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2015年8月26日(水)
米大統領選を読み解く トランプ放言人気の裏

ゲスト

牧原秀樹
自由民主党副幹事長 衆議院議員
古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員
中山俊宏
慶応義塾大学教授
風間晋
フジテレビ外信部編集委員

米大統領選挙を読み解く 注目ポイントと意義
秋元キャスター
「まずアメリカの大統領選挙の日程、それから、注目ポイントについて確認をしておきたいと思うのですが、風間さん、お願いします」
風間氏
「最初に日程からですけれども、現在、2015年夏。もう候補者は出揃っていて、既に候補者の振るい分け、あるいは見極めというプロセスが実際に始まっています。正式には、来年の暫定的に2月1日ですけれども、アイオワ州から両党の予備選挙、党員集会というものが行われて、来年7月に両党の全国大会が開かれて、そこで正式に正副大統領の候補者というのが決まります。秋に候補者の討論会とかキャンペーンが繰り広げられて、11月8日火曜日に大統領選挙の投開票が行われます。2017年1月20日ですけれども、新しい大統領が就任すると。そういう日程で大統領選挙が進んでいきます」
秋元キャスター
「注目ポイントをお願いします」
風間氏
「注目ポイントに関しましてはここに出しました。まずオバマ大統領が現在、2期目ですね。それでアメリカの大統領は3選というのはないですから、今度選ばれる大統領はいずれせよ民主党であれ、共和党であれ、いずれにせよ、その新しい顔が選ばれることになります。そこで現在、オバマ大統領が、民主党、民主党で、民主党2期8年やるわけですね。その後に、もう1度、民主党がくるのか、あるいは共和党が政権を奪還するのか。これまでの例からすると、2期同じ政党が続くと、別の政党がくることの方が多いですね。そういう意味では、共和党ということですけれども、でも、もしかしたら、そうではない、第3の可能性があるかもしれないというのが現在、ちょっと話題になっていると」
秋元キャスター
「2大政党のアメリカの中で、第3の勢力というのはどういうものを想定したらいいのでしょうか?」
風間氏
「インディペンデントと言いますけど、民主党でもない、共和党でもないところで大統領として立候補するやり方というのがあるんですね。ストレートに言ってしまえば、ドナルド・トランプさんが、共和党ではなくて、独立候補として出てくるかもしれないというのがこの前行われた共和党の候補者討論会で、トランプさん自身がその可能性を排除しなかったもので、ちょっとアメリカの政界やメディアは賑やかになっているという状況ですね。あともう1つだけ民主党が、ヒラリー・クリントン、前の国務長官。それから、共和党はブッシュ元フロリダ州知事という、クリントン、ブッシュというよく聞いたことのある名前の人が出ているものですから、この人達、どちらかがくるのかなというところも注目のポイントです」
秋元キャスター
「中山さんはどこに注目されていますか?」
中山教授
「アメリカの大統領選挙というのは、こういう国になりたいというある種の自画像を、この候補者に投射するような、そういうプロセスなのだろうと思うんですけれども、共和党から17人も出ていて。これはある意味、アメリカ自身が混乱している、1つの象徴と捉えられるのではないかと思うんですね。国際政治の場面を見てもアメリカの力がまだ圧倒的ですけれども、相対的には衰退をしている。それから、自己イメージのレベルで、アメリカがどういう役割を今後、担っていくのかについてもいろんな考え方がある。国内的に見ても、いろんな大きな変化要因があって、不透明な部分がかつてよりも相当多いと思うんですよね。ですから、それがこういう17人、民主党の方が若干少なめですけれども、共和党から17人も出ているというのは、現象になっているのではないかなということで、アメリカ自身が必死になって、これからどういう国になりたいのかということを模索しているというところに、私は注目したいなと思いました」
秋元キャスター
「アメリカの大統領選挙は日本と比べると期間も長いですし、まだまだ、これからだいぶ変化していく要素があるということですよね」
中山教授
「相当、馬鹿らしいというか、レベルが低い部分での対立もあるんですけれど、それは1つ1つ乗り切っていく、長いプロセスで乗り切っていく。2週間ぐらいだったら、どうにかごまかして、選挙運動を繰り広げられると思うんですけれども、これは1年以上続くプロセスですから、国民もじっくり見ていくわけです。ですから、長い時間をかけて、世界で1番大きな国のリーダーを決めていくというプロセスは、それなりに馬鹿らしさもありますけれども、意味があるのかなという感じもしますね」

“暴言王”トランプ氏の人気
秋元キャスター
「アメリカ大統領選挙で、現在、どういう人が出馬を表明しているのか。まずはトランプ旋風が吹き荒れる共和党から見ていきたいと思います」
風間氏
「17人も画面に入らないものですから、主な人しか書いていないんですけれども、もともと共和党のレースは、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事。現役のウイスコンシン州知事のスコット・ウォーカーさん。この2人を軸にして選挙戦が展開されるのではないかと見られていたんですけれども、現在、話題になっている、ドナルド・トランプさんが、一気にグッと上がってきてしまったというのが現在の共和党の現状ですかね」
秋元キャスター
「古森さん、トランプ氏が支持を伸ばしている理由。どう見ていますか?」
古森氏
「現在、アメリカの閉塞感がある。オバマさんが大統領になって、自由に企業が競争をして利益を得てうまくいった人が勝っていくという自由競争というようなものはあまり良くないのでないか。平等の方が良いのではないかとか。それから、政府が国民の面倒を見るという、その典型がオバマケアと言われている医療改革ですよね。だから、非常に大きな政府が出てきて、ほとんど仕切っていくという方向に行っているということですよ。それから、対外的にアメリカの価値観、民主主義、自由、人権とかというものを、バッと照射して、それで、いろんなところに出て行って、自分達がリーダーシップをとる。これも一切そういうことをやらない方が良いんだとなっちゃって。それに対するアメリカらしさを担ってきた人達。白人の中年男性、国を動かしているという言い方はおかしいけれども、所得とか、産業とか、政治とか、いろんな活動を見るとまだ白人が主体でした。そういう人達の間で、鬱積した不満がこうあって、トランプ旋風というのは、反オバマ旋風というところが1つあるわけですよ。それから、現在何か言っても、どうせ大統領にはならないのだろうというところがあるのも1つです。それから、支持率は共和党の中だから、これまでの大統領選挙をいくつか見ていると、はやい時期の共和党の中での動きというのは、共和党の中でも穏健派、それから、超保守派までいろいろあるんだけれども、どうしても超保守の方が人気を博しているので、そちらの方へ支持が最初に行くわけです。振り子で、また戻ってくるようなところがあって。だから、現在1番、反オバマで、誰が1番過激なことを言っているのかというコンテストみたいなのが共和党の支持者層にあって、それをうまく利用していると」
中山教授
「既成の政治的な回路なり、政治的なアクターに対して、普通のアメリカ人がとにかく強い不信感を持っているという。その不信感を刺激するわけですね、トランプ氏は。とにかく言ってはいけないことをズバズバ言っていく。移民は嫌だということを明確に言ってしまうんですよね。そこに爽快感を感じているという。ある意味、アメリカは、非常に多様な社会で、外から移民を受け入れて、その過程でいろんな摩擦を体験しながら、力をつけていったわけですけれど、その摩擦が、ともすると、非常に排外主義的であった、差別主義的な方向にブレることがあるわけですよね。ある意味、そのブレの兆候みたいな感じ。ですから、アメリカの悪いところがトランプ氏に投射され、肥大化していっているというような現象なのではないのかなと。ですから、ちょっと嫌な感じはしますね。トランプ氏が勢いを増していることは」
牧原議員
「大統領選は、勝ち抜こうと思うと、これまで過激なことを言ってきた人も、少しマイルドになって幅広い支持を得ようとするんですね。なったあとにちょっと政策を変えたりすることも多々あるんですけれど、そういう意味で、今回のトランプさんみたいに思っていることをズバズバ本音で、正直に言うという人はたぶん初めてなわけで、私がワシントンにいた時も、当時ブッシュ氏とゴア氏がやった時、皆がブッシュを応援している町中の人に聞くと、あの人、正直、良い人そうじゃないのという人が多かったんですね。結構、正直である、本音を言う、信用がおけるというのは、ごく重要なファクターになるのではないか。それと、キャンペーンの言葉もありましたけれども、アメリカは世界的に、相対的に地位が低下している中で、もう1度強いアメリカを復活させようという愛国心を、非常に刺激するスローガン。これが大変上手。これはものすごく上手な前回のオバマさんのチェンジとか、YES WE CANにもしかすると匹敵するかもしれない、心にズバッとくるキャンペーンで、これが効いているのではないかなと思います」

米国社会の変化と日米関係
秋元キャスター
「トランプ氏は、メキシコからの不法移民やメキシコ政府を痛烈に批判しているということですね。風間さん、トランプ氏のメキシコ批判から、どのようなアメリカ社会の問題というのが見えてくるのでしょうか?」
風間氏
「何でなのかなと考えた場合、実は、アメリカの人口動態の変化というか、その予測というのが、1つの大きなヒントになるかもしれないと思って持ってきたんですけれど、実を言うと、ピューリサーチセンターの予測ですけれども、2050年までにアメリカの白人がマイノリティになってしまうと。つまり、白人以外のアジア系とか、ヒスパニックとか、黒人とかという人達の方が、アメリカの人口の半分以上になってしまうという予想があるんですよ。しかも、実を言うと、ヒスパニックやアジア、黒人という、この層が実は民主党にすごく親近感があり、共和党がなかなか票を取るのに苦労をしている、そのセクターですね。だから、ここの部分というのが意外とトランプさんがその考え、アメリカの白人層、特に、先ほど、古森さんもおっしゃいましたけれども、アメリカのコアな白人の人達がちょっとどうなるのかなと思っているのではないかと思われるような、大きなうねりというか、大きな変化というのをアメリカは何となく気にしているのではないかと思われるんですけれど」
秋元キャスター
「古森さんはいかがですか?」
古森氏
「よそから入ってきた人達。まだアメリカ国籍もとっていない。永住権もない。場合によって入ってくる資格もないという不法入国者。この存在というのがすごく大きいわけですね。家の掃除をしてもらうとかというと、どうしても違法かどうかもわからない外国の人。しかも、中南米から来た人、ヒスパニックと言われる人達になっちゃうわけ。そこは良いことかもしれないけれども、そういう人達が本来、アメリカのブルーカラーの、肉体的感じの労働の、そういう人達の仕事をどんどんとっていってしまうという。だから、労働組合が移民問題では非常に厳しい政策をとると。労働組合というのは一方で民主党を支援しているんですよね。だから、そこのところが複雑に絡みあっているんだけれども。だから、実際にアメリカ社会で違法、合法も含めての移民というのが問題になっている。
秋元キャスター
「ヒスパニックの割合からすると、かなり大票田、大きな票田だと思いますが、そこはもともと民主党がとるから、敢えて捨てて、白人層にということですか?」
古森氏
「そこは、共和党にとって、非常に大きな問題で、絶対捨ててはいないですよ。ただ、民主党がこれまでのやり方、もともと入ってくる人達が民主党の考えに惹かれて、ずっといっちゃうというよりも、民主党の方がうまく選挙のメカニズムがあって、うまく取り込んでいくという、もともと民主党というのはリベラリズムで、弱い人、恵まれない人、豊かではないという人の方を重視する。それをやり過ぎてしまうと、今度、普通の人達は何なのだと。自分達が税金を納めても全部、そういう人達に行ってしまう。そことの戦いあるんだけれども、共和党はどうもヒスパニックとか、新しく入ってきたアジア系とかをうまく取り込めない。だけど、たとえば、キューバから逃げて来た人達、マルコ・ルビオ氏という候補者。これはキューバ難民の息子ですよ。だから、ある部分は共和党にもいるんだけれども。だから、新しく来た人達、違法難民も含め、これはどうするのか。共和党がすごく気にして。何とか、こちらに少しとろうとしているところですね」
牧原議員
「私がアメリカにいる時に、2000年ぐらいの時だったんですけれども、現在はヒスパニックの人が多くなっていますけれども、黒人の方は長い間、アメリカで2番目の層で、ヒスパニックの方がどんどん増えているということで、黒人の方がヒスパニックの方をすごく敵視しているということが、その頃は言われていました。従って、白人の方が、アメリカをつくってきて、自分達こそが主役だと思っていたのが、マイノリティになるという恐怖は想像を絶するものがありますので、そういう不法な人が増えてくるということが白人の人達に突き刺さるのは間違いないと思います。それと、巧妙なのは、彼が言っているのは不法(移民)の人を、要は、防ぐのだと言っているんです。既存のヒスパニックの方で不法ではない人はおそらく不法の人が、これ以上入ってきて自分達のヒスパニックの築き上げた地位を壊さないでくれと。あるいはそういう人達がヒスパニックの人達に対する差別感を助長してしまうということは迷惑と思っている可能性があるんです。だから、不法難民は追い出せということが、既存のヒスパニックの方の票を失うかというと、必ずしもそうではない。そのへんがトランプさんの、私は、非常に巧妙なところかなと思って見ています」
中山教授
「ヒスパニックは、他のマイノリティと違って、カソリックが多くて、中絶に反対するとか、同性婚に対しては厳しい意見をとるんですよ。ですから、場合によっては、共和党の中の保守主義と共鳴する可能性があるわけですね。2000年の時のブッシュ氏の強みというのは、そこだったんですよ。ヒスパニックをとれる共和党の保守系の候補かもしれないという。トランプ氏はその構図を全部ぶっ壊しているので、頭を抱えているのではないですかね。共和党の選挙戦略家達は」

本命?ジェブ・ブッシュ氏
秋元キャスター
「風間さんはどう見ますか?」
風間氏
「いや、共和党の中で今回17人出ている中では、特に、ジェブ・ブッシュさんは奥さんがメキシコ人で、それで、ほぼ英語と同じぐらいのスペイン語でのコミュニケーション能力をジェブさんは持っていますから、そういう意味でヒスパニックに非常にアピールできる。しかも、見ていてジェブ・ブッシュさん、なかなかがんばっているなと思うのは、共和党の中で移民法改革はきちんとやらなければいけないと。共和党の保守層には嫌われるようなことも、現在きちんと言っているわけですよ。いろいろブレはあるんですけれども。でも、そういう意味において、共和党がヒスパニック系の票を何とか取り込んでいかないと、将来、勝てないよと。大統領選挙だけではなく、地方レベルの選挙も勝てないという、そういう状況が現実にあるので、ジェブ・ブッシュさんがどういう形で、共和党の中をうまくまとめていけるのか。果たして、それとも挫折してしまうのかというのが、今回の選挙では大きなポイントではないだろうかと思いますね」
秋元キャスター
「古森さん、トランプ氏がグッと伸びる中で、ジェブ氏がちょっと落ちてしまうという、トランプ氏以外の理由というのはどこだと思いますか?」
古森氏
「私も取材で何回も傍に行ったことがあるけれど、これはお兄さんのジョージ・W・ブッシュさんよりも印象論ね。非常に頭の回転も良いし、言葉の使い方もうまいし、体もひとまわり大きくて、優しい感じもして、包容力もあって、それはお父さんが彼を後継者にしたかったというのはよくわかるぐらいの、大きな器という感じをさせる人でね。政権も保守主義の中ではマイルドなわけ。だから、まさに、本番の選挙になれば保守主義、リベラルとあって、その真ん中の人達をどれだけとるのかで決まるわけですね。だから、真ん中の人達にアピールする度合いというのは、ジェブ・ブッシュ氏が1番おそらく現在の中で高いかもしれない。でも、現在の段階での共和党の指名候補を選ぶ戦いというのは、マイルドさではないです。マイルドであることは欠陥になっちゃうんです。ティーパーティなんていうのが出てきて、ティーパーティというのは保守主義中の保守主義だから、現在、この瞬間はジェブさんの人気はあまりないように…もちろん、また、ブッシュ氏かという、これも大きいけれども、それを乗り越えて指名をとれるだけの可能性は、僕は十分に彼にはあると思うんですけれども。だから、現在の共和党候補者選びの特殊な段階。トランプさんがワーッと出てきている段階。彼とは水と油のような部分というのはありますからね。だから、もうちょっと中長期に見た方がいいのではないかなと思います」

失速? ヒラリー・クリントン氏
秋元キャスター
「民主党の場合は?」
風間氏
「民主党の場合は、ヒラリー・クリントン氏で決まりだよねという感じだったのが現在、ちょっとどうなのという状況になってしまっていると。ヒラリーさんの場合は、経験、実績間違いなし、知名度も抜群ですよね。しかも、ビル・クリントンさんの人気もあてにできる。というところがあって、アメリカ初の女性大統領という変化もある。なので、民主党、民主党のあとにまた民主党かよと、何も変わらないねというところで、いや、そうではなくて、民主党、民主党、女性だというアピールポイントが彼女の場合にはあるので、かなりいけそうな感じがしていた。日本にとってはアジア重視政策というのをある意味、主導権をとってやってくれた人なので、悪くないのかもしれないと思うのですが、好事魔多し、Eメール問題ですね。Eメール問題というのが、ヒラリーさんに20年ぐらい、この人につきまとっている、本当に正直な人なのだろうか、あるいはこの人を本当に信用して大丈夫なのだろうかという、じわじわと心配になってきた。出てきてしまっているのが、ちょっと下降気味にあるのかなと。バーニー・サンダース氏はおじいちゃんですよ。73歳。自ら社会主義者だと言っている人が、何で社会主義者や共産主義者が大嫌いなアメリカで人気をとっていくのかという。これも現在のアメリカの空気をあらわしているのではないかなと思います。ヒラリーさんがちょっとどうなのというのにあわせる形で、まだ立候補していないですが、ジョー・バイデン副大統領待望論というのが聞こえてくるのが現在の民主党の状況ですね」

民主党候補者の情勢
中山教授
「ちょっとおもしろくなってきたなと。予備選に入る前の段階でここまで強力な候補はこれまでいなかったと思います。知名度、資金的なネットワーク、人的なネットワーク、全て含めて。この人を信用していいのかというのが常にあって…」
古森氏
「私もワシントン、アメリカ政治の報道が長いですから、1992年にビル・クリントン氏が立候補し、ヒラリーさんが出てきてという頃からずっと見てきたのですが、この人は本当に誠実なのかな、正直なのかなという問題がずっとつきまとっていて、たとえば、アーカーソー州の知事だったわけです、ビル・クリントン氏は。そこにいた時にホワイト・ウォーター事件というのがあって、山林とか、不動産とか、複雑な疑惑ですよね。それに関わった人が何人か死んでいるんですよ。フォスターというクリントン夫妻と親しかった弁護士がいて、その人が自殺したとか。ヒラリーさん自身が刑事事件の大陪審に参考人として呼ばれて行ったということがあった。いろいろなことがあった。中国系の違法入国の人達から献金を受けていた。それもビル・クリントン氏が受けていたのですが、そのあとにヒラリー自身も2007年にノーマン・シューというお尋ね者だった人から八十何万ドルを受け取っていて、それを慌てて返したという。現在、クリントン財団というすごく大きなチャリティー財団があって、世界中からお金を集めているわけですよ。ビルとヒラリーがやっている財団があって、チェルシーさんという娘さんも入っている。その人達のところへきたお金がどうなっているのかわからない部分があって、政治家、大統領に立候補する人が外国で問題のある団体とか、国家からお金をもらってもいいのかという問題がある。もう1つは、国務長官時代のいろいろな問題。ベンガジ事件というリビアで、アメリカの大使が殺された。2012年頃に、テロがあって、これも自然発生的にこういうことが起きたんだと、クリントン国務長官がオバマ大統領に説明していたのだけど、実はそうではなく、非常に綿密にアルカイダの一派が計画していって、攻撃し、やったんだと。これをカバーして。現在この瞬間も追及されていて、国務長官時代のことは喋らないですよ。ヒラリーさんは、いろんなことを抱えているんですよ。前回、無名だったオバマさんと民主党の中で熾烈な戦いを繰り広げて、結局負けたわけですね。だから、ヒラリー無敵信仰は、私は疑問」
風間氏
「現在、民主党は本当にヒラリーでいいのかということを考えてみるタイミングなのでしょう」

新大統領と日米関係
秋元キャスター
「日米にとって民主党がいいのか、共和党がいいのか、どちらが大統領になるのがいいのかということについては?」
牧原議員
「現在のところ候補者に外交政策をこうするんだというところが具体論として見られないので、オバマさんの現在の状況、クリントンさんの国務長官時代の言動を見ると、一般論としてあまり違いはないのではないかというのが現在の政治家から見ての意見と思います。クリントンさんは国務長官として最初の訪問地に日本を選んでくれています。従って、クリントンさんが大統領になったらどうなるんだという評価の中では非常に対日を重視してくれるのではないかと見ていますし、もちろん、共和党は伝統的に、一般的に言うと共和党の方が日本との関係がいいなと言われていて、トランプさんを除けば、日本を重要視していると、こう言っています。たとえば、TPPみたいな話を見ますと、大統領に交渉権限を与えるTPAというものを通す時は、オバマさんと民主党の人が提案したのに、賛成したのは共和党で、労働組合をバックにした民主党はほぼ反対にまわりました。ああいうところを見ていると、日本がアメリカへの輸出が好調になった場合には、民主党政権は激しくそれに反発する可能性があるなと見ています」
古森氏
「共和党政権の時の方がスムーズにいったことが多い。2つあって、1つは貿易面で、民主党はどうしても保護貿易主義的な措置をとるんですよ。労働組合の支援を受けている。もう1つは、安全保障。日本に安全保障にとって大事なことは、中国に対する対応ですよね。共和党の方が伝統的に同盟関係を重視する。オバマさんは軍事力が嫌いなわけですよ。基本的には。でも、軍事力はそれが存在することによって戦争を防ぐという効用があるわけだから。中国に対して、共和党は、オバマ政権の対中政策は弱すぎると言っていますからね。共和党の若手のマルコ・ルビオ氏は、尖閣諸島は日本の所有だとはっきりと公の場で言っているんですよ。日米同盟堅持というのも強いので。日本経済、安全保障という両面で、これまでは日本にとっては共和党の方が円滑にいったと」
中山教授
「1970年代に遡れば、ニクソン、キッシンジャーは、日本を軽視していましたから、常に一貫しているわけではないですが、最近は共和党の方がスムーズにいっていると言えると思います。と言うのも、東アジア、極東アジアにおいては、まだ国際政治が力と力のぶつかりあいの要素を相当残していると、他の地域と比べて。力の行使にブレない共和党の方が日米同盟をうまくマネージしていく時にスムーズにいくというところがあると思うんですよね。ですから、日本として何となく共和党の方がやりやすいというところがあると思うのですが、他方で、今回の17人の候補者がいますが、外交安全保障の経験者のある候補者は誰がいるかというと、ほとんどいないわけですね。最高司令官になるためのトレーニングを受けたような人は皆無です。一方、民主党の候補を見ると、ヒラリー・クリントンという国防委員会の委員をやって、国務長官を務めたという外交安全保障の経歴を持った人がいるので、ここがねじれてしまっているというのが、今回の特色ですね」

中山俊宏 慶応義塾大学教授の見通し:『政治不信』
中山教授
「現在、サンダース氏のがんばりよう、トランプ氏の台頭を見ても、彼らが何を象徴しているのかなと考えてみると、政治不信だと思うんです。何か他の表現がほしいと。最終的に大統領選挙で勝つ人は、この政治不信を何らかの形で乗り越えられるようなメッセージを組み立てられる人になるのだろうと思うんですね。現時点で言うと、それが誰なのかと言うのが、はっきり見えてこない。頭で考えるとヒラリーさんですよね。でも、ヒラリーさん自身が政治不信を体現してしまっているので彼女自身が相当変わらない限りなかなか難しいのかなということで、政治不信と書きました」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の見通し:『クリントン氏以外の誰か』
古森氏
「現在のこの時点ではわからないですよ。本命と言われているヒラリー・クリントン氏はあまりにも負というか、マイナスの弱点を潜在的に抱えていると。それが顕在化、少しずつ表に出てきている。対立候補の攻撃が、民主党の中でも、共和党からも強くなるので、それに耐え切れるか。ちょっとハンディが多すぎて、ずっともたないのではないかなと」

牧原秀樹 自由民主党副幹事長の見通し:『ヒラリー・クリントン』
牧原議員
「オバマさんが大統領になった頃は世界中で政権交代が起こっていて、それで一種何かを変えてくれるのではないかという期待感がありました。結果として起こったのは失望感です。つまり、言葉だけが格好良くて、実働が伴わないということは、結果論として良くないなと。今回もいろいろな候補者が出て、言葉が巧くて、結果としてくるかもしれませんけれども、最後は1番実力があって、経験があって、ちゃんと国を運営できるのはクリントンさんなのではないかというところに、時代が抱えている、国が抱えている問題はどこの国も重くて、困難で、それを乗り切らないと次にステップアップできませんので、最後は最大の実力派クリントンさんになるのではないかと見ています」