プライムニュース 毎週月曜~金曜よる8:00~9:55(生放送)

テキストアーカイブ

2015年4月27日(月)
統一地方選に見る病理 無投票当選増と打開策

ゲスト

河野太郎
自由民主党行政改革推進本部長 衆議院議員
柿沢未途
維新の党政務調査会長 衆議院議員
森川友義
早稲田大学国際教養学部教授

若者の投票率低下
秋元キャスター
「国政選挙、地方選挙を問わず、最近目立っている投票率の低下。特に、若者の投票率低下の問題点から考えていきます。衆院選の投票率の推移から見ていきたいと思うのですが、総選挙における年代別の投票率、色で分けて表してありますけれども、昨年の衆院選の投票率、2014年を見てみますと、全体では52.66%と過去最低を記録しています。年代別に見ていきますと、最高が60歳代の68.28%。20歳代の投票率、60歳代の半分以下の32.58%で、この20歳代の投票率の中の、20歳から24歳に限定しますと、29.72%という数字が出てきます。初めて3割を切っているんです。10人の中の7人は投票に行っていないという状況があるわけです。まず森川さんに聞きたいのですが、衆院選での投票率の低下の原因は何だと考えていますか?」
森川教授
「グラフが示していると思うんですけれども、1990年代から落ち込んでいるということで、1990年代以降、何が起こったのかという話ですよね。2つ考えられると思います。1つは、首相がコロコロ変わっている。1990年の海部首相から16代ですね。と言うことは25年間に16人変わっているということで、本来であれば、首相が何々をしました。それに対して実績はこうです。それに対し、イエスと言うのか、ノーと言うのか。ベースがなくなってしまったということが1つ言えると思います。もう1つは、1994年に中選挙区から小選挙区になっているんですね。小選挙区は素晴らしい点もあるんですけれども、この自由な世の中で小選挙区は1人を選ぶ作業ですよね。と言うことは、商品にたとえると、陳列されている商品が少なくなったということですね。その中で1個を決めなければいけないということで、中選挙区の場合は、3人だったり、5人だったり、それに伴って、立候補者の数は多かったわけですから、その中で1人を選ぶという自由度が以前はあったわけですね。それがなくなってしまったというのも大きな原因の1つだと思います。では、若者がなぜそれにも増して、平均値よりも、さらに、急激に落ちたかという質問がたぶんあると思いますけれど、それは非正規の人達が増えていった。非正規というのは、つまり、どういうことかというと帰属性がないですよ。ある会社に正規社員として勤めれば、その業界に対しての帰属性ができるわけですよね。ところが、非正規だとそういうものが一切なく、それに伴って得られるべき知識というものもないわけですから、どうしたって何をしていいか、誰に投票をしていいかわからなくなってしまうということが言えるかと思います」
反町キャスター
「政治が選挙行動と一緒に動く可能性を考える時に、いわゆる非正規、帰属性がないといわれる人を、集団をいかに取り込んでいくのかというのは政党にとって1つの大きなテーマではないですか。それは、たとえば、柿沢さんご自身でも、維新でも結構ですけれど、いわゆる非正規、ないしは帰属性の低い集団をいかに投票所まで引っ張って、維新と書かせるかというのは何か方策というのはないのですか?」
柿沢議員
「納税者だという意識を国民の皆さんにもっと強く持っていただくことが大事なのではないかと最近思っています。今回、私が選挙でいろいろと訴えたのは、いったい選挙は何のためにやっていくのかということですよ。考えてみると、あまりこんなことを考えたことがない人が多いんですよね。何のためにやっているのかといえば、基本は税金だと思うんです。皆さんが税金を国家権力、あるいは地方自治体にとられていると。そのとられていた税金の使い道を決めているのは究極的に誰かと言えば、議会の議決によって決められていて、その構成員ですよね。その議員を4年に1回、自分が1票を投じて選ぶというのは、要は、自分達からとっていった税金の使い道は、自分達に決めさせろということです。税金の使い道がどうかというと皆さん、たぶんあまり納得していないと思うんですよ。政務調査費、政務活動費けしからんと思っているんですよ。だから、怒って投票に行かないというと、事実上、税金の使い道をどうぞ好きなように使ってくださいということになるので、自分で自分の首を絞めている、逆効果になっていますと。こういう選挙を何のためにやっていて税金は何のために納めているのか。この根本のところがだんだん自動的に行われているものみたいになってしまっていて、その意味に立ち返って考えるということをあまりしなくなってきているのではないかという気がするんですね」
反町キャスター
「それはいくら訴えても、反応がない?」
柿沢議員
「いや、その話をすると、意外とそれはそうだみたいなリアクションが返ってくるような印象を持っていまして、教育の現場で、いったい税金は何のために納めていて、選挙は何のためにあるのかということについて、教えるというとアレですけれど、考えてもらうということが重要なのではないかと」
反町キャスター
「若者が投票に行かないことによる、政治に与えている影響をどう見ていますか?」
森川教授
「ポイントは、昔から若者は投票に行っていないんですよ。20代は昔から投票に行っていなかったんです。昔は投票に行かなくてもよく、現在は行かなくてはいけない理由というのがあるんですね。それは人口ピラミッドを考えていただきたい。要するに、たとえば、現在から55年前の1965年の人口ピラミッドだと、世の中、若者だらけなわけです。エジプトのピラミッド型ですから。と言うことは、ちょっとぐらい投票率が少なくても実際に投票してくれる数というのは多いわけ。他方、現在は逆三角形ですから、若者が少ない。若者が少なくて投票率が低いから、投票実数が少ない。政治家の皆さん、要は、候補者の皆さんが何をしたいかというと、当選したいわけですよね。当選するには、投票実数をいかに獲得するかですから、2つの選択肢(があって)、たとえば、若者を活かす街づくりと言うか、お年寄りに安心して過ごしてもらうと言うかの、アピールの2つに1つだと、必ず、お年寄りというアピールをし、予算ではゼロサムゲームで、お年寄りに厚く、若者に薄くということにならざるを得ないということですね。従って、若者が自分の取り分を多くしようと思うのであれば、投票所に行かなければならないということです」
柿沢議員
「私は、若者と高齢者の世代間格差、特に、社会保障受益と負担の世代間格差の問題をかなり正面から押し出して訴えている、珍しい議員で、維新の党は、若者の党であるべきだとずっと言っているんですけれども、私は思うのですが、打ち出し方なのではないかと思うんですね。どんな高齢者にも子供がいて、孫がいる。そういう世代が幸せになることを考えている面もあると思うんです。そういうところ、巡りめぐって、そういう次世代の人達の安心と幸せのためだと思えば、場合によって世代間格差是正のメッセージなども高齢者に受け入れられるという余地はあると思って。我々はまだまだちょっと…」
反町キャスター
「お年寄りにしてみれば、何を言っているんだ、俺達は若い頃ずっと苦労して現在こうやっているのだから利益を享受して当然だ、という方がたくさんいると思いますよ」
柿沢議員
「私はそういう反応はむしろ少なくて、衆議院選挙で、私は世代間格差の話を随分したんですけれど、よくわかってくださると思っています。それを真正面から語ろうとしないで、飴玉みたいなことを高齢者に言っている政治の在り方そのものが、私は根本から問われているのではないのかと思います」
秋元キャスター
「森川さんは、著書にも書かれている『若者が選挙に行かないせいで4000万円も損をする』という、これはどういうことですか?」
森川教授
「ですから、先ほどの低投票率がもたらすものは何かというのを考え、要するに、基本的に投票にたくさん行く人数が多いお年寄りに手厚く予算配分をし、それで若者に薄くならざるを得ない。従って、社会保障費を減らすわけにいかないし、と言うことで、その結末はどうなるかというと、生涯純税負担率というのを見てもらいたいのですが、国債を発行しますよね。国債を発行するということは60年ローンで払うことですよ。そうすると、若い人ほど長期間払わなければならない。さらに言うと、まだ生まれていない人にも借金を払ってくださいというシステムなわけですから、余命が少ない人は、払う分は少ないということになりますよね。と言うことで、積み重ねると、このように若い人と、生涯における税負担率が20%を超え、お年寄りになるとそれが随分と低いということで」
反町キャスター
「これは生涯賃金の中での税で持っていかれる生涯負担率みたいな意味ですか?」
森川教授
「そうです。それを金額に直すと4000万円も損をしてしまうというのが、この構造になっている。ですから、若者にとっては国債の発行、要するに、借金財政を止めてほしいということが是非、必要なことですけれども、借金を減らして、社会保障費を半分にしますというようなことは実際にできないですから、そんなことを選挙期間中にアピールしたら落選してしまうので、それはできないということで、どうしてもしわ寄せは若者にいってしまうということだと思います」
反町キャスター
「中央、地方あわせて一千何兆円になろうとしている国債の利子、ないしは償還の負担が若い人達にずっと先々、これから重荷となっていって、結局、現在の60代とか、70代の人達の生涯に比べると、4000万円分損をしている。こんな理解でよろしいのですか?」
森川教授
「はい。しかも、投票率のない人達までも負担を強いられていると」
反町キャスター
「20歳以前ということですね?」
森川教授
「そうですね。将来世代の人達にも負担を強いられているのは、それは若者というか、将来世代の人達にとってみたら納得いかないことですよね。20歳になって、選挙権を得たら、何千万円も損をしているということでは、ちょっと納得できないので、そこに18歳への引き下げというものもかかわってくるのだと思います」
反町キャスター
「たとえば、学生に話すとどんな反応があるものなのですか?えーっという感じですか?」
森川教授
「それを聞いて、初めて知ると。でも、マスコミの捉え方というのは、いかに社会保障を充実させるのかというような論調で話すではないですか。従って、若者が損をしているというようなところをピックアップして、やっている番組というのは、この番組ぐらいなものですよね」
反町キャスター
「出来事としてそうなっているのが多いということは、僕らはよくやります、それは」
森川教授
「それで、若者に対して、どうするかという政策面まで踏み込んでものになると、そこも政治家の皆さんは口を閉ざしてしまうと」
反町キャスター
「本当にそこに政治的なモチベーションが生まれる要素がありますよね。どう考えても、何もしない、していないのに4000万円を君は負担をしているんだという、そこに対する何かエネルギーは、どちらかというと、森川さんの立場からすると不平不満、将来に対する不安を吸い上げきれない政治の方が、能力が足りないではないか。そういう話にならないのですか?」
森川教授
「いや、システムの問題なので、しょうがないではないですか、民主主義で、小選挙区というものがあって、選挙で勝ち上がらなくてはいけないのですから。実際に、どちらの人数が多いかといったら、お年寄りの方が多いわけですから。しかも、投票所に足を運んでくれる、人数も多い。自分が候補者になっても必ずお年寄り向けの政策を打ち出しますよ」

候補者・政党を選ぶ方法は
秋元キャスター
「著書の中で『選挙時に誰を選ぶかも重要だが、とにかく投票所に行く』と書かれているんですけれども、これは具体的にどういうことですか?」
森川教授
「まず、要するに、票が出ちゃいますよね。20代、30代、40代という感じで、どの程度投票したかという投票率が出ちゃうわけですから、それを見て、政治家の皆さんも誰に手厚くというような政策を行うわけですから、20代が急激に上がったというようなものが出ると、これはちょっと無視できないなという形になるわけですよね。ですから、誰に投票をするかも当然大切ですけれど、投票所に行って、比率が上がったというところを見せるということが候補者、政党の人達に大切だということです」
反町キャスター
「それが政治の若者への配慮、ないしは気配り、目配りに必ずつながる?」
森川教授
「そうですね。誰が何党の誰に投票したかわからないですけれど、20代が投票したかどうかというのは数時間で出てきちゃうわけです。そこのところを上げましょうという話ですね」

統一地方選 結果は
秋元キャスター
「ここからは、昨日の投開票で幕を閉じました統一地方選挙について話を聞いていきたいと思います。まず主な結果から見ていきたいと思います。まず前半戦12日に投開票が行われました。10あります道県知事選は自公が推す現職が全勝しました。41道府県議選では、自民党が24年ぶりに過半数を獲得しまして、1153議席。民主党は前回から82議席減らして、264議席。維新は28議席。諸派、大阪維新の会は42議席でした。昨日26日、投開票が行われました後半戦ですけれど、政令市を除く市区村長選では東京の3区長選で自民が敗北。自民との対決型となった大阪府の3市長選で、大阪維新推薦候補が敗退となっています。市議選については、定数6730のうち、自民党が前回から112議席増やしまして626議席。民主が前回から111議席減らして278議席と、このような結果になりましたけれども」
反町キャスター
「区長選でも都内で3つぐらい落としているんですけれども、たとえば、選挙の戦い方、ないしは都市部における自民党の浸透の度合いとか、その戦術、戦略面においても、自民党がいろいろ、この区長選に関しては反省すべき点があるのかと思うのですが、そういうところはあまりないですか?」
河野議員
「政党の勝ち負けというよりは、本当に区とか、市とか、町や村というのは、生活に密着している議論でなくてはいけないですね。ところが、今回見ると、たとえば、小児医療費を無料にしようと、これまで幼稚園だけだったのを今度は小学校までやりますとか、小学校3年生だったから6年生までやりますとか。あるいは給食もこれまで小学校だから、中学校もやりましょう。待機児童を何とかしましょう。それはおそらくそうなのだろうけれども、そのコストはどうするのですかという議論はほとんどないわけですよ。たとえば、ゴミを有料化し、そこで出てきた費用で小児医療費の年齢を少し上げておこうとか、あるいは固定資産税の、現在、減免になっているところを、きちんと固定資産税をいただく代わりに、それで待機児童を何とかしようとか、入と出の議論がまったくなくて、サービスを増やします、増やしますという議論ばかりになっていて。だから、それは民主主義、これでいいのかというところをむしろ政治は反省をすべきであるので、戦術戦略は各党が勝手にやればいいだけの話なので、それよりもっと前にやらなければいけないことがあるよねというのが今回の反省なのではないですか」
反町キャスター
「柿沢さん、今回の統一地方選挙の前半戦、後半戦。前半戦は大阪の市議選、府議選とかあって"大阪都構想"の話を聞きたいんですけれども、それぞれの方で維新の会。すごくがんばったとは言いながらも、過半数までは両方いかなかった。一方、今回、第2ラウンドの方では"大阪都構想"の周辺である市長選でなかなか苦しい選挙戦を戦ったというこの状況。でも、うちが世論調査をやっていても、投票に行くという人は"大阪都構想"の票を入れに行くぞという人が9割を超えている。この状況をどのように見ていますか?」
柿沢議員
「統一地方選挙前半戦は、近畿地方、大阪においては目覚ましい勝利だと思います。それは過半数の一歩手前まで迫る府議会の議席を獲りましたし、市議会はそもそも過半数しか候補者を擁立していないのですが、元の29が38に増えているわけですから、かなり大きな成果を大阪市内、あるいは大阪府内で得ているということだと思いますね。兵庫も奈良も、近畿圏は相当、維新の会は顕著な成果を得たと思うんです。ただ、今回、後半戦は、たとえば、維新の会が推薦した候補者が敗北しましたという話がありましたが、しかし、前半戦の勝利を受け、橋下さんがどう言っていたかというと、それは"大阪都構想"の住民投票には直接的に関係はありませんと。都構想のメリット、デメリットをきちんと説明をして、理解をしてもらって、イエスという答えをもらうというのが住民投票だと言っていたわけですよ。後半戦の結果も、それはあまり関係がないと。大阪市民が、"大阪都構想"を実現することが自分達のためになる、住民自治が拡充すると思えるかどうかということにかかっていると思いますので、逆に言えば、今日から公示、告示がされたわけですから、5月17日までの間に、それをどこまでやり切れるか。橋下さん、我々から見ていても、死んでもいいみたいなことをおっしゃっているみたいですけれども、とにかくタウンミーティングを本当に400回、500回も重ねて説明をしていますから、最終的にはご理解をいただけるのではないかと、このように思っています」

地方選の無投票当選増加
秋元キャスター
「地方選挙において、無投票当選が多い現状をどう見ていますか?」
河野議員
「たとえば、都道府県議はほとんど政党が公認で戦うわけですよね。そうすると、政党が新しい候補者を発掘して、育てる機能が弱っているというのが1つあると思うんです。町村長の4割が無投票というのは、いかに税金を使うかというところがテーマになっていないので、何となくの流れで、町の流れで、村の流れで、こうなっていますということになってしまっていて、そこは我々が地方にもっと財政的な自由度と責任をちゃんとお渡しをし、税金をどう使っていくかということを住民の皆さんで議論をしていただけるようにしていかなければいけないんだと思うんですね。一概に無投票が増えていると言うのですが、政党が本来、そこは責任を持って候補を両立しますと言ってやらなければいけなかったのが、できなかったというところと、もう1つは、町や村、市議もそうなのかもしれませんけれども、1番身近な税の使い方の議論がされてないという現在の地方自治法、地方財政法の構造的な問題。これは2つあるのではないかと思うんです。ですから、地方自治と言っている以上、少なくとも根本のお金をまず渡して、どう使うか決めてくださいと。代わりに国は、たとえば、社会保障のナショナルミニマムは交付金で面倒を見るよと。だけど、地方債の裏負担をして、交付税で償還してあげるみたいなことはやりませんよと。自由度を高める代わりに責任も自分で持ってくださいと、きちんと地方自治ができるようにしてあげないと、その争点が何もなくて何となくサービス合戦になって終わってしまう。そこは分けて考えなければいけないのかな。私は、この間まで自民党の中央政治大学院という若い人を発掘する担当の責任者で、現在47都道府県のうち40まで、都道府県単位で政治大学校をつくって、新しい候補者を発掘しようという仕組みを現在つくりつつあるのですが、2割の都道府県議が無投票になっちゃうというのはちょっと我々も反省しなければいけないというのと、自民党の現職がいても、そこへ自民党の新人がチャレンジをする。予備選挙の仕組みというのはよく小選挙区でやらなければいかんと言われているのですが、小選挙区だけではなくて、公認候補を立てて、戦う選挙には予備選挙の仕組みというのを政党として入れていく必要があるんだと思うんですね」
柿沢議員
「首長を選ぶ選挙の無当選と、また議員の場合とはちょっと違うと思うんですね。おそらく市長選、町村長選、つまり、首長の選挙の無投票というのはおそらく現職の場合は多いと思うんです。新しくリーダーを選ぶ選挙はそれぞれがある種イコールの状態として、新人として戦う部分はありますので、競争が出やすいんですけれど、現職の首長というのはすごく知名度も高くて、予算配分権も持っていて力のある存在ですから、そこに対抗して負かしていこうというと、なかなかライバルが出てきにくい。しかも、そちらを担いで負け組になった場合どうなるんだと。だいたい村を2分する選挙をやると、もうこりごりだと言って、暫くやらなくなるみたいなことが起きている。ここが1つ原因で、現職の強さということがあるのではないかと思います。議員の方は、私は定数が多すぎることが1つ原因ではないかと思うんです。定数が多すぎるというのは、なり手がいないというのが1つの要素と、もう1つは、1人、1人が何をやっているのかがわからなくなると思うんですね。それぞれが、たとえば、市政、町政、村政に対してどれぐらい発言権を持って何ができるのかということがなる側からも見えにくいし、たとえば、自分自身が村長だったら1人だけれども、村議会議員は何人もいますから、自分自身がやれることというのに限りも出てくるということで、ある種、若干やりがいがないというか、状況になってしまっているのではないかと思っていまして、議員の選挙の方は定数を抜本的に減らして、議員は何のためにあるのかといろいろ考えて見ると、企業で言えば、ある種、社外取締役みたいな役割。自分が執行役ではないけれど、その執行を監視して、場合によっては議決をすることによって、その方向性を決めることもできると。そうだとすると、社外取締役を、たとえば、世田谷区で言えば、50人も抱えているとか、うちで言えば、44人も抱えているというところはあまりないわけで、それぞれ数が少なくなることによって責任が重くなると。間違った判断をすれば、それが住民に見えやすくなって、その責任を問われて、チェンジされると。こういうある種のサイクルをまわしていくことが大事なのではないかなと現在は思っているんです」

地方政治 担い手不足の要因
反町キャスター
「人を減らすことによって、給与を上げて、いい仕事をしてもらった方がいいのではないかと?」
河野議員
「たとえば、定数を1割削減しますというのはよくあるんですね。1割削減するなら、給料1割上げてあげようよと。それなら行って来いでそのコストがかからないんだからいいではないか。だけど、それをなかなか自分達は言えませんと言って、定数だけがどんどん減っていくんです。そろそろいろんな人が、いや、いや、それは報酬をちゃんととって、その代わりにいい人を選ぼうよということを言い出さなければいけないというのが1つと。もう1つは、要するに、首長がいて、議会がある。いわばアメリカの大統領とアメリカの議会のような関係ですね。首長さんの中には、チェック機能ですから市議会はと言う人がいるんですけど、いや、いや、それは違うだろうと。本来は市議会がつくった予算に基づいて行政をやってくださいと。市議会が条例をつくって、それに基づいて行政をやってくださいと。だから、チェック機能ではないです。それは二元代表制なのだから。だから、それをするならば議会にも議員にも少なくとも1人ぐらい政策スタッフをつけてあげる。あるいは現在、議会事務局は市役所からローテーションでくるんですけれども、たとえば、この4年間は社会保障だとか、この4年間は待機児童だと言うなら、議会事務局に専門のスタッフを任期つきでいいから採用して、その人達がいろんな政策のベースを調べることができるような、議員活動をサポートする体制もそこでつくってあげなければいけない。商工会議所の青年部とか、青年会議所とか、いろいろな団体が本来は、ただ、イベントをやりますではなく、いろんな政策をこういうデータに基づき、こういう政策を、こういう条例でやったらどうだというところまで本来、そういう団体が提案してくれて、我々がつくった原案に賛成してくれる議員はこういう人ですというところまで、そういう団体がやるべきだと思いますね。それが何とか祭りを主催しましたというところで現在、青年部は終わっちゃっているけれど、本当はもっと政策まで、そういう団体が突っ込んでくるというのがあるべきなのではないかなと。そう言うと、報酬を上げるというのもそうですけれども、それをサポートする経費をつけてあげることによって、トータルで効率的に行政が運営されていくのだったら、それはむしろ全体を考えればプラスになるのではないかと思います」

地方政治の人材育成
反町キャスター
「地方政治大学院は、自民党の人材育成を目的とした組織でいいのですか?」
河野議員
「はい」
反町キャスター
「地方政治大学院は、どういうプロセスで、どういう人材を見つけようとしているのか?」
河野議員
「現在、公募というと、それこそ公募で誰でも手を上げて来てくださいという話になるのですが、少なくとも公募に応募するのだったら自民党のどこかの中央政治大学院か、どこかの地方政治大学院を経て、経験して、そこを終了してから公募してくださいというようなプロセスをつくろうと思って…」
反町キャスター
「それ何を教えるためですか?」
河野議員
「要するに、自由民主党の基本的な考え方というのは、こういう考え方ですと。自由民主党というのはこういう政党だよということを、ある程度わかってもらって、社会保障にしろ、何にしろ、こういうプロセスでこれまで議論をしてきて、現在こういうふうになって、問題点はこういうことでというベーシックなところを皆で共有をしたうえで、議論できるようにしたいというのが1つの考え方で、そのためにはまず47全ての都道府県に1つつくっていこうと。現在47のうち40までできているんですね。そこを卒業して、今年の地方統一選挙に立候補された方も、それなりの数が出てきていますので、できればもう少しきちっとこのプロセスをやっていきたいし、逆にそれが人材発掘になって、この町の町議はどうとか、あるいは市会議員はどうとか、この県会議員はどうと言って、いい候補者と選挙区のマッチングをやれるようになったら、もっといいなと思っているんです」
反町キャスター
「政治家を目指す人材が少なくなっているし、劣化している?」
河野議員
「若者の人口が減っていますから。パイが小さくなっているというのが現実にありますよね。合併して、地方議員の数が減ってきていますよね。昔はその中から県議に出よう、国政に出ようという人が(いた)。そのベースが小さくなっている。そういうところがあるのではないかという気がしますね」
反町キャスター
「二世議員が多いことで、人材のリクルーティングが目詰まりしているという指摘はどうですか?」
河野議員
「それはあるかもしれません。小選挙区のメリットの1つは、単なる二世では当選できませんというのが明らかになってきている。いろいろなレベルでそういう人が減ってきているのだと思います。特に、小泉政権以降、まったく政治に縁がなかった人が、国政にチャレンジして当選するようになった」
反町キャスター
「政権交代があったからでしょう?」
河野議員
「もちろん。政権交代をしやすくするための小選挙区ですから。それがこの10年で2回起きているということは、少なくとも新しい人がかなりたくさん、小泉政権の時には83人、そのあと、"小沢チルドレン"が何十人というのがあるわけですから、そこは小選挙区制度を入れたことによって、いろんなルートができてきたというのはあるのではないか」

森川友義 早稲田大学国際教養学部教授の提言:『18歳』
森川教授
「若者を活かすにはどうしたらいいのかというと、是非、現在国会で18歳への引き下げを実現して頂きたいと思います。敢えてもう1つ言うと、被選挙権も18歳というのを是非、同時というわけにはいかないですけれども、将来を見据えて、考えていただきたいと思います」

柿沢未途 維新の党衆議院議員の提言:『定数削減 責任は重く』
柿沢議員
「議員というのは、企業で言えば社外取締役のような役割を果たす、そういう部分がある仕事だと思います。そういう意味では、1人、1人の権限と責任を重くして、間違った判断をすれば、それが住民からはっきり見えて、責任を問われるという、そういうことが必要だと思うんです。そのためには定数を減らす。これは行政改革の見地だけではなくて、責任を1人1人の議員が持って、好き勝手なこと言って結果は問われないみたいなことではなくて、結果、責任も住民から問われるという、そういう仕事にしていく必要があると思うんですね」

河野太郎 自由民主党衆議院議員の提言:『税の使い方をみんなで決める』
河野議員
「税金の使い道をキチッと決める。サービスを提供する側だけではなく、そのサービスのコストは誰がどうやって負担するのかというところをセットで議論できるようになると本当に参加しなければということになると思うので、是非税金の使い道を議会でしっかり決めていただきたいと思います」