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2015年6月1日(月)
株高・円安の危機好機 アベノミクス参謀登場

ゲスト

本田悦朗
内閣官房参与 明治学院大学客員教授
藤巻健史
維新の党参議院議員
中空麻奈
BNPパリバ証券投資調査本部長

124円…円安をどう見る?
秋元キャスター
「円は現在124円前半で取引されているということですが125円も視野にという円安ですけれども」
本田氏
「124円というレベルをどう評価するかということについては、いろいろな意見があると思うんですけれども、まずこういう動きが起こっている背景には、日本とアメリカの金融政策の層と言いますか、現状のポジションの違い。日本はまだ思い切った金融緩和をずっと続けていまして、2%のインフレを目指すという真っ最中でありますが、アメリカについてはもうテーパリングも終わって、将来金利の引き上げのタイミングを探っているという、そういう層が違いますので、そういうことでドル高が進んでいると。ただ、このレベルが適正かどうかというのはわかりません。適正な為替レートというのは、完全雇用が実現して、2%程度でインフレが安定した時の為替レートが適正であるという結果でしかわからないので、事前にこれがいいとか、悪いとか、なかなか判断しにくいんですけれど、ただ、円のレートを考える時にはドル、円だけではなく、いろんな通貨との比較、つまり、実効レートと言いますか、貿易量で加重平均したレート。それから、物価の条件も勘案をした実質レート、両方を合わせると、実質実効為替レートということですけれども、それをよく見ながら評価していく必要があるだろうと思います」
反町キャスター
「2つの物差しから見ると、124円という数字というのは妥当な線として出てくる、現在の経済状況なのですか?」
本田氏
「そこは妥当かどうかわかりませんけれども、私自身は別に驚きません」
反町キャスター
「僕はよくわからないままに、いつも聞いているんですけれど、購買力平価という言葉を使う方がいます。要するに、どういう意味で、購買力平価で見た時には、およそ現在の為替の水準というのはちょっと行き過ぎだという人が多いんですけれども、その意見については、どう感じますか?」
本田氏
「購買力平価、よくPPPと言われますけど、基本的には同じもの、同じサービスであれば、世界中どこで購入しても、だいたい同じぐらいの費用になる、コストになる。そのPPP、購買力平価についてもいろんな計算がありますので、消費者物価のバスケットに入っているものを選ぶ。あるいは全ての部材、サービスをとり上げるという計算の仕方がいろいろあります。日本も現在デフレを脱却し、徐々に物価が上がってきていますので、この購買力平価のレート自体も動いているということです。一昔前はよく105円から110円ぐらいと言われていましたので、それに比べると、円安方向に動いているということもありますけれど、そこはもう少し長い目で見て、購買力平価にピタッと現実の為替レートが一致することはありませんので、プラス、マイナス、相当のレンジで見るべきだろうと思います」
反町キャスター
「藤巻さん。為替の状況をどう見ていますか?」
藤巻議員
「私は、2011年に円は75円台をつけたんですけれど、もう完璧にトレンドが変わって、円安ドル高にもう変わったと思うんですよ」
反町キャスター
「もう底を打っていると?」
藤巻議員
「ええ。1972年からずっと2011年まで円が強くなってきましたけれど、それもトレンドが終わったということで、現在の124円レベルというのはまだまだ円安の第1章、第1項というぐらいに過ぎなくて、異次元の円安が進むのかなと思います」
反町キャスター
「まだまだいくという意味ですか?」
藤巻議員
「まだまだいくと思います。それは通常で考えるとまずアメリカの景気が良くなっていますよね。私は昔、ドルを買ったらどうですかというと、最初の反応というのは、アメリカは双子の赤字ではないかという話があったんですよ。だけど、現在、アメリカの財政というのはむちゃくちゃに良くなっていますし、シェールガスがあって、中近東に軍隊を送らなくていいとか、そういう話もあるでしょう。またシェールガスのおかげで経常収支も極めて良くなってきているわけですよ。一方、日本の場合は、財政赤字は世界一悪いし、現在、原油がちょうど少し下がっていたからいいんですけれど、これが上がってくると経常赤字ですよ。日本は経常赤字、双子の赤字になって、ひょっとするとアメリカが双子の黒字であるとするならば、当然、円安、ドル高になるであろうというのが1つと、2番目に先ほど、本田先生おっしゃっていたように金融政策が違うんですよ。テーパリング、既に終わっていますね、アメリカの方は。と言うことは、要するに、今後とも資産を増やさないということ。資産を増やさないということは負債も増えないということで、要は、天からドルをばら撒くのをやめたわけですよ。日本は毎月毎月、1年間で80兆円の長期国債を買いますから、資産がどんどん大きくなると当然のことながら負債は大きくなる。どんどん大きくなる。だから、言い換えると、要するに、国債を買うために日銀が円を刷って渡すわけですから、日銀が年柄年中、天から円をばら撒き続けるわけですね。となると、これは天から降ってこないドルと、毎日毎日止まることもなく降ってくる円と、どちらに希少価値がありますかと言えば、それはドルでしょうと。これが普通の状況の話であって。もう1つは、私はこれからすごくインフレがくると。ハイパーインフレ、悪性インフレがくると思っています。そうなると先ほど、反町さんがおっしゃっていた、まさに購買力平価で現在1ドル、たとえば、東京のタクシーが700円で、アメリカのタクシーが2キロ7ドルだとしますね、わからないけれども、チップなんかを入れるとそうかなと思っているんですけれども、だから、100円ですよ。これが日本、アメリカが7ドルのままで、日本が、たとえば、7000円になりましたと、2キロね。そうすると、これは1ドル千円になるわけですよ。だから、そういうことも考えると、私はまだまだ円安がかなり進むと思っていますけれども」
中空氏
「円安に関しては両先輩とあまり変わらなくて基本的には驚かないし、まだ続くだろうと思っているんです。それはなぜかと言うと、マネーの動きが結構動いていまして、世界中低金利だったということも大きいです。そうすると、金利が上がってくる国の資産が良く見えますよね。マネーがドル資産に向かっている。これでドル高がもっともっと進んでいくでしょうと想像できます。ただし、どこまでもいくのですかというと、現在ファンディングコストというドルの資金調達コストが上がっているんですね。だから、上がり過ぎると高いものを集めてまで買いたいですかという気持ちがどこかでは出てくるんです。なので、当然ですけれども、為替は相対ではないですか。どこかで止まってくるというのがあるわけで…」
反町キャスター
「藤巻さんの話だとドンドンいっちゃうよという」
中空氏
「たぶんそれは例としてお話されただけで、どこかでは止まるというのは、それはそうだと思っています。だけど、そういうところがどのへんですかという話だと思っています」
12営業日続伸…株高をどうみる
秋元キャスター
「今日も12営業日連続で値上がりしているということですが」
反町キャスター
「株ですね」
秋元キャスター
「株高を、藤巻さんはどのように見ていますか?」
藤巻議員
「株もこれだけお金をジャブジャブにしていますから、ずっと上がっていくと思うんですね。私は、経済にとって1番重要なのは資産効果があると思っているんですよ。と言うのは、1985年から1990年の株と不動産のバブル。これがなぜ起こったかというと、まさに資産現象ですよね。資産効果ですよ。要するに、土地と株を持っている人が、自分がお金持ちになった、要するに上がっていくから。それで今度は消費を増やしていくと。まさにシーマ現象という言葉がありましたよね。日産の最高級車シーマがバカ売れしたという。お金を持ったつもりになっている人がシーマを買う。シーマを買っているのを見て、さらに株価が上がる。日産が儲かるから従業員の給料も上がる。資産効果が極めて強い、日本経済にとっては重要なことだと思うんですけれども、円安が現在、進んでいますから、まず資産効果がある、続くだろうということ。資産効果が始まると1回まわるとグルグル好回転が…」
反町キャスター
「それは悪い意味で言っていませんよね?」
藤巻議員
「良い意味で。その意味で言うと、株価はかなり上がっていくと思っています。だから、今日だけのことを見ればいいです。だけど、現在の株について心配しているのはいつかハードランディングがあって、どこかで日本売りがくると思うんです、残念ながら。これは望んでいるわけでは当然ないですけれども、その時というのはトリプル安が起こると思うんですね。それがいつくるのかがわからない。トリプル安が起こると。もしくはハードランディングが起こるのが半年先なのか、1年先なのか。明日かもしれないと。だから、私は日本株を買うならば、恐々と買ってくださいねと皆さんに言っています」
反町キャスター
「上がり続けると言われている一方、恐々と買ってくださいと、これは、観ている人はどうしていいかわからないと思います」
藤巻議員
「私は買いませんよ、怖いから」
反町キャスター
「何を目印に買ったらいいのか。目印は何ですか?」
藤巻議員
「財政破綻はしないと思うんですけれども、なぜかと言うとハイパーインフレになっていくと思いますので、その時に、長期金利の急増とか、それから、円の大暴落というのがありますから。それが同時になりますので、そのへんをチェックしなければいけないんですけれども、わからないです。だって、バブルの時だって、1985年から1990年のバブルの崩壊は何がきっかけかわからないです。要するに、バブルが大きくなりすぎたから、ボンッといっちゃったわけで、だから、現在、株はバブルだと思っていませんけれども、円と国債がバブルになるので、それが弾けた時に足を引っ張られてしまうのが株だと思っています」
本田氏
「現在の株価は非常に健全だと思っています。と言うのは、企業の業績が非常に堅調ですね。どの企業でも2ケタ増益の予想をしていますし、いわゆる株価収益率。株価を収益で割ったものですけれど、これが16倍程度ということでいわゆるバブルの真っ最中ですね、1980年代後半、1990年代前半頃。この頃は、60、70までいってしまいましたので、将来の株価上昇期待が現在の株価に跳ね上がって、それがまた将来の株価の上昇期待にいってしまう。期待と株価がグルグルまわってしまってファンダメンタルズから外れてしまったんです。それに比べると、現在の株価は、株価収益率16倍ですので、これはだいたいスタンダードですね。ですから、そこはまったく心配をしていません。将来資産効果に頼りすぎて、ハイパーインフレが起こってしまうのではないかという議論については、これまで歴史的に見ると、ハイパーインフレというのは戦争が終わったあとに、あるいはシステムが崩壊をしたあと、たとえば、私はモスクワにいましたけれども、ソビエト連邦が崩壊したあとハイパーインフレが起きましたけれど、供給能力が致命的に破壊されない限りまず起こりません。現在、我々が目指しているのはたった2%という緩やかなインフレを目指しているわけで、デフレというのは資本主義、市場経済の中に脱却するメカニズムが入っていないです。つまり、デフレが起こると通貨価値が、モノの値段が下がるということは通貨価値が自動的に上がってしまうということで皆、貯蓄を始めるんですね。企業が内部留保を積んでしまうんですよ。ですから、強力な力を、政府ないし、日本銀行が外から与えないと、デフレから脱却できないです。それをやってくれているのが、まさに、アベノミクスです。ですから、緩やかなインフレを目指し、インフレをつくる力がないと、もしおっしゃるのであれば。あるいは1回上がったインフレをとめられないとおっしゃるのであれば、政府、日本銀行の能力をまったく信用していないということになるのですが、私は信用をしているし、かつ2%という強いコミットメントを日本銀行が、あるいは政府がメッセージを出していますので、徐々に国民、消費者、それから、金融市場のプレイヤー、ファンドマネージャーとか、あるいは起業家の方がだんだん2%に近いインフレ予想を立ててきますので、その予想に基づいて行動を始めますから、そんなに2%を超えて、突然、跳ねるということはありません」
円安・株高のリスクとチャンス
藤巻議員
「私が現在思っているのは、これだけお金をジャブジャブにしたなら、景気は良くなるし、インフレ率2%も達成すると思うんですよ。それはアクセルを踏み込んでいるから。だけど、この日本には現在ブレーキもなければ、エンジンブレーキも利かなければ、それから、アクセルを戻すこともできないと。要するに、金融政策があるというならば、私も政策を認めますよ。だけれど、まったくないから現在心配をしているわけで、それが先ほど、申し上げたようにハイパーインフレになると思っています。それは日銀が引き締める方法が1つもないと私は思っているからですけれども、先ほど、本田さんが、戦争が起こって供給が減ったから、デフレが起こったとおっしゃったんですね。ですけど、確かに供給が減って需要がこう(増加)であったならば、これはハイパーインフレになりますよ。モノがないのだから。ですけど、逆に、供給がこう(増加)であって、需要がこう(減少)なっちゃっても、需要過多になって、ハイパーインフレが起こる。だって、モノを皆、取りあうんですから。何が起こるかというと、たとえば、1ドル1000円になったという極端な例かもしれませんけれども、1ドル1000円になったとすると、日本の製品、外国人が皆、買っていきますよ。だって、こんなに優秀な(モノが)激安ですからね。たとえば、1000円のモノがあれば、これが1ドルになっちゃうわけですね。現在1ドルが100円だったらば、10ドルが1ドルになるわけですから。世界中の人達が日本製品を買い集めるわけです。逆に言うと、日本が石油を買うにしたって、1ドル1000円では買えないですよ、大変になる。と言うことで、むちゃくちゃになるわけですよ。ですから、別に戦争が起こらなくてもハイパーインフレは起こると。お金をジャブジャブにしていると。それがまず1つ、かつ日銀にセーブする方法がない。これを1番怖がっているわけで。だから、アベノミクスというのは事後的に評価をされるものであって、現在評価する、今日だけ見ればいいですよ、だけど、数年後に歴史家が見て本当に良かったかというと、私は、これはハイパーインフレで、間違えた政策だと思っているわけ」
反町キャスター
「中空さん、日本にはブレーキがないという藤巻さんと、政府、日銀の能力でハイパーインフレが起こらないという本田さんの話。これはどちらだというところを聞いているんですけれども、どういうふうに2人の話を飲み込んでいったらいいのですか?」
中空氏
「内閣府参与と参議院議員ですから、ちょっと難しい。それはネガティブなことは言えないのと…」
反町キャスター
「本田さんは多少無理していいことばかりを言っている?」
中空氏
「そのきらいは一視聴者としては、決して傍観者という意味ではないですよ、一視聴者としてはそう見えてきました。藤巻さんはちょっと極端ではあるけれども、現実を言ってしまうと、極端には聞こえましたけれども、だと思っています。なので、そういうことだと思うんです。だけど、私、現在マーケットにいるものからすれば、ちょっと冷静に言うと、現状の株価は私もまだまだ上がっていくと思うんです。と言うのは、1番のキーポイントは中央銀行の態度でして、資金供給を欧州もアメリカも続けている以上、日本もです。だから、資産価格は上がっていく、それしかないので。いくところが。実際に景気がいいですかというと日本の景気も含めて、数字がどんどん良くなっているというわけではなくて、では、お金、マネーはどこにいっているのかと言うと、金融資産、金融のマーケットで動いちゃっている。そうすると、価格がどんどん上がっていくと。これはたぶん正当化されてしまうのでしょうと思っているんですね。あとは、これを時間を保っている間に、それこそアベノミクスでどこまで実需にどう結びつけてくれるかということです。それをまったく、それはどうかなとおっしゃっているのが藤巻さんの立場で、やれますよと言っているのが本田さんの立場で、私は一般、あるいはマーケットにいる立場からすると疑心暗鬼にはなっている。本当にやれる、絶対的な成長する戦略や項目をはやく出してくださいと。見たいですよというのが、1つのポイントになってくるのかなと思いますね」
反町キャスター
「為替や国債がめちゃくちゃになると。ハイパーインフレが起きて、引きずられて、株価も大変なことになるという藤巻さんの未来予測についてはどのように感じていますか?」
中空氏
「もし悪いシナリオばかりになれば、あり得るシナリオですよね。極端なケース。もちろん、それは結果的には杞憂に終わる可能性はあるんですけれど、あり得るシナリオではあると思っています。ただし、そうならないように当然、皆、日本人ですから、ならないようにどちらかというと政策も打っていくし、財政再建もしていくしという方向だ思ってはいるのですが。でも、ごめんなさい、あり得るシナリオだとは思っていて、特に、私は債権マーケットにいますが、日本国債のマーケットは相当歪んできているんですね。日銀が資金供給をし過ぎたことによって。そうすると、通常は日本国債を発行する、それを日銀が買うのではなくてマーケットが買っていた。ところが、現在マーケットではなく、日銀が買ってしまう。そうすると、マーケット参加者は国債を買えない。買えなくなってくると、どんどんポートフォーリオが変わっていってしまう。そうすると、機関投資家や銀行が、じゃあ、どうやって資金を今度、動かしていくのか。よくわからなくなってくる。そういうような歪みが出てきているのが現状ですね。そうすると、マーケットが消化するより前にどんどん日銀が買っているという現状をつくってしまったので、このままいくと、どこかで詰まってしまうのではないかという不安感はあります。それに対してたぶん政権がバチッとした答えを出すとすると、第3の矢に対して、成長をちゃんとしていくからと、ちょっと時間をかけて待っていろということであれば、それしか、たぶんないですよね。日本がうまくいくためには」
株価2万円からの日本経済 景気はどう回復するのか
秋元キャスター
「そうした状況の中で、景気はいつ回復するのか。いかがですか?」
本田氏
「先日、今年の第1四半期のGDP(国内総生産)、成長率が出ましたけれども、やっと長いトンネルを出つつあるなという感じがしました。問題は昨年4月の消費税増税の影響がずっと続いている、まだ続いている。第2四半期は反動減。駆け込み需要の反動減ということである程度は予想できたと。ところが、第3四半期までマイナスであったと。第4四半期にやっとプラスになって、今回の、今年の第1四半期もプラスはプラスです。ただ、消費の伸びが非常に遅いですね。プラス0.1%、今年の第1四半期でですね。0.6%が実質成長ですけれども、そのうちの0.5%の寄与度が在庫調整、在庫投資だということで、もちろん、0.6%という数字は悪くないですけれども、中身を見ると、今後、在庫調整が起こってくると、今後のGDPの押し下げ効果も出てくると。そこは気をつけないといかんなと。ただ、もう少し長い目で見ると、いい条件がいろいろ出てくるんです。つまり、国際的な石油価格が現在は下げ止まっていますけれども、昨年に比べるとはるかに低いレベルで安定してきているということですね。それから、為替レートもあまり評価はできませんけれども、非常に私にとっては心地よい」
反町キャスター
「要するに、円安によって、日本経済は何とかアフターバーナー、後ろから押されているというのは、立場上はあまり言えないものですか?」
本田氏
「言ってもいいのかもしれませんけれども、なるべく私は気をつけるようにしていますけれど。ただ、明らかにこれは追い風になっています。かつこれだけ円安になってきますと輸入物価が上がってくるんですけれども、原油の国際価格が下がっていますので、そこは非常に相殺されまして、いわゆる公益条件、つまり、輸入するために、どれだけ輸出しなければいけないかという、要するに、輸出物価を輸入物価で割ったもの。これは非常に現在、日本はいいです。つまり、実質成長しやすい状況になってくるんです。つまり、原材料が下がります。エネルギー価格も上がってきませんということで、実質購買力が上がってくるという状況が現在出てきていますね」
反町キャスター
「今年の暮れとか、来年以降には日本の景気はもっとグッと良くなる?」
本田氏
「良くなると思いますね」
賃金はいつ上昇するのか
秋元キャスター
「賃金上昇率の推移についてはどのように見ていますか?」
中空氏
「名目賃金上昇率で見るように、緩やかな回復はしていると言えると思うんですね。完全雇用は近い状態ですので、相当日本のマーケットは良くなってきている。これは間違いないと思うんです」
藤巻議員
「たとえば、120円ぐらいで止まればともかくとして、私はかなり円安にいくと思っていて、130円、140円と円安が進むと思うんですよ。そうしたら、さすがに海外から工場が戻ってきます。そうすると、日本人に対する需要はすごく上がってくるわけですし、需要が増えれば、賃金は上がってきますよ」
反町キャスター
「いわゆる人件費の上昇は、日本の国際競争力を落とすことにならないですか?」
藤巻議員
「別に労賃だけではないです。円安になれば、むちゃくちゃ安くなりますから、これまで円が強かったから、外国にいっちゃったけど、日本人の仕事がなくなっちゃったわけですよ。円高の1番の問題というのは、皆さん、円安のメリットは、輸出のことと考えられていますけれども、日本にとって1番重要なのは仕事があるか、ないかなんです。それが1番重要なの。だって、人間が生きていくにはお金を稼いでもらうか、自分で働くしかないわけですよ。工場が海外に行って、外国人を雇ってしまえば、日本の労働力に対する需要がなくなっていくではないですか。だから、値段が下がっていっちゃいますから、労働法規とか、そんな模範ではなくて、きちんと日本の労働に対する需要が増えてくればいいわけで、それは円安でこちらに戻ってくることです。円安がこの程度で止まっちゃうと、私が円高に反対していたのは、1度海外に行っちゃうと戻ってくるのに時間がかかってしまうんですよ。だから、反対していたの。だけど、さすが120円では戻ってこなくても130円、140円なら戻ってきますよ」
中空氏
「円安が進むと過度に、出て行った人が戻ってくると。国内に工場が回帰するという話だったのですが、私は企業とか、セクターとかを見ているアナリストとして、円安だけで帰ってきてはいけないと思っていて、地産地消というのが最近はいろんなセクターでポイントになってきている。と言うのは、コストは必ずしも人件費だけではない。当然ですが、地代もあり、エネルギー価格もあり、いろんなものが関わってくるわけですね。そういうのを含めて考えた時に、簡単に円安になりました、戻りましょうというほどではないし、それよりも結局、それがあったから現在電機セクターは苦しんでいるわけですよね。だから、同じことを何回も何回もやるよりはきちんと選ばなければいけないと思っていて、そういう意味では、もうちょっと最適化の行動がとられるべきかと思っています。ただ、それとはまた別に、完全雇用に近づいていますので、そういう意味で、賃金上昇というのは緩やかに上がっていくでしょうと、これはもう間違いないかなと思っています」
藤巻議員
「労働環境に関して言うと、私は終身雇用制とか、年功序列がなくならないと日本は経済がポシャると思っているので、アメリカ並みにもっと労働市場を流動化しなくてはいけないと思っているんですけれど。これの良いことは、日本は結果平等主義ですが、機会平等主義に直さなくてはいけないですよ。1番重要なのは教育ですけれど、これは終身雇用制がなくなると、結構、教育の格差がなくなると思うんですね。なぜかと言うと、アメリカはそうですけれども、お金をちょっと働いて、貯めて、ビジネススクールに行って、自分のキャリアを変えるんですよ。日本の場合、終身雇用制ですから、1度入っちゃったら辞められないんです。どこか辞めて、勉強のため大学入って、また仕事があるのかどうかはわからない。だけど、終身雇用制度がなくなれば、結構、教育の平等さは保てるかなと私は思っています」
財政健全化は可能なのか
秋元キャスター
「景気回復と財政健全化は両立するのでしょうか?」
中空氏
「(両立)してほしいとは思っています。ただ、できるかどうかというのは先ほど、私は、アベノミクスの成長戦略について出ていないと言いましたが、なかなかそこに確信が持てないので、経済成長の方にあまり与せないというか、なので、私は財政再建するのが優先ではないかと思っている派です。一方、財政再建というのは、なぜかと言うと確実にできるから。やろうと思えばできるから。だけど、一方で、経済成長というのは、ここ過去20年間、0.9%成長ぐらいできて、だいぶ良くなってきました、とは言え、内閣府の言っているような3%成長をしていけるのですかというと、確信が持てないと。もし、お前は何言っているのか。3%成長はこうやってするんだよと言うのであれば、本田先生に今日は教えていただきたいんですけれども、たぶんいろんなことを出せば複合的になっていくと言われると思うんですけれども、それでは何となく、もやっとした感じになってしまうんですね。一方、ハイパーインフレで債務償却論があったんですけれども、それも正しいのですが、ただ、問題なのは、それやってしまうと、2度と日本国債は発行できなくなるということです。なので、それはそれで将来世代には禍根を…」
反町キャスター
「2度は発行できないのですか?たとえば、破綻した国がありますよね?」
中空氏
「信頼はされませんよね。現在の信用がまた戻りますかということです。1回破綻した国は、また再度発行できるようになりますよ。でも、格付けも低いですし、我々から見て信用力が改善するまでには相当時間がかかっちゃうわけです。それを1回のインフレで終わってしまってはもったいないと思うから、阻止したいと藤巻さんはおっしゃっているんだと思っていて、だけど、それをやることによって、確かに負債はきれいになるんです。なるけれども、なった結果、また違う次の問題が起きているということですね。ですので、ここは慎重にできることから。なので、財政再建が大事ですというのが私の結論に戻っていくということです」
本田氏
「問題の立て方がちょっとおかしいと思うんですね。財政再建と経済成長は両立するかという問題の立て方は、矛盾を含んでいます。経済成長によって、財政再建するんです。だから、一兎です。二兎を追って二兎を成功させるのではなく、ヘッドピンは1つです。ヘッドピンは1つでそれを中心にぶつける。そうすると、バタバタとストライクがとれます。つまり、経済成長がなかったら財政再建は無理です。実際いろんな数値が出ていますけれども、ありとあらゆる数値が上振れしています。たとえば、今日4月末までの累積の税収の状況が出ました。財務省から発表されました。まだ所得税だけですけれども、法人税はまだですけれども。それで1兆円以上上振れしていますね。たとえば、財政再建を議論する時にベースになるのは経済財政政策の中長期見通し。これも年に2回発表、1月と7月に発表されていますけれども、現在議論しているのは、2月に発表された数字を議論しているんです。たとえば、経済再生シナリオで名目3%、実質2%で成長した場合でも、2020年のプライマリーバランスの目標は9.4兆円(下回る)。これをどうしますかという議論を延々とやっていますけれども、これほど無意味な議論はないわけでありまして、2020年段階でプライマリーバランスがどれだけ足りないのかという見通しですね。毎年変わっているんですね。昨年1月の中長期見通し、これは11兆円を超えていました。今年は9.4兆円。たぶん来年になると8兆円台に落ちてくるでしょう。つまり、実際の経済の回復によって財政状況はかなり改善してくると。1つの要因は、実質成長率。これがどこまで伸ばせるかと。確かに短期的に伸ばすのは難しいと思います。そこに成長戦略が必要だったという期待もわかります。でも、残念ながら、成長戦略は景気回復を目的としているのではないですね。もっとロングタームで3年、5年、10年先の日本の成長率を高めるというのが第3の矢でありまして、現在議論しているのはもっと短期の話をしているわけですね」
本田悦朗 内閣官房参与の提言:『財政再建はアベノミクスの成果をフルに活用』
本田氏
「経済成長なくして財政再建なしということです。増税か歳出抑制か経済成長か、論理的に3つしかないですけれども。まず財政再建は何のためにやるのかと。国民福祉の向上のためにあるんですね。歳出カットをし過ぎますとマクロ経済に悪影響を及ぼします。ですから、むしろ国民の生活が貧しくなる。経済成長率が落ちる可能性がある。ですから、経済成長をまず最優先にして、現在アベノミクスでデフレから脱却しかかっていますから、まだデフレギャップが12兆円、13兆円あると言われています。当分の間、経済成長率以上の成長ができます。まずそれを最大限有効に活用するということと、それから、世の中に大変な誤解があるんですけれども、いつも債務を勘定する時に、グロスで数えるんですね。つまり、債務総額1035兆円と。確かにびっくりするような金額ですけれども、もし政府のバランスシートのネットで見れば、日本は巨額の資産を持っています。それを差し引くとだいたい名目GDPと同じ500兆円ぐらいになるんです。ですから、債務を名目GDPで割ってあげた値、つまり、経済規模に対してどれだけ借金がありますかということを考える時にその債務というものをいろんな見方で考えられるんだということをまず国民の皆さんにわかってほしい。グロスで見るか、あるいは資産を引いてネットで見るのか。さらに、現在思い切った買いオペをしていますので、日本銀行のバランスシートには大量の国債が乗っかっています。それを差し引いて考えるというのも1つの考え方。それをやりますと、対GDP比70%ぐらいまで落ちます。そうすると、先進国とそう変わりがないんですね。何で日本銀行のバランスシートに乗っかっている、ちょい国債を引いてもいいのか、あるいはそういう考え方が成り立つのかということは、日本銀行が1回買って持っている国債については償還する必要がないですね。つまり、ロールオーバー、ロールオーバー、借り換え、借り換えでずっとつないでいけるものですから、当分の間、ずっと持っているわけにはいかないでしょうけれども、当分の間、我々が実際問題を議論する、そういう期間を考えるとじっと持っている。そうすると、日本銀行が買えば買うほど民間の市場に残っている国債の残高が減っていくということもあるので、それが唯一正しい見方とまでは言うつもりはありませんけれども、日本の債務残高はそういう複眼的な考え方で見るべきだというのが私の考えです」
藤巻健史 維新の党参議院議員の提言:『必要ない それより出口戦略!』
藤巻議員
「景気は良くなりますよ。これだけお金をジャブジャブにして、円安が進んでいますからね。問題は出口なので、ハイパーインフレにしないように、もしくはハイパーインフレになるにしても軽いものにするように、現在から出口を考えておけと。これが私の提言ですね」
中空麻奈 BNPパリバ証券投資調査本部長の提言:『構造改革を待つが… 財政再建 社会保障改革を疎かにしない!!』
中空氏
「私も構造改革をやってほしいと。だけど、待つよりも確実なもの、財政再建、社会保障改革を疎かにしないということにしてほしいと。先ほど、本田先生が説明した中で日銀の持っているものを資産だとおっしゃいましたけれども、それは財政ファイナンスを認めているみたいなことも考えましたし、資産を考えるとネットの議論をされましたが、ネットと言っても港湾とか、河川とか、山とか、道路とか、売れないものがいっぱい資産に入っているわけで、それどうするとか、いろんな矛盾があると思っています。なので、一途に財政再建をしていこうではないか、やれることをやろうというのが私の何だかんだ言って、1番近道だよと思っている提言になります」