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2015年4月17日(金)
日中韓3記者が熱論! 歴史・領土・安倍談話

ゲスト

古森義久
産経新聞ワシントン駐在客員特派員
金玄基
中央日報東京総局長
李海
香港衛星テレビ東京支局長

日中韓ジャーナリストが熱論 アジアインフラ投資銀行
松村キャスター
「AIIB(アジアインフラ投資銀行)とは、アジア地域のインフラ整備を目的として中国が主導し年内の設立を目指している国際金融機関。一昨日、創設メンバー57か国が発表されました。このAIIBについて、ワシントンで開かれた日米財務相会談のあと、麻生財務大臣が記者団に対して『ルー財務長官との会談では、AIIBについて、公正なガバナンスの確保、債務の持続可能性の確保、そして環境、社会に対する影響への配慮などの国際的に確立したスタンダードに基づくことが重要ということで一致しています』と述べています。日本はAIIBへの参加を見送る姿勢をあらためて示したのですが、李さん、この日本の動きをどう見ていますか?」
李氏
「日本がこの点について見送ったことは、表ではガバナンスの不透明さや人権問題、環境問題の破壊などを言っているのですが、これは主な原因ではないと私は思っています。主な原因は日本の同盟国アメリカに対しての配慮ですね。現在は日本にとってすごく大事な時期で、集団的自衛権、憲法の改正、安保法制に関する法律の設定、TPP交渉の一連の行動はアメリカと交渉をしなければいけないですね。日本は現在、弱い立場になっているので、もしアメリカの支持を得たいならば、アメリカの言う通りに、AIIBの参加を見送る。もし参加をしたら、アメリカはおそらく日本のこのようなお願いはあまり聞いてくれないかもしれません。従って、日本は当分参加を見送ります。それをカードとして、これから安倍首相はアメリカに行ってアメリカと交渉をする。私はそう理解しています」
古森氏
「現在の日本における議論で、あまり出てこないのは、このアジアインフラ投資銀行というものが、いったい何なのかというのを、当然、金融とか、経済の面では厳しく、詳しく吟味をしていますけれども、その背後に大きく広がっている安全保障、軍事、あるいは中国の国威発揚というような非経済部分の要素というのを見なければいけないと思うんです。これは現在、習近平主席がよく言っている民族の偉大な復興、屈辱の歴史の清算。(これが)何かと言うと現代版の中華帝国です。ユーラシア大陸からアフリカ、中東に向けて勢力を広げていくという。軍事面ではそういう動きというのは十分見られるわけですけれど、それを経済面でバックアップしていくような要素というのが非常に強いわけです。日本というのは中国のそういう軍事絡みの行動に1番影響を受ける国で、中国というのは、反日という要素が国是と言えるような、根幹部分に埋め込まれているようなところで。だから、そういう国が主導している野望を、経済覇権主義ですが、それにすぐ日本が入っていくということはまずおかしい。2番目に、アジア開発銀行(ADB)というのがあって、これは日本が主体となって、アメリカも同じですけれど、ずっと続けてきて、中国に対して日本の国民の税金をアジア開発銀行でどんどん提供していた、インフラに。それを中国が散々受益をしておきながら、グルッとまわって、自分が仕切る側になってやるんだということになると、じゃあ、いったい何だったのかという。3番目には、麻生さんが言っているガバナンスという、たとえば、1番最近の例で、メキシコの高速鉄道の国際入札というのがあって中国の代表が落札した、すごく安い値段で。そうしたら、少し経ったら、不正があったというのがわかって、チャラになったというのがあって、こういうことに見られる中国の対外的な経済面、金融面での活動の規範。これはずっとアメリカとか、日本とか、ずっと戦後、ブレンドンウッズ体制からの延長で守ってきて、透明で公正で、誰でも完璧で公正というのはないけれども、それに近づこうとする努力というものをまったく否定しているような部分があると。だから、日本の議論で、バスに乗り遅れるなというのがあります。そのバスがどこに行くかわからないバスです。バスかどうかもわからない。それから、現在入らないと日本が孤立してしまう。これも国際金融組織という、多国籍のものは、アジア開発銀行、IMF、世界銀行、二十幾つあるんです。BRICSとかを入れると。だから、アジア開発銀行があるんだし、世界銀行があるんだし、日本は決して、そこに入らなかったからといって孤立するなんてないわけです。だから、それに目先の財界の方が、入っていかないと、ビジネスオポチュニティを逸するんじゃないのと心配するんだけれど、よくわかるけれども、じゃあ、アジアのインフラのプロジェクトで日本の企業がどれだけ落札をしたかというと、アジア開発銀行の例をとったら1%にいっていないです。競争力がないです。安い方法でどんどんやるとか。だから、俗人受けのしやすいキャッチフレーズというのは説得力がないし、とにかく慎重に見ていくべきだと思います」
松村キャスター
「韓国は参加を表明しているのですが、その理由として1番大きなものは何だと思いますか?」
金氏
「これは、同盟国についていくとか、歩調をあわせるとか、そういう単純な次元の問題ではないと思うんですよね。意思決定のベースとなるのは自国の国益になるかどうかの観点だと思うんですけれども、AIIBというのは現在、アジアの中で96兆円と言われるインフラ投資の規模があるわけですから。全然、それにADBが絡んでいないという部分があるので、そこに韓国の企業が積極的に進出をして、利益を得る。それが1番正しい意思決定ではないかという観点で判断したと思うし、これは急に決めたわけではなくて、実は昨年の8月から、ずっとタイミング、どういう形でやるのが良いのかを研究した結果だと思います」
反町キャスター
「中国に対する経済の依存度が高いのは当然のこととして。でも、安全保障はアメリカに頼っているという。その政治と経済の分離、分けて考えるべきなのか。政治と経済は分けられないものだから、ここは少し混ぜて考えた方がいい。つまり、AIIBへの参加は慎重に考えるべきであると。中国に傾斜し過ぎることによる米韓関係の悪化を懸念する声はなかったのですか?」
金氏
「いや、もちろん、それは考えたでしょうね。韓国の方は一応、判断をしたのは、結局はアメリカも入るだろうという判断をしたわけです。で、裏側は、水面下では実際に韓国の政府はアメリカを説得したんです。これは外で牽制するのではなく、中に入って牽制をした方がアメリカの国益になるのではないですかというような説得の仕方をやって様子を見たわけです。様子を見たら、強い反発、反対ではないというような感触をもらった部分もあると思うわけです」
反町キャスター
「入ってしまってもいいだろう、あとからアメリカと日本が来るだろうと。だったら、先に行ってしまえばいいと」
金氏
「それよりも先にイギリスが入ったではないですか。その部分もプラスに働いたかなと思います」
反町キャスター
「李さん、AIIBを中国が進める背景に、こういう考え方がある。『一帯一路』というのを習近平さん、李克強さんは使われますけれども、中国の大復活みたいな、復活を目指している1つのコンセプトが一帯一路。海のシルクロードと陸のシルクロードをもって中国の世界との結びつきを強化していこうということなのだろうと思うのですが、それの道具がAIIBなのか。そうすると、AIIBというのは中華帝国復活のためのツールに、何でそこに日本やアメリカがお金を出さなければいけないのか。その部分が釈然としないんですけれども、そこの部分はどう考えたらいいのですか?」
李氏
「現在は経済がまわらないです。ヨーロッパにしても。まわらないから、そういう良いプロジェクトは必要です。しかし、ADBにしろ、IMF(国際通貨基金)にしろ、このような問題解決はできないです。この考えを出した一帯一路、AIIBを考えた人はすごく良い考えですよ、我々から見ると。私が日本の経済専門家に聞いたら、彼によれば、これは改革開放に勝ることですよ、この案件は」
反町キャスター
「これに参加をしない日本は損であるとはっきり言い切れますか。AIIBに日本は絶対に参加すべきであると」
李氏
「たとえば、改革開放も、これが始まる前にもいろいろな人が反対をしたんです。中国のこの30年の発展も、私自身も予測できなかったんです。これからの30年は、これはアジア一体の大きなプロジェクトで、それはよく日本人はよく考えた方がいいのかなと私は思っています」
古森氏
「このAIIBに対して、中国出身のある学者がつい最近ですけれども、次のような描写をしたんです。これは、中国の、中国による、中国のための構想であると。だから、中国の国益というところから見れば、これは非常に理路整然として素晴らしい、胸はずむ構想だと思うんだけれども、ゼロサムゲームの相手になりがちな日本にとってはどうかなということです」
反町キャスター
「一部の報道で、これは未確認ですけれど、日本が参加をすればAIIBの副総裁のポストを日本に提供するという情報があるんですけれど、それはお聞きになったことはあります?」
李氏
「報道を見ました」
反町キャスター
「その信憑性をどう見ていますか。つまり、そのくらい中国は、日本に参加してほしいと思っていいのかどうか。そこだけです。どう見ますか?」
李氏
「どうして、そのような中国の好意を敵意に読み取る」
反町キャスター
「敵意ではないです。僕が言っている通りです」
李氏
「良いポストをあげていいんじゃないですか」
反町キャスター
「そのぐらい日本に混ざってほしいと。参加してほしいと」
李氏
「そうです。もうちょっと役割を果たしていいのではないですか」
古森氏
「お金は出すわけですからね、当然、日本は。大事な公的資金ですよ」
李氏
「私から見ると、確かに大したお金じゃないかなと思うんです。400億(ドル)用意しているから、日本が出したら何十億(ドル)でしょう」
反町キャスター
「億ドルですね。だから、3500億円ぐらいの話になっていますね」
松村キャスター
「古森さんは、この中国の要請に対して日本はどう受け止めるべきだと考えますか?」
古森氏
「現在のままで良いと思います。様子を見ようと。別に入る必要はないと。そういう姿勢は崩すべきではなくて、非常に穏やかな表現で加わらないと理由を、麻生さんが語っているけれども、それはそれで良いのでね。ただ、私は、アメリカへの配慮とか、アメリカを喜ばせるためにそうしているという感じは受けないです。最後に1国だけ入らない方が良い、あるいは入らないままになっちゃう国があるとすれば、それは日本だと思うんです。先ほど申し上げたように、安全保障とか、これまでの実績とか、いろいろ考えて。たとえば、中に入って中国のやり方を変えるというのも、響きは良い言葉だけれど、WTOに中国を入れるかという議論がずっとあって、入って、もう十何年も経っているけれども、中国に対するWTOの規則違反の提訴ばかりが起きて、中国は誇りある人達だから、そんなに簡単に自分達のやり方を変えないと思いますよ」

歴史認識問題の行方
松村キャスター
「日中、日韓の関係を最も冷え込ませているのが、歴史認識問題です。まず日韓の間のトゲとなっているのがいわゆる従軍慰安婦の問題ですけれども、日本政府は多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であると認識しながらも、賠償や財産、請求権の問題は法的に解決済みとしています。一方、韓国側は、日本政府がこの難題を解決するために真の努力を傾けるなら、両国に共同繁栄の新たな未来が開かれるだろうということで。問題が未解決で、日本はさらなる努力をするべきとしているのですが…」
金氏
「2012年です。日本で民主党政権の時に、当時の外務省の事務次官であった佐々江さんが韓国に個人レベルで伝えた、そういう佐々江案というような案があります。3つですけれど、1つ目は、日本の政府予算で慰安婦の方々に人道的な支援をする。2つ目が、総理大臣が慰安婦の方々にお詫びの手紙を書く。3つ目が、それを韓国にいる日本大使が直接、慰安婦の方々に渡す。その3つです。いわば3点セットと言うんですけれども、韓国政府は、それを当時、拒否をしました。なぜかというと、国家の責任という部分が抜けていることと、現在の状況を申し上げますと、韓国はこの3点セットにプラスアルファを求めています。と言うのが、先ほど触れました国家の責任。法的な責任ですよね。法的な責任を日本政府が認めること。2つ目が、国家の予算で基金、賠償のための基金をつくれと。そういう要求をしているわけですね。でも、日本政府はそれに応じる気配がない。むしろ日本政府は佐々江案、3点セットと言われているんですけれども、3点セットではなくて、1.5セットぐらいは応じられるかもしれないけれど、韓国の要求は理不尽なものであるというような、戦いというか、方向性がまったく違うわけですね。そういうような状況の中で、韓国政府が思うのは、これは外交的レトリックでは解決できないという考えを持っているんです。と言うのは、慰安婦の問題が直近に新しく生じた問題だとすれば、それは何とか外交的な文言の調整や、それで解決できるんだけれども、これは20年以上続いてきた問題で、アジア女性基金というのがありました。それを韓国側が拒否をしたわけですけれども、それは日本の国家が関与したのではなくて、民間の基金でつくられた。もちろん、あとで国家の予算が入りましたけれども、形的には。それは民間の支援という、人道的な支援というような表現を使ったということです。そういう経緯をよく知っているからこそ、これは本質的な部分を解決できないと、また同じことが生じてしまうというような考えをしているわけですね。たとえば、レトリックで何とか解決をうまくしたとしても、たとえば、日本で、国会で、誰かが安部総理に質問をします。『これは、日本が法的な責任を認めて、国家の責任を認めたものですか』と聞いた時にそれはちゃんと答えできないと思うんです。それについて、これはちゃんと言っていなかったということで、また、韓国で炎上をする。韓国内においては、憲法裁判所の決定がありましたよね。憲法裁判所ではちゃんと国家の責任を認めて賠償の交渉をするように、韓国政府に求めたわけですけれど、それがちゃんと行われていなかった。それで、誰かまた訴訟を起こすかもしれないんです。韓国の最高裁判所に。あとで同じような決定がくだされるかもしれない。結局は解決できない問題になってしまうわけです。なので、この部分は本質的な解決が必要だと思うのが韓国政府の立場ですけれども、それにもかかわらず、私が思うのは、これは単にそういうような原則的な次元の問題ではなくて、はやく解決をしたい。なぜかと言うと、慰安婦の方々というのは、現在53人しか生存されていないです。それで平均年齢が88.3歳です。飛行機に乗れるような方々は5本の指に入ります。日本における、北朝鮮による拉致問題とだいたい似たような部分があるんです、高齢化ということでは。ですので、これを何とか慰安婦の方々がたくさん生存されている時に解決しなければいけないというような観点で、お互いが一歩ずつ引いて歩み寄る。そういう姿勢が、私は必要だと思います」
古森氏
「いろいろ反論はありますけれど、まず1つ、国家的責任というのは、韓国側が求めるのはいったい何なのか。それを突き詰めていくと、これまで事実に基づかなかった韓国側の日本に対する非難。これは、日本軍が組織的に20万人とも言われるような女性を強制連行していたと。ここから始まっているわけです、全部。この主張から。この主張は、実は証拠がなかったということがさんざん明らかになっていて、韓国側もそのへんは何となく曖昧にして、人道的な問題であるとか。それから、日本軍は関与したのではないかというようなことに変わってきていますけれどもね。それから、金さんはいろいろと非常に理路整然として納得できる点は多いですけれど、一部、日本の拉致問題との共通点があるという。これは高齢化というのをちゃんとつけたから、これはよくわかるんだけれども、本質的に違う部分ということがありますね。ですから、この問題の基本というのは、1965年の日韓基本条約で全部仲良くして、これまで悪いことをしかもしれないけれども、それは全部謝って、それに対する賠償もして、これは8億ドルぐらいのお金を出しているわけです、日本は。その時には、ご存知のように、慰安婦のイの字も出てきていない。これはあとから出てきた問題であって、日本側からすれば韓国の主張に対し、首を縦に振れない部分というのがたくさんあるわけでね。この問題ははやく解決した方が良いというのは、53人の方々が非常に気の毒だし。でも、本当に突き詰めて、国家の責任ということを追及すると、商業的な売春行為であってね、だから、その間には人身売買的なのもあったろうけれども、日本軍、あるいは日本国として責任を持って、強制的なことをやったわけではないという、その反論というのは、必ず、現在、日本から出てきますから。それに対して、そうではないんだという日本側の声というのは現在ほとんどなくなっちゃっているんですね。だから、そのへんを灰色というか、両方が譲歩してということだけれども、まさに、その通りだと思うんだけれども。ただ、日本側から見ていると、韓国がいったいどこまで、ワシントンでやるのは、韓国の日本に対するゴールポストという、目標のポストですね、これがどんどん動いているではないかというような。首相が謝ればいいとか。何か賠償をすればいいのか。そうすると次は国家賠償責任とか、もっと本気で謝らなければいけないとか、いろんな形が出てきて、何をすれば許してくれるのかというのがわからない」
反町キャスター
「何をすればいいのかについて、だいたい皆さん、そうですよね。韓国の方は、それは日本が考えることですと。何かすると、どうするかと言うと、それでは足りないという。これは疲弊します。疲れるんですよ。ゴールが見えないという、その部分の打ち切り方というのは、何かアイデアはありますか?」
金氏
「1番キーになっているのは国家、法的責任という部分ではないですか。そうしますと、日本側が法的責任という部分については解決済みだという、請求権の問題が解決済みだと。これまでの一貫した立場からズレが生じてしまうので、これは貫いているわけではないですか。ある意味、少しその部分を一部、国家責任と受け止められるような妥協案と言いますか、それにして、韓国が賠償問題はいい。賠償の問題は、お金の問題は、日本がある意味、一部国家の責任をこういうように表現をしたので、誠意を見せたので、賠償の問題、お金の問題については韓国政府がやるというような、そういうような案も、アイデアを考えてもいいかなと私は思います」
反町キャスター
「日韓の慰安婦問題を中国はどう見ているのですか?」
李氏
「実は、慰安婦問題の最大の問題点はおそらく日本と中国ですよ。それはもう表に出してないです。現在、中国で確かに上海師範大学で慰安婦研究センターも、中国政府のお金で建設されたので…」
反町キャスター
「それはいつできたのですか?」
李氏
「実は最近2、3年のことですね。あとは南京で、日本軍が運営しているアジア最大の慰安所あるんですよ。それを表に出してないだけ」
反町キャスター
「日韓が慰安婦問題で揉めていることを、中国は見ているというのではなくて、その問題が広がるのを待っていて、ないしは拗れた方が中国にとっては、拗れてどうなるか、わからなくなって、ぐちゃぐちゃになった時に中国はどこかのタイミングで実は我が国にもこの問題についてこういうのがあるんですよ、と出すタイミングを待っている?」
李氏
「そうではなくて、中国と日本はこの問題について交渉しています」
古森氏
「慰安婦問題に関しては、間違いなく中国系の勢力が主役ですよ。いわゆる日本叩き。具体的には、非常に洗練されたロビー活動をやる、PR活動をやる、中国系アメリカ人を中心とした組織がカリフォルニアにあって、世界抗日戦争史実維護連合会というのがあって、2007年の下院本会の日本糾弾の慰安婦決議もマイク・ホンダさんを使って、全部やってきているんです。だから、アメリカの識者が見ていて、(日本と韓国の)あまり仲が悪いと、中国に利するだけではないかと。中国はほくそ笑んでいるんだと。中国はアジアにおけるアメリカの安全保障活動というのは基本的には反対であると。だから、日米同盟に楔を入れる。米韓同盟に楔を入れると。日韓が喧嘩をすれば、アメリカの抑止力、防衛政策がガタガタしちゃうんだということで、中国はそういうことを一生懸命にやっている。韓国にKorean fatigueという、疲れがあるんだという言葉を使うんですね。アメリカ人の識者リチャード・アミテージさんとか、そういう人達が韓国に来て、日本に来て、帰って、日本には、韓国疲れというのがあって、何やってもダメだから、もうどうしようもないというのがあるんだよと言って、自分達も疲れちゃっているという感じを出すんです。国家安全保障会議のビクター・チャという韓国系アメリカ人ですね。この人がこの間、言っていたんだけれど、韓国は少なくとも(戦後)70周年の今年、日本がどんなことを言っても許してくれないと思うよと。異論があるかもしれないけど、私はそういう感じ。だったら、もう少し包括で、これまでと同じパラダイムでやったのでは、この問題は解決しないのではないかと思います」
反町キャスター
「中国がそういう、いつでも乗るよと準備をしながら待っている中で、日韓関係において慰安婦問題をずっとこだわり続けることというのは、韓国の中においては良い方法なのか、それともどうなのかという議論はあるのですか?」
金氏
「まさにおっしゃったように、こうやること自体が日本にも韓国にもマイナスですよ」
反町キャスター
「そこは皆さんおわかりになっている?」
金氏
「それは知っています。だから、団結しようと思っているわけ。だから、ちょっと日本の中の動きの中でも、少しこれで良いのかと思うのが、たとえば、こういつも歴史の問題とか、何かの問題において、いつも中国と韓国は味方だというような中国という対立軸に韓国を中国の方に押しつけていることですよ。これは日本にとって決してプラスではないと思うんですね。もちろん、韓国も同じですけれども、たとえば、冒頭で古森さんがおっしゃったような外交青書ですね、今年発表された、自由、民主主義、基本的人権など、基本的価値観を共有する国という文言が削除されましたね。インドが新しく入りました。ですから、昨年まであったオーストラリア、アメリカ、ここにインドが加わったわけです。要するに、結論的に言うと、現在の構図を、日本とアメリカ、オーストラリアもあるかもしれないですけれど、それに韓国と中国の対立構図に意図的なのかどうかはわかりませんよ。でも、現実的に動いているということは、お互い避けなければいけない、韓国も日本も。私はそう思いますね」

中国の領土・領海進出
松村キャスター
「中国は、スプラトリー諸島に埋め立てを進めたうえで、滑走路を建設している実態が明らかになりました。こうした動きに対して、15日のG7外相会合では、海洋安全に関する合意文章をとりまとめました。中国を念頭においたものだ考えられますがどのように受け止めますか?」
李氏
「この件については、私は知っている限り中国はあまり報道していません。報道をしているのは、この件についてはG7の外相会議に反対するデモを報道しています。逆にこの点については、日本は報道していないですね。どうして反対するのか」
反町キャスター
「この点に関して各国から批判の声が上がっていると。そのことをどう感じていますか?」
李氏
「中国の国内の報道によれば、埋め立て工事は軍事防衛の目的を認めているんですよ。他に民事の需要も必要ですね。たとえば、科学研究、気象観察、あとは先ほど言った、1対1の非常に重要な要塞ですね。これから中国のビジネスの発展は、それを後ろ盾にする、そういう狙いがあると私は思っています」
古森氏
「普通の常識で、浅い海のところに土を持ってきて、島をつくり、そこに飛行場をつくって、飛行機を飛ばして、軍事力を高めるというのは、劇画の世界の話みたいな話ですね。中国の王毅外相がその点を突かれたら『自分の家の庭で何をやろうが大きなお世話だ』と言ったんですよね。自由ではないかと。東シナ海でこういう動きをやっているかは知りませんけれども、南シナ海も東シナ海も同じであって、尖閣も当然そういう影響を受けるということ。尖閣には毎週のように中国の公的な艦船がどんどん入ってくると。それを日本は許容しているわけです。それは日本の平和主義、竹島の問題もそうですが、軍事的な手段で出てきたのに対して、何もしないで平和を守ろうということだけれども、これをやっていたら、やがては領土を放棄していくという道しか残されなくなっちゃう。そのへんの状況に懸念を感じますね」

尖閣諸島・竹島
松村キャスター
「文部科学省は中学で使われる新しい歴史教科書の検定結果を発表しました。中学校の歴史教科書には、竹島と尖閣諸島という記述が全てに入っています」
李氏
「中国は外交文を、スポークスマンが言ったのは、日本に釘を刺したんです。歴史は勝手に変えてはいけませんと。正しい歴史認識で次の世代に教育を施す、そういうふうに歴史を鑑みると、未来志向で日本と中国は戦略的互恵関係を継続して、対話で領土問題の解決を呼びかけます。こういう意見を表明しています」
金氏
「記述が7点中5点であったのを8点にすると。これは歴史だけであって、社会科ですから、地理とか、公民を含めると18点のうち14点あったのが、18点のうち18点、100%入ったことになったわけですね。100%という数字を少しショックに受け止められる部分(がある)。これは昨年の時点でもほぼ決まっていたことですよ。解説書が改訂されるようになりましたから、ですので、解説書に日本の政府はちゃんと表示しろということでしたので、昨年それが行われたのが、6年ぶりに解説書の改訂が行われたんですよね、中学校の。それが普段はこれまでは10年ごとに解説書の改訂が行われたんですよ。それが安倍政権に入って6年ぶりに異例的に、それをちゃんと反映しろというような改訂が行われたこと自体が、じゃあどういう考えで、どういう背景で、これが行われたのかというような観点で、韓国としては批判をしています」

戦後70年“安倍談話”
松村キャスター
「中国はどこまで70年談話というのを重要視しているんですか?」
李氏
「中国は、日本政府に対して村山談話の継承をしていただきたいですね。村山談話の核心となるものはアジアに対しての侵略とお詫びの態度です。それを堅持していただきたいです」
松村キャスター
「韓国では?」
金氏
「同じですね。談話というのは文書であり、文書というのは表現で決まりますので、これまで入れていたのを抜いて全体として引き継ぐというような表現に変えると、では、なぜそれを継承すると言いながら、そういう表現に変えたのですかと疑うのがそれは国家だけではなくて、個人とか、企業とか、常識だと思うんですよ。企業の契約においても、契約書にどういう表現が含まれているかによって解釈が違ってくるわけではないですか。それで、常識的に考えればいいのではないかと思います」
古森氏
「お詫びとか、謝罪という言葉は入れるべきではないと思います、私は。1つは、お詫びというのは相手が受け入れるということが前提で、やらなければ意味がない。現在の中韓を見れば、謝罪とか、お詫びと言ったところで、それで何か全て済むというものではまったくない。次世代の日本人に、いつまでも日本は悪いことをした国なのか。国家というのは対外的にそんなに簡単に謝らないものですよ。アメリカの中にも、日本が謝っても、謝っても歴史問題は解決しないよという声は結構出てきていますから、自らの過去をじっくり見るのは必要だし、反省は必要だけれど、謝るというのはしなくてもいいと思う」

李海 香港衛星テレビ東京支局長の提言:『対話 実行 行勝於言』
李氏
「対話、実行。中国語で行勝於言。つまり、言葉より行動が重要です。是非両国の関係の改善に向かって、相互理解に向かって、引き続き各レベルで努力していただきたいです」

金玄基 中央日報東京総局長の提言:『謙虚』
金氏
「日本は過去を謙虚に受け入れ、韓国は未来に向けて謙虚に向かい、中国は大国になった現在を謙虚に認識する。そういうような3国の謙虚の姿勢が必要な時期ではないかと思います。お互いを理解しようという努力、それがない限り、現在の時点では3か国が近づけない状況になっているので、ちょっと発想の転換をするタイミングではないかと思います」

古森義久 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の提言:『冷徹に、寛容に』
古森氏
「これは主に日本に対しての考えを頭に考えついたことですけれども、韓国とか、中国に対しても同じようなことを求めたい。歴史問題その他は完全に意見が一致するとか、理解しあうということはないわけで、違いはそのままにして、受け止めて、お互いの利益、お互いの立場、お互いの気持ちでいこうではないかと、破局的なことをとにかく避けるということだと思います」