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2015年7月29日(水)
猪瀬直樹前知事が語る “新国立”問題の本質

ゲスト

馳浩
自由民主党広報本部長 衆議院議員
猪瀬直樹
作家・前東京都知事
玉木正之
スポーツ評論家

“新国立”問題の本質 総工費迷走と白紙撤回
秋元キャスター
「2020年の東京オリンピック、パラリンピックのメイン会場であります新国立競技場ですけれども、批判が高まった最大の原因は、総工費の膨張ということです。これまで額が2 転、3 転してきました流れを見たいと思います。まず、公募による今回のコンペでイラク出身の女性建築家ザハ・ハディド氏のデザインに決定をした時に、予算が1300億円でした。その後、東京でのオリンピック、パラリンピック開催が決定しまして、日本スポーツ振興センター(JSC)が総工費を試算したところ3000億円という金額になりました。わずか1年で倍以上になったということになります。これに対して、あまりにも高過ぎるということで、2014年の5月、今度は、規模を縮小した基本設計をJSCの有識者会議が了承します。この時の建設費の見通しが1625億円でした。ところが、今年春、建設を請け負う会社が3000億円を超えるという見積書を提出します。その後、計画は一部、見直されて、7月に入って、2520億円の総工費が有識者会議で了承されました。それでも高過ぎるのではという声もあり、7月17日、安倍総理は計画の白紙撤回を表明し、2012年の時点まで戻ってしまったということになります。猪瀬さん、知事をお辞めになってから、およそ1年8か月経ちますけれども、こうした混乱、どのような思いで見ていましたか?」
猪瀬氏
「だから、1300億円と言っているのは見積もりですからね。その後オリンピックで招致が決まって、つまり、招致が決まる前というのは、ある意味で、獲らぬ狸の皮算用みたいな世界で本当に決まったら金がかかるぞという話ですからね。その1300億円をポンと、資材高騰、物価高騰、いろんなことを入れたとしても、普通に考えたら、1300億円は1800億円ぐらいだと。まず思うんだけれど、いきなり3000億円がポンと出てきた。今度は、それは大きいので細部をチョキチョキ切って、2割ぐらい削ったわけですね、容積を。それで1625億円と見積もったら、また3000億円だったと。何で1300億円が3000億円になったか。1625億円を2割削ったのにまた3000億円になったのか。さっぱりわからないですよね。この不透明感がずっと続いているということが国民、都民の皆さんのフラストレーションでもあったわけですよね。もう1つは解体工事をやらなければならない。解体工事で入札がごちゃごちゃになって入札不調ということで、それでまた、5か月延期された。いろんな形で工期が短縮されていく。その値段がわからない。工期は、どんどんあとから締切りが迫ってくる。そういう中で価格が高騰していくという、そういう悪循環が続いたというのは、この間のプロセスですね」
秋元キャスター
「馳さん、この白紙撤回についてどう見ていますか?」
馳議員
「正直、招致の段階からこれでやりますと。それから、ザハデザインを使いますと。1300億円については見積もりということなので積算根拠については詳しく知らされてはいなかった。ただ、招致を勝ちとるという中で、正直、私達も信用をしていました。1300億円でできるんだなと。こういうプロセスに関わったものとして正直言って、約束をしたIOC(国際オリンピック委員会)のメンバーに対し、メンバーの方々に対して、まず申し訳ないなという気持ちがまず1つあります。同時に、この表で1625億円の数字が出ていますが、この時、私は自由民主党の行革本部の副本部長ですよ。ここで河野太郎さんと一緒に詰めたんですよね。詰めて、このあと、この時、消費税、まだ5%で計算をしていますから、8%になった分は、ちょっとこれは出るだろうなと言いながらも、これ以上は出せないよねという議論をJSC(日本スポーツ振興センター)や文科省の担当者ともしながら、詰めて、ここまでは党としても了承しているんです。行革本部としては。従ってここから、さらに、今年の春、3000億円という数字が出てきて、7月の2520億円が出てくる間の経緯ということについて、正直なぜそうなったのかということについてはブラックボックスになっていますので、その議論は今後、検証の中でせざるを得ないと思っています」
玉木氏
「これからつくられるものはとにかく、アスリートを中心の、コンサートなんかどうでもいいから、コンサート会場をつくるのと違いますからね。アスリート中心の競技場を新たにつくってほしいなと思いますね」

総工費膨張の背景
秋元キャスター
「これまで総工費が高額になる理由の1つとして、屋根のキールアーチがあげられてきました。原案のデザインを担当した、ザハ・ハディド氏の事務所が昨日、こちらのような声明を出しています。デザインの全面やり直しは根本的な解決にならない。建設費用の増加はデザインではなく東京における資材などの高騰によるものだということで、屋根が原因ではないということですけれども、馳さん、これはいかがでしょう?」
馳議員
「まずザハ・ハディド氏、彼女のデザインで招致を勝ち抜くレースの時に大きな役割を果たしたというのは事実です。これは1つ、確実に皆さんにもご理解いただきたい。従って、JSCにしても、文科省にしてもこのデザインで何とかしなければいけないという強迫観念があったのではないかなというのが、これは推論ですけれども、そう思わざるを得ません。同時に、ゼネコンやJVの設計会社と交渉をするプロではなかったということも1つ事実として押さえておいた方がいいと思います。では、どうすべきだったかということも含め、今回の安倍総理の判断を踏まえなければいけないと思います。そうすると、発注をする施主として、この範囲内で収めてくれということの交渉ですね。ここをしなければいけなかったのではないかと、ここを踏まえて、私達がブラックボックスになっている、その施主と、ゼネコン側との交渉の内容がどうだったのか。できる限り情報として出してほしいとまずは思っています。それは検証委員会でも出さざるを得ないと思いますよね。と同時に、税金で建てるというのが、本当にそれでいいのかという議論も私は加えるべきだと思っていますよ。総理はゼロベースで、1つの見直しは、もちろん、2020年、19年のラグビーに間にあわなくてもしょうがないよねと。森さん、それでもいいですよねというのは、1つの政治的な仁義だったと、これはこれで思いますが、同時に、つくったあとに、これがコスト、つまり、税金を使って建てたから、皆で守っていきましょうという発想でいくのか。いやいや、財源として、PFI方式とか、民間からも、不動産投資などでお金を集めて、終わったあと、少々の改築をしても、プロチームなどに使ってもらって、金を稼いでいくエリアとして、再開発の中核的な施設としてやっていくのかという案も含めて、私は考えるべきだと思っているんですよ」
猪瀬氏
「馳さんの言っていることに賛成だが、今回の白紙撤回したあと、PFIでやれないかということなんだが、一応、あるルートでその話をそういう当局としたんだけど、PFI法をいじると1年かかるということなので、今回は間にあわないと。ただ、新スタジアムができたあとの、民間活ということは、これから考えていくべきではないかと思いますね。現在からもちろん、民間入った方がいいんですよ、本当は」
馳議員
「そうするとね、少なくとも管理運営ですよ」
猪瀬氏
「それだけじゃ、つまらないよな」
馳議員
「そうなんです。運用を考えていかなければならないと。利活用を考えた主体がつくっていくべきだという発想を持ってやらないといけないのではないかと、私は思っています」
反町キャスター
「ザハさんの発言。デザインのやり直しは根本的解決にはならないとか、費用の増加は資材の高騰などによるものだと。ちょっと現在こういうことを言われても、自民党として、ないしは政府として、この発言を受けて、ザハ氏にもう1回チームに参加していただいてという雰囲気にはちょっとなりにくいと見た方がよろしいですか」
馳議員
「ゼロベースですから、ザハさんから新たに提案されれば、入るかもしれませんが、ザハさんのご意見はご意見として、現在、主体は政府、オールジャパンでやっていくということも決めたのですから。その中において決めるべきだと思うし、今こそ国交省の腕利きの方々がゼネコンとの交渉も含めて一体として考えていくべきだと思います」

責任はどこに?
秋元キャスター
「新国立競技場の建設を巡る問題で、白紙撤回となるまで迷走となった責任はどこにあるのかというのも、1つ問題視されているんですけれども、これまでの体制図です。事業主体はあくまでも独立行政法人の日本スポーツ振興センター、JSCですけど、それを監督する立場に文部科学省はあります。JSCが諮問する国立競技場将来構想有識者会議のメンバーには東京オリンピック、パラリンピック組織委員会長の森(喜朗)元総理、舛添(要一)東京都知事。それから、ザハ氏のデザインを採用した審査委員会の委員長、建築家の安藤忠雄さんなどがいます」
猪瀬氏
「我々は本来、2020年という夢をつくるためにがんばったわけで招致活動。その時に日本人の持っている良いところを示していかないと。その良いところというのは電車が時間通りに来るとか、人が親切だとか、タクシーの運転手さんも親切だし、それから、財布を拾ってくれるし、誰かに運営をさせたら非常に緻密に運営すると。そういうところをむしろ売りにして、イスタンブールの東西分野の融合というのは良かったですよ。それでは勝てないなと」
反町キャスター
「ブエノスアイレスでね」
猪瀬氏
「そのプレゼンの途中、いろんなことをやりましたけれど、だから、最初の東京オリンピックはアジア初ですから。リオデジャネイロは南米初ですからね。そういうのがなくて、成熟した文化をどう見せるか。その素晴らしい文化のところを実は国立競技場も含めて、建設能力も含めて、そういったものの良いところをアピールしようとしてきたし、それだからうまく言ったわけですよ。だから、招致が決まった時にチーム日本の勝利だと言ったのは、その時に縦割りだったはずだった、最初は東京都もそうだし、官邸もそうだし、外務省も、文科省も、各スポーツ競技団体も全部縦割りだったんですよ。それを情報共有し、情報を共有した密度によっていろんな交渉ごとをしたり、プレゼンテーションをしたりして勝ちとった。だから、チーム日本の勝利だったのですが、この国立競技場問題はちょうど裏腹になっていて、つまり、我々の良さというのは、非常に協調性が高くて、緻密であるというのはちょっとひっくり返すと、長所と短所は同じところにありますから、その協調性が高いというのは同調性圧力が高いというところになって皆で一緒に一生懸命にやるということは、無責任であるということにもなる。強力なリーダーがいない。1人、1人はいいのだけれどもというのの裏返しがきちゃっているわけで。昔、昭和16年に日米戦争をやる時も、縦割りで失敗したわけですね。石油の備蓄量を海軍と陸軍、お互いに言わないわけです。それで敵と戦うわけですから。そういうダメな部分が出てしまう。日本は良い部分が出るとすごく良いわけだけれど、それがひっくり返ってダメな部分が出ると、その意思決定不能状態みたいなものに陥ってしまうわけですね。それが今回、ずっと出ていたわけですよね」
反町キャスター
「馳さん、猪瀬さんが言われた縦割りの話。先ほどの話の中で、文科省とJSCというところの部分で、失敗の1つの原因がそこにあったのではないかというのもありました。それは、文科省とJSCというのが、たとえば、ゼネコンと対峙する時に何が問題だったのですか?」
馳議員
「人が良過ぎたと思いますよ。てんこ盛りにしてしまったということですよ」
反町キャスター
「向こうの言いなりになってしまっている?値段で、買い物ではないのだから、値切れという話なのですか」
馳議員
「ゼネコンだけではないのですが、ラグビーワールドカップの言い分も聞いた。サッカーワールド杯では8万人ぐらい必要だと聞いた。陸上を常設するならサブトラックはずっとつくらなければいけない。ランニングコストを減らすためには、コンサートを8万人規模で、屋根さえあれば、たくさんの世界中のアーティストを呼んできて、ランニングコースもできると。てんこ盛りにした結果がいわゆる、巨大な、巨額なお金のコスト意識を持たない、1つの大きな計画になってしまったと。ここは、私は1つのポイントだと思います。だから、今度やる時は明確に、関係閣僚会議ができて、それも財務省まで入って、経産省も入って、遠藤さんに現在、権限が与えられていますけれども、先に、遠藤さんに大きな権限を与えるべきだと、私はもちろん、思っているのですが、断捨離しないとダメだと思いますよ。てんこ盛りはもうできません。まずはオリンピックに間にあう、技術的に、施工、工法を含めて、オリンピックに間にあう規模と同時に、終わったあとにコスト意識を持って、ここは全体として最高の立地条件にある場所のスポーツ施設、ナショナルスタジアムとして、新たな、これも言葉が悪いですけれども、儲けることができるような、人が賑わうような場所としての整備を考えていってほしいですね。自民党の会議でも今度、舛添さんがスポーツクラスターコースの特区にしようと、1つの方針を示していますから、そこにかかわるステークホルダーの方にも民間の方にも集まっていただいて、青山通りと山手線、外苑西、東通りに挟まれたあのエリアをどうするのかというコンセプトを1つ乗せ、是非、舛添都知事にも関係閣僚会議等にも入っていただいて、東京都はあのエリアをどうしていくべきだと思っているのですかと。そういう考えを入れられれば」
反町キャスター
「スタジアム単体ではなくて、地域の再開発というところにして、都も巻き込んでいくみたいな?」
馳議員
「それは必要だと思います」
反町キャスター
「国土交通省が入ることによって事態は大きく変わるのですか?」
猪瀬氏
「これは、だから、最初に3000億円という、要するに、新聞にリークされた時に皆びっくりするわけですよ。と言うことはゼネコンが言ったのでしょう。たぶんね。それを新しい相場にしようとしたのでしょう。国土交通省ではないから。JSCというのは建物をつくったことがないわけです、小学校の体育館みたいなものしか。だから、舐められたわけですよ、はっきり言って。それにもう1つ、森さんの発言、最近の発言がありましたから、2500億円から3000億円がかかってどこがいけないのだという、森さんの金銭感覚があるわけですよね。つまり、どこがいけないのだと。3000億円のどこがおかしいんだという、要するに、そういう了解しているような空気があったでしょう。ご本人がどうお考えかですけれども」
玉木氏
「あの発言の中で、立派なスタジアムをつくるためなら2000億円でも3000億円でもという発言があったんです。ただし、立派なスタジアムがどんなスタジアムかという説明は1回もないわけですよ。それをまず立派なスタジアムというのはどういうものかというのを考えないと、僕はダメだと思います」
馳議員
「誰にとってというのは考えないといけないですよ。納税者にとってもそうですし、アスリートにとってもそうですし、観客にとってもそうです。そういった議論というのをすっ飛ばして、オリンピックに国が協力するのだから、2000億円、3000億円ぐらい払ったっていいではないかという、森先生の発言はちょっと誤解されているところもあるのですが、スタジアムの意味といったものについては、今度から詰めて議論をしてほしいし、正直、私もオリンピックに出た選手として、選手の想いというのは最優先に考えてほしい。とは言っても、陸上競技の選手とサッカーの選手とラグビーの選手と野球の選手と、それぞれの利害関係が絡んできますから、ここは最終的に関係閣僚会議等で、断捨離をして、ポイントを絞って、そのコンセプトを大事にしてほしいと思います」
反町キャスター
「オリンピックに参加された立場からという意味で敢えて聞くとメインスタジアムの印象というのはオリンピックの成否をそんなに左右する?だって、たとえば、レスリングだったら開会式と閉会式しか行かないではないですか。陸上競技の選手だったら、その中を使うのだけれども、重要なのですけれども、どんなに重要なのですかという、その印象論、オリンピック全体で、トータルで考えた時にどう見たらいいのですか?」
馳議員
「これは簡単ですよ。使いやすい、安全である、それだけですよ。つまり、これは劇団四季の話をするとわかりやすいかもしれませんが、劇団四季はそんなに劇場に大仰な施設を使わないではないですか。つまり、劇団四季は出してくる演目の素晴らしさに人が集まるわけですね。だから、アスリートが安心して臨める会場であること。安全であること。先ほどもおっしゃったように導線問題もあると思います。そこを提供し、もう1つは、たくさんのお客さんに感動してもらえるような臨場感。こういったものが必要だと思います。それは何かと言えば、これは運営の問題にかかわってくると思います。それは、オリンピックは申し訳ないけれど、言葉が悪いけれど、たかが1か月です。たかが1か月です。だけど、その思い出が、その感動というのは永遠に続くものでもあるんです。どこにコストをかける意味があるのですかということを究極に考えてしまえば、税金を払う方からすれば、終わったあとに、それがいつまでも、まさしくレガシーとして、日常的に使われないと意味がないのではないのですかというところにくると思いますよ」

計画見直しの課題
秋元キャスター
「年明けに着工ですが、このスケジュールで大丈夫なのでしょうか?」
馳議員
「たぶん総理は、ワールドカップ、ラグビーさえ外せば間にあうということを、政府内、国交省かなと思いますが、話を聞いたうえで最終決断をされたと思います」
反町キャスター
「森さんが開会式のリハーサルは、本物のスタジアムができていないとやりようがないだろうと心配しています」
馳議員
「そこは現在、確実かどうかわかりませんけど、2020年の2月頃に、陸上の大会などを開いてプレオリンピックの大会をし、当然会場について言えば、だいたい開会式のリハーサル等は1、2か月でできますので、それは2020年の春、1月か2月にできれば、十分可能であるということです。IOCのオリンピック調整委員会と調整して、まさしく詰めると思います、これから」
反町キャスター
「プレオリンピックは普通1年前と、俗に言うと思っているんですけど、先ほど2月ということは、2020年2月にプレオリンピックをやって、たぶん国内大会だけではなくて、世界の皆さんを集めて来てもらうことになりますよね」
馳議員
「ワールドカップとか、ジュニアの大会とかになりますけれど」
反町キャスター
「半年後に本物のオリンピックになるという、こういうちょっと変則的なスケジュールにならざるを得ない?」
馳議員
「そこは調整会議で詰めると思うんですけれども、要は、2020年の7月24日の開会式に間にあえばいいと。ここから逆算して、準備段階についても調整すると思います」
玉木氏
「可能だとは思いますけれど、それと、日本の法律上、建設途上の建物は使ってはいけないことになっているんですよね、スタジアムとかは。でも、ここは何か特別に、たとえば、まだこれは工事進んでないけれども、プレオリンピックだけは使用するというようなことがあってもいいと思うんです。もう1つは、これをチャンスと捉え、もう1度あの国立競技場、古い国立競技場を再現するということになったら、僕は素晴らしいことになると思いますね。中を全部新しいITにして、側も全部一緒にして、聖火を持った最後の人が段をずっと走っていくのを1964年とまったく同じにするというぐらいの簡素な大会をここで示すことで、IOCに対しても新しいオリンピックのあり方というのを示せると思うんですよ。何もプロジェクトマッピングみたいなことをワーッとやったり、それから、ポップスシンガーが出てきて2時間も歌ったり、踊ったりするのではなくて、2時間で全部開会式が終わるというぐらい簡素なものを目指すと。あの国立競技場、サブグラウンドも常設にしたスポーツマンにとってのまったく素晴らしい建物が再現されれば、僕はそれで素晴らしいと思いますよ」
猪瀬氏
「それは話としては面白いけれど、あの招致活動の時にザハデザインが格好良いとか、良くないとかということではなくて、屋根があるなって、ほっとしていたわけですよ」
反町キャスター
「それはどういう意味ですか?」
猪瀬氏
「だから、ロンドンオリンピックでは、東京の5月、6月の気候ですよね。東京は熱帯ですね、ゲリラ豪雨があるでしょう。ですから、ザハさんのは、屋根があっていいなぐらいの感じで覚えているんですね。屋根がないとこれはちょっと厳しいです。マラソンの選手はしょうがないけれどね。ただ、屋根が完全に閉じてしまったら、陸上競技は室内競技になってしまうので、できないけれども、だから、ゲリラ豪雨の時に閉めるというね。それと、今回はどうも間にあわないそうですよ、屋根は。だから、屋根はなしということらしいです。もう締め切りが間にあわないのだからしょうがない。観客席にはグーッと覆われているわけ。だから、ザハさんの(デザインの)真ん中がないと思えばいい。あの形はともかく。だから、観客席は屋根で覆われている。だから、クーラー効くと。でないと熱中症で皆、倒れていくだろうと。と言うことで観客席は、だから、真ん中が少し空いたような形になるだろうと言われていますけれども、要するに、この熱帯である東京の夏に、つまり、1964年は体育の日ですから、10月10日、秋晴れの世界ですから、全然違うわけですよね。でも、夏開催というのは決まっているわけですから、東京だけではなくて」
反町キャスター
「動かすわけにはいかないのですか?」
猪瀬氏
「アメリカの放映権の問題とか、プロスポーツの休みを選んでいるわけですから、しょうがないですね」

開幕まで5年…2020東京 膨らむ開催費と経費削減
秋元キャスター
「大会開催費は、当初の予算の3倍近く膨れあがるということですが、原因は何でしょうか?」
馳議員
「これは猪瀬さんもちょっと辛いところあると思いますけれど、当初の見積もりというか、計画の段階でIOCに立候補ファイル出した時の計算ではそうだったんですね。しかし、実際に決まった。実際に精査に入ったら2兆円というような数字が出てきたのだと思います。私も、7340億円にプラス国立競技場の建て替えで1兆円ベースですねというような話は、招致委員会のメンバーでもそんなものですよねと。ソチが4兆6000億円と、5兆円近くかかったんですよね。それから比べれば、まさしく東京都の財政力、国の支援ということを考えれば、成熟国家のオリンピックとしては、新たなインフラ整備がそんなにかかるものではないから、そんなものかなという印象でいました。現状で2兆円を超えることについては、私はちょっと現在の段階では中身を見ていないので、何とも言いようがないですね」
猪瀬氏
「現在、中身を見ていないのでというその通りで、中身がないのだから、これは。根拠がなく発言されているんです。これで中身がないですよ。1つは、国立が3倍になったから。7000億円の3倍は2兆円だと。そういうことで、言われているようなんだが、具体的にはもう1つは2兆円超えるという根拠はないというのは、たとえば、ロンドンの場合は、スタジアムのエリアを再開発して、だから、2兆円ぐらいかかったという話だったんですよ。この組織委員会の予算というのは、まずは東京都で都立のものは4000億円を用意しているわけ、お金。実際に…」
反町キャスター
「それオリンピック用にですか?」
猪瀬氏
「そうですよ。だから、4000億円を用意してある。それで、都立の建物を実際には現在のところ、無駄な建物とか、見積もりが多くなる建物をやめたりしていて、それで4000億円をとってあるけれども、現在のところ2500億円ぐらいですね。当初よりは多くなっているわけ、見積もり。それで国立は3倍になっている。そういうものをやっていくと3倍だろうということで。もう1つは、組織委員会そのものが3000億円持っているわけです。IOCから貰うのと、それから、国内スポンサー、本当は国立競技場を民営化して、そういうせっかく出してくれるスポンサーにお金を出してもらって、民間経営にしていくのが1番いいだろうと思いますが、組織委員会に入っていく寄付のルートが国立にまわるような形をどこかでつくれないだろうかということを考えてもらえればありがたいと思うのですが」
馳議員
「可能性として検討すべきだと思いますね。新国立は国が立てるのだから、財源も含めて全部国だという、ガチガチの発想をちょっと軟らかくしていかないといけないと思うし、オリンピックが終わったあとにレガシーを残すというコンセプトが現在のオリンピックのトレンドですよ。オリンピックを開くために、インフラを整備して、街をつくり直して、という時代は終ったのだと。スポーツで社会変革をしていこうと。特に、日本は成熟国家においてのスポーツの価値観を高めて、より多くの国民のために活用していこうと。今回、スポーツ・トウ・トゥモロウという事業もあって、オリンピックまでに全世界の1000万人の人にスポーツを通じての貢献をしようという事業まで展開しようとしているから、その理念にあった象徴的な国立競技場にしなければいけないし、運営についても、おそらくセキュリティに1番お金がかかると思います。かかるものは必要だと思います。しかし、終わったあとに稼ぐことも考えていかないとダメだと思いますよ」

スポーツ評論家 玉木正之氏の提言:『何の為のオリンピックか!?』
玉木氏
「昨年の10月に方針というのが出たんですよね。ただ、皆さんに浸透してないんですよ。スローガンがまだできていないですね。だから、スローガンをきちんとつくって、震災復興でも構わないし、新しい時代のためにでもいいですし、日本人の良さを示すもの。これをはっきりスローガンに示して、それに向かって進んでいくものにしてほしいですね。1964年の翌年から赤字国債が発行されたわけですから、まさかそんなふうにならないようにしてほしいですね」

猪瀬直樹 前東京都知事の提言:『夢を壊すな! 日本人の長所短所』
猪瀬氏
「オリンピックという夢を2020年につくったわけですから、これを今回の新国立問題のような無責任体制で夢を崩してもらっては困る。せっかく勝ちとったものですから、日本人の長所短所です。長所で勝ちとったんです。現在の新国立問題で短所が出ちゃっている。これからその短所を長所に切り替えていく、本来持っている我々日本人の良い特質、これを活かしてくことによって、2020年という夢をもう1度きちんと築いていきたいと。目標を持って生きることは非常に大事です」

馳浩 自由民主党広報本部長の提言:『全日本』
馳議員
「オールジャパンで勝ちとった招致の時の感動、本当に猪瀬さんとも抱きあって嬉しかったんですけれど、皆で協力しあうということ。これを忘れずに和の精神でやっていきたいと思います」