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2015年6月12日(金)
日中韓“3記者会議” 歴史認識&領土&経済

ゲスト

古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員
韓暁清
人民日報日本語版『日中新聞』社長
金玄基
中央日報東京総局長

日中韓 3記者が討論 ~日中関係~
松村キャスター
「動き始めた日中韓3か国の最近の主な動きをこちらにまとめました。まずは日中関係ですが、4月に首脳会談が実現。自民党の二階総務会長が3000人を連れて訪中すると、その場で習近平主席が40分にわたり演説をしました。今月も3年2か月ぶりとなる財務対話が開かれるなど、ここのところ関係改善への動きが続いています。これに対し、韓国は安倍総理のアメリカ議会演説阻止への動きを強め、長崎県の軍艦島や福岡県の八幡製鉄所など日本の世界文化遺産登録を批判。4年ぶりに日韓防衛大臣会談が開かれたのですが、焦点になった、情報交換を円滑にして秘密情報を共有するための基礎を確立するジーソミア、軍事情報包括保護に進展はありませんでした。中国と韓国の関係は、3月には、中国主導のAIIB、アジアインフラ投資銀行に韓国が参加を表明したほか、今月1日には、韓国がFTA、自由貿易協定に署名して、経済的な結びつきを強固なものとしています。古森さんは、ここ最近の日中関係をどのように見ていますか?」
古森氏
「15年前に私は中国にいたんですけれども、この時、同じ二階俊博さんが、運輸大臣として5000人を連れてきた。それで、この時は江沢民さんが出てきて、胡錦濤さんも出てきて、今回と同じパターン。意外だったわけですよ、出てくるかどうかわからなくて、直前になって出てきたと。いいことをずっと言ったんだけれども、この時もちょうど米中関係が悪くなったの。だから、アメリカという大きな要因があって、それによって中国が動かされているということね。それから、今回の習近平さんの演説も、2つ大きな、日本に対してのピシッとダーツみたいなのを投げたのがあって、1つは、日本の政府と日本国民を分断しようとする試み。言っていますよね、日本国民は中国と一緒に被害者になったんだよと。もう1つは、アメリカと日本を分断しようという試み。これも大きく関係が浮き上がっている。ただ隣国として友好というのは大事だし、経済関係は大切だからいいところとは仲良くしましょうということで、実利的に日本は応じればいいんだと。ただ、これで、朝起きてみたら何か日中関係が変わっている、中国の対日戦略が変わってしまったと思うのは、まったく現実と遊離していると思います」
反町キャスター
「古森さんの指摘されたポイントの中で、たとえば、かつて二階さんが5000人を連れていった時みたいな、その時の江沢民さん、胡錦濤さんでしたっけ?2人が出てきて、ワーッと訪中団が盛り上がったというのもありました。その時も米中関係が悪かったと。その意味でいうと、訪中団が行って、それに対して国家主席が出てくる状況というのは、まさに中国にしてみたら、ここで日本を自分の方に引きよせる。非常にわかりやすく言うと、日米間に楔を打ち込みたい時に主席は出てきたのではないかという、この読みというのは間違っているのですか?」
韓氏
「アジアの平和というのは必ずアメリカが後ろに立って、作用してきた、これまでの現実として。だから、アメリカがなければ、アジアの平和に役立たない。そういう状況だった。しかし、現在は時代が変わったんです。習近平政権はこれまでの、どの中国の国家主席よりも、より鮮明に国家建設という明るい道、新しいやりかたをみつけました」
反町キャスター
「今の話を聞いていると、パックスアメリカーナに変わって、アメリカを中心とした世界秩序ではなくて、少なくともアジアにおいてはパックスシノワと言うのですか。中国を中心とした、軸とした、国際秩序というものをつくりたいというような、そういう気持ちも、韓さん、あるという意味ですよね」
韓氏
「そうですね」
反町キャスター
「アメリカ抜きのアジアにおける。その国際秩序をつくりたいというのが、中国の中にあるのではないか。そんな意味で言っていますか?」
韓氏
「そうですね」
反町キャスター
「中国は現在、明らかに日本に対して、柔らかな光線を発射しているのは間違いない。仲良くしましょうという、仲良くしませんかというアプローチをしているのは間違いないですよね?」
古森氏
「ごく一部ですよね」
反町キャスター
「どう見たらいいのですか?」
古森氏
「これは中国が弱くなった、ごく短期的、中期的にね」
反町キャスター
「日中関係の中で?」
古森氏
「日本とアメリカと両方を叩いてはダメだよと。損をしますよと。だから、日本に対して経済中心の、中国にとっても直接に利益をもたらすような部分に関して、観光だけ、観光客ではないですか。観光業を拡大しましょうというところから始まった3000人の訪中ですよね。だから、それはよくいらっしゃいました、皆さん、仲良しましょうねというのは、日本から観光客にどんどん来てくださいよということで、それはそれで歓迎をすればいい。だけども、全体の像を、安倍さんではないけれども、森を見なければいないと」

日中韓 3記者が討論 ~日韓関係~
松村キャスター
「安倍総理のアメリカ議会演説を阻止しようとするなど、日中に比べて、未だ関係改善が遠い日韓関係なのですが、韓国メディアの論調には変化が見られています。東亜日報は最近、『中国の微妙な変化で、やや間違えれば、韓国だけが1人ぼっちにされることになるかもしれない』と書いています。金さんが所属する中央日報は、『日本を牽制して孤立させるために、アメリカと中国に働きかける外交をするべきなのか』というのですが、金さん、これは政府に対して、対日戦略の変更を迫るものなのでしょうか?」
金氏
「そうですね。安倍政権が発足してもう2年半が経ちましたね。韓国は朴槿恵政権が発足して2年あまり過ぎた時点ですけれども、あまりにも長く、日韓関係がつまずいているので、2か月、3か月はありとしても、2、3年がこういうふうなままではちょっと困るのではないか、というような観点で、2トラックですよね。慰安婦の問題は慰安婦の問題としておいて、それ以外の経済とか、安保の問題とか、それはまた別次元で進めていくべきだというような雰囲気が最近、強くなっていますね」
反町キャスター
「2トラックと朴大統領も言い始めたということは、この問題を1つの別の形にして、これが解決しなければ他が全部ダメという形から別の形を模索しようとしているように、韓国は舵を切り始めている?」
金氏
「そうですね。実は、水面下で、私も同じ考えでいるんですけれども、慰安婦の問題を本当に政治的なレトリックで何とか解決というか、その糸口をつかんで、解決したと言っても、私は同じようなことがまた生じると思うんですよね。これは日韓関係には慰安婦の問題だけがあるわけではないわけです。領土問題もあるわけです。徴用工の問題もありますし、すごくセンシティブな問題がたくさんあるわけなので、実に政府の一部関係者や学会でも模索されている部分であるのですが両国間の過去の問題、慰安婦の問題を含めて。現在の問題、未来の問題、これをまとめて1つのテーブルに置いて、政府関係者、学会、そういう専門家達が集まって、両国が語りあう。それは解決までいけない部分ももちろん、あると思います。でも、それを1年でもいいですし、2年でもいいですからそこに任せればどうかというような、いわば日韓『未来財団』をつくって、そこに議論をさせようというな話があるわけですよ」
反町キャスター
「それはどこのレベルでの話なのですか?青瓦台の、韓国の政府部内の話?それとも日韓の間で?僕は日韓がそんな話で進んでいるなんて知りません。日韓の間でもそういう言葉が現在、浮上しているのですか?」
金氏
「いや、日本ではなくて、韓国内ですね。韓国内の政府の公式的な立場ではないんですけれども、政府の政策に影響力を持つシンクタンクとか、そういうような学者の中で、模索されているわけで、たとえば、こういう慰安婦の問題とか、前に全然進めなかったではないですか。少しは変わりつつありますけれども。それをこれからは未来財団に任せるわけですよ。議論を。そうしたら何かセンシティブな問題が生じた場合、韓国も、日本も、未来財団の議論に任せるから、その結果を見てみましょうというようなことで、両側のプレッシャーが、負担が少なくなるわけです。新しい、未来志向的な方向性で話ができる土台になるわけです」
反町キャスター
「そういう日韓が共同で、人やお金を出しあって、未来財団なるものをつくる。もちろん、共同ですよね?」
金氏
「もちろん、そうですね」
反町キャスター
「共同で出しあって、政府も人も行く、学者も行く、もしかしたら民間人も行く。そういう形で受け皿をつくって、いわば手間のかかりそうな、ちょっと大変な問題はとりあえず、ここで1回ちゃんと協議してくださいという場所をつくるのはたぶん日本にとってはそんなに抵抗感がなくて、ありがたい、是非ここでしっかりやってもらいたいと思う人がたくさんいると思います。韓国の方で、たとえば、いわゆる慰安婦問題もそこに投げ入れて、協議を続けられると政権が言ったところで、たとえば、1年経ちました、2年経ちました。どうなっているんだ、未来財団。現在、協議をしています。これではダメだろうということで、たとえば、政権の支持率につながったり、支持率低下につながったり、韓国国内における政権批判につながったりして、これはダメだったということにならないのかなと思って聞いていたのだけれど。それはどうですか?」
金氏
「それは期間を決めておくんです。たとえば、1年なら、1年。2年なら2年。そこまでやって解決、合意できないのは、それは合意できないものとして、合意できたものは合意できたもので発表をする。なぜかというと、慰安婦の問題、たとえば、私の考えでは、韓国政府が要求している、希望している案に絶対、安倍政権は乗ってこないと思います。だったら、これは韓国国民を納得させることがあまりできないと思うんです。だったら、いろんなパッケージで、いろんな案を、たとえば、日本側が譲歩してくれる部分もあるでしょうし。ですから、それを交えて、国民に説得できる余地が出てくるわけです。先ほど、おっしゃった支持率ですけれども、支持率はちょっと誤解があると思われると、私は思うのですが、朴槿恵大統領の支持率というのは高い時もあれば、低い時もあって、現在三十何パーセントですよ。私から見れば、ずっと2013年の2月からですね、慰安婦の問題に関してはずっと同じ立場をとっているわけですよ。だから、支持率が低い時に、変化をして、高くなったわけではないし、変化をさせたからといって低くなったわけではないですよ。よく日本では支持率のために、そういう反日を使っていると、よく言われるんですけれども、私から見れば、支持率は全然関係ないです。あと効果もないです。効果がないので、支持率とつなげる議論は、私は不毛なことだと思うんですよね」

戦後70年談話
松村キャスター
「終戦の日に安倍総理が発表する、戦後70年談話についてなのですが、習主席は先月、『侵略の歴史を美化しようとするいかなる言動も許さない』と。朴大統領は『村山談話や河野談話などの認識を明確に示すことが両国の関係改善に、極めて重要』と、このように発言していて、これは安倍総理を牽制するかのような姿勢を見せているのですが、韓さん、この談話に期待することは何でしょうか?」
韓氏
「安倍総理は、日本を強くしようと、日本を良くしようと、非常によくがんばっています。しかし、彼は戦争経験者ではないですので、皆さまのご先祖様がいろいろと戦争経験者の、いろんなその読み物で伝えて、それが感動とか、いろいろなお悔やみがあると思いますが、それに対して、彼が強い日本、立場を守ろうとしていろいろな提案をしたんですね。たとえば、日中戦争に対して、現在の習近平国家主席も、安倍総理も、現在の韓国の大統領も皆、それぞれ戦争の未経験者ですので、だから、この国を守るためにそれぞれそういうカードを出しているだけですね。だから、安倍先生にもうちょっと柔軟性があって、現在、習近平さんのある程度の意識を理解してあげて、手を伸ばし、すみませんでしたと一言、言った方が、きれいさっぱり解決する可能性があります。ただし、いろいろ損害賠償など、それは裏の根まわしが非常に大事。これまでは日本と中国。そういうものがおかしくなっている理由は根まわしがなかなかなかったんですね。若い政治家が、未熟な政治家達が、そういう政治をいきなりやろうと。だから、これまで両国に大きな損失がありました。そういうことによって、だから、安倍総理の近くに、もっと中国を、政治の風を読める有識者を集めて、もっと分析した方がもっといい道が開けると思います」
反町キャスター
「金さん、いかがですか、70年談話、どんな目でご覧になっていますか。
金氏
「戦後70年という節目で出される談話でありますので、安倍総理がどう思っているかはわかりませんが、これは安倍総理の個人の意見ではなくて、日本という国の公式的な立場を国際社会に出したと発するわけではないですか。希望としては、これまでの日本の政権がとってきた、そういう考え方、談話を踏襲してほしいなという希望は持っていますし、もし、それと違った談話を出されるのでしたら、それなりの説得力のある説明が必ず必要になってくるのかなと思います。一言で言えば、ちょっとわかりやすい談話を出してほしいんですよ。わかりやすい談話というのは村山談話や河野談話の意識を全体的に継承されるというような発言をされながら、その談話の核心である表現をもし抜いた場合に…」
反町キャスター
「こだわりますね。たとえば、ここに村山談話のキーワードと呼ばれるところです。国策を誤り、植民地支配と侵略。痛切な反省の意。こころからのお詫び。こういった言葉、これが70年談話に入るか、入らないかということになってくると、僕らは、談話が出た時点で探さなければいけなくて、入っている、入っていない、みたいな間違い探しみたいな作業になる。そのぐらいしてでもこれらの言葉が入らないとダメと思いますか?」
金氏
「それは50年談話も60年談話も同じだったと思います。でも、入れた、ちゃんとした理由はあったわけですし。これを全体的に継承するというような、この核心の表現を抜かした場合に、これは誰が見ても何か違う考え方をもっているのではないのというような、首をひねってしまう。そういう疑いをもたせること自体、私は日本にとってもあまり得にならないのではないかと思うんですよね」
古森氏
「簡単に言ってしまえば、村山談話と同じような謝罪の言葉を入れる必要はないと思う。理由は2つあって、日本国としては、あるいは首相として散々謝罪を続けてきていると。もっと遡れば、原爆の被害を受け、東京裁判、その他で戦争犯罪の糾弾を受けて、1000人以上の人が処刑されて、賠償もして、しかも、近代の10年間、20年間で、何人もの総理大臣が過去に対しても、自分達にしても謝っているということでですね。それから、2番目は、謝罪というのは受け手がいるわけで、受け手が謝罪をきちんと受け入れてくれて、もうこれでわかったと。ドイツとフランスの例がよくあげられるけれど、これからは過去のことはあまり論争しないで、未来を、共に手を携えて歩いていきましょうねという態度を示してくれるのかといったら、これはまったく希望がないですよね」
反町キャスター
「先ほど、金さんが言ったみたいにこういった言葉を入れる必要がないということになりますか?」
古森氏
「村山談話その通りの言葉を入れる必要はないと思います。だから、談話全体としての規制心とか、気持ちとか、心情を引き継ぎますよと言っているわけですから」
反町キャスター
「もう1つ謝罪と反省という言葉があります。これは謝罪だと思いますよ。反省というのは、たとえば、具体的なプログラムなり、国家的な行事なり、何らかの形で反省というものを示すという点でもあるのかなという指摘もありますけれども、謝罪は、それでそういう考えだとした場合に、反省の点について、日本は安倍さんの70年談話で何かを示す必要ありますか?」
古森氏
「反省は、もうアメリカ議会での演説でも、何回も言っているではないですか。だから、反省というのは、ただ、内向きな自分に向かっての感じが強いですよね。それでは中国、韓国の人はダメだと言っているんだけど、それはしょうがない。しょうがないと言うか、日本は何回これから謝り続ければいいか。イギリスが植民地をいっぱい(もって)、でも謝っていないですよ。アメリカだってフィリピンを支配しても謝っていない。だから、植民地支配は必ず謝らなければいけないなんていう歴史はないわけで。日本のやったことはいいということは決して申し上げないけれど、もうちょっと日本国民の心情とか、なぜ我々は全世界に向かって毎年のように謝り続けなければならない国家なのかという、戦後70年の間いいことをしているではないか。国際平和、国際協調のために。これだけの犠牲を払って、これだけのことをしてきたのではないかということに、もっと重点を移してもいいと思います」
反町キャスター
「韓さんと金さん、短く答えていただきたいんですけれども、先ほど、古森さんはいくら謝罪してもそれをきちんと受け止めてもらえる希望がこれまでなかったし、これからもないというような指摘がありましたが」
韓氏
「話をしている通り3人とも、当時の戦争中の直接の参加者ではないです。彼らのお爺さん達がやったこと。だから、自分のお爺さんがやったことが、知らないことがそういう形になるので、ただこれまで日本と中国のギクシャクを終らせるためにいろいろ補償の中で、2度はその言葉にふれないと。そういうことである程度、約束して、一言、申し訳ございませんでしたと。そういう悪いことをやったことは深く反省するとか、そういうことを一言で言っても、言葉はお金になりませんが、あとから莫大な利益を運んでくれて、偉大な総理になると思います」
反町キャスター
「金さんはいかがですか、謝罪を受け入れないだろうという、古森さんの先ほどの指摘はいかがでしょう?」
金氏
「それは、古森先生はそういうお考えを持っていらっしゃるかもしれませんが、私はそういう先見と言いますか、それを事前に持つ必要はないと思う」
古森氏
「宮澤喜一さんが韓国に行って、1回の訪問で8回も謝って。これまで何回謝ったか、数えてみれば簡単だけれども、その結果、現在の日韓関係が(どうなったか)と比較すれば、何となく見通しというのが出てきます」
韓氏
「私の提案は、ある程度の約束をして、その約束をしたあとで、すみませんでしたと、そういう反省の気持ちを表す。そうすれば、これからその都度、話題に出ないと思います」

中国の南シナ海進出
松村キャスター
「中国の南シナ海への進出問題をどう見ますか?」
古森氏
「どう見ても、中国が国際規範とか、国際的なルールに違反して、しかも、軍事という要素を極めて突出させた形で、こういう埋め立てをしているということで、オバマ政権がこれまでの態度をかなり変えて、強行にこれを抑えようとしてきているという事実。あるいはG7で各国が一致してかなりはっきりした表現で非難をしたという事実を見れば、アジア全体、あるいはインド洋にわたって平和と安定を乱す行為として、非難されるべきだと思います」
反町キャスター
「アメリカの南シナ海への関心の背景に何があると見ているのですか?」
古森氏
「1番大きな背景は中国が中国の夢とか、平和的台頭という響きの良いスローガンのもとに、軍事的な覇権を、アジアから西太平洋に向けて広めようとしていることの一環。だんだんそうではないだろうと思いながらきたけれども、消去法でどうしてもそちらの方にきてしまったという。それから、同盟国に対して、日本とフィリピン、韓国も入りますが、特にアジアに位置しているわけだけれども、利害関係が脅かされるのではないかと。特に日本は大きな影響を受けますよね。海洋戦略で中国が武力を使うことを辞さないで、行動をとるという。だから、地域的な懸念、それから、全世界的な懸念というのがあって、これまでのオバマ政権はソフトに、ことなかれ主義的にやってきたのですが、ここへきてはっきり変わったというのは、今日、安倍首相のところにハリス氏という太平洋統合軍の日系人。お母さんが日本人で、横須賀生まれだという。この人の就任式をハワイでやった時に、言葉を聞いていたんですけれども、南シナ海の埋め立てに関して、中国のとんでもない主張という言い方をして、英語でプリポステラスという言葉があるんです。途方もない、とんでもないという意味で、すごく強い言葉ですよ。しかも、中国ということを出した。これまで中国と、なるべく出さないようにしてきたのが、だから、明らかに変わったなと。それから、オバマ政権の中で、中国に対して非常に理解とか同情を示すだろうと思われてきた人物が2人、政権の中枢から去っているんですよ。メディロスさんという人と、ヒアさんという人。国家安全保障会議とか、国家情報会議というところのアジア担当の1番、偉い人だけれど。これは原因と結果であって、オバマ政権全体の対中政策が強硬になってきたから、こういう人達が出たということもあるし、どちらが先かはわからないけれど。結果として一枚岩で、これまでちょっと中国に強く対応しなければいけないよという人達が求心力で集まってきた。米中関係、オバマ政権ができて6年半になりますけれど、最大のターニングポイントだと言えると思います。だから、南シナ海での中国の行動だったと言えると思います」
松村キャスター
「中国は何の目的のために南シナ海に進出しているのでしょうか?」
韓氏
「正直に申し上げますと、南西諸島のあたりは宋の時代、1000年前に遡ると、もともと中国の統治した海だったんです。しかし、宋の時代が終わって元の時代に入って、中国はずっと王朝の交代が続いて国内の混乱があったんです。だから、国内の戦争たくさんの中で1番ガードしたい海を見守る力がなくなった。中国は昔、ベトナムを安南郡という中国の1つの郡として、そういう名前を宋の時代につけていました。その時の中国は一生懸命に守ったのですが、戦争の中で、自分が生きるか死ぬかという王朝の闘争の中で、それを失った。しかし、最近の中国は、これまでの戦争が全部終わって、習近平国家主席が出てきて、もう1度中国の再出発をしようと。そういう気持ちでそれを現在国内の中で非常に経済が繁盛していまして…」
反町キャスター
「習近平さんの目指す再出発というのは、1000年前の宋の時代まで領域をもう1回広げ直そうということと同じなのですか?」
韓氏
「現在は時代が変わって、そういうことは考えていないと思うのですが、ただし、現在中国の経済(繁栄)によって経済力が強くなったと。しかし、現在の生産力は、国内だったんです。これから中国は輸入輸出、これまで輸出が小さいものしかなかったんです。現在は輸入輸出を頻繁にやらなければいけない。そうなると、海にロードがなければ…昔は中国にシルクロードがあって、海のシルクロードもありました。現在それをとり戻すために、南海の方に、ヨーロッパへ行くには必ずそこに、そういう何らかの建設をしなければいけない。中国が強くなるには軍事が欠かせない。先日、日本の小笠原諸島は、日本の海域なのに無防備だった。海賊が赤サンゴをとりにきた。そうならないために、日本の海域のところを見守ることができれば、発砲しなくても、たぶん来る人は怖いと思います」
反町キャスター
「え!? 自衛隊は、小笠原沖に展開して、赤サンゴを密漁に来た中国漁船に発砲するべきだったと?」
韓氏
「もちろん」
古森氏
「貴重な助言ですね」
韓氏
「日本に住んでいる中国人は、中国の海賊に来てほしくない。はやく出て行けと、強い言葉を彼らに…。国際秩序を守れない人は現在の時代の中でやってはいけない。世界の目が見張っていますから」
反町キャスター
「いかがですか?中国の姿勢」
金氏
「先ほど、力が全てというような話でしたが、私はこれには同意できないですね。国際秩序を乱すようなことは、強い国だからこそ、もっとこれは守るべきだと思うんですよね。韓国の方は直接的なそういう関わりはあまりないので、南シナ海は」
反町キャスター
「南シナ海の問題は、韓国の中ではどう受け止められているのですか?」
金氏
「これまでほとんど公式な立場では出したことがないのですが、ただ、今月の初めですね。今月の初めにダニエル・ラッセルさんという国務省の東アジア担当の次官補ですが、彼が何と言ったかといいますと、南シナ海の紛争に関連しまして、韓国は声を上げるべきだ。韓国はアメリカと同じように、この領有権の紛争の当事者ではないから、もっと自国の利益のためではなくて、普遍的な原則と法治のために南シナ海の問題に対して声を上げるべきだというような話をしているわけですね。これはアメリカ政府の関係者が公式的にですよ、韓国政府にこう言ったのは初めてです。先ほど、古森さんがおっしゃったように、アメリカはそういう行動に対しては、強い姿勢を持って、韓国にも声を上げろというような、そういう要求というか、言及をしたわけですけれども、韓国の政府の立場から見れば、経済の問題とか、北朝鮮の問題とか、中国との関係もありますので、本当に慎重な立場であったことは間違いないですけれど、アメリカもこう言ってきているし、国際社会の中でこういう行動に対して韓国政府はもっとこれから声を上げていくべきだと思いますね」
古森氏
「中国はベトナムを軍事力で、西沙諸島で撃退しているわけですよ、フィリピンを南沙諸島で、軍事力で叩いている。ベトナムに対しては2回もやっている。いざと言う時は果断に軍事力を使って、海洋戦略を追及していく。この部分を我々はおそれている」
韓氏
「実際、中国は戦争を望んでいないですよ。中国の経済力向上ができれば世界での発言力が強くなれる。だから、中国政府は戦争をまったく考えていない。ただし、周りが自分にかかってくれば黙ってはいない。そういうことが中国の基本的な考え方」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の提言:『現実を直視して』
古森氏
「これは日本から中国に対しても、韓国に対しても、表面だけのレトリックとか、耳に響きのよい言葉だけで、たとえば、孔子様が何を言ったから…と、表面的な動きに惑わされないで、そこにある真実、現実を深いところまで見つめていくということです」

韓暁清 人民日報日本語版『日中新聞』社長の提言:『永遠の兄弟』
韓氏
「私は、日中韓は孔子様の子孫と思っています。基本的に現在の宗教とか、哲学は孔子様のお伝えによって、現在、日中韓が心を1つにしています。だから、永遠の兄弟。私はそう信じています。願っています」
古森氏
「お兄さんは中国ですか?」
韓氏
「そうです」

金玄基 中央日報東京総局長の提言:『三通』
金氏
「3つの通るということですけれども、3か国は厳しい状況でありますが、ちょっと3つの国が少しでも風通しをよくしていこうということが1つ目で、2つ目は、意思疎通、コミュニケーションを続けてやっていこうということ。最後の1つは共通ですね。お互い違うこと、問題提起をずっとやるよりはちょっと共通なもの、同じものを探していく努力を現在の時点でやる必要があるのではないかなと思います」