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2015年8月28日(金)
中国ブラックマンデー 株価ショック真相検証

ゲスト

柯隆
富士通総研主席研究員
葉千栄
東海大学教授
大山泰
フジテレビ解説委員

中国ショックの実像 マーケットはどう見たか
松村キャスター
「主要国のマーケットの動きですが、かなり落ち着きを取り戻しているように見えますが、日経平均株価は1万9000円台を回復しました。ダウ平均なども戻っているようにも思えます。柯さんはこの1週間をどう見ていましたか?」
柯氏
「このグラフの問題は終値を示しているものですけれど、1日の中のボラティリティが大きい」
大山解説委員
「変化幅ですね」
柯氏
「そうですね。変動率がすごく大きいので、それがどういうことかというと、すなわちマーケットが疑心暗鬼なので、今日のタイトルは中国が震源地だということは、私はそれを否定できないですけれども、ただし、もっと大きな背景が後ろにあるのですが、と言うのは、すなわち主要国、中国も含めて、行き過ぎた金融緩和、ゼロ金利と量的緩和をやり過ぎていて、そろそろエグジットポリシー、出口政策を打たなければいけないと。だから、全ての投資家はそこでいつ利上げされるかという不安を抱えながらやるわけです。投資をするわけですけれども、それと重なるような形で、6月にギリシャ危機が、債務危機があって、ストンとこれで下げたわけですけれども、その後、中国の問題が出てきているわけですから、中国の株価も大きく下げて、人民元の利下げもそれに拍車をかける形で、中国の実態経済は政府が出している数字よりももっと悪いではないかということで、世界全ての個人投資家も、ファンドも、大口の投資家も、機関投資家の、非常に警戒しながら投資をした。結論で言うと、個人的な見方としてはこれまでの急落したその反動としては戻っているんですけれども、ジャクソンホールのシンポジウムでどういうメッセージが出てくるかにもよるのですが、これからたぶん今年の後半にかけて、すごくボラティリティが大きくなると思いますね」
大山解説委員
「アメリカの利上げと、中国の今回の動きと2つが輻輳してしまった動きだということですよね」
柯氏
「そうです。重なって…」
大山解説委員
「金融緩和から、どうなるかということも含める?」
松村キャスター
「世界同時株安は一過性のものではない?」
柯氏
「いや、実態経済は良くなっていないわけですから、少なくとも中国の実態経済が良くなっていないし、アメリカも実態経済が良くなっていると言われているほど実は良くなっていないですね」
松村キャスター
「葉さんは、この1週間をマーケットの動きはどう見てになりますか?」
葉教授
「私は、まず柯さんと同じように、まず大きな背景としては、ここ1年間、世界主要国の金融当局がジャブジャブと流動性を高めて、お金をマーケットに出したんですね。それは一見、効果があるように見えたんです。株価が皆、軒並み上がったんです。だけど、それぞれの実態経済はそれほど良くなっていない。従ってどこかのある国のきっかけ1つで下落することもあるはずです。そこで、中国はこの頃、2回、このようなきっかけを提供しました。前回の話は既に皆さんご存知ですけれども、今回1番具体的なきっかけは先週、中国政府が発表した企業製造指数ですね。これは6か月連続の50%以下で、しかも、今回、初めて6年半ぶりの1番悪い数字です。明らかに、実態経済が相当減速しているんです。それに対して多くの中国の市場関係者は、週末は利下げを打つだろうという観測があったんです。しかし、それがなくて、逆に、国が運営している公的年金を約30%、株式市場に投資できるよという発表が出たんです。おそらく政府の考えは、この話1発で、この不安を止めることができるのではないかと。しかし、まったく効果がなかった。暴落が起きた。そうした中で、日曜日、追加的金融緩和の措置を発表して、現在、反騰しました」

上海市場の影響力
松村キャスター
「落ち着くまでにどれぐらい時間がかかりそうですか?これで収束していくのでしょうか?」
葉教授
「実態経済ではなく、株価という話であるなら、重要なのは、上海株という現在の水準は適正水準であるかどうか。ここ1年間の、上海株の総合指数、つい6月まで5000ポイントまで上がったんです。これは上場している企業の業績と比較すると、いわゆるPERという株価収益率の話がありますね。だいたいどこの国でも10倍とか、15倍ならいいだろうと。その時、実際、上海総合指数もPERは、主要銘柄はだいたい20倍を超えています。金融銘柄を除いてみると40倍ぐらいです。従って、落ちてくるのが当然です。現在、3000ポイントあたりになって、ようやくPREは15倍ぐらいですね。だから、ほどほど良いところまできています。まだ、下がるかもしれません」

株式バブルは弾けたのか?
松村キャスター
「世界同時株安の震源となった中国株の急落ですが、いわゆるバブルが弾けたのかどうかということについて聞いていきたいと思います。この中国株の動きを見るうえで基準となるのは上海総合指数と香港ハンセン指数というものです。6月以降、2つの指数はシンクロして、このように急落しているのですが、大山さん、そもそもこの2つの指数はどういう性格のものなのでしょうか?」
大山解説委員
「このあとに示すグラフ、上海はもともと中国人の方の投資家が多くて、個人投資家もすごく多いところですよね。香港はもともと外国からの投資のゲートウェイみたいな、香港特別区で特別な経済体制をずっと敷いていましたから、ずっと。そういうことで、別制御していた面もあったんですね。昨年11月ぐらいに両方の株をお互いに乗り入れて買えるようなシステムになってからは、シンクロするようになったというところがあります。これの次を見ると長期で見られますから、そこで見てみるとこういう感じです」
松村キャスター
「これはその2つの指数をもっと長い期間で見ているものなのですが、この左側の線の山が大きく下がっているところは2008年のリーマンショックの時です。右側の線が今回の世界同時株安の時ということなのですが、上海と香港の指数は平時は違うような動きをしているように見えるのですが、危機の時は、このようにシンクロしているというわけですよね?」
大山解説委員
「我々、日本人が考えるバブル経済というイメージが、特に今年に入ってからの上海は異常な上がり方をして、下げたという。香港も結局はそれにつられちゃっていて、香港も含めた中国相対の経済自体がバブルかどうかというところはどう見たらいいのですか?」
葉教授
「この1年間の株価は、少なくとも今年6月までは、明らかに適性水準を超えたバブルの値段です。先ほど話をしたPERの倍率の話もありましたが20倍、30倍になったら業績から大きく乖離してしまって、当然、バブルですね。一方で、中国経済の実態経済はあのようにバブルみたいに上がっている状況はまったく出なかったんです。むしろどんどん萎んでしまうんです。この上海総合指数はハンセン指数と一致したところもありますけれども、しかし、あくまでも人民元だけの株式市場だから、ドメスティックなものですよ。これは1990年で既にできまして、あまり日本で話題にならなかった。2005年から2007年10月で上海総合指数は4倍になったんですよ。その時、一部の日本の証券会社は、いちはやくこれを取り始めたんですよ。上海株ファンドとか。その後、リーマンショックで70%ぐらい下落して、中国政府が4兆元のテコ入れをしたら、今度はまたガーッと上がって。ただし、その間、全体を見ると、上海株指数は、基本的に世界の主要国の指数と連動していないのが特徴です。それほど連動していないです」
大山解説委員
「先ほど、PMIの話が出たので、ちょっと図だけで視覚的にちょっと見てみようと思います」
村松キャスター
「中国の製造業購買担当者の景気指数というものですね」
大山解説委員
「今回の暴落の原因になった1つの要素としてここが下がった、これだけグッと下がったのが発表されたことが原因と言われています。要は、先ほどから、中国の金融、株式市場と実態経済の違うというところで、こちらはどちらかというと実態経済的だとは思うんですけれども、それもまたどう見たらいいのかというところも、何かすごく気になるんです。いかがですか?」
柯氏
「もともとPMIというのは、すなわち購買担当者に対するある種のアンケート調査みたいなものでして、アンケート調査ですから、非常にバイアスがかかりやすいというのを我々は気をつけなければいけない。それから、もう1つ、この統計の問題というのは、中国国家統計局と言って、中央政府が集計した統計です。だから、高く出ているんですね」
松村キャスター
「50というのは良いという数字ですか?」
柯氏
「この値が50というのが最もニュートラルで、良くもない、悪くもない、まあまあリーズナブルな水準ですけれども、それを下まわると、購買担当者達が非常に悲観的に、ネガティブに見ているという意味なのですが、それで7月までは、イギリスの銀行、香港に本部を置いているHSBCが集計して出しているんですけれども、HSBCはこれをやめたという宣言をしたんです。それを引き継いだのが中国国内のある経済専門誌のジャーナル、財新というジャーナルが、その代わりにスポンサーになって集計しているんですけれども、だから、厳密に言うと、彼らが取っているサンプルが違うわけですから、あまり比較するのも適切ではない部分があって、私が個人的に見ているのは、トレンドを皆さんはたぶんご覧になった方がいいと思いますね。下落しているのは間違いないということですね」
葉教授
「このPMIがどんどん下がっていくのはある意味では当然です。また、ある意味ではもちろん、高い方がいいけれど。ただ、中国経済はモデルチェンジをしなければならない時期にきています。従来の重厚長大の工業に依存する経済モデル、さらに、ケインズ主義的な全国至るところにスーパーインフラをやる、道路をつくる、空港をつくる、ダムをつくるという時代はもう終わりつつある。そのために1日もはやく重厚長大の工業からサービス業に移らなければならないですね。そういう意味で、どんどん少しずつ製造指数が低下していくと、同時に、俯瞰的に見なければならないのは、サービス業のデータです。今年上半期はサービス業が8.4%伸びまして、GDPの49.5%まで占めるようになりました。これは良い傾向ですね。先月7月の、中国の小売高もプラス10.5%ですね。こういう両方の数字を同時に見なければならないですね」

実態経済の真実とは
松村キャスター
「ここからは中国経済に現在、何が起きているのかを検証していきます。まずは先月発表された中国の国内総生産、GDPなど、中国の実態経済を表すデータから」
大山解説委員
「中国のGDP、国内総生産の成長率ですけれども、今年の1-3月期も7%だったという発表があって、4-6月もまったく同じ7%だったという発表が、これは政府の方からありました。横ばい、前年比で横ばいですけれど、意地悪な見方をすると、本当にずっと同じ7%なの?という、しょうもない見方もありますけれど、いや、でも、ずっと横ばいで落ち込んではいないんだなというのが政府の発表ですね。ですから、減速、減速と言っても、中国政府が公式に発表しているものは落ち込んでいないなというふうに数字は見えるんです。もう1つ、お二人はいろいろ詳しいので、我々がよく使うというか、中国の真相は、我々にはなかなかわからないから、そういう中で、李克強指数というのがあるらしいと。李克強指数というのは、李克強首相が経済に関心があって、経済政策に注力していると言われているから、僕らも注目しちゃうんですけれども、それは、いわゆる景気を見る指標として、電力の消費量と中長期の銀行融資の残高と、それと鉄道貨物の輸送量を指数化して、掛けあわせたものと言われているのが李克強指数」
松村キャスター
「それを重視している?」
大山解説委員
「はい。2013年ぐらいが李克強指数のピークで、そのあと、ずっと落ちていって、同じ統計のスケールではないですから、趨勢として、トレンドとしてしか見ないのですが、成長率は7%成長がずっと続いているのに、いわゆる経済成長の実態を見る方が大事だと、李克強さんが思っていると言われる、その指数はどうも落っこちているというところがあるんですね。ですから、ここが先ほどからずっと言っている実態経済の真相はいったいどうなのかというところで、聞いていきたいなという感じです」
松村キャスター
「グラフにも表れていますが、いかがでしょうか?」
柯氏
「アメリカの研究グループ、中国経済学会というのがありまして、彼らが見ている現在の中国経済の、実際の実力で言えば、5%程度だろうなという、成長率。実質で。だから、我々も中国経済の方程式で計算をしてでも、それしかないわけです。だけれど、なぜ7%なのかと言うと、李克強首相にとって、3年目ですけれども、もしも目標を大きく下まわってしまうと首相としての政策責任というのがおそらく問われる可能性が出てくるわけですから、どうしても、こういうふうに7%と強引に発表をする。だけど、僕が思うには統計局長がちょっと下手過ぎる。私は水増ししても6.9%にする」
松村キャスター
「でも、グラフを見ると李克強指数は確実に下がってきているわけですけれども、葉さん、この数値をどのように見ますか?」
葉教授
「私も7%は高いなと感じます。ただし、1つは、先ほど申しましたように、1つはモデルチェンジをする時期に現在、政府は来てきます。従って、脱重厚長大。脱製造業依存ということが始まっている以上、鉄道、あるいは発電量だけを見るのはいかがなものか。サービス業はかなり伸びているので、そうすると発電量と鉄道だけでは測れない実態もあります。しかし、中国政府、特に中国の政府メディア、政治に関して、イデオロギーに関して日頃から嘘が多いものですから、ですから、皆さんがそう思うのはしょうがないです。ただ、日本では敢えて言いますと、隣の中国の巨大さに対し、このような嘘だろうと軽く言ってしまうと気持ちがいいんですよ。そういう傾向があります。だけど、相手に勝つには実態を知ることは大事です」
大山解説委員
「でも、そういうふうに聞くと、いわゆる経済統計上の、実質と名目の、きちんと整理ができていないものを見るとか、葉さんが話したように場合によっては嘘もあるみたいなことまではっきり言われちゃうと、何を信じていいかわからないような気にもなってしまいますよね」
柯氏
「我々を信じればいい」
松村キャスター
「GDPというのも、先ほど嘘もあるかもしれないと言いましたけれども、政府の操作というのもあるかもしれないということですか?」
葉教授
「私は現在の中央統計局の方が、むしろ各地方から上がったGDP比を、水増し、どのぐらいあるのかをカットする方です。中央レベルで、さらに大きくすることではなく、李克強氏の考えもあります。よく日本では地方の合計数字と、中央の発表する数字の差異、このぐらいの違いが出てくる。この違いが出てくることがいいことです。同じなら、それこそおそろしいです」
松村キャスター
「一昨年と昨年の主な経済指標のデータなのですが、GDP以外にも鉱工業生産や個人消費、消費者物価などこのように軒並みダウンをしているんですよね。これはデータにも表れていますが、柯さん、中国の成長はこれを見ると失速しているものと見ていいのでしょうか?」
柯氏
「失速と言うのか、先ほど来、ずっとおっしゃっているモデルチェンジという話がありましたが、これをご覧になっていただいて、モデルチェンジができていないですよ。たとえば、エンジンとして何が強いかというと、固定資産投資と言ってインフラ設備投資ですね。まだ、大きなウェイトを占めているけれども、ただ、下がっていると。もう1つは不動産。不動産は下がっているけれども、まだ10%伸びていて、本来は個人消費、個人部門の消費がもっと伸びなければいけないけれども、伸びていないというのが大きな問題ですよ。今年に入ってから、個人消費の伸び率はもっと下がっているんですよ。ですから、失速と言うか、大きく逆回転していて、全ての経済が逆回転しているものですから、なかなかリバウンドするというのが難しいと思います」
大山解説委員
「そうすると、要素で分解してみても、全体的にはちょっと下がり気味であるというのは絶対に間違いないという」
柯氏
「下がり気味というのか、下がっている、大きく下がっている、落ち込んでいる。たとえば、不動産開発投資というのは、20%伸びたのが10%の伸びに落ちているわけですから。この不動産投資が落ち込むとどこに影響が出るかというと素材産業ですね。鉄鋼、アルミ、板ガラス、セメント、自動車について言うと、あれも落ち込んでいて、そうすると、同じように鉄鋼、ガラス、アルミなどの素材産業に響くわけですから、だから、完成品、主要産業が過剰設備を抱えてしまうと、川上の素材産業も大きな過剰設備を抱えてしまう。それで、最終的には不良債権になります。だけど、そうすると、25年前、日本で起きたバブルの崩壊になりますよね。すなわち金融危機になるわけです。だけれど、金融危機、中国はなぜならないのか。まだ、本格的な金融危機、1度もないですよね。問題あるというのはずっと指摘されているんですけれども、これはどういう問題があるかというと、皆さん、たぶんお気づきではないんですけれど、本来ならば、預金金利と貸出金利の2本のグラフは、折れ線グラフを重ねた方がわかりやすいんですけれども、重ねていないので計算してみていただいて、直近で利下げをしたんですけれども、貸出金利4.6%です。預金金利は1.75%。利ザヤは何パーセント。2.95%、さっくり言うと3%ポイントですね。300ベーシスポイント。こんな利ザヤが実現できる国、他にないですよね。そうすると、これはどういう意味かというと、先ほど来…」
大山解説委員
「世界中、ゼロ金利みたいなものだから」
柯氏
「そうだし、それから、もう1つ、先ほど、金利の自由化、十分に進んでいないとおっしゃる。それは正しいことです。と言うのは、本来は金融機関、特に国有銀行のバランスシートに不良債権は抱えているわけですね。そうすると、経済危機、金融危機になるわけです。でも、危機にならない1つのからくりがここにあります。と言うのは、銀行が放っておいても、預金を集め、貸すだけで3ポイント利ザヤが出てきて、その一部が1.5ポイントぐらいは人件費だとか、間接費、銀行経営に使われるわけですけれども、残りは不良債権の引き当てに使うわけですから。だから、預金者はこの金利体系の歪んだ実態をわかっていないから、怒りようながないです。これをわかっていたら、怒るよ。3ポイントだから」
大山解説委員
「せっせ、せっせと自分達が預金している預金から不良債権の引き当てを、どんどん大国家的なシステムレベルみたいな、大きいもので行われていると認識していいのですか?」
柯氏
「だから、リスクは、クライシスになるかどうかの分かれ目と言いますか、どこにあるかと言うと、迅速に誰がそのコストを払うか、払わないか。日本は払わなかったので。民主主義というのはとても面倒くさいシステムですから、責任を追及する、透明性云々という、こんなトランスぺアレンシーは要らないから、出てきた不良債権を迅速に引き当てていければ、クライシスにならなくて済むわけです、この体系。だけど、この金利体系を皆、預金者がわかっていたら、たぶん安定しないと思いますね」

どうなる経済失速
大山解説委員
「中国の金融のあり方ですが、国際会議、G20がありますね。中国が世界で大きな経済を持つ国の責任として、秋の外交の場でどうやって首脳が対応していくか」
柯氏
「中国ですから、私から見ると特異なところがありまして、外交というのは何かと言うと、実態というよりはパフォーマンスですね。問題はイエレンFRB議長がいつ利上げを実施すると言うのかですが、おそらく9月は難しいだろうと。12月は可能性として出てくる。今回の株価対策をみると、何が問題かと言うと社会主義国の指導者がマーケットの本来の特性を十分にわかっていないこと。何がわからないかと言うと市場経済を運営する時に、重要なポイントはポリシーメーカー、政策当局担当者が、中国の場合は李克強首相が絶えずマーケットと対話をしなければいけない。だけど、今回の一連の動きを見ているとまったくダイアログになっていないわけです。唐突にやっちゃう。中国の指導者はなぜ特性を十分に理解できていないかというと、選挙のない国は記者会見をやりたがらない。記者会見をして上手に言葉を操作しながら、メッセージを送るのが重要なポイントだけど、これだけ大きな問題が起きていますが、記者会見を1度もやっていませんね。そうすると、大きなショックをマーケットに与えるわけです。唐突にやるとかね」

構造改革と安定成長
松村キャスター
「中国は構造改革ができると思いますか?」
葉教授
「政治的妨害が1番の問題だと。大手企業の利権とか、抵抗勢力、それはどこの国にもあるけれども、重要なのは最高指導部、意思決定システムにおいて経済を優先に考える。古い社会主義とか、共産党政権を維持させることを優先させてしまうと、なかなか難しいですよ」

柯隆 富士通総研主席研究員の提言:『国際協調』
柯氏
「グローバルの金融危機です。ですから、国際協調をやらないと、ボラティリティが大きくなる。国際協調というのは、重要なのが1つはリーダーシップ。アメリカはまだ世界で1番ですから、オバマ政権はもっとリーダーシップをとらなければいけない。協調ですから、情報を共有すると、主要国が話しあう場が必要ですけれども、日米中欧、皆が定期的に首脳会談、あるいは財務相会談をやるべきですけれど。その中で敢えて指摘したいのは、今回の2か月で、株は暴落する、人民元が下がると。なぜ麻生副総裁は中国に電話をしないのか。もちろん、中国が電話をするべきかもしれません。日中が感情的になっていて、対話をしていないですよね。アメリカが、1週間前にルー財務長官が(中国の)汪洋副首相に電話をしたんですよ。電話をしていて中国に対する1つのメッセージを送るのは重要ですね。同時に、マーケットにも重要なメッセージを送るわけですから。日中が何もメッセージを送っていない。非常に残念です。私は電話会談をすべきだと思いますね」

葉千栄 東海大学教授の提言:『経済発展パターンの転換』
葉教授
「工業からサービス業、輸出から内需へ。このようなモデルチェンジが必要です。そのための政治的決断、金融支援、脱政治、脱イデオロギー、そこがまだできていません。また、国際協調も非常に重要です。時々世界の風が読めないような動き、やり方が出ています。損をしています。どこかの遠く離れたところの小さい珊瑚礁のために大きな損をする、それをわかってもらいたい」