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2015年6月29日(月)
急転TPP最終局面? 7月合意にハードルは

ゲスト

西村康稔
内閣府副大臣 自由民主党衆議院議員(前半)
小野寺五典
自由民主党政務調査会長代理 衆議院議員(後半)
菅原淳一
みずほ総合研究所政策調査部上席主任研究員

米TPA可決 TPP交渉はどう変わる?
秋元キャスター
「先週24日に、アメリカ議会上院で可決されましたTPA法案(大統領貿易促進権限法案)ですけれども、概要としましては、TPPなどの通商協定案を作成する権限を、大統領、政府に与えて、議会は政府が作成した協定案の賛否をするだけの権限に制限する法案ということです」
反町キャスター
「TPAがあるとないとで対米交渉はどうやりやすくなると見たらいいのですか?」
西村議員
「通商権限はそもそも議会にありますから、議会がいろいろ口出し、口出し、本来はできるわけですね。ですけど、USTR(米国通商代表部)が交渉して、現在、まとめようとしているわけですけれども、議会から一括して、その権限をUSTRに与えて、最後、まとまったものは、合意されたものが、議会にかかった時に、イエスかノーで判断をするということですから、修正はないということですね」
反町キャスター
「これまではTPAがないと、USTRと甘利さん、西村さんが一生懸命にやったとしても…」
西村議員
「まとめたとしても、今度、議会で修正されるわけですね。これを直してこい、あれを直してこいという可能性があるので、そうなると、何のために合意したんだと。何のためにギリギリの交渉をやったんだということになりますから、USTRとまとめたものが、議会にイエスかノーで、修正なしで承認されるかどうかということですから、これは最終の案だということですね」
反町キャスター
「一括で議会から○(マル)をもらうためには議会の過半数の人がイエスという法案をまとめないと、戻せないわけですよね?」
西村議員
「そうです。それは、我々も一緒です。我々も一緒ですから、これは与党も含めて、与党の公約もありますし、それから、決議もありますから、それの範囲内でまとめないと、イエスと言ってもらえないので、アメリカ側も議会からいろんなことを言われていると思います。それぞれの品目なり、いろんな項目について言われていると思います。それはお互いに言われていることを、背負って交渉して、最後、これならまとめられる、お互い通せるとなると、それは我々、責任を持ってやりますし、アメリカもそれは責任を持ってやってもらいたいわけですけれども。そのギリギリの交渉がどれだけあと狭まるかということをやっているわけですね」
反町キャスター
「菅原さん、話を聞いていると、決してTPAが可決されたことによって、USTRが、妥協に向けて柔軟な姿勢をとるとはとても思えないような話だと、僕は思ったんですけれども、そこはどう見ていますか?」
菅原氏
「もちろん、交渉の柔軟性が広がることは、期待はしていますけれども、困難なことはTPAが通ったことによって、要は、アメリカ議会がつまみ食いができなくなったということですね。要するに、全体がパッケージになっていて、この全体を見て、イエスかノーかという、副大臣がおっしゃったことですね。と言うことは、これ(TPA)がもしないと、ある議員がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の95%はOKだと。だけど、残りの5%がどうしても気にくわないと言う時に、この5%分を再交渉してこいと言えるわけですね。ところが、TPAがあると、95%を捨ててまで5%をとりにいくのか。全体で見たらTPPは、アメリカにとっていいものだから賛成をしようと。こういう全体のパッケージを見ての賛否に変わるので、そういった意味で言うと、TPPが通りやすくなるというか、支持を得やすくなると。そういうことだと思いますね」

7月下旬大筋合意は可能か
秋元キャスター
「最近の流れを見ていきたいと思います。4月の21日に日米閣僚協議がありました。23日から26日。5月16日から27日で、首席交渉官会合が行われています。そして先日のTPA可決があったわけですけれども、7月下旬に閣僚会合開催かと言われているのですが、西村さん、このTPAが可決されたことで、7月下旬には大筋合意ができるのではという見方も強くなっているのですが、来月の合意というのは可能だと見ていますか?」
西村議員
「これは、アメリカの政治日程を1番気にしていまして、これは来年、大統領選挙があると。スーパーチューズデーが2月ですかね。ですから、来年に入るとなかなか、ですから、議会で議論をし、あるいは共和党と民主党が手を握って一緒に通そうとかいうと、なかなかやりにくくなるのではないかと。こういったことを含めて考えると、しかも、議会で、最大90日、TPA法案に、最後、合意するかどうか。承認するかどうかについても、そういう規定がありますので、そういったことを考えると、逆算をしていくとできるだけ早く開いた方がいいということですね。署名の前に、実は60日前にはテキスト文を公表するという規定も入っていますので」
反町キャスター
「何の60日前に?」
西村議員
「署名の60日前に、このテキスト本体を公開すると」
反町キャスター
「議会に対して?」
西村議員
「全部。世の中に対して公開、公表するというのもありますから。そうすると、結構、日にちがないですね。90日ですとか、60日ですとか、いろいろ考えると」
反町キャスター
「甘利TPP担当大臣、こういうことを発言しているんですよ。『できるだけ関連法案は臨時国会に間に合うように対処したほうがいい。その方が議会に親切だ』と。こういう話も25日にされています。臨時国会というと、現在やっているのは通常国会で、9月の27日までです。それのあと、多少休むにしても、秋には臨時国会を開くだろうと。その主なテーマやTPPに対する関連法案、ないしは補正予算みたいなものがあるのではないかと、皆思っているんですけれども、この臨時国会に間にあうようにした方がいいという、この日本側の政治日程の感覚。これはどう見たらいいのですか?」
西村議員
「それぞれの国が、それぞれの手続きをやっていきます。アメリカは先ほど言いましたけれども、大統領選挙の日程が入ってきますので、年内か、年明けギリギリかはわかりませんけれども、どこかでまとめ、議会を通したいと。そうすると、日本としても、当然オープンになっていますから、先ほどの議会に出す前の、署名の前の、60日前にオープンにするとなっていますので、そうなると、日本としても早くやって同じタイミングでやれればいいんですけれども、日本語の訳とか、これは法制局で、一言一句チェックをしなければなりませんので、できるだけ、そこは間にあうようにやりたいということですね。あわせて発効する、スタートするのはすぐに国会の承認がとれたからと言って、それでTPPの、その枠組みがスタートするわけではありませんので、まだ、期間がありますが、しかし、いろんなことに対応する法律は変えていかないと、知財がもし変わるとすれば、他にもいろんな法律があるかもしれないと。関連法案がありますので、できるものはできるだけ早く対応した方がいいというのは、これは、大臣が言われるように、一般的に言うとそういうことだと思いますので、できるだけは早く対応するということだと思いますね」
秋元キャスター
「菅原さん、TPP批准までの流れを説明していただけますか?」
菅原氏
「副大臣の方から逆算というお話があったので、逆に見ていただくのがいいと思うんですけれども、年内に署名ということが書いてありますが、署名よりも先の議会承認の段階も、年内というのが現在のお話で、大統領選挙が本格化する前ということです」
反町キャスター
「アメリカのお話ですね」
菅原氏
「そうです、アメリカの。その前に、署名も交渉、妥結もやらなければいけないということになるわけですね」
反町キャスター
「首脳署名よりも前に、アメリカの議会承認?」
菅原氏
「あとにある、署名のあとに、議会に提出されるわけですから」
反町キャスター
「署名のあとに、米議会承認ですね」
菅原氏
「署名の前には、副大臣の方から60日前にテキストを公開というのがありましたけれども、さらに、その前に、署名の90日前に、署名の意思があるということをアメリカ政府はアメリカ議会に通報しなければならいんですね」
反町キャスター
「議会への通報」
菅原氏
「これは署名よりも90日前にやらなければならないということですね。そうすると、たとえば、大筋合意を7月末にやって、その時点で即座に大筋合意の時点ではあまり通報するということはないのですが、今回、特別に、大筋合意をしましたということで、通報したとして、そこから90日しないと署名できないと」
反町キャスター
「通報というのは、中身を全部通報?」
菅原氏
「いや、違います。署名する意思を通報するんですね。そこから30日経った60日以内に、今度は、テキストをUSTRのホームページにアップしなければならないというような手続きが始まるわけですけれども、そうしますと、7月末から90日以内ですので、8月末、9月末、10月末と、7月末に大筋合意をして、即座に議会通報したとしても、10月末までは署名ができないということになりますので、それは90日経った、すぐあとに署名をしたとしても、だいたい11月頭というのが1番はやいケースということになるわけですね。10月末ですから。そうすると、たぶん普通だったら臨時国会を開いていますので、署名してから普通、臨時国会に提出するまで、そんなに短い期間ということはないのですが、今回はこの90日間も使って作業を進めておいて、もっと言ってしまえば、TPP交渉、現在21分野と言われていますけれども、全部で29章、チャプターにまとめると言われていますが、だいたいその3分の2ぐらいはほぼ合意をしていると言われているんですね。従って、その合意したものについては、ここに書いてある法的な洗い出しとか、英文の調整とかというのは全部、先にやってしまっているということ、ここから始まっているということですね。そういうものを全部やっておいて、署名をしたら、あまり日を置かずに、臨時国会に提出するということが可能になるかもしれないと。ただ、それでも、年末までは2か月は切っているという状況ですので、果たしてその間に全て法案を通せるのかというのはなかなか厳しい状況になるのかなという、そんな感じです」
反町キャスター
「そうすると、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議は11月でしたか」
菅原氏
「11月18日」
反町キャスター
「APECはフィリピンですよね。そのあたりというのはよく首脳の署名のタイミングにいいのではないかという政治日程の議論として出るんですけれど、それはまさに現在のスケジュール感から言うと、7月の末に意向を表明して、90日。そうすると、11月18日のAPECというのはドンピシャ?」
菅原氏
「そういうことです。署名をするのであればAPECの首脳会談にあわせてというのが1番美しいということだと思います。ただ、11月の18日、19日ですから、そこから、本当にあと1か月、ちょっとしか国会が開いていないというのが、普通の臨時国会ですね」
反町キャスター
「それは日本の話?」
菅原氏
「日本の話ですね。だから、日本が臨時国会でと、甘利大臣がおっしゃっていて、そうすると、日本の方がかなり厳しくなるという。もちろん、アメリカの方も年内にもしTPP実施法案を通すということであれば、1か月ちょっとで通さなければいけないというのは、アメリカにとっても、かなり…アメリカの場合、クリスマス休暇とかもあるので、日本よりもはやく閉めなければならないかもしれませんけれども、かなり厳しいですね」

AIIBの影響は
反町キャスター
「AIIB(アジアインフラ投資銀行)というのが急に出てきました。今日も北京で、その締約国会議が行われ、57か国中の50か国だったか、署名をして、いよいよ年内にも発足ということになってきました。このTPPの議論が始まった2年前にこの話はなかったですよ。ここにきてAIIBというのができてきて、中国の経済力、資本力が様々な国に対して、アジアにおいて、1つの柱を立てようとしている。日本、アメリカはこれに入っていないので。そういう中で、もともとTPPというのは対中包囲網も1つの、ないしは中国を呼び込むための、経済自由化のステージ、フォーラムだという議論がかつてあったではないですか。現在もそれは残っているかもしれない。そう考えた時にAIIBがここまで進んでいる時に、日米はそんなにいつまでもかかっていいんだよではなく、これは少なくともAIIBが年内に発足するのであれば、我々としてはステージを早めに設置しなければならないという、そういうモチベーションは働きますか?」
小野寺議員
「もちろん、日米を含めた私達の価値観、これは、たとえば、様々な、今回、知的財産の問題とか、商業のルール、いろんなことがあります。私どもは、スタンダードに、逆に巻き込んでいく、入ってもらうというのが、これは日本にもアメリカにもプラスだと思っています。だからこそ、この交渉をうまくいかせるために、私ども関心を持っている、もしかして、この交渉の中で光と影の部分があるとすれば、影の部分になるかもしれない農産物の問題について、これについてしっかり手当をして、国会の決議をしっかりと守っていただいたということで、しっかりとやっていただければ、実は、これが前に進む。日本にとっては、これはプラスになるし、私どもは関心を持って、影の部分になるかもしれなかった農業の部分が、実はしっかり守っていただいていると。こういう交渉を含めて、かかると思いますので、これから先、正直言うと、日本、アメリカを含めた大きな命運というのは、失礼ですが、大きな経済圏のことに関して、この農業分野について、どれだけしっかり国会にも説明できる内容で交渉をしてもらえるかということにかかっている。それは、甘利大臣も認識している。西村副大臣もよくご存知ですから、そういう意味で、ここをしっかりやってほしいと思っています」

21項目に関する懸念
秋元キャスター
「TPP協定にあげられている21項目、物品市場アクセスですとか、貿易円滑化とか、このあたりがよく報道に出てくるものですけれども、先ほどの農業というのは1番に入っているんですね。小野寺さん、この農業に関して、具体的な懸念というのは、どういうものがあるのでしょうか?」
小野寺議員
「これはまだ交渉が当然、まとまっていませんし、私ども秘密会ということで聞いていますので、何も知らされておりません。私どもが現在、唯一わかっているのは、この問題について、特に重要5品目を含めて、しっかり私どもとして、これは国会の、衆議院、参議院の両方の決議がありますが、再生産できる、しっかりした形で守ってほしいということを決議していますので、そのことについて当然、政府は前提にして交渉していると、私どもは理解しています」
反町キャスター
「小野寺さんとして、一番懸念しているのは、どこの部分で、どんな状況が起きるのではないかという懸念なのですか?」
小野寺議員
「まず国益を守るということはどういうことかというと、国として、これはプラスになるかどうかと考えていくことになります。いろんな形で、TPPは、これは国益としてプラスだということで、たとえば、私どもが判断をした場合に、そうは言っても、これですごく良くなる分野、たとえば、もしかしたら自動車、あるいは機械製品、輸出が中心のところはよくなるかもしれない。あるいはそこを主に生産をしているような地域。これは良くなるかもしれない。逆に、向こうから要求している分野。特に、農産物分野が多いのですが、こういうところが、仮に少しでも影響を受けることになると、農業の分野は厳しくなるし、農業地域は厳しくなる。こういうこと全体を見て、これは守るところはしっかり守れた。とるところはとれるんだと。こういうことであれば私どもは納得します。そして、私どもが納得をするということは、このあとの国会での承認。これについて批准について、これはすごくやりやすくなりますから、私どもとしてはこの動向についてどうなるか。これはじっと注視していますし、実は、私だけではなく、昨日も今日もそうですが、特に、農業団体の皆さんが、いろんな報道が出ていますので、そのことについて様々な不安の声を持っています。そういう声を私どもに届けながら、是非守ってほしい。そういう切実な声があります。当然同じ声を西村副大臣も甘利大臣も聞かれていると思いますので、私どもはしっかりこの声を踏まえて交渉していただきたいと思っています」
反町キャスター
「菅原さん、具体的には、この重要5品目というのがあがっている中で、それぞれの状況を、どこの部分が、1番開放度が高くて、生産者が打撃を受けそうだとか、見立てはどういう状況ですか?」
菅原氏
「それはまったく情報というのは、報道ベースで。報道があると必ず政府が否定をするというのがありますので、何が本当のことかわからないので現在は何も言えませんけれども、ただ、一般的に言われているのは、米という大きな問題がありますけれども、その他、畜産関係ですね。牛肉、豚肉とか、乳製品というのは、現在バター不足なんかもちょっと問題になっていますけれども、交渉と限らず、関係なく、国内での体力が落ちているというところがありますので、そこがもし自由化の対象になれば、当然、大きな打撃になりかねないということになるかと思います」
反町キャスター
「体力が落ちているところが、さらに、自由化によって、関税が下がることによって、撤廃されたりすると、さらに、安い外国製の産品がどんどん入ってくる。それは消費者にとっては良いことかもしれないけれど、農業セクターで働く人達にとっては、いわば自由化の犠牲になっているのではないかという議論になると。そういう理解でよろしいですか?」
菅原氏
「そうです。ただ、片や、本当にTPP交渉とは関係なく、現在、安倍政権は農政改革を進めていますから、その農政改革とひょうそくが合った形で、TPP交渉の合意がなされるという分には、それはいいということだと思います」
西村議員
「まず小野寺さんが言われたように、この5品目については国会の決議もありますし、我々としてはその決議を、しっかり受け止めて、踏まえて交渉をしていますので、国会で承認をいただけるように、ギリギリの交渉をやっています。具体的な内容は申し上げられません。日米でもまだ詰めるべき点がありますし、アメリカだけではなくて、他の国でも、日本に輸出したいという国はあります。ニュージーランドのグローサー大臣ですか、乳製品もまだまだというような発言もされたと報道されています。ニュージーランドの場合は乳製品。主な輸出品目はこれしかないと言っていいほど、ここにかけていますので、ここは激しい交渉でこれまでやっています。最後までギリギリの交渉をやって、国会で承認をしていただけるようやっていきたいと思いますので、何とか粘り強くやっていきたいと思っています」
反町キャスター
「いずれにしても、攻めの農政とは言いながらも、関税を下げていく、ないしは撤廃することによって、そのダメージ受けかねないから、重要15項目というふうに、国会の方も言っているわけです。そう考えた時に、自由化の波に対して、いかに農業を支えるのか。ないしは構造を改革するのか。支えるのと、構造改革は意味が違っているではないですか。集団化して、大規模化して強くするという農政を敷いていくのか。ないしは現在の小規模の農家の人達を、そのまま生きていけるように対応をするのか。これが政府の対応によって全然意味が違ってくると思うんですけれども、そのへんのパッケージの政策というのは、先ほどのTPPの議論と平行で、国会に出てくるものになるのですか?」
西村議員
「これは、TPPあるなしに関わらず、農家の皆さんは高齢化しています。私の地元も淡路島、明石の都市農業もありますので、淡路島の玉葱、ちょうど季節ですけれど、農業自体も非常に、将来、先行きが不透明な感じになっていますので、TPP関係なしに、規模を集約できるところはしていこう。それから、6次産業化もやっていこうと。付加価値を付けて出していこう、あるいは輸出をもっと強化しようと。いろんな動き。それを地域の農協が自由度を発揮して応援をしていこうというようなことで進めていますので、それはそれでTPPのあるなしに関わらず、それはやっていくと。そうしないと、日本の農業も後継者がいないとか、先行きが非常に厳しい状況になっているので、これは、成長戦略にしっかりと書き込んでいますし、様々な法案、法律も通していますし、これは進めていくということです。一方で、輸入については、規模が全然、アメリカとオーストラリアも、日本の1000倍ぐらいの規模でやっていますので、条件が全然違いますから、対等でやるには相当厳しい。努力はしますよ。もちろん、努力もしますけれども、それは厳しいものもありますので、我々として国会からいただいた決議というのは私自身もよくわかりましたし、一定のところは守らなければいけないと。再生産できるような仕組みはしっかり維持できるようにやっていきたいと思っています」

TPPの今後と日本への影響
秋元キャスター
「TPPについて、地元の懸念はありましたか?」
小野寺議員
「まず地元の農協の総代会を何か所かまわって、こういう状況が現在起きていますという話をするのと、実はここに来る直前まで、宮城の土地改良区の理事長さん達が皆、集まってきて、そこで自分達は今後いろいろ強い農業をやっていくために土壌整備だとか、いろんなことをやるんだけれど、前提となるのは、そうやって土地を集約して後継者をたくさん育成して、農業を続けても大丈夫なのかと。結局、この問題で本当に農業を続けられない状況になると、その方々が現在一生懸命努力していることが、前提が崩れてしまう。そういう意味では不安はあるんだと思います」
反町キャスター
「そのへんの話に対してはTPPの全体の日本の国益の話で、農業従事者の方は納得されるのですか?」
小野寺議員
「まず地方の実態ということを聞いていただきたいのは、1つは当然農業ですから、農業で生きていかなければいけないので、皆一生懸命に農業されています。ただ、同時に、お父さん、お爺さんだけで、息子さんまで全員農業でその地域でやっていけないとすると、息子さんは地元の企業に勤めます。地元の企業は、たとえば、宮城もそうなのですが、最近は自動車関連が実は進出をしてきて、自動車の関連の工場で、実は息子さんが働いている。そういう意味では、この問題というのは決して一枚岩ではなくて、地域を見れば、農業も大事、自動車産業を含めた様々な輸出産業も大事、両方が実は農家の所得の中に入っている場合もあります。いろんなことを想定して考えていくと、大きな意味で日本の国益になるのであれば、これは政府として検討するべきことがあると思いますね。ただ、その中で1番おそらく厳しい環境になるかもしれない農業については、これは国会で決議していますから、そこを守ってくれ。言ってみれば、攻められるところはしっかり守れ、逆に攻めるところはどんどん攻めろと。結果として地域だけではなくて、国全体として、地域にもプラスになれば農家の所得はお爺さん、お父さんはしっかり支えてくれるよと。息子さんは自動車産業が良くなるからボーナスが出ますねと。あわせると家の中の経済は潤っていますと。こういうのが実は国益と思うんです。これが最大限できるような交渉内容になっているかどうか。それを私達はしっかりチェックしていくということだと思います」
菅原氏
「守るところは守る会の幹事長にお聞きになった方がいいと思いますけれども、攻めるところは先ほど副大臣も少しおっしゃっていましたけれども、当然、鉱工業品でも、ベトナムの自動車関税70%なんてまだ残っているようなものもありますから、そうした課税費の撤廃というのも当然あります。その他、サービス貿易とか、投資の自由化、それから、政府調達というのはこれからまだまだ新興国インフラが必要となっている中で、政府調達市場を開くというのは、日本にとって大きなビジネスチャンスということになりますから、そういったところとか。様々なところが幾つもあるということだと思います」

日本が守るべき国益とは
反町キャスター
「市場アクセスは、日本はつらいところがあるにしても、他の分野は、日本にとってメリットが大きいと、こんな理解でよろしいですか?」
菅原氏
「ただ、投資の中では、たとえば、政府や我々は問題がないと考えていますけど、ISDS条項に対する心配を持ってらっしゃる方もいらっしゃいます」
反町キャスター
「ISDSというのはどういうものなのですか?」
菅原氏
「投資した投資家が、相手国の政府がTPPで約束したことに違反したと。その違反したことが原因となって、その投資家が損害を被ったという時に、その国の司法制度ではなく、国際的な仲裁の場に仲裁を求めることができると。そういう制度ですけど、これは基本的には本来的に民間の契約と同じで、相手が損失を被ったんだったら、それを補償すべきだというようなところについて補償するというものですけれども。ただ、国際仲裁というのがなかなか日本では馴染みがないと言いますか、日本のEPAはこれまで15件締結していますけれども、そのうち13件ではISDS条項が入っているんですけれども、1度も使われたこともないということもあって、なかなか皆さんからこのISDSというのが国家の規制権限を侵すのではないかという不安を持っている方が多くいらっしゃるということですね。ですから、これがTPPではしっかりと国家の規制権限が侵されないような、いわゆる政府ガード措置というものがしっかりつくられているかどうかというところは、これは合意内容がオープンになった時にしっかりチェックしなければいけない1つの項目ではあると思います」

今後のTPP交渉 国内手続きはどうなる
秋元キャスター
「党内論議、それから、国会での議論というのはどういうスケジュール感で考えていますか?」
小野寺議員
「まず交渉が本当に妥結して、実際その内容について、国会に開示されるかということ。これがまだ行われていませんので、何も現在の段階では言えませんが、ただ、この交渉に入るにあたって、私どもとしては当然、もしかしたら1番厳しい状況になるかもしれない農業分野についてはしっかり守ってほしいということが、これが前提での議論になっていますし、特に、衆議院、参議院の委員会で決議も出ていますので、政府はその決議、決議というのは重いものですから、それを背負って、その決議にある面で適合するような形で交渉を続けていただいていると、私どもは信じていますので、その限りで政府はあと押ししていきたいと思っています」
反町キャスター
「TPPにおける自民党がとろうとしている農業政策は対立しているようで、対立していない印象を受けるのですが」
菅原氏
「基本的に同じ方向を向いているのではないかと思います。先ほども私は、安倍政権の農政改革というのはTPPあるなしに関わらずこれまで進んできている。それとひょうそくが合う形でTPP交渉が合意に到ることが重要だと申し上げたんですけれども、これは小野寺先生がおっしゃったことにまったく違和感なく聞いていたんですけれど、現在進めている農政改革を邪魔しないような形で、ただ、重要5品目はまったく無傷でいられるかというと、これは一時、甘利大臣も無傷じゃ無理だということをおっしゃいましたけれど、現在はどうお考えかわかりませんが、ただ、そういったものを自由化するにしても、自由化の水準というのを考えなければなりません。また、期間も、たとえば、即時撤廃というのはなかなかこれは考えにくい問題ですから、オーストラリアの時も牛肉というのは関税半減、それも15年とか、18年かけてという状況でしたから、そういった形で先生がおっしゃったような改革をやるに十分な年数とか、水準でTPP交渉が合意に到るということが重要だと思います」

菅原淳一 みずほ総合研究所政策調査部上席主任研究員の提言:『危機感の共有』
菅原氏
「後半の話というより前半の話からの流れですけど、危機感の共有ということで、これはTPPに参加している12か国、それから、当然日本国内ということもそうなのですが、TPPというのは成長戦略の重要な一部になっていますから、日本経済がこれから活性化していくためにはTPPというものをやってかなければいけないということです。今回、まさにこの7月末まで甘利大臣がタイムリミットというところまでに大筋合意まで持っていかなければ、TPP交渉というのは、2017年以降まで漂流する可能性が言われているわけですから、まさにここでまとめないと、というところでそういう危機感を持って、各国がお互いに歩み寄れば、もちろん、やってはいけないという譲歩はやらない前提ですけれど、国益をしっかり確保して、お互い歩み寄れば、何とかまとまるのではないかという期待を込めてという提言になります」
小野寺議員
「大きな意味でのTPPの存在、これは大変重要だと思います。まとまらないと日本の経済にとってという危機感、よくわかります。逆に私どもの危機感というのはTPPが仮に進む中で良い地域、良い分野がありますがひょっとしたら環境的に厳しくなる分野、厳しくなる地域、農業を含めて、そういうことがあるかもしれないと。そちらの危機感についても逆に進める方に共有していただいて大変なところについては大変にならないように、しっかり交渉していく。そういう両方の危機感がうまくあえば、国益にとってプラスになると思います」