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2015年4月23日(木)
安保協議が最終局面 自公に問う新安保戦略

ゲスト

佐藤正久
自由民主党国防部会長 参議院議員
上田勇
公明党政務調査会長代理 衆議院議員
川上高司
拓殖大学海外事情研究所長・教授

ガイドライン18年ぶりの改訂へ 変質する安保環境に日本は
秋元キャスター
「日米ガイドラインは自衛隊と米軍の役割分担を定めたもので、冷戦下の1978年、旧ソ連の日本侵攻など日本の有事に対応するためにつくられました。そのあと、冷戦が終焉を迎えて、日本への直接的な武力攻撃の可能性は少なくなったものの、日本の周辺情勢が不安定さを増す中、1997年には朝鮮半島有事など周辺事態への対応をするために改定されました。今回、多様化する脅威に切れ目なく対応することを目的として、18年ぶりに再改定されるという流れです。なぜ現在、改定が必要なのでしょうか?」
佐藤議員
「日本を取り巻く安全保障環境がかなり変わったというのが大きな要因になります。これまでのガイドラインというのはどちらかというと、重点は、周辺事態と、日本有事というものが中心だったんです。ところが、弾道ミサイル対処、これは周辺事態の前の段階で日米が連携をして対応する、あるいは東日本大震災での日米連携等、武力事態、周辺事態に至る前の段階での、日米協力の重要性が非常に増していると。さらに、今度は周辺事態と武力事態との間にも、現在、安保法制の方で議論をしていますけれども、限定的な集団自衛権を行使する事態もあるということ。あとどうしても隙間が出てきてしまうと、現在のガイドラインでは。今回は、平時から有事まで切れ目なく日米連携が対応するために調整メカニズムという組織を平時からずっと立ち上げましょうということが大きな変化要因の1つだと思います。どちらかというと周辺事態以降でないと調整メカニズムが働かなかったのが、この平時からずっと切れ目なくというのが1つのポイントかなと思います」
上田議員
「今回のガイドラインには、東日本大震災のアレを受けて大規模災害に対して、ちゃんと備えておきましょう、協力もしましょうと。あの時、トモダチ作戦ということで米軍が随分協力してくれました。それも想定に入れながら、平時からそういう災害対応も日常から日米の協力範囲に入れておきましょうという項目も含まれると聞いています」
佐藤議員
「アメリカの要因の1つにリバランス政策というのがあると思うんです。そのあたり、ちょうどアメリカの対応も、アジア正面と、あるいはヨーロッパ正面との間では変えています。そういうこともあるのだろうと思います」
反町キャスター
「川上さん、日米のガイドラインということで、アメリカは現在、我々は当然、この議論をした時に日本側から見た話になってしまうのですが、ただ、アメリカ側から見た時に、今回のガイドラインによって日本はアメリカの国防戦略のどういう位置づけになっていくのか。位置づけがどう変わっていくのか。そこはどう見ていますか?」
川上教授
「アメリカの戦略は、佐藤先生がお話されましたようにリバランス政策。特に、その背景には、アメリカの国防費のカットですね。これが大きくあると思います。それで、世界戦略が変わってきて、要するに、グローバル、サブリージョナル、リージョナルと分けた場合に、アメリカの戦略は、それぞれの地域にそれぞれの規模と、つまり、中心となる国を定めて、アメリカの世界戦略に埋めあわせていただきたいと。そういう戦略があるんだと思うんですね。そういう具合に考えますと、東アジアは当然ながら、日本が中心になって、それで中国をヘッジしてもらい、北朝鮮もヘッジしてもらいたい。できるのであれば、サブリージョナルの南シナ海にまでできれば、何とかやってほしいという期待がたぶんあると思うんですね。グローバルは『そこそこ』。サブリージョナルは『やや』。リージョナルは『本当にやってくれ』と。こういうアメリカ上の要請と言うのか、それが大きくあると思うんです。おそらくアメリカの国内政治で、オバマ政権になってから、どちらからというと地域抑止で、南アジアでいうとフィリピンとか、オーストラリアとか、インドとか、そういう形でいろんな国に任せていて、日本ではガイドラインということでリージョナルを守っていただいて、ということがあると思います」

安保法整備でどう変わる
秋元キャスター
「この新たなガイドラインに盛り込まれる新たな戦略を運用するために、どう法律に落とし込むか。昨年の集団的自衛権の一部行使容認を閣議決定して以降、与党間で進められてきた安保法制整備に関する協議が最終局面を迎えています。日本の平和と安全に関わる部分と国際社会の平和と安全に関わる部分、この2つの部分に分かれます。日本の平和と安全に関わる部分から聞いていきたいと思いますが、日本の平和と安全に関しては、平時、グレーゾーン事態、重要影響事態、存立危機事態、武力攻撃事態という5つの事態を想定して、切れ目なく対応をするため、法律の整備が検討されています。まずは平時と、グレーゾーン事態。有事とまではいかないが、警察権では対応できない事態では、警戒監視、装備品防護などを行うため、自衛隊法などを改正するということです」
佐藤議員
「ポイントは今回、平時から武力事態まで切れ目なくというのがポイントなので。たとえば、日本とアメリカであれば、平時からグレーゾーン事態の重要影響事態、あるいは武力行使事態も、お互いに、相互に守りあおうという形がとれるというのが1番のポイントだと思うんです。現在はどちらかというと、そういう武器を使っての相互連携というのは、武力事態、個別的自衛権を行使しないとできないという状況でしたけれども、平時において、海上自衛隊の護衛艦と、ちょっと離れてアメリカの護衛艦が、警戒監視に当たったりしますよね。そういう時に何か武器を使わなければいけないという事態が日本で起きた場合はアメリカが助ける。アメリカの船にそういう事態が起きたら日本が助けることができる、お互いに守りあうと。アセット防護という表現を使っていますけども」
反町キャスター
「それは、装備品防護ということですね?」
佐藤議員
「装備品防護ということでお互いに守りあうという形、あるいはこれまで弾道ミサイル対処で、北朝鮮にこれまで自衛隊も米軍も展開していましたね。あの時の状況も、お互いに守りあうということが平時から可能になるということで…」
反町キャスター
「何ができて、何ができなくなるのですか?」
佐藤議員
「これまでは仮に弾道ミサイル警戒のアメリカのイージス艦、日本のイージス艦が日本海にあっても、それはそれぞれ別個の活動です。日本有事ではありませんから。日本有事ならお互いに連携できます。日本の有事の前ですから。日本のイージス艦は破壊措置命令という平時の権限で、警察権で展開している。アメリカも展開しています。それは警察権ではアメリカの護衛艦を守ることはあり得ませんから。それぞれ別個だった情報交換とか、連携はしますよ。でも、そういう時には、日本のイージス艦が武器を持って、アメリカのイージス艦を守ることはできなかった」
反町キャスター
「北朝鮮の飛行機がアメリカの船を攻撃するのを、目の前で見ても何もできなかった?」
佐藤議員
「できないですね」
反町キャスター
「上田さん、平時からの対応についてはどう感じていますか?当然必要なものだという理解になるのですか?」
上田議員
「平時からグレーゾーンになっていますけれど、グレーゾーンにもいろんな…」
反町キャスター
「いや、まずは平時の、現在の段階での」
上田議員
「今のはどちらかというと、グレーゾーンに対するということでしょうけれども、平時から、たとえば、領海に侵入がある、島に不法上陸があるかもしれない。そんな時、基本的にそれに対処をするのは海上保安庁であったり、警察であったりするんですね。だけれども、武装しているかもしれないということも出てきていると。そうすると、海上自衛隊、あるいは自衛隊とも連携をしながら、表に出るのは、警察、司法警察ですけれど、作戦を立てていかなければならないというところもあると思うんです。同時に、そういうことが想定された時には、米軍と自衛隊が共同でやるという事態というのは有事ではないけれど、完全な平時ではないというようなところで、平時からだんだん色が変わってくるとか。ここの線でここから先はダメということではなくて、ちゃんと順番に、切れ目なく対応できるようにしましょうという、これが目的であると思います」
反町キャスター
「たとえば、島を占拠した不法漁民がいて、明らかに警察権では対抗ができないような重武装をしている場合、これは軍の出動の要素を満たしているかどうか。ここはどう見ているのですか?」
上田議員
「ここは可能性としてはあると思います。ただ、ここはあくまで海上警備行動、治安出動という自衛隊の警察権の範囲だと考えています。ここも海上警備行動がこれまでに2回ですか、発令されたのは。治安出動というのはこれまで発令されたことがないですけれども、ただ、そういう警察権というのは、自衛隊も持っているので、自衛隊の持っている警察権、いわゆる司法警察の能力不足を補おうという意味だと考えています」
反町キャスター
「佐藤さんは、出動の要件はそういうことでよろしいのですか?」
佐藤議員
「警察も海上保安庁も、能力を超えるというものを、何をもって見極めるかと。その時に、たとえば、不法上陸をした武装集団が、数が非常に多いとか、あるいは持っている火器が、機関銃とか、あるいはロケット砲とか持っているという時、警察、海上保安庁で逮捕できないという時は自衛隊が出て。警察でも警察比例の原則であちらはロケットを持っていますから、警察はロケットを持っていませんから、そういう形で対応していくという場合は、自衛隊が治安出動に、海上警備行動で出ると。うちの方から先にオーバーキルをやってしまうと、軍が出動する口実を与えてしまったということになりますから、そのエスカレーションをコントロールするのは、これは非常に慎重にやらないといけないと思います」
反町キャスター
「グレーゾーン、平時における自衛隊の今回の対応をどう見ていますか?」
川上教授
「1つ、懸念していますのは、自衛隊が出動するということは、警察権の行使であっても、これは中国に対し、ある程度の口実を与えかねないと思うんですね。ですから、それはプレゼンスとして自衛隊がいる。そのへんのことをどうお考えになるのか、歯止めになるのかが1点目。それから、2点目というのは、逆に、守る側からしてみれば、抑止力を効かせた方がいいわけですから、反対に、自衛隊が先に展開している方が有利な場合もあるわけです。攻めてこない。これのオペレーションプランと言っていいかわかりませんが、そのへんの具体的な抑止力のところまで踏み込んで、お考えになっているのかというのがお聞きしたいポイントですね」
反町キャスター
「佐藤さん、まさに川上さんが言われたように、軍が行くということは、抑止力でもあり、刺激にもなる。ここですけれども、これをどう見ていますか?」
佐藤議員
「でも、日本の領土を占領されていいかと。それは誰が聞いても良くないわけで、警察とか、海上保安庁の能力を超えるという時には、場合によっては警察とか、海上保安庁が対応をして、接触をして、そこである程度、これでは対応できないという事象が明らかになるということもあり得ると思いますよね。そうした時に、イメージ的にこれは自衛隊が出ないと、日本の主権が守れないですよと。これだと世界的にも、それは過剰ではないということが言えると思いますので、いろいろなパターンがあると思います。ただ、2点目の何かあった場合の、そういう作戦経過はあるのかどうか。それは当然、いろいろなシミュレーションをやっているのは、それは間違いない。危機管理官庁の自衛隊ですから、そこはやっていると思います」

日本防衛の課題と新法制
秋元キャスター
「重要影響事態、存立危機事態。この2つについて聞いていきますが、重要影響事態では、アメリカ軍への後方支援を行うため周辺事態法を改正し、名称も重要影響事態安全確保法に改正、変更しました。存立危機事態では、重要影響事態の中でも、より深刻度が高いと位置づけられている事態ですけれども、この事態では、機雷の除去、それから、弾道ミサイルの防衛を行うため、武力攻撃事態法を改正するということですが、佐藤さん、まず重要影響事態はどういう状況なのかというあたりから、説明いただいてもよろしいですか?」
佐藤議員
「まさに、日本の平和と安全に、そのまま放置していたら、影響が出るという、自業自得の事態ですけれども、ただ、存立危機事態というのは、まさに、防衛出動を行うような武力を行使している事態で、つまり、熱度が全然違うんです。今回、我々が考えているのは、これは武力を行使するまでのレベルではなく、放置をしていたら、日本に影響が出るという時に、アメリカとかの軍隊に対して自衛隊が後ろからアメリカへの補給とか、あるいは衛生とか、そういうものを支援しましょうと。周辺事態法は、対象が米軍だけだったんです。さらに、輸送以外については日本の領海内だけしか補給ができなかった」
反町キャスター
「地域限定があった?」
佐藤議員
「輸送だけは、公海上だけで良かったんですけれども、補給とか、衛生とか、そういう整備を米軍にやる時には、日本の領海内という縛りがあったんです。現在の日本を取り巻く安全保障を考えた場合に、日本に対する影響を低減するための対処国は、アメリカだけとは限らないし、他の国がくる場合もあるし、それも少し広げましょうと。また、さらに、支援する地域も日本を取り巻く安全保障環境を考えたら、いろんなところでテロが起きた時に、邦人とか、あるいは民間人とかを米軍が助けると。そういう時に、日本の方も後ろの方で、米軍の軍艦に対して、油の支援とか、それは日本の領海とは限りませんので、そういう意味では範囲を広げて、これまでよりも、日本の平和と安全を守るために、地域をより柔軟に広げて、さらに、対処も若干、アメリカが中心ですけれど、枠を広げるというのが今回の大きな狙いです」
反町キャスター
「そうすると、次の、存立危機事態とは、いったい何の事態が悪化したものを指すのかについては?」
佐藤議員
「まさに、これはこのまま放置をしていたら、日本の存立とか、日本の国民の自由とか、幸福とか、権利が根底から覆されるという時に限って、武力を行使しましょうというような事態です」
反町キャスター
「その武力行使というのは弾道ミサイル防衛とか、機雷掃海とか、これがいわゆる武力の行使という理解でよろしいですか?」
佐藤議員
「弾道ミサイルに対しても、いろんなパターンがありますから、これは、まさに、ある国からのミサイル攻撃というものをやるという時に、まだ、日本の方にはミサイルが着弾していないという段階で展開をしますよね。そういう時に、まさに、日本を結果的に守っているアメリカのイージス艦を航空自衛隊等が、ある国からの航空機が近づいてくる時に守るということの場合は、これは、国際法上は集団的自衛権と言わざるを得ないです。日本がまだ攻撃されていないから。しかし、このまま放置をしていたら、ミサイルが日本に落ちて、日本の国民の命とか、失われる場合があると。どちらかというと個別的自衛権に限りなく近いような形ですが、これは国際法上、弾道ミサイルが日本に飛んで来て、落ちるというものを、守っている米軍のイージス艦というものに対し、自衛隊が対応しようという時は、まさに存立危機事態にあたるという場合があると」
反町キャスター
「機雷掃海は?」
佐藤議員
「機雷掃海は、日本の存立とか、国民の権利が根底から覆されると。さらに、それを排除するために他の手段がないということが認められ、条件が合致をすれば、機雷掃海は、やる場合もあるし、合致しなければやらない場合もある」
反町キャスター
「これまでの法整備でできないものを可能にするのが安保法の改正ですよね?」
佐藤議員
「はい」
反町キャスター
「機雷掃海とか、弾道ミサイル防衛というのは、これまでやっていたような印象があるんですけれども、それは何ができなくて、今度はできるようになるのか。そこはどうですか?」
佐藤議員
「機雷掃海でこれまでやっていたのは、遺棄機雷。たとえば、湾岸戦争のあとに、ペルシャ湾に自衛隊の掃海艇が行って、機雷掃海をしました。あれは遺棄機雷ということで、これは戦争が終わったあとのことなので、公共の秩序の維持という観点で、これを排除したんです。武力の行使ではなかったと。ところが、地域がいいかがわかりませんけれども、一応、機雷を掃海しなければ、日本の存立とか、国民の幸せとか、自由とか、幸福の追求権の権利が根底から覆されると。他に掃海をする手段がないという時に、機雷掃海をやるという、機雷がまだ遺棄機雷ではなくて。また、敷設される…」
反町キャスター
「機雷はそもそも遺棄されているものではないかと思うんですけれども」
佐藤議員
「いや、違います。敷設された機雷を、停戦前に機雷を撤去しようとすると、これは国際法上、武力の行使にあたってしまう」
反町キャスター
「設置した国の意図が、まだアクティブだという意味ですね?そこは」
佐藤議員
「はい。遺棄機雷と敷設機雷では国際法上、機雷掃海の評価はまったく違う」
反町キャスター
「遺棄か、敷設かというのは、設置した国の意図を確認しなければいけないということですか?」
佐藤議員
「あと停戦ですね。まさに、停戦の合意がなされたあとであれば、それは遺棄機雷という評価が国際法上できます。でも、停戦前にこれを開けようと思ったら、これは武力の行使あたると」
川上教授
「アメリカは、北朝鮮が敷設機雷を撒くのではないかという論議が多く、従前のガイドラインでは、アメリカからすれば、要請したが、日本はなかなか応じられないと、当然ですけれども。今回はそれを期待しているということではありませんか」
佐藤議員
「それは放置をしたら、日本の存立に、非常に影響が出るというような事態であれば、敷設機雷についてできる場合もあるかもしれませんけれども、まさに要件の当てはめの話なので、そこは政治判断になってきます」
上田議員
「ここで、たぶん想定されている機雷の掃海というのは、先生がおっしゃったような事態に近いのではないのかなと考えますけれども」
反町キャスター
「それはほとんど日本の沿岸とか、周辺の話ですね。そういう意味ですよね?」
川上教授
「そうです」
反町キャスター
「それはもしかしたら日本の個別自衛権で処理するような話ではないのですか?わざわざ遠くまで出ていく話ではないですよね」
川上教授
「当然ながらもし朝鮮有事の場合に公海上に撒かれる機雷、コンバットゾーン、こちら側に、そうすると、それはまったく違う話になりますから、しかも、相手側が悪意を持ってやる。従って、このケースにぴったりはまり、そこで、私はよく国際会議に出ていますけれども、米軍関係者はこの場合どうだと聞いてくるわけですよね。ああ、そうか、という具合に、当然そうですよという話になるわけですが。そうなると、これはなくてはならない事態だと思いますね」
反町キャスター
「朝鮮半島有事の際に、日本がもしかしたら、アメリカ軍の活動のために機雷掃海をする可能性があると?」
川上教授
「米軍だけではなくて、当然ながら、国連軍もそうですね。1番そういう能力があって、そういうファシリティを持っているのは日本ですから。当然ながら、我が国に対する重要な影響事態が生じる可能性はあるところですよね。従って、マストだと思うんです」

島嶼防衛 武力攻撃事態対処法
秋元キャスター
「武力攻撃事態法の改正が検討されていますが」
佐藤議員
「これ実は存立危機事態と、武力攻撃事態が重なる場合があるんです」
反町キャスター
「どういうイメージですか、それは?台湾有事のことですか、それは?」
川上教授
「私どもは言いにくいのですが、かなり可能性があると思いますね。島嶼防衛ということは、要するに、はい」
佐藤議員
「日本の周辺で、日本の近い地域でこういう存立危機事態というのがもしも起きている時は、まさに、武力攻撃事態対処法に指定するそういう予測とか、切迫事態にもたぶん重なる場合はあり得るわけです」
反町キャスター
「強くリンクする可能性が高い?」
佐藤議員
「そういう時はいろんな面で国民法とか、いろいろありますけれども、これは武力攻撃事態対処法と存立危機事態が非常に重なる場合があるので、その改正は武力攻撃と書いていますが、どちらかと言うと、存立危機事態の方とあわせた形での改正と言った方がたぶん正しいのかもしれない、境目なくね」
反町キャスター
「尖閣を守るにあたって、今回の安保法制の改正によって、たとえば、アメリカ軍の島嶼防衛に対するコミットメント、応援の度合い、展開のスピード、何かが変わるというものではないのですね?」
佐藤議員
「基本的に法律的には武力攻撃事態という単品をとれば、それは今回の法改正とは関係なく、運用の世界の話だと思います。ただ、アメリカが尖閣諸島は日米安保5条の適用対象だと明示していますから、何かあったあと自衛隊が尖閣を守る。必要であれば米軍もそれを支援するということは言えると思います。それは現在の法体系でもできますから、別に法改正はいらない。今回もう1回言いますけれども、平時からずっと重要影響事態からお互い守り合うということはできるということはトータルとして切れ目ないですから、抑止力というものは島嶼防衛にも効いてくる場合があるわけです」
反町キャスター
「平時におけるアメリカ軍の島嶼の治安維持への協力は何か期待できるのですか?」
佐藤議員
「一緒に共同訓練というものを、そこでやっていること自体がプレゼンスですから、お互いに守りあうことができるというのは、相手からしたら嫌ですよね。抑止力と言うのは、やったらもっとやられるか、やっても意味がないと相手が思わないと抑止力にならない。それが平時からグレーゾーン、存立危機事態、重要影響事態とずっとくるわけです」
川上教授
「共同訓練をやるということは、中国から見ると、おそらく日本とアメリカに作戦計画があるかもしれないということを臭わせるわけですね。何種類もあるわけですよ。しかも、海自と米海軍のみならず、海兵隊、陸自が第一列島線をばっちり守るんですね。共同訓練をいろんな形を変えてやっていると。これはものすごい抑止力になるわけです。それは具体的に言わなくても、この法律を見るだけで抑止は効いていると思いますね」
佐藤議員
「平時でも守れるということは切れ目なく対応できるので、結果的に島嶼防衛ということにもつながる部分はあろうかと思います」
反町キャスター
「島嶼防衛ということでは、これまでよりも安心感が持てるのかなと。他の部分は全部日本からの持ち出しだろうという、この見方はどうですか?」
川上教授
「当然、米軍もバーターで得する部分もあるのではないかと。私もいろいろと考えて、果たして日本にできるのかという論議になってくると思います。たとえば、朝鮮半島有事の場合、機雷掃海をやりますと。当然やるべきなのですが、リスクを背負わなくてはいけない。これはいいです。リージョナルに守る部分、島嶼防衛は非常にわかります。しかし、もう少し出て、現在最大の脅威を受ける南シナ海にどう日本が関与するかということが最大の目的だと思うんですね。アメリカは非常に関心を持っています。日本も監視活動とか、哨戒活動とか、偵察、情報収集、そういうところで先守まで至らない、平時の活動として、自衛隊にできることがあると思います。そのへんのことをアメリカは期待して、日本に要請なりをしていると思うんです。それに対して、日本はある程度応えて、それを日本のできる範囲でやってあげて、初めて島嶼防衛をアメリカもやってくれると」

国際社会の平和と安全 その意義と日本の役割は
反町キャスター
「これまでの国際平和協力法ではできなかった部分は何か?何をできるようにするのか?今回の改正のポイントはどこになるのか?」
佐藤議員
「1つは、大きな活動としては、国連以外の人道支援ができるというのが1つ。あと中身で言うと、武器使用とかの業務が今回一応書いてあるんです。任務遂行型の武器使用とか、駆けつけ警護。たとえば、南スーダンの例で言うと、施設部隊が道路工事をしていましたと。その時に何らかの者に襲われたとします。そういう時にこれまでは本隊が助けに行けなかった、駆けつけ警護。今度は武器使用が、駆けつけ警護で認められるようになりますので、隊員が襲われたという時に本隊が助けに行くことができる」
反町キャスター
「これまでは助けに行けなかった?」
佐藤議員
「行けなかったです」
反町キャスター
「襲われっぱなしですか?」
佐藤議員
「正当防衛、緊急避難しか武器使用が認められてないので、現場の部隊でしか対応ができなかった。本隊が行くというのは正当防衛ではないから」
反町キャスター
「襲われて、初めて撃てると?」
佐藤議員
「そうですね。だから、現場の部隊だけではなくて、一緒に活動しているJICA(国際協力機構)とか、NGO(非政府組織)とか、そういう人が一緒に活動しているなら、それを本隊が助けに行くことができるということで…」
反町キャスター
「それは他国の軍隊でもそうですか?他国のPKO部隊みたいな」
佐藤議員
「それは同じ、はい」
上田議員
「地元の住民とか」
佐藤議員
「あと現在、南スーダンで、1番の目的は文民の保護と。今回多くの、数万人の方が国連の宿営地に逃げてきました。これまでは自分の管理下に入らないと、警告射撃もできなかった。目の前で撃たれても警告射撃もできなかったのが今度は警告射撃もできるようになりますから、場合によっては目の前で撃たれているような文民を自分の宿営地に入る前に、若干これまでよりは助けることができるということもできるようになりますし、また現在、工兵部隊いますよね、南スーダンの軍隊から建設機材の使い方を教えてほしいという要望があるんですけど、これはできないです。国運支援になってしまうから。国運支援も今度はそういうこともできるようにするとか。あるいはこれまでできなかった立法とか、行政というものに対しての支援もできるようにする、かなりそういう中身の充実というものは、今回メニュー的には膨らんだということが言えると思います」

国際平和支援法 その意義と活動内容は
反町キャスター
「この恒久法、佐藤さんの話などを聞いていると、これまで何かあっても国連以外の時には1つ1つ特措法をつくって、国会で議論し、計画を立ててと、時間もかかったし、スピード感もなかったので、恒久法でなるべくスムーズに対応しようというのが狙いだと思うのですが、一方、こういう例外なく事前承認というバランスをどのように考えていますか?」
上田議員
「これまでは特措法をつくりますね。ですから、こういう状況において、こういう活動をしたいんだと、こういう後方支援をするという法律が通って、自衛隊が基本計画を立てて、自衛隊が行くという形になります。今度はこの恒久法は一般法ですから、一般法だとどういう事態かわからないわけですね。だから、今度は基本計画というのに、なぜどこで何があって、なぜ行った方がいいのか、そういうところまで全部基本計画に細かく書かなければいけない。そうなれば、これまでは法律が通った時に1回事実上、国家承認したみたいなものですよね。今度はそれがないわけですから、基本計画を立てて、自衛隊が行く時には、一緒に国会承認をとりましょうと。与党協議の中でいろんな議論があって、本当に例外がなくても大丈夫なのかという議論もありました。それで政府でもいろいろと検討してもらって、その中では明らかに例外でなければいけないというのは出てきませんでした。そうであれば、もともとが事前承認で、ただし、こういう場合にはいいですよという、どの法律もそうですね、だったら正しく想定されないのであれば、例外というのは要らないのだろうということで、例外のない事前承認が最も相応しいだろうと考えました」

拡大する日本の役割 リスクと歯止めは
反町キャスター
「国際平和に対する協力の拡大をどう見ていますか?」
川上教授
「まず拡大することによって、非常に国際貢献ができるのですが、リスクが増えると思うんですね。たとえば、自衛隊が普通の国として、いろんなことを展開しますから当然ながらテロリストと向かい合う。その時に、もしテロリストを排除しなかった場合、自分が死んでしまう。逆に撃ってしまうと殺人罪に問われてしまう。こういうリスクが増えるわけですね。そう考えてみますと、この事前承認というのは持ち出しの部分になると思うんですね。従って、これは、私は正直に申し上げて非常にいいシステムだと。つまり、ここでは非常にリスクを伴うところはじっくり論議をし、国民の納得を得て出しましょうと。日本の平和と安全、平時から武力攻撃事態は、これは迅速にやって、これは事後承認でもいいと。そういう区分けができるのではないかというのが1点目。2点目は、こういう事態では、たとえば、遠く離れた中東地域であるとか、たとえば、アフリカであるとか、いろんなところでいろんなことがやれるわけ、駆けつけ警護もやるようになる。武器使用もできるようになる等々で、当然ながら自衛隊のカジュアリティと言うのですか、つまり、死傷者が出る可能性がありますから、そういう覚悟を日本政府として、もしくは国民として持たなくてはいけない。これは当然ながら、他の国は全部やって、これは日本がこれまでやらなかったことですから、そういうことをもう1回考え直して真摯に対応すると。相当これから試練と言いますか、逆の意味で試練が生じると思いますから、そういうのが必要かなと。次に重要なのは、いろんなことをやるわけですから、平時、グレーゾーン、重要影響事態、ほとんどやるようになるわけですから、どのへんにアセットを持ってくるか、人、モノ、金、装備品。つまり、リージョナルに持ってくるのがスジなはずですね。そこをまず重点的に整備をして、サブリージョナルを2番目、グローバルな国際社会の平和安全は3番目と、言う具合におそらくそういう具合に考えていかないと、GDPの1%の自衛隊ではできない。しかも、まだ憲法がありますから、これでもできません。戦える軍隊にはなっていません。平和な軍隊でありますから、そういうことを考えながら、今後を展開するのが必要なのではないかと思います」

佐藤正久 自由民主党国防部会長の提言:『脱却“一国平和主義”』
佐藤議員
「一国平和主義からの脱却。日本一国だけでは守れないと。自分さえ良ければいい、現在さえ良ければいいという発想ではなくて、国際社会と連携しながら、しっかりと切れ目なく日本の安全保障を守っていくという体制が大事だと思います」

上田勇 公明党政務調査会長代理の提言:『国際協調』
上田議員
「戦争をどうやって防ぐかということを考えれば、できるだけ多くの国と協力していく、協調していく、仲良くしていくということが大切なので、日本が孤立しない、そういった意味でも、できるだけ国際協調することが日本の平和と安全を守る基本だろうと思っています」

川上高司 拓殖大学海外事情研究所長・教授の提言:『How Much is Enough?』
川上教授
「実はアメリカで論議される言葉なのですが、どのくらいやればいいのかと。おそらく日本というのは自分の国益を、自分の国を守る、自分を防衛する。しかしながら、日本は南シナ海を守らなくてはいけないし、グローバルに出て行かなくてはいけないと、このバランスです。このバランスを決めることが全てできるようになりましたので、政治家の皆さんがやらなくてはいけない。是非正当な判断をお願いしたいと思うわけです」