プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年6月8日(月)
年金の明日を徹底議論 死守と減額どう線引き

ゲスト

河野太郎
自由民主党行政改革推進本部長 衆議院議員
長妻昭
民主党代表代行 元厚生労働大臣 衆議院議員
土居丈朗
慶応義塾大学経済学部教授

漏れた年金問題 年金構想・厚労省の対応
秋元キャスター
「今夜のテーマは、財政再建に向けた年金制度のあり方です。その前に、年金と言えば、先週の月曜日に明らかになりました日本年金機構へのサイバー攻撃による年金情報の流出問題についてまず聞いていきたいと思います。まずは事件の一連の流れを見ていきたいと思うのですが、5月8日に年金機構の福岡県事務所職員が不審メールを受信し、開封します。政府のセキュリティー部門が不審な通信を探知しまして、厚労省の担当係長が対応します。これを受けまして、不審メールを開いた端末の回線を切断しました。10日後、5月18日に、非公開の職員アドレスに100通以上の不審メールが届きます。5月19日、警察署に捜査を依頼します。年金機構から厚労省に報告が上がるんですけれども、担当係長止まりだったということです。5月23日、日本年金機構の19台の端末が大量の情報を外部通信しました。28日、塩崎厚労大臣に報告、29日、年金機構本部とその全拠点のネット回線遮断。6月1日、情報流出を公表したことになるのですが」
反町キャスター
「河野さん、この一連の流れをどんなふうに見ていますか?」
河野議員
「たぶん年金制度の問題で1番大きいのがこういうことだと思うんですね。と言うのは、年金制度がこのままではうまくいかないよねというのは、皆、わかっていて。年金というのは負担をする人、年金をもらう人、いずれ負担をする人も年金をもらうわけですから、このままではサステナブルではない、持続可能性がないから変えなければいけない。あなたの負担をどうする、あなたの給付をどうするという議論をしなければいけないんだけれども、これは本当にいろいろご迷惑をかけていて、厚労省なり年金機構がきちんと対応をしなければいけない、非常に大きな問題ではあるのですが、これは年金制度とは関係ないです。この問題をやると日本人の99%は安全地帯にいて、あいつが悪い、お前が悪い、と指をさして済むような話です。ですから、年金制度をどうしますかという議論を本来しなければいけないんだけれども、前の消えた年金もそうですし、今度のこれもそうですし、その制度の議論をしないで、人を批判していればいい問題に、皆、特化したら、そちらへ行ってしまうんです。そうすると、制度の議論はまた暫くお休みになってしまうわけで、それをやってはいけない」
反町キャスター
「組織論として、たとえば、消えた年金をやった時も厚労省、ないしは社会保険庁の人達の人的な問題。組織論としての、その事態に対する対応。機関としての対応について、いろいろ長妻さんからも注文をされたであろうし、厚労大臣として、いろいろ指揮、監督をされたと思うんですけど、実際、厚労大臣として組織強化に努められた立場から、今回の事件というのはどう見えるのですか?」
長妻議員
「まず1つ大きいことは、年金機構の管理職というのがなかなか育っていないということで、私どもの時は、厚労省のキャリア官僚の優秀な人間をかなりの人数、送り込んでいたんです、管理職として日本年金機構に。そこで後進を育ててくれと。後進を育てるまでは帰ってこないで、ここで本当にがんばってくれと、こう言っていたのですが、残念ながら2年少し前、安倍内閣になってそういう人達がほとんど帰ってしまったんですね。厚労省に戻って、なかなか育っていない管理職の中で非常に体制が緩んできたということと、あと総務省に年金監視委員会というのがあったんですね、かなり厳しい委員会が日本年金機構にをチェックする。それが昨年、廃止になって。今年は総務省の第三者委員会も廃止になるということで、たがが緩んできているということで、政府にお願いしたいのは管理職として層の薄い部分があるので、人間を送り込んで、管理職の育成を続けていくと。ガバナンスをしっかり引き締めていくということが重要ではないかと」

年金支給の抑制
秋元キャスター
「先週月曜、土居さんが委員を務められます財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会が2020年度までの財政健全化に向けた報告書をまとめ、社会保障費の伸びを年5000億円弱に抑えるよう提言しました。あらためて国の歳出における社会保障費の割合を見ていきたいと思うのですが、一般歳出の32.72%が社会保障関連費で、これはおよそ31.5兆円です。毎年、1兆円ほど伸びると言われている社会保障費の、今回の提言では、これを5000億円程度に抑えようと提言しているわけですね。この社会保障関連費の内訳を見ていますと、年金がもっとも多くて、およそ11.1兆円。社会保障費全体の中での3割強を占めている状況です。土居さん、この年金の支出の抑制というのも財政健全化のための大きな柱の1つということになるのでしょうか?」
土居教授
「今日はテーマが年金なので、医療と介護はおいておきますけれど、たとえば、2020年までにできることということになれば、高収入の年金受給者、たくさんの収入を受けておられる年金受給者は、年金がそれほど自分の生活になくてはならないというほど、深刻なものではないと。多少給付が抑制されたとしても、その給付の抑制が、他の方々の年金給付財源、ないしは将来世代の人達の給付財源に用いられて、ということであれば、経済力もあるので、そういう方々の年金給付の方法を考えてということで、全ての高齢者の年金を一律的にカットすると言って、できるだけ頭を下げて、経済力のある方々から、まず優先的に給付を抑制するということに同意していただきませんかと。こういうところをポイントにしたということです」

マクロ経済スライド
秋元キャスター
「今回出されました財政健全化への提言で、年金に関してはマクロ経済スライドによる調整が極力、先送りされないような見直しとなっているんですけれども、このマクロ経済スライドというのはどういうものなのでしょうか?」
土居教授
「そもそも年金は、オイルショック以降、物価の伸びにあわせて給付を増やすことをやってきたわけですね。そうすると、年金の給付の価値は目減りしないということですね。ところが、残念ながら、予想以上に少子化が進んでしまったので、そうすると、このままでいくと現在の若い世代の人達にたくさん保険料を払ってもらわないといけないということになってしまって、確かに給付は維持できるのかもしれないけれど、若い人達の数が少なくなって1人当たりの保険料負担がどんどん重くなると。これではかわいそうだということなので、子供の数が減るということ、少子化の分のスピードにあわせて物価の伸び以下に給付を抑制させてくださいというのがマクロ経済スライドというものですね。ところが、問題は現在の仕組みは、物価が下がった時に、デフレの場合ですね、この場合にはマクロ経済スライドは発動しないということになっています。もちろん、高齢者からすると、物価が下がって、ただでさえ手取りの給付は減っているというのに、それ以上に、マクロスライドをかけてもっと減らせと言うのかと。ここではないかと。こういうふうに思われるかもしれませんが、問題はこのデフレの時に給付をスライドさせないと、どうなるかということですね。残念ながら、この調整は将来の人達の給付で調整されると。たとえば、2030年とかに、年金給付を貰う方の給付を、もしインフレになれば、さらにマクロスライドを継続しますよという話になってしまうと。たとえば、このデフレが2年続くと、2年間マクロスライドが止まります。簡単に言ってしまうと、そのマクロスライドが終わる年がその2年分遅れるということに、現在の仕組みだとなってしまうんです」
反町キャスター
「デフレの2年間、年金を減らさずに済んだ、その人達はいいけれども、2030年でこれまでのペースでやっていけばマクロスライドが終わりになるはずだけれども、そこからあと2年延長して2030年、2031年に渡っても、その分、減額される人達が出てくる?」
土居教授
「そうですね」
反町キャスター
「借金の先送りみたいな?」
土居教授
「はい」
反町キャスター
「付け替えみたいな、そんな理解でよろしいですか?」
土居教授
「はい。そうなると思います」
反町キャスター
「たとえば、マクロ経済スライドをやることによって、5000億円の社会保障費の減額、どのぐらい弾き出されるのですか?」
土居教授
「今年、マクロスライドが導入されました。これで平年ベースに直すと、税金の投入で1000億円、保険料のお金だと3200億円。合計すると4200億円ぐらい給付を出さずに済むということになっています」
反町キャスター
「長妻さん、まずマクロ経済スライド。この制度自体をどう評価されていますか?」
長妻議員
「たとえば、1か月の年金が4万円ちょっとで、果たして年金だという日本語が通じるかどうかということですね。と言うのは、マクロ経済スライドを入れると、最終的に基礎年金だけ、国民年金で言ったら、国民年金が4万円台になってしまうんですね。3割削減になるわけです。つまり、満額40年、国民年金の保険料を払った方でも結局3割削減で、4万円台の、1か月の年金になると。ですから、果たして基礎年金にもマクロ経済スライドをかけていいのか。上乗せの2階建ての部分にはかける必要が私もあると思うのですが、基礎年金というのは、最低保障の意味もある年金です。基礎年金というのは、年間20兆円で、だいたい半分が税金ですから10兆円ぐらい。ですから、20兆円の3割ぐらいをマクロ経済で下げると。だから、6兆円の財源があれば、基礎年金、マクロ経済スライドをかけないでも、ざっくり言えば済むわけでありまして、非常に遠い将来ですけれど、国民の皆さんにこの部分は選択していっていただいて、6兆円分の財源を、消費税か、あるいはいろいろな税財源を新たに見て、それでマクロ経済スライドを基礎年金にかけないのを選びますかと。それとも増税が嫌であれば、(マクロ経済スライドを基礎年金に)かけると。どちらを選ぶかというようなことを年金の抜本改革の前に政府として提言するということは価値のある話だと思います」

支給年齢引き上げは…
秋元キャスター
「財政制度等審議会が、財政健全化に向けた年金部門での歳出削減。1つのポイントとしては、支給開始年齢のさらなる引き上げというのがあるんですけれども、年金の支給開始年齢の現状がどうなっているのか。厚生年金について、男性は61歳から、これは25年度までに段階的に65歳に引き上げるということです。女性は60歳。これは30年度までに段階的に65歳に引き上げるということです。国民年金については、男女ともに65歳ということですけれど、厚生年金、国民年金、どちらも60歳からの繰り上げ受給、66歳以降の繰り下げ受給も可能だということですが、月々の給付額はいつ開始をするかによって増減されて、トータルでもらえる金額は同じだということですけれども、土居さん、具体的には何歳ぐらいまで、支給開始年齢を引き上げるべきだと考えていますか?」
土居教授
「ヨーロッパ諸国は67歳とか、68歳ぐらいまで上げているんです。それでいて、日本より平均寿命が短い国もあったりするということですから、さすがに、65歳のままでいいと言うことなのかということですね。ただ、私が言いたいのは、別に給付が出せるのに、無理に67歳とか、68歳にしろと言っているわけではないわけです。先ほど申し上げたようにマクロスライドがかかると給付がどんどん下がってきます。下がってきては老後の生活保障ができないではないかということです。ただ、現在の計算では、65歳からもらうと、どれだけの年金が月々もらえますかということが基本なので、それで見ると、4万円でもいいから、とりあえず所得代替率は50%維持ができていますねという話になって、でも、50%維持ができているから、それでも生活しろと言われたって、というのは、長妻先生のおっしゃる通りです。ですから、支給開始を1年、2年遅らせると、その分、毎年、毎月の給付の額が増やせる。この効果を活かしてもらえれば65歳、ないしがんばって67歳まで働くということができれば、その働いている時は給料をもらえると。年金はもらわなくていい。その代わり、いざ年金をもらうことを始めたら、その時は6万円とか、7万円とか、然るべき生活ができるような給付はもらえるようにする。そういう仕組みにすればいいのではないかと」
反町キャスター
「河野さんは、支給開始年齢の引き上げについて、どう考えていますか?」
河野議員
「それは雇用とセットというのが大前提ですね。それから、もう1つは現在、引き上げをしている最中に、さらに、引き上げますと。マクロ経済スライドで支給額を減らしますというと、結局いつ、いくらもらえるのかがはっきりしないんですね。しかも、年金をもらおうと思って一生懸命掛け金をかけている人は、その決定にまったくオーナーシップがないということになってしまうので、一応、現在の制度はどこかできちんと線を引いて、ここまでは現在の制度だけれども、ここからは抜本改正をして新しい制度で出すというのは、1つは、最低限いくら必要なのかという最低保障年金は、これは税で国が責任を持ってやりますと。ただ、所得があって必要がない人は、そこはカットさせてくださいということをやらなければいけない。そのうえの報酬比例の部分は、現在のように政府が取りあえず預かって、勝手に制度が変わっていくのではなくて、それぞれ個人個人で積み立ててくださいと。運用もやって、必要な時に自分で判断して、自分でもらってください。つまり、65歳でリタイヤをしようというなら、積み立てたものを65歳からもらえばいいし、70歳まで俺は働くという人は、70歳まで積み立てて、そこからもらえばいいし、そういう決定のオーナーシップが自分にあるというのが大事で、制度を国がどんどん決めて、自分はいつ、いくらもらえるかもまったくわからないし、その決定にまったく関与していないという制度では信頼が得られないのではないかと思うんです。いつもらって、どう積み立てて、どう運用し、それを自分で決めますと。国はそれをちゃんと長生きのリスクを保障する。そういう切り分けをしてあげて、初めてどうしますかということになるのではないかなと」
反町キャスター
「その切り上げの話は長生きがリスクになるんですよね、制度にとって。
河野議員
「ここで言うリスクは、予見の可能性が低くなるという意味でのリスクということを考えれば、それをとれるのは国が全人口をあわせ持って、そこをやりますというのが1番良いやり方だと私は思っていますので、そこは国がやりますと。そこまでは自分のところである程度やってくださいというのがこれから重要だと」
秋元キャスター
「寿命はこれからも伸びていきますよね。平均寿命。そうすると、また制度がつらくなってしまいませんか?」
河野議員
「そこは、何歳の時の平均余命を、政府が年金として保障するというやり方にしていけばいいわけですし、そんなに1年で、(寿命が)何年も伸びていくわけではなくて、何年かかけて、数か月ずつ伸びていきますということなので、そこがある程度、1億2000万人、あるいは人口が若干減って1億1000万人になっても、国がそこにリスクを持てるのではないかと思います」

年金削減の穴埋め策 確定拠出年金の拡充
秋元キャスター
「個人型確定拠出年金、これはどういったものなのでしょうか?」
土居教授
「公的年金だけでは不十分にしか老後の所得保障ができなさそうだということなので、現在の若い世代の人達は、特にマクロスライドでどんどん減っていきますから、若い人達にできるだけ現在から積み立て方式的に自分の給料の一部を積み立てるかのように年金保険料というか、供出していただきたい。そうすると、拠出した分はちゃんと個人勘定になっているので、自分の老後にその給付が返ってきますという、そういう形ですね。しかも、その拠出をいくらにするのかということを先に確定しますと。給付はもちろん、運用成績だとか、そういうことで、景気が良くなればたくさんもらえるけれども、そうでなかったら、ちょっとしかもらえませんけれど、でも、民間の銀行とかに預けているよりかは税の優遇がある分だけ有利ですよ、ということですね」
反町キャスター
「個人型確定拠出年金を政府が国民に推奨する、これをどう見たらいいのですか?」
河野議員
「マクロ経済スライドの結果を見ると、年金の金額はこれから切り下げられていくわけです。それにどう対応していくかということは考えていただかなければいけないので、いずれ現在の確定給付、つまり、いくら給付するのかを決めてというのは、この低金利がずっと続いている中で、それはだんだん無理が出てきたよねと。むしろいくら出すのかというのを決めて、運用結果をきちんとお支払いしますと年金制度を変えていかないと、予見可能性がなくなる。つまり、確定給付だから、マクロ経済スライドが入ってきたり、あるいは年齢の引き上げが起きたりということになるわけですから、どこかで線を引いて積み立て方式に移行すべきだと思うのですが、そういう中でも、この確定拠出というのは、移行にも役に立っていくことになると思いますし、そもそも確定拠出年金を個人でやってもらうためにはそれなりの金融教育をやらないとダメで、現在の日本の、たとえば、投資信託を見ると、毎月分配型が多いとか、どんどん投資信託が移り変わっていく、あるいは買い換えていく。およそ投資に不向きな行動をしていらっしゃる方がたくさんいる。それはなぜかというと、ちゃんとした金融教育が行われてないところがあって、何となく金融機関が、これがお勧めですよ、こうやったらどうですか、と言って、それでころころ手数料稼ぎに使われてしまっているところがあると思うんです。ですから、個人型の確定拠出をきちんと広めていきながら金融教育をちゃんとやって、投資というのと博打は違うよと。投機と投資は違うんだよときっちり時間をかけて、分散投資をすることによって、いろいろ資産を増やすことができるし、リスクを下げることができるんだということを、大勢の方に理解していただくというためにも、私は、これはどんどんやっていくべきだと思います」
長妻議員
「これは一概にいいとは言えないですよね。つまり、簡単に言うと、今回の法改正というのはこれまでは3階建てしか基本的に認められていなかったんです。基礎年金と2階建ての厚生年金、企業年金など。ところが、今度はその上に4階建てもいいですよと。つまり、これまでは入れなかった企業年金に入っている方も、個人型の確定拠出には入れる、主婦も入れると。こういうことです。素晴らしいと思う方もいるかもしれませんが、私はちょっと眉唾なのが、たとえば、保険料を払うわけです、保険料は基本的に公的年金の保険料にプラスしてまた払うわけですね、この保険料は。そうすると、このマクロ経済スライドが入って、年金が年金たり得ない時に、自助努力でやってくれというようなふうに聞こえるわけですね。これを払える方は、一定のお金を持っていないと払えないし、この保険料は全額を企業がもっている企業も多いです。それはいい企業ですよね。ただ、そういう企業に皆、入れるわけもないので、私は、格差が拡大して、しかも、この個人の確定拠出年金は、今度は民間でもあるわけです、似たようなのが。今度はここに組み込むことによって税金を払わないでいいわけです。現在民間の年金として上乗せで払っている方は税金を払っているわけですから。それが払わないでよくなるということで、果たして諸手を挙げていいなと言えるのかどうか、むしろ公的な年金がしっかりすれば安心なわけですから、それがしっかりしていない穴埋めを自助努力でやれということであると、一定の金額、お金を持っている方しか、自助努力ができないということで、格差が広がるのではないか。こういう視点もよくよく持たないといけないと。どうしても現在の政府はそういう格差についての視点が非常に弱いのではないかと、自助努力はもちろん、重要ですが、そうではない格差が拡大している社会の中で、格差是正という視点も持っていただきたいと思うんですね」

日本の年金制度 抜本改革のあり方
秋元キャスター
「国民年金の納付率は62.3%です。全員が納付すると約8900億円の増収となります。どうしたらこれを実現できますか?全員が納付するという…」
河野議員
「それはやめて、税方式に変えるのが1番いい方法だと思います。国民年金というのは定額ですね。そうすると、所得がアルバイトで月10万円の人も、あるいは年間2000万円をもらっている国会議員も、月々の国民年金の保険料は同じです。これはあまり公平な負担とは言えないと思います。それから、その納付をしてくださいと言っている人件費もかかっているわけです。私は、国民年金の保険料はやめて、代わりに消費税でやらせてくださいというのが1番いい。つまり、コンビニに行って、ウーロン茶を買う時も消費税は必ず払うわけですから、そうすると、とりっぱぐれというのがない。未納率というのがなくなるわけですね。それから、もう1つは、保険料を払っていると、保険料を払ったんだから、基礎年金の少なくとも3万円はもらう権利があるよねという話になるのですが、これももうやめて全額税方式でやりますというと、その半分、つまり、国庫負担の半分をやめようと言うのではなくて、基礎年金そのものを年金収入の多い方にどこかで打ち切りさせてくださいとできるわけです」
反町キャスター
「削りにくくなると思ったんですけれども、そうではないのですか?」
河野議員
「要するに、これは税金ですから、保険料ではないわけです。そこはもうそれで、その代わり全員に消費税でいただくわけですから、最低保障はここまでやりますよということはきちんと決めて、そこは現在のように基礎年金3万円だけれども、がんばっているみたいな方はなくなって、それはきちんと最低保障はできるということを考えれば、年金保険料の納付率を上げる云々よりは、そこは税方式でやらせてくださいというのが、私は正しいやり方だと思います」
反町キャスター
「全額税方式についてはいかがですか?」
長妻議員
「これは注意しなければいけないです。企業は賛成ですよね。なぜかというと、基礎年金を全額税方式にすることになると、基礎年金も事業主負担(がある)、労使で折半で払っているわけですね。その部分の事業主負担がなくなるわけです。企業は喜ぶけれど、果たして企業の事業主負担を軽くして税金で見ていくのがいいのかどうか。私はそれよりも国民年金の納付率を上げる1番の早道があるんです。会社に勤めていれば、基本的には厚生年金に入っていただく。こういうことをすると劇的に上がるわけですね。と言うのは、現在会社に勤めているけれども、国民年金を払っている方は600万人ぐらいいらっしゃる。学生アルバイトも含まれていて、そこはなかなかわかりませんが、いずれにせよ、かなりの方が会社で働いているんだけれど、国民年金に入らざるを得なくなっている。国民年金は、自営業の方の未納は少ないですよ。そうではなく、会社で働いているけれど、非正規雇用で国民年金だと、事業主負担がなく、全額1万5000円を自分の給料から払うと。なかなか払えないと。こういう方々が多くいるので、まずは原則、会社で働いていれば、厚生年金に入っていただくということが重要です。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が疑問なのは、積立金のうち半額を国内外含めて株で運用することができるとなったわけです。景気がいい時はいいですけど、2008年のリーマンショックみたいなことが起きたら、半分を株で運用していたら、いくら損をするのかと。26.2兆円損するというんです。(当時)実際に損したのは9.3兆円だったわけですよ。それは株(の比率)が低かったから。しかも、アメリカは株を一切やっていませんから、公的年金の積立金では。あの資本主義の権化のアメリカですら。ですから、基礎年金の部分の運用を株でやるというのは、あまり聞いたことがないので、いかがなものか。成長戦略の一環として議論が出て決定しちゃったわけで、議論の出方も不純ではないかと思います」
土居教授
「注意しなければならないのは、生活保護の場合は全額を税で見ているところですね。それが欠けているので結局、年金だって保険料を払わない人には給付しませんよというスタイルになる。別にそこで収支があえばそれでいいという話になると、低年金、無年金の人は結局、税で見なければいけない。そういう意味で、税で基礎的なところをカバーするということをまず考えてみる必要があると思います。まさに、制度設計をどうするか次第で、いくら増税するか、しないかということは決まってきますし、もう1つは、実は生活保護のところでは全額税が出ているということを放っておいて、いくら消費税がいるのですか、という話をするというのはアンフェアな議論であると思います」
反町キャスター
「GPIFについてはいかがですか?」
土居教授
「これは説明責任が成り立つかどうかというところは必要だと思います。国が成り立ってこそ、初めて公的年金がありますよねというのであれば、国債で運用すると。その運用益で年金積立金をまわしていくのか。いや、日本のマクロ経済とともに心中すると。簡単に言えば、インデックスでまわしていく。インデックスでまわしていけば、日本経済がダメになっているのに年金が残っているというのはさすがにないですねと。だけど、日本経済ががんばれば、年金も良くなりますということにするか。この2つの、ミックスももちろん、ありますけれども、2つの説明が成り立つような程度に運用の配分を決めるということですよね。とにかく儲かりそうだから、そちらで運用しますとかだと、なかなか説明ができないと思います」

河野太郎 自由民主党行政改革推進本部長の提言:『税方式+つみたて』
河野議員
「私は最低保障の部分は税方式にして、その上の報酬比例のところは1人1人の積み立て方式で、国が長生きリスクをきちんと見ますと。そういうやり方に変えるべきだと思います」

長妻昭 民主党代表代行の提言:『負担と給付のコンセンサス』
長妻議員
「いい年金にするにはご負担をいただかなければいけないと。ただ、その時に格差を是正する点が重要なので、より余裕のある方は一定のご負担をいただくというようなことを正直に政府はパターンを示し、国民の皆さんにある程度選択していただくというふうにしないと、いつまで経ってもなかなか前に進まないのではないかと思いますので、我々もそれを与党にも提言していきます」

土居丈朗 慶応義塾大学経済学部教授の提言:『高齢者の我慢 若者の協力』
土居教授
「ない袖は振れないということですね。年金の財政を盤石なものにして初めて年金に対する信頼も世代を超えてできるということになりますと、残念ながら現在の高齢者の方は現在の若い人達よりかはたくさん給付を貰うことになるという仕組みに、現在のところなっていますから、少し我慢していただいて、その代わりに、若い人達は年金不信にならずにその制度を守るべく保険料をきちんと払っていただくと。こういう助けあいが必要だと思います」