プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年9月2日(水)
北方領土強行訪問の謎 日露交渉に出口あるか

ゲスト

秋葉賢也
自由民主党外交部会長 衆議院議員
袴田茂樹
新潟県立大学政策研究センター教授
石郷岡建
ジャーナリスト

露首相の択捉島訪問 強行した背景と狙い
秋元キャスター
「メドベージェフ首相が択捉島を訪問することが日露関係に問題が発生するのはわかりきっている話なのになぜ強行したのですか?」
袴田教授
「確かに、ここまで日本人の神経を逆なでするような行動をなぜ現在?という問題は当然生じるわけですが、いくつか理由はあると思いますが、1つは、今回は愛国青年フォーラムへの参加ということで、それはクリミアでも直前に行われていて、クリミアの愛国青年フォーラムにはプーチン大統領と一緒に参加しているわけです。愛国青年フォーラムというのは、カリーニングラード、これは元ドイツ領ですが、ソ連の領土になって、飛び地になって、そこでも開かれている。だから、カリーニングラード、クリミア、北方領土というような国境地域で愛国フォーラムをやっていると。それに参加しているという一連の行動の中の1つと見る必要があると。もう1つは、プーチン大統領が、極東地域で経済発展が非常に遅れていると。アジア太平洋地域でも、ロシアの極東地域だけが取り残されているという問題もあって、だから、極東地域における経済発展。人口もどんどん減っていますから、国内的にも強調せざるを得ない。それはまた北方領土も当然含むという形で、日本にとって強行姿勢も出てきたという側面もあると思います」
秋元キャスター
「日本側から厳しいことを言われるのではないかという懸念はなかったのですか?」
袴田教授
「今回の行動はメドベージェフ氏個人の判断だけではなく、国の対応ですから。ショイグ国防相も北方領土、極東での軍備増強を言っています。ロシアのマスメディアは、日本の北方領土返還要求に対抗するものであるという解説さえしている。そういう最近の動きを見ますと、私は、プーチン大統領が北方領土問題で我々が大幅に譲歩すると思ったらとんでもない間違いですよと、それを日本側に、もし訪日するとしてもきちんと示しておきたい。と言うのは、6月のG7のサミットで、安倍首相はメルケル首相にも、オランド大統領にも、4月にはオバマ大統領にも、プーチン大統領を招くと言っていて、その理由として日本には特別な理由があるのだと。北方領土問題、平和条約問題の解決に向けて進展させることを強調した。これはプーチン大統領にとっては1つの儀式だったのではないかと。日本はかなり本気で訪日を北方領土問題の解決に結びつけているというシグナルを菅さんも、首相も言われた。だから、私はそれに対する牽制球という側面があると思います」
反町キャスター
「期待するなよと」
袴田教授
「そういうことです」
秋葉議員
「3つくらいあると思います。まず1つは、袴田先生も言ったように、ロシアが国境問題を抱える国内4か所で意図的、戦略的にやっている、青年教育フォーラムという場を借りて若い人達の愛国心を調整していくと。プーチン氏自身もウラジミルに行っていますし、ロシア国内で国境問題を抱えるところでやったということですよね。ですから、必ずしも北方4島を狙い撃ちしたということではないと言えるかもしれない。そもそもロシアの首相というのは経済が所管です、大統領という以上に。ですから、経済対策として、メドベージェフ氏がこれから極東でクリル(千島)発展計画を実施していくために、そういう必然性はあったと思います。もちろん、彼ならではのパフォーマンス、存在感、ロシア国内でどうしてもプーチン氏、プーチン氏という中で、そういう思惑もあったのではないかと私は思います。結局、ロシアの首相として地方の経済に目配りするのは当然だと。国内の経済が少し混乱してきていますから、なおのことという意味あいもあったと思います」
反町キャスター
「国内の経済政策の問題だと。北方領土とは違う問題と受け止めた方がいいですか?」
秋葉議員
「比重の問題。要するに、国内問題は7割、8割ではないかなと私は思います。もちろん、日本政府としては、年内のプーチン大統領の訪日実現を是非叶えたいと思っていますから、ロシア側からすれば、それについてはあまり期待するなよというメッセージがあることは、これは否定できないと思います。ただ、北方4島だけをターゲットにしているのであれば、4か所でやる必要はないですね。首相の所管というのはまさに経済の復活。プーチン氏の支持率は相変わらず80%を超えていますが、一時に比べれば国内の支持状況が低迷してきている部分もありますので。そういう意味で、100ではないけれど、国内問題もかなり大きいんだということを指摘しておきたいと思います」

北方領土の価値に変化?
秋元キャスター
「なぜロシアのスタンスが変わったのでしょうか?」
石郷岡氏
「その前に果たしてプーチン大統領の考え方が変わったのかどうかという問題があるのですけれど、今回の場合、私は、メドベージェフさんとプーチンさんは違う立場だという立場ですが、プーチンさんは日本に対してあまり良い感情を持っていないという雰囲気が最近強いと思うんですよ。その1つは、やはり制裁ですね。外国通信社との会見の時にプーチンさんが『ヨーロッパはわかると。しかし、なぜ日本はあんなにウクライナに話を突っ込んでくるんだ』と聞いたわけです。その時に、これは本当に言っているなという感じがして、日本に対して良い感情をもっていないと。これは今回のメドベージェフさんの背景にあったのかもしれない。もう1つは、北極航路問題。北極航路について、要するに、温暖化で氷がどんどん溶けているのでここを通すとすごく短く行けるという話があって、民間ではその話で非常に賑わっているようですが、どうもプーチンさんの話を聞いていると、それもあるけれど、それより北極海が開くことによって軍自的に弱点になるという考えを持っていて、それを強化しないといけない。もし北極航路ができた場合に、アジアから北極をつなぐシーレーンができますが、シーレーンは日本近海のどこを通るのかということになると、択捉島とウルップ島の間を通って行く可能性が高いですね。そうすると、これまでの北方領土についてとは全然違う状況が入っているわけで、ロシア側にとっては、それに対して何らかの対策をとらなければならないと軍部あたりは言っているのかもしれないし、外務省もそのような考えをもっているのだと思います」

北極海航路と北方領土
反町キャスター
「軍事的な強化の必要性を指摘されましたが、北極海航路をロシアは嫌がっているのですか?」
石郷岡氏
「ロシアは北極、シベリアの開発を進めたいと思っています。だから、中国や日本がそれに参加していることは望んでいると。その一方、この地域の航路が自由になることによって、要するに、ロシアの北方地域の安全保障がどうなるのかという問題がある。それでロシアでは北極管区をつくったり、司令部をつくったり、特別な軍隊を配備させるというように、どんどん進めているわけですが、第三者から見ると、あの広い地域に派遣してもあまり意味がないのではないかという気がしてしまいますが、そのことに対しては非常に熱心になっていますよね」
反町キャスター
「それは軍事費の負担を嫌がっているわけではない?」
石郷岡氏
「嫌がっているけれども、一生懸命やっていますね」
反町キャスター
「民間の船が入ってくるようになれば、経済的な効果も考えられるのでは?」
石郷岡氏
「民間の船が入ってくれば、軍艦も入ってきますよね。それをどうするのかという話です。軍艦と言うのは、たとえば、アメリカの…。その話に関して言えば、公海ではないかという話があるわけです。ロシアは特別な地域と言っているわけで、そのへんでいろいろなことが起きる可能性はありますよね。もう1つは、この先にエネルギー資源がどんどん出るということもあると思います」
反町キャスター
「北極海航路にいろいろな国の船が来ることに対してイエスなのですか、ノーなのですか?」
石郷岡氏
「イエスだけど、怖いというようなことはあると思います。ロシアで話されているのはこの航路はすごく良いという話だけれど、プーチンさんはその話よりも安全保障はどうするべきかという話を多くしているような気がします」
袴田教授
「基本的に経済的な意味でロシアは北極航路を推進していますが、当然ですが、安全保障の面で脆弱性が問われるので、それへの対応も必要になってくる。私もいろいろな場で言っていますが、新たにシーレーンという意味で、これまであまりその問題が表面に出てきませんでしたが、シーレーンの安全性の確保、また、補給地、そういう意味で、北方領土が特別な意味を持ってきたという側面もあります。そういう意味で、北方領土により執着することも出てきたでしょう」

北方領土の今後 実効支配強めるロシア
反町キャスター
「ロシアは北方領土をどういうふうにして、日本とどういう話をしたいのか、そのへんの感覚は?」
秋葉議員
「まずは少なくとも安倍総理とプーチン大統領との間では帰属問題を解決するんだという認識でこれまでの会談で一致しています。10回以上会談を行っています。その中で、私はこのクリル発展計画というのは決して北方領土を狙い撃ちしたものではなく、極東地域全体、と言うのも20年前にこのエリアに800万人のロシア人が住んでいたんです。現在は600万人、たった20年間で200万人も人口が減ってきている。非常に印象的だったのが現在でも北方4島に行く公務員には、モスクワに住むような公務員の2倍の給料を出しているのだそうです、手当てを含めて。それくらい移住策に熱心なのは間違いないですが、今回の大事なポイントは北方領土単独を狙い撃ちしたものではないんだということ。極東地域全体で1250億円だという投資の計画ですから…」
反町キャスター
「この規模、10年ですよね。年間だと125億円ですよね」
秋葉議員
「宮崎県の公共事業全体で1兆円ですから」
袴田教授
「人口が2万人足らずですから、ロシアの他の地域と比べると格別な扱いですよね」
反町キャスター
「すごく力を入れていると見た方がいい?」
袴田教授
「これまでもクリル発展計画はありましたけれど、この半分以下でしたから。しかも、ほとんど実行されていないという状況ですから。今回これがどれだけ実行されるかはわかりませんが、人口1人当たりにしますと、他のロシアの地域と比べると破格にはなっています。ただ、額そのものは日本の物差しで言えば、大した額ではないと、確かに言えますが…」
石郷岡氏
「あの島が発展することはほぼないのではないかと思います。ぶちこんでいる額の半分は軍事的な意味があると私は思います。ここで漁業と水産加工と観光と金を盛り立てるということですが、いずれも日本の協力がないとダメだと思います。日本は協力をするつもりがまったくないから、1万人くらいの人がいて、そこに観光の人がたくさん来るということは、絵に描いた餅ではないですかね」
反町キャスター
「北方領土については、日本は積極的に関与した方がいいのか?」
秋葉議員
「精力的に関与し続けるしかないと思います。何もしなければ何も生まれないわけですから」
袴田教授
「ただ、その問題はロシアがこれまで共同開発ということを常に提案し続けています。共同開発というのはロシアの法律、主権のもとで取り組むということですから、共同開発に乗るということはロシアの主権を認めるということですから、日本政府はこれまで断固として共同開発は認めてきませんでした。その意味で、簡単にはできないということです」

強まる中露関係の裏と表
秋元キャスター
「ここからは、プーチン大統領の外交戦略を読み解き、日本はどう対応していけばいいのか考えていきたいと思います。まずウクライナ問題以来、ロシアは欧米諸国や日本から制裁を受けていて外交的に孤立していると見られているのですが、しかし、そんな中で中国との関係は強まっているようです。最近の中露関係を見ていきたいと思うのですが、今年の4月に、ロシアは中国が主導するアジアインフラ投資銀行、AIIBの創設メンバーになりました。また、5月に行われた旧ソ連の対ドイツ戦勝70周年記念パレードに習近平国家主席が出席し、中国の人民解放軍も初参加しました。そのあとも中露海軍の合同軍事演習が地中海、日本海で行われています。明日、北京で行われる抗日戦争勝利70年記念式典にプーチン大統領が出席するという流れですけれども、こういった内容を見てみますと中国とロシアは現在、蜜月関係にあるのではないかと考えられるのですが、今後、袴田さんはこうした関係さらに進んでいくと見ていますか?」
袴田教授
「確かに、公式的には、中露関係は1番良いという言い方はよくされますので、特にロシアがウクライナ問題で欧米と対立していると、あるいは孤立しているという状況で、経済的にもヨーロッパとの関係も非常に良かったのですが、現在、ヨーロッパがいろいろな形でロシアに対して経済的にも、政治的にも、牽制球をいろいろ投げているという状況ですから、そういう中でロシアとしては政治的にも、また、経済的にも中国との関係を強化せざるを得ないという、そういう状況になります。ただ、ロシアの国内には、もうNATO(北大西洋条約機構)やアメリカはさほど恐ろしくないと。今後、経済的にも、軍事的にも急成長している中国の方がロシアにとって脅威になるという見解も、同時にあるんです。あるいは歴史的な問題をもし振り返ると現在の極東地域に大部分は150万平方キロメートル。これは帝政ロシアが北京条約等で、1860年ですけれども、略奪した、あるいは確保をした。そういう土地だという、そういう見方もあるわけで、中国との国境問題解決を急いだのも、中国に対する脅威というのがあったからこそ急いだ。仲良くしたいからというよりもそういう側面もあります。その意味では、中露関係は、それから、中国が陸のシルクロードというのを発表した時も当初のロシアの反応は、これはロシアのユーラシア経済同盟に対する、1つの中央アジアを巡る、中国側と言いますか、挑戦だ、あるいはシベリア鉄道潰しだとか、そういう議論がいろいろ出たんですけれども、しかし、いかんせん経済力では圧倒的に中国の方が勝っていますから。そのあと、ロシアもウクライナ問題が影響して、方針を変えまして、ロシアが中心となって進めているユーラシア経済同盟と、陸のシルクロード、シルクロード経済ベルトという構想はお互いに補いあうそういう関係構築は可能だという姿勢に現在、妥協の姿勢に移っていますけれど、もともとはそういう警戒心は強くありました」
反町キャスター
「警戒をしながらも、でかい国だし、ロシアから見た中国ですが、成長するから仲良くしなくてはいけないという、そんな距離感で見ている理解になりますか?」
袴田教授
「ええ、それから、先ほど言いましたように、ヨーロッパの中で、いろいろな経済制裁などでその代わりをどこに求めるのかと。当然、中国などが最大のそういう代替の国にもあり得るわけで、いろいろな側面があると思います」
石郷岡氏
「私は、キツネとタヌキの化かしあいだと思うんですけれども、お互いにどの記念撮影を見ても、お互いにっこりとして握手をしているのですが、下の方で蹴りあっているみたいな感じを、私は思っています。しかし、制裁の話が出ましたけれど、それ以前に先ほどおっしゃった人口の問題があって、プーチンさんとしては極東地域が発展しないとロシアがおかしくなるという意識が非常に強いと。プーチンさんが大統領になった2000年の時に、最初に行ったのは中国、それから、北朝鮮に行って、沖縄のサミットに行ったという順番ですけれど、その中間にブラムエンシュクという町に行って、それはアムール川の対岸ですけれども、そこでロシア側から中国側の方、国境警備隊と見たんですけれど、たぶん中国のすごく発展した姿を見たはずです。そのあとに皆を集めて、プーチン大統領が言ったのは、このまま放って置くと、この地域は日本語と朝鮮語と中国語を話す地域になると言ったわけです。日本語は日本人は行かないし、韓国の人もあまり行かないから、言っていることは中国です。結局、そこにいる東北3省だけで1億人いますから、先ほど言った800万人から600万人に下がっているという人口圧に対する、これは何かしなくてはいけないという、国家を非常に重要視するプーチン大統領としては当然の反応であったと。それに加え、今度は西の方でヨーロッパとうまくいかなくなって、制裁騒ぎになって、結局、中国の経済発展のおこぼれをほしいということと、それから、それをしつつロシアの国家制が崩れないようにするという2つの目的でやっていて、中国はそれがちょっと前は非常にロシアに対して冷たい態度だったのですが、シルクロード計画が出てからガラッと変わって、その年は袴田さんが言ったように、非常に警戒したんだけれど、結局、それに乗るという形にこちらが動き出していると。それは毒まんじゅうを食うつもりになっていると」
反町キャスター
「どちらが毒まんじゅうで、どちらが食うのか、よくわからないのですが」
石郷岡氏
「毒まんじゅうは中国。中国が出したわけです」
反町キャスター
「プーチン氏は毒まんじゅうと知りながら食べるつもりになっている?」
石郷岡氏
「そうそう」
反町キャスター
「毒まんじゅうは食らいだすと、政治の世界ですが、食らうと、ずっと食らい続けないといけないものです…」
石郷岡氏
「そこは大丈夫だとプーチンさんは思っていると思います」
袴田教授
「プーチンさんが面白い表現をしているんです。中国のシルクロード計画に対しまして、中国の首脳、習近平氏が、ロシアの、ユーラシア経済同盟の利害にも配慮してくださっていることに感謝したいと。これは明らかに牽制の言葉です」
反町キャスター
「配慮しているのですか?」
袴田教授
「だから、配慮しなさいと」
反町キャスター
「AIIBとシルクロード構想に、ロシアに対する配慮って?」
袴田教授
「それは、中国は経済的に圧倒的に強いから、ロシアはある意味では、経済面では問題ないという認識もありますけれど、それに対して、ロシアの方がそういう配慮をされていることに感謝をするということは、これは牽制の言葉で、相手にしろという意味です」
秋葉議員
「ロシアは完全に世界の中で孤立しています。ですから、結果としてロシアが頼る国は中国しかないわけですよね。現にウクライナ問題が起こって以降、EU、G7の国からロシアに対してかつて(投資が)700億ドルあったところが7割減の200億ドルまで落ち込んだんですね。その間、逆に中国は2倍投資額が増えていると。ロシアが国境問題、ウクライナ問題に固執し続けるほど、国内の経済状況は大変厳しい環境になっていくのではないか」

対露外交はどうあるべきか
秋葉議員
「日本としては昨年、約束したように、何としても年内のプーチン氏の訪日を実現して、粘り強く帰属問題を…。戦後70年経っても平和条約が締結されていない。総理の言葉で言えば、アブノーマル、異常ですよね。これをしっかり打開していくのが、プーチン、安倍の間で1番可能性が高いと思うし、そのためにも日本は粘り強く交渉していくべきだと」
石郷岡氏
「対露交渉で領土問題ということになると、解決の見通しはないと思うんですよ。結局、日本側にはロシアとどういう付きあいをするかという戦略がないと思うんですね。全て北方領土に(話が)いってしまうとロシア側はどうしようもない。なぜかと言うと、ロシアの人は北方4島をロシアが獲ったことに対して、何ら罪悪感を持っていない。もし還すとなったら、何らかの利益をもらわなければ意味がないと。日本側からすると、固有の領土なのに何でそんなことをしなければいけないのかという話になるわけですね。このままでいくと解決する余地はほとんどないという感じがありますけれど、中国というものが出てきていることによってロシアは非常に困っていると状況にあると。日本もそうです。それに対して日露が提携するという形で、ある種の気分を高めていって、領土問題も解決しましょうという話にいくことはあり得ると思いますね。そのために日本は2国間関係ではなくて、他国間関係の協議をつくり、利用していくべきだと思います」

ジャーナリスト 石郷岡建氏の提言:『21世紀はアジアの時代』
石郷岡氏
「結局、現在起きているような問題はアジアが非常に変わっているということで、今後20から30年、50年にいろんなことが起きると。それに対して関係国、ロシア、中国、韓国、アメリカも含めて、いろいろと動くので、日本は速やかに長期戦略をつくるべきだと」

袴田茂樹 新潟県立大学政策研究センター教授の提言:『幻想を捨て 醒めた目で』
袴田教授
「北方領土問題もこちらががんばれば、あるいは良い関係を構築すれば、近いうち、ここ何年間で解決するのだというのは、私自身は幻想だと思っています。クールな目で、醒めた目で、大きな視点から良好な関係を構築しながら、言うべきことはきちんと言う、批判すべきことはきちんと批判する、それを私は提言します」

秋葉賢也 自由民主党外交部会長の提言:『精力的な交渉で 安倍・プーチンの間に解決を』
秋葉議員
「幻想を捨ててと言いますけれども、戦後70年経って帰属問題、平和条約が締結されていないというのは異常なことですから、安倍・プーチンの間で。安倍総理もこの9月に再任されれば、2018年までの任期になるわけですね。プーチン大統領の3期目の任期も2018年までです。もちろん、再選されれば、さらに6年ということになるわけですが、2人はケミストリーがあっていると、私もそう思うんですね。安倍総理とプーチン大統領、あるいはオーストラリアのアボット氏、トルコのエルドアン氏は、すごくケミストリーがあって、個人的な信頼関係には非常にいいものがあると思うんです。領土問題というのは、首脳会談でなければ、前進しないと思っていますので、是非この2人の首脳の間に、前進させていかないと、北方4島にお住まいだった元島民の皆さんも現在、平均年齢が80歳になっているんです。7500人という人口もどんどん減少してきています。1日もはやく帰属問題を解決して、平和条約を結んでいくには、この2人のリーダーの間で何としても解決していかなくてはいけない。そんな想いが強いですね」