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2015年10月14日(水)
中谷防衛相問う安保 ▽ 萩生田官房副長官登場

ゲスト

中谷元
防衛大臣 自由民主党衆議院議員(前半)
神保謙
慶応義塾大学総合政策学部准教授(前半)
萩生田光一
内閣官房副長官 内閣人事局長 自由民主党衆議院議員(後半)


前編

中谷防衛相に問う 北朝鮮の軍事能力と脅威
秋元キャスター
「先月成立しました安全保障関連法ですけれども、この新しい安全保障法制では、日本は周辺の脅威にどう向き合っていくことになるのか。まずその大きな脅威の1つ、北朝鮮についてです。北朝鮮は今月10日、朝鮮労働党創立70年を記念して軍事パレードを行いました。主なポイントをおさらいしておきたいと思います。まず、大陸間弾道ミサイルKN-08を改修したミサイルが登場しました。北朝鮮のラジオ、朝鮮中央放送は小型化された核弾頭を搭載した戦略ロケットと紹介しています。また、今回のパレードには中国共産党序列5位の劉雲山常務委員が金正恩第一書記の隣に立って観覧しています。中谷さん、今回の北朝鮮の軍事パレードをどのように見ていますか?」
中谷防衛相
「非常に深刻な経済状況にもかかわらず、軍事面に資源を充当していると。あともう1点は、国家行事として正々と行われていますので、体制は一定の軌道に乗っていると考えられますが、そういった意味で、力を誇示した行事であったと思います」
反町キャスター
「KN‐08という移動式大陸間弾道ミサイル。これは向こうが言っているだけの、小型化した核を大陸間8000kmだか、1万kmだかわかりませんが、アメリカ本土まで届くような能力を持っていると見ていますか?」
中谷防衛相
「はい。これは移動式の大陸弾道ミサイル、ICBMでありますが、これは12年と13年にも登場してきています。今回、出たこのミサイルは、長さが17m半から16m半と1m短くなっていますが、3段目が非常に大型化をされて、推定射程の幅がこれまで、5500kmから6000kmと言われていましたが、それよりも延長された可能性があると」
反町キャスター
「北朝鮮がミサイルにするだけの小型核をつくる能力を持っているのかどうか。ここはどう見ていますか?」
中谷防衛相
「そういう努力はしていますが、核実験も行ったことはありますが、それが実用化の段階になったのかどうか。これについてはまだどこも確認できていないと言っていますが、そういう意志を持って努力をしていると認識しています」

中朝関係はいま
秋元キャスター
「中国の序列5位の劉雲山(政治局常務委員)と金正恩第一書記が並んで手をつないでいるシーンもありますけれども、これをどう見ていますか?」
神保准教授
「これは金正恩体制になってから、中朝関係は著しく冷却化したんだと思うんです。それは北朝鮮のNo.2でかつてあった張成沢が粛清をされ、北朝鮮とのカウンターパートナーであった中国は周永康ですから、これがまた粛清されという形になると、基本的に中朝関係を結んでいた利害共同体みたいなものが、ずっと突出していたような状況になっていたと。これを復活するきっかけを決めたのが今回の軍事パレードという、非常に大きなポイントだったと思いますね。北にとって言うと、本来だったら、ここでミサイル実験をして、場合によっては核実験をして、アメリカに対する抑止力を見せつけることが最大限の幅としてあったと思うんですけれども、そこまではいかずに中国との関係を両立させるということを選んだという意味ではないかと思います」
反町キャスター
「逆に言うと、長いミサイルを撃ったり、核実験をやったりするとまた中朝関係が悪くなる。それをとらずに、中朝関係をとったと。そういう理解でもありますか?」
神保准教授
「中国は基本的に、朝鮮半島に非核化を目指すという方針は明確で、可能であれば、6者協議というプロセスを再開させたい。そこからすると、北朝鮮があまりにミサイル、核という路線を実行することは、中国にとってはマイナスであるというのは、明確な路線としてあるということですね」

中国の脅威と今後の安保
秋元キャスター
「ここからは新たな安全保障法制によって中国の脅威にどう対応できるのか聞いていきたいと思います。まずは東シナ海における、最近の中国の動きを見ていきたいと思うのですが。日中中間線付近のガス田開発については、7月に政府が16基の写真を公開しましたけれども、写真の公開後もガス生産を裏づけるとみられる炎が確認されています。尖閣諸島付近の接続水域には、中国の公船が9月で、のべ81隻。10月でも昨日までで既にのべ23隻が入ってきているという状態になっていますけれども、中谷さん、新たな安保法制は中国の脅威を抑制する役目というのを果たしていると考えますか?」
中谷防衛相
「はい。我が国周辺のパワーバランスというのは変化していて、特に中国の国防費、これは1989年の数字でいうと、27年間で41倍になっています。それで尖閣付近の接続水域の侵入回数、既に100回以上ですね、領海侵犯をして、活発化していますし、中国に対するスクランブル。これも5年前と比較して10倍以上となっています。東シナ海の防空識別区というものを設定したと。非常に海洋における活動を、質量ともに、拡大をしてきていますので、我が国としましてはしっかりと領土、領海、領空を守っていく必要もありますし、また、こういった東シナ海の現状を一方的に変更して事態をエスカレートさせると、不測を招きかねない事態もございますので、こういった中国による海洋進出による軍事行動につきましては、我が国としても真剣に対応をしているということです」

東シナ海の現状と安保法
反町キャスター
「安保法制の議論の中で、政府の方が、中国の海洋進出、中国の脅威に対抗するためにも、この法案が必要だという説明をされた部分もあるわけではないですか。その意味で言うと、じゃあ、たとえば、尖閣への侵入であるとか、ガス田の開発というのを、これを中国の脅威、ないしは覇権主義的行動と見た時に、安保法制というのは、こうした中国の進出に対する歯止め足り得る機能というのは、非常に表面的な話で恐縮ですが、では、こういうものが今後、減るような効果というのは期待できるのかと。ないしは安保法制の効果というは別のところで出てくるかどうか。対中関係、軍事的な緊張、ないしは、こういう領土的な、領域的な緊張感に対して、安保法制はどういう効果をもたらすと僕らは期待したらいいのですか?」
中谷防衛相
「この法律は特定の国とか、地域を念頭に置いたものではなくて、我が国をしっかりと守る。国民の生命、財産を守っていくにはどうしたらいいのかということで、キーワードとしてはシームレスです。つまり、あらゆる事態に切れ目のない対応ができる法律を整えようということで、現在の法律も状況の変化に対応できるのかと言われれば、対応できない部分もありますので、今回の法律、11本、国会で審議していただきましたが、現在ある法律が10本。新法が1本ですが。この全てを体系的に見て、切れ目のない、隙間のない体制をとるにはどうしたらいいのかということで、グレーゾーンの領域警備から、また、武力行使に至るまで、こういったあらゆる事態に対応できる。現在テロなどが世界中で頻繁に起こっていますけれど、しっかりこの世界の中で日本人も守っていかなければならないということで、もはや他の国で発生しているような脅威も、我が国の脅威であるという認識において、一国のみで守られるという国はもうないわけでありますので、多くの国々と協力をしながら、そういった関係において、国をしっかりと守っていけるように整備をしたということです」

南シナ海めぐる米中対立
秋元キャスター
「一方で、中国の海洋戦略を見るうえで、現在、焦点となっているのが、南シナ海で人工島の造成工事を強行していることですけど、この中国の動きに対しまして、アメリカのカーター国防長官の昨日の発言は『アメリカは、国際法が許すあらゆる領域で、航行や飛行を行う。南シナ海も例外ではない』と明言していて、南シナ海で中国が領海と主張する海域への艦艇派遣をためらわない考えを示しました。中谷さん、この南シナ海における中国の動きに対するアメリカの姿勢、どう見ていますか?」
中谷防衛相
「これはアメリカも見ていられないというか、こういう南シナ海において力による現状の変更、航行の自由が損なわれる可能性があるということで、このような対応をしているということですが、特に2014年になってからですね。この南沙諸島においての大規模な埋め立て。これを急速に進めていまして、滑走路が完成したり、港湾ができたり、今度は運用の段階に入っていますけれども、そうなりますと各国との対立が非常に高まる可能性もありますので、そういうのを防ぐために中国に対しても国際法に則るべきだとか、また、各国と協調すべきだとか、そういったことをするために、こういったシグナルを出しているのだと思います」
反町キャスター
「シグナルと言ってもこの場合は行動を伴うであろうシグナルであって、中国が領海を、自分が埋め立てている、自分が領有権を主張しているところから12海里の範囲を、たとえば、アメリカの軍艦であるとか、空母とか、そろそろ通ったりする可能性、ないしは潜水艦がそこの前を、これみよがしに通過する可能性を、そういうことを指摘、可能性を示唆していると思うんですけれども、これはどうなのですか?一触即発の状況になる危険性というのはあるのかどうか。それはどう見ていますか?」
中谷元防衛相
「それは注目すべきことは、先だっての習近平主席の訪米でありまして、この場でオバマ大統領と話し合ったのは、こういった危機管理のメカニズムというのか、連絡手段とか、お互いの話し合いを持つ場とか、そういう意味で、米中がこういった問題で対立、対決しないような、危機管理のこういったメカニズムにおいても合意していますので、こういった外交を通じながらも、南シナ海が緊張の地域にならないように、アメリカもそれなりのリーダーシップを発揮しているということだと思います」
反町キャスター
「緊張感が高まる中、新ガイドラインに基づいて南シナ海における共同警戒監視活動、アメリカの軍艦と日本の護衛艦が共同で何かおかしいことがありませんかと。ないしは警戒監視をしていますよということで進んでいく。こういう活動への期待がアメリカ、ないしは国の中からもそれをするべきだという意見も高まっています。南シナ海における日米、主に日米ですけれど、日米の共同警戒監視活動。この可能性というのはどういう状況にあるのですか?」
中谷防衛相
「現在、自衛隊は、南シナ海の警戒監視。これは行っていませんし、まだ具体的な計画も有していませんが、防衛計画の大綱とか、中期防では、警戒監視能力とか、情報機能の整備、充実、強化。それから、アジアにおける2国間、または多国間。この共同訓練、演習。能力構築というキャパシティビルディングですね。そういった支援などは積極的に推進しようということで、現在のところ、我が国としてはこの南シナ海の状況におきましては、我が国の安全保障に与える影響、これを注視しながら、今後十分に検討をしていくべき課題であると認識しています」

南シナ海情勢と日本の関与
反町キャスター
「神保さん、十分に検討していくべき課題だと大臣は話していました。ただ、実際に、具体的にいつやるかということは当然、決められないし、決まっていないと思うんですけれども、日米が共同で、南シナ海において中国が領海だと言い張る範囲も含めて、共同警戒監視活動をとる。その時、何が起きると思いますか?」
神保准教授
「基本的にこれは中国の解釈によってはもちろん、緊張は高まる局面はあると思うのですが、同時に大事なのは、現状が一方的に、力によって変更されているということに関しては、明確に中国にコストの認識をつけさせなければいけないわけです。そうすると、そのような行動を一方的に起こすと何がもたらされるか。それは、1つはフィリピンやベトナムを含む、多くの国々に対して日米が共同でキャパシティビルディングになると、彼らの警戒監視能力を上げていくと。同時にそれをサポートする意味で、我々の関与も増えていくことになりますよという形で、段階的にメッセージを送るという意味では、非常に重要な意味を持っていると思います」
反町キャスター
「それは実際に行かないにしても検討すると大臣が言うだけで、それは十分に中国に対するシグナルになるという意味で言っている?」
神保准教授
「おっしゃる通りだと思います。たとえば、フィリピンでは、毎年のように災害が起こっています。これに対応するために日本が協力する。これは非常に大事ですよね。当然ながらフィリピンに、たとえば、そういった災害支援のための物資を事前に集積をして、自衛隊がアクセスしやすいようにしておく。これについても実はいろんな意味があるというような捉え方でいいと思うんです。つまり、東南アジア諸国との関係を軍事的に強化をして、もちろん、これは対中という意味だけではありません。災害支援や、人道支援、いろんなことを含みますけれども、そのようなアクセスを増やしていくということが中国に計算を複雑化させると。これは非常に重要な意味があると思いますね」
中谷防衛相
「それも含め、日米間では平素から南シナ海を巡る問題。これを幅広い視点からやりとりは行っていますけれども、具体的な内容につきましては、相手の関係があるからお答えは差し控えますが、我が国としては多くのASEAN(東南アジア諸国連合)の国々があるわけで、これは緊張を高めるということと、それから、法の支配の原則が崩れるということ。これは紛争の素になりますので、そういうことがないように、フィリピンとか、ベトナムに対し、先生が言われたキャパシティビルディング、そういったものとか、米軍との共同訓練とか、地域の安定に対する貢献策とか、そういうことで、この地域が安定をするように日本としても努力をしていきたいと思っています」

思いやり予算と安保法
反町キャスター
「思いやり予算。在日米軍のコストを日本側が負担をする件ですけれど、この話がなかなか難航しているという情報もあります。安保法制が整って、日本側が応分の負担というものをだんだん広げていって、防衛費以外も含め、日本が応分の負担というのを広げていく中で、さらに、防衛、思いやり予算について、アメリカ側は思いやり予算の増額を求めているのですか?そこの交渉は現在、どういう状況になっているのですか?」
中谷防衛相
「現在、審議官級の協議を通じて、日米間で交渉していますが、来年3月に、これが切れるわけでして、失効するものですから、それまでにまとめなければいけません。国会の承認が要るということであります。この目的は日米安保体制の効果的な運用のためにありまして、日米同盟をより維持、強化していくと。そのために日本にいる米軍が活動をしていくうえにおいて、円滑に活動できる経費はどういう部分であるのか。これは5年ごとに協議をされていますが、お互い財政事情もあれば、防衛戦略もありますので、こういった現実的な話をもって、しかし、日米安保はしっかり機能できるというように、日米間で話がまとまるように、現在協議をしているということです」

中韓の脅威と今後の安保
反町キャスター
「最後にもう1つ、韓国の聯合ニュース。今月20日から中谷防衛大臣が韓国を訪問する予定であると。訪韓に向けて…、行かれるという前提で聞きます。今回の訪韓の目的、意義は、どのへんにおいているのですか?」
中谷防衛相
「韓国は日本の隣国であるし、自由民主主義という価値観を共有する国家であります。また、安全保障も非常に共通した部分があるのですが、残念ながら、この4年間、お互いの防衛首脳同士が行き来することがなかったんです。13年前に私が防衛庁長官の時には毎年、韓国と日本の首脳が行ったり来たりしていますが、何とか防衛の面で信頼と友好の関係で、日韓関係を構築したいという思いです。特に平和安全法制、これが成立をしましたが、韓国でもいろんな意見や考えがあるようでありますので、しっかりとその意味を伝える。私が説明をすることによって信頼を持っていただけるように、また、日韓が安全保障で協力できるようなことを話し合いしていきたい。特に今度、日曜日に観艦式がありますが、韓国がこれに参加してくれるようになりました」
反町キャスター
「珍しいことですか?」
中谷防衛相
「非常に。暫くなかったことですね。12年ぐらい前までは、お互いに毎年、艦艇の交流はあったのですが、観艦式に参加をするということは10年ぶりぐらいのことでありますが、そういう意味で、関係が良くなってきていると思います」
反町キャスター
「長年の懸案だった軍事情報共有協定、GSOMIAももしかしたら…いや、まだまだですか?」
中谷防衛相
「これとACSAですね。それも締結する寸前までいったんですけれど、政治事情で認められなかったわけでありますが、現在の時代、情報の共有、また、サイバーの関係においても、新たな分野における日韓の防衛の面で話し合うこともたくさんありますので、GSOMIAもはやく締結をしていただけるように話し合いはしていきますけど、お互い信頼関係が構築できるように努めていきたいと考えています」

中谷元 防衛大臣の安全保障のかたち:『シームレス (あらゆる事態・切れ目のない)平和安全法制』
中谷元防衛相
「シームレスという言葉。これは切れ目のないということですが、しかし、あらゆる事態にも対応できるということで、こういった意味で、今回、平和安全法制を、国会において審議をしていただいて成立することができました。政府の目的というのは、国民に安心感を持ってもらうこと。平和で、暮らしが安定をしていくこと。その前提が国の安全保障でありますので、いろんな状況の変化にも耐えていけるような、不測の事態にも対応できるような、そういった法律の仕組みが今回できたということで、さらに、今度は運用、実行の段階になりますので、しっかりと内容を詰めて、国会でご議論いただいたことなど、ご指摘いただいたことを反映して、しっかり自衛隊がシビリアンコントロールのもとに、国際社会の中で信頼をおけるように、活動できるようにがんばりたいと思っています」


後編

萩生田官房副長官に問う 安倍改造内閣の課題
反町キャスター
「これまで総裁特別補佐という立場だった。安倍さんが言いたいけれど、言えないような部分を萩生田さんが話しているのだろうなと思いながら、僕らも聞いている部分というのは多々あったんですけれども、官房副長官になられると言えない部分が出てくるものですか?」
萩生田議員
「政府の一員ですから政府方針に従った発言をこれからしていくことになるので、きっとつまらないですよ」

中国、韓国への姿勢
秋元キャスター
「萩生田さんのこれまでの発言、官邸に入ると、ここまで言えなくなるという部分はありますか?」
萩生田議員
「そうですし、私は番組の中でも繰り返し申し上げてきたのは、日韓関係は大事だと、隣国として日韓の関係を深めていくことが大事だという前提に立って問題点をお話してきたので、別に韓国に対して批判だけを繰り返してきたわけではありませんし、中国に対しても同じだと思います。ですから、もちろん、政府の一員としてと、それから、党の役員としてでは若干発言の幅というのは変わってくるのはやむを得ないと思うのですが、基本的な政治姿勢は変えていませんので、逆に、これからは韓国の主たる人達と直接お話しをする機会をいただけるのだと思います。本当に膝を交えて、これからの未来志向の日韓関係を築いていけるように努力していきたいなと思っています」
反町キャスター
「日韓外交については、どういう立場で、どういう方向性で安倍外交をアシストしていくつもりですか?」
萩生田議員
「現在なかなか首脳会談も開催できない状況が長く続いていますよね。ですが、これは朴大統領も端から日本が嫌いだとか、反日だとかということではなかったと思うんですね。どちらも政治的にいろんなものを、背景を抱えながら、難しい環境を敢えてつくってしまったというのが正直なところだと思います。もっと言えば、日本側にはそういう想いはないですから、フリーハンドでいつでも胸襟を開いて親しく話をしたいという想いはあるわけですけれども、韓国の国内事情を考えると、なかなかそういう振る舞いが大統領自身できなかったんだと思うんですね。だけれども、ここは日韓関係というのは冷え込んでいますねで済む話ではないですし、日韓国交正常化50年という大きな節目の年でもあるわけですから、逆に、私がこういう公の職についたことで、もしかするとその前後の発言を知らない韓国の方達で不快に思っている方もいらっしゃるかもしれませんけれど、そういう人物だからこそ私は膝を交えて韓国の皆さんとも話をしたいと思っています」
反町キャスター
「韓国メディアが、タカ派色が強まったと言っているのは、チャンスかもしれない?話をすることは」
萩生田議員
「李明博さんがソウル市長の時代は、当時、私は都議会議員で、現在の金浦と羽田のチャーター便をやろうというので、我々もしょっちゅうソウルに行っていましたし、ソウル市議会の人達も都議会に来ていました。そういう日韓外交をずっとやっていたんですね。ですから、なぜ同じ国なのに難しくなっちゃったのかと、そういう想いがあるので、もともと韓国とのご縁はあると思っていますから、あらためて立場が変わりましたので、いろんな機会に韓国の皆さんとも話をしたいなと思っています」
反町キャスター
「南京事件を世界記憶遺産に登録するか、どうかという、現在の日中の現状をどう見ていますか?」
萩生田議員
「まず前段の記憶遺産に採択されてしまったことは非常に残念なことであるし、また、申請をした中国に対して今日、総理は楊潔?国務委員との会談の中でも遺憾の意を表明しました。ですから、そういう意味では、ここにあるように過去の特定なところに焦点を当てて、クローズアップして、お互いの感情を荒立てるのはよくないのではないかという話をしたんですけれども、私はそれ以前の問題として、日本が最大のユネスコの財政負担をしている国として、言うなれば運営にイニシアティブをとれるはずですよね。記憶遺産という制度ができ上がった時こういうことも想定しておかなければいけなかったんだと思います。すなわち本来は、2国間の平和のために、世界間の平和のためにあるユネスコが憲章に則って行うのは、大事な書物だとか、大事な絵が分散してしまうことがないように遺産として指定しましょうねというのがこの制度だったのだけれど、しかし、その歴史物に関しては相手の国と解釈の違うものが相当にあるんですね。ですから、政治色のあるものに関してはなじまないということをはやめにルールとして決めておくべきだったのではないかと思って、そこは他人事ではなくて、国としても考えなければいけないことではないかなと思っています」
反町キャスター
「日本がユネスコに対する分担金を引きあげるという意見についてどう感じていますか?」
萩生田議員
「1つの選択肢ではあると思うのですが、感情的に直ちに負担金を引きあげるようなことはかえって国際社会から誤解を招くことになると。そこは慎重であるべきだと思うんです」

一億総活躍社会
秋元キャスター
「この一億総活躍社会は、なぜ安倍総理がこの政策を大きな柱、テーマとして掲げることにしたのでしょうか?」
萩生田議員
「これまでの内閣は、安倍内閣の中で女性活躍とか、あるいは地方ですとか、そういうことをいくつもクローズアップして掲げてきました。そこに思い切って、横串を刺して若い人からお年寄りまでいろんな意味で、地域社会で活躍してもらえる社会づくりというのをもう1回トータルで見直していこうという想いで、これまでの積み上げが全部グサッと刺さったような感じのイメージで打ち出した政策ですね。ですから、具体的に何?と言われると、これから何かというのを1つ1つ深堀りしたり、横出したりしていかないといけないので、加藤大臣が暫くご苦労されると思いますけれど、それも政治家や行政が単純に机の上で話をするのではなく、民間の委員の人達を入れて、何をどういじったら、どういう活躍の場が広がるかということを、会議体をつくって、かなりいろいろな幅広い意見を聞いてやっていこうと思っています」

憲法改正…安倍首相の想い
反町キャスター
「本来の安倍さんの政権としての政治的なエネルギーをどこに投下していくのか、その方向性をどう見たらいいのですか?」
萩生田議員
「そもそも自民党は今年11月15日に立党60年を迎えるんですけれど、この党是は憲法改正、すなわち自主憲法ですね。その旗は掲げ続けてきたわけですが、未だに実現が至っていませんけれど、しかし、これはつい先日の平和安全法制のように、法律ではやくやっておかないともしもの時に国民を守れないというのとは若干違って、国民と共に憲法議論は成熟させていかないといけないと思うんですね。加えるのか、変えるのか、書き換えるのか、みたいなことをいろんなシミュレーションを考えながら、国民の皆さんと一緒にやってみようかという、こういう機運が高まってこないといけないことなので、60年間一向にたどり着いていませんけれども、だからと言って、61年目でやるんだということは若干違うと思うんですね。ですから、総理が目指す大きな政策というのは、憲法は置いてけぼりなのですか、と良く聞かれるんですけれど、そんなことはなくて、これは最終的な大きな目標というのは、それを掲げてやっていきます。ただ時間を切ってとか、期限を切ってというのは若干違って、何が何でも安倍内閣のうちにみたいなことは、これは国民の皆さんにとっても失礼な話だと思いますので、憲法議論、改正議論はこれからもどんどんしていきながら、しかし、そういう議論ができるのもやっぱり経済的なきちんとした安定感がないと、これはそういう気持ちにはならないと思うんです。ですから、まずは経済再生を大きな1番目の柱として当面はそこに全力を上げていくという、その順序を決めているだけで、こちらはやらないのかとか、あちらはやめちゃったのかということではないです」

安倍改造内閣の課題
反町キャスター
「官房副長官になると、内閣人事局も兼務されるわけではないですか。どういう気持ちでこの内閣人事局を担当されているのですか?」
萩生田議員
「前任の加藤大臣は行政出身の議員でありましたし、その意味では、霞ヶ関出身ですから、霞ヶ関のしきたりなり、人のいろんな傾向なりをご存知だったのですれども、私は地方議員から国会に来て、今回、人事局長を兼ねることになったので、知ったかぶりをするつもりはまったくありません。逆に言えば、霞ヶ関のこびりついた前例、踏襲されたルールみたいなものはまったく知らないわけですから、そういう意味では、フレッシュな感覚で人事局長としての役割を果たしていきたいなと思うんです。すごく誤解があって、安倍総理が萩生田を官邸に入れた。人事局長になった。内閣がグリップを強くしているのではないかみたいなことを、各新聞とか、週刊誌であるんですけれども、私は任命権者ではないですよ。あくまで人事の一元化をやろうと決めて、的確性の審査と任命協議の2つのカテゴリで、各省庁の直接の任命権者である大臣が、この人を幹部にしたらいいよねと。そういうことを上げてきて、最終的には大臣と我々が協議をするという場をつくっているわけですね。2通りありまして、自分の出身省庁にすごくアイデンティティを持って、いつの日かこの仕事を終わらせて、その役所へ戻るんだという、いわゆるゼッケンを背負ったまま、たとえば、内閣府や内閣官房で働く人もいる。これを生涯の仕事としてやり遂げるのだと言って、片道切符でそういう仕事につく人達もいるわけです。だけど、それはその役人の皆さんは自分で選択するのではなくて、わからないですよね。ですから、そういうものを我々としてはきちんと調整し、国家にとって大事なテーマだと、申し訳ないけれど、自分の元の役所に戻るなんて気持ちではなくて、何としても成し遂げてくれと。何としても結果を出してくれというようなことを、政治的にきちんとあと押しできるような仕組みというのがやっとでき上がったと思いますから、何か機能させ、たとえば、オリンピック、パラリンピックを成功させるのだということを、オリンピックは5年ですよね。では5年後どうするのだって言ったら、そのレガシーをどうやって日本中や、もっと言えば、世界に発信するのだというのを政策としてさらに続けていけば、5年では戻らないという仕事になるわけではないですか。そういうことを、いろんな角度から総合的に考えて、霞ヶ関の皆さん、優秀な人達が大勢いますから、いろんな意味で、さらに能力を発揮できる環境づくりを心がけていきたいなと思っています」

萩生田光一 内閣官房副長官 内閣人事局長の課題:『アベノミクス第2ステージへ』
萩生田議員
「経済再生と簡単に書こうと思ったんですけれども、それだけではなくて、一億総活躍という少し幅広の政策をやっていきたいと思うので、大袈裟に言えば、日本の潜在的な力、日本の可能性を総点検して、それを政治が行政とつなぎあわせていくことができるような、そういうことをテーマにがんばっていきたいと思っています」