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2015年6月23日(火)
『東京圏』高齢者急増 地方移住は最善策か?

ゲスト

石破茂
地方創生担当大臣 自由民主党衆議院議員
増田寛也
日本創成会議 首都圏問題検討分科会座長
森雅志
富山市長

10年間で175万人 『東京圏』高齢者急増対策
秋元キャスター
「今月4日、増田さんが座長を務めている日本創成会議首都圏問題検討分科会は、東京圏、つまり、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で、今後10年間に75歳以上の高齢者が175万人増えて、全国の増加数の3分の1を占める見通しになると発表しました。東京圏で75歳以上の高齢者が急増することによって増田さん、まず懸念されることは何でしょうか?」
増田氏
「特に、要介護度で3以上です。3、4、5の方。この方々は施設でどうしても対応できるようなことが、基本的には必要な方々だと思うのですが、そういう皆さんの数も、現在段階で1万4000人以上、1万5000人近く待機していらっしゃるということですから、東京都はそういった施設を、これからできるだけ増やしていこうと。いろいろ努力はしているのですが、これからの計画を見ていましても、すぐに施設はなかなか増やせないものですから、現在とりあえず、4万2000人ぐらいから6万人ぐらいまで、そこの収容者の数を増やそうとしていらっしゃいますけれども、現在待機していらっしゃる方々でも、すぐに埋まるぐらい。これから本当に、本格的に団塊の世代が75歳以上になるにつれて、いろいろな対応ということでいうと、特に、介護の面で、非常に不安が出てくるのではないか。こんなことが予想されます」
反町キャスター
「増田さん、介護用の施設とか、介護用の人材が不足すること。東京都区部の施設不足や人材不足の、日本全体に対する影響をどう見たらいいのですか?」
増田氏
「現在施設についての対応、なかなか難しい対応だと思うのですが、用地の確保なんか。1番、私が懸念しているのは人材ですね。介護を支える、いわゆる介護職にあたる方とか。これからの我々の計算ですと、2015年ですと都区部の足りないところ、あるいは千葉の足りないところ、周辺部のところで賄うということです。東京圏全体で移動しながら、全体を賄っていると。これを、10年後の2025年になりますとどこでも足りなくなるものですから、結局こういう人達に対して、施設だけではなくて、地域に戻って、住み慣れた地域で、介護を、これからサービスを提供していくという大きな流れがある、その時にどうしたって気になるのは人材ですよね。現在でも全国で介護人材が足りない。処遇の問題もあってですね。ということを言われている中で本当に東京圏だけでこれを解決するということになりますと、全国からざっと考えても80万、90万人を、さらに地方から介護人材を集めてくるということになりはしないのか。現場はきついですからね、高齢者が支えられる側から支える側にまわってほしいと。いろんな機械などを使って重労働のところは、それで兼務をして、と思っているのですが、心配は、介護現場は20代の若い人が中心になっていますので、現在、懸念される地方消滅の原因である地方から若い人達が、また、さらに、オリンピックのあともずっとそれが続いていって、あるいはさらに加速をして、地方消滅の大きな原因をつくっていくのではないか。ここが非常に心配されるところです」
石破茂地方創生担当相
「私達は、無理に高齢者の方々に地方に行っていただきましょう。東京は面倒を見切れないので、地方は余裕がありますよということこを言っているわけではないです。そんなことできるはずもないし、だけど、内閣府がやっている調査、民間でやっても同じような数字も出ますが、50代の男女の方々に聞きました。地方で暮らしたいですかと。地方で暮らすことを検討していますかということを尋ねると、50代男性の5割の方が検討をしたことがある。できたら地方で暮らしたいと。60代になると男女とも3割ですよね。50代の場合、女性の方は3割しか希望していらっしゃらないんだけれど、逆に言えば、3割いらっしゃるわけでしょう。でも、自分がやっと手に入れて、ローンを払い終わった住宅はどうなっちゃうんだろうと。地方に行って、自分は何ができるのだろうと。どんな暮らしが待っているのだろう。どちらも答えがなければ思っていても、行けませんよね。だから、そういう行っても大丈夫かなという心配の原因をできるだけ、我々としては取り除く。もしご希望があれば、それはできますよということは。それは、政治の責任だと思うんですよね」

地方移住推進は最善か?
秋元キャスター
「こうした状況に対する対策といたしまして、日本創成会議のリポートでは4つの対策をあげているんですけれども、その中でも現在、話がありましたけれども、4つ目ですね、東京圏の高齢者の地方移住環境の整備について考えていきたいと思うのですが、移住先としまして、今回のリポートの中に医療、介護体制が整っている41県域が記載されているんですけど、富山市もその中の1つに入っているわけですね。森さん、富山市は本当に受け入れは可能なのでしょうか?」
森市長
「受け入れ可能という意味では水準が整っているという評価だと思います。富山市も東京と変わらずに、割合は違いますけれど、待機者はいるわけです。ちなみに、中核市全体の中で、富山は特別養護老人ホーム、老健施設、療養型病床をあわせたベッド数と言いますか、全体の定数は1番大きいです。つまり、施設整備は随分進んでいる。でも、まだ待機者がいる。先ほど、おっしゃいました、要介護3以上でカウントしてもですね。ですから、急にすぐ引き受けられますかというととてもできないです。ですが、長期的なスパンに立って施設だけの議論にいきなり入らないで、元気な高齢者をどうつくっていくかということが大事で、現在介護の問題は施設を増やせば解決するという時代ではとっくになくなっています。介護人材の問題もありますし。とにかく、いつまでも元気でいるという高齢者をどうやってつくっていくかという、介護予防とか、健康寿命を伸ばすということをちゃんとやることが大切で、その点から議論を始めていくと、地方の良さみたいなものがあって、人と人との距離が、気がついたら、歩いて暮らしているようなライフスタイルだとか、いろいろな人と話をする機会が多いとか、受け入れやすい地方の風土、そういうものを含めて、そういうことを我々の立場で言うと、つくりあげていくことがすごく大事だと思っています」
増田氏
「多くの自治体で現在、森さんもおっしゃっていましたけれども、現在受け入れの余力がないところ。これはどこの自治体にしてもそうだと思うんです。人材がそもそも、介護人材が1番不足している。ですから、施設を少し余すぐらいですから。だから、今回も、移住の話にいろいろと焦点をあてられて報道されているところもあるんですけれども、考えていることがたぶんちょっと違って、こちらの方で、私も丹念に、順を追って、順番に説明していったつもりで、資料もそのようにきちんとつくっているのですが、その一方で、移住を希望する人、大臣がおっしゃったように、あるいは移住の考え方、理念にうんと共鳴をして、自分で行って、セカンドライフをきちんと築きたいという人達に対しての、1つの選択肢が現在、欠けている。情報だとか、先ほど、おっしゃったような住み方とか、心地よい住み方ができる情報をいろいろ出したうえで、1つの判断材料にしていただくと。それを見て、最後はそれ以外に、医療介護であるとかだけではなく、食べ物だとか、それから、気候、風土等々を含めて総合的に判断する。行った先でうんと、また、元気に活躍するということについての移住だと考えてもらった方が、私はいいと思いますね」
反町キャスター
「つまり、移住するのは元気なうちにという意味で聞いていたのですが、だとすれば、なぜ今回、医療介護体制が整っている41県域と、これが発表されてしまうと、こちらの方が名医が整っているし、豊かな生活ができるから行ってよと聞こえます」
増田氏
「移住についての内閣府のきちんとしたアンケート調査があって、若い年代層もかなり移住の希望があるのですが、ただ、現実に移住をすることに何に1番不安を覚えるかと、働き場が行った先であるかというのがあって、それがだんだん50代後半から60代のところで、医療介護の問題があって、医療介護についてそういう心配がないのかどうかということになりますので、だから、そういう医療介護について、そんなに心配ないですよという情報が1番その年代には必要ですよ」
秋元キャスター
「今月1日の経済財政諮問会議で東京圏の高齢者急増問題の対策として、高齢者の地方住み替え促進というのを掲げていましたけれども、高齢者が地方に移住することでどんなメリットがあるのですか?」
石破茂地方創生担当相
「それは、そこに新しい賑わいが生まれるということですよね。私の周りを見ていると、40代の半ばから50代の半ばぐらい、私は50代の後半ですけれど、急に同窓会が増えるんですよ。そのあたりから」
反町キャスター
「地元で?」
石破茂地方創生担当相
「東京でも。急に同窓会が増えるんです。これまでなかったのが。そこで出る話題は、帰ってこないかという話ですよね。帰っても、駅前はさびれちゃったし、シャッター通りだし、ということがある。だからさ、帰ってきて、新しい街をつくろうよというね。自分達に何ができるんだということをもう1度やってみませんかと。いろんなものが揃っているところに行くのではなくて、自分達がつくってみませんかという、それはこれまであまりなかった話。志を果たして、いつの日にか帰らんと、こういう歌ですよね、日本は。でも、確かにもう1回、俺達があの頃の楽しかった地方をつくろうではないかと。それは公共事業と企業誘致で、地方は元気だった。道路が良くなる。下水道が良くなる。そこに雇用と所得がある。自動車と家電の工場が立地して雇用と所得がある。それと同じことはできないんだけど、これまで手つかずだった部分がたくさんありはしませんか。たとえば、鉄道のあり方。バスのあり方。自転車のあり方。街のつくり方。これまでとまったく違う発想で、賑わいのある街をつくってみないかという、そういう50代と60代、あるいは70代はいっぱいいると思いますよ」
反町キャスター
「森さん、そのくらい元気な人が来てもらわなくては困る?」
森市長
「もちろん、そうです」
反町キャスター
「そうですよね。要するに、話を聞いていると高齢者、高齢者と言っていますが、高齢者ではないですよ、どう考えても。年齢は、もしかしたら、70歳を超えているかもしれないけれども、50歳から70歳、ないしはその前後の、楽をしたいとか、隠居をしたいという人に来られても困るという、そういうイメージでよろしいのですか?」
森市長
「そうです。年齢に応じた仕事をつくる。あるいは暮らし方を上質なものにしていく。アウトドアを楽しむとか、地域の人と趣味を一緒に楽しむとか。富山ですと、富山の人達の中でもそういうものをつくっていかなければいけません。県外からいらっしゃる方もそこで受け入れていくような都市構造というものをつくっていく。だから、中山間地の古い古民家に住んでくださいと、そういう選択肢だってあるでしょう。一方、地方都市であっても、街の中で暮らすという選択肢だってあるわけで、そういうことも含めて、街づくりを、ずっと質の良いものにしていくこと自体によって、大臣がおっしゃったような地方都市でも、一時期の賑わいまでいかなくても、少しずつ戻って来る。いろんな楽しみ方が付加されていく。そういう街づくりをやっていくことが大事だと思っています」
反町キャスター
「ぶっちゃけたことを言えば、同じ年金を貰って、20万円なら20万円の年金を貰っても東京では暮らしづらいけれども、富山に行ったら良い暮らしができるかなと。でも、20万円で、富山でどんな暮らしができるのだろうかと言って、政府から情報をもらって、このぐらいの暮らしができるのであれば、富山に行こうかという。これは僕的に言うと、中高年以降の移住のモチベーションはそれかなと思っているんですけれども、でも、話を聞いているとそのモチベーションで来られても困るという。それでいいのですか?」
森市長
「それで十分です」
反町キャスター
「それでいい?」
森市長
「あとで暮らしの話をしようと思ったのですが、昨年からマルチハビテーションの補助制度をつくったんですね。東京に住所を置いたままでいいですと。でも、富山にも居住空間を持っていただくことにより行き来する、あるいは季節を選んで富山で暮らす。それで十分ですね。それで交流が生まれますし、地域経済の刺激も出てきますし、誰かを呼んでくるということにつながるかもしれませんし、それは成果も出ています」

地方移住への考え…男女の違い
反町キャスター
「男性、女性も1番地方に行ってもいいかなと思っているのは、10代、20代が最初のピークで、ドンと高いわけではないですか。今日のテーマは、高齢者の地方移住をどうすべきかという話ですけれども、それを先取りする形で、若い人達の地方への就職、地方での定住というものをやっておけば、何も高齢者になってからやる必要はないのではないかと。いわゆる20年、30年。先取りした政策として、若い人達の地方への移住というものを先にやってもいいのではないかと。そのへんはどうですか?」
石破茂地方創生担当相
「どちらが先とか、どちらがあととかの話ではなく、それは両方やるわけですよ。両方をやるわけです。ですから、私が担当をやるようになって、グラフを見て、あっと思ったのは、10代、20代の若い方は、東京の持つ魅力。魔力というのかな、魅力というのか。やっぱり東京だよねという人が多くて、地方なんて嫌だよねと10代、20代は思っている。でも、この数字を見ると違う、10代、20 代は。そうすると、50 代の方々はある程度、資産も持っている。現在東京に持っていらっしゃるお家を貸すことができて、月に10万円とか、20万円とか、20万円はなかなか難しいかもしれないですね。出るようになる。やがて、年金が入って来ることになると、50代、60代の方というのは、地方での暮らしというのは、ある程度、設計図が描ける。ところが、10代、20代の方々になると、さあ何の仕事をしてもらいましょうねという設計図を地域地域で描いていただかなければいけない。国がガンガン公共事業をやっていたら…できませんので。そうすると、10代、20代の方々の帰りたい願望をどうやって実現をするかということを考えた時に、10代、20代は特に学生さんがいて、東京で現在1番人口的に起こっているのは、世代的にというのかな、若い女性の方がどんどん増えているんですよ、東京は。この若い女性の方々が、どんどん東京に来て、こういう方々にどうやったら地方に帰っていただけるか。そもそも増田レポートの1番のスタートは、このままいくと、20代、30代の女性が地方からいなくなっちゃいますよねというところからお話が始まって。そうすると、若い女性の方にどうやって帰っていただきましょうかというのは、これは大問題ですよね。だから、その世代、その世代にあったような施策をどうやって、それぞれの自治体が打っていくかということであって、国が大号令をかけたからできるという話ではないでしょう」

地方移住推進の具体策は?
秋元キャスター
「一方で、日本創生会議は東京圏の高齢者が地方へ移住するための環境整備としまして、このような案があるんですね。移住に関心がある人に対し、お試し移住支援の推進。それから、定年前からの勤務地選択制度や地方移住を視野においた老後生活の設計支援というものをあげているんですけれども」
増田氏
「これはいろいろ話を聞いて出てくるのは、東京で持ち家だと。たとえば、それを全部処分して、持ち家の価格についてもいろんな地域によって差が出てきますが、その持ち家を一発で処分して、それを移住の費用に充てて、全部移って、本当にうまくいくのだろうかという心配があるわけですね。と言うのは、専門家の人達を呼んで、大学の先生にヒヤリングをしたのですが、すごく移住を深くやっていた人ですが、奥様の含め、是非あそこに行きたいといった人は100%戻ってこない、ずっといるとその人は言っていました。ただ、奥さんと意見が分かれて、亭主は行くけれども、奥さんは、まだ東京に拠点があるからという人が、途中で、結局、奥さんが様子を見に行くんですけれども、結局、亭主が戻って来ることも多いと。そういう時に、本当に奥さんと息子さんは、こちらで生活する拠点がそのままあればいいんですけれども、全部資産を売っぱらっちゃうと、今度は行き場所がなくなるようなこともあって。移住を希望する人であっても、本当にその地域で、自己満足が得られるかどうか。こちらの方が持ち家の場合と借家の場合とでまた考え方も違うでしょうし、借家だと比較的行きやすいということを、皆さん、おっしゃっていますがね。要は、なかなか本当に移住に結びつかないところを、たとえばですけれど、移住を希望する、考えている先のところにいろいろ…。最近、森さんのところもそうだと思うんですけれど、一方で、空き家が増えてくるわけですよね。現在全国で820万戸。野村総研の試算ですと、2033年には2000万戸を超えそうだと試算が出ていますね。ですから、そういった空き家をうまく利用して、東京の家は残しつつも、両方で2年とか、3年暮らしてみて、きちんとしたセカンドライフが設計できるのかどうかということを考えるような制度をつくったらどうか。もう1つの方は、企業の皆さん方に現在お話をしているのは、企業もだんだんと定年を伸ばしていましたよね、あるいは再雇用ということで働く。そういう制度が出てきた。60歳を超えて、62歳、63歳まで、ずっと自分の命をかけた企業で働くとか。そこで結局、企業を離れて、いざどうしようかと言っても、当然腰が重いですが、セカンドライフのことを考えると、たとえば、55歳とか、そのぐらいから、その後のことを考え、たとえば、全国でいろいろ工場を持っている企業であれば、その中で自分がどこにこれから勤めていって、それをそのまま自分の老後の地にあてたいとか、いろいろな考え方があると思うのですよ。だから、ここで移住についても最後は本人の決断ですが、それをいろいろ夢を持って、ああいう地域はどうだ、こういう地域はどうだと考えるような仕組みを、そこのあと押しはもっとあってもいいのではないかと思いますね」

富山市のコンパクトシティ戦略
秋元キャスター
「富山市では、医療施設や商業施設を町の中心部に集めて、その周辺に人が住む、いわゆるコンパクトシティ政策を進めてきましたが、現状は?」
森市長
「誤解があると困りますので、確認の意味で言いますが、人の住み方を腕力で集めてコンパクトにしようという政策をやっているわけではなくて、地域拠点、それぞれ人の集まり、集落、あるいは街と言ってもいいスケールのものがあって、そこをつなぐ交通のアクセスをまず公費を入れて質を上げる。そのことによって移動が可能になって、車に頼らなくても暮らせると。車も公共交通も使う都市像というものを目指してきました。駅から500メートル圏内を居住推奨エリアだ、電停から500メートル圏内も居住推奨エリア。便数の多いバス停から300メートル圏内も居住推奨エリアという、その居住推奨エリアというのをゾーニングして、これは必ずしも中心部にまとまっているわけではありません。主に公共交通の沿線にあるわけですが、そこに住んでいる人の人口構成比を上げていこうと。そうすると、その限りにおいては拡散を防ぎますから、高齢者もそのエリアに住んでいる実数が多いということがわかってきました。まとまって住んでもらうということが、社会全体として効率がいいわけです。さらに、居住推奨エリアに住んでいる人口のうち、500メートル圏内に住んでいる人の人口は83.4%です。つまり、こういうエリアに住むと近くに医療、病院、診療所、そういったものもたくさんあるわけですし、居住推奨エリアに住んでいることの良さみたいなものを、またデータでいっぱい出していくことを盛んにやってきていますので、緩やかに、居住推奨エリアに住む人が増えてきているというのが実態です」
反町キャスター
「路面電車の駅から、電停と言われる駅から500メートル。バス停から300メートル。そこに強制したわけではないと。どうやって誘導するのですか?」
森市長
「具体的には補助金を使っています」
反町キャスター
「バス停や駅の近くに住むと税が安くなる?」
森市長
「補助金を出す。たとえば、郊外に住んでいる方が、駅前に引っ越してくると。そうすると、郊外の駅ですと30万円を出すとか、すごく不公平な制度です。600メートルのところに引っ越してきた人には1円も出さないのですが」
反町キャスター
「あと100メートル近いところに住めば30万円補助金が出るのですか?」
森市長
「そうです。でも、それは選択だから、どなたもその選択をする機会はあるわけなので、でも、子育てをするから、あるいは大型犬を飼うから、郊外に住みたいという人だって当然いるわけです。ですから、腕力で寄せようなんて思っていないですし、私達の目標としているのも、20年後ぐらいに全市民の4割が交通の便利なところに住んでほしいと思っているわけです。スタート時点では28%だったので、現在33%ぐらいまで上がってきています」
反町キャスター
「森さんは腕力ではないと言いますよ。僕から見ると、かなり腕力だなと。かなり強力なインセンティブをかけて、これでも来ないかと引き寄せているようにも見えているのですが」
石破地方創生担当相
「ですから、それを金で釣るのかとかですね。ですけど、強制的にやることは、それはできません。でも、どっちが得なのか考えて見ましょうということは、やっていかないと、これまでと時代が違うわけです。これまで日本の政策というのは人口が増えることを前提としていたから。これからは人口減るんです。急に出生率が上がったって、その赤ちゃん達がお子さん生んでいただくまで20年はかかるのだから。これから先、人口は減っていくんです。その時にどうやってその街を維持していくのかということを考えるのは、市長の責任なわけですよ。きれい事ばかり言っていたら、世の中持たんのですよ。そんなことで世の中が持ったら誰も苦労しない。だから、その時に、多少強引だとか、誘導策としてはいかがなものかとか言われても、それをやることによって、富山の街中は賑わってきたのではないですか。これから先、そういうことって実はヨーロッパの街ではもう20年前から初めていることですよ。だって、ヨーロッパの田舎街に行ってくださいよ。日本みたいにゴーストタウンみたくなっているか。シャッター通りで人はおらず、高齢化がどんどん進んでいっているかといえば、そうではない。そこにおいては路面電車というものが走っている。フランスでは新たにつくるということもやっている。でも、考え方が違うわけです。日本の場合には、路面電車?儲からないね、はい、やめましょうと、こういう話ですよね。これからの人口減少局面においては路面電車があることによって、それは赤字かもしれない、だけど、トータルとして市を維持していくことにはプラスだよねということになれば、公費助成の対象になるのだということで、市長が先ほどおっしゃっている補助金を入れるというのは、そういうことです。歳をとってくれば車を運転できないから。そうすると、バリアフリーの電車というものがどれだけ重要なものなのか、ということですよね。それによって高齢者が買い物する。高齢者はお金を持っているから。そこに消費が生まれる。そこに若い人達の雇用が生まれる。トータルとして見れば、プラスでしょという話ですよね。日本の場合に、自動車が売れる、裾野が広い、そこに雇用が維持されているではないかという話だけれど、自動車で街の中心部の近くまで来るよね。そこから先は路面電車だよねということになると、郊外の空いたところを駐車場にすることによって、そこに電車止まりますね。それで街中まで連れていってくれますよね。そうすると、電車だと(お酒が)飲めるわけですよ」
森市長
「それはすごく大事なことですよ。それを僕は上質なライフスタイルだと思っているわけで、それに加えて、会話が生まれてくるのと、人との出会い、街の中が賑わう、その結果、民間の投資が活発になって、結果として昨年、富山市は23年ぶりに平均地価が上がりました。それは税収という意味で非常に大事なことです。これは郊外に住んでいる人にも環流していく利益です。それから、将来市民にも環流していく」

人材依存度引き下げの真意
秋元キャスター
「医療・介護サービスの人材依存度を引き下げる構造改革というものを、1つの案として提案しています。ICTロボットなどの活用、資格の融合化、外国人介護人材の受け入れの積極的推進、などです」
増田氏
「ヘルパーさん達の話を聞きますと、処遇の問題ももちろん、あるのですが、重労働ですよね。抱えてお風呂に入れてあげるとかね。いろんなことをしてあげるというのは。ですから、そこで最先端なもので、まだ高いのですが、これからはロボットだとか、介護する時の力仕事の部分をちょっとでも助けるようなものが随分出てきているんですよ。人材依存度を引き下げると言っていますが、できるだけそういうものを入れたらどうか。資格の融合化というのは、介護は基本的に介護職。介護福祉士の試験を通っていくと。保育士は保育士、看護師はもちろん、看護師の試験があるんですけれども。まだまだどれも人が足りないとか、いろいろとあるのですが、たとえば、保育士は、もしこれから出生率が少なくなっていけば、やがて余るかもしれないし。介護と保育なんかを同じ場所で、それでもう人が集まるところで全部そういうことを対応しようという。これはもう地方都市で、そういう拠点のところで多機能にしていくというのは当然のことなので、そういう時に資格も、融通を利かせて、今日ちょっと保育士の数が足りないのだったら、介護の方がパッとそちらに行ける、そういう資格の融合化ということも、厳密には試験はもちろん必要なのかもしれませんが、とりやすくしてあげるとか、取得期間を短くして、いろいろな資格を持ちやすくすると。そこもまだ工夫が必要だと。あとこれはいろいろ議論あるけれども、外国人ですね。インドネシアの方々で随分立派な人達が入ってきたのだけれども、結局なかなか難しい試験で帰っちゃいましたけれども、現場で聞けば、どこでも介護人材が足りない。人手不足。施設の余力があってもそういうところが機能していない。だったら、どうしても日本人が、若い人達の場合であるとか、地方の消滅につながるというのであれば、ここは工夫をし、外国人で気持ちの通じる人達をもっと受け入れるということもあっていいのではないか。トータルとすれば、医療介護というのはすごく人的なサービスをきめ細やかにやる分野ではあるのですが、まだ工夫をすれば、もっと高齢者の人達の力を使う部分もあるし、それから、外国の人達の力を使いながら、もっとフルにそういう良い機能ができる。訪問介護ということを、地域包括ケアをこれから目指すのですと、どうしても人手は現実には多くかかるんです。そこの工夫も必要なので、人材依存度と書いていますけれども、ここは工夫する必要があるだろうと。これが我々の、今回の提案の1番真っ先に上げているところです」

石破茂 地方創生担当大臣の提言:『“静かな有事”の認識』
石破地方創生担当相
「静かな有事だよねという認識を持ちましょう。現在さえ良ければいいとか、自分達さえ良ければいいとか、そういうのは人間皆そうですよね。性みたいなもので、私もそうですけれども、でも、本当に人類が経験したことがないことが起ころうとしているわけですよ。国が潰れるというか、それは外からの驚異ではない内からの驚異で、だって国民がいなくなっちゃったら国はないですよ。このままいくと、東京も地方もそうなるんですよ。これは静かな目に見えない有事が起こっているんだと。1人1人が何をすべきなのかということを、我々も初めて語る、都合の悪い真実を。それに逃げないで、それは違うなら違うでもいい。こんなやり方があるならこんなやり方でもいい。この議論を現在始めないと。議論するだけではなくて、答えを出さないと日本は終わる」

増田寛也 日本創成会議 首都圏問題検討分科会座長の提言:『広域連携の促進』
増田氏
「これは特に東京圏の自治体で、1都3県プラス5政令都市ですかね。9都県市となりますが、このあたりで実際、たとえば、介護について見れば23区でそれまで暮らしていた人達がその周辺の自治体の方でいろいろ介護施設を探すだとか。病院の場合は、逆に東京の区分に良い病院が多いので、周辺部からこちらに入ってくるとか、要するに、利用者の皆様方、あるいは対象者の皆様方は自治体の域を越えていろいろと動いている。それを東京都だけが東京都ということで考えていく。埼玉県は埼玉県でということではなくて、もっと広域で、全体で東京圏のこれから爆発的に増える問題を考えていくべき。おそらくこういうことで石破大臣などもいろいろとそういうことをお考えになっていたので、2週間ほど前に、大臣もご出席された政府と、それから、舛添都知事さんも出ていましたけれど、1都3県の皆さんが集まって事務的なことをいろいろ連携するための会議が始まりましたよね。私は、ああいう会議をこれからどんどん進めて、少なくとも東京圏は東京圏の自治体全体が連携して、その解決策というのを考えていく必要があるのではないかと思いますね」

森雅志 富山市長の提言:『元気・安心・都市創造』
森市長
「東京圏の方から見ても安心して選択してもらえるような魅力的な都市をつくる。元気な方々に、それで一緒に元気になってもらうというような、そういう暮らし方を提言できる、そういう都市をつくりあげていきたいと思っています」