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2015年6月11日(木)
安保法制と大きな視点 国会審議が忘れたもの

ゲスト

小池晃
日本共産党副委員長 参議院議員
西部邁
評論家
岡本行夫
外交評論家

これからの日米関係と安保
秋元キャスター
「安倍総理は現在、国会での安保関連法案の審議に先立ち、このような発言をしています。『日本はアメリカと日米安保条約で、同盟によって結ばれている。この同盟関係がしっかりとしていることが、事前に事態が起こるのを防ぐ抑止力につながる。同盟に隙があれば日米間の連携が十分にできない。今回の法整備で、その可能性をあらかじめ、しっかりと潰しておく。これはまさに国民の命と幸せな暮らしを守るため』としていますが、これまでの日米同盟の基軸とし、その隙間を埋めることで抑止力を高めるという考え方ですけれども」
岡本氏
「抑止力は何かというと、相手の指導者が仮に日米安保というのをあまり議論をしていないではないかと。アメリカはそう言っているけれども、実際に何万人もの兵隊の犠牲を覚悟して、日本を守るか。現在の日米関係がこんなに隙間だらけだったら、大丈夫だと言って、向こうが仮にも日本に対するミサイルの発射ボタンでも押しちゃった。その時には抑止が崩れるわけです。あとからアメリカが報復をして、我々が、やい、ざまみろと言ったって、日本はやられたあとだから、意味がないわけです。ですから、それは、優れた周りの指導者達が、アメリカが本当に日米安保条約を守って、日本を守るかと。その心証、その印象です。だから、万が一にもアメリカが日本に対する防衛義務を果たさないということがないというような印象を向こうに与えないように、日頃から日米がしっかりとくっついていなければいけない。こういうことだと思います」
小池議員
「今度のガイドラインを見れば、はっきりしていると思いますけども、地理的制約もなく、地球のどこでも、アメリカの支援ができるようになっている。武器の輸送もするし、弾薬の提供まですると。こういうことになっているわけですから、まったく変質してきていると思います。私は、同盟、同盟と言うけれども、同盟というのは対等であるべきものであって、現在の同盟関係は果たして対等なのかと。それはまったくアメリカの従属下にあると思うんですよ。TPPにしても、今回のガイドラインにしても、軍事的にも、経済的にも日本はアメリカの属国化していると。そういう中でこれが出てきているということが大問題で、自主的に日本が1つずつ判断できるのですかと、私は問いたいんです。だって、戦後のアメリカがやった武力行使に、日本政府というのはただの1度も反対したことがないですよ。パナマ侵略、グレナダ侵略。これは国連で非難決議があがりました。結局アメリカが戦後やった戦争。全部、先制攻撃の侵略戦争です、はっきり言って。そういったことに参加をしていくというのが現在の動きだし。私は岡本さんが先ほど言われた論理はもはや成り立たないところに、現在日本は突き進みつつあると思います」

日米の“絆”と安保体制
西部氏
「問題は今度、安保改正の安保法制改定そのものではなくて、この改定をやるのが日米同盟という、小池さんがおっしゃるように虚構の、同盟でも何でもありゃしないんですよ。絆とかね、甘ったるいことを言っているけれども。アライアンス、同盟というのは一斉に並ぶという意味ですよ。戦後70年、日本がいつアメリカと、同一線上に並んだかと。はっきり言えば、従属国、服属国。もっと言うと、奴隷国みたいなことも含んだうえでの、そういう力関係の中で、同盟という甘ったるい言葉で、それで日米安保法制を改定したら、それがどう使われるか。公明党のさしがねで、あれ自体は正しいんだけれども、例外なき国会の事前承認と。よくも簡単に言いますけれど、本当に例外なく、今度のアメリカはどうも侵略的だから、自分達は参加しませんよと。参加しないどころか、アメリカの侵略をあれこれチェックしてみせますということができるような、器量なり、度胸なり、度量なりが日本人にあるのなら、それは立派ですよ。例外なき国会の事前承認はあるけども、70年の経緯を見れば、アメリカに、羊のように黙々とついていくということを繰り返していくと。よくもまあ例外なき事前承認をもってアメリカのやることについてチェックできるみたいな嘘話を、本当に白昼公然たる嘘話というべきであって、私の結論は、日米安保法制改定そのものは常識のある国ならば、やるべきことだが、この改定された法制を、使ったり、使われたりする日米同盟など、似非の同盟の中に置かれた時には、相当やばいことがこれから起きると。それどころか結論ですが、戦後レジュームからの脱却はおろか、これこそは戦後レジュームの、ほとんど引き帰し不可能なパーフェクション、完成ね。そこに安倍政権が踏み込んだんだと。たとえば、この結論も引き帰し不可能ですから、どうぞと。行きつくところまでいきなさいというのが評論家の気分ですね」
岡本氏
「アメリカとの関係がトータルとして、日本は得していると思うんです。この東アジア地域、北東アジア地域というのは、世界で最も高水準の兵力が集まっているところですね。世界の兵力規模のトップ5つのうちの、3つ。つまり、中国、ロシア、北朝鮮は、この地域にあるんですね。トップ6で、6番目は韓国ですから、トップ6か国のうちの4か国までがこの狭い地域に集中しているんですね。そこで日本はまったくどこからも侵略を受ける心配なしに、これまでやってこられた。しかも、防衛費の超軽負担ですよ。GDP対比で言ったら、日本の防衛費というのは世界で100番目以下ですよ。これだけでも日本は本当に安心をしてやってこられた。だからこそ今日の豊かな生活がある、繁栄がある。何よりも平和がある。その代償は何ですかと言ったら、グレナダで反対はしなかったことか。日本人はアメリカの属国化している、奴隷になっていると言うけれども、実際的に我々が何を失っていますかと言ったら、我々は…。アメリカは、だから、日本はフリーライドだと、一部の人が怒るぐらいの収支勘定では得をしていると思いますよ」
小池議員
「北東アジアは、確かにおっしゃられるように、非常に特殊な、世界の中でも、中国の今の軍拡にしても、南沙諸島での振る舞いにしても、本当に許しがたいものがあると思っていますよ。ただ、そういうところで軍事的な対応。このことだけで突き進んで行って、戦争が起こったら大変なことになるわけですよ。戦争をいかに起こさないというのが政治の要諦であって、そういう意味での外交努力を現在の安倍政権がやっているのですかということでいえば、私は非常に不十分。むしろ壊すようなことをやってきているわけですから、そういう意味で言うと、私はもっと外交戦略を日本は持たなければ本当に一触即発、何が起こるかわからないようなところを解決するような、そういう知恵を出すことこそ必要なのであって、何かアメリカの抑止力があれば、そういった問題が解決できるというのは、私はちょっと違うのではないかなと思いますね」
岡本氏
「これからそんなことを言っていられないという部分ですが、日本は他国の戦争に参加していく。ここが私、まったく違うところです。憲法9条は厳然として存在しますから、日本は自衛行為以外の武力行使はできないと。だから、集団的自衛権という誤った呼び方を1972年に法制局がしちゃったから。つまり、自分の国を守る個別的自衛権は、言ってみれば、白鷺。これは良い鳥。それ以外は全部、他国を守る集団的自衛権、カラスという乱暴な分け方をしちゃったものだから、自分の国を守る白鷺か、他国を守るカラスかどちらかしかいない。そんなことはないので。本当はその黒いカラスのカゴの中に、白くはないけれども、クリーム色の白鷺がいたんですよ。これはどういうものかというと個別的自衛権なんだけれども、自分だけではそれを全うできない。自分だけでは個別的自衛権、個別的な自衛行為を遂行できない。だから、他の国と一緒に、共同してやる自衛権。こういうものですよ。ですから、あくまでもこのクリーム色の白鷺も、自衛のための白鷺ですよ。だから、他の国の戦争に日本が加担するということではない」
西部氏
「ほんの一例だけ言いますけれども、本当に具体的には、こうですよ。安倍首相なり、何なりが、あるいは岡本行夫氏がいろいろと急いでいらっしゃるのは、実は尖閣という問題があって、ひょっとしたら、2020年あたりに、中国が台湾に押し出し、そのついでに尖閣まで来るのではないかと、目前に迫っていると。これをどうしようと。自分達ではどうしようもないから、日米同盟とやらをここで強めておこうと。ところが、アメリカのことを考えてください。僕が知る限り、外交、防衛専門家の前で恥ずかしいですが、アメリカは、尖閣に日本の統治権、あるいは施政権、支配権が及んでいるが、その領土権については、俺は知らんと言っているわけですよ。それはもちろん、かつて台湾の国民党に対するある種の妥協があって、アメリカが、要するに、2枚舌外交ですけれど、どうして、これが2枚舌というと、こうですよ、領土権というのは何かと言ったら、その国の統治権なり、施政権が長く及んで、ある程度安定して続いた時に、それは自ずと国際法の、国際的な常識として、これはお前達の領土だと認定されるわけです。そのことを、逆に言えば、領土権については、アメリカは極論をすると知らんということなので、日本の統治権なり、支配権が、尖閣においては長く安定して及んでいないということを裏側では意味するわけですよ。仮にそうだとしたら、しかも、アメリカにとって中国というのはTHE MOST IMPORTANT COUNTORYというふうに言っているんですよ。そうなれば、5年後でも、10年後でもよろしいが、国際環境の動き方いかんでは、俺達アメリカは、尖閣なんて日本の領土なんて言った覚えはないよと。現在お前達、中国と日本は領土を巡って争っているのではないかと。俺は知りませんよと。俺が言ったのは、たまたま一時の統治権、支配権。それが日本にあると言っただけです。それは長く安定して及んでいると言ってないだろうと言ったら、アメリカはいつでも日本を見捨てると言えば言い過ぎだが、日本をちょっと離して、いわゆる英語で言うところの、アピーズメント、融和外交ですね。中国との融和外交に入る、そういう局面だと。絶対と言っているわけではないですよ。それぐらい国際関係というのは微妙に動いているわけですよ。それを日米同盟と言っていたらアメリカは必ず日本に味方をして、中国に対してある種の敵対行為をとってくれるだろうというのは、外交関係にあるまじき、あまちゃんであると」
反町キャスター
「西部さんからは、アメリカを疑うべきであると。中国に対して融和策をとるかもしれないよ。だから、アメリカに対しては半身の構えで、独自の防衛力を整備するべきであるという話でした。一方、小池さんは、アメリカを疑うというところまでは、たぶん同じなのでしょうけれども、そこから先は、独自の防衛力の話ではなくて、外交で活路を見出すべき。国の安全をはかるべきだという話だと僕は理解をしました。この2つの話に対して、岡本さんは、半身になるかもしれないアメリカを信じて同盟関係を強化していくべきだという考えでよろしいですか?」
岡本氏
「国家が自分の安全と存立を確保するための選択肢というのは、3つしかないですよ。非武装中立でいくか、これは、共産党は非武装中立論ですよ」
小池議員
「いや、違いますよ。非武装ではないです」
岡本氏
「現在、非武装中立論というのは、国民の、確か2.6%しか支持がないんですよ。それで行くか。武装中立ですね。つまり、アメリカの傘から出ると。日米安保条約は破棄する。ただ、日本の周りには軍事強国がひしめいていますから、非武装中立、攻められた時に降参しますというのをとらないのであれば、自分で自分を守らなけければいけない。西部さんに近い、西部さんの意見だと思うんですけれども、そのためには日本の自衛隊の規模を少なくとも3倍、2倍以上にしなければいけないでしょうけれど。だって、北朝鮮に110万人。中国に230万人。それが強大な国。しかも、皆核を持っているから、日本は核武装しなければいけないかもしれない、武装中立ならね。そういうことが日本はできますか、やるべきですか。絶対にやるべきではないと思います。だから、武装中立という選択肢はない。となると、どこかの国と一緒に自分を守るしかない。どの国と守りますかと。中国ですか、ロシアですか。結局アメリカしかいないから、日米同盟しか、日本の安全を全うする理論的な選択肢というのはないと思います。もう1つ、集団安全保障ということを言う人がいますけれども、だって、現在のアジアでは、これだけ皆の軍事力の差があり、政治思想も、体制もまったく違う国では成り立ちませんから、あと30年は、成り立たないのでしょうね。結局その3つ選択肢のうちで、日本はアメリカと同盟を結んでいく。それしかないと思います。これは1番安上がりな方法だと思います」

安保法制の合憲性は
西部氏
「国民は、防衛の問題を自衛隊の人達に任せて、あとは僕たち何も考えません、しませんというのではなくて、国防ですからね。国防なら国民が果たして、この国防に対して、どういう義務なり何なりを負うのかと。これは教育の問題もありますけれど、たとえば、徴兵制の問題とも多少はかかわってくる。そういう議論を一切抜きにしたうえで、抑止力を、自分達でできないからアメリカに頼るのはまったく当たり前でしょうと言って、岡本さん的に、第3の選択肢をとるというのは、順序が違うと思う。そろそろはっきりとしなければいけないのは、先ほど、憲法の制約云々と言っていますが、憲法9条の第二項はどこをとっても、どう読んでも、戦力は持たない。交戦はしないと書いてあるわけです。いいですか、これはもちろん、文章ですからね、あの文章とこの文章がいろいろと矛盾をきたすというのは、人間の文章の場合、当然だけれど、しかしながら、この憲法9条第二項と、それから、自衛隊法というか、自衛隊の存在は100%矛盾するわけですよ。そうなら、国民が当たり前にどちらをとるかという、僕の結論で言うと、憲法9条第二項は、自衛隊が法律的にできたのは、1954年だと思いますけど、それ以来ですよ。憲法9条の第二項は、すでに死文。死んだ文章である。反故である。自衛隊そのものは違憲の存在に決まっているわけです。憲法違反」
反町キャスター
「ちょっと待ってください。現在の話、岡本さんはいかがですか。この憲法9条第二項の問題。自衛隊の合憲性どうこうというよりも、安保法制と憲法の関係、どのように感じていますか?」
岡本氏
「だって、この第二項、前項の目的を達成するため、という、いわゆる芦田修正があるわけでしょう。だから、国際紛争を解決する手段としては永久に放棄するわけですから、自衛のための戦力は持っていていいのだし、自衛行為というのはもちろん、合憲であると。こういうことですよね。僕はこれを変えなければいかんと思っていますね」
西部氏
「まずここね、僕の発言としては、もちろん、現在の解釈が、憲法学者を中心とする、僕に言わせれば、でたらめ至極なので、文章の問題として、第一項はあれでしょう。侵略戦争はしないということでしょう。第二項は、侵略戦争をしないという目的を達するために戦力は持たない、交戦はしないと言っているわけですよ。こんなバカげた日本語はないのであって、もしも日本語なら、前項の目的は侵略戦争はしないんですよ。いいですか。前項の目的に達するため、むしろ前項の目的から外れるようなことについては、それ以上、外れるような戦力、あるいは交戦はしないというべきであって、芦田均修正と言うこと自体が戦後のデタラメな混乱の中で、あの時、吉田茂どころか、マッカーサーの頭もちょっと乱れていたのではないかと思うけれども、まだ硝煙のにおいが消えないのに、そういう混乱状態の中でできた、日本語としても、僕に言わせれば、決定的に間違った文章であり、そのことも含めて、第二項は、要するに、死文であり、反故であることを、それを明らかに国民はしないものだから。現在、なお憲法において法制論議そのものが、違憲であるから、僕に言わせれば、おバカさんの憲法学者が言う、それ自体がそうだ。その前にはっきりとこの憲法、自分は死文と認めるかどうかという議論をしなければいけないですよ」
小池議員
「私は、西部さんとは別の立場、逆ですけれども、憲法違反だというのはその通りだと思いますよ。それはそれで筋の通った話ですよ。だから、私は、憲法9条を全面実施するために自衛隊を将来なくしていくべきだということですよ。だから、西部さんは憲法を変え、自衛隊を堂々憲法に合法化で認めろということでしょう。だから、これまでの自民党政権の立場は、岡本さんがおっしゃったように、自衛のための戦力は、これを認めるんだと。最小限度の選択と。だから、どう考えたって、そこに行けば、現在、出している法案は、これはこれまでの自民党政権の説明に照らしても、これは必要最小限度の戦略ではないではないですか。海外に出て行って、戦闘地域にまで出て行くわけですよ。先ほど、集団的自衛権、一般に認めているわけではないんだと。海外でどこでも戦争ができるわけではないとおっしゃったけれども、後方支援で、これからやろうとしていることは、これまで武力行使と一体化するから戦闘地域には行かないという歯止めがあったわけですよね。その歯止めをなくす。現に、戦闘が行われている戦闘現場以外であれば、行くということになっているわけで、これは武力行使を一体化する、明らかな兵站活動になっていくわけですよね。それから、集団的自衛権というのは、歴代政権が、現行憲法では個別的自衛権は認めても、集団的自衛権は認めないということは、繰り返し、繰り返し、答弁してきたことですよね。その憲法解釈を簡単に変えて海外で武力行使できる道を開くというのは、先ほど、岡本さんは集団的自衛権にも良い集団的自衛権と悪い集団的自衛権があると言われましたが、実際、悪い集団的自衛権の例であげているのはアフガニスタンをあげています。しかし、今度の仕組みでいけば、たとえば、ISAF(国際治安支援部隊)に、PKO法の改定で行けるようになる可能性があるわけですよね。治安維持活動もやる、任務遂行で武器使用もやる。これは武力行使以外の何だというふうになるではないですか。これは岡本さんがこれまで言われていた悪い集団的自衛権、黒いところにまでいくということになっていくわけですよ。ここの歯止めを外したら」
岡本氏
「だから、こういう議論は好きですね。具体論でいかなければわからないと思いますね。ISAF、今度、行けるようになりますし、日本はもっとはやくから、僕は行くべきだったと思いますよ。あそこで文民として入る。自衛隊も制服も入っていく。ただ、戦争しに行くわけではありませんから、ISAFがそこで戦争活動に巻き込まれるならば、それは自衛隊が参加しないということでしょうね」
反町キャスター
「集団的自衛権にまで多少、踏み込んでみました。ただ、集団的自衛権には、白い集団的自衛権も、黒い集団的自衛権がありますよという、今回の、安保法制のスキームの中では、集団的自衛権が、白い集団的自衛権か、黒い集団的自衛権かは、政府が決めることになっています。政治が決める。これまではダメだから行かなかった。今度、行けるようになったから、その中で行くべき集団的自衛権か、行かない集団的自衛権かは、政府が決めることになっている。そこの部分で現在、立憲主義と言われる、いわゆる憲法を超えるものを、本当に政府が決めていいのかという議論が起きている原因だと僕は思っているんですけれども、そこまで政府に権限を委ねるかどうか。ここはどうなのですか」
岡本氏
「それは、僕は民主主義の社会にあっては、国会が決めることだろうと思いますよ、最終的に。だから、政府が緊急を要する事態として、まずは派遣をしましたと。国権の最高機関である国会があとから、あれは悪い集団的自衛権だ。だから、その部隊を引き戻すといったら、それはそういうことになるわけでしょう」

日米関係と安保体制
反町キャスター
「憲法に対するスタンスはあとどこの部分が足りない?」
西部氏
「憲法というものは国家の根本規範ですから、まずもって国民の意識において、自分達の国家なのですから、自分達の国家の根本規範はどうあるべきかということ、その議論なり、会話なりをやって、まぁまぁまとまったら、その方が実は大事だと。実は成文憲法が違うから、自分達の考え方、せっかく議論して同意したのに考え方が違うからこれを捨てて、憲法の条文通り生きようというところが、それこそがいわば防衛における自主性の喪失の第一歩ですよ」
小池議員
「憲法の解釈というのは長年の法制局もそうだし、内閣の国会での答弁により、つくり上げられてきたものですよ。そう一朝一夕に変わるようなものではないはずです。それで、しかも、その根本原則にあたる部分が現在問題になっているわけです。現行憲法9条で我々は、自衛隊は違憲だと思うけれども、そうではない、違憲ではないと。しかし、個別的自衛権でない、我が国に対する急迫したような事態があった場合に反撃ができるという解釈を一貫してやってきたものを、今度出した内閣法制局、内閣官房の論理的整合性についてという文章を見ると、いろいろと論理を言って、その結果、何で変えるか、認識をあらためたと。安全保障環境が変化したから認識をあらためて結論が変わったと。集団的自衛権行使はできないと言ったものをできると言った。こんなことをやって、いろんなもちろん、世界の国を見れば憲法を変えている国はあります。しかし、この根本的な原則のところを変えた国は、私はこの現代の世界においてないと思うし、それを、憲法を変える手続きすら踏まずに解釈で変えていくやり方は、まさに立憲主義を破壊する行為ではないですか。憲法学者はほとんど反対、集団的自衛権の行使ができないと言っているわけです。菅官房長官は、合憲だと言っている人もいっぱいいるとおっしゃいましたけれども、結局、国会で問われて3人しか名前を上げることができませんでした。そうしたらば今度は憲法学者に頼るのではなくて今度は最高裁だということで、砂川判決を持ち出してやるようになっている。本当にこういう無責任な、こういうやり方でいいのかと、国家の根本原則を…」
西部氏
「僕は、小池さんに賛成ですよ」
岡本氏
「僕は先ほどから言っていますように、1972年の法制局の集団的自衛権に対する定義というのがあまりにも荒っぽかったから現在に到るも尾を引いちゃっている。先ほども言いましたけれども、1980年ぐらいから明らかに日本に対する脅威の性格というのが変わってきているわけです。ですから、もっと早い段階で、法制局は全部黒くしちゃった集団的自衛権と呼ばれていたものの中に、実は個別的自衛権が入っていたんだということをとり出して、進むべきだったと思いますね。憲法は憲法として、だって世界最古の成文憲法なわけでしょう。世界で180か国ぐらい以上、成文憲法を持っている国がありますが、まったく70年近く触ってきてない。それはそれであと…」
反町キャスター
「だから、いじるべきではないという話にはならないのではないですか?」
岡本氏
「ならないですよ、だから、逆ですよ。女性の権利とか、環境問題とかそういうのも含めて、1度本当に国民の間で基本的なところから議論し直すべきだと思いますね」

複眼思考で日本を展望 どうなる70年談話
秋元キャスター
「安倍総理が出す70年談話について、どのようなものを出すべきだと考えますか?」
西部氏
「歴史認識と言うならば、歴史というのは長い目で見るべきで、最低限幕末から始まった、日本が世界の中に影響を受けて組み込まれていくという、そういう百有余年の歴史の中で見るべきで、そう見れば、結論に飛べば、日本は侵略性をあらわにした、そういう時期もありますけれども、いわゆる自尊自衛のための防衛という面もずっとあって、おそらく百何十年で見て、自衛性と侵略性を仮に数量化するか、しませんけれども、した時には、近代日本は侵略性もあったけれども。はるかにはっきり言えば、白人欧米諸列強に対する、それに対する自衛という構えでもって近代日本は生きてきたんだと。そのことをアジアに発信せずに、中国の皆様、韓国の皆様、すみませんでしたってなことを繰り返したって、小さい声で言う、への突っ張りにもならない」
小池議員
「過去の村山談話、河野談話で入っている、小泉談話も含めて、キーワード、過去の侵略戦争、植民地支配に対する痛切な反省とお詫び、このキーワードは必ず入れることが必要。それを日中、日韓だけではなくて、世界が注目している、アメリカも含めてね。そのキーワードが含まれないものであれば、むしろ百害あって一利なし。そう言ったものが入らないのであれば、出すべきではないと思います」
反町キャスター
「同じものを出すなら、意味がないのではないかと」
小池議員
「それは、日本が侵略戦争、歴史を踏まえてアジア諸国も含めて世界に対する約束ですから、これを繰り返すことに意味があると。むしろそれは現在これを出さないということの意味の方が極めて大きいと私は思います」
岡本氏
「どう考えたって侵略戦争ですからね。ただ、これは4つ全部キーワード入れるかどうかというのは言葉の問題ですから、そんなに重視してないのですが、だけど、反省というのは十分ではないと思うんです。要するに、謝罪というのはその時すまなかったと言えば済む話で、これは十分やってきているわけです。でも反省というのはすまなかったという気持ちを具体的な、制度的な改革なり、新しい方向に結びつけなければいけませんから。それは教育だと思うんですね。現在の高校生達にきちんと昭和の歴史が教えられているか。本当に驚くほど教えられてないです。ですから、近現代史というものを独立して必修科目にするというぐらいの、それを談話の中に書き込まなくともいいかもしれないが、反省というのは、具体的な行動につながっていくような、そういうことを世界に向かって、1回はきちっと総括すべきではないでしょうか」
反町キャスター
「これまでそれをやってこなかったのですか、日本政府は?」
岡本氏
「日本はA級、B級、C級戦犯の赦免決議を国会が4回も決議しているように、全体として戦争犯罪者達に対して寛大な国柄でしたよ。そのままずっと流れてきて…それは現在、本当に反省していますか、2度とああいう体制に戻さないような、制度的な新しい歯止めをつくっていますかというとまだ不十分だと思いますね」

小池晃 日本共産党副委員長の提言:『独立・中立』
小池議員
「対米軍事抑止力依存ではなく、真の独立国としての外交政策を確立していくと。北東アジアで平和協力交渉を私達は提唱しているんですけれども、北東アジアこそ、絶対に揉めごとを紛争にしない、軍事衝突をしない、東南アジアではASEAN(東南アジア諸国連合)のもとで相互信頼関係を醸成するという努力が行われていますけれども、北東アジアでこそ、そういう取り組みを強めるべきだと思いますし、その共通土台になるのは、歴史認識の問題だと。過去の植民地戦争、侵略支配に対するしっかりとした反省を土台に据えて、まともな外交関係を築いていく。ここにアジアの未来があると思います」

評論家 西部邁氏の提言:『抑止力の中心は自主防衛』
西部氏
「この場合の自主防衛は、世間で言うところの個別的防衛とは違い、集団的自衛もやっていいのだけれど、その集団的自衛を本当に自主的に、具体的に言えば、アメリカとこの際、協力すべきか、アメリカを蹴飛ばすべきか、どの程度にするかということも含めて、本当に自主的にやるためには独立というものを日本人が持たなければ、結局はアメリカに首根っこを押さえられ、引きずりまわされるだけのことだと。自主防衛は個別防衛と必ずしも同じではない。何にしても独立してアメリカに対して一定の距離をおいて、堂々と文句を言うなり、もちろん、妥協してもいいですよ。外交をやってもいいけれど、そういう一丁前の国になりなさいと。一丁前にもなってないくせに、国家防衛などということはしゃらくさいと」

外交評論家 岡本行夫氏の提言:『世界との相互依存』
岡本氏
「日本の安全は結局、世界との相互依存で成り立っていると思います。2004年、イラク、ペルシャ湾の奥の方の港で高鈴という30万トンのタンカーが油を積み込んでいたんですね。そこへテロリストのボートが突っ込んでいきました。そのまま突っ込んだら、高鈴は爆破炎上、大惨事になっていました。その時にアメリカの軍人が突っ込んで、テロリストのボートを遮断しました。ボートは撃沈されましたけれども、その被弾でアメリカの海兵隊員2人と海軍の軍人1人が死にました。3人とも本国にかわいいお子さんを持っている父親達でした。日本の船を守って、彼らは自分達の命を捧げてくれたと。日本は同じことをアメリカに対してできるのかどうかはわかりません。できないでしょう。しかし、少なくとも自分達は自分達を守れるよう、現在の法制をもう少し緩めるということが日本の責務ではないでしょうか」