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2015年7月7日(火)
北朝鮮の暴発あるか? 想定『朝鮮半島有事』

ゲスト

小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 元防衛大臣 衆議院議員
権鎬淵
法政大学法学部教授
道下徳成
政策研究大学院大学教授

朝鮮半島有事の可能性
秋元キャスター
「朝鮮半島の軍事情勢ですけれども、北朝鮮の総兵力はおよそ119万人。韓国はおよそ66万人ですが、韓国国内に1953年の朝鮮戦争休戦以降、陸軍を中心とする米軍が駐留していて、およそ2万9000人ということになっています。現在も非武装地帯を挟んで160万人程度の、韓国と北朝鮮の陸軍が、地上軍が厳しく対峙しているというのが現状です。現実的に考えてまず聞いていきたいのですが、道下さん、この朝鮮半島有事の可能性をどのように見ていますか?」
道下教授
「朝鮮半島の有事の可能性はそれほど高くはない。これはグッドニュースだと思います。なぜかと申しますと、2つ理由がありまして、1つ目は韓国、それからアメリカが米韓同盟というので協力をしている。こちらにも紹介がありましたように、在韓米軍という、米軍も韓国に駐留しているということで、非常に防衛体制がしっかりできている。ですから、そんなに簡単に北朝鮮としても攻撃が成功するとは思えない状況をつくり出すのに成功しています。それから、もう1つは北朝鮮の核兵器の開発、ミサイル開発は話題になっていて非常に憂慮されるものではありますが、通常戦力、戦車とか、普通の航空機とか、艦艇。これは経済的に厳しいので、なかなか十分なお金が使えていなくて、非常に古いもの、朝鮮戦争の頃に使っていたのをまだ持っている。そういう状態ですので、実際に戦争をちゃんと遂行するということの能力は低いということが言えます」
反町キャスター
「延坪島でミサイル攻撃がありましたよね。あれは北朝鮮から百何十発でしたか。韓国側は4名の方が亡くなっているという通常兵力の衰えを知りながら、ああいう武力的な挑発を北はやめないのですか?」
権教授
「そこは一線の兵士達による小競りあいというもので、決していわゆる国家権力の中枢部が関わった、本格的な対立というか、戦いとしては見ていませんね」
反町キャスター
「権さんは平壌の指示ではないと見ているのですか?現場の人間が勝手に撃ってしまったと思っているのですか?」
権教授
「偶発的な事件がちょっと拡大をしたもので、政治力でストップのかかったものだと考えています」
秋元キャスター
「小野寺さん、この朝鮮半島の有事をどう見ていますか?」
小野寺議員
「どうしても、私ども防衛当局からすると、あるいは政治の立場からすると、いろんなことが想定され、可能性が高くなくても、そうなった場合の備えをしっかりするのが基本だと思います。ですから、様々な有事にあわせて、私どもは対応しているのですが、そういう意味での、先ほど来のお話。道下先生からのお話がありましたが、北朝鮮は、実は通常兵力については、戦闘機も第3世代、良くて第4世代。しかも、その部品がなかなか入らないということで本当に飛ぶかどうかがなかなかわからない状況にありますね。そういう面では数は多いですが、動くものがどれだけあるかというのは疑問が沸きます。そのためには、逆に、北朝鮮の特殊軍、特殊作戦軍みたいな部隊。特殊部隊と、あと化学兵器や核兵器、それから、弾道ミサイルですが、相手の戦車とか、飛行機とか、同じようなものを持っても、これはとてもとてもそんなに準備できないと。そうすると、特別なやつで同じようにもしかしたら抑止力を持てるような、そういうものを選んで、それに特化をして現在、開発をしていますから、そういう意味では、よくテポドンとか、ノドンとか、スカッドとか言いますが、ああいうミサイル系はかなり技術も、資本も投下して整備をしているということ。これは私どもにとって脅威だと考えています」

想定 北朝鮮軍の砲撃・武力衝突
秋元キャスター
「北朝鮮がこれまでに、何度も韓国に対して、ソウルを火の海にすると脅してきています。そうした緊張状態が続いているため、ソウルへの砲撃がエスカレートして、武力衝突が起きる可能性が否めない状況であります。そこでまず北朝鮮からソウルへの砲撃があり、武力衝突に発展した場合というケースについて考えたいと思いますが、ソウルは韓国の全人口のおよそ4分の1が住んでいるわけですけれども、軍事境界線から最短距離で37kmしか離れていない場所にあるんですね。もし北朝鮮からソウルに砲撃があった場合、道下さんに聞きたいのですが、韓国軍と在韓米軍はどう対応するのでしょうか?」
道下教授
「本格的な攻撃は、ちなみにソウルの首都圏というのは先ほど、人口の4分の1がソウルとおっしゃいましたがソウル首都圏に韓国のGDP、国内総生産の2分の1ぐらいが集中しています。ですから、そこをやられたら、韓国という国家が成り立たないというぐらいの重要性があるということをまず認識したうえで、攻撃がありますと、当然これが本格的になりますと、2つ可能性があるのですが、1つは本当に戦争が始まる前兆のような、本格的な攻撃。こうなるととにかく米韓はまず大砲、長距離砲がある場所を、弾が飛んで来るのを、弾道計算と言うんですけれども、計算して、どこから撃ってきたかというのがわかるんですね。計算して、大砲がある場所を特定して、すぐに撃ち返すというシステム。キルチェインという名前をつけているんです。そういうものを開発していますので、それでとにかく対応するということ」
反町キャスター
「撃ち返すということですね」
道下教授
「撃ち返すということです」
反町キャスター
「延坪島の時は撃ち返しても全然とんちんかんなところに飛んでいっていましたよね、韓国の反撃は。あれはどうなのですか?」
道下教授
「なぜかと言いますと延坪島の時はちょっとした攻撃だったので、すごい反撃をするわけにいかなかったんですよ。ですけれど、本格的な戦争の場合は、おもいっきり対応できますから、かなり多連装砲とかを韓国側はバーンと撃ちかえすということ。弾道ミサイルとか、いろんなミサイルが使えるということですので、対応はある程度できる。もう1つの可能性は、瀬戸際外交的に、延坪島に撃ったように限定的にちょっとだけ撃って、脅しをかけて、たとえば、外交交渉に持ち込んで、何か情報を引き出すとか、そういう場合は大変困るわけです。確かに撃たれたのですから、ある程度の反撃をしないといけませんが、あまりやっていると先ほどのお話に出たようにだんだん紛争が広がって、本当に大きい戦争になってしまう。韓国は戦争をしたら、戦争には勝てるかもしれませんけれども、繁栄した韓国というものが破壊されてしまうわけですから。北朝鮮は、逆に、あまり失うものがない。もともと貧しいので、ないので、そういう時は韓国側がどうしても戦争だけは避けたいという気持ちになるわけです。そうするとある程度、撃たれた場合でもとりあえず形としては反撃だという形にしつつ、エスカレーションさせないで終わるとなる可能性が高く、こうすると結構、北朝鮮が有利な立場に終わるリスクはあります」
反町キャスター
「実際の正面切っての戦いを切るリスク。そんなにはと言いながらも、偶発的な、事故的なものも含めると、リスクはあるだろうという話だと思うんですけれど、そうした中で、日本政府で、小野寺さんのいらっしゃる委員会で議論をしているのは、安全保障法制ですけれども、その中でも今回、普通に言うと、朝鮮半島で現在言われたような有事が発生した場合、まず重要影響事態にあたる対応を政府はとることになるという想定になると、そこはよろしいですよね?」
小野寺議員
「現在の法律では、周辺事態ということで対応します」
反町キャスター
「現在やっている議論で言うと、重要影響事態にあたる?」
小野寺議員
「新しい法律ができると、我が国にこれは大変大きな影響が出てくるということで、周辺重要影響事態に認定をさせていただくと思います」
反町キャスター
「そうすると、周辺事態との認識でできること、今度の場合は、安保法制による重要影響事態という認定によって、新たにできるようになること。この違いというのはどういうことになりますか?」
小野寺議員
「現在の周辺事態ですと、あくまでも物資の輸送だけです。ですから、米軍の様々なものを運んであげることになりますし、行ける場所というのはかなり限定されています。ところが、今回の重要影響事態となりますと、これは政府として、日本が独自に判断しての協力ということになりますが、たとえば、水の供給とか、食料とか、あるいは油とか、1番グレードが高い場合は弾薬まで提供するということができますので、しかも、行える場所というのが、戦闘現場以外のところということになりますので、そういう意味では、かなりあと押しをするようなことができるようになります」
反町キャスター
「米艦防護であるとか、ミサイル防衛であるとか北朝鮮から撃ち出してくるであろうミサイルをアメリカのイージス艦か日本のイージス艦が共同で対処して撃墜するとか、そういうことができるようになるということが今回の法制の1つの新しい展開。こういう理解でよろしいですか?」
小野寺議員
「そうですね。私どもは、特定の状況で、それを想定して法整備をしていると表面上は言っていませんが、ただ、私どもはいろんな安全保障の状況を想定する中で、特に、北朝鮮の様々な動向、発言、実際にやっていることを相対的に見ると、ここに対応するためにはどういうものが必要だろう。そういうのも、1つのケースとして考えていく中でどうしてもこうやってしまうと、まだ日本は攻撃されていないけれど、次は必ずこちらにくるかもしれない。こういう時に3要件を改めて、存立危機事態ということになれば、私どもとしてはしっかりとした対応ができるということだと思います」

朝鮮半島有事と安保法制
反町キャスター
「李承晩大統領の朝鮮戦争当時の発言。これはかなり刺激的なのですが、読み上げると『最近、巷で日本軍が参戦してくる説が流れているが、これはあってはならないことで、もし日本軍が参戦すれば、我々は銃口を変えて日本軍を先に撃退しなければならない』と。これは昭和26年、1951年の朝鮮戦争当時の李承晩大統領の発言ですが、この感覚は、李承晩大統領の発言というのは、韓国の人達の間で脈々と続いていると思いますか?」
権教授
「これは1951年の話で1945年まで植民地支配を受け、5、6年しか経っていないところですけれど、この1週間前にソウルが落ちているんですね。だから、ソウルが中国軍の参戦によって落ちているところでも、日本軍は欲しくないという、そういう状況を言っているというのは、よっぽど朝鮮の人達の、そのいかなるものかというのは…。これはかなり落ち着いているんですけど、(現在でも)こう思っている人はかなりいます。だから、たとえ、戦争に少しなっても、そのあとの面倒なことを避けるためにも、なるべく外国軍を招き入れないというのが…」
反町キャスター
「北朝鮮軍は外国軍ではないの?」
権教授
「いや、これはあくまで内戦ですよ」
反町キャスター
「そういう見方。北朝鮮と南北で…朝鮮戦争は内戦であって、そこに、日本軍、自衛隊ですよ、日本の自衛隊が後方支援で行くと、それは外国軍になってしまうのですか。そうすると、その時点で韓国軍というのは、北朝鮮に向かって撃っていた砲を自衛隊に向けて…」
権教授
「それは当時の気持ちを…」
反町キャスター
「いや、現在の状況」
道下教授
「ただ、確かに、韓国はまだ残念ながら、反日感情というのがありますので、気持ちとしては、確かに、ちょっと反発を感じる面はあると思うんです。ところが、専門的に、安全保障の担当者、専門家に聞きますと、日本が貢献してくれるのはありがたいし、今回の新しい法制度だって、これは韓国の安産保障にプラスになると言ってくれます。ただ、それをあまり公に、そういうことを言うと、こいつは親日派だとか言って怒られてしまうので、あまり言わないということです。しかも、現在は平時、戦争が起こっていない状況ですから、ちょっと嫌だよねと言いますけれど、でも、戦争が起こったら、生きるか死ぬかの状態ですから、どんな協力でもして欲しいとなると。しかも、現在、戦後長い間、韓国と日本は友好的、気運的には友好な協力関係をつくってきていますので、いざという時は、それはちゃんと協力をしてあげる、感謝していただけると思っています」

想定 韓国国内の日本人救出
秋元キャスター
「朝鮮半島で武力衝突が起こった時に、すぐに行わなければならないのは、日本人の救出ということになるのですが、現在、韓国内にはおよそ3万6000人の日本人がいます。小野寺さん、現行では日本人を救出するためには、どのようなことが可能なのでしょうか?」
小野寺議員
「現行の中でも、たとえば、もし南北の紛争があった時に、実は民間の航空機とか、民間の船舶とかというのは、基本的には危ないので、動くことは制限されると思います。そうすると、国内にとどまっている方が、どうしても。日本人を含めて、帰ってきたいというのに、たとえば、日本の船舶が動けないのであれば、これがもし韓国政府のご了解をいただければ、自衛隊の輸送艦等が、輸送の任務にあたる。今回の新しいガイドラインの中でも、このような非戦闘員の日本人、あるいは米国人を乗せて輸送をすると、お互いに確認をしあっていますので、そういう様々な想定でおそらく日本人の避難ということが行われるのだと思います」
反町キャスター
「そうすると、これまでの法制度下においては、自衛隊の船、ないしは航空機による韓半島からの法人救出というのは想定をされていなかったのですか?」
小野寺議員
「いや、これまでも、たとえば、邦人の輸送とか、あるいは先ほど言った、日米のガイドライン。防衛協力のガイドラインの中で、非戦闘員、民間人の輸送というのは想定に入っていました。ただ、違うのは、たとえば、存立危機事態になった時、米艦船、いわば日本人をたくさん乗せている、日本人を無事連れて帰ってくるために活動をしている米国の輸送艦。それに対して、もし日本に攻撃する前に、攻撃があった場合、自衛隊の船はこれまでは何もすることができなかった。なぜかと言うと、公海上で日本が攻撃をされている前に、米国の艦船を守るために、北朝鮮の船に対して、武力で攻撃をしてしまうと、これは、国際法上は集団的自衛権になってしまうので、これまでできなかった。では、どうするんだと。おそらくある自衛官の方が言っていましたが、その事態になった時に、まさか日本人を見殺しにできない。その時にどうするかというと、撃たれている間の船に、自分の自衛艦の船をわざわざ当てて、まず自分が撃たれたことで、その反撃ということで、撃ち返し、言ってみれば、体を張って、日本人を守るという行動をとらざるを得ない。でも、これは大変危険なことではないですか。今回、存立危機事態ということで認定をしてもらえれば、逆に、日本人を輸送している米国の輸送艦、これを日本の自衛隊が武力をもって守ることができる。今回の平和安全法制で変わるということになると思います」
反町キャスター
「権さん、現在の半島有事の際に、日本人をどうやって救出するのかという話をやっています。その中で、自衛隊の船や飛行機による邦人の救出、さらには日本人を乗せたアメリカ船が、たとえば、釜山から出てくる時に、そこに北朝鮮の船が攻めてきたら、それはやっつけるというか、撃退することもできるようにするという、こういう新しい法制度をどう見ていますか?」
権教授
「1995年の阪神大地震の時に、5200人ぐらいの方が、瓦礫に埋もれて亡くなったんですけれども、そのうち150人ぐらいが在日、韓国、朝鮮人達も亡くなっている。たとえば、韓国が兵隊、工兵隊を1000人ぐらいスコップだけを持たせて、我らの同胞を救い出したいと申し出た場合に、果たして日本政府が当時、韓国の救出活動に、韓国部隊の受け入れを認めたのだろうかということで、たぶん認められることはなかったはずだろうし、まして韓国がそういうことを申し出ることもしなかっただろうと。主権国家として、多少死者が出るにせよ、同盟軍ではない外国軍を招き入れることは、救出が名目であっても、なかなか難しいのが主権国家の本能です。日本もそうだし、韓国もそうです」
反町キャスター
「地震の時の話と有事の時の話というのを同じに扱っていいのかどうかも含めて、ちょっとわからない部分が出てくる。権さんの指摘をどう感じますか?」
小野寺議員
「基本的には韓国政府に邦人保護ということでお願いをすることになります。たとえば、輸送能力で、日本に輸送をする時になかなか韓国国内でそういう能力がないと。そういう時には、アメリカ政府にもお願いをすることになって動くと思いますが、仮に、もし韓国政府から日本への輸送ということをお願いされても、私どもとしてはあくまでも輸送艦が行って、港について、そこにいる日本人、もしかしたら、アメリカの一般市民の方を米軍と一緒に交互に輸送する。そういうことの役割であって、決して自衛隊員が上陸をして、何か救出に行くとか、そういうことは想定していませんし、相手の国の領海や領土に軍が入っていくということは相手の国に対しても主権の問題がありますから、ですから、総理は何度もそういうことは基本的に考えていないというお話をされているのは是非理解をしていただければと思います」

想定 北朝鮮による弾道ミサイル発射
秋元キャスター
「北朝鮮は弾道ミサイルをどのぐらい保有しているのでしょう?」
道下教授
「たくさん持っているのですが、日本の安全保障に直接関係のあるミサイルは、ノドンという名前のミサイルでして、これは200発から300発程度持っていると言われています。それは実際発射されると10分ぐらいで日本に到達してしまうので、非常に危険な怖いミサイルでありますし、あとトラックみたいなものに乗って運用されますので、いろんなところに移動できるわけですね。ですから、これを事前に発見して破壊するというのも非常に難しいということで、日本としては非常に懸念されるミサイルです」
秋元キャスター
「北朝鮮側は日本のどこを目標にして飛ばすことになるのでしょうか?」
道下教授
「1つは東京をはじめとする大都市。これは何の目的かというと、別に日本人を殺したいわけではなくて、日本人に大量の死者が出るぞというふうに脅すことによって、アメリカや韓国に協力するなという説得をしようとしているのでしょう。もう1つは米軍基地の近くに、たとえば、わざと近くにある都市に落として、米軍を助けるから被害を受けているんだというような議論をさせる。そういう可能性は高いと思います。当然、米軍基地も狙うとは思うのですが、ちょっとはっきりしたことはわかりませんが、ノドンミサイルというのはあまり精度が高くないので、ぴたっと通常兵器で基地を攻撃できる能力はあるかというと多少疑問はありますので、どちらかというと、心理的に日本人は死にたくなかったら協力するなと使う可能性が高いのではないかと思います」
反町キャスター
「弾道ミサイルが飛んできた時に日本はどのように対応することになりますか?」
小野寺議員
「北朝鮮でミサイルが発射されました。これは米軍の早期警戒衛星で直ちに、かなり短い期間で、どこで発射されたかというのが確認をされますし、そのあとは様々なレーダーを含めた情報を集めて、どのぐらいの角度で飛んでいって、このままだとどこに到達して、どこに落ちそうかという弾道計算を速やかに行って、それにあわせて、どこで撃墜したら1番いいのかということを対応します。仮に日本に来るということになりますと、1つはイージス艦に搭載していました、SM-3というミサイルでまず撃ち落とす。それが仮に撃ち漏れた場合、日本の陸上に落ちてきそうな時には、今度は陸上に設置をしましたパトリオットというミサイルで撃ち落とすと。この2段構えで撃ち落とす体制をつくっています」
秋元キャスター
「日本の上空を越えていく、たとえば、グアムを目指しているとか、そういう場合は今度の安保法制ではどのようなことが可能になるのですか?」
小野寺議員
「当然グアムにも多くの日本人がいます。米軍基地もあるのですが、現在の状況であれば、日本が攻撃されないのに撃ち落とすということになりますと、これは武力の行使にあたる。国際法上集団的自衛権に解釈されてしまうんです」
反町キャスター
「存立危機事態にあたる?」
小野寺議員
「いえ、存立危機事態までの認定をどうするかということで、国会で審議中でありますから。もし国会でこれが成立すれば、存立危機事態として認定すれば、これを撃墜することができると」
反町キャスター
「ミサイル迎撃能力をどう見ていますか?」
道下教授
「これは実際に使ったことがないので、実際の時どうなるかわからないのですが、ただ、日本の先ほどSM-3とパトリオットPAC-3という話が出ましたが、SM-3の方はこれまで4回自衛隊が実験していまして、3回成功、1回失敗、ただ、1回の失敗は、最後の撃ち落とす時に、バルブがあって、ぴゅっぴゅっぴゅっと制御する、それが不調で失敗したということがわかっていますので、これは修正できているはずです。もう1つのPAC-3というのは2回実験して2回成功していますので、小野寺さんがおっしゃったように、ちゃんと事前にちゃんと配備して、それなりの情報収集ができていれば、相当な確率で迎撃できると思います」
権教授
「軍事専門家のシナリオはあまり信用しないですけれども、たぶんその迎撃は、こちらで何時何分何秒に角度が何度でどのぐらいのスピードで撃つから、そこがわかって撃ってくれという話をして、ようやく6割、7割。果たして有事の時にそういうことになるのかと」
小野寺議員
「いろんなことを想定して訓練していますので、どこから来るかということは把握して対応できると思います。ただ、問題は一気に、たくさん撃たれた時に、撃ってくる元を断たないと根本的に厳しくなる。これをアメリカの能力に私どもは負っている」

想定 中国による北朝鮮支援
秋元キャスター
「朝鮮半島有事の際に中国が北朝鮮の支援に介入してきた場合、韓国軍と在韓米軍というのはどう対応するのでしょうか?」
道下教授
「大変困ってしまうと思いますね。北朝鮮が戦争を起こしてしまったら、アメリカも韓国も仕方がないので、逆にこれを良い機会だと捉えて、朝鮮半島の統一を目指して行動をとると思うんですね。ですけれど、中国がそこに入ってきてしまうと、また新しい紛争になってくるリスクが出てきますので、それは非常に困るでしょう。ですから、それをどうするかというのは、1つは中国がなるべくそういうところで入ってこないように事前に話しあいをし、中国の利益に必ずしも悪くない形でちゃんと統一はできますから、安心してくださいという形をつくっておくということとか、あとは最悪の場合、それでも中国が入ってきそうな場合はちょっと完全に北まで行ってしまわずに、途中で止まって、これ以上は行かないから中国も入ってこないようにしてくださいということで、何らかの合意を得るということが考えられると思います」
反町キャスター
「半島有事の時に、在韓米軍と韓国軍がグーッと戦っていく時に、朝鮮戦争の時と同じですよね、その時に中国軍が中朝国境から南下してくるような状況が想定されますか?その時はどういう状況になりますか?」
権教授
「専門家の間では、全面対決、全面戦争でも、長くて1週間。短くて3日で勝負は決まるだろうということが言われているんですけれども、中国がそういった時に、前の朝鮮戦争の時みたいに先に打ちあわせをして、それで参戦するなら別にして、偶発的な何かで全面戦争になった時に、果たして中国が素早く体制を整え、それもアメリカとの正面衝突を覚悟してまでくるかということがまず疑わしいのと」
反町キャスター
「来ないと思っています?」
権教授
「たぶんちょっと来られる時間がないだろうというのはあります。2番目として、たとえば、韓国がもちろん、米軍とあわせて統一はするんだけれど、中国の立場というのはある程度尊重しないと酷い目に遭うという歴史上経験があるので、たぶんドイツみたいに現在の北朝鮮領土には米軍は進駐させないというぐらいで、中国が妥協してくることを…」
反町キャスター
「別の形で分断が続くということになるわけですか?」
権教授
「北側を南がちゃんと統一することで米軍の駐留区域は南だけにするということで、妥協していただけないかということで、統一された韓国が果たして中国の利益にマイナスになるのか。韓国は反中国同盟には加わらないというのは、コンセンサスができているので、こういったちょっと変な体制でいろいろ迷惑かけている北朝鮮よりは統一された、ちゃんとした国として反中国にならない統一韓国がもっと彼らの利益になるということを韓国側は一生懸命、中国側に説得しているので、中国側は…」
反町キャスター
「現在、説得している?」
権教授
「はい」

小野寺五典 自由民主党政務調査会長代理の提言:『抑止力』
小野寺議員
「今回の平和安全法制をしっかり整備することによって法の隙間がしっかり埋まるということと、日本人、日本を守るために、たとえば、米国を含め様々な国と連携をとるということになりますから、これは抑止力が向上します。抑止力を高め、これからも平和をしっかり保っていきたい。そのための抑止力のために今回の平和安全法制の整備をしているということを是非ご理解いただけるようにこれからも丁寧に説明していきたいと思います」

権鎬淵 法政大学法学部教授の提言:『・現在の後方支援体制で十分 ・法治主義のプロセス ・身辺問題が先決』
権教授
「現在の後方支援体制、日本の領域内で米軍を後方支援する体制で、特に、朝鮮半島関係はそれで十分である。だから、そこをちょっと拡大していくというのは朝鮮半島の軍事情勢上は必然性はかなり少ないと私は思います。それと、日本人が判断すべきものかもしれないんですけれども、民主主義、法治主義の、アジアのリーダーとして、憲法ということと関連して、閣議決定で憲法の内容を変えるような態度というのは、民主主義としてはプロセスを大切にすべきなので、ちょっとプロセスが間違っているのではないかということと、こういった外で戦争して国際貢献をするというより、自ら抱えている身辺の問題。たとえば、領土問題も日本側がちょっと説得力のない話をする場所がたくさんあるんですけれど、それだったり、歴史認識問題だったり、そういうことを先に解決する問題がかなりあるので、それを解決してから次に進むべきだと思います」

道下徳成 政策研究大学院大学教授の提言:『思いやりを持った真剣な議論』
道下教授
「これはどういう意味かと申しますと、実は日本もアメリカも韓国も防衛努力をそれなりにきちんとがんばってやっています。けれども、もし朝鮮半島で何かあったら韓国をまずアメリカが助け、韓国を助けているアメリカに日本は基地を提供し、あるいは後方支援をするというこの協力関係によってその能力が最大限引き出されるわけですから、協力をいかに維持できるかということが大切です。ただ、当然お互いに被害も受けるわけですから、思いやりを持って、相手も大変だけれど、大変だから自分もがんばろうということで協力をしていかないといけないのですが、そのためには思いやりを持ってお互いに議論を、しかし、真剣に協力のための議論を進めていくことが大切だということです」