プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年10月8日(木)
石破茂大臣・稲田朋美 『次』の照準と戦略は

ゲスト

石破茂
地方創生担当大臣 自由民主党衆議院議員(前半)
稲田朋美
自由民主党政務調査会長 衆議院議員(後半)
永濱利廣
第一生命経済研究所主席エコノミスト(後半)

石破地方創生相に問う どう見る?改造内閣の顔ぶれ
秋元キャスター
「昨日、第3次安倍改造内閣が発表されました。その顔ぶれですけれど、麻生財務大臣や岸田外務大臣のほか、安保法案成立させた中谷防衛大臣。TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意に尽力をされた甘利経済再生担当大臣。地方創生担当大臣の石破さんも、安倍政権の主要閣僚は留任しています。一方、文科大臣ですとか、農水大臣や復興大臣は新任ということで、新設された1億総活躍担当大臣には、加藤前官房副長官が就任しています。石破さん、第3次安倍改造内閣に入閣されまして、地方創生担当大臣に留任されましたけれども、今回の新内閣の顔ぶれをどのように見ていますか?」
石破地方創生担当相
「奇をてらっていない、実務型というんでしょうね。だから、その分野で初めてという人はいなのではないですか。だから、大臣が代わっちゃいましたと。それまでの施策がぶちっと切れてゼロからやり直しみたいなことがない。政策の継続性がきちんと維持されるということと、あとそれぞれ見識を持った方々、新しい閣僚の顔ぶれを見ますと。ですから、奇をてらってウケを狙うというよりも、国民生活というものを、きちんと向上させる実務型、自分が入っていて言うのも何だが、そんな感じではないですか」
反町キャスター
「1億総活躍大臣というポストが新設されました。1億総活躍大臣の職掌と、石破さんの地方創生の職掌と何か被る部分があるような気もするのですが、その棲み分けはどのようにやっていかれるのですか?」
石破地方創生担当相
「それはうちに限らず、加藤さんがやる1億総活躍はどこの省庁にも関係するんです。だから、どの省庁もこの1億総活躍とは何だろうと。それは1人1人が本当に自分の生きがいというのかな、自分が社会の中で、こういう仕事をしているよという、勉強をするでもいい。そういう1人1人が存在感を持って大切にされるということだと思います。そのために、それぞれの省庁が1億総活躍ということを念頭に置きながら、どういう政策をとるか。その全体の指揮というのかな、それを加藤さんが執るという感じではないですか」
反町キャスター
「そうすると、イメージとしては、加藤さん、1億総活躍担当大臣が個別の政策を打ち出していくのではなくて、それぞれの省庁、ないしは石破さんのところから上がってくる、その具体策を取りまとめて、お互いに齟齬がないような調整機能を果たすところではないかと。そんな感じで見ていますか?」
石破地方創生担当相
「そこは加藤さんの政策とか、いろいろな見識とかをもってすれば、単なる調整だけではなくて、ここにアクセントを置くんだよねという、そういう指導的な役割も果たせると思うし、これは地方創生をやってみてわかるんですけれども、同じ目標ですけれど、似たような政策がいつもいつもというのがあるんです。これを整理統合してやっていく。要は、それぞれの省庁にとって、我が省は何々省庁と違ってこういう特徴がありますと言うんだけれど、国民にとってみればいったいどれがどれだかわからないですよね。ユーザーフレンドリーではないわけです。じゃあ、そこはそういうふうにして統合しようではないかというのを、私も随分やってきたけれども、そこはまた加藤さんの力量、見識で、さらにそれを加速していくということもあるでしょうね」

新派閥『水月会』結成の真意
秋元キャスター
「先週、9月28日ですけれども、石破さんが自らを会長とする新しい派閥、水月会を立ち上げました。こちらが主なメンバーですけれど、山本元金融担当大臣や鴨下元環境大臣。田村前厚労大臣など閣僚経験者がいる一方で、当選2回以下の議員も10人、石破さんも含めて合計20人が立ち上げに参加しました。まずはこの立ち上げのタイミングについてですけれど、内閣改造直前。次の総選挙までは3年というこのタイミング。なぜ現在、立ち上げられたのでしょうか?」
石破地方創生担当相
「私は、もともと政調育ちの人間で、政調会長も政調副会長も全部やりましたが、どうしても政権党であるが故に、次の選挙というものを意識する。来年の予算、来年の税制改正というものを意識するんです。だけども、5年先、10年先。現在の日本が抱えている諸懸案というのは、我々自民党の、少なくとも私の反省としては、これをやると票が減るよな、これを言うとウケが悪いよなと言って、先送りにする。あるいは次の時代に負担を負わせるということが多かったです。私自身そのことにすごく反省を持っていて、国のためにやらなければいけないことを、勇気を持って言おうと。それは何なのかというのをきちんと見極めようねと。言うだけだったら、誰でも言えるけれども、それを納得してもらって、それをやらなければいけないよねと国民に思ってもらわないと、それはええかっこしいに終っちゃうんですよね。それをつくるためにかける時間は長ければ長いほどいい。費やす労力は多ければ多いほどいい。本当に、それぞれの分野に通暁した、これはメンバーの方々を見ていると、金融大臣をやっていた伊藤達也さんも含めて、政策通の方々ですよね。地方の議会で、確固たる、いろんな実績を持った方が多いですよね。法律格の資格を持った人も多いですよね。本当にいい方々に恵まれたな、ありがたいことだなと思っています。そこで侃々諤々いろいろな議論を戦わせて、行政のエキスパートもいますよね。中央官僚経験の人もいますよね。赤沢さんとか、舞立さんとかね。そういう人達が侃々諤々意見を戦わせて、これが日本のために必要だと。それをきちんと訴える。そういう集団が必要だなと思います。それは自民党のためにも、日本のためにも、必要なことだと思いますね」
反町キャスター
「派閥のメンバーであれば、政策の勉強もしたい、選挙の勉強もしたい、しっかり自分の秘書も含めて鍛えたいというのはわかるんですけれども、領袖です。領袖は総理総裁を目指すものだ。総理総裁を目指さない派閥もかつてはいました。その意味において総理総裁を目指すということを視野に入れて派閥を立ち上げたと我々は思っているのですが、間違いないですか?」
石破地方創生担当相
「結構です。それは俺が俺がという気持ちは、私にはありません。ですけれど、長い間この仕事を続けさせていただいた。大臣も何度もやらせていただいた。党でいろんな役職をやらせていただいた。それは大勢の皆さんのおかげで今日があるわけですよね。その自分が少なくとも、総理総裁を目指して政策を提示する。選ぶのは党員の方々ですから。自分がどんなになりたいと言ったって、選んでいただかなければなりようがないでしょう。だけど、その時に、これをやりますと。そういうような政策、あるいは政権の運営方針、党の運営方針。それを示す責任は自分にはあると思うんです。それもやらないで、いやいや、私はそんな器ではございませんから、と言っているのは良い意味で逃げなのかなという感じ」

石破派と今後の自民党政治
反町キャスター
「石破さんはちょっと政策的には違うからもしれないけれども、宏池会と言われるような、いわゆる党内の護憲リベラル派を代表するような集団の発信力が最近弱まっているのではないかという批判があります。それが果たして小選挙区による、自民党の、かつて幹事長をやっていらっしゃったので、よくおわかりかと思うんですけれども、総裁、幹事長を中心とした自民党内の一体感、良く言えば。悪く言えば、要するに、意見の広がりを狭めているのではないかという批判がある中で、敢えてこのタイミングで派閥を立ち上げたというのは、小選挙区になっても、政策で異を唱えるグループをつくってもいいのではないか。こんな意味もありますか?」
石破地方創生担当相
「何のために政治家をやっているのですかという話ですね。前も、この番組で申し上げたことがあるかもしれないけれど、政治家は次の時代を考える。政治屋は次の選挙を考えると。これは私達にとってすごく難しい言葉ですよね。次の選挙に落ちたら次の時代なんか語れないのだから。だけど、次の時代を語りながらも、次の選挙でご支持をいただくという、そういう難しい道を追求していかなければいけないですよね。そうすると、次の時代を考えた時に、こうあるべきだという主張は必要でしょうと、私は必要だと思うな。自由民主党というのは保守ですよね。保守とは何だろう。私は、それはイデオロギーだと思っていないです。保守というのは自分の国、自分の生まれ育った地域、あるいは自分の周りの人々、あるいは日本の伝統、天皇様というかな、皇室、無私というかな、私心のない、ひたすら日本国のことを考えておられる皇室を崇敬するというのですかね。私は、保守はそういうものだと思っているんですね。だから、保守の枠組みの中で、自由を重んじ、自由経済を重んじるという、また基本的人権を尊重しというね。そういう、いわゆる自由民主主義国家のあり方と、保守の体現をするというのが、自民党の共通項だと思うんですよ。その中でいろんな政策の違いや、優先順位の違いがあってもそれは当然ではないですか」

石破派が掲げる旗とは
秋元キャスター
「水月会の立ち上げの会見で石破さんはこのように発言をされています。『安倍政権は十分な準備のもとに膨大な時間と膨大な労力を費やし、政策を練磨し、政権構想を練り、我が党と公明党との政権があると認識をしている。我々もそのために費やすべき長い時間、膨大な労力が必要だ。そういう思いをもって、この水月会の発足に至った』と。このように話されているんですけれども」
反町キャスター
「水月会は、具体的に何か共通の政治理念とか、方向性というのは何かあるのですか?」
石破地方創生担当相
「水月会という名前は何なのかというと、たまたまできたのが、スーパームーンの日でしたが、お月様があって、水があって、水にお月様が写っている。だけど、月が俺を写してくれと言って水に頼んだものでもなければ、水はあなたを写すよと主張したわけでもない。だけど、そこは、絶妙の調和を持っているわけですね。俺が俺がという主張をすることはしない。だけども、本当にそこに高名争いとか、そういうことではなく。でも、そこに絶妙の調和を持って、そこに一幅の絵があるような話であって、本当にお互いが己を奢らず、どうやって己をなるべく消し去って国民のため、次の時代のために尽くしていくかという、何か青年の主張みたいな如きがあって、でも、そういうことって政治の世界で必要なことではないかしら」
反町キャスター
「具体的に、たとえば、財政赤字の削減みたいなそういう具体的な目標ではなくて、現在みたいな、そういう人間関係的なもの。ないしは政治信条というのか、そういうところで結束している。そういう結集を目指しているのですか?」
石破地方創生担当相
「それは、今日も例会をやったのですが、では、日本は、この難民問題にどう取り組んでいくべきかというので、相当の議論があったんですよね。あるいはこれから先の社会保障はどうあるべきなのだろうか。現在のシステムを維持していく限りは、それは消費税を15%とか、20%にしても間にあわないかもしれない。だって、現在のシステムというのは、人口が増えますね、経済が成長しますよね。その2つを前提に組み立てられているところがあるものだから、保険のメカニズムが毀損されて、そこに税金を投入という、次時代の人達の負担で何とか維持しているわけだけれども、それって本当にいいのという話をする時に、単に消費税だけを上げればいいという話ではないだろうと。この中身をどうするのという話をすると、本当に大激論になっちゃって、そういう激論はやめようやみたいなところがあったんですけれども、それをちゃんとやろうという」
反町キャスター
「そういう議論も避けずにやっていくということでよろしいですね?」
石破地方創生担当相
「そのために政治家になったのでしょう」

ポスト安倍首相への道筋
反町キャスター
「今後のスケジュール感。スケジュールと言っても数か月ではなくて、数年の単位ですけれども、来年、参議院選挙があります。2018年の9月が、現在の、安倍総裁の任期が終了する時期です。現在の衆議院の任期満了が2018年の12月です。2019年4月に参議院議員の残りの、次の選挙がくる。こういう何か選挙だけ見て、あと総裁任期でいうと、こういう政治日程、2016年、2018年、2019年と続いていくんですけれど、石破さん、今回派閥をつくりました。総理総裁の道をこれから歩まれていくという時に勝負はどこでかけるのか?」
石破地方創生担当相
「来年のことを言うと鬼が笑うと言いますね」
反町キャスター
「じゃあ、再来年ということですね」
石破地方創生担当相
「それはとにかく総裁の任期はそこまであるわけですよ。それは皆で決めたことです。だとすれば、それまでに我が自公連立政権が、どれだけ国家、国民のためにいい仕事ができますかということに専心する時なのではないでしょうか。つまり、失われた20年が何だったかと言えば、それは人口も減るんだ。経済成長もかつてのものは望めないのだと。これまで日本がやってきた前提が全て崩れたうえで、でも、そこで抜本的に政策をあらためるのではなく、若い世代、労働者とか、そういう人達へのしわ寄せ、あるいは次の時代に負担を負わせて、あるいは皆で我慢しようと言って、本当の改革を怠ってきたので今日があるのだということを考えた時に、これから先、2016年、2017年、2018年は最も大事な時ではないですか。だから、何が国民にとって大事なのかというと、自民党が中でゴタゴタをするためにゴタゴタするのではなく、政策が違って、そのために侃々諤々の議論があるのはいいですよ、だけども、何だか権力闘争みたいなことをやっていて、次は俺だ、何だのとやったと。そのために現在どうするべきかと。そんなのが国家、国民のためになるとは私は思わないんだな」
反町キャスター
「前回の2012年、安倍さんと戦われた時の総裁選、ちょっと古いというか、3年前ですけれども、そのデータを持ってきました。1番、常に毎回ポイントになるのがここの部分です。地方票において第1回投票で、石破さんは安倍さんの倍を取りました。これが決戦投票になった時には、これは議員投票、議員だけの投票になって、上位2者による決選投票の時に、石破さんは安倍さんに敗れたわけですけれども、この地方票というのは、自民党の党員、党友ではないですか。これから、自民党が手を伸ばしていかなくてはいけない、たとえば、子供を産みたくても産めないような人達というのは、どちらかと言うと地方、党員、党友とは違う新たな人達。どちらかと言うと地方票、自民党の地方票のもとになっている皆さんは、地方における既得権益と言われる人達かもしれない。そういうのではなく、別のところに現在、手を伸ばしていこうとしているようにも聞こえるんですけれども」
石破地方創生担当相
「来年の参議院から選挙権は18歳まで下がるわけですね。どうしても現在の投票動向を見ていると、年代的にシニアの方々の投票率が高いです。20代、30代の方々の投票率が低いですよ。だけど、それはどうしても数として、シニアの方々が多いからねと言うんだけれども、若い方が投票に行くだけで世の中は変わるんですよ。私は、先ほどから、持続可能性ということを申し上げているんだけれど、次の時代の人達、自分達が生きていくために使ったお金を次の時代の人達に負わせていいということに絶対ならないのね。この若い人達が政治に対してモノを言っていくということ。20代、30代の方々が。そうしないと日本の国は変わらないと思っているんです。もちろん、そのシニアの方々も、私もシニアですが、そこが次の時代にこんなことをしてはいけないよねと目覚めるのも大切だけれども、若い方々が行動をしていくことによって日本は変わっていく。自民党は既得権益の代表だよねと言われちゃうと、では、自民党は何のためにあるのということになるのではないですか」

石破茂 地方創生担当大臣の提言:『納得と共感』
石破地方創生担当相
「納得と共感というんですけれども、政策は納得をしていただく。そうだよねと納得していただく。共感。納得だけではなく、政府がやろうとしていることに強いシンパシーというかな、それを持っていただくことが大切だと思っているんです。国民の方々は砂糖菓子に包んだような甘い話はもう聞きたくないと思っていらっしゃる方が多いですね。だから、今度の安全保障法制にしても、必要だよね、と思っている方々が大勢いらっしゃる。だけど、政府の説明をもっと聞きたいよな、と思っていらっしゃる方もいっぱいいらっしゃる。とすれば、納得と共感を得る素地というのはあると思うんです。それは安全保障法制に限らず、社会保障でもそうでしょう。地方における産業構造の変革だってそうでしょうよ。だから、地方において製造業以外の労働生産性というのは、OECDの中で相当低いわけでしょう。それを上げていくということは、それは本当にいい意味での新陳代謝をもたらさなければいけないんだけれども、それは既得権益の方々にとっては楽しい話でも何でもない。でも、そこに納得していただき、共感を覚えていただくということは、安全保障政策にしても、あるいは経済政策にしても、あるいはエネルギー政策においても、そうかもしれません。全ては納得と共感だと。納得と共感がない政策はあり得ないということだと思います」

稲田政調会長に問う 何を狙う?一億総活躍社会
秋元キャスター
「一億総活躍社会はどういう社会をイメージされますか?」
稲田議員
「若者も、女性も、歳を重ねた方々も、全部が日本において活躍できる社会のようなイメージで捉えています」
反町キャスター
「政調会長として数値目標を入れたものを発表するというのは事前に根まわしはあったのですか?」
稲田議員
「根まわしというか、事前に説明はありました」
反町キャスター
「ハードルが高いという話はされないものですか?」
稲田議員
「GDP600兆円というのはまさしく党でもとりまとめた財政再建の基礎とした経済再生ケース。名目成長率3%でいくと、この600兆円ちょうどになる。名目成長率3%を基礎に財政再建も計画も立てているわけですから、ここをきちんと達成していくことが経済の成長にとっても、財政再建にとっても必要だと思います」

GDP600兆円への道筋は
反町キャスター
「名目成長率3%、目標としているものを前提にしてのGDP600兆円ということでよろしいのですか?」
稲田議員
「昨年の12月に経済再生と、それから、財政再建を両方共やりますということを訴えて選挙に勝ちましたよね。すごく厳しい道のりですよね。その厳しい道のりをどうやって達成するかといった時に、財政再建の計画も、やや楽観的と言われるかわからないけれども、この経済再生ケースを目指そうと。そのためには成長もしなければいけないし、それを前提としたところでもこれだけの財政再建をやらなければいけないという。本当に二兎を追うと言ったら二兎は得ないんだけど、二兎を追うと。この難しい狭いパスにおいてはそれを前提にするということで踏み出したわけですね」

何を、どう射る? 新三本の矢
秋元キャスター
「新三本の矢についてどう見ていますか?」
永濱氏
「安保関連法案で若干支持率にも影響が出た中で、そこからガラッと雰囲気を変えるために、もう1回経済に軸足を置いてということをアピールするという狙いがあったと思います。ただ、少なくとも残念なことに、マーケット関係からするとそこまで好意的には受け入れられてないのかなと思いますね」
反町キャスター
「最初の三本の矢を打ち出した時は、市場はいきなり反応したではないですか?」
永濱氏
「昨年の成長戦略の時にはですね」
反町キャスター
「今回、鈍い最大の理由は何なのか?」
永濱氏
「足下で景気が若干弱くなってきているところでは、市場としては金融政策とか、財政政策とか、需要を刺激する政策が求められてきていたのに、それまではちゃんと1本、2本の矢で分けられていたのが新しいところで1本にまとめちゃったものですから、ということはこれまでの需要刺激策はお役御免というふうに、官邸サイドは考えているのかなということからするとあまり効果的な需要刺激策は出てこないのかなと。そういった期待の失望になったということがあるのではないですか」
稲田議員
「ワシントンに行った時も、平和安全法制が成立したことはすごく歓迎されていましたが、では、いったいこれから安倍政権は何をやるのかという質問が結構あったんですね。ここからは経済だと総理もおっしゃっています。その意気込みを伝えるのがこの一億総活躍社会であり、先生がおっしゃったように、1本、2本、3本の矢だと思うんですね。ただ、経済の再生と言った時に、ここまでなぜ安倍政権が評価されてきたかというと、私は難しい構造改革にしっかりと取り組んできたことだと思うんですね。1本目、2本目、3本目の中の成長戦略の中の構造改革で、たとえば、農協改革であったり、医療であったり、いろいろ難しいことに取り組んでいるという姿勢が評価されていると思いますので、それはきちんと打ち出していくことが非常に重要だと思います」

成長と財政再建…二兎は追えるか?
反町キャスター
「GDP600兆円の現実味をどう見ていますか?」
永濱氏
「かなり可能性は低いと言わざるを得なくて、と言うのも、だいたい中長期的な一国の経済成長は人口動態に左右されちゃうんですね。それで計算すると、おそらくそれなりに成長戦略がうまくいっても、潜在成長率が現在0%台半ばくらいですけれども、日本のポテンシャルで考えれば1%くらいいくと思うんですよ。一方で、日銀がある程度うまく金融政策をやって、安定したインフレにもっていけば、インフレ率1%を足せば、名目2%ぐらいはうまくいけばいくと思います。そうなると、名目成長率2%でいつ600兆円にいくのかというと、2025年度くらいですね」
稲田議員
「600兆円はどこからきたという意見はありますけれど。でも、財政再建もこのシナリオをもって、財政再建と経済成長両方をやるということでやってきたわけですよね。安倍政権になってから、様々な、予想を上まわるような税収とか、プライマリーバランス、赤字幅の半減も達成したわけですけれども、できないと言われていたものを。もちろん、非常にハードルの高い数字ではありますけれども、これを目標にやっていくということを示していると思います」
反町キャスター
「現状ではがんばるとしか言いようがないという、こういう理解になりますか?」
稲田議員
「でも、この少なくとも内閣府の経済再生シナリオに沿えばこの金額は、20年は無理でも20年と21年の間ぐらいに600兆円ということになっているわけですね。これを基準に財政再建もやっているわけですから、決してこれは夢の数字ではないと思います」

アベノミクスの成果と課題
秋元キャスター
「これまでアベノミクスでは、大企業が潤えばというトリクルダウンの考え方をとっていたとは思いますが、安倍政権は再分配政策に舵を切ったということなのでしょうか?」
稲田議員
「これまで安倍政権がトリクルダウンをやっていたというのはちょっと違うと思うんです。大企業が潤って、その恩恵を中小企業であったり、地方であったりが潤っていくことではなくて、都会、大企業と同時に、地方、小さな企業と、両方をまわしてきたのがアベノミクスだと思います。大企業は潤っているけれども、私達は全然ダメ、大都会はすごく儲かっているかもしれないけれども、地方はまったく疲弊していると言われるんですけれど、でも、たとえば、数字を見れば、有効求人倍率は47都道府県全てで上がっていますよね。それから、法人税、地方の法人税、これは消費税が上がったあとですら、47都道府県全部で上がっているんですね。なので、トリクルダウンというよりも、むしろ大企業も、それから、小さい企業も、大都市も、地方も、両方まわしてきているのがアベノミクスで、きちんと本当に好循環を本物にするという第2ステージにきていると理解しています」
永濱氏
「私は道半ばではありますけれども、うまくいっていると思います。と言うのも設備投資は増えていないというが、緩やかに増えている。アベノミクスが始まった最初の日本再興戦略の時に、3年後に設備投資を70兆円にするという目標を掲げて、当時は多くのエコノミストが無理だと言っていたんですね。でも、足下を見てみるともうきているんですよ。さらに、日銀短観の設備投資計画を見ても好調です。それを考えると、一応上昇はしているので、さすがに急に設備投資がそんなに増えるというのは難しいと思うんですね。そうなると、何が必要かというと、結局何で企業は設備投資を本格的にしないのかというと、まだ日本のビジネス環境が十分に整っていないということだと思うんです。それは、結局新三本の矢が不足しているということにも結びつくのですけれど、確かにアベノミクスでビジネス環境がそれなりには整ってきています。ただ、岩盤規制(改革)とか、まだ進んでいないと思うんです。労働規制の改革とか、医療とか、農業とか、このへんの部分はこれから本格的にやっていかないといけないのですが、新三本の矢で消えちゃったので、どちらかと言うと、パイの拡大が不十分なのに、そちらの方が弱くなっちゃうのではないかという懸念があると思います」

稲田政調会長に言いたい事、聞きたい事
反町キャスター
「視聴者からの質問です。『新三本の矢についてですが、目標年次が安倍総理自身の任期満了後というのはどう解釈すべきでしょうか。せめての任期満了時の目標到達度と達成方策の概要を示すのが誠意だと思いますが、いかがでしょうか』と」
稲田議員
「2020年は東京オリンピックの年になりますね。2020年プライマリーバランス(の黒字化)の年という、この年に目標を置くことはまったく矛盾しないと思います。2020年に安倍総理でないという100%の保証はないですよね」
秋元キャスター
「視聴者からですが、『石破さんはポスト安倍に名乗りを上げましたが、稲田さんにはポスト安倍という意識はありますか?』とのことですが」
稲田議員
「ポスト安倍ということではなくて、私は政治家であるならば、総理を目指すものだと思っています。ただ、総理というものは目指してできるというものではなくて、実力もあり、努力もし、タイミングもあり、運もあり、人との和もあり、いろんなことがあって初めて実現するものだと思います」

稲田朋美 自由民主党政務調査会長の提言:『立党の精神』
稲田議員
「今年、立党60周年です。野党時代にあったように、立党の精神に立ち戻る。私は、3つの柱があって、1つは、真の改革を進める、まさしく伝統を守りながら創造するという真の改革を進める。2つ目は、占領下で弱体化した日本をもう1度主権国家にする。3つ目は、単に経済大国ではなくて、世界中から尊敬され頼りにされる道義大国を目指すという、この3つの柱で国民政党にもう1度立ち戻るということです」