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2015年9月10日(木)
東京よ大阪よ日本よ! 石原慎太郎・堺屋太一

ゲスト

石原慎太郎
作家 元東京都知事 前衆議院議員
堺屋太一
作家 内閣官房参与 大阪市特別顧問

石原慎太郎×堺屋太一 五輪問題の本質を斬る!
秋元キャスター
「まずは石原さんの都知事時代の招致活動を受けて、2度目の挑戦で開催が決定しました2020年の東京オリンピック・パラリンピックを巡る問題についてなんですけれども、ザハ・ハディド氏のデザインで決定していた大会のメインスタジアム国立競技場は総工費3000億円規模と、計画時から倍増し、様々な見積もり金額が取り沙汰される中で、安倍総理が白紙撤回を決断しました。第3者委員会がその経緯を検証するという事態になっています。その一方で、佐野研二郎氏のデザインに決定したエンブレムについては、ベルギーの劇場のロゴマークと似ているとして国境を越えた問題となり、デザイナーの辞退を受けまして使用中止という結論、再公募で新たに選び直すという状況に現在なっています。このように相次ぐ白紙撤回で、出だしからつまずいたような印象もありますけれど、石原さん、これからのこの問題。どう見ていますか?」
石原氏
「エンブレムの問題というのはあとでパクリが出てきたでしょう。結局自業自得で、1番大事な作品というものを自分で汚すことになっちゃったんだけれども。芸術の世界というのは、オリジナルの世界というのはヒンテッドバイというのがあるので、だから、エンブレムに関して見ても、たとえば、あれを選ぶ選考の過程で、いくつかの賞を取った人間でなかったからダメだという規定をすることそのものが役人の官僚的発想。たとえば、招致活動の時のロゴはまったく無名の芸大生の女の子がつくったと。素晴らしいではないですか。まったくの素人です。とにかく変な権威主義、何か賞を取った人間でなかったら資格がないみたいな、そういうクラリフィケーションをすること自体が役人の卑猥というのか、限られた発想力で、自分達そのもののオリジナリティがないから、こういうバカな規定をするので、本当に残念な結果でした」
堺屋氏
「私は、万国博覧会をやった。それでそもそも万国博覧会自体が、計画も、敷地も、決まっていないというのに、大蔵省に534億円でやりますと言ったんです。そして533億8900万円であがったんです。あらゆる行事が成田空港から、関西空港から、東京都庁まで、予算が2倍になった。あれだけは全然オーバーしなかった。運営費の方は2倍半になったけど、これは入場料がドッと入ったから192億円儲かったんですという経験があるんですね。最初にどんな博覧会をやるか。どんなオリンピックをやるかという、オリジナリティが必要です。ロサンゼルスオリンピックの時に、まったくお金を使わないでやるというのを考えたわけです。それから、そのあとのソウルは違いますけれども、バルセロナとか、アトランタとか、シドニーとか全然金を使わない。ところが、北京からまたじゃんじゃん使い出したんです。だいたいそれはヒトラーが考えたベルリンオリンピックを真似するんです。まずは大スタジアムをつくります。その次に巨大な入場式をやります」
石原氏
「国威発揚」
堺屋氏
「それで聖火リレーとか、金メダル。金メダルももともとは万国博覧会から出たものですから、あんなものはオリンピックになかった。それを取りあげて、パーッと盛んにする。それで国威発揚のことも考えたんです。それも日本は引き継いだし、北京も引き継いだし、ソウルも引き継いだと。ロサンゼルスから首都でないオリンピックが続いたんです。その時はオリジナリティを大事にした。そもそもオリンピックをどうするかという議論は初めからないです、今度は」

若き日本の熱情と教訓
秋元キャスター
「最初の東京オリンピック、それから、大阪万博。昭和の時代から日本の経済成長と重ねて見ていきますと、東京オリンピックがありました。大阪万博。まさに、高度成長期の頃です。堺屋さんが団塊の世代と称した人口増加。世界第2位の経済大国へと駆け上がっていきまして、石原さんの『NOと言える日本』というのもアメリカで評判となるんです。ベストセラーになりましたけれど、しかし、その後、バブルの崩壊から経済成長も鈍化していきまして、失われた20年を経て2020年の東京開催というのが決定したということですけれども、堺屋さん、先ほどの話ですと大阪万博は大成功だったという。東京オリンピックはどうだったのでしょうか?」
堺屋氏
「それは大成功でした。東京オリンピックはもう日本中が敗戦から立ち上がるというので燃えていました。それで戦後、最初の大事業だったから、非常に燃えていたし、それに日本人の地位が一致した、ちょうど所得倍増と重なったんです」
反町キャスター
「東京オリンピックの問題は先ほど、たとえば、万博は534億円の予算を533億8900万円であげたという話がありました。そういう形で言うと東京オリンピックというのは当初の予算をはるかにオーバーする規模になったのとは違うのですか?」
堺屋氏
「それは確かにオーバーになりました。そのために当初の計画になかった新幹線から、高速道路からいっぱいつくったんです。それはちょうど全部役に立つ時代であった。団塊の世代が青年だった時はそれで良かったんです。日本が貧しかった時はハードウェアをつくるのは良かったと。ところが、今やそういう時代ではない。それにもかかわらず同じことを繰り返そうとしていると。これが官僚の惰性というやつですね」
反町キャスター
「堺屋さんの指摘はいかがですか?石原さんが、オリンピックを持ってこようと思った時に、たとえば、高度成長から低成長に変わった時代を意識する、ないしはこれまでの、ソウルとか、北京とか、ロンドンとかのオリンピックとは違うイメージ、ないしはどの部分を否定してこういうふうにやろうとか、そういうイメージはありましたか?」
石原氏
「いや、それはそんな具体的なものではないです。ただ、もう1回、日本人の心を束ねたいと思いました、良い意味で。ですから、日本人全体が結束して一緒にやろうではないかという、そういうイベントが必要ではないのかと。それは戦争が起これば、皆、そうも言っていられないわけで、まさか戦争を始めるわけにはいきません。そういう点でオリンピックが良いのではないかなと思うので、思いついて言ったのです」
反町キャスター
「それはとにかくオリンピックを東京に呼ぼうが呼ぶまいが、石原さん的に言うと、日本人がアイデンティティというか、バラバラであるという非常に強い危機感がオリンピック東京招致というものの1つのバネになったと。そういう意味でよろしいのですか?」
石原氏
「そうですね。何か日本人が、民族というと大げさですが、国家観というのか、日本人全体のアイデンティティがだんだんと希薄になってきたような感じがして、それをもう1回取り戻す1つのきっかけになるのではないかなと思って、言い出したんです」
反町キャスター
「そういう狙いのオリンピックというのは、堺屋さん、どう感じますか。それはありですか?」
堺屋氏
「それは良いことと思うんです。それだったら、さすが日本と言われる、新しい発想をしないといけない。万国博覧会に初めてお祭り広場というのをつくったんですね。あの時も丹下健三さんがお祭りということを言ったのですが、屋根が持ち上がらなかったと。この屋根に足場をつけて、それで組み上げたら600億円かかるんです。それを地上でつくったんですよ。それで皆でこれを上へ上げると。30m上げると。ところが、上げる技術がないと言ったんです。そうしたらアラビアで石油を掘っている会社が、いや、うちの技術なら上がりますと言ってきて、それでやってみるというので」
反町キャスター
「たとえば、もし上に上げる、アラブの機械が見つからなかったら、大スキャンダルですよね?」
堺屋氏
「そうです。大スキャンダル」
反町キャスター
「そういう時に、話として、これが見つからなかったどうしようという、先ほどのオリンピックの話で、いわゆる責任問題です。そういうのはその時、万博の実行委員会の皆さんの間ではそういう話にはならないのですか?」
堺屋氏
「それは第1に石坂泰三という人が、俺が責任を取ると言っていた。それから、佐藤栄作という人が、俺が責任を取る、と言ってくれた。この2人です」
反町キャスター
「ちょっと現在とは状況が違いますね」
堺屋氏
「違います。それで政治家、財界人というのか、会長になった人が、俺が責任を取ると最後に言うんです。それで間にあわないのであれば、現在から地上で組み立てろということで。それから、真ん中に穴がいているでしょう。それも丹下さんと岡本太郎さん、大ゲンカになって。初めはこんなものつくることは予定していなかったんです。丹下さんは」
反町キャスター
「丹下さんは最初、こんな真ん中の太陽の塔が入っているこの穴というのは、丹下さんの構想になかった?」
堺屋氏
「なかったです。丹下さんは、シンボルタワーは、菊竹清訓さんに頼んで、会場の端に、既に設計をして立っていると。だから、そんなシンボルタワーは建てたくないと。そうしたら、岡本太郎さんはテーマ展示こそがシンボルだと言って、大暴れになりました。お二人が取っ組みあいのケンカになったんです」
反町キャスター
「本当の取っ組みあいですか?」
堺屋氏
「本当に取っ組みあい。掴みあいで、設計図を前にして、引きちぎれるほどの、取っ組みあいになっている。それで、私らが通産省で引き取らせてなんて、そうしたら、補助者、弟子がいるわけです。弟子も一緒になってケンカになるんですよ」
反町キャスター
「それぞれの?」
石原氏
「これはうらやましい話で、強烈な個性と個性がぶつかりあって、それを束ねていくだけの、石坂泰三さんとか、佐藤栄作さんとか。石坂泰三さんというのは、僕は個人的に知っているけれど、本当に国士の風格がある経済人でした。それから、佐藤栄作さんにしたって池田内閣のナンバー2で、この人を池田総理が、要するに、オリンピックの担当にするということの選択、とっても大事だと思う。ちょっと現在のオリンピック担当大臣は鼎の軽重を問われる節があるね」
反町キャスター
「それだけ堺屋さん、当時はまだそこまでの評価をされていなかった、先ほど言いましたけれども、でも、岡本太郎、丹下健三という、2人の天才というか、鬼才というか、異才が、その2人の人がまったく平場で大ゲンカをして、それをちゃんと誰かが引き取る。しかも、本人同士でちゃんと話が落ちて、結果的に誰も想像をしていなかった、穴を開けるという決着になり、しかも、それが大成功になるという、こういう過程というのは、たとえば、今回のオリンピックスタジアムの経緯を見ていて感じる部分はありますか?」
堺屋氏
「だから、私はもうスタジアムをやめて、皇居前でやるぐらいの大英断をやれということを言っているんです」
反町キャスター
「でも、そのためには、この時で言う丹下と岡本に当たるような人間が現在の東京オリンピック実行委員会の中に、2人か3人かいて、中で大ゲンカをしているかもしれません。もしかしたら僕らの知らないところで、そういったものがあって、誰かが、それこそ先ほどの財界にしても、政界にしても、わかったと。俺が責任を取るから、好きにやれと。そういうような人が出てこないと、こういう時代にならないですよね。我々はそういう時代には戻れないのですか?」
堺屋氏
「いや、戻れると思います」

何が日本をダメにしたのか?
石原氏
「個性的なバトルがあって然るべきで、それがよそに情報として漏れないというところで、このオリンピックの、要するに、組織の閉鎖性というのが、僕はとても問題があると思います」
堺屋氏
「エンブレム、マーク、あれも万国博覧会の時に、1回ひっくり返っていたんです。万国博覧会の時に最初、デザイナーの偉い人が選んだものを、石坂泰三さんが、あかん、こんなものないよ、というので、それで一般募集をしたら無名の人が当選して桜のマークになったんです。俺が責任を取るから、これを変えろという人が要りますね」
反町キャスター
「別の言い方をするとかなり荒っぽい話ですよね。1回組織決定をされたものをトップが、俺が気に入らないから、やり直せ、というこういう話ですよね。これは逆に言うと、現在の時代、もしそういうことをやったら、強権だと。大変なことになると。こういうことにならないものですか?」
堺屋氏
「それはそうなりますよ。なることを覚悟で言うのだから、片一方は。そういう人の足を引っ張って、潰さないで、結果、偉かった、と言ってやらないといけない。現在、皆さんは官僚化して官僚の決めたことをちょっと変えたらたちまち強権だとか、ワンマンだとか、悪いことを言うけれども、モノをやる時はワンマンが必要ですね。はがきの名文コンクールというのを、奈良県御所市を宛名にして日本全国からやって、4万通来たんです。それを見ると、未来を希望するとか、こういう発明をしたいとか、宇宙飛行士になりたいとか、世界記録をつくりたい(という人が)1人もいません。若い子から90歳まで皆さん、死んだおじいちゃんに会いたいとか、病気を治してくださいとか、いわゆる小さい幸せを望んでいるんです。そういう人達は、その目で人を批判するから、あまり大きなことを言っているやつは、ほら吹きか、野心家か、いずれにしても良い評判は得られない。そこが日本の老化。日本全体の年齢構成も老化したし、国としても老化した。成長もとどまった。全てがだんだんとそういう安全、安心第一になっていると。日本は起業率、企業を起こす率、これが世界最低です。現にある事業所に比べて新しくできる事業所の数が世界で1番少ないのが日本。しかも、数少ない起業家のほとんどが60代。60歳以上。要するに、定年したから何かやろうという人が多いし、それで青年、少年で業を起こすような人はめったにいなくなってきた。これは皆さん、親がそんなことをしないで役所へでも勤めろ、医者になれと。いわゆる安定志向です。それがあまりにも広がっていると思います」
石原氏
「余計な情報が氾濫し過ぎているね。僕は別にインターネットはやりませんけど、そういうものを書いたのを見ていても、情報に皆溺れてしまって、自分の発想というものを若い人がしなくなっちゃった。僕も芥川賞の選考委員を長いことやっていましたけれど、応募してくる若い人が全部マーケティングしてくるんです。現在時流に何が乗っているか。世間が何に関心があるかと、非常におもねった作品が多くて、そういう点で本当に失望をしたな。足元をさらわれるようなショッキングな小説がなくて、非常に期待したけれど、出てこないですね。人間でもそうではないですか。とんでもないやつが出てこなくなったね」
反町キャスター
「それは皆で、出る釘は叩くような社会だということですね」
堺屋氏
「と言うよりも自分から自主規制して、自分がこれなら当たるだろうとか。これは世間受けするだろうとか。こんなことを言ったら叩かれると、先に自主規制していますね」
石原氏
「自主規制が行き過ぎると恋愛しなくなるんです、若い人が。失恋を恐れるだけではなくて、自分がちょっと思いをかけている相手の女性を、変なランキングみたいなのがあって、自分と比べて向こうが下とか、上とか、その前で想いをかけることとか、そういうことにためらいが出てきて、本当に諸突猛進の恋愛をするやつがいなくなっちゃったね」
堺屋氏
「役人がいろんなことを全部決めたんです。その中に、日本人の人生を役所が決めるという習慣ができた」
石原氏
「うまいことを言うね」
堺屋氏
「それで、人生はまず生まれてから教育を受けると。教育を受けて、大学を卒業したら間を開けずにすぐ就職をしろと。就職をしたらお金を貯めろと。お金を貯めて幾らか貯まった時に結婚をしろと。結婚したらすぐに子供を産めと。子供を産んだら子育てをしろと。子育てがある程度済んだところで、住宅ローンをかけて、小住宅を、建屋式の家を買えと。住宅ローンは払い終わったら中高年になっているからあとは老後に備え、役所に年金を収めろと。そういう図式をずっとつくって、これに沿って生きたら、1番得なように社会福祉も全部できています」
石原氏
「それが幸せな人生のモデルビジネスになっちゃった。要するに、官僚統制国家になったんです、日本は」
堺屋氏
「そう。その結果、教育年限が伸びるに従って、結婚年限が遅くなって、子供を産むのが遅くなって、少子高齢化しちゃったんです」

日本政治と自民党
反町キャスター
「今回、なぜ安倍さんに対しての対立候補が立たなかったかについては、強いし、対立候補になりそうな人は、閣内に取り込まれていたり、ポストを貰っていたりするので、なかなか対立軸として喧嘩しにくいと。こういうことを言う人いますよ。でも、たとえば、青嵐会というのは何かというと、別にポストを貰いたくて集まった集団でも何でもないですよね。ある意味で、思想、信条的なものにおける集合体としてあって、それが結果的に自分達が政治的には疎んじられる、ないしは警戒されても、それでもいいから俺達は言いたいことを言うんだというグループであったかのように僕は理解しているんですけれども、そういったものは現在の自民党にはないようにも思えます。そこはどのように見ていますか?」
石原氏
「現在の安倍政権というか、安倍君を主軸にしている権力中枢が必ずしも自民党を壟断していると思いませんけれどね。僕は1回、その総裁選に無謀な立候補をしました。あの時は、金丸とか、小沢という人間が党を自在に支配して、海部という本当にもう操り人形をつくって、そういう体制というのは我慢できなかったから、敢えて立候補しましたけれど、あの時、宮沢だって、要するに、自分が出ずに、竹下から経世会が別れて、出てきた林君を確か小手先の、つまらんメンツ建てをしたわけでしょう。僕はあの時、自分で玉砕がわかってやって良かったと思っていますけれど、面当てですよ、結局」
反町キャスター
「面当てをするというのは、損だとわかっていても、そこにチャレンジするわけではないですか?」
石原氏
「それは僕のような人生観みたいなもんだからしょうがないね。それに呼応してくれる人もいたし」
反町キャスター
「そういう文化というのが、自民党に現在なくなっていることというのは、それはしょうがないものだと見ていますか?それは時代の趨勢なのか、ないしは安倍さんがそれだけ文句のないリーダーと見た方がいいのか。それとも現在の時勢がそういうものを求めていないのか?」
堺屋氏
「1つは、小選挙区制がありまして、もう1つは政党助成金というのがある。あれは政治家を、第2公務員にしたわけですよ。政党助成金は全部国費で賄うんだから。そもそも国民が自分の支持する政党を投票だけではなくして、お金でも支援をするというのが民主主義です。その民主主義の一方の柱である政治資金を規制して、全部国費でまかなう。第2公務員にする。これが良くないですね」
反町キャスター
「政党助成金が政治家の、いわゆる党の幹事長、総裁に対して刃向かう力を削いでいる?」
堺屋氏
「刃向かう力を削いでいるというよりも発想を統一していますね」

平成日本が見るべき現実
秋元キャスター
「先日行われたデモで各党連携を目指す党首の姿も見られた。この場面を見てどのように感じますか?」
石原氏
「まったく無意味な感じ、まったく何の力もないと思う。あのデモそのものは、空気の結晶ですよ。山本七平が昔、『「空気」の研究』という有名な本を書いた、まさに空気の醸し出した、何と言うのかな、やがて雲散霧消する集団でしかないね。あれは十何万人が出たって、嘘ですよ、そんなもの。頭数勘定したっていいんだよ」
堺屋氏
「70年の学園紛争。あれは万博の前にすごく盛り上がった。それで佐藤栄作さんがある日、官邸に若手の官僚を集めて、この学生運動はどうしたらなくなるかという話を聞かれたんですよ。そうしたら警察庁は、大学に警官を常駐させたらええとか、文部省が教授会から権限をとるとか、いろいろなことを言い寄った。私は、これはたぶん心配せんでももうじき万博が近づいてきたら全部なくなりますよと。本当に面白いものが出たら、学生は面白いところにいくから。万博が始まる1年前になくなりますよと言ったのですが、当時の警察官僚は皆、あほかと言うて笑っておった。そしたら、万博が始まる1年前、3月になったら全部なくなった。それでわずかに残った過激派が、1つはよど号で、もう1つは浅間山荘へ行った。それぐらいなくなった。何でと言うと、万国博覧会のパビリオンで、女学生をホステスに募集したんですよね。皆、何万人もきたものですから、デモ隊の女性がいなくなると男もいなくなった、たちまち一瞬にして。わずか15日ぐらいで完全になくなったんです、というぐらいにこのデモというのは退屈している人です。真面目に政治を考えているのではないです。他にやることがない、だから、デモにでも行こうかという、デモしかデモです。だから、これを本当の政治の力と思ったら、全然票にならない」

日本が目指すべき『成熟の姿』
反町キャスター
「日本は難民、移民にどういう姿勢で臨めばいいのでしょう?」
堺屋氏
「私は、少子高齢化に備えて移民は秩序正しく相当数入れるべきだと思います。かつて日本は17世紀にすごく移民を入れたんですよ。その移民は一代経つと完全に日本化した。だから、忠臣蔵で47人しかいない討ち入りにちゃんと中国人の息子がいるわけですね。武林隆重は中国人の息子ですから、その当時は医者と祐筆はほとんどが中国人だった。その人達が元禄時代になると日本文化を支えたわけですよ。その時は非常に日本はうまくいった。20世紀になってからちょっと入った人に問題が生じたんですよ。かつての許容力のあった日本を思い出すべきだと思いますね。それで、労働移民ではなしに定住する移民。なぜ相撲取りはあんなに日本語がうまいか、サッカーや野球の選手はダメかというと相撲取りは頭がいいんじゃないんですよ。日本が最後の土地だと思っているからうまいんですよ。だから、日本で生活をし、子孫を育てる人達をこれからどんどん入れて、そうすると日本のこの素晴らしい秩序、安全な国日本を受け入れて、日本はいい国だと思ってくれると思いますね」
石原氏
「そのうち日本はたくさんの難民を受け入れざるを得ない。どこからと言ったら中国人ですな。中国から必ず難民が増えます。中国の世界は崩壊しますよ。その時に彼らはどこいくかと言ったら日本にこざるを得ないと。いいじゃない、そうしたら中国人を入れてやったら」
反町キャスター
「たとえば、中国に限らず、もしかしたら半島有事があったら、北朝鮮から大量の難民が日本に来るかもしれないと。そういう人達を受け入れることについて、たとえば、日本のこれまで持っている文化とか、同一性、均質性というのに対する危惧を持っていないのですか?」
石原氏
「いや、それは、彼らは同化せざるを得ないし、日本人の持っている感性の豊かさというのに彼らは必ず傾倒して、そういうのに影響されますよ」

作家 石原慎太郎氏の提言:『感性を磨け』
石原氏
「日本人の開発能力というのは抜群だと思います。それは21世紀に入って、日本人がもらった化学部門のノーベル賞の数はヨーロッパ全土に匹敵するんですよ。こういう民族というのは必ず栄えるし、これからもそういう能力を維持するためには発想力というものを、感性ですから。感性を磨くために何をすればいいのかと言ったら、趣味を持ったらいい。犬を飼ってもいいし、俳句でもいいから、好きなものをやれと。うまくなろうと思ったら、工夫をするので。工夫することが感性を磨くので、人間の価値というのは個性ですよ。人と違うところです。その違いが感性です。趣味を持つこと。それを持つと必ず感性が高まってくる」

作家 堺屋太一氏の提言:『楽しい日本』
堺屋氏
「私はアジア刑政財団の会長をしていまして、日本はいかに安全な国かというと、安全な国日本というのをつくったんですよ。現在日本では監獄に入っている人は6万5000人です。アメリカは224万人です。日本で昨年捕まった汚職は56人しかいない。中国は5万5000人もいるんです。日本は極めて安全安心で、新聞を見ていると殺人とかが多いように書いてあるけれども、少ないですね。この安全な国になるために悪くすると監獄国家にならんとも限らない。監獄に入っているような国。もう何もかも統制で、官僚統制、警察統制で、面白くない国になる。これが1番日本にとって危ないですよ。だから、これから日本は楽しい国にならなければいけない。感性、想像力を持て、そういう国になるべきだと思うんですね」