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2015年4月20日(月)
安倍首相が久々に登場 大型外交前に何を語る

ゲスト

安倍晋三
内閣総理大臣(前半)
村田晃嗣
同志社大学学長(後半)
凌星光
日中科学技術文化センター理事長(後半)

安倍首相に聞く! TPP日米閣僚級協議は
秋元キャスター
「プライムニュースは午後8 時からスタートしましたけれども、同じく午後8時からはTPP交渉についての日米閣僚級協議が再開されているということですが、日米首脳会談を前の最後の機会ということですけれども、どうですか、状況は?」
安倍首相
「首脳会談前としては最後の、いわば閣僚級の協議を現在行っています。甘利さんとフロマン代表との間で、相当に詰めた協議を行っていると思いますが、かなり協議の中身は、項目は限られてきています。山登りをするのにおいての最後の1合かと。9合目までは来たけれども、最後のところがなかなかきついと。そこまではもちろん、来ているんだと思いますが、しっかりと結論を得るべく、努力を重ねていきたいと思っています」
反町キャスター
「日米会談において、それまでに合意ができるかどうか。そこはたぶん無理だろうという前提に立ったとしても、日米首脳会談においてTPPにおける日米協議。双方、誠意を持って意欲的に、ほぼ合意に、ないしは合意が目前となっている。いわゆる良い雰囲気を醸し出すのが大切かなという印象でも見ているのですが、その踏込み具合はどのように見ていますか?」
安倍首相
「それは首脳会談においても項目が限られています。細かい交渉になってきていますから、それを首脳間でやるのはもちろん、あります。それよりも現在、反町さんがおっしゃったように、日米両国民に向かってTPPというのはアジア太平洋地域にしっかりとしたルールをつくって、人やモノや資本、お金が自由に飛び交うというための、いわば新しい自由貿易圏をつくっていくんだよというメッセージを、前向きなメッセージを発信することが1番大切ではないかと。そういう認識においては、日米の首脳が完全に一致をするという、いわば私達の決意を、それぞれの国民にしっかりと示す。そういう首脳会談にしたいと思っています」

自民党役員会 谷垣幹事長会見では
反町キャスター
「本題に入る前に今日のニュースから1つ。自民党の調査会ですけれども、先週金曜日に番組内容に問題があったとして、テレビ朝日とNHKの幹部から事情聴取を行いまして、場合によっては、テレビ朝日を放送倫理に関する第三者機関、俗にBPOと呼ばれるやつですが、これに訴えることもあり得るとしました。その件に関して谷垣幹事長ですけど、今日夕方の会見でこのように話をされています。『事柄は、やはり報道機関の自由にも関連する。もちろん、やらせをしていいワケないでしょうし、偏向があっていいワケでもないし、報道機関の自由は十分尊重しながら議論をしていかなければならないと思う』と。谷垣幹事長はこのように話をされているんですけれども、総理、第三者機関に持ち込むことについて、そういうブリーフをした人も党にいるんですけれども、自民党の中からも、様々な意見が出ています。政治とメディアの関係性をどのように感じていますか?」
安倍首相
「谷垣幹事長の発言に尽きるのではないかと思うんですけれども、民主主義を担保するのは言論の自由と報道の自由だと思います。そのうえにおいて、当然、公平性がしっかり担保されていなければなりませんという観点からお話をされているんだろうなと思いますけれど、いずれにせよ、報道の自由を尊重するというのは自由民主党の基本姿勢ですから、そのうえにおいての議論だろうなと思います」

日中首脳会談の可能性
秋元キャスター
「インドネシアで開かれますアジア・アフリカ会議について聞いていきたいと思います。そもそもアジア・アフリカ会議は1955年4月にインドネシアのバンドンで開かれたものが始まりで、植民地からの独立、基本的人権、国家の主権などを決議した国際会議です。そのことから通称バンドン会議とも言われています。今回はその60周年を記念した首脳会議となっていまして、インドネシアが議長国で、日本、中国、韓国など109か国、25の国際機関が参加します。安倍総理は明日21日にジャカルタに向かわれ、22日の首脳会議の際にスピーチが行われる予定ということですけれども」
反町キャスター
「日中首脳会談が行われるかどうか。見通しはいかがでしょうか?」
安倍首相
「まだ、何も決まっていませんが、私としては、自然な形でそういう機会が設けられるのであれば、お目にかかる用意はもちろん、あります。こうした機会を利用して、意思の疎通をしていくということは両国にとって必要なことではないかと思いますね」

AIIBへの参加は
秋元キャスター
「AIIB(アジアインフラ投資銀行)についても聞いていきたいのですが、57か国が参加を表明している中国主導のAIIBへの参加に関してですけれど、現在、創設メンバーとして57か国が、20日時点で表明をしていますけれども、総理、日本は参加、不参加を決めるにあたって大切にしていることは何になりますか?」
安倍首相
「大切にしていることは、日本はアジアの一員です。その意味においてアジアのインフラの需要が、インフラがドンドンこれからできあがっていく中においては、資金需要があるのは事実です。それに対してAIIBの交渉がでてきたのだろうと思います。同時に、こうした資金の投入、金利もかかっていくわけですから、それぞれの国々がお金を借りて、インフラをつくって、そのあとも国の発展のために、借金を返しながら、インフラを活用できるという案件でなければ、結果として、その国のためにならないということもあるんです。ですから、こうした機関ができることにおいては、しっかりしたガバナンスがあるということ。そのガバナンスにおいて、それぞれの案件においてちゃんとした審査が行われる。理事会が機能する。インフラへの投資は環境への負荷になる場合があります。環境への負荷がどうなのだろう。そこに住んでいる人々にとってどういう影響があるか。社会への負荷があるのかどうか。そうしたものをしっかり見ていくことができるかどうかということが大切です、透明性とともに。いわば悪い高利貸が世の中にいます。そういう高利貸からお金を借りた企業というのは、結果として、その場しのぎではあっても、未来を失ってしまう。そういうものになっては、アジアの一員としてはならないという思いが強くあります。ですから、そういう中においては、日本は出資する以上、国民の皆さまに対して、我々は責任があります。アジアの人々に対する責任。国民に対する責任。域外国と域内国。日本は域内国であります。中国に次いで大きなGDPがあります。当然、出資額は大きなものとなります、もし入って出資ということになれば。そういう意味において、しっかりと、先ほどのような前提条件が満たされるかどうかということについて、慎重に考えていくことは当然ではないかと思っています。申し上げた懸念については、アメリカはもちろんのことでありますが、参加を表明しているG7の国々は、基本的に同じ懸念を持っていると言ってもいいと思います」
反町キャスター
「参加を見送ることによってインフラ投資のチャンスを失うということはやめてほしいというようなことを記者会見で話された方もいます。そういう経済界からの懸念について、どう考えますか?」
安倍首相
「そもそも参加する、しないで、資金の恣意的な運用をするのであれば、そもそもバツです。たとえば、アジア開発銀行ですが、日本は最大の出資国ですが、だからと言って、日本の企業がアジ銀の資金で事業と獲っているということは、まったくないです。つまり、それだからこそアジ銀は、大変透明性が高く、公平にやっていると言われている。いわば各国が資金を持ち寄ってきて、インフラに投資をする以上、恣意的な運用はあってはならないし、恣意的な運用をすれば、金融機関は恣意的な運用したらアウトでしょう。だから、そうなってはいけないと。そういうことです」

米上下院総会での演説では
秋元キャスター
「アジア・アフリカ会議に続きまして、安倍総理は、アメリカを訪問されるんですけれども、その日程は4月26日に日本を出発して、4月28日には、ワシントンを訪問されて、日米首脳会談が行われます。29日、アメリカの上下両院合同会議で演説をされるということですが、この演説というのは日本の歴代総理で初ということです。5月3日に帰国されるということですけれども、総理の今回の訪米の最大の目的は何でしょうか?」
安倍首相
「最大の目的は日米同盟をさらに強化して、日米同盟が主導するアジア太平洋地域、世界平和と繁栄に向けて何をしていくのか、というメッセージを出したいと思っています」
反町キャスター
「上下両院の合同会議。日本の総理として初めてということですよね。特別な意味もあると思うんですけれど、そこでの狙い、何をアピールされたいのか。特に絞ったテーマはありますか?」
安倍首相
「上院とか、下院、どちらかにおいては、岸信介、池田(勇人)首相もやっていますが、上下両院の合同会議では初めてになります。私も初めてということで驚いたのですが、日米の同盟関係、強固な同盟関係において、アジア太平洋地域の平和と安定を形づくってきたと思っています。ですから、今回が初めてになるからこそ日米のこれまでの歩み、過去の大戦もあります。こうした歩みを振り返りながら、同盟が果たしてきた役割、日本と米国が協力をすることで成し得たこと。これから、先ほど申し上げましたように、アジア太平洋地域の繁栄も含めて、世界に貢献する日米同盟ということについて、お話をしていきたいと思っています」
秋元キャスター
「こういう演説の場ですと、総理も緊張されるのですか?」
安倍首相
「我々は演説するのが仕事ですから」
秋元キャスター
「日本で演説するのと違いますよね?」
安倍首相
「オーストラリアで、国会で演説をいたしました。インドの国会においても、第一次政権の時に演説をいたしましたが、その時は日本語で行ったのですが、豪州では、初めての国会演説だったのですが、英語で行いまして、今度も米国では英語で行うということで、ですから、母国語よりは緊張しますが」
反町キャスター
「言葉の緊張だけですか?伝わる相手、広がりというのは国会における所信表明とは異質のものがあるのではないですか?」
安倍首相
「ただ、日本の演説はヤジがきますよね。それはないだろうと思っています」

戦後70年談話
反町キャスター
「一方、アメリカにおける演説の内容は、たぶんこの夏に出される70年談話と非常に密接にリンクをするのではないかと、我々は受け止めているんですけれども、50年の村山談話、60年の小泉談話、70年の安倍談話という、この流れの中で、安倍さんは全体として引き継ぐと言っていますけれども、その言葉として、たとえば、侵略、植民地支配、国策を誤った、痛切な反省とか、心からのお詫び。そういう言葉が入るかどうかという、そこのところの議論というのは当然、僕らとしては、総理のスピーチされた70年談話を出されたあとに、それはどうだったのだろうかと検証せざるを得ない部分というのは、多少あるんですけれども、そういう言葉の1つ、1つを盛り込むかどうかということについてはどういう気持ちで進めていますか?」
安倍首相
「村山(富市)総理は村山総理として語られたわけです。それは閣議決定していますが、小泉(純一郎)総理は小泉総理としてと。しかし、小泉総理の時には村山総理の談話を下敷きにしているという感じはあります。私の場合はそうではなくて、まさに、安倍政権として、総理大臣である私としてどう考えているんだ。日本の過去においても、先の大戦に対する反省、その反省を基にした戦後の平和国家としての歩み、これから地域や世界のために、さらに、平和に貢献をしていくという決意。70年、80年、90年、100年に向けて日本はどういう国になっていくのかを発信したい。そういう文脈で考えるわけでありますから、そこにおける用語を、同じ単語を使うかどうかということは、ほとんど私の考え方からどのように伝わっていくかということが大切なのだろうと思います。同じことを入れるのであれば、談話を出す必要はないではないですか」
反町キャスター
「それは、この番組に菅官房長官が出演した時に、同じものを出すのであれば出す必要がないんだと言っていました」
安倍首相
「コピーとして渡せば、名前だけを書きかえればいいだけの話になりますよ」
反町キャスター
「そこの部分は、まさに、安倍カラーをどのぐらい出すかというところがポイント?」
安倍首相
「これまで談話が出ていますから、ここまでの50年、60年ですね。歴史認識においては、この基本的な考え方を継いでいくということは、申し上げているわけですから、そこに書かれていることについては引き継いでいくんですよ。ですから、引き継いでいく以上、これをもう1度書く必要はないだろうと思います」

日米ガイドライン改定
反町キャスター
「今回の訪米の話に戻りますが、日米ガイドラインの見直しの作業が進んでいて、今回の総理の訪米が1つの節目というか、一里塚になると思うんですけれども、今回のガイドラインの見直しについては首脳会談でそういう段取りというか、どのような合意点まで見つめていますか?」
安倍首相
「今度、ガイドラインについては中谷防衛大臣、岸田外務大臣も訪米します。米国において、国務長官と国防長官と会談を、2プラス2の会談を行います。そのうえで、このガイドラインについて、当然、最後の詰めを行うのだろうと思いますね」
反町キャスター
「先ほどのAIIB、経済面における日米連携。つまり、中国に対する脅威、ないしは中国の問題点については日米が連携した問題点を指摘するという、AIIBに関しての話です。ガイドラインに関しても、1997年のガイドラインというのが、朝鮮半島有事を想定したことだとすれば、今回の憲法改正というのは明らかに中国の海洋進出に対する脅威というものを、ある程度、念頭においたガイドラインの改定だと、僕らは見ているのですが、今回の訪米というのは、経済面でも、ないしは安全保障面でも、日米が連携して、いかに中国の脅威に対して、ここはあまり言うと難しいのかな、そういうものを意識したものになるという見方になるのか。そういうことでよろしいですか?」
安倍首相
「これは、どこかの国を、特定の国を敢えて挙げませんが、アジア太平洋地域の安全保障環境は非常に厳しさを増していると思います。たとえば、南西地域においては、かつては自衛隊の航空機がスクランブルを頻繁に発動するということはありませんでした。海上保安庁も毎日、毎日、荒れる海の中で、大変な作業をしながら、日本のいわば領海をしっかりと守っています。海の状況も、あるいは空の状況も大変厳しい。これは10年前とは比べものにならないと言ってもいいと思います。その中において米国はリバランシング政策を唱えています。いわばアジアにおける力の均衡にために、アメリカは、もう1度、安全保障政策の見直しをしたわけです。それが大きな点。もう1点は、今度の安全保障法制です。グレーゾーンから集団的自衛権を一部、容認まで切れ目のない対応が可能になる法制を行います。その法制を行う前提にアメリカのリバランシング政策があって、そして、このガイドラインがあると。その申し上げた中において、日米の同盟関係はより効率的になります。機能は強化され、絆は強くなり、結果として、抑止力は強化され、地域はより安定的な地域になり、平和を保つことになると思いますね。その考え方で言えば、新しい時代に相応しいガイドラインになっていくのだろう。大きな変化に対応したガイドラインになっていくと思います」

翁長沖縄県知事との会談
反町キャスター
「沖縄の話です。先週の金曜日ですけれども、翁長知事と初めての会談をされました。翁長さん、会談後の談話でこのような話をされていますと『オバマ大統領に、沖縄県知事はじめ、沖縄県民が明確に反対している、辺野古への移設です、と伝えてくださいと、総理にはっきりと申し上げた』というようなことを、翁長さんは、総理との会談後、このように言っているんですけれども、オバマ大統領に対して、直近に4月17日に、翁長知事と会ったんだけれども、こういうことを知事は言っていたと大統領に伝えることになりますか?」
安倍首相
「これは、翁長知事からこれを伝えてくれと言われて、私に伝えてもらいたいという気持ちはわかります。しかし、既に選挙の結果については、アメリカ側にも、こういう結果になっていますよ、衆議院選挙も、知事選挙も。知事は反対をしていますという、また、選挙の結果も、こうですという話もこれまでもしています。今度あらためてするということについては…。会談をしたということについては話をするかもしれません。知事はこのように言っていたと。ですが、こう言っておられたから、こうしてくださいということではなくて、そういう状況ということについては話をしようと思っています」

安倍晋三 内閣総理大臣の提言:『平和と繁栄』
安倍首相
「平和と繁栄です。今度のバンドン会議においても、このバンドン会議に日本が招待されている。ひたすらアジア地域の平和と安定ために尽くすべきだと。また、それが義務であると考えてきたと。今後はアジアの地域だけではなくアフリカ。これまでも、アフリカ、中東地域の平和と安定のためにも尽くしてきました。今後もさらに地域や世界のために尽くしていく。それが積極的平和主義である、という話をしていきたいと思っています」

今後の日本外交を考える 安倍首相訪米の意義
秋元キャスター
「安倍総理大臣の今回の訪米の意義をどう考えますか?」
村田氏
「そうですね、2つあると思うんですけれども、1つは、もちろん、行政府と行政府との関係は大事なのですけれど、議会との関係ですね、とりわけアメリカの場合は現在、野党共和党が多数を握っていて、いわゆる、ねじれ国会状況になっていますから、議会に対しても日本の姿勢というものをわかってもらうことは大変大事だと思うんです。特に、この歴史の節目の時に、アメリカの議会の中にも、たとえば、中国系や韓国系の議員の方々もおられる。そういう方々に安倍外交のメッセージというものを率直に語りかけるという、そのことは大変大事だと思うんですね。それから、今回はワシントンだけではなく、ボストン、ロス、サンフランシスコとまわられるということですね。アメリカと言っても日米関係や日本の政治を常にウォッチしているような専門家と、一般の方々の間に随分乖離があって、最近の世論調査でも日本の総理大臣の名前を知っている人は、7割は知らないですね。ですから、まず日本の総理の顔が見えるという、一般の方々に、日本の外交についてもっと知っていただくという、そういうパブリックディプロマシーの側面と、その専門家、プロを相手としたしっかりした外交と、2重の意味があると思いますね」
反町キャスター
「最重要ポイントは、どこが1番大切だと思いますか?」
村田氏
「今年が戦後70年にあたるということで、8月には総理が談話をまとめられるということでありますから、8月の談話が一発ではなくて、長いプロセスの中で、何回かに渡って、いろんな形で表明されるステートメントの積み重ねとして、最終的に8月の談話に収斂されていくであろうと思いますから、そういう意味で8月の談話のベースになるような、基本的な考え方を、大統領や議会、アメリカの国民に示して、理解を求めるのが大事だと思います。日本であまり言われませんけれども、今年、2015年というのは、アメリカにとって実は南北戦争150周年でもあるわけですね。1865年に終わっていますから。南北戦争150周年のアメリカにとっての歴史の大きな教訓というのは、リコンシリエーション、和解ということだと思うんですね。国内が2つに分かれて、六十数万人の同胞の命を奪いながら、戦争が終結して、そのあと国家としてもう1回再建してくる。和解というのは、実はアメリカにとって今年キーワードであって、そのことはアジア太平洋地域にとってもキーワードであろうということですね」
反町キャスター
「総理のアメリカでの演説をどう見ていますか?」
凌氏
「歴史認識問題、アメリカでも波乱を起こした問題ですから、中国、韓国ばかりではなくて、世界に向けてちゃんとしたスピーチをすることが必要だと思いますね。それで村田さんが言われたように、たとえば、今回バンドンで話されますね。今度はアメリカの議会と。それから、8月15日とこう行くわけですから、なるべくはやく中国とか、韓国が安心できることを述べることが重要だと思いますね」

AIIBと日中関係
反町キャスター
「中国はAIIBに日本に参加してほしいのですか?」
凌氏
「何回も誠意を込めて入ってくださいと言っているのですが、これは、もう疑いの余地はないと思いますね。もちろん、中国国内にもいろんな意見がありますから、日本が入らない方がいいという意見もないわけではないけれども、政府としては、私が大使館の人達から聞いた話でも、もうそれは本当に誠意を込めて入ってほしいということを言っています。実は3月の初め頃までは、日本にまず入ってほしいと。ヨーロッパの方も入るといった時はもう少し待ってくれと言っていたんですよね。少し待っていてくれと」
反町キャスター
「日本が入ってからにしてくれと?」
凌氏
「そう、これは基本的には域内から域外へというのが原則だった」
反町キャスター
「まず域内を固めたいと」
凌氏
「そう。ところが、どうも日本は大変頑固だと。入らないと。そこでヨーロッパということになったわけですね。だから、中国としては一貫して、アジア開発銀行との連携も大変密だし、中国が(アジア開発銀行の)副総裁をやったこともあるし、アジアインフラ投資銀行も実はアジア開発銀行を基礎にそれを発展させたいというのが、中国側のたぶん希望ですからね。希望というか、方針ですから。日本が入ってくれることによって、国際的信用も高まるし、それから、いろいろなノウハウも学べるしと。これはだいたい疑問の余地がないと思いますけどね。基本的には、このアジアインフラ投資銀行というのは、3つの面で大変重要な意味があると思うんです。1つは、2007年の世界金融経済危機で表れているように現在世界はマネーゲーム、そういう方向にいっちゃって、実体経済が置き去りにされているんですね。ですから、このアジアインフラ投資銀行をつくることによって、発展途上国、陸のシルクロード、海のシルクロードを含めて、インフラを整備することによって、実体経済を強化すると。大変重要ですよ。日本も1番良くわかっていると思うんですね。ですから、こういう意味において、現在のマネーゲームの経済から、実体経済、真の経済で世界経済を押し上げる。そういうものに持っていくという意味が1つあると思うんですね。もう1つは、現在の国際金融秩序というのは最近いろいろ報道されたから、現在の制度がいかに不合理であるか、2010年に改革をやりました。しかし、アメリカ議会の反対のために、オバマさんもどうしようもないと。この5年間、置き去りにされてきた。今回のG20でも皆さんの不安が述べられましたけれども、結局、このアジアインフラ投資銀行ができることによって、IMF(世界通貨基金)及び世界銀行の改革を促進する役割を果たしていきます。中国の目的もここにあるわけですね。これが2つ目。それから、3つ目には、これは経済ばかりではなく、安全保障もこれから影響していくと思いますよ。安全保障体制、世界の。と言うのは、今回の加入にあたってはヨーロッパの国などは安全保障問題と経済の問題で矛盾していたんですね、イギリスにしても。結局それを外務省の反対を押し切って経済を求めた、首相がそれで加入を決めたと。つまり、経済的な面において、壁を破ったんですよね、これまでの。これは当然、徐々にですが、時間はかかりますが、安全保障体制にこれから影響していくのではないかと思います。つまり、現代の国際経済政治秩序のパラダイムを転換と言いますか、改革と言いますか、それがこれから生まれてくるのではないかと思います」

今後の日米中関係のあり方
反町キャスター
「アメリカに、中国は自分の国と匹敵する大国であると認めてほしいという想いの延長線上にAIIB。つまり、アジア開発銀行とか、世界銀行とか、戦後アメリカがつくった国際金融秩序に代わるものを、中国がつくって、アジアに橋頭堡を打ち立てていくと、この見方は穿っていますか?」
凌氏
「これは何も中国が望んでいるのではなくて、日本がやろうとしてできなかったんですよ。しかし、中国にはできる可能性があるんです。力もあるし、世界の流れが中国を押し上げているんです。だから、これだけたくさんの国が集まっていると。私がフォローして見ていると、もともとアジアインフラ投資銀行は現在のような規模ではないですよ。31日で締め切ったでしょう。その時は50か国だったんです。現在は57か国ですよ。締め切ったあとにも入れているわけです。ですから、中国が押し上げられたんですよ、初めはここまでのことは考えていなかったんです」
村田氏
「そういうふうに論ずることもできると思うんですけれど。しかし、中国の外交的な大きな成果であることは間違いないと思うんですね。中国は外交上の強みと言うのは、中国の将来についてポジティブな絵を描き、それを宣伝することができると。安倍談話、今後の日本外交にはそういうところが必要なんですけれども。今後の日本外交が、こんなにポジティブな絵を描けるんだという、未来に関するビジョンについては、中国に強みがある。その点では、日本は追いつき、追い越す努力をする必要があると思うんですね。そこは、1つの日本外交の反省点としてあるのだろうと思うんですね。冷戦思考に陥ってはいけないので、そういう意味でG2なんて議論は…。中国が(G2を)繰り返し、繰り返し言うというのは、結局、冷戦思考的なものを自分から持ち出していって、都合の悪い時は、冷戦思考は良くないと、大国意識の時はG2を使うという、そういうダブルスタンダードは長期的には国際世論の信頼を得ないと思います」

戦後70年談話
秋元キャスター
「戦後70年談話をどのように見ていますか?」
村田氏
「この20年間、基本的に村山談話というものを踏襲して、歴代の内閣はいろんな談話や方針を発表してきていますから、文言そのものはともかくとして、村山談話の趣旨というものを活かしながら、未来志向の談話を発表するということが、大変大事だろうと思います」
凌氏
「未来志向は当然いいんですけれど、問題は過去の歴史について、ちゃんとケジメをつけなかったら、未来志向は宙に浮いたものになるという認識ですね。ドイツのように、過去の歴史にちゃんとケジメをつけるといいけれど、日本は、安倍さんのいろいろな発言が信用おけないと。これが現在の中国、韓国ですよね。ですから、これは談話でもって、ちゃんとケジメをつけると。そういう意味において、村山談話は一応受け入れられているわけですから、これを踏襲するのが1番だと思いますけど。しかし、それを踏襲しないで、自分の言葉で、という場合でしたら、どういう言葉を使うのか。なるべくはやく相手に知らせた方がいいと思うんですよね。8月15日まで待たないで。そうすると、8月15日まで進まないから基本的な、事務レベルとか、下の政府レベル、あるいは民間レベルは問題がないですけれど、問題は、1番肝心な首脳レベルのところが進まないから。これはなるべくはやく相手を、中国と韓国を安心させる必要があると思いますね」
秋元キャスター
「先にこういう文言になりますと言ったなら、中国側から注文がきたりしませんか?」
凌氏
「それをやるのはおかしくないでしょう。中国、韓国が受け入れなければ、発表をしたって意味がないですよ」
反町キャスター
「そんなことはないですよ。中国、韓国のための談話ではないですから。総理談話というのは、国内向けに発表するのであって、中国、韓国が批判をするのは自由だけれども、中国に納得してもらうために出すという目的ではないでしょう」
凌氏
「その代わり、日中関係は現状のまま、続きますよ。日本の国益にとってプラスになるかどうか。日本の国内の人だっていろいろな意見がありますけれど、村山談話を継続すべきだという意見も半数近くあるんでしょう。ですから、私は日本の国益を考えた場合に、外交ですよ、この発言というのは。ですから、当然の相手のある話なのだから、事前に調整するのは決して悪いことではないです」

凌星光 日中科学技術文化センター理事長の提言:『協調を目指したチェック&バランス』
凌氏
「この意味は、まず協調を目指したというところには、冷戦思考から脱皮すると。敵をつくらないってことですかね。それから、チェック&バランスというのは、先ほども中国もいろいろ問題があるんだと、まさに問題はあります。ですから、お互いに建設的な意見を出しあうということですね。そして初めて調和がとれた協調世界ができると。そういう意味で、2点ほど、冷戦思考からの脱皮、建設的な意見を出しあうと」

村田晃嗣 同志社大学学長の提言:『プラスサムの連立方程式』
村田氏
「日米が良くなると中国が困る、米中が良くなると日本が困るという単純な議論から脱却すべきだし、共和党は日本重視で、民主党は中国重視だとか、そういう2分法の発想からではなく、日米中、皆が良くなるということが1番大事だと。それから、戦略的に言うならば、連立方程式と書いたんですけれども、日中だけを比べると中国が強いです。ところが、日米と中国を比べると日米が強いです。この2重が微妙なバランスを維持しているということだと思います」