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2015年5月22日(金)
モンゴル大統領生出演 日本連携の真意と戦略

ゲスト

ツァヒャー・エルベグドルジ
モンゴル国大統領

日本との連携で描く未来は
松村キャスター
「2009年に大統領に就任されてからは今回で5回目、安倍政権になってからは4回目の来日なのですが、もともと日本にはどのようなイメージを持っていたのですか?」
エルベグドルジ大統領
「日本については、私達モンゴル人は、日の出る国というふうに昔から見ていました。本当に、太陽が出てくる国。太陽というものはそれこそ神様のような、そういう存在であると。私達が1990年に難しい選択をした時に、最初に、私達に手を差し伸べてくださったのが日本です。本当に苦しい時に友達の真の力がわかるという、そういうモンゴルの言葉がありますが、我が国の電気が止まった時に、発電所の修理をしてくださったり、かつてバスが動かなくなった時に、日本から公共のバスが援助としてきたり、また、ウランバートル、都会の方に地方からの人が流入してきて、学校の数が足りなくなった時には学校をつくってくださったりとか、救急車がなくなった時に、救急車を支援されたりであるとか、このようなモンゴルへの日本からの支援というものは本当に的を射た援助であったと。その意味で、日本の政府、日本の国民に対してモンゴル国民はいつも感謝の気持ちを忘れていません」

日本との架け橋 大相撲
松村キャスター
「エルベグトルジ大統領の来日のスケジュールをまとめました。一昨日来日して、すぐ安倍総理と会談。夕食会に出席。昨日はアジアの未来に関する国際会議でメインスピーカーとして演説をされました。今日は、日・モンゴル経済委員会、経団連の榊原会長と会談をしました。現在プライムニュースに出演ということです。明日は、東京競馬場でモンゴル大統領賞の授与式に出席。明後日の日曜日は、大相撲を観戦される予定ですね。日本人にとって、モンゴルは相撲というイメージも非常に強いんですけれども、日本とモンゴルの相撲を通じた交流をどのように見ていますか?」
エルベグトルジ大統領
「これは、本当に素晴らしい協力ができていると思います。私は、個人的に相撲というものをほとんど知らなかったのです、もともとは。それがモンゴルで、初めての力士が相撲に参加をして、その頃から、初めて相撲というものが、モンゴルで知られるようになりました。現在ではモンゴルの全てのテレビ、日本のNHKとか、モンゴルのテレビにおいて、モンゴルの解説者が生放送を観ているという状況です」
反町キャスター
「今日、相撲は13日目が終わったところですけれども、夏場所13日目が終わったところで、11勝2敗で白鵬がリードしていると。10勝3敗で照ノ富士、勢、魁聖といって、そのうちでも、優勝争いしている4人のうち2人がモンゴル勢であるという。この状況を見ていると、誇らしいという気持ちになるのか、それとも日本の相撲だから、日本人もっとがんばれよという気持ちになるのか。どんな気持ちで見ているのですか?」
エルベグドルジ大統領
「第1にモンゴルの力士達を誇りに思っています。2番目に、日本の力士にもがんばってほしいと本当に心から思っています。モンゴルと、競いあってこそ、面白い相撲になると思います。モンゴルの若者達が、非常に力があって、能力があって、日本の相撲の中で、日本の皆さんが受け入れてくださって、こうやって成功をしているということは両国の文化交流において、お互いの相互理解に、非常に有効な意義を果たしていると思っています」
反町キャスター
「好みの力士を言わないものですか?横綱だけでも3人もいるわけではないですか。白鵬、日馬富士、白竜、あと照ノ富士もいるし、他にも諸々いる中で大統領が、こんな力士が好きというのは言ってはいけないこと、国家秘密ですか?言わないものですか?」
エルベグドルジ大統領
「いや、いや、全員のことを応援しています」

民主化の歩みと今
松村キャスター
「モンゴルですが、どんな国なのか簡単に紹介します。ロシアと中国の間にある内陸の国で、首都はウランバートルです。人口はおよそ300万人と日本のおよそ40分の1なのですが、面積はおよそ156万k㎡で、日本の約4倍にあたります。昨年のGDP成長率は7.8%。1人当たりのGDPは、およそ39.7万円。ちなみにこの年、日本はおよそ379万円でした。主要産業は、鉱業や牧畜業。特に鉱業では銅、石炭、モリブデン、タングステン、レアアースなどがありまして、豊富な地下資源に、多くの国が注目しています。モンゴルの歴史はと言いますと、1911年の辛亥革命で、当時の清から分離して、自治政府を樹立しました。その後、中国軍閥の支配下に入りましたが、1921年には君主制人民政府が成立して独立宣言。1924年には一党独裁による社会主義国を宣言して、ソ連に次ぐ世界で2番目の社会主義国となるモンゴル人民共和国が誕生しました。その後、民主化運動が広まりまして、1990年に一党独裁体制が崩壊します。モンゴルとして初めて複数政党制による選挙が実施されました。1992年には、新憲法の下、現在のモンゴル国となりました。大統領は1992年のモンゴル国誕生を実現させた革命家、民主化運動のリーダーとしても知られているんですけれども、具体的に、この民主化の運動ではどんな活動をしてこられたのでしょうか?」
エルベグドルジ大統領
「私は、ソ連に5年間、留学をしていました。ジャーナリストの勉強をしていたんですね。軍の新聞記者として働いていました。軍の新聞で働いていた時に、モンゴルは改革が必要であると、変革が必要であると、友人達と話をしていたんですね。そういった同じ気持ちを持つ仲間達と一緒になって、モンゴルで民主化運動をやろうということを呼びかけたんです。先ほど、写真で出ていましたけれども最初の民主化運動の集会が1989年12月10日に行われたんですね」
反町キャスター
「1989年12月というと、たとえば、東欧におけるソ連邦の崩壊よりも、ちょっと先、前ではないですか。モンゴルの国内において、当時、民主化を求める活動を大っぴらにやるということは非常に勇気が必要だったと思うんですけれども、当局からの監視や弾圧とか、そういうものはなかったのですか?」
エルベグドルジ大統領
「その時代はもともとありました、そういうことが。非常に抑圧がありました。大変困難な時期でありました。ですけど、モンゴルの人達の言葉で、やるなら恐れるな、恐れるならやるなと。そういう言葉があります。ですから、その原則に、私達は則った。私達の目標は、全ての問題は対話の下に解決することができるということ。ですから、その他の運動のように何か力を使ったり、武器を使ったりということはせずに、私達は集会をして、集会は自分達で守って、紙の上に私達の要求は何かと、これについて皆で話そうではないか、複数政党がモンゴルには必要ではないか。現在は単独政党であるけれども、複数政党制があれば、国民の中からもっと良い指導者が出てくる、政治家が出てくる。1人が全てのことを決めている独裁は良くないと。そうでなくて2人の中で、1人、話しあって、国民の選択の下に指導者を選ぼうじゃないかと。モンゴルは遊牧の国であり、私自身も遊牧民の出身です。もともと家畜は国の所有であったのが、それを民間の私有にしよう、私有にしないとうまくいかない。そういった目標を掲げてきました。また、宗教の自由。それまでの信教の自由がなかったのですが、これからは宗教の自由を求めていこう。おじいさん、おばあさん、私達の先輩が信仰していった、いくつかのそういった要求というものを挙げて、集会をして、最初が少なかったのが、だんだん5000人になって、1万人になって、1週間ごとに、日曜日ごとに集会をしていたんですけど、10倍、100倍に増えて、最後に5万人。3月になったら10万人といったような集会になりました。その時の政権を持っていた指導者達が私達のことを理解してくださって、これは若者達と対話をする必要があると、当時の指導者と私達が対話をすることになったんです。民主化(にあたって)の私達の特徴は、1つも窓ガラスを割ることなく、1人も流血することなく、この改革をなし遂げたということで、政治の改革と経済の改革を同時に行ったということです。アジアの他の国々では、経済の改革をしてから政治の改革をしようとする国もあります。モンゴルはその両方を一気にできるということを世界に指し示すことができました。これがモンゴルの民主化運動、民主化革命の特徴であります。1990年の7月に、初めての複数政党制の選挙を民主的に行いました。今年がそれから25周年、民主化運動25周年となります。自由選挙のあとに民主的な国会、内閣が組閣されて、新憲法の策定に至ったわけです。私はその時、27歳でしたが、最初の国会議員として選ばれました」

日本との連携 その真意は
松村キャスター
「ここからは日本とモンゴルの経済連携について聞きます。大統領は、一昨日、安倍総理と首脳会談を行ったわけですけれども、安倍政権が誕生して以来、安倍総理と大統領の会談、今回が7回目です。この他にも両国の首脳や閣僚同士の会談は11回を数えているんです。このように首脳や閣僚の会談が頻繁に行われていて両国の緊密ぶりが見えるのですが、大統領は日本とモンゴルの現状をどのように見ていますか?」
エルベグドルジ大統領
「日本とモンゴルの関係は最も良い時期にきていると言えると思います。北東アジアにおいて、最も近い2国間関係だと言えます。私達にとって非常に嬉しい情報は先週、日本の国会において、両国のEPA、経済連携協定が承認されたということです。これは非常に嬉しい情報でありました。我が国で1月に国会で承認されていたんですけれども、最初、安倍総理が2013年にモンゴルを訪問された時に、この話をされていたんですね。その後、両国の政府が非常に汗を流して、力を入れて、これを非常に短い時間でつくりあげてくださいました。モンゴルにとって外国と結ぶ初めての自由貿易協定となります。ですから、これを日本と結ぶことができたということは、私達は両国の関係が新しい時代に進んでいるということを示していると思っています」
反町キャスター
「EPA、経済連携協定によって日本からモンゴルへの投資。日本とモンゴルの間の貿易がさらに活発化すると思うんですけれど、日本からの投資、ないしは貿易。日本とモンゴルの間の貿易。日本との貿易において大統領が期待するものは何ですか?」
エルベグドルジ大統領
「(日本の)高い技術が、私達が期待しているものです。2010年に、日本の国会で演説する機会が私に与えられました。その時に言った言葉は、モンゴルには天然資源があります。日本には高い技術がありますから、この2つを組み合わせようではありませんか。そうすれば大きな成功、そういった協力ができると。また、日本の企業の皆さんに、私が言ったのは、日本の企業の皆さんは非常に調査に時間をかけると。他の国の人達は非常に早くモンゴルに参入してくるんですけれども、現在、目覚まし時計が鳴っていますよ、起きてくださいと。モンゴルの輸出の共同事業の準備の用意ができていますと。その時代を振り返ると、本当にそのあとの短い時間に多くの経済交流が進んでいます。今日、日本モンゴル経済委員会の皆さんと会ったんですけれども、それは日本における大企業の代表の皆さんですけれども、モンゴルで既にビジネスを行っている人達でありますけれども、共同事業について、具体的な話がどんどん進んでいます。また、今後は新たな大きな石炭の鉱山。それから、インフラストラクチャーの大きな事業、鉄道建設、発電所建設、これらについて、日本の企業と非常に密接に協力をして進んでいます。アジアの未来という国際会議の最後に、安倍総理のスピーチを皆さん、お聞きになったと思いますけれども、安倍総理が近い将来、アジアにおいて、経済交流を具体的に政策的に進めていくことを表明してくださいました。イノベーションについて大きなスピーチでありました。その中で、安倍総理は、モンゴルには非常に知恵があると。褐炭という石炭が、これはコークスと比べて、非常に品質が低いということでなかなか使われないのですが、これにガス化技術を導入すれば、モンゴルの大地に眠るたくさんの褐炭が宝の山になりますと、安倍総理はスピーチの中でおっしゃったんですね。これは非常に、安倍総理と私はまったく同じ考えでありまして、この分野での協力は非常に必要となります。経済について、私は話し出すと止まらないです」

地下資源戦略と輸送ルート
反町キャスター
「先ほど、石炭という話がありましたが、石炭をモンゴルで掘っても、それを日本に持ってくるにはいろんな道があると思うんですけれども、現在、大統領の頭の中にあるモンゴルの石炭。それとは別の銅でも、ウランでも構わないですけれど、地下資源。日本に輸出するルートというのはどのルートを念頭において話をされていますか?」
エルベグトルジ大統領
「まずモンゴルから輸出する場合ですけれども、1つはおっしゃる通り、ロシアか中国を必ず経由しなければなりません。ですから、私達にとっては、両国との通過輸送協定を結んでいくことがまずは第一歩であります。両国、それは当然、料金がかかるわけです。モンゴルはこの2つの国に対して料金の軽減を求めています。どちらの鉄道を通る方が有利であるのか、どの港を使うことが有利であるのか。そういったことを現在、我々は細かく協議して合意する必要があります。昨年9月、中国の習近平主席がモンゴルを訪問されました。その時、モンゴルと中国の通過輸送協定が締結されました。現在その内容、さらに詳細な、細かな協定の手続きに入っています。ロシアとの間でも同じように通過協定の交渉が行われています。それから、皆さんも聞かれたかもしれませんが、昨年、3か国の首脳会談というのが開かれました。モンゴルと中国とロシアの3か国の首脳会談です。3か国の間でどうやってインフラの問題を解決していくか。モンゴルは海の出口を持たない、この状況に対してどうやって解決をしていくかということを、3か国の枠組みで話しあっています。そういった意味で、現在、両国との間で、非常にそういった力強い交渉が行われているわけです。いくつかの協定や条約は結ばれていますし、現在その具体的な、詳細なさらなる交渉に進んでいます。まず1つ目が、そういった両国、2国との協定の問題ですね。次の問題というのが、もう1つ、新しいインフラをつくる必要性もあります」
反町キャスター
「新しいインフラというのは鉄道路線のことですね」
エルベグドルジ大統領
「まずは鉄道です」
反町キャスター
「それはどこからどこまでを結ぶ鉄道路線が必要なのですか」
エルベグドルジ大統領
「まずはタバントルゴイ石炭鉱山、炭鉱があります。ここから南の方に、まず中国の鉄道敷設の計画が進んでいます。それから、もう1つは東、鉄道を結んで、北の方に。この東部鉄道という案件ですね。南の方に向かうのは260km程度。東に向かうのが1300km」
反町キャスター
「ここで石炭が採れるんですね?」
エルベグドルジ大統領
「そうです。大きな石炭鉱があります」
反町キャスター
「日本に協力を求めているのは260kmの方ですか、1300kmの方ですか?」
エルベグドルジ大統領
「両方ともですね。もちろん、日本には協力をしてもらいたいと思っています。その2つの出口があるということがモンゴルにとっては非常に必要なわけでありますから」
反町キャスター
「もう1つ、北朝鮮の話になるんですけれども、羅津という北朝鮮の港があります。石炭がこう抜けて来た場合、ウラジオが凍っていた時には、陸路、羅津まで運んで、陸路で、羅津は凍らないから、ここからくるという話も聞いているんですけれど、北朝鮮の港を使っての輸出。これもかなり現実的なものですか?」
エルベグドルジ大統領
「現実的です。北朝鮮も私は訪問しましたけれども、北朝鮮の公的な人達も、モンゴルに訪問をしています。羅津の他にもウサン(という)もう1つの港があります。そこに新たな港を、モンゴルが使うことができる、そういった話がされています」

AIIB参加の狙いと今後
松村キャスター
「モンゴルにとって、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加はどのような意義を持っているのでしょうか?」
エルベグドルジ大統領
「モンゴル国はAIIBに当初から参加しています。皆さんもご承知の通り、モンゴル国は、以前はシルクロードという道の一部がモンゴルを通っていました。かつて、絹の道ということで、アジアとヨーロッパを結ぶインフラであったわけですね。現在、モンゴル国はロシアと中国という大きな国の間に位置する国です。もしインフラがモンゴルを通るのであれば、それは近道であるわけですね。アジアからの荷物がヨーロッパに行くのに40日ぐらいかかる。それがモンゴルを通って鉄道で行くならば14日でヨーロッパまで行ける。商品貨物をヨーロッパに伝えるために、その意味では、時間というものはお金でありますから、そういった意味ではモンゴル国の国益に関わる問題でもありますし、地域のインフラの開発にモンゴルは参加しなければならない。これはモンゴル国の立場であります。積極的にかかわるべきであるというのが我々の立場であります。その意味では、地域におけるこういったインフラ開発の枠組みにはできるだけ参加していくという考えであります」

今後の経済戦略と日本の役割
反町キャスター
「ある意味、モンゴルの側からするとAIIBもあり、AIIBに参加しない日本もそれに競いあうようにアジアに対するインフラ投資を広げていくというようなこの状況というのは、ある意味、モンゴルにとっていい傾向でもないのか、そのへんのところをどのように見ていますか?」
エルベグドルジ大統領
「モンゴル国にとって、これは柔軟に対応していきたいと考えています。両方とも我々の協力すべき対象でありまして、モンゴルとの関係においては必ず国境を接する2つの国との関係というのが必ず、それは先ほどの輸送の話もそうですし、協力の際に、これを避けて通れない関係でありますので、我々は隣国との関係は友好的な関係でありますし、モンゴル、中国、日本と、モンゴル、ロシア、日本といったような3か国の枠組みでの様々な協議、交渉というものは当然ありますし、私達はどの国ともオープンに開かれて、一緒に協力していきたいと考えています」

“アジアの友”の描く未来は
反町キャスター
「AIIBを純粋に経済的な問題として捉えきれないという意見が日本の中には強くて、これはアジアにおける中国が覇権というのか、力を見せつけるための1つの組織ではないかと。それはアジア太平洋におけるアメリカと張りあうために、中国の力を見せつける舞台としてAIIBをつくったのではないかと、こういう見方が慎重論の背景には根強いのですけれども、中国がAIIBをつくった設立の背景、狙い、これはどう見ているのですか?」
エルベグドルジ大統領
「中国は、国際的に責任ある、そういった国として出てきていると考えています。中国の方から、中国の主席がモンゴルを訪問された際に、はっきりとおっしゃられたのは、私達は国境を接する国と積極的な善隣関係を行う。互恵的であると。ある場合は国境を接する国の国益を尊重するということ。習近平主席はモンゴルの国会で演説をしたんですけれど、その時、中国は過去からの時代、ずっとモンゴル国の独立とモンゴル国の領土の全体性と、モンゴル国の選んだ道を尊重するということをはっきりとおっしゃいました。これはモンゴル国にとっては非常に大きな信頼であります。ですから、私達はそれを尊重します」

対中・対ロ外交の真意は
松村キャスター
「中国、ロシアとの外交関係をどのように見ていますか?」
エルベグドルジ大統領
「外交関係は非常に良い関係であります。2つの隣国との間の関係というのはモンゴルの外交政策の最優先分野ということを話しました。戦略的パートナーシップ関係を両国との間で結んでいます。政府や国民のレベルの全てのレベルでの関係は拡大、発展しています」
反町キャスター
「中国とロシア、2つの大国との間でモンゴルという国はどういう位置を占めなくてはいけないのか、どうバランスを取っていかなくてはいけないのか。常々どういう感覚で両国を見ているのですか?」
エルベグドルジ大統領
「国境を接する国は選ぶことができないですね。モンゴルが2つの国と国境を接するということ、それは歴史的には様々な状況がありましたけれど、現在は、紛争問題や政治的な問題というのはまったくない、全て解決済みです。2国間関係において、政府間の協力委員会といったものがつくられていまして、両国の各省の代表が参加して、そういった協力委員会というもので全ての問題を話しあってきたんです」
反町キャスター
「1990年の民主選挙の時に、中国側からは何も圧力はなかったのですか?」
エルベグドルジ大統領
「ないです。まったくありません。モンゴルの国民が選んだ道を尊重するという立場を、中国の歴代の指導者は表明してきました」
反町キャスター
「ウクライナ問題をどう捉えていますか?」
エルベグドルジ大統領
「ウクライナ問題は、対話によって解決してほしいというのが、モンゴル国の立場ですね。私自身もソ連時代に、ウクライナで5年間学んでいたんです。ウクライナのことを良く知っています。長年、平和であったヨーロッパのこの地域に平和がはやくきてほしいと。この問題が対話によって解決してほしいということ。そういった立場をとっています」

拉致問題にどう貢献?
反町キャスター
「拉致問題の今後をどう見ていますか?モンゴルは、解決に向けてどういうさらなる協力を我々にしてもらえる、どんな協力をいただけると思っていれば、よろしいのですか?」
エルベグドルジ大統領
「私達は信頼関係を基礎とする。そういった交流が重要であると。それは日本とモンゴルの関係でありますし、私達がモンゴルと北朝鮮との間の関係の理念、信頼を基礎としています。この関係に対して誠実であるということが大事です。どんな国であっても交流する際に非常に価値観が重要、自分達が選んだ道を尊重するということ、先ほどの拉致問題に関してですけれども、子供がお父さん、お母さんから引き裂かれて、遠くに拉致されてということは本当に悲劇的なことですと、言うまでもありません。これはもちろん、可能な限り私達は解決のためにモンゴルができることは全てしたいと考えています。それから、北朝鮮の当局に対して、日本の政府当局に対して、もし北朝鮮側と会いたいというのであれば仲介する労をとります。それから、先ほど言ったような、お孫さんと、お父さん、お母さんが会うということの仲介をしました。こういった問題に関して日本との間で解決すべきであることは、北朝鮮に対して私達は言っています。今日の北朝鮮とモンゴルとの間は非常に開かれた率直な関係になっています。2月ですけれども、北朝鮮の外務大臣がモンゴルを訪問しました。その際に、私達はもう率直に、たとえば、イランは核開発計画をしていましたけれども、国際的な枠組みのもとで今解決に向かおうとしている。それと、キューバという国もアメリカの近くで社会主義という体制であったけれど、現在キューバとアメリカとの間の交流が進もうとしている、制裁が解消されようとしているといったような動きになっています。ですから、北朝鮮もこういった動きから遅れてはならないよと。核開発計画とか、こういったものはもう解決しなければならない。そのために積極的にイニシアティブをとっていく必要がある。他の国々、近隣諸国、それから、世界の国々。全ての国民がこれに関して非常に関心を持っていると。北朝鮮に利益があるような解決をする方法があるのであると私達は働きかけています。北朝鮮は、私達の助言を聞きます」
反町キャスター
「安全保障に関して、日本とモンゴルは東アジアの安全性を高めるためにどういう協力ができるのか」
エルベグドルジ大統領
「私達の地域において、最も大きな変化は、中国の力強いパワーの台頭ですね。さらに、アジア・太平洋地域において積極的な政策を行うことに関しては、アメリカと中国の参加が大事なことです。その意味では、中国とアメリカの関係は重要な関係というのは言うまでもないです。中国と日本、アメリカと日本の関係も非常に重要な関係であります。明らかでないことが1つあって、この状況、力のバランスをどのような仕組みよって維持していくか。何か紛争が起きた時にどうやって解決するかということに関して、それが不確定であるわけです」
反町キャスター
「フォーラムオブアジアにアメリカは入っていません。いかがですか?」
エルベグドルジ大統領
「私の提案したのはアジアにおけるアジアの国々の枠組みの中で、国連に加盟した48か国の枠組みであります。そういった統合した、機構がなければ、国によっては不利益を被るということがあり得るんですね。それぞれの国が責任を持って私達のアジアを発展、繁栄させようということを提唱しているのが、この案(フォーラムオブアジア)です」

ツァヒャー・エルベグドルジ モンゴル国大統領の提言:『平和なアジア』
エルベグドルジ大統領
「モンゴル語で、平和なアジアと書いてあります。社会主義時代には1940年からキリル文字という文字を使用するようになりました。1990年以降、モンゴルの民族の縦文字、縦に書く文字ですが、これを使うことを奨励してきました。私も様々な公文書でありますとか、信書でありますとか、そういうものはできるだけモンゴル文字で書いて送っています。それから、子供達の出生証明書とか、卒業証書でありますとか、そういったもの、結婚証明書とか、皆モンゴル文字を使おうと。1990年代以降、小学校でも教えるようになりました。このモンゴル文字のおもしろさは、縦に書くということです。偉大な民族は偉大な文化を継承するものであると。これは早書きすると、馬に乗りながらでも書くことができるんです。モンゴルで様々な方言がありますけれども、方言も共通で、この同じ文字で表すことができるんです。私のサインは、太陽や月も象徴させて、太陽や月は、モンゴルはフンヌーと呼ばれる匈奴の時代からのモンゴルの象徴。下がモンゴル文字、私のお父さんの名前と自分の名前が両方ともここに入っているといった、そういうサインです。本日の日付がモンゴル文字で書かれています。2015年5月22日と、ここに書かれています」