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2015年9月23日(水)
新案ショック軽減税率 自公税調会長のホンネ

ゲスト

野田毅
自由民主党税制調査会長 衆議院議員
斉藤鉄夫
公明党税制調査会長 衆議院議員
森信茂樹
中央大学法科大学院教授
佐藤主光
一橋大学大学院経済学研究科教授
長谷川聰哲
中央大学経済学部教授

財務省の還付案を検証
秋元キャスター
「消費税増税時の負担緩和策として、財務省が出した案について、これまでの経緯を簡単におさらいをしていきたいと思います。9月10日、与党税制協議会で、財務省がマイナンバーカードを利用して、飲食料品の消費税増税2%分を還付する案を提示し、自民党、公明党は慎重に議論を進めることで一致しました。翌日、与党内から異論が噴出し、公明党では地方からも強い反発があり、こうした事態を受け、公明党の山口代表が財務省案は国民の意見とかなり開きがあるとかねてから主張している軽減税率の導入を目指す姿勢を鮮明にしました。一方、自民党税調や財務省は懸念が多かったマイナンバーカードではなく、還付専用のカードを利用するなどの修正案を検討しているという状況になっています。まずはこの大きな反発のあった還付型の財務省案について聞いていきたいと思うのですが、具体的にそれはどういう案なのかと言いますと、まず対象は酒類以外の、外食を含む、飲食料品です。買う時いったん消費税率10%で支払いをして、マイナンバーカードを利用することで、あとで2%分が還付されるという仕組みです。上限は1人あたり年間4000円超としています。この還付型だといったん一律10%支払うということになるため、事業者の納税や区分経理に関わる新たな事務負担というのは生じません。しかし、消費者にとっては痛税感が緩和されにくいと言われています。また財源規模は年間およそ5000億円程度で済むとされているのですが、ただマイナンバーカードを使うことによって、セキュリティですとか、プライバシーに対する懸念というのが指摘されています」
反町キャスター
「公明党はこの財務省の還付案、マイナンバーを使う、使わないとか、いろいろあるにせよ、いわゆる還付案に対して1番、公明党として反対している、受け入れられない部分、それは何ですか?」
斉藤議員
「第1に消費者への負担が大き過ぎる。マイナンバーカードを常時携帯して、それも1億(人)、買い物をする国民全てがカードを携帯して、買い物の時にそれを提示すると。事業者への負担がないという分、消費者に全部負担をかけているということ。それから、いったん10%で払わなければならないということで、いわゆる軽減税率の大きな目的の1つである痛税感の緩和、消費意欲を減退させないという、そういう大きな目的が削がれてしまうこと。この2つが1番大きいかと思います。この案が提示されてから、議員全員が出る税調総会、2回。それから、全国から県代表が集まる全体協議会でも反対一色でした。これまで我々が追求をしてきた。自民党と一緒に議論してきた軽減税率というのはまさに、複数税率の軽減税率。標準税率に対し、食料品が低い税率。こういう税率があるからこそ国民は消費税を理解し、社会保障財源としての消費税を、つらいけれども、これは支えていこうと。そのためには是非必要なものだという、そういう基本的な考え方と、根底から相容れないものだという意見となりました。反対一色です」
秋元キャスター
「あらためて与党の合意を確認しておきたいんですけれども、平成26年度の与党税制改正大綱によりますと、消費税の軽減税率制度については、社会保障と税の一体改革の原点に立って、必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得たうえで税率10%時に導入すると書かれていて、野田さん、軽減税率という言葉がはっきりと書かれているわけですけれど、そもそもこの財務省案というのは軽減税率と言えるのでしょうか?」
野田議員
「日本型軽減税率制度と言っているわけで、単一税率ではあるんだけれども、結果的に還付する時の2%分というのは、事実上の軽減税率だと。ヨーロッパ型の軽減税率制度は難しいと。それは線引きが極めて難しい、無理があると。そうすると、全部が対象になると減収額が大きくて、第1の条件、社会保障と税の一体改革の原点に立って、必要な財源を確保するという部分の前提条件。もう1つ関係事業者というのは800万人ぐらいいるんですね。農業、漁業者から末端の消費者と接する間の人達が全部作業をしなければいけない。区分経理をしなければいけなくなる。インボイスの話だけではない。そのため、いろいろなことをやらなければいけない。これはすごく負担が大きいという、それを含む国民の理解。だから、国民の理解は消費者もあるのですが、大きくその3つの前提条件を、どう乗り越えるかということについてしっかり理解を得なければ、私は、えいやで正論だからと言って、押しつけてできるようなものではない。消費税みたいな全国民が関わるような大きな税は、基本的には実際に扱うのは事業者ですから。事業者が猛反発したら動きません、これは。いくら言ったって、現実に。制度として入れると決めて動かなかったら、逆におかしくなります。ですから、そういう意味で、理解をどうやってしてもらうかと。丁寧に議論を進めなければ…。私は前から丁寧に、丁寧にと言うのは、公明党との間も丁寧にやっているつもりだけれども、事業者に対しても、丁寧に理解を求めて、協力をしてもらうという前提がなければ、税は権力的にえいやっというわけにはなかなかいかんでしょう」

財務省還付案の修正
秋元キャスター
「マイナンバーカードを利用するということに対して、セキュリティに問題があるなどといった与党内での反発を受けて、還付専用カードの利用など、修正案を検討しているということですけれども、野田さん、現在この修正案というのはどういうのが有力なのでしょうか?」
野田議員
「これを叩き台にしてどうつくり上げていくかという話であって、限度額4000円という話も4000円で決まっているわけではない。それから、それは1人だけではなくて、一家で、トータルでやると。だから、子供が多ければ、たくさんになるということもあるわけだし」
反町キャスター
「1人1枚だからということですか?」
野田議員
「1人4000円ということであれば、4人家族であれば×4でね。4人子供おれば、6人分です、夫婦+4で。だから、そういったところの額が大きくなるという意味ではとにかくたくさん食べるような家族であれば、より有利になりますというのがあるわけ。まだ案が固まっているわけではないので、要するに、構想といった方がいいかもしれません。これを叩き台にして、どうブラッシュアップしていくのかという段階だと思いますから、どこをどう修正するというほどの根っこがまだ確立されてはいないと」
反町キャスター
「マイナンバーカードがダメならば、還付専用カード。これだったら、公明党は飲めるのですか?」
斉藤議員
「いえ、先ほど申し上げたように、最も大切な買い物をする時に軽減になっているということ。それから、カード、全ての子供も、お年寄りも、寝たきりのお年寄りも含めて、カードを使わなければ、ある意味、軽減が得られないという、その2つでもって、正直申し上げて、私ども公明党として受け入れ難いというのがこれまでの議論の結論です。何よりも自公の政権合意で、平成29年度からの導入を目指す。軽減税率制度については、平成29年度からの税率を目指すということで、安倍総理も、うちの代表の山口も、一緒にサインをしているわけです。その時の念頭にあったのは、あくまでも複数税率の軽減税率です。ですから、我々はこれまで積み重ねた議論の審議のうえに立って、この制度の可能性を追求すべきだと」
秋元キャスター
「佐藤さん、このマイナンバーカードを利用しないで、財務省案を引き継ぐという形はどういう案が考えられますか?」
佐藤教授
「前提条件になるのは消費者がある程度使い慣れているものであること。それから、民間のノウハウ、手法が活用できるものであることというようにすれば、実際に我々が普段使っているものでは電子カードがあります。スイカとか、ナナコとか。もちろん、いろいろ技術論や法律論がこれから出てくるとは思うんですけれども、1つのアイデアは、まさに軽減税率分のポイントをマイナンバーとかではなく、電子カードとかに貯めておくというやり方は1つあるかなと思います。個人があとで申請をして、ポイント分を現金化してもらうか、ポイント分で他の買い物ができるようにする、このあたりにつきましては、民間事業者がたくさんありますので、そのあたりでいろいろ技術的な面、あるいはコスト的な面で、アイデアも出てくるのではないかなと思います」
森信教授
「軽減税率の問題点は、限られた財源。これをなぜ高所得者にまで配らないといけないのかということだと思うんです。だから、このマイナンバーというのは住民基本台帳とくっつきますから、世帯の収入がわかるんです。だから、それを使って300万円、400万円以下の家庭だけにこの財源を集中して配っていく。そうすると、4000円ではなく、2万円配っても、だいたい3000億円ぐらいです。だから、軽減税率はどうしても高所得者に恩恵が行ってしまうという点に、もう1つ、ややこしさだけではなくて、問題があると思うんです」
反町キャスター
「マイナンバーカードに対する国民の不安感とか、アレルギーというか、知らないものに対する恐怖みたいなものをクリアしたうえでの話ですよね?」
森信教授
「これは、ちょっと違いますのは、財務省案というのはマイナンバーカードを使うんです。カードは申請をしなければ入手できないわけです。だから、事実上強制するようになるわけですね。それだと問題があるということになれば、マイナンバーは全員に強制で入るわけです。だから、マイナンバーとマイナンバーカードというのは違うんです。だから、マイナンバーを使って、これは我々が給与を貰う時に全部番号で捕捉されるわけですから、世帯所得は把握できるんです。これは、カードとは別の世界です」
反町キャスター
「そのマイナンバーによって捕捉された世帯別の収入をもとに、還付用のカードを別につくればいいという話なのですか?」
森信教授
「そういうのもある。それは、佐藤さんのアイデアかもしれませんけれども、そういうのもあると思うんです」
斉藤議員
「それはほとんど給付付き税額控除の世界に入ってきまして、自民党と公明党は給付付き税額控除ではなく、軽減税率制度を低所得者対策とするという方針の下で現在、軽減税率制度について議論をしているわけです」

公明党 軽減税率案を検証
秋元キャスター
「ここからは公明党が主張している軽減税率の導入について話を聞いていきたいと思います。公明党が主張している消費税増税時の負担緩和策としての軽減税率案というのはどういう制度なのか。こちらにまとめました。まず対象は酒類と外食を除く飲食料品でその消費税率は8%に据え置かれます。軽減税率が広く定着しているヨーロッパでは品目ごとに税額を記したインボイスと呼ばれる税額票が採用されているんですけれど、公明党案ではインボイスを導入せずに、請求書で対象品目をチェックするという簡易方式を採用します。対象品目の税率が据え置かれるので消費者側は痛税感の緩和を感じやすいと言われていますけれども、一方、複数の税率を扱うことになるので、納税事務など事業者の負担というのは増えます。また財源は年間およそ1兆円になるとされています。このインボイスというものについては、後ほど詳しく聞くとしまして、まず斎藤さん、先ほどから聞いていますけれども、公明党がこの軽減税率の導入を主張する1番の理由というのは何でしょう?」
斉藤議員
「公明党の軽減税率制度で1番のポイントは、社会保障財源としての消費税。これはこれからも国民が支えていかなければいけない。その消費税に対しての理解を国民の皆様からいただく。その痛税感の緩和ということが1番大きな目的です。もう1つは、低所得者対策としての位置づけは、当然あります。先ほどから高額所得者にも恩恵がいくのではないかというお話がありました。確かにそうです。ただ、食料品については、エンゲル係数と昔から言われていますが、低所得者ほど比率が高いわけですから。その消費税を軽減することは、明確な低所得者対策になるということも明確です。そういう意味で、複数税率による軽減税率制度を是非、実現したいと。このように思っています」
秋元キャスター
「長谷川さん、この公明党案というのはいかがですか?」
長谷川教授
「私は、軽減税率を導入するということに関しましては、そうすべきだろうということをずっと主張しています。ヨーロッパでは先ほどからお話がありましたように、インボイス方式でやるということで、技術的に多くの問題があるということは指摘されている通りですけれども、それは克服しなければいけないと思っています。それと話をもう少し膨らませてお話させていただきたいんですけれども、どういったものを対象とするかということなのですが、考え方は、消費支出というのを市民の立場から考え、基礎的消費支出と選択的消費支出という2つに分けて考えるべきだと思うんです。基礎的消費支出というのは、私達が生活していくうえでそれを切り裂くような消費というのはできないものという、だいたい二百数十万円が一世帯でかかると言われています。それを果たして消費税を増税していくうえで、各家計に、そういう消費生活の保障をすることができるのかという点。そこが問題の出発点だったのではないか。これが社会保障と税の一体改革というところで、国民に増税を求める場合には社会保障をきちんとやりましょうという。それが出発点と理解しています。そうした時に基礎的支出をできない人達というのをどう捉えるのか。また、その措置をどんなふうにやれるのかというのを考えるべきだと思うんですね。アメリカを見ますと、飲食料品を購入する世帯にフードクーポンというのが1960年代から導入されてきます。4人家族で現在、昨年の報告によりますと1人あたり1万5000円です。それが毎月です。アメリカのこういった基礎的な支出を保障するというシステムの厚さというものから見ますと、現在の自公で検討されてきた中から財務省案として出てきている金額が、甚だ貧弱な数字に見えてくる。一方で、ヨーロッパを見ますと、軽減税率というのは、飲食料品に5%台という形で保障されている。誰もがその軽減税率の恩恵を受ける。あるいは、さらには医療費であるとか、住宅費であるとか、住宅修繕費であるとか。こういったものまで対象になっているんです。これを基礎的消費支出の費目として考えているという社会状況があると」
反町キャスター
「森信さんはいかがですか?」
森信教授
「ヨーロッパは軽減税率が入っています。だから、日本もできないことはないです、もちろん。日本は優れていると思いますし、税のシステムは。現在、長谷川先生がおっしゃったのは、ヨーロッパは標準税率がだいたい平均にすると20%です。それで軽減税率がだいたい平均で10%です。私は個人的に何も現在、10%時に導入する必要はないのではないかと思っているんです」
反町キャスター
「森信さんの考えというのは、軽減税率の導入に反対ということよりも、現在の時点では導入に反対?」
森信教授
「まずそれが1番大きな話で、できれば、財務省案が皆で合意できれば、ああいった形でできれば、世界に先がけた良いシステムができ、ヨーロッパが真似すると思うんです。軽減税率をやめて、あの方がいいのではないかとなるかもしれません。だから、私は軽減税率に絶対反対というわけではない。いつか入れる必要が出てくるかもしれない。逆に入れなければ、上げられない、標準税率が。そういう時期がくると思います」
反町キャスター
「そもそもどういう意味ですか?食料品の税率20%というものに政治が耐えられなくて、食料品だけを抑えておかないと、他の税率を上げることができないと、そういう意味ですか?」
森信教授
「ドイツでこの間、16から19に上げましたが、標準税率は動かしていないです。だから、国民は、仕方ない、と言ったという話があります。北欧諸国はEU(欧州連合)に遅れて入ったんです。遅れて入った時、EUは消費税の導入が条件になっています。だから、加盟した時は10%ぐらいの単一税率で彼らは入れたんです。それがだんだん引き上がっていく。社会保障に必要な財源だ。20になる時に10にしたり、17になる時に12にしたり。そういう形でその後、入れているんです。皆15とか、17とか、20とか。そういった時に食料だけはそこまでは上げられないということで対応しているんです。ただ、もちろん、最初からあるフランスとか、ドイツは、前の税からあったものですから、取引高税とか、仕入税とか。だから、その経緯があるんですけれど、基本的にあとから入った国はどこかの時点で、政治的に食料は10%より上げられないということで、軽減税率というものを入れたというのが経緯です」
反町キャスター
「森信さんの話を聞いていると、10%の時に…、8%というのはちょっとはやいのではないかなという印象を受けてしまうんですけれども、そうでもないですか?」
斉藤議員
「いえ、現在私どもが調べた中ではヨーロッパだけではありません。アジアの諸国でも皆、複数税率です。だいたい食料については一ケタです。食料については一ケタ。標準税率については10から15、20になっていく。そういう意味で、今回8%というのは最後の土俵の徳俵ですよ。ここで踏ん張らなくてはいけない。それが消費者の心に触れる政治の姿勢だと思います。食料品については一ケタだと」

帳簿方式とインボイス方式
秋元キャスター
「公明党案では、インボイスを導入せずに請求書で対象品目をチェックする簡易方式ということですが、そもそもインボイスとはどういうものなのでしょうか?」
森信教授
「インボイスは大きく分けて2つの要素があります。1つは消費税額が品目ごとに書いてあるわけですね。8のものと10のものと、その消費税額を書くということがまず重要です。もう1つは、VAT番号という事業者番号が必要です。なぜなら、これを持っていれば仕入税が控除できるから、これはいわば金券です。これは真正な課税業者が出したものかどうかを調べるためにはVATナンバーというのがいるんです。ヨーロッパではその場でVATナンバーを入力すると、真正な事業者ものかどうか、マルかバツか出るシステムがあるんです。この2つをもってインボイスはクロスチェックするんです。つまり、私が反町商店から買った場合、インボイスは反町商店から出るんです。私は消費税額を払う。反町商店はそれを納税するんです。私がそれを持っていれば仕入れ税が控除できるんです、次の段階で。そうすると、国は反町商店からきた納税と、私が仕入税額控除する税額とをクロスチェックして、あっているなと、そこで初めて取引の正確性が担保されるんですね」
斉藤議員
「我々は、売主側に請求書を保存するということを義務づけます。現在の帳簿方式はその義務がないですが、保存を義務づける。これはあとで税務署がチェックした時にちゃんと証拠を出せというだけの効果しかないのだけれど。これでかなり押さえられるだろう。過渡期としてはそれで十分機能すると財務省も言っていましたし、税理士会の方々も十分機能するとおっしゃっていました」
長谷川教授
「インボイスを完全に採用するというのは、まだまだ認知されない時期だという話だったわけですけれど、私は一定の事業規模、売上規模の水準を決めて、それ以上の事業者はインボイス方式で義務づける。それ以下は当面、簡易な帳簿方式ということを認めていくということをやることができるのではないか」
野田議員
「不正が起きることがわかっていて、やるというのは極めて問題が大きいと思います。税の現場はできるだけ不正が起きないようにするのが当たり前ではないですか。それは制度を論ずる場合の堕落だと思います」
斉藤議員
「不正というのは、現在の制度でもまさにあるわけです。現在のその穴が3%の時はこれぐらいだったけれど、5%、8%と大きくなっているわけです」
野田議員
「それは違うんです。現在は単一税率です。複数税率になることによって、明らかに不正が起き得るはず。それは質が違うと思います」
反町キャスター
「やるのだったらインボイスをやった方がいいのではないか?」
斉藤議員
「インボイスを否定しているわけではありません。ただ、多くの事業者団体の方からヒアリングをしました。本当に反対される。であれば、1億2000万人のためにも、そこまで反対されるのであれば、最初は簡易方式で入って、その間にインボイスをきちんと制度設計をして、完璧なものにして導入するということでもいいのではないかという話をしているんです」
反町キャスター
「過渡的な意味ですね?」
斉藤議員
「過渡的」
森信教授
「私は、軽減税率は反対なのですが、インボイスは賛成。もともとインボイスを入れるべきだと言っているんです、税の公平さのため。インボイスに実は隠れた利点がありまして、それは事業者間で転嫁できるんですよ、インボイスがあるから。インボイスというのは税抜価格以外に別に動くんですよ。ヨーロッパには転嫁対策特別措置法はないです。事業者間での転嫁は問題にならない。それはインボイスがあるから。そういうものをせっかくのこういう場ですから、議論をしていただいて、インボイスの良さを再認識していただければいい」

今後の議論と政治判断
秋元キャスター
「与党の税制協議会は年内に結論を出すということにしているのですが、間にあうのですか?」
野田議員
「努力しなければいけないですよね。これまで積み重ねてきた検討課題をどう乗り越えるのかということを踏まえながら、今度の財務省から出された叩き台というのか、そんなことを頭に置きつつ、公明党からもいろいろ話がある。ここで、右左で決めるわけにはいかないでしょうから。もう少し接点を求めて、引き続き勉強していくことになるのだけれど。年末までに間にあうかということについては、右から左にえいやっというわけにはなかなかいかないので、それはどうやってそれを乗り越えるか非常に難しい。針の穴を通すより難しいぐらいのテーマなので。前提条件として、関係事業者を含む国民の理解がなければ、税の現場は成り立たないという現実がある。1度決めたけれど、かつて売上税が引っくり返ってしまったでしょう。あれも何を非課税の対象にするかということで現場に大混乱が起きたわけです。今度も線引きをどうするのかで大混乱が起きると思う。川上から川中まで、中間の人達が皆、絡んでくるんですよ、区分経理は全部やらなければいけないわけです。簡易型であれ、区分経理は全部やらなければいけない、基本的に。この作業をどこまで本当にやれるのか。そのためには事前に習熟していかなければいけない。そのことも頭において議論しないといけないと。減収額の話もある。そういういくつかのハードルを乗り越えたうえで、10%時に導入すると言っているわけで、与党として政策論と政治論の両面からやっていかなければいけないというのは当然のことですが。いろいろ難しいです」
斉藤議員
「昨年の税制大綱、12月30日に平成29年度からの導入を目指すということで自民党、公明党が合意し、自民党、公明党が一緒に戦った選挙の共通公約に入りました。国民への約束です。12月の大綱までには是非まとめて、通常国会で法律にして、1年程度の周知期間をおいて、消費税が10%になる平成29年4月1日から導入する。これは国民の皆さんへの約束ですから。どうしても実現させなくてはいけないと固く決意しています」
野田議員
「関係事業者を含む国民の理解を得たうえでということ。我々は外すわけにはいかない大事なテーマなわけですよ」

導入のタイミング
反町キャスター
「10%時というのは?」
斉藤議員
「平成29年度からの導入ということを与党合意で言っているわけですね。当然4月1日です」
野田議員
「と言うようなことを公明党さんは主張され、同時と言うことでは我々は同意できないと。これだけは申し上げているわけです」
斉藤議員
「それは聞いていません」
野田議員
「だから、平成29年度に導入を目指すという言い方をしている。引き上げの時と同時にというのは、公明党はそういう主張をしているから、主張されることはいいですけれども、我々と合意ということではないですと、これだけは明確に申し上げているわけです。我々は、政権与党として、政府を預かる与党としていい加減なことを言うわけにはいかない。この時期なら大丈夫と、自信を持ってやれるという時には時期を明記します。現在の時点では具体的なところに一本化した形でという話にはなっていませんので、これから引き続き、与党としてどうするかということは鋭意真剣な協議を重ねていかなければいけないだろうと」

斉藤鉄夫 公明党税制調査会長の提言:『消費者の心に触れる軽減税率』
斉藤議員
「これからの社会保障をしっかり国民が支えていかなければいけないと。消費税率の上昇は仕方がない。皆、心の中ではわかっています。しかし、そのためには、毎日生きていく最低のものである食べ物については政治の配慮がある、一ケタの数字であるという、そういう政治の心が、社会保障財源たる消費税を支えていくと思っています。税というのは払う側の立場に立って、税制を考えるのが1番必要だと思います」

野田毅 自由民主党税制調査会長の提言:『社会保障財源としての原点を忘れない』
野田議員
「ヨーロッパや他の国と違って日本は、消費税収入は100%、医療・介護・年金・子育て、この4分野以外には使わない国。それは日本だけです。従って、それが原点です。社会保障の使い方は低所得者により有利に使われているという現実を頭においてほしいと。高所得者にはむしろきついと思います。保険料にせよ、自己負担にせよ。そういう意味で、社会保障財源をどうやって調達するかということも頭において、ただ低所得者だからどうだという発想だけではなくて、まさに低所得者のために存在している消費税であるということも現実なので、そんなことも頭において、この原点を忘れないで軽減税率制度が結果として高所得者の方により有利な形での減税になっていくという…そういう意味では、社会保障財源としての原点を忘れないということが軽減税率問題を考えるうえでも大事な視点です、ということは口を酸っぱくして申し上げたいと思います」