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2015年5月11日(月)
“安保法制”与党合意 仮想対象?中国は何を

ゲスト

佐藤正久
自由民主党国防部会長 参議院議員
上田勇
公明党政務調査会長代理 衆議院議員
朱建栄
東洋学園大学教授

安保法制与党合意へ 法改正で何ができる
秋元キャスター
「今日、与党が了承した、新たな安全保障法制の内容を見ていきたいと思うんですけれども、2つの法案が今日出されました。それが平和安全法制整備法案と国際平和支援法案です」
佐藤議員
「これを分けて考えることは、ちょっと間違った印象を国民に与えかねないという、2つで1つのパッケージです。実際に、平和安全法制整備法案というのは既存の法律、これを改正するというもので、10本の改正法案を1つに、便宜的にまとめた、袋に入れたというだけ。国際平和支援法は新たにつくる新法なので、改正の平和安全法制整備法案には入れることができなかったと。こちらの方は新法。この2つをあわせて、今回の全体像が見えてくるということをまず理解していただきたいと。平和安全法制整備法案というのは既存の改正ですから。その目的には、日本の平和と安全という分野と、国際社会の平和と安全が両方入っているんです。日本の平和と安全に関わる分野と国際社会の平和と安全の部分、国際平和協力の部分が入っているんです」
反町キャスター
「国際平和支援法案だけが新法対応ですね?」
佐藤議員
「分けたというだけの話で、分けて考えると間違ったイメージを与えやすいということを言ったうえで、まさに、自衛隊法の方でも同じように跨っていますから、自衛隊が動くための根拠法規も自衛隊法の中にいろいろと散りばめていると。たとえば、邦人の警護、救出についても若干変えますので、それを入れた、あるいは周辺事態ではなく、重要影響、安全確保という事態であれば、名前を変えて入っていますし、いろんな意味で自衛隊法の幅広く今回関係する部分を変更文で入れたということで、自衛隊法1つとって見るというよりも、平時、グレーゾーン、重要影響事態で、いろんな自衛隊法が関わっているんですね。そこをまとめて今回改正したというのが実態だと思っています」
反町キャスター
「その意味で日本の平和・安全における改正、大きく分けて3つの法案・法律が改正されるというように僕らは理解しているのですけれども」
佐藤議員
「ただ、自衛隊法の上に書いてありますけれども」
反町キャスター
「全部にかかる。そうですね。だから、3つの自衛隊法の改正と周辺事態法の改正と、それと武力攻撃事態法、対処法の改正。この3つの改正の中で、それぞれの改正によって、何ができるようになるのかというのを聞いていきたいです。まず自衛隊法の改正。これは自衛隊法を改正することによって、自衛隊がこれまでよりもいろんなことができるようになるだろうと僕らは思っているんですけれども、自衛隊法の改正によって、日本の自衛隊は何ができるようになるのですか?」
佐藤議員
「これは、平時から武力攻撃事態等、緊急事態等まで切れ目なく、日米が中心になって連携しながら、お互いに守りあいながら、日本の平和と安全を担保できるということが変わります。これまでは、たとえば、平時だとアセット防護がありますね。これは装備品の防護という、軍艦でいえば護衛艦、あるいは戦闘機がありますね。そういう装備品を守るというのがアセット防護と。これを今度は平時からアセット防護、実は武力攻撃事態等まで全部…」
反町キャスター
「事実上、アセット防護というのは、島嶼防護まで入っているんですね?」
佐藤議員
「要は、平時で警戒監視をしている日本のイージス艦とアメリカのイージス艦が何かあった時に守りあうということが、平時からグレーゾーン事態、重要事態まで全部、お互いに守りあうことができる。これまでは米軍は日本のイージス艦を守ることができる場合があったかもしれませんが、少なくとも日本の自衛隊は警戒監視に当たっているアメリカのイージス艦を守ることができなかった。これを日本は守ることができます。お互いに守りあうという形をとれるというのが今回の1つのポイント」
反町キャスター
「これまでは、要するに、日米協同で警戒に当たっている時にアメリカ側の艦船が第三国から攻撃を受けても日本の護衛艦は何もできなかった?」
佐藤議員
「できなかった」
反町キャスター
「それが今度の自衛隊法改正によって、この場合、アセット防護という、アセットというのは、つまり、装備という意味は、一緒に行動をしているアメリカの軍艦もアセットに入るわけで、そういう船も守れるようになる?これまではできなかったけど、それができるようになる?そういうことでよろしいのですか?」
佐藤議員
「はい。これは相手国にとってはかなり、日米が平時から守りあうという体制はこれまでよりも抑止力は高まると一般に言われます。どうしても、これまで日本は日本、アメリカはアメリカとバラバラだったのがお互いに連動するということは、手を出す方にとってはやりにくくなります。さらに、今回のアセット防護だけではなく、まさに、日本の平和と安全に資する活動に参加しているアメリカ以外の国のアセットについても条件が整えば守ると。アメリカも守るし、日本も守るということが今回できるようになるという部分が1つ、またアセットでも違います」
上田議員
「現在の佐藤さんの説明でいいんですけれども、ちょっと補足させていただくと、これは別に党の立場云々ということよりも、補足をさせていただくと、現在の自衛隊法でも、自衛隊のアセットは守ることができるんです、平時。これは自衛隊の持っている船、武器が壊れてしまったり、壊されちゃったりしたら防衛力が落ちますから、だから、守れますと。だけれども、日米安保で一緒に普段からいろんな演習をしたり、パトロールをしたりしている米軍のことを守れなかった。それは憲法上の問題ではなくて、自衛隊法に、そういう規定がなかったからですね。それはなぜかというと平時の時はそれでいいんです。それは第三国かもしれないし海賊か何かかもしれない。だけれども、それが有事になったら、今度は集団的自衛権の行使ということになるから、そういう危険性があるから、そういうことは自衛隊法でやってこなかった。だけれども、今回は、存立危機事態ということになっても、部分的に集団的自衛権を行使しても大丈夫だから…」
反町キャスター
「限定容認ですね?」
上田議員
「そこは切れ目なくできるようになりました。普段から米軍のアセットのことも守ることができるようにつながっているんです。だから、普段からもできる。だから、何か事態が急変して、緊迫した事態でも同じことができるということが、全体の、法制の中でできるようになった。当然、米軍も日米安保で、日本の安全保障に資する活動をしていれば、これはその船がダメになってしまったとか、そうすれば日本の防衛力自体に支障をきたすわけですから、ここが今回できるようになったということは非常に大きな…日米関係において非常に大きなことだろうと思っています」

海外への派遣はどう変わる
秋元キャスター
「続いて、もう1つ、与党協議で出された法案が国際平和支援法案です。これは新法ですけれども、目的は国連決議を要件とし、国際社会の平和及び安全を脅かす事態で、諸外国の軍隊などに対する協力支援活動ということです。概要ですけれど、特別措置法での対応から恒久法での対応に変更します。諸外国の軍隊に対する物品及び役務の提供。国会承認について、例外なき事前承認ということですけれど、佐藤さん、まずこの狙いから聞いてもいいですか?」
佐藤議員
「国際社会の平和と安全のための法律として国際平和協力法というものと、加えて今回の国際平和支援法を新しくすると。要は、両方とも国際平和協力ですが、今回のイメージは、まさに、国際紛争に対処をする多国籍軍への後方支援というものに限って、こちらでやろうというイメージです。たとえば、インド洋での給油支援を海上自衛隊ではやりましたよね。あれがどちらかというとこちらのイメージですね。前の国連PKOでしたけれども、このようなものを、さらに、枠組みを広げてやりましょうというぐらい、両方とも恒久法です。国際平和協力も恒久法。国際平和支援法も恒久法と。恒久法という形にして、日頃から自衛隊の方々に訓練をしっかりやれる環境をつくり、さらに、何かあった時に日本の得意な分野、得意な地域の方に活動をしてもらいたいために迅速性ということも考えて、今回、恒久法というものをつくって、これもお互いに隙間なく、何かあった時に対応をするようにしましょうと」
反町キャスター
「展開する地域と、そこで後方支援をやる自衛隊の安全の確保、それをあわせた話をどう考えていますか?」
佐藤議員
「これまでも、インド洋での給油支援の時も、まさに、それは後方支援の1つですよね。その時も当然、安全を十分確保しながらやっていましたけれど、洋上での支援となるとなかなか相手も手出しをしづらいという部分はあると思いますね」
反町キャスター
「しかも、相手が海賊だったら。それがもっと別のところで、地上戦を展開している2国間で、反対側の国に対して、国連の決議とそれに対して自衛隊が陸上における後方支援をするとなった時に、相手の国からすれば、絶対狙うべきは自衛隊ですよね?」
佐藤議員
「自衛隊だけではないですけれども、基本的に、軍というのは自分で自己完結していますから、兵站を含めて。プラスアルファの兵站部分を、日本が一部支援をするという、たぶん枠組みなので。確かに、海と陸地で違いますから、陸上における後方支援というのは、よりそういう安全確保にも配慮をしながら、実際どういう活動になるか、どういう地域でやるのかという地域の選定は、かなり慎重にやる必要はあると思いますね」
秋元キャスター
「朱さん、今回の安全保障法制了承をどう見ていますか?」
朱教授
「現在、佐藤さんの説明をいろいろ聞いて、実際にいくつもの法案の改正や新法の設立に関わるもので、私も正直言ってそんなにわからないし諸外国も皆、固唾を飲んで、見守っているところでしょう。これから日本の国会の審議で、これらの法律の改正や新法の設置等、特に、日本の自衛隊の役割拡大及び米の軍事協力の強化に関わる部分で、いったいどこまでやるのか。実際、先ほどの話にもあったんですけれども、多くは海外で基本的にはやらないと。しかし、解釈によってはやれないこともないと。そのような部分で、はっきりしない部分を中国が警戒しているのではないかなと思うんですね」

武力行使の要件は…
秋元キャスター
「気になるのは武力行使の要件、いわゆる歯止めですけれども、自衛隊の措置として武力の行使の新3要件ということですけれど、昨年7月、集団的自衛権限定的行使容認の閣議決定の際、同時に出されたものですが、我が国または密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、我が国の存立が脅かされるような危険が起こった場合。これを排除するために、他に適当な手段がないこと。そして、必要最小限度の実力行使にとどまるべきことというのが、行使の要件ですけれども、今回の法整備にも、これは佐藤さん、盛り込まれるのでしょうか?」
佐藤議員
「今回、3要件の、第1要件を含めて、今回の法案の中に事態対処法の中の方針事項の中にもしっかりあります。しかも、現在の事態対処法に加えて、今回は実際、要件の中だけではなくて、事態の内容、どういう経緯だったのか、なぜ我々が参加するかの理由も含めて、対処方針の中にしっかり書きますから、これまでとは違って、しっかりとした、ある意味、歯止めというのかわかりませんけれど、何が現在、どういう事態が起きているかということを政府の方でしっかり説明をしますし、どういう理由で今回参加するのかという部分。まさに、他に適当な手段がないということを含めて、理由まで入りますから。かなり今回はしっかりとした条文ができていると思います」
反町キャスター
「自衛隊の行動に制約が多すぎて、国際貢献ができないし、自分の国を守るために、なかなか手足が縛られて動きにくいから、今回、新たな法制を設けて、国際貢献としても、日本の国を守るにしても、いわば自衛隊の活動範囲を広げたいというのが、今回の法改正の狙いだという一方で、幅は広げるんだけれど、でも、その中で何でもかんでもできるようにしないんだよという歯止めの部分。広げた分の歯止めという話になってくると思うんですけれども、公明党として、上田さん個人としての考え方でも結構です、この歯止め論、ないしは現在出たみたいな新3要件の話、どのようにちゃんと機能できるのか?その担保されている部分を我々はどう見たらよろしいのですか?」
上田議員
「現在でも武力行使を行うについては3要件というのがあります。それは日本が武力攻撃を受けた場合ということで、それ以外は基本的に同じ。今回は、それに加えて、存立危機が加わります。ですから、この3つを読んでいただくと、その部分に限定されているんですよ。なおかつ1番と2番、この2つを満たすというのは相当限定された条件だと思います。だから、日本は基本的には、武力の行使というのは日本の安全保障に直接関わる場合以外は行使をしないという、これまでの基本的な考え方は変わらないと。今回、他の部分というのは、武力の行使をしないケースです。後方支援だったり、平和維持活動であったりということですから、そこにおいては現在の国際社会からいろんなニーズが出てきている。世界中でいろんな不安定要因が起き、日本にも影響しかねない。そういう状況において日本も武力の行使をしないというので協力しましょう、そこは自衛隊がやりましょうというのが他の部分の法律改正になります。ですから、そこはニーズがあるので、日本にも貢献が求められている。その中で自衛隊としてできることはやりましょうということが今回の法整備。それが実は別々のように事態というのは推移していくんですね。流れていく。だから、今回は1つ1つ隙間がないように、切れ目がないようにということで整備をしたのが今回、全体の法整備であります」
朱教授
「上田さんのお話で、私は正直言って、自民党のこれまでの法制に対し、どこが歯止めに、ブレーキになっているかというのがあまりわからないんですけれど、もう少し説明をしていただければと。これまでの公明党の党是として長年やってきたのが、安全と平和のためと。日本国民の平和のためと。その部分も全てできれば、平和の集団でいけると。その部分と、具体的な法律論でこれはやっていいという、法律論だけでいう歯止めと。全般的な平和国家としての歩んできた道。ここから離脱をするかどうか。その懸念というのが正直言って、3要件でも、他のでも、はっきり言って見えてこないと思います」
上田議員
「日本は専守防衛です。これは変わりません。ですから、日本が攻撃を受ける、あるいは日本の領土や領海が侵害される。その時は、自衛隊は防衛、自衛権を発動します。今回、そこは変わらないんですね。ただ、その活動のための要件、認定、どういう条件というところが、新たな存立危機事態というのが加わったというだけで、それ以外の部分では武力の行使はしないわけですから。今回の法整備においてもしないです、武力の行使は」
反町キャスター
「ただ、僕は、朱さんの応援をするわけではないんだけれども、武力を行使するのは、ここの部分からだと、先ほど、上田さんはおっしゃられているんだけれど、でも、今回の法改正によって、たとえば、普段の情報収集とか、アセット防護、そういうところにおいても、警察権の領域とは言いながらもそこに自衛隊が関与していこうということになるわけですよね。つまり、それが果たして、これまでの朱さんの言葉を借りると、それは平和国家としてのこれまでの看板に変化をもたらすことにならないかという、こういう主旨の質問だと思うのですが、そこはいかがですか?」
朱教授
「もう1点だけ質問を付け加えさせていただきますと、今の法によって、多くの事態で拡大解釈ができるようになるのではないかと思うんです。シーレーン防衛と言って、これまでは日本周辺のところが中心と。ところが、シーレーン防衛を含める。すると、南シナ海、あるいはインド洋を含めて拡大解釈をすれば、日本の石油が絡んでいるからと、アフリカ、ないし極端な話、別のところで、それも日本人の誰かの人権、日本の財産が絡んでいるからというような拡大解釈に対しての歯止めがどこにあるのか?あわせて教えていただければと思います」
上田議員
「拡大解釈というよりも日本は平和憲法の下で日本の防衛のためにしか武力の行使はしないんです。これは今後とも変わりません。ですから、拡大解釈の余地というのはないですね。今回の法制全体を見ても、日本の防衛のためにしか、日本の領土や領海が侵害をされた場合、そういった場合には自衛権を発動しますけれども、それ以外は発動をしないわけですから。先ほど、おっしゃったアセット防護の時の話もありました。でも、これも、たとえば、公海上で自衛隊の艦船が、他の国かもしれない、海賊かもしれない、そういうところから攻撃を受けた時は、それを排除するというのは正当防衛として当然のことだし、それが失われれば、日本の防衛力が損なわれるわけですから、当然のことですね。それが一緒に行動する米軍などにも適用しようというだけの話ですから、基本的に、それがどんどん拡張していく。あるいは人のところの領土、領海まで行って、軍隊を派遣するというようなことは、まったく今回は含まれていませんから。今のご指摘というのは、非常に曲解しているご指摘だと思いますね」
朱教授
「たとえば、日米の相互…」
上田議員
「南シナ海で、中国がどんどん係争しているところを、勝手に埋め立てちゃう。そんなことは、日本はしません。これは絶対しないです、自衛隊は」

グレーゾーン・島嶼防衛…中国の思惑は
秋元キャスター
「接続水域内で確認された中国の公船は少なくなっているわけですが、なくなってはいないと。これをどう見ますか?」
佐藤議員
「基本的に尖閣諸島の領海に入るのは、月にだいたい3回から4回ペースです。だいたい3回が多いです。ただ、日本の周辺の接続水域に入ってくる数はだいたい20日前後です。1か月のうちのほとんど毎日、接続水域以内には中国の工船がいるという現実は変わらない。さらに現在、中国の海警がすごい勢いでヘリコプター搭載、武装した巡視船をつくっているんですね。今後、その船がどんどん増えてくれば、南シナ海だけではなく、尖閣の方にもそういう武装したヘリコプター搭載の巡視船が来ないとも限らない。すごい勢いでつくっているんです。と言うことを考えるとまだ尖閣を含む状況というのはそんなに厳しさは緩和してないと」
反町キャスター
「平時とか、グレーゾーン事態において、日本は中国側のどういう展開を想定し、展開してきた時にどのように対応していくことになるのですか?」
佐藤議員
「今回は日本側だけのイメージですけれども、ガイドラインでありましたように平時からアメリカも一緒になって、情報収集や警戒、あるいは監視、アセットボーンをやりましょうとなったんです。と言うことは、別に東シナ海の尖閣に限らず東シナ全般において日頃からそういう体制をとることができると。さらに、日米同盟の調整メカニズム、共同調整メカニズムをこれまでは周辺事態ではないとそれは機能しなかったのが、今度は平時からこの日米共同の調整メカニズムが連携を、反町さんと私がアメリカと日本とすると、平時からお互いにそういう調整をしましょうということになると、尖閣諸島含めた、東シナ海のいろんな平時から、実際現場でも、連携がとれると。後ろの方の指揮所レベルでもお互いに調整をやるということは、これは抑止力という面ではかなり変わってくると思います」
反町キャスター
「尖閣諸島に武装漁民が上陸した場合、グレーゾーン事態に、自衛隊が出て行くことによって緊張が高まる。これをどう見ているのですか?」
上田議員
「現在は基本的に、海上保安庁の巡視船が警戒にあたっているんですね。これは海洋における警察権ですから、海上保安庁があたっています。ですから、これは基本的に変わらないと思います。変わりません。もちろん、これは武装集団と言ってもどの程度の武装かによるわけですよね。基本は警察権、司法警察で対応するわけですから、海上保安庁が対応することに変わりはないと思います、現在のところ、中国側も少なくとも海警と言われる警察機関が領海に入ってくるというようなことですね。そこは日本も海上保安庁が対応しています。ただ、万が一、その時に中国の軍艦が対応するかもしれないといった時には自衛隊がきちんと対応しましょうというのがいわゆるグレーゾーン事態に対する…」
反町キャスター
「グレーゾーン事態の定義というのは、あくまで中国側は海警ではなく、中国の海軍が来た場合というような話ではないですか、それは?」
上田議員
「そうではないです。具体的な対処をするのは海上保安庁です。だけれども、万が一その事態がどういう展開になるかはわからないと。その場合には出動できるような連携をよくとっておきましょうと。その際に自衛隊と一緒にパトロールをしているような米軍とも日頃から連携をとっておきましょうということで、あくまでも万が一の場合ですね」

南シナ海での中国の活動は
佐藤議員
「現在、南シナ海の7つの岩礁島で埋め立てプラス、あるいは滑走路とか、港、あるいはレーダー通信施設の整備がされているというのは、衛星で確認されて、そういう動きがあります。この動きにアメリカはすごく警戒しています。金曜日に出されました、中国の軍事安全保障の進展レポートを持ってきたんですけれども、金曜日に出されたのですが、普通はそんなに変わりません、毎年出ていますけれど。今年は2ページ目から黄色の線で南シナ海に触れているんです。かなり今回、南シナ海を意識しているアメリカの動きがわかります。これは中国の埋め立てがありますけれど、アメリカの抑止がなかなか効きにくい。東シナ海は日本がありますから、日米でアメリカの抑止が効きやすいのですが、南シナ海はアメリカの抑止が効きにくいという特性があります。フィリピン、ベトナムはそこまでの力がないために、これは日本にとって看過できない側面というのはあるんです。なぜかと言うと、まさに日本のシーレーンとありましたけれども、油の8割はまさにこの南シナ海を通ってバシー海峡を抜ける。そういうところを埋め立てがされることによって、将来、東シナ海であったような防空識別権が設定される。あるいはこういう港がありますが、艦船とか、特に潜水艦が南シナ海に跋扈する地域になると、これは非常に海上交通の安全確保という面でいざという時に日本の生命線を握られてしまうという危惧は持たざるを得ない」

今後の日本の安全保障は
反町キャスター
「日本の安全保障法制の改正。そうさせたきっかけを与えたのは中国であるというのは認めますか?」
朱教授
「中国は軍の進出より、中国が経済力を含めて全体的総合国力がどんどん伸びた。それは十数年前まで日本のわずか半分以下だったのが、現在GDPが日本の2.2倍になった。その部分に対して日本が不安感を持ち、そういうところはよくわかります。それが互いにもっと話をする。ただ、安全保障の面で言わないといけないのは、中国が大きくなったから、これを脅威だと、軍事費が…。ところが、中国から見れば日本が同盟関係を結んでいるアメリカこそ、中国をすごく圧倒してるんです。中国にとって日本は単独では脅威と思っていません。問題はアメリカが脅威です。アメリカが世界での、東アジアでの覇権を維持しようと。中国のある学者が言うんですけれども、アメリカが中国、ロシアに対して自分が100ぐらいの技術力、軍事力に対して、他の国は全て6割以下に抑えようとする。現在の中国は8割を目指している」
佐藤議員
「中国が大きくなったから、広がるということを言っているんですよ。要は、現在の話は」
朱教授
「アメリカに対してね」
佐藤議員
「広がろうとしている。実際に東シナ海や南シナ海の動きとっても、膨張主義的に見えちゃうんです。実際やっている動きもそうだし、防衛予算1つをとっても、日本の表向き3倍ですよ。衛星を撃ち落とす実験を昨年もやっているし、空母も視野に入れているし、実際に東シナ海に防空識別権をつくった。拡張の動きがあるわけです、実際」
朱教授
「日本から見れば、中国はそうですけれども、中国から見れば、アメリカの方が圧倒的に強いと。中国は少なくとも最低限に、いざという時はアメリカに反撃できるように、それぐらいの力も持ってはいけないのですか?アメリカに比べれば、どうなのですか?」
佐藤議員
「アメリカと比べたらアメリカが世界で1番の軍事力を持っているのは間違いないです。だけれども、そういう中において中国の場合は透明性がないですよ。透明性を持った中で、中国はこういう形でやりましょうと。政治レベルの話と、現場の軍レベル、あるいは海警レベルの動きがあっていないです。それが透明性を持ってと、ワンボイスで言えるなら皆、安心があると思いますよ。そこは違うのではないか、実際」
朱教授
「それは、日中韓は数年間対立して、あまり会話をしていないと。ただ、重要なのは、忘れてはならないのは、日本だけで中国と比較するのではなくて、日本がアメリカと組んで世界で最大の国。その部分を忘れて、中国はアメリカの脅威を受けているということを忘れて、中国の脅威を煽ることが不公平だということです」
秋元キャスター
「現状、安全保障ではアメリカ一辺倒ですが、他の国とも考えられるのですか?」
佐藤議員
「アメリカ一辺倒ではなくて、ここ数年間、アメリカ以外の国との共同訓練、多国間訓練を結構やっているんです。アメリカを中核とするのは間違いないですけれども、その広がりというのはどんどんオーストラリアや、あるいは韓国を含め、インドを含め、いろんな中でやっていますし、そこはまず前提として理解していただきたい。そのうえで今後、積極的平和主義と安倍総理が言われたように、もはや1国だけでは自分の国の平和と安全を守れないという形においては、できるだけ日米というものを中核としながらも、多くの国々と協力しながら、平和構築をしていくという基本ラインはこれからさらに強くなっていくと思います」

朱建栄 東洋学園大学教授の提言:『戦後の平和理念 日本の最大の財産』
朱教授
「私は、戦後の日本の平和理念が最大の財産というところを大事にしてほしいと思うんですね。この100年の日本の歴史というのは、戦前の歴史と戦後の平和発展の道、この2つの歴史の中で、現在本当に戦後の延長なのか、それともそこから抜け出して別の道に行くのか。周辺諸国は日本がどこに行くのかということに非常に関心を持っていると思います」

佐藤正久 自由民主党国防部会長の提言:『日米+韓豪印+α』
佐藤議員
「日本の安全保障政策、日米同盟。これを中核としながらも、日本の周辺国、韓国とか、オーストラリア、インド。アメリカとの関係も強い国あたりを巻き込みながら、安全保障政策をつくっていく。加えて、それ以外の国と積極的平和主義にもとづいて多くの国と協調していくということが基本になっていくのではないかなと思います」
反町キャスター
「プラスα、アルファ?何ですか?」
佐藤議員
「たとえば、カナダ…。ベトナム、フィリピンも入りますよ」

上田勇 公明党政務調査会長代理の提言:『協調と共存』
上田議員
「戦後、日本は70年間1回も戦火を交えたことがない。国際社会においては極めて平和的。日本の平和主義というのは高く評価されていますね。これは国際社会と協調してきたということが最大の要素だと思います。日本は力によって現状を変更するようなことはしない。武力を海外で行使するというようなことはしない。そのことを基本にこれからも国際社会と協調し、一緒に栄えていく、共存していく。それが日本の安全保障政策の基本であるべきだと考えています」