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2015年4月29日(水)
一心同体か同床異夢か 日米首脳会談を検証

ゲスト

藤崎一郎
前駐米日本大使 一般社団法人日米協会会長
猪口孝
新潟県立大学学長
朱健栄
東洋学園大学教授

戦後70年 同盟関係強化を
反町キャスター
「日米首脳会談が開かれました。安倍さんとオバマ大統領の関係というのは個人的なものなのか、背負っている国と国との対峙なのか」
藤崎氏
「それは両方の面があるのだと思いますが、レーガンさんとブッシュ・ジュニアは、誰が言うのかということに非常に着目する人ですよね。何を言うかもありますけれども、あいつが言うならいいやとか、信念が一緒の人ならいいとか、そういう信念が非常に強い人だと思います。他の人は、クリントンさんにしても、現在のオバマさんにしても、ブッシュさんのお父さんにしても、誰だからというよりは、むしろ問題ごとに考えていくというタイプなのではないでしょうか」
反町キャスター
「個人的な安倍晋三というよりもアメリカが本当に日本を頼りにしたいと、これから」
藤崎氏
「日本は大事な国だし、日本を大事な国にしたのは、安倍さんだというのがあると思います。これだけ経済をアレして、ガイドラインも一緒にやりましょう、TPPも一緒にやりましょうと、一緒にルールづくりをしましょうということで出てきているのは、向こうに強い印象を与えていると思いますね」
猪口氏
「安倍首相は、非常にラッキーだと思います。問題が山積みでアメリカも困っている、そこに明るく元気な安倍首相が出てきた。非常に日米関係を、リバランスというのではなくて、再建する時にすごくいいタイミングで、オバマ大統領にとってもすごくいいタイミングだったと思います」
朱教授
「双方が用意周到に今回の首脳会談をやったということは間違いないですけれども、ただ、私は安倍政権になってから、オバマ大統領に3、4回会っているんですね。なぜ今回の方がここまで演出しているかというところですね。前の首相との比較よりも、安倍政権になってからどうしたか。それはここ1、2年で、中国という存在がさらに急速に台頭したというところですね。アメリカもどこか心理的プレッシャー、これまでの余裕がなくなったと感じた部分があったと思います。昨年10月にIMF(国際通貨基金)の発表では購買力平価で見れば中国のGDPは昨年時点をもってアメリカを超えたと。それから。AIIB(アジアインフラ投資銀行)で3月以降一気に57か国も中国に賛同を表明した。そういうような面で中国との問題、日米は当然共通の意識で何とかしなくてはならないと歩み寄った部分もあり、世界的にアメリカの力の低下で、もっとグローバルパートナーとして中東、アフリカなどいろいろなところに日本を張り出したいと、そういう思惑が一致したからではないでしょうか」

中国の台頭と日米同盟
反町キャスター
「日米首脳会談、今回の安倍さんへの前のめりの歓迎ぶりというのは、ここ数年の中国の台頭を映し出しているものだという見立てについてはいかがですか?」
藤崎氏
「それは違うと思います。もっと大きなアジア太平洋でルールをつくっていこうではないかと、TPPもそうですし、ガイドラインもそうですし、あるいは世界的にもっとCOP(季候変動枠組条約締約国会議)で協力していくとか、NPT(核兵器不拡散条約)をどうやっていくとか、もっと大きな世界をどうしていくのかという意味で、我々は一緒にやっていくパートナーだと。その中でもちろん、ガイドラインとか、中国も睨んでいますよ。ですが、中国だけを対象としているわけではまったくないし。中国の人達は、我々が対象になっているんだと思うかもしれませんが、もう少し大きく見ているのではないかと思います」

中国の脅威と日米同盟
秋元キャスター
「オバマ大統領との共同記者会見で『尖閣諸島を含む全ての日本の領土をカバーする。中国が南シナ海において埋め立て及び建設活動を行っていることを我々は懸念している』と発言しています。中国と名指ししています」
藤崎氏
「最初の方の発言は、昨年4月に来た時にオバマさんが最初にアメリカ大統領として発言した部分で、これをもう1回確認してくれたということですね。それから2番目は現在、着々と進んでいることに対して懸念を表明した。2010年のASEAN(東南アジア諸国連合)地域フォーラムの時に初めてクリントンさんがこのことを言ったんです。建設についてではなかったのですが、南シナ海等の問題について。中国がかなり反発をしたのですが。それ以来、ASEAN諸国も皆発言するようになって、今回のASEANフォーラムでも発言するようになったでしょう。一部おとなしくなっていますが。大事な事は既成事実化しないで、黙っていないで、皆で本件については提起をし、国際ルールに従ってやっていくべきだよということをレジスターしておくことは大事だろうと思いますね」
反町キャスター
「普通、リーダーが安全保障の話をする時に、特定の国を、地域を名指して言うことは憚られますよね?」
藤崎氏
「それだけ顕著な状況で、日米だけではなく世界中が注目しているわけですね。それにもかかわらず中国が進めていることに対し、ここで懸念を表明しなかったら、そのまま既成事実化してしまうということで、もちろん、だからと言って、何か行動しようということではありませんが、きちんと言っていかなければダメだと。調停も行われているのですが、フィリピンが提起して。中国が出てこないんです。そういうのにきちんと対応するということで国際社会としてレジスターしていくという意味で、私は適切な発言だと思います」
猪口氏
「結局ヨーロッパの方を見れば、ロシアでクリミアとか、ウクライナとか、いろいろな心配事があって、それからイランの方も、シリアでも何をやってきたんだとずっと言われてきたの。アジアでも似ていることが起きているのではないのなんて、急に思い出したの。本当はそうじゃないと言い張っていたんだけれども、そうかなあと。でも、失敗だと認めるのは嫌だから。尖閣でも、南シナ海でも、アメリカ政府の誰かは言っているんですよ。それを再確認することによって、良かったということにしている可能性は非常にありますね。それはピンポイントで重要な発言だった」
朱教授
「日中間の島の問題については、アメリカはこれまでの立場において繰り返していることと。日中は昨年11月に4項目の原則合意があって、互いに尖閣、東シナ海がこれからこれ以上悪化しないように協力しようということをしているので、これは互いに裏での牽制ではありますが、直接、島で戦争とかでさらに緊張は現実的にないわけです。そういう意味では、日本へのリップサービスで、別のところでどこか日本の情報を引き出すという戦術の部分もあるのではないかなと思います」
反町キャスター
「南シナ海への言及に関しては?」
朱教授
「中国はここ2年くらい、私から見ても、一種の政策変更がある程度あったのではないかなと思います。2002年に中国とASEAN諸国が南シナ海で共同開発をしていくということでいったん合意したのですが、実はそれ以降、中国はつい最近まで何も開発していない、埋め立てもしていない。その間、胡錦濤時代は内政外交がわかるように、どこか穏便にやろうという中で、ベトナムがどんどん油田の開発、現在は少なくとも中国とベトナムの係争海域だけでも500か所で石油をとっていて、年間800万トンとっているんですよ。一方、島についてはフィリピンがどんどん埋め立て、さらに建設を進めたわけですね。学校、空港をつくっています。フィリピン、ベトナムも皆やっています、中国はつい最近までやっていなかったのに。私から見れば、習近平政権になると自分の主張すべきところは主張するんだと。一方は国益、一方は国際貢献です。この両者の間でこれまでどちらもはっきりしなかったのが、現在は主張すべきところは主張する、貢献すべきところは貢献する。内政外交両方はっきりと出してきたと。それが外部から見るとこれまでと違うと。中国の大きいサイズで見れば、こういう動きで驚く部分がある。その中で中国は、関係諸国が納得するような、説明ができるような、そういうところをもっとやらないといけないと思いますね」
反町キャスター
「中国が埋め立てる前に、フィリピン、ベトナムが埋め立てていたと」
朱教授
「その通りですね。ベトナム、フィリピンは両方ともそこで飛行場をつくったんです。これまで中国は何も着手していなかったんですね。中国国内で胡錦濤時代のやり方は批判されているわけですね。我々が共同開発と言いながら、実際誰も動かない。むしろ相手の方が一方的に開発を始めたと。そういう意味では、現在の中国の背後に中国の有名な学者の論文も出ているのですが、中国も単独開発に動き出して、そうすると皆、反応をしだしたわけですね、それだったら、もう1度皆で一緒に話をしようと。これまでいくら話をしても誰も聞いてくれない。皆、既成事実化を進めたわけですね。そういうところを中国だけではなく、各国の動きの中で見ないといけない。今回は幸いオバマ大統領の話の中では、この問題は関係諸国にも向いているという表現は使っているのですが、もちろん、それは中国が大きいから、責任があるという意味で牽制していると思いますが、ここ1、2年で中国が実際に昨年10月に南シナ海について、これまでの方針と微妙に変化してきたというところを日本では十分説明されていないと思います。王毅外務大臣が言うのは、これまで中国は、南シナ海は自分の領土だという主張だったのに対し、紛争については2国間で交渉して、解決していくと。ただ、南シナ海全体の安全保障については中国と日本とASEAN共同でやっていくと。ただ、中国、ベトナム、フィリピンとの単独の話しあいだけではなくて、安全保障の部分は中国とASEAN共同でやっていくと」
反町キャスター
「アメリカに入ってくるなと」
朱教授
「それはその通りです。アメリカは逆に日本を巻き込んで一緒にやろうと」
反町キャスター
「ガイドラインの改定、日米首脳会談を踏まえて、南シナ海に関しても、日米共同でコミットしていくというような雰囲気ができてきました。新しいガイドラインによって、日本の自衛隊が南シナ海における警戒行動、法律的には、それが日本の国益に適うものであれば、警戒監視を日米共同でできることもルール的に可能になります。今回の日米間の安全保障についても、日本からすれば、島嶼防衛について、尖閣という言葉をオバマ大統領から引き出したのがポイントだとすれば、その一言をもらうにしてはあまりにも日本からの持ち出しが多いのではないかという印象があると指摘する人もいます」
藤崎氏
「それは違うと思います。1つはオバマさんが言っていると。それは言わなくても安保条約に書いてあるのですが、それを本当に実現するためにはアメリカ国内で議会でも国民も皆それはそうだと、条約にも書いてあるし、大統領も言っているし、やるべきだというふうにならなければいけません。ところが、日本がやるべきことをやっていなければそうはなりませんね。従って、日本はやるべきことはきちんとやっています、ということが1点です。それから、もう1点は、持ち出すという発想は本当はやりたくないと。積極的平和という言葉が良いかどうかは知りませんが、もっと国際貢献をしていくのだという立場に立てば、それは日本独自ではなく、アメリカとの共同ベースのもとでそれをやっていこうということであれば、それは持ち出しというわけではないのではないかと思います」
朱教授
「持ち出しという表現を使わないにしても結局、用意周到に準備した首脳会談というのも、お互い求め合うものというのはあるわけですね。結果としてどれだけの収穫があったのかと。そういう意味で、アメリカ側はやはり得るものは相当(ある)。今回オバマさんが勝ちとったのではないかなと。一般的に見れば、日米安保のガイドラインが、首相の訪米タイミングで、日本が約束したことですね。辺野古が唯一の選択肢というのは沖縄でもう少し根まわしをしてから、それも先に決めたこと。ロシアは5月9日に終戦70周年の記念式典(があり)、日本はロシアと接近する別の利益があるわけですね。今回はこれを犠牲にしてでもアメリカにあわせた。そういうようないろいろなところで見れば、日本はアメリカから何を得たのか」
反町キャスター
「ロシアの対独戦の戦勝70周年記念式典に、プーチン氏、安倍氏の関係において、プーチン大統領から総理に対して招待状がきていた。これは行っても良かったのではと感じませんか?」
藤崎氏
「私はそうは思いませんでした。現在の判断で良かったのではないかと思います。日本がそもそも対独戦戦勝記念に関係する国ではないですよね、むしろ逆の立場ですよね。むしろ招待されて行くことに何か逆の意味があるわけで、我々がその意味に乗っかる必要はないと。ロシアとの関係は粛々と交渉していけばいいわけで、領土問題とか、何かそのために米、欧を差し置いてロシアとの関係をつくらなければいけないという状況ではないのではないでしょうか」
反町キャスター
「日本外交は、アメリカの枠の中で相撲をとるべきなのか。アメリカの枠からどのくらいはみ出てもいいのか。その按配の話ですが」
藤崎氏
「それは問題によって違うと思います。基本的には日本は独自の判断でやるべきだと思いますが、アメリカと利益が一致する場合が多いから、その場合はもちろん、アメリカと協力しながらやるということに尽きるのではないでしょうか」
猪口氏
「現在、ロシアは大悪人になっていますから、米の中では。近づき過ぎるとダメになる。課題はまだまだあるということは重々承知で現在のポイントでやったら、こちらまで悪者になってしまう。(ヨーロッパはロシアの)ガスに依存しているし、ウクライナで何か起こったら大変だということがあるから、そこは挨拶とか、結婚式や葬式はしっかり行くというだけの話です」

AIIBへの姿勢
秋元キャスター
「日米共同記者会見で、安倍首相は『アジアには膨大なインフラ事業に応える金融システムが重要である認識については共有している。公正なガバナンスが必要』、オバマ大統領は『戦後全ての成功事例から学び、これまで多国籍の金融機構がどのように機能してきたかを参考にすべき』と発言していますが」
藤崎氏
「それ自体は別に新しい発言でもないだろうと思いますね。繰り返しガバナンスが必要だということ。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とAIIB、この2つに対して、日米はTPPだ、中国はAIIBだということで競争だという議論ではなく、TPPというのは、実はアジア太平洋と言うけれど、世界のGDPの38%ですね。だから、すごく大きな地域での経済のルールです。トレードと言っているけれども、実はトレードだけではなくて、いわゆる関税とか、そういうものだけではなくて、投資も入っているし、知的所有権も入っている、サービスも入っている、広い分野の経済ルールを決めようと。これに他の国もあとから入って来てもらったらいいと思うんですけれど。そういう意味で、むしろWTOの上に1つ、もう少し深掘りというか、高いレベルのものをつくろうとしているようなものだと考えてもいいのではないかと。AIIBについては、オバマさんとか、安倍さんが言っているようなことなのだろうと思いますけれど。私は、AIIBは日本としては損得をよく見て、判断するということで、たとえば、現在、理事会がちゃんと常駐するか、しないかという議論も行われているようですけれども、きちんとしたまさにガバナンスや何かができて、これが本当にニーズに合致するのかどうかということが1点。もう1つは、現在アメリカと日本はちょっと最初の国に入りませんでしたけど、アジア太平洋と現在ルールづくりをしようとしている時ですから、アメリカとはよく連携し、アメリカが知らないうちに俺が入っちゃいますよと、逆にアメリカが置いていけぼりにして、そんなことはないでしょうけれど、行きますよということがないよう、お互いによく相談していくということが2点ですね。3点目は、よくバスに乗り遅れるなという議論がありますけれども、しかし、日本がどういうふうに現在行動するのかというのは世界中の国が見ていますよね。だから、堂々と、よく見極めて、どうせここまできたのならば、最初の国にならなかったのですから、ガバナンスや何かがきちんとできるのかというようなことをよく見て、各国とも話しあいしながらきちんと対応していけばいいのではないかと思います」
猪口氏
「結局WTO(世界貿易機関)が、世界規模の自由貿易を推進するバカでかい組織が何もあまり動いていないんですよ。それでアメリカとしては非常に困っているはずなんですよ。どうしてかと言うと、でかくなければダメだと、よく機能しなければダメだと。ところが、現在ブラジルの事務局長、前はフランスの事務局長がいたんだけれども、ブラジルの事務局長の方がちょっとでも前進し始めたからいいのだけれど、根本的には完全に機能不全。だから、それをアメリカとしては太平洋を中心とした1つと、大西洋を中心とした(1つ)、別々に考えた方がまとまりやすいのではないかと考えて、WTOもそういうふうに考えて、もうちょっとパパッと進みやすいのが太平洋の方ではないかと思ってやっているわけで、それはそれでいいと思うんですよ。そうではないと、AIIBというのはまだできていないし、国際企業という面では何もないみたいだし、インフラをつくると言ったら何かお金がいっぱいあるからって、受注したいところが手を上げているみたいなところがあるから、これはまだ何もないというのが正しいので、だから、日本としてプライオリティーは当然、WTOの本当の補完をするものとしてのTPPに全力を上げるべきというのが、私の考えで、AIIBも良くなるように、こちらも工夫した方がいいと思う。AIIBは、日本が入らんと、出資する人が皆、受注したいだけで、出資の方があまりいないみたいだから、これは中国以外。だから、結局、入ることになるだけでも条件としては、オバマ大統領も安倍首相も言っているようなことをしっかりやってほしいと」
朱教授
「今回、安倍首相の発言の中に、基本的にAIIBというのは否定するようなトーンで言っているわけではないことと、非常に重要なメッセージを中国に対して発したと思います。すなわち日本が入るには理事会による個別案件の審査承認が不可欠であると。これが最低限の条件であると同時に、持続可能性や環境社会に対する影響の配慮、中国はこういうような基準がクリアできるかと。そういうところでは、割にそれに対して、積極的なメッセージを出し、しかし、中国がもうちょっとそういうような内部の運営、ガバナンスのことを、基準のことをもっとはっきりしてくれと。そういうところが、日米中がその点においては割と面と向かいあって動き出したとポジティブに受け止めています」

TPP妥結を急ぐ理由
秋元キャスター
「オバマ大統領は『米国と日本はTPPの迅速な交渉の妥結に取り組んでいく』と、安倍首相は『繁栄こそが平和を生み出す。その信念が私達のTPP早期妥結にと駆り立てます』と発言しています」
朱教授
「アメリカが特にTPPを早期に妥結させたい、実現させたいということは間違いないことですけれども、そこが中国を排除するものではないと。高度な未来のアジア太平洋地域のためのものだというところは、そこはどこかちょっと綺麗な言葉で、本当にそうかと思うんですね。たとえば、実際12か国のうち、ベトナムの場合は、中国より人権や自由や経済発展のところで高度なものができるかと。結局そこは僅か2、3日前にオバマ大統領も言ったように、我々はTPPをはやくやらないと中国に主導権渡すよと。明らかにそこは主導権争いというのが、私はあると思うんですね。日本は日本として、一方、中国などで日中韓のFTAも含め、アメリカともTPPと、そういうところをうまくやればいいと思うんですけれども、ただ、アメリカの意図というところを、私はもうちょっと冷静に、日本から国内市場の開放をもっと求めると。そういったところも明らかにアメリカが、オバマ大統領は自分の在任中の功績として立てたい。そういうところを私は冷静に見るべきだと思います」
反町キャスター
「TPPは確かに市場開放度が高くて、国有企業をたくさん持っている国にとってはハードルが高いと言われていますよね。皆が苦しんでいる時に、中国が、懐が深そうなものをボンと出してくると、皆そちらに行ってしまうという、現象が起きているように見える部分は間違いですか?」
藤崎氏
「それはわかりませんけれども。1つは、中国は先ほど言った南沙諸島とか、そういうことで非常にアジアの他の国からちょっと何やっていると見られているところでパッとこういうプレゼントを出してくるという意味では3000年の血、巧妙な外交だなと思って、いつも大変勉強するところは大きいなと感心しているんですよ」
反町キャスター
「TPPは、その意味でいうと、もともとTPPが出てきた時に、最初中国を囲い込むための自由度の高い経済圏をつくって、たとえば、中国が最終的に入ってくる時に、中国がちゃんと苦労して入ってもらうことが狙いだということを説明する人もいました。TPPの当初の目的というのは、そこは、ずれてきていると感じますか?」
藤崎氏
「最初おそらく私はそんな感じはあまりなかったのではないでしょうか。だって、TPPはアメリカもあとから入ってきたし、少しずつ積み上げてきた段階で、中国を念頭にニュージーランドやマレーシア、ブルネイが考えていた感じではないのだろうと思いますよ。ただ、だんだん過程においては、中国が非常に大きな経済になっていったから、中国ということも念頭に置いていったのかもしれないけれど、中国を排除するとか、どうこうというようなことよりも、この地域でできるだけ新しいルールをつくろうよということの方が大きいのではないかなと思います」

安倍外交の狙いとは 初の上下両院議会演説
秋元キャスター
「安倍首相が3時間後、日本の総理大臣として初めて、アメリカの議会の上下両院議会で演説を行います。どんな演説を期待されますか?」
藤崎氏
「戦後70年を振り返って、反省を述べると同時にこうやって平和国家をつくってきたということ。それにアメリカが寄与したと。つまり、国際社会へ復帰を助け、大震災の時も助けてくれたですね、アメリカへの感謝を述べられるのではないでしょうか。私は、それは非常にアメリカ人に訴えるのではないかと。おそらくスタンディングオベーションになるのではないかなと思いますけれど。議会演説が大事なのは日本と違って議員は一国一城の主です。ほとんど党議拘束がかからないです。従って、1人ずつTPPだ、何だと皆を説得しなければいけない。そういう一国一城の主に直接働きかけられる、TPPの大事さも議論できるわけですし、だから、それは政権も期待しているでしょうし、総理にとっても、日本にとっても、議員にとっても期待する演説ではないかと思って見ています」
猪口氏
「本当に、がんばってほしいですね。明るく元気に、いつものように。だから、とにかくアメリカは大きな舞台でしっかりとわかってもらえる、しっかりアピールできるというのが1番重要ですから。本当に僕はそう思います」
朱教授
「私は当然、アメリカにPRするとともに、本当はその背後にアジア諸国、韓国、中国を見ているよというところを意識して、全世界に積極的メッセージを出してほしいと思います」