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2015年5月29日(金)
年金減額&医療負担増 財政健全化への具体策

ゲスト

鴨下一郎
自由民主党社会保障に関する特命委員会委員長代理 衆議院議員
大塚耕平
民主党政策調査会長代理 参議院議員
土居丈朗
慶應義塾大学経済学部教授

どう減らす? 社会保障
松村キャスター
「2020年度のプライマリーバランス9.4 兆円の赤字を黒字化するために政府内で議論が進められているのが、社会保障費の抑制です。国の一般会計に占める社会保障費の現状ですが、2015年で31.5兆円。およそ3分の1を占めています。今後、高齢化で増え続けまして、2020年にはおよそ37.2兆円に達すると予想されています。土居さん、このプライマリーバランスの黒字化のためには、税金による社会保障費の負担を現実的にはどの程度減らす必要があると考えていますか?」
土居教授
「まず37.2兆円が、どういう内訳になっているかということを申し上げると、31.5兆円から、だいたい6兆円ぐらい増えそうだというんですね。ただ、2017年には消費税率を10%に上げるということが予定されていて、その引き上げ分のうち、社会保障の充実分に充てようとしている部分があります。この部分が、資料によると6兆円のうちの1.5兆円分はそれぐらいで確保しなければならないということです。これまで、たとえば、安倍政権の3年間でどれぐらいこの社会保障が増えてきたかということをみるとだいたい高齢者の伸びと同じぐらいの伸び率できて、毎年0.5兆円ずつぐらい増えてきてきたということを考えると、特別に背伸びもせず普通にこれまで通りの安倍内閣での財政運営で社会保障を増やしていくということになれば0.5兆円×5年分ですから、2.5兆円分ぐらいは増やせます。そうしますと、1.5兆円プラス2.5兆円ということで、だいたい4兆円ぐらいは増やしてもこれまでのペースと同じぐらいというような、そういう道筋なので、その37.2兆円という数字は、むしろいろいろな安倍内閣でやってきたペースよりもオーバーペース。というか、かなりたくさん増えるのではないかと予測されて、内閣府が出した数字ということなので、そのあたりを工夫しながら、たとえば、今日、議論になると思いますけれど、年金をどうするかとか、医療費のあり方をどうするのかと、こういうようなところを工夫すれば、無理なくそれなりにできるのではないかというところはあります。ただし、無理なくというペースだけでは、先ほどの9.4兆円というペース、削減に足りませんので、もう少し、大胆でいて、かつ量と質を落とさない、介護の質を落とさないような削減もやっていかなければならないというところです」
反町キャスター
「その話を聞いていると、あまり苦労をしなくても大丈夫そう?」
土居教授
「大丈夫というか、大丈夫そうな部分と、それこそ何のためにやっているかというと、金額ありきで削減をするというわけではないということです。我が国の社会保障は、どの方向に向かっていっているのかということを国民とも理解を共有しながらやっていくと」
鴨下議員
「自然体で、ある程度やっていけばいいということについては、与党も政府も、それなりの合意はあるのだろうと思います。ただ、たとえば、1つの各論になって、医療のどれをどう削るかとか、窓口負担をどういうふうに上げるかとか、こういうふうなことになってきますと、医療というのは、非常にステークホルダーも多いし、利害関係者も多いですから、そういうような中での議論を、政治的にどうこなしていくかという、これが、また方法論も含めて、工夫をしないと、2006年の時と同じ轍を踏むような、こういうことになったら元も子もないわけであります。なので、我々があの時に学んだことをどういうふうに今回、政策を実現するために方法論として何を使うべきかということを…」
反町キャスター
「2006年というのは小泉内閣の時の、毎年2200億円ずつ、とにかく伸び率を削っていく。その分が破綻した時ですね」
鴨下議員
「その分、5年で1兆1000億円削るというような話ですけれども、結果的には、2年ぐらいはできたのですが、そのあとは潰えてしまった。結果的にそのあとは政治の求心力を失って、逆に発散する方向になっていく。こういうようなことがあったものですから、だから、今回は安倍内閣において、様々な工夫をして、PBも黒字化を目指すのも必要ですし、さりとて医療がマーケット全体のシュリンクをして、国民の皆さんにいいサービスが提供できなくなったら元も子もないわけだから、ここのところの知恵出しをしようというのが、今回の、我々の議論の1番重要なところです」
大塚議員
「まず37.2兆円が、土居先生のご説明だと、確かに足元の安倍政権のトレンドと比べるという説明は、そういう事実として呑み込めたとしても、社会保障費がこのまま増え続けると、毎年毎年、それを支える現役世代と若年層が減ってきているわけですから、トレンドから見たら、たいした増加ではないというのはわかりつつも、それを支える現役層と若年層は減り続けているということを考えると、ある程度、抑制しないといけないとは思います。ただ、社会保障を抑制するか、他を抑制してでも社会保障の伸びは守る選択をするか。ここも政治は問われるわけです。だから、社会保障はちょっと負担が重すぎるので削ろうと、一般論として言うのは簡単ですけれども、じゃあ、いざ自分の年金を削る。それから、これまで受けられた医療が受けられなくなるということを、1人1人の国民の皆さんが自分のこととして受け止めた時には、なかなか前に進まなくなりますので、だからと言って、その議論をしなくていいわけではないのですが、他を削ってでも、社会保障を守るべきではないかという議論も、安倍政権はもうちょっとしっかりやらないと…」
反町キャスター
「民主党は、たとえば、そもそも論に入ってしまうんですけれど、民主党は現在のままでいくと、2020年、プライマリーバランス黒字化達成するために9.4兆円が足りないと、その前提は良しとしているのですか。これは9.4兆円足りないと、そもそもその数字自体、我々はそう思わない、その議論には乗らないという姿勢なのですか?民主党は」
大塚議員
「9.4兆円はかなり楽観的な数字ですね。だから、2020年のプライマリーバランスの赤字幅が大きいので、だとすると、冒頭申し上げたように、社会保障の削減の議論は真剣にやらないといけないのですが、さりながら…」
反町キャスター
「大塚さん、それはわからないよ。もっと赤字幅があるというのに社会保障費を守ると聞こえる」
大塚議員
「いやいや、そういう部分もあります」
反町キャスター
「どこから持ってくるのですか?財源論になると民主党はどういう立ち位置をとるのですか?」
大塚議員
「だからこそ安倍さんも消費税のことを問われるわけですよね。だから、10%でもうこれ以上、自分はやらないと言っていて、本当に成長だけで埋められるのですかということを安倍さんも問われているので、我々もそこは考えないといけないところです」

検証“年金減額” その影響と効果
松村キャスター
「さて、赤字を埋めるために経済財政諮問会議の民間議員は、社会保障費削減について、具体的な提言を示しました。特に、年金と医療費に注目をしていきますが、まずは年金については、一定の所得を得ている高齢者について、老齢基礎年金の国庫負担相当分(半額)の支給停止となっていますが、鴨下さん、これは基礎年金が最大で半額に減るということを意味しますが、いかがでしょう?」
鴨下議員
「国庫負担というのは、2分の1を国が出しているということですけれど、それをやめますと言うのですが、もともと年金は、若い時に自分が年をとってどのぐらいの収入があるかどうかという予測がつかないけれども、40年間、払った結果ですから、気軽に、あなた、お金を稼いでいるから、それを停止しますよというのは…。そうすると、今度は自分がどうせお金を稼ぐから、年金保険料を払うのをよしちゃおうみたいな話になって、年金にコミットしない人が増えてくるのを私は心配をします。だから、たとえば、高齢になっても働ける人は年金受給を少し後ろに倒してもらい、その代わりちょっと色をつけて差し上げますから、その間、働ける人はがんばってくださいという、たとえば、年金の受給年齢を上に上げるというのではなくて、選択をできるようにしてあげる。こういうような仕組みをつくって、皆さん元気な、ご高齢の方にはもっともっと働いていただいて、年金の受給をするのを先に送っていただけるような、こういう環境をつくった方が、私はいいと思っているんです」
大塚議員
「2点申し上げますけれども、鴨下先生のアイデアもわかります。さりながら、かなりの所得がある方、かなりですよ。そういう方に関しては、ああいうお願いの仕方もあるかなと思いますが、もう1つのアイデアとして、日本はこの20年、所得税の累進度というのはすごくフラットになってきたわけです。だから、お年をとられてからも、収入がある方というのは、たとえば、すごく株を持っていて配当があるなど本当に富裕層が中心ですから、所得税や資産から得られる収入に対する課税を累進度を高くすることによって、年金は権利ですから同じようにお支払いをしても他の部分でしっかり負担をしていただくというのも、もう1つの考え方ですね」
鴨下議員
「私は、大塚先生が言っていることは非常に合理的だと思っていて…」
反町キャスター
「自民党もいいのですか?」
鴨下議員
「いや、だって、そうでしょう、年金で所得の再配分をするというのはあまりいい方法ではなく、むしろトータルの所得について税金の方できちんと解決していった方が合理的でもあるし、透明度も高いというようなことで、先ほど、年金は皆に支えられてできるんです。支えていた人達が結果的に給付を受けるわけだから、そういう意味でいうと、支えていたのに給付を受けられないというのは、年金の権利を最後になってとられてしまうみたいな。こうなると、結果的に、全体の制度が持たなくなるので、だから、所得税でとった方がいいわけです」
反町キャスター
「自民党の中で、たとえば、資産課税の強化とか、所得税の累進の強化とかはどうですか?」
鴨下議員
「これからの議論です」
土居教授
「所得税に着目するという点は両先生とまったく同じで、とても大事なところだと思います。ただ、年金は現在の仕組みのまま所得税を課税しようにも、そもそも公的年金等控除というものが手厚くあるので、大半の人はほとんど所得税がかかっていないんですね。よほどたくさん年金をもらっている方でない限りは、年金の所得にかかる所得税はほとんどないということです。なぜかと言うと公的年金等控除が手厚いから。経済学者も公的年金等控除を圧縮するべきだというような意見が多いです」

収入・資産の線引き
反町キャスター
「公的年金等控除とは何ですか?」
土居教授
「もともと年金収入があって、公的年金に必要経費があるかわかりませんけど、給与を受けとっている人はサラリーですね。給料を受けとっている人は働く時に何かしらの必要経費がかかっているでしょうということで給与所得控除というのを認められている。それと似たような形で、公的年金等控除があって、全額に所得税を直ちにはかけませんと。その控除を差し引いた残りの所得に対して税率をかけて、税金を払ってくださいと。こういう仕組みです。その仕組みの中で実は給与所得と公的年金等控除、低所得の方に対しては公的年金等の控除の方が手厚い。最低の控除額は、給与所得は65万円に対して、年金等控除は120万円です。ただ、120万円までもらえる人は一切、税金がそもそもかからない。それに対して、給料をもらっている若い人は65万円までだけれども、そこから先は控除の額はちょっとずつしか増えていかないけれども、所得税がかってくると。こういうことになってくる。だから、その差は高齢者の方が同じ収入をもらっているのに、控除が手厚いではないかということで、批判をしてきたんですね、経済学者は。ただ、それを現役並みに控除を厚くしましょうと。たとえば、現在、120万円の控除の認められている年金収入の人に、65万円まで下げましょうというと、低所得者狙いうちの増税となってしまうんです。こういうことだったので結局、どの党が与党になっても、そんな案は経済学者が言うけど、結局、受け入れられずに今日まで来たわけです。1つのアイデアは民主党政権の時に初めて手をつけて、安倍内閣になっても引き続きやっているのは、給与所得控除の上限の頭打ちですね。高所得の給与所得者に対してはこれまでは控除の額が、所得が増えるに連れて、青天井でどんどん増えていると。だから、給与で所得を1000万円、2000万円、3000万円ももらっている人もそこそこ控除が増えていくというようなことだったのを、民主党政権の時には1500万円。自民党政権の時では1200万円から1000万円まで。1000万円以上の給与所得が増える分は、控除は一切増えませんという頭打ちにしたんです。そうすると、高所得の人達に対して控除が減る分、増税になるということをやったわけです」
反町キャスター
「何万円ぐらいの収入より上は、税をグッと重くしなければいけないと?その線引きをどのへんに考えているのですか?」
土居教授
「500万円というところは、まず1つ。もっと下げないと本当は効果がないですけれども、さすがに年収500万円ももらっている…」
反町キャスター
「年金プラスその他の雑収入で500万円を超える人に対しては?」
土居教授
「若い人達に負担をお願いしている以上、それなりの負担増をお願いしないといけないと」
大塚議員
「現在、働いている現役世代の平均年収が、日本は400万円台前半ですから。つまり、働かなくなって、年金とその他の収入で現役世代より高い収入が確保できている高齢者の皆さんには…」
反町キャスター
「1人ですか?世帯ですか?400万円は」
大塚議員
「国民1人あたりですね、あくまで数字は。税金、社会保険料を除くベースだと、相対的貧困率で有名になった数字ですけれども、244万円ですね。だから、これらとの比較で対応を決めるべきだと思いますが、その時にセットで議論をしなければいけないのは高齢者が現役層の人を上まわる収入があるから、そこに高いご負担をいただいたとしても、病気になった時とかに結構、医療費がかかったりするので、片方でそれもやりながら、今度は医療の話。このあとに出てくると思いますけれど、医療費もやると。これはダブルで効いてきますので、そこのバランスは考えないといけないです」
土居教授
「日本には、高額療養費制度というのがあります。一定の医療費が月々かかる場合は、それ以上ほとんど増えないというのがある。そこは歯止めがあるのではないかと思うんですけれどもね」
鴨下議員
「大塚さんおっしゃったように、これから厚生年金、いわば満額をもらうような人達が増えてくるわけです。これまで40年間、会社員だった方々が。そうすると、若い、支えてくれる人よりも年金をもらっている人の方が収入が多いという話…」
反町キャスター
「年金に対する課税強化になるのですか?」
鴨下議員
「いや、だから、むしろそういうような方向で若い人達の負担をできるだけ減らしていくというようなことを考えていかないといけない。ただ、ここでテーマになっている年金の話というのは、既に3党合意から、その後の、国庫負担2分の1ということも含めて、マクロ経済スライドも含めて、ある程度、賦課方式におけるバランスというのが、決着がついている部分があるので、さらに、それを深堀りして、こういうような形で、国庫負担分を減額しましょうという話は、私は年金制度そのものに対してのあまり正当な議論ではないとは思いますね」

検証“医療費追加負担” その影響と効果
松村キャスター
「外来医療費の追加窓口負担ですが、これはどんな効果が期待できますか?」
土居教授
「まず物議を醸しているというか、いろいろ批判があるというのは受診時定額負担ということですね。つまり、1回病院や診療所に行く度に、100円とか、500円とか、3割自己負担、これは69歳以下、皆そうですが、それに加えてもう1コインというような負担を求めてはどうかという話があります。確かに、受診抑制になるという可能性は懸念されているところですけれども…」
反町キャスター
「それは懸念ですか?受診抑制を狙っているんですよね?」
土居教授
「そうです。ただ、風邪ぐらいで病院に行くなというのは乱暴な意見だということもあって、つまり、1コインを上乗せされ、払えないと感じた方、患者さんがちょっと今日は行くのはやめておこうかと思ったら重度化しちゃって、酷いことになるというのはまずいというのはある。私が思うには、大病院に紹介状なしで受診するとなると5000円を払ってくださいという、そういう仕組みが通ったわけです。それを考えた時、この仕組みがなぜ設けられたかというと当然、受診抑制です。つまり、風邪ぐらいだったらば、町のかかりつけのお医者さんに行ってくださいと。大病院は大きな病気をした人のための病院ですということですよね。これは割と広く受け入れられている考え方ですよね。大病院に行くのは大きな病気をした時だ。それと同じような考え方をしたらどうだと。つまり、1つ病気になった時に、まず近い診療所に行くと。だけど、その診療所のお医者さんが信用ができなくて、2件目の診療所に行くと。この人もよくわからないから、3件目、4件目と、頻回受診と言っていますけれども、そういうことが起こっているということを考えると、まずはかかりつけのお医者さんを1人決めてくださいと。そのお医者さんにかかる時は、受診時定額負担はなくていいと。だけど、2人目、3人目みたいに、1人のお医者さんを信じればいいものを、余計なことまでするのだったら、その時は定額負担をお願いしますよというようなことにするというアイデアはあるのではないかと思いますね」

重複受診と頻回受診
土居教授
「患者側でフリーアクセスということは大事だけれども、自覚して、何でもかんでもとにかくコンビニ受診的に、行くというのではなくて、1人のお医者さんを信じ、そこでちゃんと自分の体を治してもらおうというような形でやっていただく方もあわせてやらないと。患者ご自身で判断されるような形に持って行った方が、私はいいのではないかと」
鴨下議員
「土居先生がおっしゃるように、日本はフリーアクセスでありましたけれども、過度なフリーアクセスというのは、当然、医療というのは元気な現役世代が支えてくれている、こういうようなことでありますから、できるだけ適正に受診をしていただきたいというのが当たり前で、そうすると、ゲートキーパー的なかかりつけ医、そういうところに一応相談をする。ただし、大病院に行ったら5000円という話がありますが、中小病院に行った時にはタダなのかというと、その時、場合によると、少し付加金をつけるとか、こういう工夫というのはあるかもわからない。ただ、その時にはどこに行ってもお金がかかるというのでは困るというので、かかりつけ医だとか、地域のお医者さん、この人と言った時には、きちんとこれまで通りのお金、負担でやれるようにと、このあたりのメリハリは必要だと思います」
大塚議員
「厚生労働副大臣の時に、定額負担の100円をお願いした方ですから、今回もそれはお願いしてみる価値はあると思います。結局、頻回受診すればするほど、1コインを払う回数が増えるので、それはご自身でご判断いただくという動機づけになると思います。もし鴨下先生の話とセットで工夫するなら、日常の病気のかかりつけ医のところに行った時には定額負担はかからない。そうすると、同じところに2度行けば、先生が大丈夫だよ、1週間安静にしてなさいと言ってくれるので、何度も行くこともたぶんなくなりますので、かかりつけ医以外のところに行く時には100円ということはあり得ると思います。それと、定額負担の問題よりももっと重要なのは、このあとの薬の議論につながってくるのですが、結局、同じ病気で3軒行くと、同じような薬を3回もらって、2週分ずつをもらって6週間分貯まるみたいなことになるわけですよ。だから、薬の処方に対し、どういう保険、あるいは自己負担で臨むかということのセットで定額負担の仕組みを考えていかなければならないと思っています」

検証“病床適正化” 医療費“西高東低”
松村キャスター
「なぜ西と東で医療費に格差が生まれてしまうのでしょうか?」
土居教授
「入院をどれだけ患者さんにさせるかとか、そういうのはかなり地域差が顕著にあるわけですね。ですから、そういうところを、もう少し地域差を縮められるところを縮められればいいねということで、実は地域医療構想という計画を、これから今年度以降、各都道府県で策定するということになりました。つまり、病院はどういう機能、どういう患者さんを扱うかと。高度な手術が必要な患者さん、手術明けで、医師の治療が必要な方、ないしはリハビリとか、退院待ちをしている患者さんとか、慢性の病気に罹って入退院を繰り返す、そういう患者さんごとにそれぞれの地域でどれぐらいのベッドが必要なのかというのを、きちんとレセプトデータに基づいて分析し、それで将来の医療提供体制のあり方を各地で見直していこうということになったと。そうすると、データがありますから、何でこういう地域差があるのだろうかともっと詳しくこれまで以上に分析できるし、もしその原因が突き止められたら、もっときちんと、たとえば、人口が減っている地域で無駄にベッドがあるということだとすれば、人口が減っているということは患者さんが減るということです。患者さんが減っているということはそれだけベッドは要らない。だけども、なかなか自発的に病院からベッドを減らしましょうと、自分ではなかなかしにくいということならば、補助金で誘導するとか、周りの病院と強調して三方一両損式に、皆でベッドを減らしましょうとか、そういうことをやっていけば、入院する必要のない患者さんに入院していただかなくて済むし、病院経営としても空きベッドがたくさんあったら、固定費もかかりますから、病院経営を圧迫するというのもなくして、病院経営を安定化する方にもいくかもしれないと。もちろん、医療費も抑制できる。こういうところが期待される効果としてあるのではないかと思います」
反町キャスター
「ベッドを減らすことによって、何兆円、何千億円というロットで財源が出てくるものですか?」
土居教授
「そうだと思います。どの程度やるか次第なのですが。長野県は医療費が低いのですが、入院医療費で長野県並に皆やったら、兆円単位で税財源を出さなくても済むというのはあります。ただ、現在出している医療費から純減するわけではなく、高齢化によって増えることは間違いないので、たとえば、首都圏のベッドは絶対に増やさなければいけないですよ。これは増やします。だけど、減らさなければいけない地域もあります。と言うことを差し引きしたうえで、それでも増え方が緩くなる。それで9.4兆円のいくらかをこれで支えてもらえればありがたいね、誰も困らないでできるでしょうというのがあるのではないかなと思います」

検証“ジェネリック推進” シェア拡大を含む課題
反町キャスター
「ジェネリックに対する普及率というのは何で日本は低いのですか?」
鴨下議員
「患者さん自身が飲む薬に対するコスト意識、こういうものに対してまだまだのところがあると思います。それでなおかつジェネリックは、もうちょっとコストを安くした方がいいと思います」
反町キャスター
「現在は先発品の5割から6割の値段ですよね?もっと安くできる?」
鴨下議員
「もっと安くできると思います。それはジェネリックを相当価格で差をつけて、そちらへ誘導していくと。それを患者さんに選択していただく。医者に、ジェネリックを処方しなさいというのはなかなか難しいですし…」
反町キャスター
「何で難しいのですか?」
鴨下議員
「それぞれお医者さんの考え方がありますから、だから、自分はこの薬が効くと思っていれば、それは価格の高い安いは関係なく処方します。そうすると、先発品で使い慣れて、副作用なんかもわかっている薬を書くというような当たり前のことですから」
反町キャスター
「何でジェネリックは、日本でこんなに広がらないのですか?」
大塚議員
「そこには製薬会社の皆さんとお医者さんのいろんな信頼関係がある…」
土居教授
「MR(医薬情報担当者)という販売を…、後発薬品メーカーのMRは少ないんですよ。だから、なかなか単純には…」
反町キャスター
「営業力の違い?」
土居教授
「それもあると思います」
鴨下議員
「2015年になって(シェアが)50%を超えていますし、80%というのはそんなに難しい数字ではないです」

鴨下一郎 自由民主党社会保障に関する特命委員会委員長代理の提言:『多様なメニューと自己選択』
鴨下議員
「社会保障というのは、納得をして国民の皆さんに協力していただかなければいけません。ですから、たとえば、年金の給付の年齢とか、それから、医療で免責をどうするという話もありましたが、納得していただければいいので、そういう様々なメニューを提示して、それを国民の皆さんに選んでいただける。こういう改革の仕方。選んだら、国民の皆さんがお得になるような、インセンティブのつくような、こういうような改革を、前回2006年の骨太の時の教訓を受けて、手法を変えないと、社会保障の改革は進まないと思っています」

大塚耕平 民主党政策調査会長代理の提言:『自律と共助』
大塚議員
「共助は社会保障ですよね、まさしく。ところが、社会保障が大変財政的に厳しくなってきて、若い人に付加をかけているので、自律を立つと書かずに、律するの律を書いたところに意味があって、これはお年寄りも、それから、国民1人1人も過剰な社会保障負担を社会にかけないように自らを律するという気持ちがないといけないし、お医者さんも、あるいは製薬会社も多少は律する気持ちがないと、本当に国を滅ぼしますよね。だから、これを立つと書いちゃうと自分で何とかしろという話なのですが、あくまで共助は大事。この共助を維持するためには自分を律するということが大事だと思います」

土居丈朗 慶應義塾大学経済学部教授の提言:『財政再建、格差是正 成長に資する改革』
土居教授
「今日は、財政健全化に向けた社会保障ということだったのですけれど、別に財政健全化だけのために社会保障改革があるわけではないということですね。たとえば、低所得者に対する保険料負担を軽減するということを通じて、格差の是正ということにもつながるでしょうし、さらには保険料負担を税負担とともに軽減すれば、たとえば、事業主保険料負担が軽減されれば、企業の経営の活動資金も増えるから、その分だけ経済成長につながるとか、多様な効果があるので、もちろん主目的としては最終的には税財源をどう社会保障に投じるかという工夫であるのですれども、それは一事が万事で格差是正だとか、経済成長にも貢献できるような社会保障改革というものになっていく。そういうものを目指すべきだろうと思います」