしているというよりは、結局は既存の同盟システムから離れつつあるということを語っているのだと思います」
小野寺議員
「これはオフィシャルな話で出ている話ではないのですが、従前から私ども日韓の情報共有、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)というのを結ぶべきと思っています。現在でもそうなのですが、ただ、中には、逆に大丈夫かと。逆に、日本の情報が韓国に行って、韓国が本当にそれを同盟関係の強いアメリカを配慮しながら守ってくれるのかと。もし韓国と中国がいろんな形で接近し、安全保障面でも情報がある程度共有されるような状況になったら、むしろこちらの情報がどんどん向こうに行っちゃうのではないか。そのぐらい懸念する人が実際にいます。政治が中国寄りということが私はとても心配で、日本と韓国はとても重要な国ですから、今後とも同じ方向を向くし、もちろん、中国にも同じような友好関係を結びたいのですが、日本の、たとえば、1つの反省と思います。日中関係というのは非常に先輩の政治家が大変努力をされ、どんどん構築されましたが、ある時期からむしろ中国が本当に脅威にならないのだろうかという心配を持つ方も中にはいました。結果として現在見ると、たとえば、東シナ海の問題で、日本と中国というのはこういう形で対峙することがあります。こういう経験から言うと、中国というのはいつまでも親密な国であり続けるかどうかというのはなかなか難しい国です。自国の利益が優先しますから、そうすると韓国は現在非常に中国と経済的にも強い関係があるし、交友も深いのでしょう。ただ、日本が経験した、ある時、急にアレッと手のひらを返された形の対応をもし韓国がされた時に、その時、韓国はどういう形で自国の主権を守っていくのか。むしろここまでくると、私達はそういう韓国の長い歴史がありますから、むしろそういう不安を持つような印象があります」

渡部恒雄 東京財団上席研究員の提言:『戦略的辛抱』
渡部氏
「これは実はオバマ政権が北朝鮮にずっととっている合い言葉、戦略的辛抱ですが、先をちゃんと見て感情的にならないで、我慢する時は我慢すると。つまり、日本が考えるべきは、現在朝鮮半島に、韓国に米軍がいること。米韓同盟がきちんとあるからこそ、日本は安全保障ですごく楽をしていられると。逆に言えば、朝鮮戦争より前がいかに大変だったか、植民地時代は置いておき。それを考えるとここは韓国との関係は重要ですし、それから、中国との関係ももちろん、重要です。日中関係が良くなれば、日韓関係もある程度良くなるというところ、いいチャンスです。2つ狙えるんですね。だから、ここは辛抱してやれることをやりましょう。外交しましょうというところではないですか」

浅羽祐樹 新潟県立大学大学院教授の提言:『対北限定“日米韓”』
浅羽教授
「日米韓の枠組みを復元させて、北朝鮮の部分では連携をとっていくと。ただ、この枠はどこまで有効なのか、北朝鮮の問題だけであると。中国の台頭とか、米中関係に関しては、日韓の間で基本的価値の共有という文言がこの年になってなくなりましたけど、基本的価値よりも戦略的な利害が食い違っている。歴史認識問題だ、何だよりもその部分で日韓の間での食い違いがあるということを冷徹に見極めるということだと思います」

小野寺五典 元防衛大臣の提言:『一歩一歩』
小野寺議員
「2000年来、私達は中国とその周辺に存在する国ということで、歴史で実は中国とどう向きあうかということをこれまでずっとやってきました。ですから、そういう意味では、これも歴史の中の1つとすれば、たとえば、日韓の関係、これが現在ちょっと難しい状況ですが、仮に今後、たとえば、中国がどのような政治体制になるのか。それによってまた韓国と日本の関係が変わってくるかもしれません。ですから、少し長いスパンで見ると、また、この関係が良くなったり、あるいは密接不可分になったり、いろいろなことがあると思います。一歩一歩というか、歴史を私どもは長年共有している国ですから、少し長いスパンで辛抱強く付きあっていけばいいのだと思います」