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2015年5月15日(金)
維新・橋下氏×自民・柳本氏 大阪都構想“最終決戦”

ゲスト

橋下徹
大阪市長 維新の党最高顧問(特別区設置推進派)
柳本顕
自由民主党大阪市会議員団幹事長(特別区設置反対派)
片山善博
元総務相 前鳥取県知事

論点① 二重行政
松村キャスター
「今回、住民投票で何が問われているのかを整理していきます。明後日行われるのは、正式には、特別区設置住民投票です。賛成が上回れば、大阪市を廃止し、現在24ある区ではなく、5つの特別区を設置いたします。特別区の運営は選挙で選ばれた区長と区議が行い、身近な住民サービスを担当します。一方、広域行政は大阪府が一元的に担当することになります。この都構想の目的として大阪市が掲げているのが『二重行政の無駄をなくす』『大都市戦略の必要性』『市民の声に寄り添う』という3点です。まずは二重行政の無駄をなくすということですけれども、橋下さん、二重行政であることの問題点というのはいかがでしょうか?」
橋下氏
「二重行政の無駄をなくすことと大都市戦略の必要性は同じことです。もう1つ上のところに、二元行政と言って、意思決定機関が2つあるということが1番の問題です」
反町キャスター
「それは市長と議会ということですか?」
橋下氏
「違います。それは大阪市長と大阪府知事。大阪市議会と大阪府議会。これは、今日、片山さんがいらっしゃいますが、役所のトップを務めた方だとすぐわかると思うんです。意思決定機関が2つあることによって、大阪全体のルールが決まりませんから、お互いにばらばらにいろんなものをつくり過ぎて二重行政の無駄を生んできた。だから、意思決定機関が2つある、都道府県庁が2つあることが二重行政を生み、大都市戦略というものをしっかりと大阪全体でつくれなかったということです」
反町キャスター
「橋下さんは、僕らが二重行政の無駄がどうだったのですか、と聞いたことについて二重ではなく二元行政だと。ほぼ同じ地域に対し2つのローカルガバメントがあることによって、無駄があったという、こういう指摘でよろしいですか?」
橋下氏
「そうですね。2つの同じような都道府県庁があるような状態です」
柳本氏
「二重行政の定義を明確にしておかなければならないと思うのですが、たとえば、府と市が同じような事業をやっていると。これをもって二重行政という場合があります。ただ、そういう定義づけをするならば、私は良い二重行政と悪い二重行政があって、全ての二重行政を悪だとして排除されるべきではないと思うんです。いわゆる悪い二重行政というものは、2つあることによって、市民、府民に著しい不利益を与えているのであれば、それは解消すべき二重行政であると考えますが、そのあたりの定義をしっかりと持たないといけないと思っています」
橋下氏
「都道府県庁と市役所というのが、普通の関係であれば、仕事は重ならないから、ぶつかりあわないです。だから、単純に言って都道府県庁が2つある状態です、この大阪というのは。しかも、すごく狭い地域にビジネス拠点をつくろうとなったんです。しかし、大阪市もビジネス拠点をつくる、国際ビジネス拠点。大阪府もビジネス拠点をつくると。両方同時期です。当時の大阪市長は、大阪府がつくるかどうか知らんと。大阪市は大阪市でいくんだと言って、大阪全体で、このビジネス拠点をどうするか。誰も決めないままにやってしまって、こういう二重行政が無駄になっているんです」
柳本氏
「たとえば、りんくうゲートタワービルとワールドトレードセンタービルの、2つの高い建物があって、あたかも2つ同じような無駄なものをつくったという印象になるかもしれません。実際当時、流行であった第三セクターということで、過少な資本で、いろいろ投資を受けられるバブル期の状況の中で計画をされたものでありますから、確かに、政策の失敗として、現在、市民の皆様、府民の皆様にご負担をかけるような状況になっていることは、我々議会としては、また府議会の方でも反省すべき点であると思っています。しかしながら、りんくうゲートタワービルは、実はホテルであり、コンベンション施設が会議室が大きく、拠点としてあるわけです。ビジネススペースもないわけではないですが、その一方、ワールドトレードセンタービルの方は完全なビジネスオフィスで、咲洲、南港エリアのランドマークタワーです。すなわち同じような高いビルという意味においては、類似はしていますけれども、そもそも機能が違うと。りんくうゲートタワービルと言っていますけれども、そもそも、これは何でゲートタワービルと言ったかといいますと、2つ建つ予定だったんです。ツインタワーの予定だったですけれど、一方は企業の方々が投資をしてつくられる予定だったんですけれど、バブルの崩壊に伴って、それはやめておこうという判断された。一方、行政側は、府の方はつくるという判断をしてしまった。そういう状況だとご理解いただければと思います」
反町キャスター
「そうすると、柳本さん、これはもともと片一方がホテルで、片一方がオフィスビルだから、目的がもともと違っていたんだから、これはいわゆる僕らが言っている、二重行政による無駄等にはあたらないというような話をされている」
柳本氏
「府と市が存在したことによって、できてしまった無駄ではないということです」
橋下氏
「二重行政の問題というのは東京でも、東京府、東京市。明治時代から二重行政は議論されていたんです。先日も京都宣言と言って、いわゆる政令市の市長が二重行政をなくしていこうということを、皆、言っているわけです。しかし、大阪府の、大阪の市議会議員は、二重行政はないと言っているんです。なぜかというと大阪市内のことしか見ていないです。だから、大阪市内にビルが1本建っているという認識ですから、二重でないと。まさに、大阪府がやっていることは知らないということです」
反町キャスター
「たとえば、ビル2つに関して、いわゆる府と市の間の意思疎通のなさというか、もしかしたら、市の広域行政の感覚のなさについても、橋下さん、指摘しようとしているのかもしれない。いわゆる二重行政の失敗例としてこういうものが挙げられていることについてはどう感じますか?」
片山氏
「一般的には、もしこれが同じような目的で、競いあってつくったと言ったら、二重行政の無駄ということになるんでしょう。ただ、それは、たとえば、政令市と大阪都が制度上分かれているから、必然的に、そういう二重行政の無駄を生んだというものではなくて、失礼ですけれども、不必要なものを張りあって作ったということだとすれば、どこにでも起こり得ることです。それを、普通はそんなことはしないようにしましょうと抑制しているわけです。鳥取県はそんなことはしません。それは、そういう無駄なことをしないというのもあるし、お金もありませんので、そんなことはできませんけど。だから、これは制度の問題ではなく、その制度の中で運用されている為政者達の見識の問題だろうと思います」
反町キャスター
「機構改革ではなくて、それぞれの自治体の、長の資質の問題ではないのと、ふと冷静に議論をしていれば、こんなことは起きなかったのではないのという点はいかがですか?」
柳本氏
「おっしゃる通りだと思います。その時の首長が無駄なものをつくらないという判断と、仮に、首長が暴走するようなことがあれば、議会がしっかりとその歯止めをするべきだと考えます。それは特別区であったとしても同じです」

自民対案“戦略調整会議”
反町キャスター
「大阪を5つの区にしようという大阪都構想。それに対して、自民党側が言っている、自民党の対案ですけれど、こういうものが出ています。大阪市を廃止せずに、大阪府と大阪市、堺市の首長と議員が集まって、共通の問題を協議する大阪戦略調整会議を活用すべきであるという、柳本さん、この大阪戦略調整会議にはどういうメリットがあるというか、何が売りなのですか?」
柳本氏
「そもそもコンセプトとしては、昨年、地方自治法が改正されました。その中で、調整会議というものを必置、必ず設置しましょうということで規定されました。すなわち政令市と府県との間で、二重行政というものがあるならば、それを解消する1つの方法として、国の方が、地方自治法改正でもって定義をしていた案であります。それを、さらに、バージョンアップさせる形で、我々、大阪市で提案をさせていただいているのが大阪戦略調整会議です。すなわち首長だけではなくて、議会も入ることによって、たとえば、私達は、この調整会議の中で、いわゆる二重行政というものを次のように定義しているんですけれど、府県が同じような類似業務をやっていて、それだけではなく、そのことによって供給過多があって、不利益を府民、市民に与えている。あるいは2つを統一的に管理運営することによって効率的、効果的な運営がなされることが可能だという時に、それを二重行政と定義しているんですけれども、そういう取り組みを行うことによって、後々の人口減少であるとか、経済の変動などによって、仮に、現在この時に無駄ではなかったとしても、今後、仮に、無駄になるような状況があるとすれば、お互いに議論して、調整をして、課題解決をはかっていこうと。そういった課題について、あるいは今後の大阪の全体的な成長戦略について、統一的に1つにまとめていきましょうというのがその会議体です」
橋下氏
「重要なことは、話しあうということだと言いますけれど、昭和34年から、大阪府と大阪市というのはずっと話しあいをして、それでも二重行政は全然直らなかったと。全然正されなかったんです。僕と松井知事の間でもやっと信用保証協会を1つにまとめることが精一杯ぐらいで、それは2つのものを1つにまとめていく、1つを減らすのではないです。減らすだけではなくて、たとえば、同じ組織の中で、1つの運営主体で経営していくとか。こういうことも話しあいなんて絶対にまとまりません。それから、重要なことは、施設の問題だけではないです。大阪で現在、1番重要なことは、これからの国際競争時代を迎えて、どう大都市を発展させていくか。この戦略をここで話しあって、まとまるわけがないし、決裂、決裂で、ずっと来たのが何十年…」
反町キャスター
「松沢さんが、たとえば、神奈川県知事だった時には、連絡会議という、政令指定都市、横浜、川崎、あの時は、相模原はまだだったかな。その県との連絡会議というのが年に3回ぐらい行われていて、比較的、冷静な議論が行われていたと僕は聞いています。神奈川でできることが、何で大阪でできないのですか?」
橋下氏
「それは、大都市の地理的な問題とか、都市の一体制の問題で、僕は大阪都構想というのは、大阪の都市の状況にあわせ、都市の実態にあわせて、いわば“洋服”である行政の役所組織をつくり変えようという話です。横浜を見てください。横浜は、面積が大阪市の3倍、4倍ですから、そこで1つの都道府県並みの都市として都市の一体性が完結しているんです。神奈川県は、横浜以外のところでやるということで役割分担ができる、地域的に。しかし、大阪市、大阪の場合には大阪区域全部が、都市の一体性があるので、地域を分けられないです」
反町キャスター
「堺市とか、吹田市でしたか、他の市というのは、大阪市の付属みたいなものですか?」
橋下氏
「付属というよりもそれが大阪です。大阪市の付属ではなく、全部が大阪だから、大阪市内と大阪市以外。こんなところで行政を分けられません。鉄道にしたって、道路にしたって、何をするにしたって、大阪市内と大阪市外と分けられません。神奈川の場合には、横浜市内と横浜市外と分けられますけれども」
反町キャスター
「片山さん、神奈川でやっていることというのは、橋下さんが言われた現在の話を聞いていると、地理的なものもあり、大阪市の都市性もあり、神奈川でやっているような冷静な議論が大阪ではできない。だから、1本だという、この理屈はどうですか?」
片山氏
「これは橋下さんの言われることも多少理解するところあるのですが、大阪府というのはもともと狭いから、その中に巨大な大阪市があって、残った大阪府、大阪市以外の大阪府の地域が非常に狭いので、そういう事情があると思うんですけれども、神奈川県と大阪府を見た場合、まるっきり条件が違うのかというとそれはそうではなくて、程度の問題だと思うんです。だから、多少、府と市の、県と市の調整とか、融和に、大阪の方が努力がいるだろうなという気がしますけれども。でも、これは大阪市を解体しなければ、問題が解決しないということに一足飛びにいく問題ではないと思います。大阪市と大阪府というのはどちらもプライドの高い自治体で、特に、大阪市は、本当に政令指定都市の中でも1番の雄ですから、かつての東京市を除きますと。ですから、その分だけメンタルな部分で張りあうというのは大きいので、お互いの府と市の官僚機構、これの確執というのはあると思います。だけど、それを大変でしょうけれども、その確執をなくして、お互いに常識的に融和させるというのが政治リーダーの仕事だと思うんです。それが市長であり、府知事であり、市議会、府議会の皆さんだろうと思うんです。それは大変かもしれないが是非やっていただきたい」

論点② 大都市戦略
松村キャスター
「大阪都構想の目的、2つ目が、大阪、大都市戦略の必要性ですけれども、これまで大阪市は、基本的な住民サービスの他にも、成長戦略やインフラ整備など、広域行政を担っていました。いわゆる都構想で、特別区が設置されますと住民サービスのうち、戸籍や子育て支援などは特別区が、保険や水道などは一部事務組合という新しい組織が、広域行政は一括して大阪府が担うことになるんですけれども、橋下さん、この役割分担、大阪府への広域行政の1本化というので、大都市戦略につながっていくということですが、どのような…」
橋下氏
「きれいに仕事が整理できますから、重なっている部分が二重行政です、大阪市がやっている、大阪府がやっていた。これを今度は、大阪府、名前が法律で変わります、たとえば、大阪都になりますけれども、それが大阪都下になると地下鉄にしたって、大阪は大阪府全体で、地下鉄と私鉄をどうつなぐのか、優先順位も何もありません。高速道路をどうつくっていくのか優先順位もない。産業誘致のいろんな戦略特区をやるにおいても、全部話しあい、決裂した時にどう解決するのかを教えてもらいたいです。決裂のリスクを避けるために、僕は大阪都構想、一体化なので。決裂を絶対に避けなければいけない」
柳本氏
「おっしゃるように、決裂する時はあります。なぜかというと、決裂する理由があるからです。たとえば、不採算路線をやろうと、どこかと言った時に、いや、この地域では要らないという声があれば、まとまりません。これは決裂です。それはもしかしたら、無駄であるかもしれないからです。要するに、できることはやっていく。できないことは決裂する。これが1つの民主主義の在り方ではないですか。ですから、何もできていないとおっしゃいますけれども、この20年、30年の間に大阪府、大阪市が協力してやってきたことって、たくさんあるんです。たとえば、鉄道インフラだって、東京、全国の方々には、あまりなじみがないかもしれませんけれど、浪速筋新線だって、あるいは京阪中之島新線の延伸だって、大阪府と大阪市が1つの費用を折半して、折半といえば良かったのですが、それこそ、いろいろな財政的な実情があって、大阪市が2、大阪府が1出すような状況の中で整備してきたんです。それも長期的な20年、30年を見据えた、そういった戦略があったからこそできてきた実情があるにもかかわらず、何もできてこなかったとおっしゃるから、あたかも大阪市はまったく停滞し続けているかのような印象があるかもしれませんけれど、そんな状態だったら現在の大阪市はないです」
橋下氏
「いや、そうしたら、大阪市を残せ、残せと言われているので、それは大阪市がそれだけ素晴らしい力を持っているのだったら、大阪は衰退をこんなにしていませんよ。僕は現在、この状態を変えなければいけないということで、大阪都構想を出した。浪速筋線というのはちょっと事実誤認です。浪速筋線ではなくて、難波線だと思います。これは路線数で、東京は私鉄と地下鉄の乗り入れが7路線、18でしょう。大阪は4。この4はちょっと修飾されていましたね、これは。だから、北大阪急行というのは、これは乗り入れでも何でもないので、なぜこうなったかというと計画がないです、これを乗り入れさせようという。40年計画、50年計画がないので、ですから、これは時間が経っても、いつまで経っても、これでは地下鉄ネットワークは広がりません。また、大阪市議会議員と府議会議員でどこを優先するかも全然、順番もあわない。大阪市議会議員は大阪市内のことしか考えない。府議会議員は全体のことを考える。僕は先ほどの不採算路線でも、それは意見が違って、これは不採算だったらやめるべきだと思います。でも、それは大阪府と大阪市でそういう不採算かどうかを判断するのではなくて、大阪都の中で大阪都議会議員が不採算かどうかを判断すればいいです。だから、大阪都が大阪全体の地下鉄、鉄道ネットワークを考える中で、不採算かどうかを判断すればよくて、何も大阪府と大阪市がそこで不採算かどうかをやれば、お互いのエゴがぶつかっちゃって全然、話がまとまっていないです」
柳本氏
「相互乗り入れに関して言うと東京は18、大阪が3か4ということで、あたかも少ないような印象を持たれるかもしれませんけど、そもそも歴史的な経過の中で、かつて東京は山手線の内側に私鉄を入れさせないという政策があったそうです。結果的に、相互乗り入れをしない。郊外というか、ベッドタウンに広がり得ないような状況があったから、そういう状況があったと思っています。大阪に関して言うと、環状線の内側、すなわち、たとえば、南海線でも難波までつながっていますし、京阪線も淀屋橋までいっていますよね。そんなふうに内側まで入ってきていますので、そもそも相互乗り入れをする必要性がなかったという、歴史的な経過もありますので、そういうな実情も含めて…」
反町キャスター
「ただ、見ると、何か大阪の市営地下鉄は途中で止まっているのが多いなと」
柳本氏
「止まっていません」
橋下氏
「たとえば、今里筋線というのがあるのですが、大阪市の北の端で止まっているんです。ちょっと先に行けば、阪急とJRがあります。そこは、大阪府と大阪市が対立して、計画が進まなかったんです。僕はこれまでの大阪市の役割は認めます。大阪市が大阪全体を引っ張ってきた。東洋のマンチェスターと言われて、世界の中でも本当にニューヨーク、ロンドン、パリに次ぐような大都市だった。そこは認めます。でも、これからの時代に、大阪市というところだけを見ているだけで、本当に大阪が発展するのかと。周りの市町村、そこからの住民が皆、大阪市で働いてくれる。それから、周りの市長村の住民が大阪市内に来て消費をしてくれる。大阪市民も外に出ていくと。都市は全部が一体となっている。交通網も、産業政策も、いろんな災害対策も、あらゆるものが大阪市内と大阪市外、こういうふうに分かれる時代ではないです。だから、この都市の実態にあわせて、役所の機構も、役所の機構は明治からつくられたもので、後生大事に持っておく必要はないですから、都市の実情にあわせて、役所をつくり直しましょうというのが大阪都構想です」

大阪都構想最終決戦 橋下市長×自民・柳本市議団幹事長
反町キャスター
「橋下さんの話は急いでいる、焦っているように聞こえますが」
橋下氏
「それは東京の人は余裕があるからわからないんです。大阪の状態がわからないんです。現在の府民の平均収入は全国の中でも本当に下の方になってしまいました。それから、現在の域内GDP、GRP、域内の経済総生産は神奈川にも、愛知にも抜かれた。これはもちろん、僕や松井知事の責任と言われればその通りですけれども、でも、大阪が現在衰退していっているのは間違いない。大阪市だけでやっていくか、堺市だけでやっていくのか、オリンピックだって大阪市だけで世界と勝負して力不足で全然オリンピックなんか誘致できなかったんですよ。都市の状況が変わって。繰り返しになりますけれども、大正時代までは大阪市が中心だった。でも、現在大阪と言えば、大阪府域全体ですから、大阪市内、大阪市外、この大阪市の境界線をとっぱらって、880万人の“大・大阪”、もう1度この“大・大阪”をつくって大都市の発展を目指そうと。東京がなぜ大阪を抜かせたかというと、東京は東京の市域拡張がうまくいったんです。大正時代までは大阪市の方が大きかった。それが東京の方が大きくなってしまった。とどめは1943年、東京府と東京市があわさって東京都ができた。これで大都市が完成したんです。僕は、それを大阪で現在やっていかなければいけないと思います」
柳本氏
「橋下市長のお話を聞いていると、大正時代の“大・大阪”の時代から一気に平成まで飛んでしまうんですね。この過程で様々な経過があったと思います。万国博覧会の時に、あの時はまさに大阪が1番、高度経済成長の中で非常に良い時代だったと思います。ところが、あの当時から工場等制限法というのがあって、工場、大学、学校がどんどん市域外に流出してしまったんですね。ところが、バブル崩壊後にそういったものが出て行ったが故に、なかなか企業誘致などが進まなかった。中小企業が多い町ですから、なかなかそういった経済の回復が遅れてしまった。工場等制限法については解消されましたけれども、そういった中で住之江区に旭硝子とか、企業誘致も徐々に進んできた。一方、行政の方ではバブル期に不採算なものをつくってしまったツケがこの十数年間というのは非常にそのマイナスを解消するために力を注いでこざるを得なかった。現在まさに人口減少時代と、これからアベノミクスの効果をいかに地方に、という時代にあって、これから、たとえば、調整会議という話しあいのツールとか、これまでできなかったのではないかとおっしゃいますけれども、現在だからこそ、そういうものが機能する時代にきているということですね。税収だって右肩上がりで上がるわけではない。大阪市も大阪府もそれぞれ財政的に厳しい中で、それぞれのストックを持ち寄り、活用することによって、そこでいったいどういうような大阪全体の発展があるのかということを見出さなければいけないと思うんですね。あわせて、ちょっと1点だけ、最後に、たとえば地下鉄の話もされましたけれども、私自身も、府域内にこだわる必要はないと思います。大阪市域外の集積というものは、たとえば、大阪府の1番北の方の箕面とか、南の岬まで広がっているわけではありません。そういったことを考えると、港湾事業については現在、阪神港ということで、スーパー中枢港湾に指定されているわけですから、港湾については堺港、大阪、尼崎、神戸が連携するというのもありでしょうし、たとえば、観光に関していうと京都と奈良と大阪市、神戸市が連携するということもあってもいいのではと考えています」
橋下氏
「結局どれだけ話をしても認識の違いです。だから、これからの時代、決裂を避けて意志決定と実行というものを強力にやっていくかどうかの認識の違い。それから、大阪市内というところを中心に見ていくか、それを越えた範囲、大阪と言ったら、どこやねんと言われた時に、昔は大阪市だけれども、現在は大阪府域全体だろうと。大阪の捉え方、それから、今後の国際競争時代に向かっての意志決定と実行力のスピード感、これを現在のままでいくのか、これからの時代は大阪府域全体で強力にスピーディにやっていくのか、どちらを選びますかという選択です」

自民対案“総合区”
松村キャスター
「柳本さんは特別区の設置に対して、総合区を対案にしています。なぜこの総合区なのでしょうか?」
柳本氏
「まず大阪都構想というものを実現しようとすると、1つの大阪市を5つに分けることによって、600億円もの分割コストがかかってしまうんですね。また、特別区では一般市より格下というか、固定資産税すら自主財源として入ってきませんので、特別区民にとって著しい不利益を生じてしまいます。逆に現在の政令市、大阪市を活かしながら、270万人の人口の中で、いかに都市内分権、地域にもっと権限や財源を下ろしていくかということを考えていかなければいけないというのが、私達の考え方です。現在より確実に悪くなる大阪都構想ではなく、現在の状態の課題をさらに解決しながら未来へ向かっての方向性を手繰っていこうというのが総合区の考え方です。これについても昨年の地方自治法改正で行政区というものをバージョンアップさせて総合区というものを活用できますよということが、法改正によって提案されました。それを活用することによって、私達は大阪市域内における都市内分権、より身近な住民自治の強化に向けて取り組みを行っていきたいと思っています」
橋下氏
「現在の大阪市役所の改革の中で、もう総合区と同じようなことをやりました。これは大阪市政改革をあと押しして、大阪市で現在、僕がやった改革を全国の政令市に広めるために法律化されたものですから、現在の大阪市では、だから、柳本さんにあとで聞きますけれども、現在の大阪市の区長以上にどんな権限とお金を与えるのか。たぶんノープラン、何も案がないと思いますね。現在以上には渡せない。重要なことは、なぜ大阪市というものから特別区にするのか。少子高齢化時代に対応できるような役所にしなければいけない。柳本さん達反対派は、大阪都構想をやると、税金が上がる、国民保険料が上がる、敬老パスはなくなる、住民サービスが下がると言うんですけれども、これは嘘です。現在、既に大阪市役所にお金がない状態です。現在が悪い状態。現在の悪い大阪市を守れ、守れというのは、僕はもう良くわからない。現在が悪いのだから変えていかなければいけない。その変えるやり方として、まずは二重行政をなくす。それから、大阪市役所が現在まで幅広い仕事をやっていたものを医療、福祉、教育だけに集中させる、そういう特別区役所につくり替えていく。一からつくり替えていく。もっとコンパクトなこの5つの特別区役所にして、現在まったく改革が進んでいない大阪市役所、大阪市議会をもっとつくり直して改革を進めるようにする。少子高齢化時代、ますますこれから住民サービスのためのお金が必要になるのに、現在のままだったら、お金が足りないから、本当に大阪市民の暮らしは悪くなりますよ、現在のままだったら。だから、これを何とか変えるために、先に手を打つために、医療、福祉、教育に集中し、税金の無駄遣いをさせない、二重行政をやめる。そういう特別区にしてしっかり住民の皆さんの生活を支えようと。だから、住民サービスの何が下がるのかを言ってくださいよ、大阪都構想になった場合」

住民サービス向上?低下?
柳本氏
「特別区設置によって、新たな財源が生まれるわけではありません。逆に先ほど言いましたように、5つに分けることによって、600億円もの初期コストがかかり、公務員の数も増やさなければならないですね。そういう状況の中で、かえってかさばるわけですね。総合区については、これからしっかりとどういった形での権限を下ろしていけるかということについては問題提起ができると思っていますし、それは住民の方々の身近なところで、改革改善を進めていくべきだと思います。特別区にすれば、あたかもコンパクトになって、いいというような印象をお持ちかもしれませんけれど、選挙で選ばれた区長にお金の入った財布がないです。お金はない、大阪市にもないとおっしゃっているのであれば、特別区長にはさらにお金がないわけですから、何処か住民サービス、どれとは言わずとしても、削らなくてはいけない。仮に何かやろうとすれば、それ以上に削らなければならない。そういった面で住民サービスは低下しますし、私は西成区ですけれども、西成区民は大阪市民として大阪市域内から住民サービスを受けることができましたけれども、今度は特別区域内に限定されてしまいますので、選択の幅が狭まるという意味においても、これは明らかな住民サービスの低下です」
橋下氏
「現在、大阪市役所でやっている住民サービスのお金は6200億円です。特別区になっても6200億円、自主財源かどうかはあまり関係がなくて、全国の地方自治体は交付税として国からお金を受け、そのお金の中で使い道を決めていく。もちろん、差はありますが住民サービスをやるお金はきちんと確保できるわけです。重要なのは600億円のコストは、コストではないです。なぜかと言うと、大阪市内では足りないものがいっぱいあるんです。たとえば、教育委員会。教育委員会1つで、小学校、中学校400校以上やっている。これを大阪都構想で5つに増やしますと。児童相談所も1つを5つに増やします。保険証も5つに増やします。それから、子育て世代をしっかりサポートする子供青少年局、こういう組織も1つしかないものを5つに増やします。おじいちゃん、おばあちゃんの生活をしっかりとサポートする福祉局という組織も現在1つで集中してやっているものを5つに増やします。すなわち大阪都構想というものは、無駄は省いていきますが、足りないものは5つに増やす。これで住民の皆さんの生活をしっかりサポートしていくわけですから。あたかも600億円かかるというのは無駄なお金だと言いますけれど、ホテルを建てたとか、何か高層ビルを建てて賠償金を払う…」
柳本氏
「全然違う話です」
橋下氏
「でも、今回の大阪都構想の費用というのは、住民サービスをもっと向上させる。もっと役所組織を強化させるために必要なお金なわけですから、これはコストでも何でもない」
柳本氏
「現状で、たとえば、児童相談所1か所が5つになるとおっしゃいましたけれど、5つ設置できるかどうかはわからないですよね。場所を含めて選定できるかわかりません。児童相談所ともなれば、専門的知識や経験が要るわけです。そういった職員が確保できるかどうかもわからないですよね。実際、大阪市でも1か所でなく、2つ、3つに児童相談所をつくることができるのですが、それがなかなかできない実情というものがあるわけです。すなわち大阪市は、政令市大阪として、スケールメリットを活かしながら、住民に高度で専門的なサービスを提供できている実情があります。6200億円がこれまで通りに入りますよとおっしゃっていますが、この額についても内容についても協定書を見れば、今後3年ごとに見直しますとなっています。だから、未来永劫6200億円、それに類するお金が入るかどうかはわかりません。子育て支援とか、福祉と、漠と書いてしまうと、あたかもそれが継承されるような印象になるかもしれませんけれども、たとえば、大阪市が地方交付税の対象とならない、基準財政需要額の対象とならないような政令市だからこそできている、独自でやっている事業がたくさんあるんですね。たとえば、敬老パス制度であるとか、子供医療費助成制度についても中学校までの通院、入院のほぼ無償化という状況になっています。こういったものは交付税の対象ではなくて、大阪市の単費、独自の上乗せ部分としてやっているわけですから、こういったものが、特別区が設置された平成29年4月1日時点で実行できたとしても、5年、10年経った時にはできなくなってしまう可能性が非常に高いと言わなければならないと思いますね」
橋下氏
「反対派が言うのは、おそればっかりです。住民サービスが下がるおそれがあると」

橋下徹 大阪市長の決意:『今、手を打つ』
橋下氏
「僕は現在の大阪市を守っていても、未来はないと思っています。住民の皆さんの生活も守れない。大阪都構想というものでそれを何とか防いでいく。国際競争が激しくなっていく時代、大阪を発展させようと思ったなら、大阪府と大阪市、意志決定を1つにする。実行組織も大阪都庁1つにまとめる。住民の皆さんの暮らしをしっかりサポートするために、医療、教育、福祉に集中して、二重行政をやめて、税金の無駄遣いはやめる、改革をどんどん進めていく。特別区にして、教育委員会も児童相談所も保健所も福祉局も子供青少年局も全部足りないものは5つに増やして、しっかりと住民の皆さんの生活を支えていく新しい大阪をつくらないと、本当にもう大阪はダメになってしまうと思います。だから、現在がいいか、ちょっと先を見て、大阪都構想がいいか、そこで判断してもらいたいと思います」

柳本顕 自由民主党大阪市会議員団幹事長の決意:『政令市(市民生活)大阪市を守る』
柳本氏
「現在の大阪を、確かに変えていかなければならないことはありますが、しかしながら歴史と伝統ある中でつくりあげられてきた政令市、大阪市。120年以上の歴史があります。これを勝手に決められた区割り案で、5つに廃止分割されてしまった時、そこに自治は存在しません。特別区は自治的な財源も大幅に少なくなり、分割するコストが600億円以上もかかると。様々な意志決定を複雑にするような特区協議会なども生じさせなければならないわけですよね。そういったことを考えた時に、本当に政令市、大阪市だからこそできてきた、成長してきた、そういうものが全て壊れかねないという状況になってしまいます。改革は進めていかなければなりませんけれども、変える、変えると言うだけで悪くなっては元も子もありません。そういった意味で、政令市、大阪市の強みを活かしながら、さらに発展の牽引をするべく、しっかり大阪市民の生活を守っていきたいと思っています」