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2015年7月17日(金)
森元首相に聞く新国立 ▽ 参院4党幹部が論戦

ゲスト

佐藤正久
自由民主党国防部会長 参議院議員(前半)
福山哲郎
民主党幹事長代理 参議院議員(前半)
小野次郎
維新の党幹事長代理 参議院議員(前半)
小池晃
日本共産党副委員長 参議院議員(前半)
森喜朗
元内閣総理大臣(後半)


前編

安保法制“参院審議”の行方
松村キャスター
「昨日、与党単独で衆議院を通過した安保法案ですが、参議院ではどのような点が議論のポイントとなるのでしょうか」
福山議員
「まず国民の理解が深まっていないということの中で、安倍総理自身も、そのことを委員会の審議で、衆議院で認めたにもかかわらず、その日、強行採決されたということに対して、我々は強く抗議をしたいと思います。本来で言えば、衆議院差し戻しだと、審議をやり直せと言いたいところですが、なかなかそうもいかない状況で、今日特別委員会の設置を参議院で合意をしました。違憲性、立法事実は衆議院でまったく明らかになっていませんし、明確な答弁もありません。安倍政治そのもののやり方自体が、参議院側でも大変な争点であり、国民の皆さんの不信、不満の受け皿として我々はしっかり論戦を張っていきたいと思います」
小野議員
「最近の安全保障環境の中で日本の安全保障対処能力を強化、充実しなければいけない。しかし、それはあくまでも日本国憲法の範囲内で実現をしなければいけないので、憲法適合する見地から、我が党は武力攻撃危機事態というのを、政府が出しています存立危機事態にとって変えるべきだと、私達は主張をしています」
小池議員
「本当に、この強行採決に怒りを覚えています。1つは憲法9条に対する明らかな違反である。もう1つは憲法の大原則である国民主権に反することだと思うんですね。憲法9条違反ということで言うと、世界のどこであれ、アメリカがやった戦争の戦闘地域まで行って後方支援をする。これはもう明らかにこれまで禁止すると言っていた武力行使ですよ。それから、PKO法を改定して出て行く。これだって治安維持活動ですから、武力行使そのものだと。それと、集団的自衛権を、これまでできないと言っていたことをできると。安倍首相自身が、国民が理解をしていないということを認めながら、数の力で強行するというのは、憲法の大原則である国民主権に違反しているし、こういうことをやるということは独裁政治の道と言わざるを得ないと思うんです。国民の理解が進んでいないというけれども、そうではないと思うんです。多くの国民は、これはおかしいと気づき始めているからこそ反対の世論が議論すればするほど増えているんだと思いますので、参議院で徹底的に問題点を明らかにして野党で力をあわせて廃案にする。そのためにがんばりたいと思っています」
松村キャスター
「小野さんがあげたポイントの武力攻撃危機事態を見ていきたいと思うんですけれども、与党が集団的自衛権の行使容認をする場合においている存立危機事態というのと何が違うのでしょうか?」
小野議員
「存立危機事態については憲法の専門家からも違憲だと。違憲の疑いが濃厚だと指摘を受けていますよね。そういう点について、我々は憲法の範囲内で日本の安全保障を考えるべきだと。別に手を打つこと自体を拒んでいるわけではなくて、我々の安全保障政策を、憲法の適合性を第一において進めて行こうということで、内部的にも21回の安全保障調査会を開き、また、法制局長官経験者、大学の先生にもお聞きして、これなら全員が賛成と言っているわけではありませんが、政府案と比べれば憲法適合性を重視しているというのは評価しようという内容なのが武力攻撃危機事態ということです」

武力攻撃危機事態
反町キャスター
「自衛権行使の要件、政府案について何回もやっているのでいいにしても維新案。『条約に基づく我が国周辺の地域において、我が国の防衛のために活動している外国の軍隊に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する明白な危険があると認められるに至った事態』。わからないです。いったいどういう?」
小野議員
「政府案の『我が国と密接な関係にある他国』というのを、維新案は4つに分けています。1つは条約に基づくこと。現在、米国しかありません。日米安保。2つ目には、我が国周辺の地域においてということで何百キロと距離で切っているわけではありませんが、日本防衛に関連すると思われる、日本周辺の地域の範囲という、地理的なイメージをしています。それから、外国の軍隊と書いてあって、政府案のように他国と国全体みたいに書いてあるのは、なぜかと言えば、我々の自衛隊も当然、守る任務ですけれども、この緊張した状況の中で、日本の近海において、日本の防衛に当たってくれている外国の軍隊が攻撃をされたら、それは我々の指や足が攻撃されているのと同じで、これは『我が国に対する外部からの武力攻撃が発生する』と認定された時にはもはや国民の体が攻撃されたのと同じであって、反撃をさせてもらいますよというのが維新案です」
反町キャスター
「維新案を議論する中で、集団的自衛権に当たるのか、当たらないのかという議論がありました。小池さんから見て、この維新案はどう見えるのですか?」
小池議員
「いろいろな枠を嵌めようと努力をされているのかなとは思いますが、『外国の軍隊に対する武力攻撃が発生し』となっているわけで、自国が攻撃される。自国に対する窮迫不正の侵害があった場合の個別的自衛権ではないです。これは国際的に見れば、集団的自衛権ということになるわけで、そういう点で言うと、集団的自衛権を行使できないとしてきた、これまでの政府の解釈からすれば、これは私どもからすると明らかに違憲だと言わざるを得ないと」
福山議員
「小野先生にお伺いしたんですけれども、これは個別的自衛権で説明をされるのですか?つまり、合憲だと維新はおっしゃっているんです。合憲だということは、これまで集団的自衛権の行使容認はできないと言ってきた。これは個別的自衛権で説明されるのかどうかについて。合憲だというのはお伺いしているので、逆に、それはどうご説明をされますか?」
小野議員
「多くの専門家の方から、これは憲法適合性があると言われているんですけど、それは2つの点で政府案と違うと思います。1つは、我が国防衛ということで、余計な要件を全部外しています。条約に基づいて、我が国の周辺地域において、我が国防衛のために活動している外国の軍隊に、つまり、我々を守るための1つのエレメント、要素として、活動しているものが外国の軍隊であったとしても、それが第1撃を受けて、第2撃を我々が受けるんだという危険があれば、何から何まで全て自国防衛のためです。それについては個別的自衛権の範囲内だという評価を多くの専門家の方からいただていることは事実です。ただ、私達が申し上げたいのは、国際的な基準では、自国防衛のためのものは、個別的自衛権だという説が通説ですよね。形式的に第1撃がたまたま自国以外のものに落っこちた場合、集団的自衛権だというのは、日本ではそう言われていますけれども、国際的には…」
反町キャスター
「でも、国会で小沢鋭仁さんが、海外ら見たら、これは集団的自衛権と受けとられる余地があるみたいな、こんな話されていませんでした?」
小野議員
「補足説明しますと、我々、憲法適合性の議論をして、多くの専門家から適合性があるという評価をいただきましたけれども、それはあくまでも憲法との適合性のことですね。それでは、国際法の先生方が、それを集団的自衛権なのか、個別的自衛権なのかというと、集団的自衛権に入るのではないですかという議論までは、私どもは、はっきり言って、短期間に、そこまで全然、そういうことをおっしゃる国際法の先生いません、とまでは言いませんよ。そういう議論はあると思いますよ。ただ、大事なことは、自国防衛だけにし、憲法適合性があるという評価を、全ての先生ではないですよ、だけど、かなりの数の専門家からいただいたということは、政府案のようにそれを無視し、学者が言っていることなんて参考になりませんなんて言うのとは雲泥の差があると私は思いますよ」
福山議員
「そこがちょっと微妙です。なおかつ、自民党は何で維新案はダメだと言っているのかも、実はわからないです」
反町キャスター
「佐藤さん、どうですか?維新案はどう見えるのですか?」
佐藤議員
「現在のポイントから言うと、まさに、もちろん、目的は自衛ですよ。手段が他衛であって。まさに、そのまま日本がやばいという時に限って、その関係する他国の軍を守るというだけの、そこは大きな差がないので」
福山議員
「だから、現在の表現が問題ですよ」
佐藤議員
「と言うので、そこは変わらない部分があると思っています。私はこの維新案というのは、国際法上は集団的自衛権に当たると思っていますが、ただ、1つ違うのは条約に基づくとありますよね。条約に基づきと。我々、条約があるのはアメリカだけですね。アメリカ以外に対しては現在の現時点としては守れない。新たな条約を結べば別でしょうけれども、現在、対象はアメリカだけ。ただ、我々の考えは、たとえば、朝鮮半島。これはまだ終戦ではなく、休戦の状態です。北と南が睨みあっていて、真ん中に国連軍が展開している。朝鮮戦争の国連軍が一応存在しているという中において、多くの国連軍が朝鮮半島に来るでしょう。そういう時、場合によっては、密接な関係のある国というのはアメリカ以外の場合、オーストラリアとかあるかもしれない。そこが1つ違う。『明白な危険があると認められるに至った事態』という、これはどちらかというと我が国の武力攻撃事態で言えば、切迫事態。小野先生とは委員会で議論をさせてもらいました。たぶん、切迫事態のような段階でやると言っていると思うんですよ。武力攻撃事態というのは、日本に対する緊迫度。危険度に応じて徐々に予測事態、あるいは切迫事態。攻撃発生という形で、自分の国に対する、まさに日本に対する緊迫度で分けているんです。では、存立危機事態というのは、この評価軸が違っていて、まさに他国がやられた場合。日本にどう関係するかという場合があるので、たぶんケースとしては大雑把ですけど、予測事態の前のケースがあれば、予測と切迫事態の間のケースもあれば、切迫と攻撃もあります。だから、今回、維新さんが言っているのは、ケース3です。切迫事態以降ですから。だから、我々で言う、この切迫と予測の間のケース2と言えば、たぶん入らないです」
反町キャスター
「重なっている部分もあるけれども、重なっていない部分もあると?」
佐藤議員
「たぶん限定して、小野先生が言っているのは、切迫事態以降のケース3が、たぶん維新案で、維新であれば、ケース1、ケース2のような場合は守れないということだと、私は理解しています」
福山議員
「だから、切迫と予測の間のケース2とか、ケース3が、我が国に対する攻撃でないにもかかわらず、我が国の国民の生活や命が危ない状況というのは、どういう状況なのですかと聞いても、そこも具体的に答えられないわけですよ。最初に出てきた話が、ホルムズ(海峡)ですから、余計、国民の皆さんは正直言うとわからなくなるという感じですよ」
佐藤議員
「そこは朝鮮半島を議論すればわかるんです」

参議院 野党の戦略
反町キャスター
「今後のスケジュールを聞いていきたいのですが、昨日、参議院に送られた法案ですけれど、16日に可決となりました。この法案が今後、参議院に送られて60日以内に何らかの形での結果が見られない場合には、いわゆるみなし否決となって、衆議院に戻されて、3分の2以上の可決、賛成で、再議決、成立となるんですけれども、民主、共産は、対案を出さずに廃案を目指すということでよろしいのですか?」
福山議員
「我々はまだ。領域警備法だって対案ではありませんが、衆議院側で維新さんと一緒に出しましたし、我々は周辺事態法については、現在も党内の意見をまとめているところですけど。まずこの問題の本質は、現在の政府の法案がいかに違憲性があって、おかしいかということを明らかにすることが第1なので、我々が対案を出して、違憲立法の土俵に乗るよりはまず問題点を出すと。その中で必要なものに関しては、我々は検討をしていきたいと思います」
反町キャスター
「民主党の皆さんというか、ここのところ、昨日の長妻さんはそこまでは言わないかな、岡田さんとか、枝野さんは、対案は持っている、でも、出さない。なぜならば成立しないのに出してもしょうがないから。この理屈はどう?」
福山議員
「それは1つ、ありますよ。だって衆議院で領域警備法を、それはどう考えたって、日本の…」
反町キャスター
「そんなことを言ったら、野党は法案を出す資格がなくなっちゃいますよ?」
福山議員
「いや、だって1日で否決したのは向こうですから。我々は審議しろと言っているわけですから。極端な話」
反町キャスター
「それは与党のせいにするのではなくて」
福山議員
「強行採決したのは与党ではないですか」
反町キャスター
「与党が否決するんだったら、否決させることを見せるかどうかという、そういう戦術はもうないのですか?民主党は、総理を3人出したわけでしょう。もう少し対案を出すのに積極的であってもいいのではないかと。そこはどうですか?」
福山議員
「だって、対案を出したら、憲法違反の土俵に乗ることになるではないですか」
反町キャスター
「憲法違反の法案を出さなければいいでしょう」
福山議員
「それなら、逆に、11本(の法案を)全部ばらしてください。そうしたら、向こうの重要影響事態に対し、周辺事態法、我々はちゃんと対案を出しますから。領域警備は別のところで、対案にならないですけれども、周辺事態だという、日本の周辺環境だということになりますから。PKO法案はばらしていただければPKO法案の対案は出しますから」
小池議員
「反町さん、野党が対案を出さなければいけないというのは、僕が違うと思います。憲法を壊そうとしているのですから、現在の自民党は。これまで戦後70年間守ってきたの路線を大転換しようとしている。それをやめろというのは立派な対案ですよ。憲法通りの政治をやれと。これは立派な対案です。私達が、新たな法案を提起しなければ野党としての責任を果たせないということにはならないと思う。憲法を守れと。憲法を壊すなということは、野党としての、私は果たすべき責任だと思います」
佐藤議員
「それがなかなかわかりにくいです、我々としては。我々、政府だけではなく、国会議員も国民の暮らしとか、命を守るべき責任があるんです。周辺環境が厳しくなって、隙間があるというのであれば、何らかの法案があれば、自衛隊が動けないという憲法関係で、それが我々の中で疑念があるのであれば、憲法の枠内の、そういう案を出して、国民の前で議論をすると」
福山議員
「議論の時間を打ち切っているではないですか。何を言っているのですか」
佐藤議員
「参議院で出せばいいではないですか」
小野議員
「だから、徹底審議とまったく同じですよ。特に、憲法適合性がない法案を、そのまま通すわけにいかないと思います。ただ、同時に、佐藤さんが言っているみたいに、安全保障環境をどうやって対応をするか。我々の法律制度をつくっていくかということで、建設的な議論をしなければいけないと思っているので、与党に申し上げたいのはこれだけ国民から理解が進まないのではなくて、理解をすればするほど、問題があるのではないのという認識が、国民の平均点みたいになっているのだから、その認識をもって、厳粛に受け止めなければいけないと思うし、専門家の意見を、関係ありません、みたいに言うのは、これはまずいですよ」
反町キャスター
「そうなると維新は参議院で対案を出すかという、こういう話になってくるのですが、出すのですか?」
小野議員
「衆議院よりは人数が少ないですけれども、法案提出権はありますので、提出していきたいと思います。ただ、タイミングをはからないと体制が、参議院の維新の党はそんなに良くないので」
反町キャスター
「もっとはっきり申し上げましょう。法案を出しちゃうと、提案する、説明する側も、質問する側も、小野さんが大変なことになって、1人で何十人分も働かなくてはいけないということを、いろんな人から聞いているのでわかるんですけれども、でも、この議論を聞いていると、たとえば、成立しないから出してもしょうがないという話か、対案を出さなくても、それが対案だというのか。他の野党とはちょっと違うスタンスを示そうとしているわけだから、ここはがんばらなくちゃいけないという」
福山議員
「我々も出していますから」
反町キャスター
「領域警備法はね」
福山議員
「いやいや、逆に言ったら、11本ばらしてください」
反町キャスター
「ばらしていないけれども、維新は出しているわけですから」
小野議員
「ばらす方が僕は誠実だったと思いますよ。それは、浜田特別委員長が言っているではないですか、ばらせば、民主党さんもうちの党も賛成と言える法律が中にはあるんです。ところが、全部1個にして、絶対妥協しないぞと出してきていることが頑なだなと思うので、かえって、私達の審議を円滑に進まなくしている面もあるんですよ。それはおっしゃる通りですけれど、ただ、うちの党は憲法適合性のある安全保障政策ということで対案を出していますので、参議院でも再提出して、皆さんの議論に参考にしていただきたいと思います」

与党・維新の修正協議
反町キャスター
「佐藤さん、そうすると、国会の審議が形骸化しているのではないかなと思う中で、対案を出された時、国会において淡々と質問をして、答弁をして、平行線でずっと最後までいって、時間になりました、採決ではなくて、たとえば、維新なら、維新との間で修正案をとりまとめる可能性もなければ、僕らは維新が対案を出しました。それを与党が受けました。与党も政府案があります。その話しあいの行先というものに対して、僕らの期待感が出てこないわけですよ。結局、時間をかけて最後はガチャンかと。参議院で修正したあと、また、衆議院に戻し、衆議院で再可決をしなければいけないことがあるにしても、そのぐらいの腹があるのかどうか。そこはどうなのですか?」
佐藤議員
「そこは、まさに高村副総裁と北側副代表と柿沢幹事長ですか、含め、実務者でやっている。その協議はまだ継続ということで、現在、止めたわけではないです。当然、その協議の中で、維新案を出したとしても、まだ、実務者協議の中で、政党間協議で修正合意となれば、まだ、修正案が出せますから。別の案を。そこは今回のまさに報道にあるように、協議は継続しましょうというので終わっているんです。そこはこれから、まさに政党間でお話をすると。扉が閉まったわけではないので、そこで合意ができれば、新たな修正案ということで…」
小野議員
「自民党、公明党の協議には出ていましたし、参議院の審議になっても、また、継続しましょうと。高村さんと、北側さんからもいただいていますけれども、彼らも1年数か月いろいろご苦労されてきて、何とか国民的な理解を、もっと広がるような手立てを、ソリューションはないかとお考えであることは、その誠実さは感じていますので、決して妥協するとか、そういうことではなくて、憲法の適合性について、国民の理解が得られるような解決策を最後まで探っていきたいと思っています」
反町キャスター
「民主党は参議院、全部の野党のリーダーとして、政府に対して野党の団結というのを僕らは期待しているという、こういう言い方をするんですけれど、現在の話を聞いていると、どうしても皆が一枚岩になって政府案と対峙しているように見えない部分というのは当然、出てくるというか、実際、維新と公明党が修正協議をしているわけですよ。この状況というのは、この参議院において、少し変化が出るのですか?それとも他党は止められないと、こういうことですか?」
福山議員
「そうは言っても、衆議院で強行採決された事実は変わらないわけですから。とにかく修正協議をされるのは、それはそれぞれの党独自の判断です。ただし、強行採決をされて、本会議まで退席を一緒にした信頼関係というのは参議院にきても、最初の段階ではとにかく大切に、きちんとコミュニケーションをはかりながらやっていきたいと思いますし、特定秘密法の時は、私は小野先生とは毎日、協議しながら対応させていただいて、あの時だって、実は修正協議は、維新とみんなの党はあったわけですよ。それでも私は、小野先生と毎日いろいろ協力させていただきましたので」
小池議員
「野党間では党首会談でも強引な採決はしないということで一致しているわけだし、これからも連携をとる確認をしていますから、参議院では団結をして、政府案を通さないという1点で、私達もがんばりたいと思いますし、それはちゃんとやりますから。きちんと、そういうふうにやっていくことになると思います」


後編

森元首相緊急出演! 新国立見直しの行方
森元首相
「私は今度のこの問題で非常に感じるのは、財源をどこが出すのかということを最初からキチッとしていなかったことですよね。だから、だいたいの見積もりをしたら、国がこれだけ出します。従って、東京都にはいろいろ問題はあっても、東京都にも恩恵があることでもあるし、国がこれだけするから、東京も是非ご協力願えないかという、私は姿勢で臨むべきだと思ってるんですね。それを最初から、JSC、日本スポーツ振興センターに全て任せてしまった。あるいは文部科学省に任せてしまったというところが、この問題がこういう形になってきた原因だろうと思いますね。だから、僕は現在、組織委員会ですから、オリンピック組織委員会として、オリンピックの施設、これを現在見ていますけど、これは民間の金になるわけですね。この金額は運営費もいろいろ考えると、かなり膨大になります。おそらくあまり全部の結論は出せませんが、7000億円ぐらいになるのではないですか。それから、東京都の設備、東京とかが新しくつくるものも皆、含め、これも大変な金額です。これも国が出す2500(億円)より高いです。では、オリンピックは、地方でやる。東京、組織委員会、民間、それに国、国がいくら出すんですかというと、それしかないです。2500(億円)。その比較をしたら国の負担が1番少ないというおかしな形になるのではないですか」
反町キャスター
「そもそもオリンピックに向けて、全体でこれぐらいの総額です、全部でこのぐらいかかると。それの国の負担分、地方の負担分、民間負担分というのは最初に決めておくべきだったと、こういう話ですか?」
森元首相
「少なくとも国立競技場に関しては決めて、そこからスタートはすべきだったと思いますよね。だから、私は会長になって、まず物価が上がっている、それから、人件費が高くなっている。これはどの公共事業も大変です。それは東北の震災のこともあった。従って、まず東京都から順番に精査した。どれくらいの予算でできるのか。そうすると、立候補ファイルという東京都とJOC、要は、オリンピック委員会とで一緒になってIOC、国際オリンピック委員会と契約している中で、そういう建物を、競技場を、全部の整備をあわせますと、破天荒な金になるんです」
反キャスター
「どのぐらい破天荒?」
森元首相
「それはちょっと言えない。だから、当時、猪瀬さんがキャッシュオンバンクと言っていたではないですか。東京にはキャッシュが4000億円あるんだよと。はるかに増えるんですよ、これは大変なことになるなと思って、それで結構省いたり、やめさせたり。あとから時間がなくなるから言おうと思って、言えないが、たとえば、バスケットボールを大宮にお願いする。あるいはヨットシェーリングは江ノ島にお願いするとか。そういうふうに地方に少しね。特に最後のところは幕張メッセにテコンドーとフェンシングと、1番金メダルの期待を多くされるレスリングを持っていきましたね。だから、そういうふうにして少しずつ、分散して節約したんです。だから、これはかなりの圧縮をしたつもりです。ですから、それでもそれだけの金がかかると。相対的なそういうものの全体に3倍ぐらいかかってくると言うんですね。そんなに金をかけるということになると、1兆円、2兆円ではなくなってくるんです。だから、膨大だと申し上げた。それは高いか、低いかと言うと、ソチのオリンピックは5兆円でした。ロンドンのオリンピックは2兆5000億円です。どうします?」
反町キャスター
「そう考えると、トータルの予算の中で考えた時に2520億円というのは、現在の話を聞いているとあまり大きくないというような印象にだんだん聞こえてきます」
森元首相
「そうなるんですね。それをどこかで僕が言ったら随分しかられたんだけれど、実際、事実はそうです。国がどれだけ責任を果たすのか。それは今日、安倍さんに申し上げました。これまで一切そっちでやっとけみたいな感じでやっていたから、こういうことになったのですから。今度は国で全部白紙にかえして設計してやるというなら、だいたい真水でこれぐらいの金…。だから、それだから舛添さんにお考えいただけないでしょうかと。足りないところはJSCにお願いする。JSCはこれから法律も改正するのですが、年間で約100億円ぐらい出せるんです。法律が改正されると。そうすると10年で1000億円になるではないですか。その分は十分出るんです。そういう計算をしていけば、難しい問題ではない」
松村キャスター
「予算をめぐる、長期にわたる経緯をどのように見ていましたか?」
森元首相
「僕は具体的に自分がやったわけではないが、つくるために資材をつくらなければいけない。それをどれぐらいかけて、どのようにやっていくか、現金も考えなければいけない、そういう交渉はゼネコンでしょう。建設会社でしょう。その建設会社にいろいろと試算をさせていけば、高くなっていく。それは当然だと思いますよ。そのあと、これは高過ぎるよなと言って、おそらくネゴシエーションをされたんだと思いますよ、どなたかが。切り詰めるものは切り詰める、もうちょっと安くできないかとかいうこと。あるいは言いにくいけれども、国家的な事業だから、ここは我慢して協力してもらえないかとか、いろいろやったんだと思いますよね。昔、皇居をつくり替える時に、ある建設会社が確か1万円で入札したんですよ。それは、天皇陛下、皇后陛下のお住まいであるから。それは全部私が無料でやりたいというか、そういう意思で非常に立派な考え方だったんだけれど、それは認められるはずはありません。だから、そういうふうに国の事業、特別にそういう記念のものについては損して得とれかな。そういうことで安くしてほしいという交渉をしていったんだと思います。そこで詰まったのはそういうことだと思います」
反町キャスター
「徐々に金額が上がってくるという、この経緯というのは、横から見ていて、これはちょっとどこかで手を打たなくてはいけないなというふうに…」
森元首相
「それは思いませんでしたけれど、何でかかるのかなということは思いました。僕は先ほど言った東京都が負担する施設、組織委員会が負担する施設を一生懸命やっていて、交渉しているわけですから、そういう意味から言うと物価が上がる上昇(分)。それから、人件費の部分。そういうものをプラスしていく。そうするとどの程度プラスになるかはおおよそ数字は出てきますからね。それだけのものかなと考えていましたが、たとえば、キールアーチというものは大変高いものだと思いますね。あれだけで900億円、それは大変だなと思いましたね」
反町キャスター
「キールアーチはどのように見ていたのですか?」
森元首相
「観覧者のためにサッカーやラグビーの選手は濡れたっていいですよね。でも、お客さんを濡らしてはいけないし、ラグビーというのは冬のスポーツですから、寒い時にびしょびしょになって、というのは良くないわけで。国際的にもそういう競技場は1つもない。現在、地方にあるサッカー場、いろいろあります、立派な(ものが)。今度ラグビー場もそれを貸していただくわけですが、これは皆スタンド屋根がありますから。スタンドの屋根をつくるためには、(新国立競技場は)あれだけ大きいと、キールアーチは必要だと思いますよ」
反町キャスター
「皆さんとの間では時期的な懸念というのは?」
森元首相
「それは皆、心配していました。だけど、順番に、平成28年の、来年ですね、1月頃に事業者を選定して、1月頃に基本設計や実施設計や工事施工、そうしたものの事業者との調整を終えるようにしたいと。それを終えると直ちに着工して、平成32年、つまり、2020年の4月には完成させるという、このスケジュールを私は見せていただいた。だって、総理がおっしゃれば、それは違うでしょうとは、それはダメでしょうとは、そんなことは言うべきではないのではないですか」
反町キャスター
「かなりギリギリのスケジュールになりますよね?」
森元首相
「だと思います。ですから、総理から、私には、従って、残念ながらラグビーはどうしても間にあわないだろうなと、それは申し訳ない、ということを言われたから。何とかラグビーがせめて入れるようなギリギリのところでね」
反町キャスター
「2019年の10月ですか、ワールドカップは?」
森元首相
「そうです。ギリギリのところで間にあわないかなという、そういう希望的なことを言って、かえってできないとまずいのではないのということで、諦めてほしいと、こういうことでしたから、それならやむを得ませんねということです」